JP2014055491A - 施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スケルトン状態の住戸内にユニット化した家具等を間仕切りとして設置し、無駄なスペースを有効に利用できるインフィルの施工方法を提供する。
【解決手段】
スケルトン状態11構造で構築された集合住宅の各住戸10におけるインフィル部分15の施工方法であって、(1)住戸10内をスケルトン状態11状態とする工程、(2)少なくとも壁面13及び天井面を塗装する工程、(3)床上に配管設備の位置決めを行う工程、(4)床上に床下構造工事を行い、床面16を形成する工程、(5)壁面13及び天井面に配線設備を施工する工程、(6)少なくとも家具ユニット20、水廻りユニット21及びキッチンユニット25からなる生活ユニットを組み立て、生活ユニットを床面16上に設置する工程、(7)床面16上に柱37を設置し、柱37間と、生活ユニット間及び柱37と生活ユニット間の少なくとも一方とに梁を設置する工程の各工程を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スケルトン構造を有する集合住宅の各住戸の内部を施工する施工方法に関し、詳しくは、各住戸をスケルトン状態から居住可能となるまでを効率よく施工する施工方法に関する。
マンションやアパート等の集合住宅では、主に鉄筋コンクリート等で形成された柱や壁、床等の躯体部分からなるスケルトン部分と、各住戸内を構成する内装や間仕切り等からなるインフィル部分とで構成されている。そして、改装に際しては、耐用年数の長いスケルトン部分を残し、インフィル部分を改装及び変更することで、居住者の必要性に対応することができるようにされた、いわゆるスケルトン・インフィル(SI)方式が一般的となってきている。
例えば、下記特許文献1には、スケルトン部分にインフィル部分を組込んで構築した複数階層のスケルトン・インフィル集合住宅の発明が開示されている。下記特許文献1に開示されたスケルトン・インフィル集合住宅では、同一の階層における二戸の住戸を一群として、一群の隣接する住戸の相互間に途中で行止りとなる一群共用通路を配設すると共に、一群共用通路の行止り部周辺に吹抜部を構築し、吹抜部に配管類及び/又は配線類を集中して配備している。このようにすることにより、下記特許文献1に開示されたスケルトン・インフィル集合住宅によれば、隣接する住戸の相互間に設けた吹抜部を利用して配管配線類を集中的に配備しているから、スケルトン・インフィル集合住宅の施工が容易化され、施工費用の低廉化が図られると共に、配管配線類に対する保守点検の簡易化が図られるとしている。
特開2005−201041号
マンションやアパート等の集合住宅では、限られた住居空間内に生活に必要なトイレや入浴設備、キッチン及び寝室やリビング等を配置するため、どうしても収納スペースが少なくなるという課題がある。例えば、上記特許文献1に開示されたスケルトン・インフィル集合住宅では、図10に示すように、壁50a、床50b、柱50c等を有するスケルトン50に組み込まれるインフィル51には、間仕切り壁51a、内装床51b、その他、内装天井、住戸内給排水、電気設備、浴室、キッチン、洗面化粧台、トイレ等を具備しているため、これらの他に十分な収納スペースを確保することは困難である。
また、上記特許文献1に開示されたスケルトン・インフィル集合住宅では、間仕切り壁等が施工されたのち家具等を設置するため、一定の大きさ以上の家具を配置することが困難となり、また、家具に合わせ耐震性を得るための金具等を取り付ける必要があり面倒である。
本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたものであり、スケルトン構造で構成した集合住宅の各住戸内のインフィル部分を、家具ユニット、水廻りユニット及びキッチンユニットを間仕切りとして配置することで、住戸内の空間を効率よく利用できるとともに多くの収納スペースを得ることができ、また、柱及び梁を設置することで耐震性を得ることができるインフィル部分を有する住戸の施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の施工方法は、スケルトン構造で構築された集合住宅の各住戸におけるインフィル部分の施工方法であって、以下の(1)〜(7)の各工程を含むことを特徴とする。
(1)前記住戸内をスケルトン状態とする工程、
