JPH11180933A - エステルの精製方法 - Google Patents

エステルの精製方法

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JPH11180933A
JPH11180933A JP34498797A JP34498797A JPH11180933A JP H11180933 A JPH11180933 A JP H11180933A JP 34498797 A JP34498797 A JP 34498797A JP 34498797 A JP34498797 A JP 34498797A JP H11180933 A JPH11180933 A JP H11180933A
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JP
Japan
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ester
purifying
acid value
heat treatment
purification
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Pending
Application number
JP34498797A
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English (en)
Inventor
Katsuji Suzuki
勝治 鈴木
Masatomo Asai
政知 浅井
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸価が低く、液体体積固有抵抗値の大きい
(酸価及び電気特性に優れる)エステルを得るためのエ
ステルの精製方法の提供。 【解決手段】 カルボン酸とアルコールとを反応させて
エステルを製造した後、該エステルを下記(1)〜
(4)式で表されるMgとAlとを含有する化合物の一
種または二種以上の混合物の存在下で加熱処理するエス
テルの精製方法。 【化1】 1.25Mg(OH)2・Al(OH)3・xCO3・yH2O (1) Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O (2) Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O (3) 2.5MgO・Al23・xH2O (4) ただし、式中のx、yはそれぞれ下記の条件を満たす値
である。 0≦x≦1 1≦y≦5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可塑剤等のエステル
の精製方法、更に詳しくはエステル化反応によって得ら
れた粗エステルを特定の処理剤を使用して加熱処理する
ことにより、酸価が低く、液体体積固有抵抗値の大きい
(酸価及び電気特性に優れた)精製エステルを得る方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】可塑剤等に使用されるエステルはカルボ
ン酸とアルコールの脱水縮合反応等のエステル化反応に
よって製造される。このようにして得られたエステル
は、未反応の酸やアルコール、或いは多価カルボン酸を
原料として用いた場合には部分エステル等をも含むた
め、その目的に応じ真空蒸留、水蒸気蒸留、水酸化ナト
リウムや水酸化カルシウム及び酸化マグネシウム等のア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物または酸化物
(以下、「固体アルカリ」と記す)やアルカリ性水溶液
による洗浄及び水洗等の処理を行って精製されている。
例えば、残留する未反応カルボン酸や真空蒸留、水蒸気
蒸留の際にエステルの一部が加水分解されて生じた酸成
分、その他の不純物を除去するための精製処理は、固体
アルカリによる中和、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカ
リ性水溶液による洗浄、もしくは活性炭等の吸着剤を使
用することによって行われていた。
【0003】しかしながら、固体アルカリによる中和、
アルカリ水洗浄、水洗等の精製処理では、未反応カルボ
ン酸やその他の不純物の除去が十分に行われず、得られ
たエステルの酸価が高い、または液体体積固有抵抗値が
小さい等、品質の良いエステルが得られない場合があっ
た。また、活性炭を使用して精製処理を行った場合に
は、得られたエステルの臭気が改善され、また酸価の低
下や液体体積固有抵抗値を大きくすることにある程度効
果はあったが、十分ではなく、また、精製されたエステ
ルから活性炭を分離するために時間と手間がかかり、生
産性が劣るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸価や電気
特性等に優れたエステルを得るためのエステルの精製方
法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、カルボ
ン酸とアルコールとを反応させてエステルを製造した
後、該エステルを下記(1)〜(4)式で表されるMg
