JPH11181061A - ポリエステル樹脂組成物及び該組成物からなる成形品 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及び該組成物からなる成形品

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JPH11181061A
JPH11181061A JP35090797A JP35090797A JPH11181061A JP H11181061 A JPH11181061 A JP H11181061A JP 35090797 A JP35090797 A JP 35090797A JP 35090797 A JP35090797 A JP 35090797A JP H11181061 A JPH11181061 A JP H11181061A
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JP
Japan
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polyester resin
crystallization
resin composition
temperature
tca
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JP35090797A
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Hideji Abu
秀二 阿武
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 口栓部結晶化後の結晶化度や寸法にバラツキ
がなく、安定した品質の口栓部結晶化処理を短時間に実
施することができ、且つ安価なポリエステル樹脂組成物
の提供。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位を主体と
し、ジエチレングリコール単位の割合[DEG]が全ジ
オール単位中1.5〜3.5モル%であり、且つ極限粘
度[η]が0.70〜0.90dl/gであるポリエス
テル樹脂からなる組成物であって、その成形品の昇温時
結晶化温度Tca℃が式(1)及び式(2)の条件を満足
し、且つTca℃と該ポリエステル樹脂組成物を純水で洗
浄処理した後、成形した成形品の昇温時結晶化温度Tcb
℃とが式(3)の関係式を満足することを特徴とするポ
リエステル樹脂組成物。 【数1】 Tca:155〜165℃ …(1) 115+40×[η]+2×[DEG]≦Tca≦133 +40×[η]+2×[DEG] …(2) Tcb−Tca≧5℃ …(3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂
組成物及びそれを用いた中空容器に関する。詳しくは、
練込みによるコストアップやポリエステル重合設備内を
他樹脂で汚すことなく、成形品の結晶化速度を速くでき
るポリエステル樹脂組成物に関する。本発明のポリエス
テル樹脂組成物を用いて中空容器を製造する場合、結晶
化処理を速く安定して、且つ安価に実施することができ
る。
【0002】
【従来の技術】果汁飲料等のように熱充填を必要とする
内容液用のボトルには耐熱性が要求されるため、ボトル
胴部については高温のブロー型内でブロー成形する等の
方法により熱固定させ、一方、口栓部については熱処理
して結晶化させることにより耐熱性を付与するという手
法が従来から行われている。
【0003】この場合、口栓部等の非晶質のポリエチレ
ンテレフタレートの結晶化速度は約180℃で最も速
く、この温度が高過ぎても遅過ぎても結晶化速度は遅く
なるので、この温度条件を変えることにより結晶化時間
を短縮することは困難である。口栓部等における結晶化
速度を上げるために、従来から、成形用原料樹脂とし
て、例えば原料ポリエステル樹脂にボトルやプリフォー
ムの粉砕品を混合したものを用いるとか、或いは該ポリ
エステル樹脂にポリオレフィンを該樹脂の製造時又は製
造後に練り込んだものを用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
ステル樹脂にボトルやプリフォームの粉砕品を混合して
使用する場合、その使用量により結晶化速度が変動して
安定した品質の口栓部結晶化が得られず、また、ポリエ
ステル樹脂にポリオレフィンを添加、練り混みした物
は、重合装置を汚したり、コストアップになるといった
問題点があった。本発明は、口栓部結晶化後の結晶化度
や寸法にバラツキがなく安定した品質の口栓部結晶化処
理を短時間に且つ安価な原料により実施することができ
るポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記事情に
鑑み鋭意検討した結果、特定の条件を満足するポリエス
テル樹脂組成物が上記課題を解決することを見い出し、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、 1.エチレンテレフタレート単位を主体とし、ジエチレ
