JPH11179854A - 高周波融着性積層体 - Google Patents

高周波融着性積層体

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JPH11179854A
JPH11179854A JP10126457A JP12645798A JPH11179854A JP H11179854 A JPH11179854 A JP H11179854A JP 10126457 A JP10126457 A JP 10126457A JP 12645798 A JP12645798 A JP 12645798A JP H11179854 A JPH11179854 A JP H11179854A
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重利 武智
Kunio Kaneoka
邦夫 金岡
Yoshihiro Tange
善弘 丹下
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本来高周波融着性を示さない合成樹脂を熱融着
層やその他の層として多く有している場合にあっても、
従来高周波融着適性に優れていると言われるポリ塩化ビ
ニル樹脂等と比較し、遜色ない高周波融着性を示す積層
体を提供することを課題とする。 【解決手段】少なくとも1層の高周波により発熱する発
熱層と、該発熱層から伝達される熱によって熱融着しう
る熱融着層を必須の層として含む積層体であって、該発
熱層は、(A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下
に調整されたイオン導電性ポリマー、または、表面抵抗
率が1×1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導電
性ポリマー組成物2重量%以上、(B)(A)以外の熱
可塑性合成樹脂98重量%以下、を含む組成物からなっ
ていることを特徴とする高周波融着性積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高周波融着性積層体
に関するものである。さらに詳しくは、特定値以下の表
面抵抗率を有するイオン導電性ポリマー、または、特定
値以下の表面抵抗率を有するイオン導電性ポリマー組成
物を所定量以上含む組成物からなる層を発熱層として有
する高周波融着性積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂からなるフィルム、成型品を熱
接合する手段として、ヒートシール、インパルスシール
に代表される外部加熱方法、また、超音波接合、高周波
接合に代表される内部加熱方法がある。このうち高周波
接合は内部発熱を利用した接着方法であり、外部加熱方
法に比べ、フィルム、成型品の外層部の熱劣化が少な
い、温度の上昇が速い、温度の均一性が高い、等の
長所を有している。しかしながら、この接合方法は、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、塩素化ポリエチレン、ポリアミド等誘電体損失の
大きい合成樹脂に適したもので、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂は誘電体損失が小
さいため、この方法に適していなかった。一方、高周波
接合装置を設備している加工業者においては同一の装置
でこれら合成樹脂の接合も行いたいという要望が強い。
この要望をかなえるため、従来より種々の工夫がなされ
てきた。例えば、特開平7−276581号公報には、
−OH、−CN、−Cl、−CONH−、または−CO
−等の極性基を有する合成樹脂が高周波融着性を有する
ことを示唆する記載がある。したがってこれらの高周波
融着性を有する合成樹脂と高周波融着性を有さない合成
樹脂とを複合化する方法が考えられる。しかしながら、
極性基を有する合成樹脂であっても極性基の種類や、合
成樹脂全体に占める極性基の比率等の条件によっては必
ずしも良好な高周波融着性を示さないものがある。
【0003】また、エチレンとビニルエステルや不飽和
カルボン酸エステル等のコモノマーを共重合させて得ら
れるポリマーを用いる方法が提案されている。例えば特
開平6−287362号公報等には、酢酸ビニル含量が
40〜80重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
とポリオレフィンを所定量含む高周波融着可能な樹脂組
成物が提案されている。しかしながら十分な高周波融着
特性が得られる程度にまで酢酸ビニル含量、および/ま
たは、エチレン−酢酸ビニル共重合体の配合量を増やす
と、フィルム、成型品の剛性や耐熱性が低下するという
問題、さらにフィルムの場合にあっては、フィルム同士
がブロッキングしやすくなるという問題がある。
【0004】またポリオレフィン系合成樹脂にカーボン
ブラックや金属粉等の導電性材料を配合するという方法
も考えられる。しかしながらこの方法を用いた場合、そ
の成型品の透明性が著しく損われるという問題、さらに
は発熱のコントロールが難しく、発熱が行き過ぎるとポ