とAlとを含有する化合物の一種または二種以上の混合
物の存在下で加熱処理することを特徴とするエステルの
精製方法、カルボン酸がフタル酸である上記のエステル
の精製方法、MgとAlとを含有する化合物の使用量が
エステルに対して0.05〜1.0重量%である上記の
エステルの精製方法及び加熱処理をエステルに対して
0.5〜10.0重量%量の水の存在下で行う上記のエ
ステルの精製方法、に存する。
【0006】
【化2】 1.25Mg(OH)2・Al(OH)3・xCO3・yH2O (1) Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O (2) Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O (3) 2.5MgO・Al23・xH2O (4)
【0007】ただし、式中のx、yはそれぞれ下記の条
件を満たす値である。 0≦x≦1 1≦y≦5 以下、本発明について詳述する。
【0008】本発明によるエステルの精製は、例えば、
エステル化反応の終了後に、得られたエステル反応液に
前記(1)〜(4)式で表されるMgとAlとを含有す
る化合物(以下、「Mg・Al化合物」と略記する)の
一種または二種以上の混合物を添加し、更に必要に応じ
て水、濾過助剤、その他の吸着剤等を加え加熱下に所定
時間撹拌した後、必要に応じて脱水等の操作を行い、そ
の後通常の濾過操作を行ってエステル反応液からMg・
Al化合物を取り除くことによりなされる。Mg・Al
化合物をエステル反応液に添加する温度は特に限定はさ
れないが、エステルに着色劣化等の悪影響を及ぼさない
温度であれば良く、具体的には常温〜180℃程度であ
る。また加熱処理の温度は、50〜180℃、好ましく
は70〜120℃とするのが好適である。更に、撹拌時
間も特に限定されないが、時間が短すぎると精製が十分
に行われず、また長すぎてもエステルが分解する等の悪
影響が考えられるため、通常は10分〜2時間程度とす
れば良い。濾過操作の温度も特に限定されないが、エス
テルに上述のような悪影響を及ぼさない温度であれば良
く、例えば常温〜150℃で行なうことができる。
【0009】Mg・Al化合物は、エステルに対し0.
05〜1.0重量%使用することが好ましく、0.1〜
1.0重量%使用することが特に好ましい。使用量が
0.05重量%未満ではエステルの精製が不十分で、酸
価や液体体積固有抵抗値が良好なエステルを得るのが困
難となる恐れがある。1.0重量%を超えて用いても、
添加量の増加に見合った効果の向上は見られず不経済で
ある上に、処理後にエステルからMg・Al化合物を濾
別するための装置が大きくなったり、時間がかかったり
するので好ましくない。
【0010】更に、Mg・Al化合物を加えてエステル
を加熱処理する際に、予め系に水が存在していると、エ
ステルの精製が更に効果的に行われるので好ましい。水
の量はエステルに対して0.5〜10.0重量%である
ことが好ましい。水の量が0.5重量%未満では水の存
在による効果が発現されず、10.0重量%を超えると
水の量に見合った効果は得られず、却って加熱処理時間
の延長や廃液処理等の後処理に手間がかかる恐れがある
ので好ましくない。
【0011】本発明のMg・Al化合物を用いたエステ
ルの精製方法は各種エステルの製造において有用であ
り、特にカルボン酸エステル等を精製する際に使用する
ことにより、可塑剤として酸価及び電気特性に優れたエ
ステルを得ることができる。また、本発明のMg・Al
化合物を用いたエステルの精製方法は、本発明の目的・
効果を妨げない限り、従来行われている真空蒸留や水蒸
気蒸留、活性炭の使用等の他の精製方法を併用してもか
まわない。この際、本発明の精製方法は、他の精製処理
を行う前、他の精製処理の間または他の精製処理を行っ
た後のいずれの時期に行ってもよい。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例によって限定されるものではない。 <エステル(ジオクチルフタレート)の製造>無水フタ
ル酸148g(1.0モル)、2−エチルヘキサノール
325g(2.5モル)及びテトライソプロピルチタネ
ート0.2gを、温度計、窒素導入管、撹拌機、Dea
n−Stark型分水器及び還流冷却器を付した内容積
1リットルのフラスコに仕込み、窒素気流下で撹拌しな
がら加熱し、反応温度を220℃に保ち2−エチルヘキ
サノールの環流下でエステル化反応を行わせた。エステ
ル化反応中、適時反応系の酸価を測定し、酸価が0.2
mgKOH/g以下になったところで加熱を停止し、エ
ステル化反応を終了した。その後、過剰に仕込んだ2−
エチルヘキサノールを減圧蒸留(10mmHg)によっ
て除去し、得られたエステルを評価用原料サンプルとし
た。該エステルの酸価は0.052mgKOH/gであ
った。また、液体体積固有抵抗値は5.59×1011Ω
・cmであった。
【0013】<エステルの精製及び評価>実施例1〜
6、比較例1〜6:エステルを攪拌機を装着したフラス
コに入れ、表−1及び2に示した各種処理剤を添加し、
これを100℃になるまで加熱し、100℃で10分間
撹拌下、加熱処理した後、真空脱水(10mmHg、1
20℃で20分間)した。次に、これを濾紙を用いて濾
