JPH11180968A - ヘキサヒドロフタリド類の製造方法 - Google Patents
ヘキサヒドロフタリド類の製造方法Info
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- JPH11180968A JPH11180968A JP9365175A JP36517597A JPH11180968A JP H11180968 A JPH11180968 A JP H11180968A JP 9365175 A JP9365175 A JP 9365175A JP 36517597 A JP36517597 A JP 36517597A JP H11180968 A JPH11180968 A JP H11180968A
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Abstract
ことができる新規有用な工業的な製造方法を提供する。 【構成】 フタリド類を加圧加熱条件下で核水素化して
ヘキサヒドロフタリド類を製造する方法において、核水
素化触媒としてパラジウム系触媒を適用する。
Description
リド類の製造方法に関する。当該ヘキサヒドロフタリド
類は、医農薬、塗料原料として、価値の高い中間生成物
である。
として、フタリドを核水素化する方法が知られている
(US2,088,633)。又、200gのフタリドを20gの
ラネーニッケル触媒の存在下、140℃、2000lb/i
n2(約141kg/cm2)の加熱加圧条件下で2時間核水素
化してヘキサヒドロフタリド(転化率82.5%)を製
造した報告もある(J.Am.Chem.Soc.,59,864-866(193
7))。
ロフタリド類をより高収率で得ることができる新規有用
な工業的な製造方法を提供することを目的とする。
を達成すべく鋭意検討の結果、フタリドを核水素化して
ヘキサヒドロフタリドを得るに際し、核水素化触媒とし
て特定の貴金属触媒を適用することにより、より低圧条
件下で所定の効果が得られることを見出した。反応圧力
を低減しうることは、工業的な装置を設計する上に置い
て、極めて有意義である。引き続く検討の結果、上記の
フタリドを核水素化する方法は、単にヘキサヒドロフタ
リドの製造のみならず、種々の置換基を有するヘキサヒ
ドロフタリド類の製造においても有効であることを見い
だし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
類の製造方法は、一般式(1)
て、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数
1〜18のアルコキシ基を示す。]で表されるフタリド
類を核水素化触媒の存在下、加圧加熱条件下で核水素化
して一般式(2)
記載したとおりである。]で表されるヘキサヒドロフタ
リド類を製造する方法において、核水素化触媒がパラジ
ウム系触媒であることを特徴とする。
は、フタリド、3−メチルフタリド、4−メチルフタリ
ド、5−メチルフタリド、6−メチルフタリド、3−エ
チルフタリド、4−エチルフタリド、5−エチルフタリ
ド、6−エチルフタリド、4−プロピルフタリド、4−
ブチルフタリド、4−ペンチルフタリド、4−アミルフ
タリド、4−ヘキシルフタリド、4−オクチルフタリ
ド、4−デシルフタリド、4−ドデシルフタリド、4−
テトラデシルフタリド、4−ヘキサデシルフタリド、4
−オクタデシルフタリド、3,4−ジメチルフタリド、
3,4,5−トリメチルフタリド、3−メトキシフタリ
ド、4−メトキシフタリド、5−メトキシフタリド、6
−メトキシフタリド、3,4−ジメトキシフタリドなど
が例示される。
ム系触媒としては、水素化触媒を調製するために通常使
用される担体にパラジウム金属、パラジウム酸化物又は
パラジウム水酸化物を担持してなる触媒が例示される。
ナ、シリカ、シリカアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、白土などが例示され、特にカーボンやアルミナ
が推奨される。
は、パラジウム金属換算で1〜10重量%が推奨され
る。
素化工程の形態に応じて粉末状、タブレット状など適宣
選択して使用される。即ち、本発明に係る製造方法は、
触媒を懸濁させて用いる回分法及び固定床として用いる
連続法のいずれにも適用可能である。
・イーケムキャット社製の「ED−50」、同「NJ−
5D」、デグサ社製の「E101KP」、同「E101
N」、同「E101N」、同「E101NN」、同「E
101R」、同「E107B」、同「E101NE」、
同「E101NO」、同「E101O」、同「E107
R」、同「E107O」、同「E196NN」、同「E
196R」、同「E199NN」、同「E199R」、
同「E204R」、川研ファインケミカル社製の「2%
パラジウム炭素」、同「5%パラジウム炭素」、同「1
0%パラジウム炭素」、同「5%パラジウムアルミ
ナ」、同「5%パラジウム炭酸カルシウム」、同「5%
パラジウム硫酸バリウム」、ジョンソン・マッセイ社の
「A11210−5」、同「A11190−5」、同
「A11108−5」、同「A21108−5」などが
挙げられる。
種類、反応条件によって適宣選択できるものの、通常、
原料のフタリドに対し0.1〜10重量%が例示され、
中でも0.3〜5重量%が推奨される。0.1重量%未
満では実用的な反応速度が得られにくく、10重量%を
越えて適用しても顕著な効果の向上は認められず、経済
的に不利である。
又は遠心分離などの方法により回収し、次回の核水素化
反応に繰り返し使用することも可能である。
反応も可能である。
は、当該反応に不活性なものであれば特に限定されるも
のではなく、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせ
て使用される。
の脂環式炭化水素類、炭素数6〜20の脂肪族炭化水素
類、エーテル類などが例示される。
ン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、
デカリンなどが例示される。
プタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデ
カン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキ
サデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、
エイコサンなどの直鎖状物又は分岐鎖状物が例示され
る。
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレン
グリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジプロピレンエーテル、トリ
エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなどが例示される。
タリド類自体を反応溶媒として用いることもできる。