(2)前記スケルトン状態の少なくとも壁面及び天井面を塗装する工程、
(3)前記スケルトン状態の床上に配管設備の位置決めを行う工程、
(4)前記スケルトン状態の床上に床下構造工事を行い、床面を形成する工程、
(5)前記壁面及び天井面に配線設備を施工する工程、
(6)少なくとも家具ユニット、水廻りユニット及びキッチンユニットからなる複数の生活ユニットをそれぞれ組み立て、組み立てた前記生活ユニットを前記床面上に設置する工程、
(7)前記床面上に柱を設置し、前記柱間と、前記生活ユニット間及び前記柱と前記生活ユニット間の少なくとも一方とに梁を設置する工程。
また、第2の態様の施工方法は、第1の態様の施工方法において、前記(7)の工程は前記梁間にも梁を設置する工程を含むことを特徴とする。
また、第3の態様の施工方法は、第1又は2の態様の施工方法において、前記梁を格子状に設置することを特徴とする。
また、第4の態様の施工方法は、第1〜3のいずれかの態様の施工方法において、前記(6)の工程において、少なくとも1つの前記生活ユニットを間仕切りとして設置することを特徴とする。
また、第5の態様の施工方法は、第1〜4のいずれかの態様の施工方法において、前記(7)の工程において、前記少なくとも1つの前記生活ユニットの前記天井側の面を前記梁に固定することを特徴とする。
また、第6の態様の施工方法は、第1〜5のいずれかの態様の施工方法において、前記生活ユニットを前記床面と固定することを特徴とする。
また、第7の態様の施工方法は、第1〜6のいずれかの態様の施工方法において、前記家具ユニットとして一方側及び他方側の両面が家具として使用できるものを用いたことを特徴とする。
また、第8の態様の施工方法は、第1〜7のいずれかの態様の施工方法において、前記(2)工程における前記塗装は漆喰であることを特徴とする。
また、第9の態様の施工方法は、第1〜8のいずれかの態様の施工方法において、前記床面、前記柱及び前記梁として木材を用いたことを特徴とする。
第1の態様の施工方法によれば、壁面、天井面、躯体柱や床等のスケルトン状態の住戸から生活機能を有するインフィル施工を容易に行うことができる。なお、本発明における「スケルトン状態」とは、改装・改築の場合だけでなく、新築の場合も含むものである。また、第1の態様の施工方法によれば、生活に必要な家具、水廻り品及びキッチン用品等を、クローゼットやドレッサー、AVラック、デスク等の家具ユニット、トイレや洗面所、脱衣所、シャワー及び浴槽等の水廻りユニット、そして、シンクやレンジ等のキッチンユニットのようにユニット化し、このユニット化した中から、居住者が任意に選択し配置することで、独自のライフスタイルに合わせたレイアウトをすることができる。なお、配管設備としては例えば給排水管やガス管等が含まれ、また、配線設備としては例えば電気配線や電話配線等が含まれる。なお、施工する住戸に応じて、第1の態様の施工方法における(4)、(5)の工程を入れ替えることで床下構造の工事を配線設備の後に行うこともできる。
また、第2の態様の施工方法によれば、梁間にも梁を設置することで、梁間距離を短くすることができるため、より耐震性を得ることができる。
また、第3の態様の施工方法によれば、梁を格子状に設置することで、梁間の結合強度が強くなり、より耐震性を得ることができる。
また、第4の態様の施工方法によれば、生活ユニットとしての家具ユニットや水廻りユニット等を間仕切りとして配置するので、従来の間仕切りのために壁を形成する必要がなく、また、間仕切りを家具ユニットで行うことで、広い収納スペースを確保することができる。
また、第5の態様の施工方法によれば、略全ての生活ユニットを梁で固定することができ、より耐震性を得ることができる。
また、第6の態様の施工方法によれば、生活ユニットは床面に固定するので、より耐震性を得ることができる。
また、第7の態様の施工方法によれば、家具ユニットを両面で使用することができるので、収納スペースを増やすことができる、さらに、一方側と他方側とで様々な家具ユニットを組み合わせることで、多様なライフサイクルの使用に対応することができる。
また、第8の態様の施工方法によれば、スケルトン状態の少なくとも壁面と天井面に漆喰を塗装することで、防カビ、調湿及び消臭効果を得ることができる。また、漆喰の色を純白クリーム色とすることで、窓がなくても明るくすることができる。さらに、純白クリーム色に限らず、漆喰の色を変更することで、居住者の好みに合わせた壁面や天井面とすることができる。