リオレフィン系合成樹脂が熱劣化を起こしてしまうとい
う問題がある。
【0005】一方、本来高周波融着性を有さない合成樹
脂を主体とする積層体に、高周波融着性を付与する技術
に関する報告も、その内容の骨子は上記したものとほぼ
同様である。まず、特開平4−19139号公報におい
ては、その構成層の一つである発熱層にステンレス、軟
鉄、アルミニウム、銀、銅、真鍮、磁性酸化鉄、カーボ
ン等の導電性細片を含有させることにより高周波発熱性
を付与している。しかしながら、この積層体も発熱のコ
ントロールが難しいという欠点があった。さらに、特開
昭55−93451号公報には特定の酢酸ビニル含量の
エチレン−酢酸ビニル共重合体を(高周波)融着層とし
て用いた積層フィルムが報告されている。
【0006】以上述べた従来技術を総括してみると、本
来高周波融着性の不足した合成樹脂の高周波融着性を改
良する技術としては、組成物中に誘電体損失の大きな成
分を存在させることによって組成物全体としての誘電体
損失を高めるという技術、あるいは組成物中に導電性を
有する粉体を添加するという技術が大勢であり、本発明
者らによって見いだされ、以下の説明においてその詳細
が明らかとなる、「特定値以下の表面抵抗率を有するイ
オン導電性ポリマー、または、特定値以下の表面抵抗率
を有するイオン導電性ポリマー組成物を用いるという技
術思想、さらにはイオン導電性ポリマー、または、イオ
ン導電性ポリマー組成物を用いて高周波融着性積層体を
構成するという技術思想」は未だ報告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされた。すなわち本来高周波融着性を示さな
い合成樹脂を熱融着層やその他の層として多く有してい
る場合にあっても、従来高周波融着適性に優れていると
言われるポリ塩化ビニル樹脂等と比較し、遜色ない高周
波融着性を有する積層体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高周波を
照射することによって発熱する合成樹脂について鋭意研
究を重ねた。この結果、上記性能を有する合成樹脂に求
められる要件として、合成樹脂の表面抵抗率が挙げられ
ることをまず見いだした。すなわち、表面抵抗率と高周
波発熱性とは密接な関連性があり、合成樹脂の表面抵抗
率が低下するにしたがって高周波発熱性が良好となるこ
とを見いだしたのである。本発明者らはさらに研究を重
ねた。この結果、特定の表面抵抗率を有するイオン導電
性ポリマー、または、特定の表面抵抗率を有するイオン
導電性ポリマー組成物を含有する発熱層と該発熱層から
伝達される熱によって熱融着しうる熱融着層を有する積
層体によって上記課題が解決できることを見いだし本発
明に到った。すなわち、本発明によれば、
【0009】少なくとも1層の高周波により発熱する発
熱層と、該発熱層から伝達される熱によって熱融着しう
る熱融着層を必須の層として含む積層体であって、該発
熱層は、(A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下
に調整されたイオン導電性ポリマー、または、表面抵抗
率が1×1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導電
性ポリマー組成物2重量%以上、(B)(A)以外の熱
可塑性合成樹脂98重量%以下、を含む組成物からなっ
ていることを特徴とする高周波融着性積層体が提供され
る。
【0010】さらに、少なくとも1層の高周波により発
熱する発熱層と、該発熱層から伝達される熱によって熱
融着しうる熱融着層を必須の層として含む積層体であっ
て、該発熱層は、(A)表面抵抗率が1×1011(Ω/
□)以下に調整されたイオン導電性ポリマー、または、
表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下に調整されたイ
オン導電性ポリマー組成物2〜95重量%、(B)
(A)以外の熱可塑性合成樹脂98〜5重量%、を含む
組成物からなっていることを特徴とする高周波融着性積
層体が提供される。
【0011】さらに(B)(A)以外の熱可塑性合成樹
脂がポリオレフィン系合成樹脂であることを特徴とする
上記いずれかの高周波融着性積層体が提供される。
【0012】さらに、(B)(A)以外の熱可塑性合成
樹脂が、エチレン70〜95重量%と、エチレン性不飽
和二重結合を有する極性モノマー30〜5重量%とから
得られるポリオレフィン系共重合体であることを特徴と
する前記高周波融着性積層体が提供される。
【0013】さらに、熱融着層がポリオレフィン系合成
樹脂からなるものであることを特長とする上記いずれか
の高周波融着性積層体が提供される。
【0014】さらに、イオン導電性ポリマー、または、
イオン導電性ポリマー組成物中に多価アルコールが含ま
れることを特徴とする上記いずれかの高周波融着性積層
体が提供される。
【0015】さらにまた、発熱層の合計厚みをT
発熱層以外の合計厚みをTとした場合、T/T
≦20であることを特徴とする上記いずれかの高周
波融着性積層体が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の高周波融着性積層体は、