れる限り特に限定されるものではないが、具体的には、
原料フタリド100重量部に対して0〜2000重量部
が例示され、特に0〜200重量部が推奨される。溶媒
の使用量が多いと生産性が低下する。
ましく、特に140〜180℃が推奨される。100℃
未満では反応時間が長くなり、未反応化合物が残り易い
傾向にある。一方、240℃を超える場合には、副生物
を生じ、ヘキサヒドロフタリドの収率が低下する傾向に
あり、いずれも好ましくない。
ましく、特に5〜50kg/cm2Gが推奨される。1kg/cm2
G未満の場合には、反応時間が長くなり、未反応化合物
が残りやすい傾向がある。一方、80kg/cm2Gを超える
場合には副生物を生じる結果、ヘキサヒドロフタリドの
収量が低下する傾向にあり、いずれも好ましくない。
ば1〜15時間程度で反応が完結する。反応の進行状態
及び終了に関しては、圧力計から消費水素量を求めるこ
とで判断することができる。
は、常圧下又は減圧下での蒸留又は抽出などの公知の方
法を適用することにより目的とするより純度の高いヘキ
サヒドロフタリド類を得ることができる。
る。
0g及び5%パラジウムアルミナ(商品名、ED−5
0)2gを仕込み、水素圧力30kg/cm2G、反応温度1
70℃で核水素化を行った。反応時間4時間で水素吸収
は見られなくなり、そのときの吸収量は理論吸収量の1
01.4%であった。触媒を濾別して得られた反応粗物
をガスクロマトグラフィー(以下「GLC」と略す。)
で分析した結果、未反応のフタリドは認められず、ヘキ
サヒドロフタリドの生成率は96.5%であった。
100g及び5%パラジウム炭素(商品名、NJ−5
D)2gを仕込み、水素圧力30kg/cm2G、反応温度1
70℃で核水素化を行った。反応時間4時間で水素吸収
は見られなくなり、そのときの吸収量は理論吸収量の1
00.6%であった。触媒を濾別して得られた反応粗物
をGLCで分析した結果、未反応の原料は認められず、
4−メチルヘキサヒドロフタリドの生成率は97.1%
であった。
50g、シクロヘキサン50g及び5%パラジウム炭素
(商品名、NJ−5D)1gを仕込み、水素圧力20kg
/cm2G、反応温度150℃で核水素化を行った。反応時
間6時間で水素吸収は見られなくなり、そのときの吸収
量は理論吸収量の103.2%であった。触媒を濾別し
て得られた反応粗物をGLCで分析した結果、未反応の
原料は認められず、5−メチルヘキサヒドロフタリドの
生成率は95.9%であった。
1と同様に核水素化反応を行った。触媒を濾別して得ら
れた反応粗物をGLCで分析した結果、未反応の原料が
41.6%認められ、ヘキサヒドロフタリドの生成率は
26.2%であった。
同様に核水素化反応を行ったところ、反応時間7時間で
水素吸収は見られなくなり、そのときの吸収量は理論吸
収量の105.9%であった。触媒を濾別して得られた
反応粗物をGLCで分析した結果、未反応の原料は認め
られず、ヘキサヒドロフタリドの生成率は54.9%で
あった。又、副生物であるカルボン酸類が44.9%生
成していた。
り、ヘキサヒドロフタリド類を比較的低圧で収率良く工
業的に製造することができる。
類の製造方法は、一般式(1) [式中、R1、R2、R3、R4は同一又は異なって、
水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数1〜
18のアルコキシ基を示す。]で表されるフタリド類を
核水素化触媒の存在下、加圧加熱条件下で核水素化して
一般式(2) [式中、R1、R2、R3、R4は一般式(1)で記載
したとおりである。]で表されるヘキサヒドロフタリド
類を製造する方法において、核水素化触媒がパラジウム
系触媒であることを特徴とする。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】[式中、R1、R2、R3、R4は同一又は異なっ
て、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数
1〜18のアルコキシ基を示す。]で表されるフタリド
類を核水素化触媒の存在下、加圧加熱条件下で核水素化
して一般式(2) 【化2】[式中、R1、R2、R3、R4は一般式(1)で
記載したとおりである。]で表されるヘキサヒドロフタ
リド類を製造する方法において、核水素化触媒がパラジ
ウム系触媒であることを特徴とするヘキサヒドロフタリ
ド類の製造方法。 - 【請求項2】 水素圧力が、1〜80kg/cm2Gである請
求項1に記載のヘキサヒドロフタリド類の製造方法。 - 【請求項3】 反応温度が、100〜240℃である請
求項1又は2に記載のヘキサヒドロフタリドの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36517597A JP4140073B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | ヘキサヒドロフタリド類の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP36517597A JP4140073B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | ヘキサヒドロフタリド類の製造方法 |
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JPH11180968A true JPH11180968A (ja) | 1999-07-06 |
JP4140073B2 JP4140073B2 (ja) | 2008-08-27 |
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JP (1) | JP4140073B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114950472A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-08-30 | 大连理工大学 | 苯酞加氢制备六氢苯酞催化剂的制备方法及用于苯酞加氢制备六氢苯酞的方法 |
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1997
- 1997-12-19 JP JP36517597A patent/JP4140073B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN114950472A (zh) * | 2022-03-31 | 2022-08-30 | 大连理工大学 | 苯酞加氢制备六氢苯酞催化剂的制备方法及用于苯酞加氢制备六氢苯酞的方法 |
CN114950472B (zh) * | 2022-03-31 | 2023-08-11 | 大连理工大学 | 苯酞加氢制备六氢苯酞催化剂的制备方法及用于苯酞加氢制备六氢苯酞的方法 |
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