また、第9の態様の施工方法によれば、主に鉄筋コンクリートで構成されるスケルトンの床上に木材で形成した床面を設置し、また、壁面及び天井面に木材で形成した柱や梁を設置することで、木造建築の雰囲気を有する住戸を施工することができる。
実施形態の施工方法により施工された住戸を示す平面図である。 実施形態の施工方法の工程の流れを示すフロー図である。 実施形態の施工方法のステップ1の工程を示す平面図である。 実施形態の施工方法のステップ4の工程を示す平面図である。 実施形態の施工方法のステップ6の工程を示す平面図である。 図6A、図6Bは家具ユニットの一例を示す斜視図である。 水廻りユニットの一例を示す正面図である。 図8A〜図8Cはキッチンユニットの例を示す平面図である。 実施形態の施工方法のステップ7の工程を示す平面図。 従来例を示す斜視図である。
[実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照しながら説明する。但し、以下に説明する実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための施工方法を例示するものであって、本発明をこれらに限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適用し得るものである。
図1〜図9を参照して、実施形態の施工方法を説明する。実施形態の施工方法は、スケルトン構造で構成されたマンションやアパート等のような集合住宅の一住戸10の内部において、スケルトン状態11から図1に示すような家具ユニット20、水廻りユニット21及びキッチンユニット25等を有するインフィル部分15を施工するための方法である。なお、図1では梁の図示を省略してある。
ここで、スケルトン状態11とは集合住宅を構成する柱や壁、床等の躯体構造からなる状態のことをいい、インフィル部分15とは住戸内の設備を構成する間仕切りや内装、家財道具等のことをいう。なお、実施形態の施工方法は既に建設された住戸の改装・改築(リフォームともいう)を行う場合で説明するが、これに限らず新築の集合住宅においてのインフィルの施工にも適用することができる。
図2は実施形態の施工方法の流れを示したフロー図である。以下、このフロー図に沿って実施形態の施工方法を説明する。まず、インフィルの施工を行う住戸10をスケルトン状態11とする(ステップ1)。集合住宅は、スケルトン部分とインフィル部分との区別が明確なように構成されているので、図3に示すように、住戸10内のインフィル部分をすべて取り除き、躯体柱12、壁面13、床14及び天井面(不図示)のコンクリートを露出させることでスケルトン状態11とする。なお、この工程を新たに建設する集合住宅において適用する場合は、集合住宅の建設の途中においてスケルトン状態となったときが施工方法のステップ1となる。
次に、露出したスケルトン状態11のコンクリートの表面に塗装を行う(ステップ2)。この塗装は、少なくとも住戸が完成したときに生活空間に露出する壁面13及び天井面に行われる。なお、実施形態での塗装は漆喰で行われるが、漆喰で塗装することにより、防カビ効果、湿度調整効果及び消臭効果等の優れた効果を奏することができるようになる。また、漆喰の色彩を選択することもでき、例えば、白系統の純白クリーム色の漆喰で塗装することにより、窓が少ない集合住宅の住戸内を明るくすることができるようになる。なお、この塗装は、漆喰に限らず公知の塗装方法で行うことができる。また、塗装に限らず、壁紙貼り、板張り、タイル張り等を行ってもよい。
次に、住戸10内のスケルトン状態11の床14上に配管設備の位置決め工事を行う(ステップ3)。この配管設備は、上水道管や下水道管の給排水管及びガス管等を含み、これらの各種配管をあらかじめ設計したレイアウトに沿って配管設備が必要となるトイレやキッチン等の位置に設置する。なお、この工程は従来行われているものであるので図示及び詳細な説明は省略する。
次に、住戸10内のスケルトン状態11の床14上にインフィルの床下構造工事を行い床面16を形成する(ステップ4)。この床面16は、柱状の木材を例えば千鳥状に組み合わせ固定した枠体17をステップ3で設置された各種配管を避けてスケルトン状態11の床14上に配置し、その後、枠体17上に床板18を敷き詰めて固定する(図4参照)。このとき、床板18は例えば所定形状に加工した杉材を三層に重ね合わせた構造のパネルを複数枚用いて形成する。このような三層構造のパネルを用いることで、単なる無垢材と比べて乾燥による変形が少なく、また、強度に優れた床材とすることができる。なお、床板は、これに限定されず、他の木材及び構成を有する床板を用いることもできる。