高周波電界内において高周波発熱性を付与された発熱層
が発熱することによって生じた熱が熱融着層に伝達さ
れ、この熱によって熱融着層が溶融・接合されうるよう
な性能を有する積層体である。従って本発明の高周波融
着性積層体は、該積層体を構成する熱融着層の材質を、
熱融着性を有する樹脂群の中から自由に選択することが
できるという特長を有している。また、湿度、温度等に
対して比較的影響を受けやすい発熱層を熱融着層等によ
って保護できるという特長も有している。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0017】まず本発明の高周波融着性積層体の発熱層
について述べる。該発熱層はイオン導電性ポリマー、ま
たは、イオン導電性ポリマー組成物と、必要によって加
えられる他の合成樹脂からなるものである。そしてイオ
ン導電性ポリマー、および、イオン導電性ポリマー組成
物は、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下、より好
ましくは1×1010(Ω/□)以下、さらに好ましくは
1×109 (Ω/□)以下に調整されたものである。な
お、以下においては簡単のため、導電性ポリマー、およ
び、イオン導電性ポリマー組成物をイオン導電材料と総
称することとする。また、前記した表面抵抗率とは、イ
オン導電材料を成形した後、23℃、50%RHの条件
下に24時間保ち、10Vの電圧を印加し、10秒後の
抵抗値を測定したものをいう。表面抵抗率が1×1011
(Ω/□)を越えるイオン導電材料を用いた場合、最終
的に得られる組成物に良好な高周波融着性を付与するこ
とができず好ましくない。
【0018】以下に本発明の高周波融着性積層体の発熱
層に用いられるイオン導電材料について説明する。発熱
層に用いられるイオン導電材料は、イオン導電性を発現
することが可能なポリマー成分と、必要により配合され
る各種添加剤から構成される。すなわち、イオン導電性
を発現することが可能なポリマー成分のみで表面抵抗率
が1×10 11(Ω/□)以下になる場合は組成物の形態
をとらずイオン導電性を発現することが可能なポリマー
成分単独の形態であってもよい。
【0019】表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下の
イオン導電材料を得るために用いられるポリマーとして
はまず、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドの共重合体、エチレンオキサイ
ドとエピクロロヒドリンの共重合体、ポリエーテルエス
テル、ポリエーテルエステルアミド等の分子中にポリア
ルキレンオキサイド鎖を有するポリマーが挙げられる。
次いで挙げられるものとして、分子中に4級アンモニウ
ム塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩等のイオン基を含有
するポリマー、所謂、アイオノマーがある。これらポリ
マーはいずれも3000以上の分子量を有していること
が望ましい。なお、以上述べたポリマーはあくまで例示
であり、用いるポリマー自体の表面抵抗率が1×1011
(Ω/□)以下である場合は本発明の目的を達成でき
る。
【0020】次に、表面抵抗率が1×1011(Ω/□)
以下のイオン導電材料を得るために、上記ポリマーに必
要により配合されうる各種添加剤について説明する。上
記高分子化合物のうち分子中にポリアルキレンオキサイ
ド鎖を有するポリマーに配合されうる成分としては、ア
ルカリ金属、またはアルカリ土類金属のチオシアン酸
塩、リン酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、ハロゲンの酸素
酸塩等のイオン電解質が挙げられる。より具体的には、
チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオ
シアン酸リチウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリ
ウム、過塩素酸リチウム等が例示できる。これらイオン
電解質の配合量は特に限定されるものではないが、ポリ
アルキレンオキサイド鎖を有するポリマー100重量部
に対し0.1〜30重量部、より好ましくは、0.2〜
20重量部である。なお、ポリアルキレンオキサイド鎖
を有するポリマー成分自体の表面抵抗率が1×10
11(Ω/□)以下である場合にあっても、これらのイオ
ン電解質が併用されることによって、該ポリマーの表面
抵抗率をさらに低下させることができ、本発明に用いら
れるイオン導電材料としてさらに好適なものとなる。一
方、前記ポリマーのうち分子中にイオン基を含有するポ
リマー、所謂、アイオノマーに用いられる添加剤として
は、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプ
ロパン等の多価アルコールが挙げられる。特に、分子中
にカルボン酸ナトリウム塩を有するアイオノマーのごと
く、それ自体では1×1011(Ω/□)以下の表面抵抗
