JPH11180019A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JPH11180019A
JPH11180019A JP35702497A JP35702497A JPH11180019A JP H11180019 A JPH11180019 A JP H11180019A JP 35702497 A JP35702497 A JP 35702497A JP 35702497 A JP35702497 A JP 35702497A JP H11180019 A JPH11180019 A JP H11180019A
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JP
Japan
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sheet
plate cylinder
paper
ink
printing
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Pending
Application number
JP35702497A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Sato
正寿 佐藤
Yoshihiko Kudo
芳彦 工藤
Kengo Tsubaki
健悟 椿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)
  • Conveyance By Endless Belt Conveyors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 片面印刷と重ね印刷と両面印刷とを使い分け
ることができる印刷装置を提供する。 【解決手段】 版胴5,6の何れか一方をマスキングす
ることにより片面印刷を可能にし、複数の版胴5,6の
それぞれに製版済みのマスタ12,13を巻き付け、用
紙搬送路4に沿って用紙pを連続的に搬送させる過程で
各版胴5,6上のインキを転写することにより重ね印刷
を可能にし、複数の版胴5,6のそれぞれに製版済みの
マスタ12,13を巻き付け、版胴5上のインキを用紙
pの表面に転写した後に、その用紙pを用紙搬送路4か
ら分岐搬送手段7により用紙pを分岐させ、その用紙p
を用紙反転手段31により表裏反転させて下流側の版胴
6に向けて搬送することにより、両面印刷を可能にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版式の印刷装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている孔版式の印刷装
置は、用紙の片面に一色で印刷するものが多いが、近来
は重ね印刷(多色印刷)や両面印刷が可能な印刷装置の
要求が高く、これに伴い種々の提案がなされている。そ
のいくつかの例を次に示す。
【0003】 二つの版胴を対向配置し、これらの版
胴の間に用紙を供給して用紙の両面に一度に印刷する孔
版印刷装置 電子写真プロセスと孔版式の印刷プロセスとを備えて
両面印刷を可能にした印刷装置(特開平8−19256
3号) 用紙の表面と裏面とに転写する画像を分けて製版し
たマスタを一つの版胴に巻き付け、この一つの版胴に対
して一次、二次の二つのローラを対向配置し、一次のロ
ーラと版胴との間で用紙の表面に印刷を行った後に用紙
を反転し、続いて、二次のローラと版胴との間で用紙の
裏面に印刷を行うようにした両面印刷装置(特開平9−
95033号) 用紙搬送路中に二つの版胴とこれらの版胴に対向す
るプレスローラとを配列し、上流側の版胴とプレラスロ
ーラとの間で用紙の表面に画像を印刷し、続いて、下流
側の版胴とプレラスローラとの間で用紙の表面に画像を
重ねて印刷するようにした孔版印刷装置(特開平7−1
7121号) 用紙搬送路の上流側に一つのインキローラを内蔵し
た版胴とプレスローラとを対向配置し、用紙搬送路の下
流側に上下二つのインキローラを内蔵した版胴を配置
し、この下流側の版胴の下部と上部とのそれぞれにプレ
スローラを配設し、用紙の片面に画像を重ねて印刷する
場合には、上流側の版胴とプレラスローラとの間で用紙
の表面に画像を印刷し、続いて、下流側の版胴とその下
部に対向するプレラスローラとの間で用紙の表面に画像
を重ねて印刷し、両面印刷する場合には、上流側の版胴
とプレスローラとの間で表面に印刷した用紙を下流側の
版胴とその上部に対向するプレスローラとの間に搬送
し、その版胴と上部のプレスローラとの間で用紙の裏面
に印刷する印刷方法及び印刷機(特開平9−23494
1号)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】の孔版印刷装置及び
の両面印刷装置は両面印刷専用の孔版印刷装置であ
る。したがって、片面印刷や重ね印刷を行うことはでき
ない。の印刷装置は両面印刷をするために電子写真プ
ロセスと孔版式の印刷プロセスとの異なる印刷機構を必
要とするため装置が複雑化し、また、用紙の表面と裏面
との画質を等しくすることができない。の孔版印刷装
置は両面印刷することはできない。また、片面に印刷す
る場合でも、上流側で印刷した用紙は下流側の版胴とプ
レスローラとの間を通過するため、用紙の片面に一色印
刷をするためには、下流側の版胴内のインキを除去し表
面をクリーンに維持しなければならない。しかし、この
ような操作は、両面印刷、重ね印刷、片面印刷の各モー
ドを頻繁に切り替えることを想定すると事実上不可能で
ある。の印刷方法及び印刷機は、の孔版印刷装置の
機能の他に両面印刷の機能を備えているが、の孔版印