ングリコール単位の割合[DEG]が全ジオール単位中
1.5〜3.5モル%であり、且つ極限粘度[η]が
0.70〜0.90dl/gであるポリエステル樹脂か
らなる組成物であって、その成形品の昇温時結晶化温度
ca℃が式(1)及び式(2)の条件を満足し、且つT
ca℃と該ポリエステル樹脂組成物を純水で洗浄処理した
後、成形した成形品の昇温時結晶化温度Tcb℃とが式
(3)の関係式を満足することを特徴とするポリエステ
ル樹脂組成物。
【0006】
【数2】 Tca:155〜165℃ …(1) 115+40×[η]+2×[DEG]≦Tca≦133 +40×[η]+2×[DEG] …(2) Tcb−Tca≧5℃ …(3)
【0007】2.1項に記載のポリエステル樹脂組成物
を射出成形してプリフォームを形成し、次いでこのプリ
フォームの口栓部を加熱・結晶化させた後、二軸延伸ブ
ロー成形・熱固定させることを特徴とする中空容器、に
ある。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリエステル
樹脂は、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリ
エチレンテレフタレートである。ここで、ポリエチレン
テレフタレート(以下「PET」という)とは、全構成
繰り返し単位に対するテレフタル酸及びエチレングリコ
ールからなるオキシエチレンオキシテレフタロイル単位
(以下「ET単位」という)の比率が80当量%以上で
あるPETを言い、本発明におけるPETはET単位以
外の構成繰り返し単位を20当量%未満の範囲で含んで
いてもよい。本発明におけるPETは、テレフタル酸又
はその低級アルキルエステルとエチレングリコールとを
主たる原料として製造されるが、前述の通り、他の酸成
分及び/又は他のグリコール成分を併せて原料として用
いてもよい。
【0009】テレフタル酸以外の酸成分としては、フタ
ル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ビ
フェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸及びこれら
の構造異性体、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等のジ
カルボン酸及びその誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、
グリコール酸等のオキシ酸又はその誘導体が挙げられ
る。
【0010】また、エチレングリコール以外のジオール
成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、等の脂肪族グリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等の芳香族ジヒドロキシ化合物誘
導体等が挙げられる。
【0011】上記の様なテレフタル酸又はそのエステル
形成性誘導体とエチレングリコールとを含む原料は、エ
ステル化触媒又はエステル交換触媒の存在下のエステル
化反応又はエステル交換反応により、ビス(β−ヒドロ
キシエチル)テレフタレート及び/又はそのオリゴマー
を形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で
高温減圧下に溶融重縮合を行ってポリマーとされる。
【0012】エステル化触媒は、テレフタル酸がエステ
ル化反応の自己触媒となるため特に使用する必要はな
い。また、エステル化反応は、エステル化触媒と後述す
る重縮合触媒の共存下に実施することも可能であり、ま
た少量の無機酸等の存在下に実施することができる。エ
ステル交換触媒としては、ナトリウム、リチウム等のア
ルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ
土類金属塩、亜鉛、マンガン等の金属化合物が好ましく
使用されるが、透明性の観点からマンガン化合物が特に
好ましい。
【0013】重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合
物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合
物、錫化合物等の反応系に可溶な化合物が単独又は組み
合わせて使用される。重縮合触媒としては、色調及び透
明性等の観点から二酸化ゲルマニウムが特に好ましい。
安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エ
ステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシル
ホスファイト等の亜リン酸エステル類、メチルアシッド
ホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホス
フェート酸性リン酸エステル、リン酸、亜リン酸、次亜
リン酸、ポリリン酸等のリン化合物が好ましい。
【0014】上記の触媒の使用割合は、全重合原料中、
触媒中の金属の重量として通常5〜2000ppm、好
ましくは10〜500ppmの範囲とされ、安定剤の使
用割合は、全重合原料中、安定剤中のリン原子の重量と
して、通常10〜1000ppm、好ましくは20〜2
00ppmの範囲とされる。触媒及び安定剤の供給は、
原料スラリー調製時の他、エステル化反応又はエステル
交換反応の任意の段階において行うことができる。更
に、重縮合反応工程の初期に供給することもできる。
【0015】エステル化反応又はエステル交換反応時の
反応温度は、通常240〜280℃であり、反応圧力は
通常0.2〜3kg/cm2 Gである。また、重縮合時
の反応温度は、通常250〜300℃であり、反応圧力
は通常500〜0.1mmHgである。この様なエステ
ル化又はエステル交換反応及び重縮合反応は、一段で行
っても、複数段階に分けて行っても良い。この様にして
得られるポリエステルは、極限粘度が通常0.45〜
0.70dl/gであり、常法によりチップ化される。
ポリエステルチップの平均粒径は、通常2.0〜5.5
mm、好ましくは2.2〜4.0mmの範囲とされる。
【0016】次に、上記の様に溶融重縮合により得られ
たポリマーは、通常固相重合に供される。固相重合に供
されるポリマーチップは、予め固相重合を行う温度より
低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重合に
供されてもよい。この様な予備結晶化は、(a)乾燥状
態のポリマーチップを、通常120〜200℃、好まし
くは130〜180℃の温度で1分間〜4時間加熱する
方法、(b)乾燥状態のポリマーチップを、水蒸気又は
水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で、通常120〜200
℃の温度で1分間以上加熱する方法、(c)水、水蒸気
又は水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で吸湿させ調湿した
ポリマーチップを、通常120〜200℃の温度で1分
間以上加熱する方法等によって行うことができる。ポリ
マーチップの調湿は、その含水分が通常100〜100
00ppm、好ましくは1000〜5000ppmの範
囲となる様に実施される。調湿したポリマーチップを結
晶化や固相重合に供することにより、PETに含まれる
アセトアルデヒドや微量に含まれる不純物の量を一層低
減化することが可能である。
【0017】固相重合工程は、少なくとも一段からな
り、通常190〜230℃、好ましくは195〜225
℃の重合温度、通常1kg/cm2 G〜10mmHg、
好ましくは0.5kg/cm2 G〜100mmHgの重
合圧力の条件下、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活
性ガス流通下で実施される。固相重合時間は、温度が高
いほど短時間でよいが、通常1〜50時間、好ましくは
5〜30時間、更に好ましくは10〜25時間である。
固相重合により得られたポリマーの極限粘度は、通常
0.70〜0.90dl/gの範囲である。
【0018】本発明において、上記方法により最終的に
得られるポリエステル樹脂を構成するジエチレングリコ
ール(以下「DEG」と略記する)の含有量は、ポリエ
ステルを構成する全ジオール単位に対し、1.5〜3.
5モル%、好ましくは1.7〜3.0モル%である。D
EG量が少なすぎる場合は、成形後のボトル胴部の透明
性が悪化し、また、多すぎる場合は、耐熱性が低下し、
更に結晶化促進効果が小さくなる。上記範囲内にDEG
量を調節する方法としては、DEGを重合原料として使
用する他、主原料として使用するエチレングリコールか
らDEGが一部副生するため、反応条件、添加剤等を適
宜選択することでその副生成量を調節する方法が挙げら
れる。
【0019】上記の添加剤としては、例えば、トリエチ
ルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチル
アミン等の第三級アミン、水酸化テトラエチルアンモニ
ウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメ
チルベンジルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニウ
ム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢
酸ナトリウム等の塩基性化合物が挙げられる。これらの
少量添加により、DEGの生成を抑制することができ
る。一方、硫酸等の無機酸、安息香酸等の有機酸を重合
原料中に少量添加すれば、DEGの生成が促進され、そ
の含有量を増加させることもできる。DEGの生成量を
コントロールする上記の添加剤は、必要に応じ、通常、
全重合原料の0.001〜10重量%、好ましくは0.