率を示さないポリマーに、前記多価アルコールが配合さ
れると、その組成物は1×1011(Ω/□)以下の表面
抵抗率を示すようになり本発明に用いられるイオン導電
材料として好適なものとなる。
【0021】また、先に、分子中にイオン基を含有する
ポリマー、所謂、アイオノマーの表面抵抗率を低下させ
る添加剤として多価アルコールが有効である旨を述べた
が、多価アルコールはアイオノマーのみならず、上記し
たすべてのイオン導電材料についてその表面抵抗率を低
下させる作用を有する。したがって、すでに1×10 11
(Ω/□)以下の表面抵抗率が達成されているイオン導
電材料にさらに多価アルコールが含まれることが好まし
い。このようにして表面抵抗率がさらに低下したイオン
導電材料は、熱融着層を構成する合成樹脂の融点が高く
大きな発熱量が必要とされる場合、発熱層の相対的な厚
み構成比が小さい場合、あるいはイオン導電材料の配合
量を低減させることが求められるような用途においては
特に有効である。
【0022】以上のようにして、本発明の高周波融着性
積層体に用いられるイオン導電材料が構成される。該イ
オン導電材料は単独で、あるいは、複数種組み合わせて
用いることができる。
【0023】発熱層に必要によって加えられる他の熱可
塑性合成樹脂としては特に制限はなく、上記したイオン
導電材料と容易に複合化できるものであれば差し支えな
い。例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度
ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン
(LLDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などのα
−オレフィンホモポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合
体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体
(EMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EA
A)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMA
A)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(E
MMA)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体などのエチレンと他のモノマーとの共重合体など
のポリオレフィン系合成樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポ
リカーボネート樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン等の塩化ビニル系樹脂;ポリフッ化ビニリデン等の
フッ素系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹
脂;等が挙げられる。そしてこれらは複数種組み合わせ
て用いることもできる。ただし、上記した内でも本来高
周波発熱性を有していないか、または、高周波発熱性が
十分でないような合成樹脂、あるいは、本来高周波発熱
性を有しているにもかかわらず、他の合成樹脂との複合
化等により高周波発熱性が不足したような合成樹脂であ
る場合において本発明の効果を有効的に享受できる。こ
の意味から、ポリオレフィン系合成樹脂を主体とする樹
脂において最も効果的である。
【0024】また、コスト的観点、組成物の環境依存特
性の観点等から、発熱層中のイオン導電材料の量を低く
抑える必要がある場合、あるいは積層体に大きな高周波
融着性能が要求される場合には、ポリオレフィン系合成
樹脂として、エチレン70〜95重量%と、エチレン性
不飽和二重結合を有する極性モノマー30〜5重量%と
から得られるポリオレフィン系共重合体を選択するよう
にするのが好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有す
る極性モノマーとしては酢酸ビニル、エチルアクリレー
ト、メチルアクリレート、アクリル酸、メタアクリル
酸、メチルメタアクリレート等が挙げられ、具体的なポ
リオレフィン系共重合体として、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共
重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重
合体(EMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EA
A)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMA
A)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(E
MMA)等が例示できる。
【0025】上記したポリオレフィン系共重合体とイオ
ン導電材料が組み合わされて発熱層とされていることに