刷装置と同様の理由により片面印刷を行うには問題があ
る。さらに、下流側の版胴は、上部と下部とのそれぞれ
にインキローラを必要とするため、上流側の版胴と共通
使用することができない。
【0005】また、上述の印刷装置を含む何れの印刷装
置においても、重ね印刷や両面印刷を行う場合には、上
流側の版胴で印刷した用紙を排紙トレイに直ちに排紙す
るのではなく下流側の版胴に搬送するため、未乾燥のイ
ンキが搬送部材に付着したり下流側の版胴のインキに混
色するおそれがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
製版部により製版されたマスタが巻き付けられた版胴と
プレスローラとで用紙を挾持しながら一方向へ搬送する
過程で、前記版胴の内側から前記マスタを介して滲み出
させたインキを用紙の表面に転写する印刷装置におい
て、前記版胴と前記プレスローラとは用紙搬送路に沿っ
て複数組配列され、片面印刷モード設定時に所定数番目
の前記版胴の外周面を選択的にマスキングするマスキン
グ手段と、両面印刷モード設定時に前記用紙搬送路上に
おいて隣接する関係にあって上流側に配置された前記版
胴により印刷された用紙を前記用紙搬送路から分岐させ
る分岐搬送手段と、この分岐搬送手段により分岐された
用紙を表裏反転させて次に配置された下流側の前記版胴
に向けて搬送する用紙反転手段とを備えている。
【0007】したがって、片面印刷モード設定時に、複
数の版胴うちの所定数番目の版胴をマスキングすること
により片面印刷が可能となる。また、重ね印刷モード設
定時に、製版済みのマスタを複数の版胴に巻き付け、用
紙搬送路に沿って用紙を連続的に搬送させる過程で各版
胴上のインキを用紙に転写することにより、重ね印刷を
行うことが可能となる。さらに、両面印刷モード設定時
に、上流側に位置する版胴とその次に位置する版胴とに
製版済みのマスタを巻き付け、上流側の版胴上のインキ
を用紙の表面に転写した後に、用紙搬送路から分岐搬送
手段により用紙を分岐させ、その用紙を用紙反転手段に
より表裏反転させて用紙搬送路に戻し、次の下流側に配
置された版胴に供給することにより、両面印刷を行うこ
とが可能となる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、マスキング手段は未製版のマスタを製版部
から版胴に供給してこの版胴をマスキングする。
【0009】したがって、製版部の動作を制御すること
により、製版のための未製版のマスタを利用して版胴を
マスキングすることが可能となる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、マスキング手段はマスキング専用のシート
を版胴に供給してこの版胴をマスキングする。
【0011】したがって、シート材料を製版用マスタ以
外の広い範囲から選択することが可能となる。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、版胴から用紙に転写された余分
なインキを除去するインキ除去シートを有するインキ除
去部を備えている。
【0013】したがって、印刷直後の余分なインキを除
去することが可能となる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、インキ除去部は用紙を用紙搬送経路中にお
ける隣接する版胴の間に設けられている。
【0015】したがって、印刷直後の余分なインキを除
去した後に、下流側に位置する版胴に受け渡すことが可
能となる。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項4又は5記
載の発明において、インキ除去部は最下流側に配列され
た版胴の下流側に設けられている。
【0017】したがって、印刷物を排紙トレイに排紙す
る直前で余分なインキを除去することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
及び図2を参照して説明する。本実施の形態における印
刷装置Aは原稿画像を読み取る画像読取部1を備えてい
る。そして、給紙部2から排紙トレイ3に至る用紙搬送
路4中には、上流側に位置する奇数番目(第1番目)の
版胴5と下流側に位置する偶数番目(第2番目)の版胴
6と、これらの版胴5,6に対向するプレスローラ7,
8とが配列されている。版胴5,6は両端が側板(図示
せず)により固定的に支持されたインキ供給パイプ9に
より回転自在に支持され、外周の一部にはクランプ5
a,6aが設けられ、内部にはインキローラ10とドク
ターローラ11とが設けられている。
【0019】また、版胴5,6の外周には製版部14,
15が設けられている。これらの製版部14,15は公
知であるので概略のみ説明するが、画像読取部1の読み
取り画像に基づいて未使用のマスタ12,13にデータ
をサーマルヘッドにより穿孔形成する製版機能と、製版
されたマスタ12,13を版胴5,6にローラにより搬
送するマスタ搬送機能と、マスタ12,13をカッタに
より所定の長さに切断する機能とを有する。下流側に位
置する偶数番目の版胴6の近傍に配設された製版部15
には、マスタ13に代えて版胴6をマスキングする専用
のシート13aが巻回状態で設けられている。このシー
ト13aは版胴6からのインキの滲み出しを阻止し得る
樹脂フィルムにより形成されている。さらに、版胴5,
6に巻き付けられた使用済みのマスタ12,13を剥離
して除去する排版部16,17が設けられている。
【0020】給紙部2は昇降台18に積載された用紙p
を最上位のものから順に給紙する給紙ローラ19と、こ
の給紙ローラ19により給紙された用紙pの重送を防止
する分離ローラ20とを有する。分離ローラ20の下流
側にはレジストローラ21が配置されている。