005〜1重量%の範囲で使用される。
【0020】また最終的に得られるポリエステル樹脂中
の環状三量体(以下「CT」と略記する)含有量は、
0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、更に
好ましくは0.35重量%以下である。0.5重量%を
越える場合は、金型等の汚染が顕著に認められ、しか
も、成形体の胴部が白化し易くなる。CT量は、固相重
合温度を高くし更に、重合時間を長くすることにより低
減することが可能である。
【0021】更に、CTの低減効果を高めるため、固相
重合に供される溶融重縮合後のポリマー中の末端カルボ
キシル基の濃度は、10〜30eq/トンの範囲にする
ことが好ましく、15〜25eq/トンの範囲にするこ
とが特に好ましい。末端カルボキシル基の濃度が上記の
範囲に満たない場合は、固相重合性が悪くて極限粘度を
大きくするのに長時間を要することがあり、一方、上記
範囲を超える場合は、固相重合に供した場合のCT等オ
リゴマーの低減効果が少ないことがある。
【0022】上記のようなポリエステル樹脂が、固相重
合後結晶性樹脂(ポリオレフィンやポリアミド等)と接
触することにより、成形品の結晶化速度が安定して適度
に速く実施可能なポリエステル樹脂をコストアップをせ
ずに得ることができる。また、改質処理がポリエステル
製造の最終段階に行われるのでポリエステル製造設備
(溶融重合設備や固相重合設備及び途中の経路等)を汚
す恐れもない。ポリオレフィン又はポリアミドとの接触
によるPETの結晶化速度の改良は、通常、0.01〜
1秒、好ましくは0.1〜0.5秒の接触時間で行われ
る。
【0023】この際、他の結晶性樹脂との接触は、PE
T樹脂が流動条件下にあることが必要である。具体的に
は、PET樹脂のチップを他の結晶性樹脂の部材が存在
する空間内で、他の結晶性樹脂の部材と衝突接触させる
ことが好ましい。ここでいう空間とは、例えば気力輸送
の配管、サイロ等を指し、空間内に棒状又は網状の成形
体等の他の結晶性樹脂の部材を設置して、PET樹脂の
チップと衝突接触させることもできる。この場合、気力
輸送配管の内面の一部を他の結晶性樹脂で形成させるこ
とが好ましく、具体的な接触方法としては、気力輸送配
管或いは重力落下配管の一部、振動篩のパンチング板、
マグネットキャッチャーのマグネット部の一部を他の結
晶性樹脂製又は該樹脂のライニングすること等が挙げら
れるが、これらに限るものではない。
【0024】なお、ポリオレフィンとしては、通常、ポ
リエチレン又はポリプロピレンが用いられる。ポリエチ
レンとしては、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレンが挙げられる。また
ポリプロピレンとしては、例えば高密度ポリプロピレ
ン、低密度ポリプロピレン、プロピレンとエチレン等の
他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。また、ポリ
アミドとしては、例えば6−ナイロン、6,6−ナイロ
ン等が挙げられる。
【0025】本発明のポリエステル樹脂組成物は、28
0℃の成形温度で射出成形して得られた成形品について
示差走査熱量計にて測定した際の昇温時の結晶化温度
(以下「Tc」と略記する)が155〜165℃の範囲
にあることが必要である。Tcが上記範囲未満の場合
は、成形して得られたプリフォームの胴部をブロー成形
のために加熱する際に、結晶化による白化が生じやすく
充分な耐熱性を付与するためのプリフォーム温度まで加
熱できず耐熱性が不十分となったり、肩部や胴部が白化
して透明性を損なうことがある。一方Tcが上記範囲を
超える場合は、口栓部を目的の結晶化度まで加熱結晶化
するために長時間加熱が必要となり生産性の低下や口栓
部結晶化設備を大型にせざるを得ないことになる。上記
Tcの条件を満足することにより、成形品の結晶性、透
明性及びボトルへの耐熱性付与を全て同時に満足するこ
とができる。
【0026】本発明のポリエステル樹脂組成物は、一般
的に使用される溶融成形法を採用してボトルに成形する
ことができる。具体的には、例えば、射出成形又は押出
成形で一旦パリソンを成形し、そのまま、または口栓部
及び底部を加工後、再加熱し、ホットパリソン法又はコ
ールドパリソン法等の延伸ブロー成形法を適用する。こ