より、このレベルのコモノマー含量のポリオレフィン系
共重合体単独では不十分であった高周波発熱性が飛躍的
に向上する。そして、この発熱層は該発熱層を構成する
ポリオレフィン系共重合体中のコモノマーの含量が比較
的低レベルに抑えられているため、得られる積層体の剛
性や耐熱性の低下を低く抑えることができるという特長
を有している。
【0026】以上述べたイオン導電材料と、必要により
含まれる熱可塑性合成樹脂から本発明の高周波融着性積
層体の発熱層が構成される。次いで両者の量的関係につ
いて述べる。本発明においては、イオン導電材料2重量
%以上に対して該イオン導電材料以外の熱可塑性合成樹
脂98重量%以下となるように、より好ましくは、イオ
ン導電材料2〜95重量%、該イオン導電材料以外の熱
可塑性合成樹脂98〜5重量%となるように設定され
る。この範囲でイオン導電材料が含まれることにより、
発熱層に良好な高周波発熱性が付与される。発熱層中の
イオン導電材料の割合が2重量%を下回ると、該発熱層
の高周波発熱性が十分でなくなり好ましくない。
【0027】さらに、発熱層には、該層中に必要により
含まれる合成樹脂とイオン導電材料との相溶性を向上さ
せる目的、および該層と該層以外の層との密着性を向上
させる目的で、ポリオレフィンに、不飽和カルボン酸お
よび/またはその誘導体をグラフト反応せしめることに
より得られる変性ポリオレフィンなど公知の相溶化剤、
あるいは改質剤を適宜使用することができる。さらに該
層には必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、
顔料等を添加することができる。
【0028】次いで、本発明の高周波融着性積層体の熱
融着層について述べる。該熱融着層は高周波照射時、上
記発熱層から伝達される熱によって熱融着される層であ
る。該熱融着層は熱可塑性樹脂からなるものであれば、
差し支えないが、熱融着性の良好さ、低温で熱融着可能
である点、化学的な安定性、価格の低廉さ等の観点から
ポリエチレン、エチレン−酢酸ビル共重合体、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系合成樹脂が最適である。ま
た該熱融着層には必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、
紫外線吸収剤、難燃剤、滑剤、アンチブロッキング剤、
加工助剤、顔料等を添加することができる。
【0029】本発明の高周波融着性積層体においては上
記した発熱層、熱融着層に加えてその他の層(以下、他
層と称することがある)を設けてもよい。該他層は、温
度、湿度等に比較的影響を受けやすい熱融着層を保護す
る目的、および本発明の高周波融着性積層体の積層体全
体としての特性を向上させる目的で発熱層上に形成され
るものである。該他層の材質は積層体全体として求めら
れる特性に応じて適宜選定される。例えば耐熱性が求め
られる場合にはポリエステル、ポリアミド等が、ガスバ
リア性が求められる場合にはエチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物、ポリビニルアルコール等が、耐薬品性が
求められる場合にはポリオレフィン系合成樹脂等が用い
られるが、特に限定されない。なお、他層自体が複数の
異なる層からなる積層体であってよいことはいうまでも
ない。
【0030】以上述べた発熱層、熱融着層、そして必要
により他層から、本発明の高周波融着性積層体が構成さ
れる。図1〜4を用いて本発明の高周波融着性積層体の
層構成の例を説明する。図1は最も基本的な構成で、熱
融着層/発熱層/熱融着層の順序に積層がなされ、発熱
層1の両側に熱融着層2が位置するごとく構成されてい
る。この構成は高周波接合時、積層体の表裏を意識せず
作業を行えるという長所を持っている。図2では、他層
/発熱層/熱融着層の順序に積層がなされて構成されて
いる。図3では、他層/発熱層/他層/発熱層/熱融着
層の順序に積層がなされた複数の発熱層を有する構成が
示されている。さらに図4では発熱層/熱融着層の順序
に積層がなされている。
【0031】上記した各構成層の厚み構成比は特に限定
されるものではなく、発熱層の発熱能力、高周波印加条
件、積層体の全体厚み、熱融着層の融点等に応じて適宜
設定されるものであるが、発熱層の厚みをT、発熱
層以外の厚みをTとした場合、T/T≦2
0、好ましくはT/T≦15、さらに好ましく
は、T/T≦10となるようにするのが好まし
い。
【0032】本発明の高周波融着性積層体は、通常の共
押出成形法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等
により、フィルム、シート、チューブ、パイプ等その用
途に応じた形状に成形される。
【0033】以下本発明の実施形態を要約する。
【0034】少なくとも1層の高周波により発熱する
発熱層と、該発熱層から伝達される熱によって熱融着し
うる熱融着層を必須の層として含む積層体であって、該
発熱層は、(A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以