【0021】また、用紙搬送路4には、それぞれ版胴
5,6又はプレスローラ7への用紙pの巻き付きを防止
する剥離爪22が版胴5,6又はプレスローラ7に対し
て接離し得るように回動自在に設けられている。
【0022】さらに、用紙搬送路4には、版胴5と版胴
6との間に位置する用紙搬送ベルト23が設けられてい
る。この用紙搬送ベルト23は、無端のベルトがインキ
除去シート24により形成され、このインキ除去シート
24に対向する吸引ファン25を有している。この吸引
ファン25は用紙pを負圧によりインキ除去シート24
に引きつけるもので、インキ除去シート24には吸引フ
ァン25への通気を許容する複数の通孔(図示せず)が
形成されている。この用紙搬送ベルト23の周囲には、
インキ除去シート24にヒータ26aの熱をファン26
bにより送風してこのインキ除去シート24を乾燥する
乾燥部26と、インキ除去シート24をクリーニングす
るクリーニングローラ27aをガードボックス27bに
備えたクリーニング部27とが設けられている。なお、
クリーニングローラ27aには、表面がブラシ状のロー
ラ、スポンジローラ、発泡ゴムローラ等が用いられてい
る。
【0023】さらに、下流側の版胴6と排紙トレイ3と
の間には印刷済みの用紙pを排紙トレイ3に搬送する用
紙搬送ベルト28が設けられている。この用紙搬送ベル
ト28は、その上流側に配置された用紙搬送ベルト23
と同様に用紙pを吸引する吸引ファン25を備えてい
る。そして、用紙搬送ベルト28のベルト28aには吸
引ファン25への通気を許容する複数の通孔(図示せ
ず)が形成されている。
【0024】用紙搬送路4の上流側のプレスローラ7の
外周の一部(略4分の1)には、版胴5との干渉を避け
る切欠部29が形成され、この切欠部29の一端には用
紙pの一端をクランプするクランプ30が設けられてい
る(図2参照)。このプレスローラ7は、クランプ30
が版胴5の中心を通る真下(図1において略12時の位
置)に位置するときにレジストローラ21から送り出さ
れる用紙pの先端をクランプ30で把持し、反時計方向
に回転することにより用紙pを引き込み、片面印刷モー
ド及び重ね印刷モードが設定されたときは、用紙pの先
端が版胴5とプレスローラ7とのニップ部を通過したタ
イミングでクランプ30を開放し、用紙pを用紙搬送ベ
ルト23に受け渡すように動作が制御されるが、両面印
刷モードが設定されたときは、クランプ30を閉じたま
ま反時計方向に回転し、クランプ30の位置が図1にお
いて略2時の位置に達したタイミングで回転を停止する
とともにクランプ30を開放するように動作が制御され
る。すなわち、クランプ30を備えたプレスローラ7
は、両面印刷モード設定時に用紙搬送路4において隣接
する関係にあって上流側の版胴5により印刷された用紙
pを用紙搬送路4から分岐させる分岐搬送手段として機
能するものである。
【0025】さらに、本実施の形態における印刷装置A
は、分岐搬送手段としてのプレスローラ7により分岐さ
れた用紙pを表裏反転させて版胴5の次に配置された下
流側の版胴6に向けて搬送する用紙反転手段31を備え
ている。この用紙反転手段31は、プレスローラ7の真
下に略水平に配置された用紙搬送ベルト32と、この用
紙搬送ベルト32に略水平に隣接された用紙搬送ベルト
33と、略鉛直に配設されて用紙搬送ベルト33から受
け渡された用紙pを前述した用紙搬送ベルト23に受け
渡す用紙搬送ベルト34と、用紙搬送ベルト33に接触
された用紙搬送ベルト35と、用紙搬送ベルト32,3
4に用紙pを吸引する吸引ファン25とにより形成され
ている。用紙搬送ベルト32は前述した用紙搬送ベルト
23と同様に、ベルトがインキ除去シート24により形
成されている。このインキ除去シート24及び用紙搬送
ベルト34のベルト34aとには吸引ファン25への通
気を許容する複数の通孔(図示せず)が形成されてい
る。
【0026】そして、用紙搬送ベルト32の周囲には、
インキ除去シート24にヒータの熱を送風してこのイン
キ除去シート24を乾燥する乾燥部26と、インキ除去
シート24をクリーニングするクリーニング部27とが
設けられている。これらの乾燥部26とクリーニング部
27とは、前述した用紙搬送ベルト23の周囲に設けた
ものと同様の構造であるので説明を省略する。
【0027】ところで、インキ除去シート24は、用紙
pに転写された余分なインキ(エマルジョンインキ)を
除去することにより、用紙pの乾燥を促進するためのも
のである。本実施の形態におけるインキ除去シート24
は、用紙p上の余分なインキを効率よく除去するために
次のように構成されている。
【0028】すなわち、インキ除去シート24は、用紙
p上の印画部を構成するインキを顔料とそれ以外の成分
(インキの溶媒成分等)とに分離して除去する多孔質層
(図示せず)と、この多孔質層で分離した顔料以外の溶
媒成分等の成分を吸収保持する保持層(図示せず)とを
有する。保持層はシート基材(図示せず)の一面に形成
され、その表面に多孔質層が形成されている。
【0029】この場合、多孔質層は、シリカ、アルミナ
等の無機顔料粒子とバインダとからなるもの、特に擬ベ
ーマイトを含むものが好適で、細孔構造としては細孔半
径が実質的にインキの顔料粒子の半径よりも小さいこと
が好ましく、本実施の形態では1〜30nmである。多
孔質層が擬ベーマイトを含む場合、ベーマイト結晶がシ
ート基材に対してb軸が垂直に配向していると高い吸収
作用が得られるので好ましい。
【0030】多孔質層は、例えば、擬ベーマイトゾルと
有機バインダとの混合液を塗工液としてシート基材に塗
布し、乾燥することにより形成される。具体的には、擬
ベーマイトゾルに有機バインダを加えてスラリ状とし、
ロールコータ、エアナイフコータ、ブレードコータ、ロ
