JPH11180850A - 化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性、活性酸素消去性等を有し、かつ、安
全性の高い化粧料を提供することを課題とする。 【解決手段】 化粧料を、緑茶の抽出物である茶カテキ
ンと逆浸透膜方式で浄化した水とを有効成分として含有
するものとし、生体に対する有害成分のない浄化水と茶
カテキンにより抗菌性、活性酸素消去性等が化粧料に付
与される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は茶カテキンを配合す
ることにより、抗菌性、活性酸素消去性等を有する化粧
料に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】皮膚のシミ・ソバカス等の発生機構とし
て、一般には、紫外線や放射線等の外部要因による活性
酸素の影響が考えられる。すなわち、身体の最外層であ
る皮膚に活性酸素が過剰に存在すると、ラジカル反応に
より過酸化脂質が生成され、シミ・ソバカス等の皮膚の
異常な色素の形成が増強される。

【０００３】通常、生体内で生じた活性酸素は、ス−パ
−オキシドジスムタ−ゼ（ＳＯＤ）により過酸化水素に
変換された後、さらにカタラ−ゼやグルタチオンペルオ
キシダ−ゼの酵素作用により水と酸素に分解される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、紫外線等の過
剰な照射、細菌等による感染、身体の栄養状態の変化等
により、活性酸素の分解が不十分となって身体内の活性
酸素の量が増大し、これに伴って過酸化脂質が増大する
と、皮膚炎、シミ、シワ、ソバカス等の美容上の障害と
なる諸症状が引き起こされるという問題があった。

【０００５】近年、上記のような問題に対処するため
に、活性酸素消去効果や過酸化脂質生成抑制効果を有す
る物質を含有する化粧料が提案されているが、効果が極
めて低いものや身体に対して副作用を生じるものがあ
る。本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので
あり、抗菌性、活性酸素消去性を有し、かつ、安全性の
高い化粧料を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、緑茶の抽出物である茶カテキンと
逆浸透膜方式で浄化した水とを有効成分として含有する
ような構成とした。また、茶カテキンの配合量が１〜２
重量％の範囲であるような構成とした。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の化粧料は、緑茶の抽出物である茶
カテキンと逆浸透膜方式で浄化した水とを有効成分とし
て含有することを特徴とする。

【０００８】茶カテキンは緑茶に含有される水溶性成分
であり、従来、一般にタンニンと呼ばれており、その種
類には、エピカテキン、エピカテキンガレ−ト、エピガ
ロカテキン、エピガロカテキンガレ−ト、カテキン等の
種類がある。このような茶カテキンは緑茶から水または
含水溶媒で抽出して得られる。抽出方法は、例えば、茶
葉を所望の大きさに粉砕、切断し、これに水を加えて常
温乃至１００℃で数分から数十時間抽出し、その後、精
製する。

【０００９】本発明では、茶カテキンとして、三井農林
株式会社製のポリフェノン６０、ポリフェノン３０、ポ
リフェノンＧ等の市販されているものを使用することが
できる。本発明の化粧料における茶カテキンの配合量
は、化粧料の使用目的に応じて適宜設定することがで
き、例えば１〜２重量％の範囲で設定することができ
る。

【００１０】また、本発明の化粧料に含有される水は、
逆浸透膜を用いて浄化した水である。逆浸透膜は、通
常、１〜１０Å程度の細孔を備え、形状は中空糸形状や
層巻き形状等のものを使用できる。このような逆浸透膜
方式で浄化した水は、例えば、下記のような基準を満足
するような浄化水である。 ・ 一般細菌： １００個／ｍ１以下 ・ 大腸菌群： 検出されないこと ・ カドミウム： ０．０１ｍｇ／１以下 ・ 水銀： ０．０００５ｍｇ／１以下 ・ 鉛： ０．０５ｍｇ／１以下 ・ ヒ素： ０．０１ｍｇ／１以下 ・ 六価クロム： ０．０５ｍｇ／１以下 ・ シアン： ０．０１ｍｇ／１以下 ・ 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素： １０ｍｇ／１以下 ・ フッ素： ０．８ｍｇ／１以下 ・ 亜鉛： １．０ｍｇ／１以下 ・ 鉄： ０．３ｍｇ／１以下 ・ 銅： １．０ｍｇ／１以下 ・ マンガン： ０．０５ｍｇ／１以下 ・ 塩素イオン： ２００ｍｇ／１以下 ・ カルシウム、マグネシウム等（硬度）： ３００ｍｇ／１以下 ・ 蒸発残留物： ５００ｍｇ／１以下 ・ 陰イオン界面活性剤： ０．２ｍｇ／１以下 ・ フェノ−ル類： ０．００５ｍｇ／１以下 ・ 有機物等（過マンガン酸カリウム消費量）： １０ｍｇ／１以下 ・ ｐＨ： ５．８〜８．６ ・ 味： 異常でないこと ・ 臭気： 異常でないこと ・ 色度： ５度以下 ・ 濁度： ２度以下