の場合の成形温度(具体的には成形機のシリンダー各部
及びノズルの温度)は、通常260〜300℃、延伸温
度は、通常70〜120℃である。延伸倍率は、通常、
縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲
である。
【0027】得られたボトルは、そのままでも使用でき
るが、特に果汁飲料、ウーロン茶等の様に熱充填を必要
とする内容液の場合は、一般に加熱したブロー金型内で
熱固定し更に耐熱性を付与して使用される。熱固定は、
通常、圧空等による緊張下、金型温度を100〜200
℃で数秒〜数分間行われる。或いは最終形状より大きい
ボトルを成形し、加熱により収縮させることにより胴部
の結晶化を行い、その後最終形状の金型内でブロー成形
し製品ボトルを得る方法も採られている。
【0028】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、ポリエステル樹
脂及び成形品の各種物性値の測定法は次の通りである。 (1)極限粘度(以下「IV」という) 試料をフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/
1)の混合溶媒に、1g/100mlの濃度で溶かし、
30℃の温度においてウベローデ型毛細管粘度計を用い
溶液粘度の測定を行い、その後上記混合溶媒を徐々に添
加して、低濃度側の溶液粘度を測定し、0%濃度に外挿
してIVを求めた。
【0029】(2)結晶化温度 試料としては、ポリエステル樹脂組成物を280℃の成
形温度で射出成形して得られた成形品を用い、この場
合、口栓部結晶化をする前のプリフォーム口栓部天面の
ネジ山開始位置周辺を10mg使用した。サンプル切り
出しは剪断応力がかからないようにカッターナイフで薄
片にスライスし切り出した。サンプルパンはアルミニウ
ム製のオープンパン(常圧タイプ)を用いた。測定は、
示差走査熱量計(セイコー電子(株)社製「DSC22
0C」)を使用し、室温から20℃/分の速度で285
℃まで昇温している途中で観察される結晶化による発熱
ピークの頂点温度を昇温時結晶化温度(Tc)とした。
【0030】なお、Tcbの測定に用いる成形品の原料で
ある純水で洗浄処理したポリエステル樹脂組成物とは、
原料のポリエステル樹脂チップ300gをイオン交換樹
脂で処理して得られた電気伝導度6μυ以下の純水15
00ccを入れた超音波洗浄機(ヤマト科学製、BRA
NSON2200)中に浸し、室温で30分間洗浄し、
60℃で5時間乾燥したものをベースとする組成物を指
す。
【0031】(3)DEG量 PET試料5.0gに4N−KOHメタノール溶液50
mlを加え、撹拌しながら加熱還流し加水分解した。該
操作により生成したジオール体成分をガスクロマトグラ
フで定量した。 (4)CT量 PET試料200mgをクロロホルム/ヘキサフルオロ
イソプロパノール(容量比3/2)混液2mlに溶解
し、更に、クロロホルム20mlを加えて希釈した。こ
れにメタノール10mlを加えて試料を再析出させ、次
いで、濾過して濾液を得た。当該濾液を乾固後、残渣を
ジメチルホルムアミド25mlに溶解した液について液
体クロマトグラフで分析定量した。
【0032】(5)口栓部結晶化 原料PETを真空乾燥機で130℃、12時間乾燥した
後、空気温を130℃に設定したホッパードライヤーに
移し射出成形機に供給する。シリンダー各部及びノズル
ヘッドの温度を280℃、スクリュー回転数を120r
pm、射出時間を12秒、冷却時間を18秒、一次圧時
間を1.0秒、背圧を5kg/cm2 、金型冷却水温度
を20℃、に設定した射出成形機(日精樹脂工業(株)
製FE−80S)で製品重量が60g(長さ165m
m、口栓部内径22mm、口栓部肉厚2mm、胴部肉厚
3.7mm)の1.5Lボトル用プリフォームを成形
し、近赤外石英ヒーターでプリフォーム口栓部近傍の温
度が180℃になるように調整し、口栓部結晶化装置に
て、プリフォームを回転させながら90秒間加熱した
後、外径21.8mmの型ピンをカブラ下まで挿入し口
栓部結晶化処理を行い、口栓部天面ネジ山開始位置の密
度と天面からサポートリングまでの高さを評価した。
【0033】(6)密度測定 水/エタノール(重量比8/1)の混合液に臭化ナトリ
ウムを溶解させた密度勾配管(密度範囲1.33〜1.