ッドコータ、バーコータ、コンマコータ等を用いてシー
ト基材に塗布した後に乾燥する。
【0031】この場合、擬ベーマイトゾルに混合する有
機バインダとしては、澱粉やその変性物、ポリビニルア
ルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合
ゴム(SBR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴム(NBR)ラテックス、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン等の使用が可能で
ある。このような有機バインダの使用量は、塗工液中に
含まれる擬ベーマイトゾルの3〜50重量%程度が好ま
しい。3重量%未満の場合には多孔質層の強度が不十分
となるおそれがあり、50重量%を超える場合には、イ
ンキの吸収性が損なわれるおそれがある。
【0032】さらに、擬ベーマイトを含む多孔質層に
は、インキの吸収性の向上等を目的として、シリカゲ
ル、アルミナゲル等の複数の顔料を併用することもでき
る。特に、多孔質層の表面の耐擦傷性を高めるために、
多孔質層の上にシリカゲル層を設けることもできる。シ
リカゲル層の平均粒径を10〜90nmとし、固形分濃
度を1〜20重量%のシリカゾルにバインダを加えて塗
布すると、塗工膜の耐擦傷性が高くなるので好ましい。
【0033】シリカゾルに加えるバインダとしては、多
孔質層の形成に使用するものと同様のバインダが使用さ
れるが、特に、珪素含有ポリマーを使用することが好ま
しい。この場合のバインダの使用量は、シリカゾルの固
形分(SiO2 換算)に対して1〜30重量%が好まし
い。すなわち、バインダの使用量が1重量%未満の場合
はシリカゲル層の機械的強度が不足し、擬ベーマイトの
保護効果が不十分になるおそれがあり、バインダの使用
量が30重量%を超えるとインキの吸収性が不足するお
それがある。
【0034】このように、上記の塗工液を擬ベーマイト
を含む多孔質層の上に塗布し乾燥することによりシリカ
ゲル層を形成するが、その厚さは0.1〜30μm程度
が好ましい。0.1μm未満の場合には、擬ベーマイト
を含む多孔質層の保護効果が充分に得られず耐擦傷性が
不足するおそれがあり、30μmを超えると塗工膜にお
けるインキ培養成分の吸収性が損なわれる。シリカゲル
層の厚さは0.2〜2μmであるとさらに好ましい。
【0035】さらに、多孔質層の表面は、用紙pから吸
収し表面に残った顔料を効率よく除去するために平滑で
あることが好ましい。この場合、キャスト法により塗工
したり、その他の方法で塗工した後にカレンダリング等
の方法により多孔質層の表面を平滑にすることができ
る。
【0036】一方、保持層は、多孔質層が吸収したイン
キの顔料以外の成分(溶媒成分等)を吸収して保持する
ものであれば任意の材料を使用することができる。材料
によってはシート基材そのものを保持層とすることもで
き、或いはシート基材と多孔質層との間に別の層として
設けてもよい。具体的には、パルプを原料とする紙や合
成紙を用いた多孔質材が基材兼保持層として使用でき
る。この場合、多孔質層の表面を平滑にする観点から、
ある程度平滑な材料を用いることが好ましい。なかで
も、インキの保持量が大きく、且つ、インキ吸収時の変
形が小さく繰り返しの使用が可能な材料が好ましい。そ
の一例としてはシリカとポリオレフィン樹脂との混合物
からなる多孔質材が挙げられる。
【0037】図1に示す印刷装置Aにおいて、片面印刷
モード設定時には、一枚の原稿画像が画像読取部1によ
り読み取られ、製版部14では画像読取部1により読み
取られた画像データに基づいてマスタ12にデータを穿
孔形成しながら版胴5に供給する。このとき版胴5は所
定の位置で製版済みのマスタ12の先端をクランプ5a
で把持して時計方向に回転するように制御され、これに
より版胴5の外周に製版済みのマスタ12が巻き付けら
れる。
【0038】下流側の製版部15ではマスタ13に代え
てシート13aを下流側に位置する偶数番目の版胴6に
供給する。このとき版胴6は所定の位置でシート13a
の先端をクランプ6aで把持して時計方向に回転するよ
うに制御され、これにより版胴6の外周にシート13a
が巻き付けられる。この一連の制御動作がマスキング手
段に相当するが、マスキングはシート13aを用いずに
未製版のマスタ13を用いてもよい。この場合には、片
面印刷モードが設定されている状態を認識したときに、
製版部15ではマスタ13の製版を禁止し、ローラによ
り未製版のマスタ13の版胴6への送り込み動作と、カ
ッタによるマスタ13の切断動作とを制御する。
【0039】そして、印刷のためのスタート釦を押すと
版胴5とインキローラ10とが時計方向に回転し始め
る。一方、昇降台18上の用紙pが給紙され、その先端
が版胴5の下部外周に達するタイミングではプレスロー
ラ7はクランプ30が版胴5の真下に位置するように回
転運動が制御され、給紙された用紙pの先端をクランプ
30で把持し、版胴5の回転運動に同期して反時計方向
に回転する。これにより、給紙された用紙pはプレスロ
ーラ7により引き出される。さらにプレスローラ7は、
用紙p先端が版胴5とプレスローラ7とのニップ部を越
えた時点でクランプ30を開放し、版胴5の回転に同期
して反時計方向に回転するように制御される。これによ
り、用紙pは用紙搬送路4中に配設された用紙搬送ベル
ト23に受け渡される。この間、版胴5内のインキがマ
スタ12から滲み出るインキが用紙pの上面に転写され
る。
【0040】用紙搬送ベルト23により搬送された用紙
pは下流側の版胴6の真下を通過するが、版胴6に接触
したとしても版胴6がマスキングされているため、用紙