過し、精製エステルを得た。得られたエステルについて
酸価及び液体体積固有抵抗値(以下、「液体VR」と記
す)を測定した。結果を表−1及び2に示す。
【0014】比較例7及び8:エステルを攪拌機を装着
したフラスコに入れ、表−2に示した各種処理剤を添加
し、これを95℃になるまで加熱し、95℃で20分間
撹拌した後、静置して有機層と水層に分離し、有機層を
真空脱水処理(10mmHg、120℃で20分間)し
た。次に、これを濾紙を用いて濾過し、精製エステルを
得た。得られたエステルについて酸価及び液体VRを測
定した。結果を表−2に示す。
【0015】測定方法 (酸 価)JIS K−6751に従う。 (液体VR)JIS K−6751に従う。 なお、実施例及び比較例において用いた処理剤は以下の
通りである。 MgO キョウーワマク゛ 150 (協和化学工業(株)) 粉末活性炭 (AC) 白鷺 S-10 (武田薬品工業(株)) 2MgO・6SiO2・xH2O キョーワート゛ 600 (協和化学工業(株)) Al2O3・9SiO2・H2O キョーワート゛ 700 (協和化学工業(株)) 2.5MgO・Al2O3・2yH2O キョーワート゛ 300 (協和化学工業(株)) Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O キョーワート゛ 500 (協和化学工業(株)) Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O キョーワート゛ 1000 (協和化学工業(株))
【0016】<結果の説明>処理剤としてMg・Al化
合物を使用してエステルの加熱精製処理を行った場合に
は、酸価、液体VRともに良好(酸価が低く、液体VR
が大きい)となる(実施例1〜6)。また、該化合物と
水とを併用した場合には、更に酸価、液体VRともに良
好となる(実施例1、5、6)。処理剤としてCa(O
H)2 またはMgOを使用した場合には、液体VRが小
さい(比較例3、4、5)。エステルをアルカリ性水溶
液で洗浄した場合には酸価が高く(比較例7)、水洗し
た場合には酸価が高く、液体VRが小さい(比較例
8)。処理剤としてMgとSiとの複合酸化物を使用し
た場合には、酸価が高く、液体VRが小さく(比較例
1)、水を併用しても液体VRしか改善されない(比較
例2)。処理剤としてAlとSiとの複合酸化物を使用
した場合には、水を併用した場合も液体VRが小さい
(比較例6)。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明のエステル精製方法を用いれば、
製品品質、特にその酸価及び電気特性に優れたエステル
を得ることができ、その工業的利用価値は極めて大きい
ものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸とアルコールとを反応させて
    エステルを製造した後、該エステルを下記(1)〜
    (4)式で表されるMgとAlとを含有する化合物の一
    種または二種以上の混合物の存在下で加熱処理すること
    を特徴とするエステルの精製方法。 【化1】 1.25Mg(OH)2・Al(OH)3・xCO3・yH2O (1) Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O (2) Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O (3) 2.5MgO・Al23・xH2O (4) ただし、式中のx、yはそれぞれ下記の条件を満たす値
    である。 0≦x≦1 1≦y≦5
  2. 【請求項2】 カルボン酸がフタル酸である請求項1に
    記載のエステルの精製方法。
  3. 【請求項3】 MgとAlとを含有する化合物の使用量
    がエステルに対して0.05〜1.0重量%である請求
    項1または2に記載のエステルの精製方法。
  4. 【請求項4】 加熱処理をエステルに対して0.5〜1
    0.0重量%量の水の存在下で行う請求項1〜3のいず
    れか一項に記載のエステルの精製方法。
JP34498797A 1997-12-15 1997-12-15 エステルの精製方法 Pending JPH11180933A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6716404B2 (en) 1999-12-28 2004-04-06 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for the purification of exhaust gases

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6716404B2 (en) 1999-12-28 2004-04-06 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for the purification of exhaust gases

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