41)を作成し、25℃の温度で投入後3時間の値で測
定した。 (7)ボトル耐熱性 口栓部結晶化したプリフォームを近赤外石英ヒーターを
用いた予熱炉内で75秒間加熱した後、加熱しない状態
で25秒間放冷しプリフォーム表面と内面温度を95℃
位に調整し、ブロー金型内で延伸ロッドにより高さ方向
に2倍延伸し、高さ方向の延伸が終了する前に7kg/
cm2 の一次ブロー圧空で1秒間ブロー成形し、次いで
30kg/cm2 の二次ブロー圧空で15秒間ブロー成
形を実施した。金型温度は一次ブロー開始時には130
℃で、二次開始から5秒後にブロー型の冷却を開始し二
次ブロー終了時には金型温度が100℃になるようにし
て、胴部平均肉厚0.4mm、内容積1.5リットルの
ボトルを成形し、85℃の熱水を2.5L/分の速度で
充填し5分間静置した後、10℃水中で30分間冷却し
目視で変形の有無を判断した。
【0034】実施例1(詳細な物性は表−1参照) テレフタル酸390.0kg及びエチレングリコール1
74.6kgのスラリーを調製し、予め、9.0kgの
ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを添加し
て250℃の温度に保持したエステル化槽に4時間かけ
て順次供給した。供給終了後、1時間エステル化反応を
進行させた後、半量を重縮合槽に移し、リン酸27.3
g(対ポリマー120ppm)、二酸化ゲルマニウム2
7.6g(対ポリマー120ppm)を仕込み、250
℃から278℃まで漸次昇温すると共に、常圧から漸次
減圧し、0.5mmHgに保持した。
【0035】反応を3時間行った後、生成したポリマー
を重縮合槽の底部に設けた抜出口よりストランド状に抜
出して水冷した後、チップ状にカットした。次に、撹拌
結晶化機(Bepex社式)により、上記のポリマーチ
ップ表面を190℃で結晶化させた後、静置固相重合塔
に移し、20リットル/kg・hrの窒素流通下、約1
40℃で3時間乾燥後、210℃で20時間固相重合
し、IVが0.75dl/gでDEGが2.0モル%の
固相重合チップを得た。固相重合後のチップをポリプロ
ピレン(日本ポリケム製「FA3D」、以下PPと略称
する)製の配管を通し接触させ原料チップとした。
【0036】上記の原料チップと原料チップを超音波洗
浄機中の純水に浸し30分間室温で洗浄し、60℃で5
時間エアー乾燥した後、それぞれ射出成形機(日精樹脂
工業(株)製「FE−80S」でプリフォームを成形し
た。ここで原料チップより成形したプリフォームの昇温
時結晶化温度がTcaであり、原料チップを純水で洗浄し
た原料より成形したプリフォームの昇温時結晶化温度が
cbである。原料チップを用いたプリフォームの口栓部
を自社製結晶化機で20本加熱結晶化させ密度と寸法を
測定した結果、密度は十分に高く、且つ寸法のバラツキ
も小さく安定した口栓部結晶化処理が可能であった。
【0037】また同様に加熱結晶化したプリフォームを
用い自社製延伸ブロー機で130℃の金型温度で胴部平
均肉厚0.4mm、内容積1.5Lの耐熱ボトルを成形
し、ボトル外観を観察したところ胴部肩部共に白化は見
られなかった。更に、85℃の熱水を充填し密栓冷却後
の観察では、口栓部、肩部、及び胴部等に変形や液漏れ
は全く認められなかった。また、1000本のボトルを
連続成形したが、ブロー金型に汚れは認められなかっ
た。
【0038】実施例2 実施例1において製品中のDEG量が全ジオール単位中
3.5モル%になる様に追添し、IVが0.90dl/
gになる様に固相重合時間を40時間とした以外は、実
施例1と同様にして重合、成形、評価を行ったが、口栓
部結晶化処理、耐熱性、ボトルの白化、金型汚れも全く
問題なく良好であった。 比較例1 実施例1において、PE製の配管をステンレス製に変え
た以外は、実施例1と同様にして重合、成形、評価を行
ったが、金型の汚れ、胴部の白化は見られなかったが、
口栓部結晶化後の密度にバラツキが大きく、寸法変化も
バラツキが大きいため耐熱性の評価時に胴部の耐熱性は
問題ないが、口栓部から漏れを生じるボトルがあった。
【0039】比較例2 実施例1において製品中のDEG量が全ジオール単位中
5.0モル%になる様に追添した以外は、実施例1と同
様にして重合、成形、評価を行ったが、口栓部結晶化処