pは版胴6内のインキで汚されることなく用紙搬送ベル
ト28により排紙トレイ3に排紙される。
【0041】重ね印刷モード設定時には、二枚の原稿画
像が画像読取部1により読み取られ、製版部14,15
では画像読取部1により読み取られた画像データに基づ
いてマスタ12,13にデータを穿孔形成しながら版胴
5,6に供給する。このとき版胴5,6は所定の位置で
製版済みのマスタ12,13の先端をクランプ5a,6
aで把持して時計方向に回転するように制御され、これ
により版胴5,6の外周に製版済みのマスタ12,13
が巻き付けられる。重ね印刷モード設定時における用紙
pの搬送経路は前述した片面印刷モード設定時と同様で
ある。したがって、片面印刷モードと同様に用紙pは上
流側の版胴5とプレスローラ7とにより挾持搬送される
過程で版胴5上のマスタ12から滲みでるインキが転写
され、続いて下流側の版胴6とプレスローラ8とにより
挾持搬送される過程で版胴6上のマスタ13から滲みで
るインキが転写される。
【0042】なお、重ね印刷モードにおいては、版胴
5,6に供給するインキの色を違えることにより、用紙
pの片面に二色の印刷を行うことができる。また、用紙
搬送路4に沿って三個以上の版胴を配列することによ
り、多色印刷を行うことができる。
【0043】両面印刷モード設定時には、前述した重ね
印刷モード設定時における同様の制御により、製版済み
のマスタ12,13が版胴5,6の外周に巻き付けられ
る。両面印刷モードでは、上流側に位置する奇数番目の
版胴5を通過する用紙pを用紙搬送路4から分離させて
反転させた後に用紙搬送路4に戻して下流側に位置する
偶数番目の版胴6とプレスローラ8との間に供給する点
以外は、前述した重ね印刷モードの動作と同様であるの
で、違う点のみについて説明する。
【0044】プレスローラ7は、給紙された用紙pの先
端が版胴5とプレスローラ7とのニップ部を通過しても
クランプ30により用紙pの先端を把持したままの状態
で反時計方向に回転し、クランプ30の位置が図1にお
いて略2時の位置に達したタイミングで回転を停止する
とともにクランプ30を開放するように動作が制御され
る。これにより、版胴5により用紙pの表面に印刷され
た用紙pは、その後端が用紙搬送ベルト32の中間部に
達する。このとき、用紙反転手段31の吸引ファン25
が駆動され、用紙搬送ベルト32,33,34,35が
駆動される。
【0045】したがって、プレスローラ7上の用紙pは
用紙搬送ベルト32に吸引された状態でこの用紙搬送ベ
ルト32から用紙搬送ベルト33,35と用紙搬送ベル
ト34とに順次受け渡される。そして、用紙搬送ベルト
34に吸引された状態で上方に搬送された用紙Pが用紙
搬送路4上の用紙搬送ベルト23に達すると、その用紙
pは先端側から順次吸引ファン25により用紙搬送ベル
ト23に吸引され、この用紙搬送ベルト23により下流
側の版胴6とプレスローラ8との間に印刷面が下に反転
された状態で搬送され、上に向けた用紙pの裏面に版胴
6上のマスタ13から滲み出たインキが転写される。こ
れにより、用紙pの両面に印刷がなされる。
【0046】なお、用紙搬送路4に沿って、四個或いは
それ以上の偶数個の版胴を配列し、二個の版胴を一組の
単位として、使用するインキの色を違えるとともに、奇
数番目の版胴で印刷した用紙pを用紙搬送路4から分離
して用紙反転手段31により反転させて偶数番目の版胴
に向けて搬送する動作を繰り返すことにより、一枚の用
紙pの表裏に複数色の重ねる印刷を行うことができる。
【0047】以上のように、印刷モードを切り替えるこ
とにより、一台の印刷装置Aだけで片面印刷、重ね印刷
(多色印刷)、両面印刷を行うことができる。この場
合、何れの印刷モードを設定しても用紙pは全ての版胴
5,6の外周を通過するが、偶数番目の版胴6をマスキ
ングすることにより片面印刷をすることができる。さら
に、偶数番目の版胴6は、重ね印刷の場合でも両面印刷
の場合でも転写位置が一定であるので、内部にインキロ
ーラ10とドクターローラ11とを複数設ける必要がな
く、奇数番目の版胴5と同じものを共通使用することが
できる。
【0048】ところで、前述のように、片面印刷モード
又は重ね印刷モードを設定した場合には、版胴5上のマ
スタ12の画像が転写された用紙pは連続して下流側の
版胴6に向けて用紙搬送ベルト23により搬送され、ま
た、両面印刷モードを設定した場合には、版胴5上のマ
スタ12の画像が転写された用紙pは、プレスローラ7
により用紙搬送路4から分岐され、用紙反転手段31に
より反転されて用紙搬送路4に戻されるが、用紙搬送路
4中の用紙搬送ベルト23と、用紙反転手段31の用紙
搬送ベルト32とは、ベルトがインキ除去シート24に
より形成されているので、用紙pを搬送する過程で用紙
p上の転写画像の表面の未乾燥のインキはインキ除去シ
ート24の外層の多孔質層に付着する。多孔質層のシリ
カゲル層下の擬ベーマイトの細孔半径は、実質的にイン
キの顔料粒子の半径よりも小さい1〜30nmであるの
で、インキは顔料と溶媒成分とに分離され、顔料は多孔
質層の表面に残り、溶媒成分は吸収性の高い保持層に吸
収されて保持される。これにより、インキ除去シート2
4の表面(多孔質層)は液分で飽和しにくくなり、その
分インキ吸収能力が高くなるので、用紙p上の余分なイ
ンキの除去効率を高めることが可能となる。すなわち、
用紙搬送ベルト23,32はインキ除去部としての機能
を兼ね備えている。
【0049】以上のように、用紙p上の余分なインキが
用紙搬送ベルト23,32のインキ除去シート24によ
り除去されるため、重ね印刷の場合には、上流側の版胴
5で印刷したインキが下流側の版胴6に付着し、そのイ
ンキが再び用紙pに転写するという、いわゆるダブリ印
刷を防止することができる。両面印刷の場合には、上流
