JPH11182077A

JPH11182077A - トイレユニット

Info

Publication number: JPH11182077A
Application number: JP9367338A
Authority: JP
Inventors: Yutaka Nunomura; 豊布村; Takemi Sugisawa; 武美杉澤; Koichi Hara; 好一原
Original assignee: Sekisui House Ltd
Current assignee: Sekisui House Ltd
Priority date: 1997-12-24
Filing date: 1997-12-24
Publication date: 1999-07-06
Anticipated expiration: 2017-12-24
Also published as: JP3074158B2

Abstract

(57)【要約】【課題】住宅などの建築物におけるトイレ室の構築を
短時間で簡単に、効率的に行ない、トイレ室回りの間仕
切り壁を不要にでき、設備配管類の点検を簡単に行い、
トイレ室付近の閉塞感がないようにできる技術の提供。【解決手段】住宅内で略角筒状のトイレ室を形成する
ように床上に立設される前壁用コンクリートパネル１と
後壁用コンクリートパネル４と両側壁用コンクリートパ
ネル２，３と天井パネル９の側縁部同士を接合具７を有
し、前壁用コンクリートパネル１に出入り口用開口部を
設け、後壁用コンクリートパネル４には段部４ａを設け
て便器１６を取付け、天井パネル９上面と住宅天井下面
との間に適宜高さを有する空間部を設けた構成。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリートパ
ネルを組み立てることにより形成されるトイレユニット
に関し、特にそのユニットの壁面が住宅などの建築物内
における間仕切り壁を兼用できるようにしたトイレユニ
ットに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的に、従来の住宅などに設けられる
トイレ室の位置は、設計上限られた条件により、廊下に
囲まれた狭苦しいスペースに配置されることが多い。ま
た、この場合のトイレ室の構造は、間口が狭い割りには
天井が廊下などの高さと同じような高さに設けられ、こ
のためドア上部の小壁が高くなり、廊下側から見ると、
そのあたりを薄暗い雰囲気にさせている。また、マンシ
ョン等では浴槽とトイレが一体となったユニットバスが
多く使用されているが、このユニットの壁面は、内面側
を仕上げるように塩ビ鋼板やＦＲＰによる薄板成型板な
どの表面材のみにて形成され、強度のある間仕切り壁と
しての機能は有していない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のようなことか
ら、従来のトイレ構造については、下記に述べるような
問題点があった。（１）住宅など建築物の構築と共に間柱などを共用して
一体的に設けたトイレ室において、容積が小さく床面積
も狭い割りには居室と同様の内装工事が必要な上、狭い
中での給水管や配水管などの配管工事、便器の取り付け
工事などがあり、このような多種少量の作業が入り乱れ
て発生するから、手間がかかり作業効率が大変悪い。ま
た、このため、他の作業工程を圧迫している場合があ
る。（２）トイレ室が配置された辺りの廊下は狭く、暗い。
閉塞感がある。（３）また、トイレ付きのユニットバスなどで、ユニッ
トを構成するパネルは薄く面外剛性が低く独立した間仕
切り壁として使用できる機能を有していないから、間仕
切り壁を別に設ける必要があり、その分、手間がかか
る。（４）洋風便器で床置き型の場合、設備配管の点検は床
下に潜り、この狭い床下で行わなければならない。

【０００４】この発明は、前記従来の問題点に着目して
なされたものであって、その目的とするところは、住宅
などの建築物におけるトイレ室の構築を短時間で簡単
に、効率的に行なうことができ、かつトイレ室回りの間
仕切り壁を不要にできるトイレユニットを提供すること
にある。

【０００５】また、本発明は、別の目的として、設備配
管類の点検を簡単に行うことができるようにしたトイレ
ユニットを提供することにある。

【０００６】また、本発明は、別の目的として、廊下回
りであってトイレ室付近の閉塞感がないようにできるト
イレユニットを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明では、住宅などの建築物内で略
角筒状のトイレ室を形成するように床上に立設される前
壁用コンクリートパネルと、後壁用コンクリートパネル
と、両側壁用コンクリートパネルとを有し、前記コンク
リートパネル同士に互いに側縁部同士を連結する連結手
段を設けると共に、前記前壁用コンクリートパネルまた
は一方の側壁用コンクリートパネルに出入り口用開口部
を設け、かつ前記後壁用コンクリートパネルには便器を
設けた構成とした。