次に、住戸10内の壁面13や天井面に配線設備の工事を行う(ステップ5)。この配線設備は、電気配線や電話配線等が含まれ、あらかじめ設計されたレイアウトに沿って設置される。なお、この工程も従来行われているものであるので図示及び詳細な説明は省略する。
次に、図5に示すように、床面16上に各種の生活ユニットを配置する(ステップ6)。生活ユニットは、大きく分けて3タイプで構成され、例えばクローゼットやドレッサー、TVボード、AVラック、デスク等の家具ユニット20(20A〜20F)、トイレや洗面所、脱衣所、シャワー及び浴槽等の水廻りユニット21、そして、シンクやレンジ等のキッチンユニット25が含まれる。また、これらの生活ユニットは施工中の住戸10内で最終組み立てを行う組み立てユニット式となっているので、従来では間口を通過できない大きな家具等でも、部品ごとに運び入れることで住戸内に設置することができるようになる。
家具ユニット20は、図5に示すようにすべてユニット化されているので、略同じ大きさ及び形状で形成されるようになる。さらに、家具ユニット20は、一方側及び他方側の両面が家具として使用できるように構成されており、一方側と他方側とで異なる家具を配置することもできる。さらに、ユニット化されていることで、様々な種類の家具を選択し組み合わせることもできる。なお、図5では床面の図示を省略している。
家具ユニット20の一例として、図5に示す第4家具ユニット20Dのように、例えば、一方側20Daがドレッサーであり、他方側20DbがTVボードで構成された場合について説明する。この第4家具ユニット20Dは、図6に示すように、複数個の小ユニットを組み合わせることで構成されている。第4家具ユニット20Dのドレッサー側は、図6Aに示すように、収納ユニット20D1が2つと上下のドレッサーユニット20D2、20D3とを組み合わせて構成されている。一方、TVボード側は、図6Bに示すように、収納ユニット20D1が3つとTVボードユニット20D4とを組み合わせて構成されている。そして、ドレッサー側とTVボード側の各ユニットとを背中合わせに組み合わせ、これらの両側面をジョイント用パネル20D5で一体となるように固定して組み立てが終了する。このとき、収納ユニット等の各小ユニットはそれぞれがボルト等で固定される。
家具ユニット20をこのように構成することで、家具ユニット20を両面で使用することができるので、収納スペースを増やすことができ、一方側と他方側とで様々な家具ユニットを組み合わせることで、多様なライフサイクルの使用に対応することができる。
また、水廻りユニット21は家具ユニット20と同様に組み立てユニット式で構成されている。図5及び図7で示す水廻りユニットの一例は、トイレユニット22、洗面脱衣所ユニット23及びお風呂ユニット24の各ユニットを1つの水廻りユニット21としてまとめて構成されている。このようにすることで無駄なスペースを無くし、その分その他の使用できる空間を得ることができるようになる。なお、水廻りユニットは設計したレイアウトに合わせて、トイレユニット、洗面脱衣所ユニット及びお風呂ユニットを別々に設置することもでき、また、洗面脱衣所ユニットとお風呂ユニットのみを1つにまとめて設置するようにすることもできる。
また、キッチンユニット25は、図5及び図8Aに示すように、シンク26やレンジ27、天板28等で構成されており、また、天板28の下側には収納ユニット(不図示)が設置されている。そして、この天板28上のスペースがシンク26やレンジ27が形成されるキッチンスペース29と居住者が食事等を取るダイニングスペース30を一体としたものとなる。
なお、キッチンユニット25は、天板28の形状を変更することで異なるタイプのキッチンユニット25を得ることができる。例えば、図8Bに示すように天板28Aを円形状にすることで曲部を有するダイニングスペース30Aを有するキッチンユニット25Aを形成することもでき、また、図8Cに示すように天板28Bを細長い矩形状とすることでシンク26やレンジ27から離れたダイニングスペース30Bを有するキッチンユニット25Bを形成することができる。