側の版胴5で印刷した用紙pを反転して下流側の版胴6
に向けて搬送する過程で、余分なインキが搬送部材に付
着し、そのインキが次の用紙pに付着するようなことが
ない。
【0050】また、回転するインキ除去シート24の多
孔質層に付着した顔料をクリーニング部27によって清
掃することができる。具体的には、このクリーニング部
27はクリーニングローラ27aによりインキ除去シー
ト24上の顔料を払拭してガードボックス27bに回収
するので、インキ除去シート24の多孔質層によるイン
キの分離除去作用を長期にわたり促進させることができ
る。しかも、インキ除去シート24から用紙pへの顔料
の再転写を防止することができる。ガードボックス27
bに回収された顔料は、ガードボックス27bを取り外
すことにより所望の場所に捨てることができる。
【0051】この場合、インキ除去シート24の多孔質
層に吸収されたインキの顔料が多孔質層の表面に析出す
るまでにはある程度の時間が必要であるので、用紙p上
のインキを吸収する位置からクリーニングローラ27a
の位置までは必要に応じた距離が定められている。
【0052】一般に、インキは、空気中に放置すると表
面から徐々に水分が蒸発し油相比が高くなり低粘度にな
るが、本実施の形態では乾燥部26を具備するので、イ
ンキ除去シート24の多孔質層上のインキは水分が乾燥
部26により速やかに蒸発されて粘度が低くなる。イン
キの粘度が低くなると、多孔質層におけるインキの浸透
速度が速くなり、多孔質層の表面における顔料が析出さ
れる迄の時間が短くなる。これにより、多孔質層上のイ
ンキを短時間で顔料とそれ以外の成分とに分離すること
ができ、クリーニング部27による顔料の払拭も容易と
なる。さらに、乾燥部26によりインキ除去シート24
を乾燥すると、多孔質層でのインキの顔料が析出するま
での時間が速くなることに伴い、インキ除去シート24
を短くし、装置の小型化及びコストダウンを図ることが
できる。
【0053】なお、下流側に配置された版胴6の下流側
の用紙搬送ベルト28のベルト28aをインキ除去シー
ト24と同様の構成とすることにより、この用紙搬送ベ
ルト28にインキ除去部としての機能を付加することが
できる。この場合には、印刷物の印刷面を吸引ファン2
5で搬送ベルトaに引きつけるように用紙搬送ベルト2
8と吸引ファン25とを配置する。この例では、排紙ト
レイ3に排紙される印刷物は上面に印刷されるので、印
刷物の搬送経路の上側に用紙搬送ベルト28と吸引ファ
ン25とを配置する。このようにすることにより、吸引
ファン25により印刷物をベルト28a(インキ除去シ
ート)に引きつけた状態で印刷物を排紙し、この過程で
印刷物に付着する顔料を除去することができる。これに
より、排紙トレイ3に排紙された印刷物の上に次の印刷
物が直ぐに排紙されても、先に排紙された印刷物のイン
キが後から排紙された印刷物の裏面に付着するという、
いわゆる裏移りを防止することができる。
【0054】次に、本発明の実施の第二の形態を図3及
び図4に基づいて説明する。本実施の形態及びこれに続
く他の実施の形態において、実施の第一の形態と同一部
分は同一符号を用い説明も省略する。
【0055】本実施の形態の印刷装置Bは、両面印刷モ
ード設定時に奇数番目の版胴5を通過した用紙pを用紙
搬送路4から分岐させる分岐搬送手段と、この分岐搬送
手段により分岐された用紙pを表裏反転させて奇数番目
の版胴5の次に位置する下流側の版胴6に向けて搬送す
る用紙反転手段との構成が異なる。それ以外の構成は実
施の第一の形態の構成と同様である。
【0056】分岐搬送手段36は、モータ(図示せず)
により駆動される駆動ローラ37と従動ローラ38とに
無端のベルト39を巻回し、駆動ローラ37及び従動ロ
ーラ38を回転自在に支持するとともに駆動ローラ37
を支点としてソレノイド等のアクチュエータにより上下
方向に駆動されるフレーム(図示せず)に、ベルト39
と対向する吸引ファン25を取り付けた構成である。な
お、支点側の駆動ローラ37を従動ローラとし、自由端
側の従動ローラ38を駆動ローラとしてもよい。吸引フ
ァン25は用紙pをベルト39に引きつけるためのもの
で、ベルト39には吸引ファン25への通気を許容する
複数の通孔(図示せず)が形成されている。この分岐搬
送手段36はプレスローラの機能を備えていないので、
前実施の形態におけるプレスローラ7に代えてプレスロ
ーラ8が版胴5に対向配置されている。
【0057】用紙反転手段40は、分岐搬送手段36に
より用紙搬送路4から分岐された用紙pを挾持して斜め
下方に搬送する対の用紙搬送ベルト41,42と、これ
らの用紙搬送ベルト41,42から受け渡された用紙p
を下方に引き込んだ後に上方に搬送するように正逆回転
可能な一対の用紙搬送ベルト43,44と、これらの用
紙搬送ベルト43,44から受け渡された用紙pを上方
へ搬送する用紙搬送ベルト45と、この用紙搬送ベルト
45から搬送された用紙pを用紙搬送路4に戻す通路4
5aと、用紙搬送ベルト43,44の接触面上の上部空
間に配置されて用紙搬送方向を変更する回動自在な切替
爪46とにより形成されている。用紙搬送ベルト45は
そのベルトに用紙pを引きつけるための吸引ファン25
が設けられている。この用紙搬送ベルト45のベルトに
は吸引ファン25への通気を許容する複数の通孔(図示
せず)が形成されている。
【0058】このような用紙反転手段40の用紙搬送ベ
ルト42は、前述した用紙搬送ベルト23,32と同様
に、用紙pを搬送する過程で用紙pに付着する余分なイ
ンキを除去するインキ除去部の機能を兼ね備えるため
に、ベルトにはインキ除去シート24が用いられてい
る。さらに、インキ除去シート24を乾燥する乾燥部2
6とインキ除去シート24を清掃するクリーニング部2