【０００８】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
トイレユニットにおいて、前記後壁用コンクリートパネ
ルは前記トイレ室内に突出する段部を有し、該段部垂直
面に前記便器を配置した構成とした。

【０００９】請求項３記載の発明では、請求項１又は２
記載のトイレユニットにおいて、前記前壁用コンクリー
トパネルと後壁用コンクリートパネルと両側壁用コンク
リートパネルを立設して形成したトイレ室の上面を覆う
天井パネルを有している構成とした。

【００１０】請求項４記載の発明では、請求項３記載の
トイレユニットにおいて、前記前壁用コンクリートパネ
ルと後壁用コンクリートパネルと両側壁用コンクリート
パネルで建築物内に形成したトイレ室上端の天井パネル
上面と前記建築物の天井下面との間に適宜高さを有する
空間部を設けるように前記各コンクリートパネルの高さ
を設定した構成とした。

【００１１】請求項５記載の発明では、請求項４記載の
トイレユニットにおいて、前記天井パネル上面に照明器
具を設けた構成とした。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図１は本発明実施の形態１
にかかるトイレユニットＡの構成を説明する斜視図、図
２はトイレユニットＡの側面縦断面図、図３は前壁用コ
ンクリートパネル１、右側壁用コンクリートパネル２、
左側壁用コンクリートパネル３、後壁用コンクリートパ
ネル４の組立前の正面図である。

【００１３】本実施の形態のトイレユニットＡは、前壁
用コンクリートパネル１、右側壁用コンクリートパネル
２、左側壁用コンクリートパネル３、後壁用コンクリー
トパネル４、連結手段となる接合具７、天井パネル９、
ドア１１、便器１６を主要な構成としている。

【００１４】前記前壁用コンクリートパネル１、右側壁
用コンクリートパネル２、左側壁用コンクリートパネル
３、後壁用コンクリートパネル４は、予め工場にて精度
良く製造したものであって、それぞれ内部に配筋を有し
間仕切り壁として十分な強度を有する厚さにしたコンク
リートパネルであり、それぞれ下端をアングル状の固定
具５で床スラブ６とボルトで固定され、隣接した側面同
士の符号する位置に予め埋設されたインサートに前記ア
ングル状の接合具７でボルト接合されて立設している。

【００１５】前記前壁用コンクリートパネル１、右側壁
用コンクリートパネル２、左側壁用コンクリートパネル
３、後壁用コンクリートパネル４の床スラブ６上へ立設
時の高さは、床スラブ６から住宅の天井８までの高さよ
り低く、上端側を天井パネル９で覆った時に該天井パネ
ル９の上面と建築物側天井８の下面との間に空間部２０
が形成されるようになっていて、この空間部２０は天袋
より低い程度の高さを有している。

【００１６】前記前壁用コンクリートパネル１は、トイ
レユニットＡの出入口部分の間仕切り壁として設置され
るものであって、略冂字状に形成されていて、中央開口
部に嵌設されたドアフレーム１０にドア１１が蝶着され
ている。また、照明器具１２及び換気扇１３のスイッチ
１４が前面左側に設けられていて、配線１５が埋設され
ている。

【００１７】前記右側壁用コンクリートパネル２は、ト
イレユニットＡの右側部の間仕切り壁として設置される
ものであって、長方形に形成され、後部下方には後述す
る後壁用コンクリートパネル４の段部４ａに合わせて切
欠されている。

【００１８】前記左側壁用コンクリートパネル３は、ト
イレユニットＡの左側部の間仕切り壁用として設置され
るものであって、略長方形状に形成され、該左側壁用コ
ンクリートパネル３の後部下方には、前記同様後述する
後壁用コンクリートパネル４の段部４ａに合わせて切欠
されている。

【００１９】前記後壁用コンクリートパネル４は、トイ
レユニットＡの後部の間仕切り壁用として設置されるも
のであって、この後壁用コンクリートパネル４は、腰壁
程度の高さを有して内面側に突出した段部４ａを有し、
この段部４ａは、垂直壁面部４ｂと棚面部４ｃからな
る。