下に調整されたイオン導電性ポリマー、または、表面抵
抗率が1×1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導
電性ポリマー組成物2重量%以上、(B)(A)以外の
熱可塑性合成樹脂98重量%以下、を含む組成物からな
っていることを特徴とする高周波融着性積層体。 少なくとも1層の高周波により発熱する発熱層と、該
発熱層から伝達される熱によって熱融着しうる熱融着層
を必須の層として含む積層体であって、該発熱層は、
(A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下に調整さ
れたイオン導電性ポリマー、または、表面抵抗率が1×
1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導電性ポリマ
ー組成物2〜95重量%、(B)(A)以外の熱可塑性
合成樹脂98〜5重量%以下、を含む組成物からなって
いることを特徴とする高周波融着性積層体。 (B)(A)以外の熱可塑性合成樹脂がポリオレフィ
ン系合成樹脂であることを特徴とするまたはに記載
の高周波融着性積層体。 (B)(A)以外の熱可塑性合成樹脂が、エチレン7
0〜95重量%と、エチレン性不飽和二重結合を有する
極性モノマー30〜5重量%とから得られるポリオレフ
ィン系共重合体であることを特徴とするに記載の高周
波融着性積層体。 前記ポリオレフィン系共重合体がエチレン酢酸ビニル
共重合体、および/または、エチレン−メチルメタクリ
レート共重合体であることを特徴とするに記載の高周
波融着性積層体。 (A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下に調整
されたイオン導電性ポリマー、または、表面抵抗率が1
×1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導電性ポリ
マー組成物が、分子中にカルボン酸塩を含有するアイオ
ノマー、または、分子中にカルボン酸塩を含有するアイ
オノマーを主成分とする組成物であることを特徴とする
に記載の高周波融着性積層体。 (A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以下に調整
されたイオン導電性ポリマー、または、表面抵抗率が1
×1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導電性ポリ
マー組成物が、分子中にポリアルキレンオキサイド鎖を
有するポリマー、あるいは、該ポリアルキレンオキサイ
ド鎖を有するポリマーにイオン電解質が配合された組成
物であることを特徴とするに記載の高周波融着性積層
体。 熱融着層がポリオレフィン系合成樹脂からなるもので
あることを特徴とする〜のいずれかに記載の高周波
融着性積層体。 イオン導電性ポリマー、または、イオン導電性ポリマ
ー組成物中に多価アルコールが含まれることを特徴とす
る〜のいずれかに記載の高周波融着性積層体。 熱層の合計厚みをT、発熱層以外の合計厚みをT
とした場合、T/T≦20であることを特徴と
する〜のいずれかに記載の高周波融着性積層体。
【0035】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき、より詳細に説
明する。なお、以下の実施例、比較例においては以下に
示す合成樹脂を用いた。 ・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAと略称す
る):日本ユニカー(株)製「NUC−3758」(酢
酸ビニル含量:15重量%、密度:0.93g/cm
、MI:2.3g/10min、融点:93℃) ・エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMM
Aと略称する):住友化学工業(株)製「アクリフトC
M2007」(メチルメタクリレート含量:18重量
%、密度:0.94g/cm 、MI:3g/10m
in、融点:89℃)) ・直鎖状低密度ポリエチレン(LLと略称する):住友
化学(株)製「スミカセンα FZ201−0」(密
度:0.912g/cm 、MI:2g/10mi
n、融点:117℃) ・ポリプロピレン(PPと略称する):住友化学(株)
製「ノーブレンWF905E」(密度:0.89g/c
、MI:3g/10min、融点:138℃) 一方、イオン導電材料としては表1に示すものを用い
た。また、比較例2においては、実施例1〜12で用い
たイオン導電材料に替えて表2に示す成分を用いた。そ
して、表3以下においてはこれらを、表1、2に示した
ごとく略称する。さらに実施例15〜17においては相
溶化剤として以下のものを用いた。 相溶化剤:無水酸変性低分子量ポリエチレン(P3と略
称する)
【0036】さらに、表1、2に示したイオン導電材
料、あるいは成分の表面抵抗率の測定は以下の手順によ
った。各イオン導電材料および成分を厚み100μmに
調整し、23℃、50%RHの条件下に24時間保った
後、三菱化学(株)製「ハイレスタIP」を用い、HR
Sプローブにより電圧10Vを印加し、10秒後の値を