7とが設けられている。
【0059】したがって、片面印刷モード又は重ね印刷
モードが設定されている場合には、図3に示すように、
分岐搬送手段36は水平状態に維持される。これによ
り、版胴5を通過した用紙pは、次の版胴6で印刷する
ために分岐搬送手段36と、インキ除去部としての機能
を兼ね備えた用紙搬送ベルト23により搬送される。
【0060】両面印刷モードが設定されている場合に
は、図4に示すように、分岐搬送手段36は駆動ローラ
37を支点として下方に向けて傾けられる。この傾きは
用紙搬送ベルト41,42の傾きと一致する。これによ
り、版胴5を通過した用紙pは、吸引ファン25により
ベルト39に引きつけられた状態でこのベルト39によ
り搬送され用紙搬送ベルト41,42に受け渡される。
用紙搬送ベルト41,42から送られた用紙pは切替爪
46により用紙搬送ベルト43,44の接触面に導か
れ、これらの用紙搬送ベルト43,44に挾持された状
態で下方に搬送され、一定距離搬送された時点で切替爪
46が反時計方向に回動するとともに、用紙搬送ベルト
43,44の回転方向が切り替わる。これにより、用紙
pは切替爪46により用紙搬送ベルト45に導かれ、吸
引ファン25により用紙搬送ベルト45に引きつけられ
た状態でこの用紙搬送ベルト45により用紙搬送路4に
戻される。この用紙搬送ベルト45は下流側の版胴6と
プレスローラ8とのニップ部に向けて斜めに傾けられて
いるため、版胴6とプレスローラ8との間に円滑に導か
れる。
【0061】次に、本発明の実施の第三の形態を図5及
び図6に基づいて説明する。本実施の形態における印刷
装置Cの用紙反転手段47は、実施の第二の形態におけ
る用紙搬送ベルト43,44に代えて、正逆回転自在の
用紙搬送ローラ48,49と、これらの用紙搬送ローラ
48,49により下方に搬送される用紙pを案内する用
紙案内板50と、この用紙案内板50に配置された複数
の用紙検知センサ51とを設けたものである。用紙検知
センサ51は、それぞれ用紙pの長さに応じてその用紙
pの上端が切替爪46を通過したときに用紙pの下端を
検知する位置に配置され、用紙pの下端を検知したとき
に用紙搬送ローラ48,49を反転させるための信号を
出力するものである。
【0062】したがって、片面印刷モード又は重ね印刷
モードが設定されている場合には、図5に示すように、
分岐搬送手段36は水平状態に維持される。これによ
り、版胴5を通過した用紙pは次の版胴6で印刷するた
めに、分岐搬送手段36と、インキ除去部としての機能
を兼ね備えた用紙搬送ベルト23により搬送される。
【0063】両面印刷モードが設定されている場合に
は、図6に示すように、分岐搬送手段36は駆動ローラ
37を支点として下方に向けて傾けられる。これによ
り、版胴5を通過した用紙pは、分岐搬送手段36によ
り搬送され用紙搬送ベルト41,42に受け渡される。
用紙搬送ベルト41,42から送られた用紙pは切替爪
46により用紙搬送ローラ48,49のニップ部に導か
れ、これらの用紙搬送ローラ48,49に挾持された状
態で用紙案内板50の上に搬送され、用紙pの長さによ
って指定された用紙検知センサ51の検知信号を基に用
紙pの上端が切替爪46の下方に到達したものと認識し
た時点で切替爪46が反時計方向に回動するとともに、
用紙搬送ローラ48,49の回転方向が切り替わる。こ
れにより、用紙pは切替爪46により用紙搬送ベルト4
5に導かれ、この用紙搬送ベルト45により用紙搬送路
4に戻される。
【0064】なお、両面印刷を対象とする場合、用紙搬
送路に配列される版胴及びプレスローラは、2組、4
組、6組等のように偶数組が好ましい。しかし、重ね印
刷の一つの形態として、イエロー、マゼンタ、シアンの
三原色にブラックを加えて多色印刷をすることを考えた
場合、版胴及びプレスローラの組数は、4組あればよ
い。三原色だけで多色印刷をする場合は版胴及びプレス
ローラを3組配列すればよい。
【0065】このように、用紙搬送路に配列される版胴
及びプレスローラの組数が奇数組の場合には、最後の奇
数番目の版胴をマスキングすることにより、それ以前の
偶数組の版胴及びプレスローラにより両面印刷を行うこ
とができる。また、奇数頁の印刷物を得る場合には、最
後の奇数番目の版胴を含む全ての版胴に製版済みのマス
タを巻き付けて両面印刷をすることも可能である。ま
た、版胴及びプレスローラを用紙搬送路に偶数組配置し
た場合、例えば4個の版胴とプレスローラとを配置した
場合には、奇数番目(1,3番目)の上流側の版胴で印
刷された用紙を、用紙搬送路から分岐させて表裏反転さ
せ偶数番目(2,4番目)の下流側の版胴に向けて搬送
するように構成することが望ましい。
【0066】さらに、片面に単色で印刷をする場合で
も、上流側の版胴をマスキングし、下流側の版胴だけで
片面印刷することも可能である。
【0067】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、上述のように、
版胴とプレスローラとは用紙搬送路に沿って複数組配列
され、片面印刷モード設定時に所定数番目の版胴の外周
面をマスキングするマスキング手段と、両面印刷モード
設定時に用紙搬送路上において隣接する関係にあって上
流側に配置された版胴により印刷された用紙を用紙搬送
路から分岐させる分岐搬送手段と、この分岐搬送手段に
より分岐された用紙を表裏反転させて次に配置された下
流側の版胴に向けて搬送する用紙反転手段とを備えてい
るので、片面印刷モード設定時に、所定数番目の版胴を
マスキングすることにより片面印刷を行うことができ
る。また、重ね印刷モード設定時に、複数の版胴に製版
済みのマスタを巻き付け、用紙搬送路に沿って用紙を連
続的に搬送させる過程で各版胴上のインキを用紙に転写