【００２０】前記垂直壁面部４ｂの中央には便器１６が
取り付けられていて、棚面部４ｃの左部には手洗い用の
洗面台１７が設けられている。また、前記便器１６及び
洗面台１７の給水管や排水管などは、前記段部４ａ裏側
の空間に配置されている。そして、前記段部４ａの両側
端は、便器１６及び洗面台１７の給水管や排水管などの
定期点検や修理を行なうための点検口３ａとして使用さ
れ、該点検口３ａは、通常、カバー３ｂで被覆される。

【００２１】天井パネル９は、トイレユニットＡの天井
面を構成するものであって、木質系パネルにより形成さ
れていて、前記前壁用コンクリートパネル１、右側壁用
コンクリートパネル２、左側壁用コンクリートパネル
３、後壁用コンクリートパネル４の上面に埋設されたイ
ンサートを使用してボルト締めすることにより固定され
る。また、前記天井パネル９には、換気扇１３が設けら
れ、下面には室内用の照明器具１２が取り付けられ、ま
た、上面には間接照明用の照明器具２１が取付けられて
いる。

【００２２】本実施の形態のトイレユニットＡは、上記
のように構成されているため、前壁用コンクリートパネ
ル１、右側壁用コンクリートパネル２、左側壁用コンク
リートパネル３、後壁用コンクリートパネル４を床スラ
ブ６に立設し、それぞれ下端をアングル状の固定具５で
床スラブ６とボルトで固定し、各コンクリートパネルの
隣接した側面同士の符号する位置に埋設されたインサー
トに前記アングル状の接合具７でボルト接合するだけ
で、住宅内にトイレ室を構築することができる。この後
はクロス等の仕上げ材を貼付するだけで、トイレ室が完
成すると同時に他の居住空間との間を間仕切る間仕切壁
が形成される。また、照明器具１２や換気扇１３、スイ
ッチ１４等の取り付け作業を予め工場で行なうことがで
きるため、狭いトイレ内で多くの作業を行なう必要が無
く、施工を迅速に行なうことができる。

【００２３】便器１６及び洗面台１７の給水管や排水管
などが後壁用コンクリートパネル４の段部裏側の空間に
配置されているため、各種配管の点検、修理の際、いち
いち床下に潜らずに、左右側壁用コンクリートパネル
２，３の点検口３ａから簡単に行なうことができる。さ
らに、床下に配管スペースを設ける必要が無いため、床
の位置を低くすることができる。

【００２４】天井パネル９と住宅側天井８との間に空間
部２０が設けられているため、トイレ室の廊下回りの空
間に拡がりを持たせるようになって、自由空間が広がっ
て閉塞感を感じさせないようになる。また、天井パネル
９と天井８との間の空間部２０からは、天井パネル９の
上面に設けた照明器具２１による間接照明が廊下や廊下
の天井に対してなされ、狭い廊下回りの空間を楽しく演
出することができる。

【００２５】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定される
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更
等があっても本発明に含まれる。

【００２６】例えば、本実施の形態において、便器１６
は後壁用コンクリートパネル４に取り付けられていると
したが、これに限らず、例えば右側壁用コンクリートパ
ネル２に段部を設けて該段部に便器１６を取り付けても
よい（尚、実施の形態のトイレユニットＡにおいて出入
口用の開口を左右側壁用コンクリートパネル２，３の一
方に設けることによっても前記関係とすることができ
る）。