その後、これらの組み立てられた各ユニットを設計したレイアウトに沿って設置する。図5に示すインフィル部分15の構成では、第1〜第6家具ユニット20A〜20Fと水廻りユニット21とキッチンユニット25とで構成されている。そして、各ユニットが設置されるとき、各ユニットは間仕切りとなるように設置される。すなわち、図5に示す第1家具ユニット20Aは、一方側20Aaが玄関31を向き他方側20Abが書斎33を向くように設置されることで、第1家具ユニット20Aは玄関31と書斎33との間仕切りとなっている。同様に第2家具ユニット20Bは、一方側20Baが子供部屋32を向き他方側20Bbが玄関31を向くように設置されることで、第2家具ユニット20Bは、玄関31と子供部屋32との間仕切りとなっている。
また、第3〜第5家具ユニット20C〜20Eにおいては、第3家具ユニット20Cと第4家具ユニット20Dの一方側20Ca、20Daが廊下34側を向き、他方側20Cb、20DbがLDK(リビングダイニングキッチン)36側を向いており、第5家具ユニット20Eは、一方側20Eaが寝室35を向き、他方側20EbがLDK36側を向いている。すなわち、第3〜第5家具ユニット20C〜20EはLDK36と廊下34及び寝室35との間仕切りとなっている。
このとき、第1〜第5家具ユニット20A〜20Eの一方側20Aa〜20Eaと他方側20Ab〜20Ebとは様々な家具を選択して設置することができる。さらに、家具ユニットの一方側と他方側の家具の厚みを同じとなるように構成したものだけではなく、第5家具ユニット20Eのように例えば一方側20Eaと他方側20Ebとの家具の厚みを異なるように構成し、一方側20Eaを厚くし、他方側20Ebを薄くするような組み合わせとすることもできる。このようにすることで、従来では間仕切りのために形成していた壁を形成する必要がなくなるので、施工費用を安価にでき、また、空いたスペースを収納スペース等に利用することができるようになる。
また、第6家具ユニット20Fは一方が子供部屋32を向き他方が水廻りユニット21と接している。このような場合、家具ユニットを両面使用する必要はなく、家具ユニットの幅は両面使用の家具ユニットと同じに形成し、一方側のみ使用できるようにすることもできる。このようなものの例として、例えば、学習机や物置等を設置することができる。
また、水廻りユニット21は、トイレユニット22、洗面脱衣所ユニット23及びお風呂ユニット24をまとめて1つのユニットとして設置したものである。このとき、水廻りユニット21は水廻りユニット21と廊下34及び寝室35との間仕切りともなっている。
また、キッチンユニット25はLDK36の一部に設置される。キッチンユニット25のように調理等をするシンク26及びレンジ27を備えたキッチンスペース29と食事をするダイニングスペース30を一体化したことにより、スペースを有効に利用することができる。また、これらの各ユニットは、床面とボルト等の固定手段によって固定され、各種の生活ユニットの設置が終了する。
次に、図9に示すように、床面16上に柱37を設置し、この柱間等に梁38を設置する(ステップ7)。柱37は、スケルトン状態11の壁面13に沿って所定の間隔で設置され、この柱37の上端に梁38を設置する。このとき、柱37が設置される位置に家具ユニット20及び水廻りユニット21が設置されていた場合、柱37は設置せずこの家具ユニット20及び水廻りユニット21のそれぞれの上面部分に梁38を設置するようにするようにしてもよい。そのため、柱の高さと家具ユニット20及び水廻りユニット21の高さが等しくなるように設計される。そして、梁と柱及び家具ユニット及び水廻りユニットとを固定して柱及び梁の設置が終了する。このようにすることで、梁により柱及び家具ユニット及び水廻りユニットが一体に固定されるため、高い耐震性を得ることができる。
また、梁38は格子状になるように設置され、住戸10内に設置する略全ての家具ユニット20及び水廻りユニット21の上面部分に梁38がかかるように設置されている。梁38を格子状に設置することで梁間距離を短くすることができ、また、梁間強度も強くなるので、略全ての生活ユニットを梁38で固定することができ、より耐震性を得ることができる。なお、実施形態ではキッチンユニットは転倒のおそれが低いために高さが低く設計され、梁とは固定されていないが、これに限らず、キッチンユニットも背を高く設計して梁と固定することもできる。