理、ボトルの白化、金型汚れには問題なかったが、耐熱
性が不良で熱水充填後冷却したボトル胴部に変形が認め
られた。 比較例3 実施例1において二酸化ゲルマニウムの替わりに三酸化
アンチモンを対ポリマー200ppm添加し、リン酸の
添加量を対ポリマーで125ppmに変更した以外は、
実施例と同様にして重合、成形、評価を行ったが、口栓
部結晶化処理、金型汚れには問題なかったが、プリフォ
ーム胴部加熱時に白化が生じ実施例1と同一条件でボト
ル成形が出来なかった。ヒーターの出力を下げて透明な
ボトルが成形できる条件で耐熱性の評価を行ったが、熱
水充填後、冷却したボトル胴部に変形が認められた。 比較例4 実施例1において固相重合の温度を215℃、時間を1
4時間とした以外は実施例1と同様にして重合、成形、
評価を行ったが、口栓部結晶化処理、耐熱性、ボトル白
化は問題なかったが、1000本成形後金型汚れが認め
られた。
【0040】
【表1】
【0041】 耐熱性試験…○:熱水充填し、冷却後のボトルに変形、漏れが無く良好 ×:熱水充填し、冷却後のボトルに変形、漏れが有り ボトル外観…○:変形、濁りが無く良好 ×:胴部に濁りが有り 金型汚れ …○:1000本成形の前後において金型表面に変化無し ×:1000本成形後に金型表面に付着物有り
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、口栓部結晶化後の結晶
化度や寸法にバラツキがなく、安定した品質の口栓部結
晶化処理を短時間に実施することができ、且つ安価なポ
リエステル樹脂組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/02 C08L 67/02 // B29K 67:00 B29L 22:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主体と
    し、ジエチレングリコール単位の割合[DEG]が全ジ
    オール単位中1.5〜3.5モル%であり、且つ極限粘
    度[η]が0.70〜0.90dl/gであるポリエス
    テル樹脂からなる組成物であって、その成形品の昇温時
    結晶化温度Tca℃が式(1)及び式(2)の条件を満足
    し、且つTca℃と該ポリエステル樹脂組成物を純水で洗
    浄処理した後、成形した成形品の昇温時結晶化温度Tcb
    ℃とが式(3)の関係式を満足することを特徴とするポ
    リエステル樹脂組成物。 【数1】 Tca:155〜165℃ …(1) 115+40×[η]+2×[DEG]≦Tca≦133 +40×[η]+2×[DEG] …(2) Tcb−Tca≧5℃ …(3)
  2. 【請求項2】 環状三量体の含有量が0.5重量%以下
    である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリエステル樹
    脂組成物を射出成形して得られるプリフォーム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のポリエステル樹
    脂組成物からなる中空容器。
JP35090797A 1997-12-19 1997-12-19 ポリエステル樹脂組成物及び該組成物からなる成形品 Pending JPH11181061A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001172410A (ja) * 1999-12-15 2001-06-26 Toyobo Co Ltd ポリエステル系シート及びそれを用いた成形品
JP2005206747A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Toyobo Co Ltd ポリエステル樹脂およびそれからなるポリエステル樹脂組成物並びにポリエステル成形体

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JP2001172410A (ja) * 1999-12-15 2001-06-26 Toyobo Co Ltd ポリエステル系シート及びそれを用いた成形品
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