【００２７】また、天井パネル９と天井８との間の空間
部２０の大きさは、天袋程度であるとしたが、空間部の
大きさは任意である。また、設けなくてもよい。

【００２８】天井パネル９と天井８との間の空間部２０
は、照明器具を設けず単に飾り棚としても良い。

【００２９】左右側壁用コンクリートパネル２，３の後
方下方の切欠はいずれか一方に設けるだけでもよい。

【００３０】各コンクリートパネル１，２，３は工場サ
イドで予め組み立て、壁仕上げ、配管配線などをしてい
てもよい。

【００３１】各コンクリートパネル１，２，３，４は単
独のパネルでなく、断面略Ｌ字状、コ字状、ロ字状など
に組み合わせて形成することもできる。また、前壁用コ
ンクリートパネル１を除いて他のコンクリートパネル
２，３，４を住宅の天井と略同一高さとしたり、左右側
壁コンクリートパネル２，３のみを高くするように任意
に設定することができる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明請求項
１記載のトイレユニットにおいては、前記構成としたた
め、トイレ室回りの間仕切り壁を現場にて材料から製作
しなくてもよいから、住宅におけるトイレ室を短時間で
簡単に、かつ効率的に構築することができる。さらに、
ユニット部材を現場に搬入する際、予め工場で壁仕上げ
をし、ドアや照明器具のスイッチ等を取り付けておけ
ば、現場での施工スピードが飛躍的に伸び、工期を短縮
してコストダウンを図ることができるし、また、現場で
材料加工から行なう従来の場合と比べて、寸法精度の良
いものが得られるなどの効果が得られる。

【００３３】請求項２記載のトイレユニットにおいて
は、前記構成としたため、便器や洗面台の配管を後壁の
段部裏側の空間に配設することができる。よって、床下
に配管のスペースを設ける必要が無く、配管の工程に関
係なくトイレ室を構築できるし、床面を低い位置に敷設
することが可能となる。また、配管の点検、修理の際
に、床下に潜る必要が無く、後壁の側面または裏側から
簡単に作業を行なうことができるなどの効果が得られ
る。

【００３４】請求項３記載のトイレユニットにおいて
は、前記構成としたため、他の構造物、例えば梁や野縁
などの進捗状況に関係なくトイレ室を構築することがで
きるという効果が得られる。

【００３５】請求項４記載のトイレユニットにおいて
は、前記構成としたため、トイレ室の廊下回りの空間に
拡がりを持たせ、居住者や来訪者に狭くて暗いイメージ
や閉塞感などを感じさせることが無いという効果が得ら
れる。

【００３６】請求項５記載のトイレユニットにおいて
は、前記構成としたため、天井パネルと建築物との間の
空間部は、飾り棚として見せるようにできる他、天井パ
ネルの上面に照明器具を配置することにより、廊下の間
接照明として使用することができ、狭い廊下の空間を楽
しく演出することができるなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施の形態にかかるトイレユニットＡの
構成を示す斜視図である。

【図２】実施の形態のトイレユニットＡを示す側面縦断
面図である。

【図３】前壁用コンクリートパネル１、右側壁用コンク
リートパネル２、左側壁用コンクリートパネル３、後壁
用コンクリートパネル４を示す正面図である。

【符号の説明】

Ａトイレユニット１前壁用コンクリートパネル２右側壁用コンクリートパネル３左側壁用コンクリートパネル４後壁用コンクリートパネル４ａ段部６床スラブ７接合具（連結手段）９天井パネル１１ドア１２照明器具１６便器２０空間部２１空間部の間接照明器具

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】住宅などの建築物内で略角筒状のトイレ
室を形成するように床上に立設される前壁用コンクリー
トパネルと、後壁用コンクリートパネルと、両側壁用コ
ンクリートパネルとを有し、前記コンクリートパネル同
士に互いに側縁部同士を連結する連結手段を設けると共
に、前記前壁用コンクリートパネルまたは一方の側壁用
コンクリートパネルに出入り口用開口部を設け、かつ前
記後壁用コンクリートパネルには便器を設けたことを特
徴とするトイレユニット。
【請求項２】前記後壁用コンクリートパネルは前記ト
イレ室内に突出する段部を有し、該段部垂直面に前記便
器を配置したことを特徴とする請求項１記載のトイレユ
ニット。
【請求項３】前記前壁用コンクリートパネルと後壁用
コンクリートパネルと両側壁用コンクリートパネルを立
設して形成したトイレ室の上面を覆う天井パネルを有し
ていることを特徴とする請求項１又は請求項２記載のト
イレユニット。
【請求項４】前記前壁用コンクリートパネルと後壁用
コンクリートパネルと両側壁用コンクリートパネルで建
築物内に形成したトイレ室上端の天井パネル上面と前記
建築物の天井下面との間に適宜高さを有する空間部を設
けるように前記各コンクリートパネルの高さを設定した
ことを特徴とする請求項３記載のトイレユニット。
【請求項５】前記天井パネル上面に照明器具を設けた
ことを特徴とする請求項４記載のトイレユニット。