以上で、実施形態の施工方法によるインフィル施工が完了する。このような施工方法を用いることにより、スケルトン状態の住戸から生活機能を有するインフィル施工を容易に行うことができる。
また、インフィル施工する床面、柱及び梁を木材を用いて形成することができる。このように各種部材として木材を使用することにより、主に鉄筋コンクリートで構成されたスケルトン状態の住戸内を木造建築の雰囲気を有する住戸とすることができる。さらに、設置する家具ユニット等も木材で形成することで、さらに木造建築の雰囲気とすることができる。
なお、上述した施工方法においては施工する順序を入れ替えることもでき、例えば、床下構造工事を行い、床面を形成する工程(ステップ4)と配線設備を施工する工程(ステップ5)とを入れ替えることで施工する住戸に応じた対応をすることができるようになる。
また、各部屋を仕切るために、図1に示すように、扉39を設けてもよい。この扉39は、設けられる位置に設置された各種ユニットや柱及び梁等に取り付けることができ、開き戸や引き戸等を任意に設けることができる。
10:住戸
11:スケルト状態
12:躯体柱
13:壁面
14:床
15:インフィル部分
16:床面
17:枠体
18:床板
20(20A〜20F):家具ユニット
20D1:収納ユニット
20D2、20D3:ドレッサーユニット
20D4:TVボードユニット
20D5:ジョイント用パネル
21:水廻りユニット
22:トイレユニット
23:洗面脱衣所ユニット
24:お風呂ユニット
25、25A、25B:キッチンユニット
26:シンク
27:レンジ
28、28A、28B:天板
29:キッチンスペース
30、30A、30B:ダイニングスペース
31:玄関
32:子供部屋
33:書斎
34:廊下
35:寝室
36:LDK
37:柱
38:梁
39:扉

Claims (9)

  1. スケルトン構造で構築された集合住宅の各住戸におけるインフィル部分の施工方法であって、以下の(1)〜(7)の各工程を含むことを特徴とする施工方法。
    (1)前記住戸内をスケルトン状態とする工程、
    (2)前記スケルトン状態の少なくとも壁面及び天井面を塗装する工程、
    (3)前記スケルトン状態の床上に配管設備の位置決めを行う工程、
    (4)前記スケルトン状態の床上に床下構造工事を行い、床面を形成する工程、
    (5)前記壁面及び天井面に配線設備を施工する工程、
    (6)少なくとも家具ユニット、水廻りユニット及びキッチンユニットからなる複数の生活ユニットをそれぞれ組み立て、組み立てた前記生活ユニットを前記床面上に設置する工程、
    (7)前記床面上に柱を設置し、前記柱間と、前記生活ユニット間及び前記柱と前記生活ユニット間の少なくとも一方とに梁を設置する工程。
  2. 前記(7)の工程は前記梁間にも梁を設置する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の施工方法。
  3. 前記梁を格子状に設置することを特徴とする請求項1又は2に記載の施工方法。
  4. 前記(6)の工程において、少なくとも1つの前記生活ユニットを間仕切りとして設置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の施工方法。
  5. 前記(7)の工程において、前記少なくとも1つの前記生活ユニットの前記天井側の面を前記梁に固定することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の施工方法
  6. 前記生活ユニットを前記床面と固定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の施工方法。
  7. 前記家具ユニットとして一方側及び他方側の両面が家具として使用できるものを用いたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の施工方法。
  8. 前記(2)の工程における前記塗装は漆喰であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の施工方法。
  9. 前記床面、前記柱及び前記梁として木材を用いたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の施工方法。
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