【００１１】このような浄化水の化粧料における配合量
は６０〜８５重量％、好ましくは７０〜８０重量％であ
り、化粧料の使用目的に応じて適宜設定することができ
る。

【００１２】本発明の化粧料の形態としては、マッサ−
ジクリ−ムや栄養クリ−ムのような各種クリ−ム；収斂
化粧水のような各種化粧水；アフタ−シェ−ブロ−ショ
ンのような各種ロ−ション；乳液；各種パック剤；ファ
ンデ−ションクリ−ム、口紅等の仕上げ化粧品；ヘア−
トニック、シャンプ−、リンス、ヘア−クリ−ムのよう
な頭髪用化粧料；洗顔料；浴用剤；防臭剤等が挙げられ
る。

【００１３】本発明の化粧料には、上記の茶カテキンお
よび生体に対する有害成分のない浄化水の他に、その使
用目的に応じて他の成分を用いることができる。例え
ば、ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、フクワラ
ン等の疎水性基剤；ラノリン、プロピレングリコ−ル等
の親水性基剤；脂肪酸モノグリセライド類、ソルビタン
脂肪酸エステル類等の乳化剤；パラオキシ安息香酸メチ
ル等の防腐剤；香料；栄養剤、保湿剤、紫外線吸収剤等
を必要に応じて適宜配合することができる。

【００１４】

【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。茶カテキンとして三井農林株式会社製のポリフ
ェノン６０を、また、浄化水として逆浸透膜方式の浄化
装置（日本セ−フティウォ−タ−株式会社製マイルドシ
ャワ−フィルタ−）を用いて浄化した水を準備し、これ
らを用いて下記組成の茶カテキン入りクリ−ム（試料１
〜３）を製造した。なお、ポリフェノン６０の配合割合
Ａ（重量％）は、下記の表１に示されるものとした。 クリ−ムの組成 ・ポリフェノン６０・・・・・ １．５重量％ ・浄化水 ・・・・・７８．５重量％ ・海藻 ・・・・・ ４．１重量％ ・アロエ ・・・・・ ２．１重量％ ・生薬 ・・・・・ ９．１重量％ ・オリ−ブ ・・・・・ １．５重量％ ・水溶性コラ−ゲン・・・・・ ３．２重量％

【００１５】また、使用する水は本発明と同様の逆浸透
膜使用の浄化水を用い、茶カテキンを入れないこと以外
は本発明の上記クリ−ム（試料１）と同様の配合のクリ
−ム（試料４）を製造した。

【００１６】更に、使用する水として、限外ろ過膜を使
用した浄化装置を用いて浄化した水を使用した他は、上
記のクリ−ム（試料１）と同様の配合で茶カテキン入り
クリ−ム（試料５）を製造し、また、使用する水とし
て、ミクロンろ過膜を使用した浄化装置を用いて浄化し
た水を使用した他は、上記のクリ−ム（試料１）と同様
の配合で茶カテキン入りクリ−ム（試料６）を製造し
た。

【００１７】上述のように製造したクリ−ム（試料１〜
６）について評価を行い、結果を下記の表１に示した。
評価は、物質の凝固点を調べることでその物質の分子量
を算出する凝固点降下法と、フラスコ内に規定の菌を入
れ、その中に試験品を入れてシェ−クしながら菌の増殖
を見るシェ−クフラスコ法に基づいて行い、凝固点降下
法においては、分子が小さい程皮膚に対する浸透性がよ
いという判断をし、シェ−クフラスコ法においては、菌
の増殖率が低い程その物質の抗菌性が高いという判断を
した。

【００１８】

【表１】

【００１９】表１に示されるように、本発明の茶カテキ
ン入りクリ−ムの場合、茶カテキンが１〜２重量％の範
囲で配合され、且つ、逆浸透膜方式で浄化した水が用い
られることにより、皮膚に対しての浸透性がよく、優れ
た抗菌、消臭、抗酸化作用に対する効果が発現されるこ
とが確認された。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば化
粧料が緑茶の抽出物である茶カテキンと逆浸透膜方式で
浄化した水とを有効成分として含有するので、生体に対
する有害成分のない浄化水と茶カテキンにより化粧料は
皮膚に対しての浸透性がよく、しかも優れた抗菌性、活
性酸素消去性、抗酸化性、消臭性、収斂性が付与された
ものとなり、細菌やウィルス等による皮膚疾患が予防さ
れ、シミ・ソバカス等の皮膚の異常な色素形成も防止さ
れるとともに、身体に対して副作用を生じることもな
い。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 緑茶の抽出物である茶カテキンと逆浸透
   膜方式で浄化した水とを有効成分として含有することを
   特徴とする化粧料。
2. 【請求項２】 茶カテキンの配合量が１〜２重量％の範
   囲であることを特徴とする請求項１に記載の化粧料。