することにより、重ね印刷を行うことができる。さら
に、両面印刷モード設定時に、用紙搬送路上で隣接する
版胴に製版済みのマスタを巻き付け、隣接関係にある上
流側の版胴上のインキを用紙の表面に転写した後に、用
紙搬送路から分岐搬送手段により用紙を分岐させ、その
用紙を用紙反転手段により表裏反転させて下流側の版胴
に向けて搬送することにより、両面印刷を行うことがで
きる。
【0068】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、マスキング手段は未製版のマスタを製版部
から版胴に供給してこの版胴をマスキングするので、製
版部の動作を制御することにより、製版のための未製版
のマスタを利用して版胴をマスキングすることができ
る。
【0069】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、マスキング手段はマスキング専用のシート
を版胴に供給してこの版胴をマスキングするので、シー
ト材料を製版用マスタ以外の広い範囲から選択すること
ができる。
【0070】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、版胴から用紙に転写された余分
なインキを除去するインキ除去シートを有するインキ除
去部を備えているので、印刷直後の余分なインキを除去
することができ、これにより、用紙上のインキが他に接
触することを防止するとともに、印刷画像の汚れを防止
することができる。
【0071】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、インキ除去部は用紙を用紙搬送経路中にお
ける隣接する版胴の間に設けられているので、印刷直後
の余分なインキを除去した後に、下流側に位置する版胴
に受け渡すことができる。これにより、用紙を搬送する
部材や下流側の版胴等に用紙上の余分なインキが付着す
ることを防止することができる。
【0072】請求項6記載の発明は、請求項4又は5記
載の発明において、インキ除去部は最下流側に配列され
た版胴の下流側に設けられているので、印刷物を排紙ト
レイに排紙する直前で余分なインキを除去することがで
きる。これにより、排紙トレイ上に用紙を積載したとき
に、重なる用紙間でのインキの付着を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態における印刷装置の
縦断正面図である。
【図2】プレスローラの一部を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の第二の形態における印刷装置の
縦断正面図である。
【図4】その両面印刷モードの状態を示す縦断正面図で
ある。
【図5】本発明の実施の第三の形態における印刷装置の
縦断正面図である。
【図6】その両面印刷モードの状態を示す縦断正面図で
ある。
【符号の説明】
4 用紙搬送路 5,6 版胴 7 プレスローラ、分岐搬送手段 8 プレスローラ 12,13 マスタ 13a シート 14,15 製版部 31,40,47 用紙反転手段 23,32,41 インキ除去部 24 インキ除去シート p 用紙 A,B,C 印刷装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65H 85/00 B65H 85/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製版部により製版されたマスタが巻き付
    けられた版胴とプレスローラとで用紙を挾持しながら一
    方向へ搬送する過程で、前記版胴の内側から前記マスタ
    を介して滲み出させたインキを用紙の表面に転写する印
    刷装置において、 前記版胴と前記プレスローラとは用紙搬送路に沿って複
    数組配列され、片面印刷モード設定時に所定数番目の前
    記版胴の外周面を選択的にマスキングするマスキング手
    段と、両面印刷モード設定時に前記用紙搬送路上におい
    て隣接する関係にあって上流側に配置された前記版胴に
    より印刷された用紙を前記用紙搬送路から分岐させる分
    岐搬送手段と、この分岐搬送手段により分岐された用紙
    を表裏反転させて次に配置された下流側の前記版胴に向
    けて搬送する用紙反転手段とを備えていることを特徴と
    する印刷装置。
  2. 【請求項2】 マスキング手段は未製版のマスタを製版
    部から版胴に供給してこの版胴をマスキングする請求項
    1記載の印刷装置。
  3. 【請求項3】 マスキング手段はマスキング専用のシー
    トを版胴に供給してこの版胴をマスキングする請求項1
    記載の印刷装置。
  4. 【請求項4】 版胴から用紙に転写された余分なインキ
    を除去するインキ除去シートを有するインキ除去部を備
    えている請求項1,2又は3記載の印刷装置。
  5. 【請求項5】 インキ除去部は用紙を用紙搬送経路中に
    おける隣接する版胴の間に設けられている請求項4記載
    の印刷装置。
  6. 【請求項6】 インキ除去部は最下流側に配列された版
    胴の下流側に設けられている請求項4又は5記載の印刷
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010089512A (ja) * 2009-12-10 2010-04-22 Duplo Seiko Corp 孔版両面印刷装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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