測定した。また、表2で示した成分については同測定条
件では測定可能範囲の上限を越えていたため測定不能で
あった。このため、アドバンテスト社製「ウルトラハイ
レジスタンスメーター R8340A」を用い、JIS
プローブにより電圧100Vを印加し、10秒後の値を
測定した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】[実施例1〜12、比較例1〜2]加圧式
ニーダーに、表3に示すような割合で各成分を仕込み、
溶融混練の後、ペレット化し発熱層用の組成物を得た。
そして、多層インフレーション成形機を用いて、表3に
示すごとくの熱融着層、および層構成比を有する厚み約
60μmの三層フィルムを得た(なお、簡単のために熱
融着層と、他層とは同一の樹脂構成としたが、本発明は
これに限定されるものではない)。得られたフィルムは
いずれも透明であり、外観的に優れたものであった。さ
らに、得られたフィルムの強度も十分なものであった。
次いで得られたフィルムの高周波融着性を評価した。な
お、高周波融着性の評価はパール工業(株)製の高周波
ウェルダーを用い、二枚重ねにしたフィルムに高周波を
印加してその接合状況を判断することによった。この結
果を表3に示す。なお、接合条件および高周波融着性の
評価基準は以下のとおりである。 <接合条件> 周波数:40.46(MHz) 印加時間 :≦5(秒) 圧力 :5(Kg/cm) <高周波融着性の判断基準> A…2秒未満の印加時間で十分に接合される B…2秒以上5秒未満の印加時間で十分に接合される C…5秒の印加時間で十分に接合される D…5秒の印加時間で接合されない
【0040】
【表3】
【0041】表3よりイオン導電材料としてカリウム塩
系アイオノマーを含む組成物を選択し、これを発熱層と
して用いた本発明の高周波融着性積層体は良好な高周波
融着性を示すことがわかる。さらに、実施例5と実施例
3との比較より、該イオン導電材料に、多価アルコール
であるグリセロールが併用されて表面抵抗率がさらに引
き下げられたイオン導電材料を含む組成物を発熱層とし
て用いた積層体(実施例5)は高周波融着性が向上して
いることがわかる。一方比較例1より、所定の表面抵抗
率を有するイオン導電材料を用いても配合量が本発明で
示された値以下であると良好な高周波融着性を示さない
ことがわかる。また、所定値以下のイオン導電性を有さ
ないナトリウム塩系アイオノマーを発熱層として用いた
積層体(比較例2)は高周波融着性を示さないが、ナト
リウム塩系アイオノマーに多価アルコールであるグリセ
ロールを配合し、表面抵抗率が1×1011以下に引き
下げられた組成物を発熱層として用いた積層体(実施例
12)は良好な高周波融着性を有することがわかる。さ
らに実施例10、11と実施例9とを比較すると、発熱
層を構成するイオン導電材料以外の合成樹脂として、エ
チレン特定含量とエチレン性不飽和二重結合を有する極
性モノマー特定含量とから得られるポリオレフィン系共
重合体(本実施例ではEVA、あるいはEMMA)を用
いた場合、得られる積層体は際だって良好な高周波融着
性を示すことがわかる。
【0042】[実施例13〜17]加圧式ニーダーに、
表4に示すような割合で各成分を仕込み、溶融混練の
後、ペレット化し発熱層用の組成物を得た。そして、多
層インフレーション成形機を用いて、表4に示すごとく
の熱融着層、および層構成比を有する厚み約60μmの
三層フィルムを得た(なお、簡単のために熱融着層と、
他層とは同一の樹脂構成としたが、本発明はこれに限定
されるものではない)。なお得られたフィルムはいずれ
も透明であり、外観的に優れたものであった。さらに、
得られたフィルムの強度も十分なものであった。次いで
得られたフィルムの高周波融着性を評価した。この結果
を表4に示す。なお、高周波融着性の評価方法は実施例
1〜12と同様である。
【0043】
【表4】
【0044】表4より、イオン導電材料としてポリエチ
レンオキサイド系化合物を含む組成物を選択し、これを
発熱層として用いた本発明の高周波融着性積層体は良好
な高周波融着性を示すことがわかる。また実施例14と
実施例13との比較により、ポリエチレンオキサイド系
化合物とイオン電解質が併用されて表面抵抗率が引き下
げられたイオン導電材料を含む組成物を発熱層として用
いた積層体(実施例14)は高周波融着性が向上してい
ることがわかる。さらに、実施例17と実施例16との
比較により、ポリエチレンオキサイド系化合物、イオン
電解質、多価アルコールであるグリセロールが併用され
て表面抵抗率がさらに引き下げられたイオン導電材料を
含む組成物を発熱層として用いた積層体(実施例17)
は、より一層優れた高周波融着性を示すことがわかる。
【0045】[実施例18〜22]加圧式ニーダーに、
表5に示すような割合で各成分を仕込み、溶融混練の
後、ペレット化し発熱層用の組成物を得た。そして、多
層インフレーション成形機を用いて、表5に示すごとく
の熱融着層、および層構成比を有する厚み約60μmの
三層フィルムを得た(なお、簡単のために熱融着層と、
他層とは同一の樹脂構成としたが、本発明はこれに限定
されるものではない)。なお得られたフィルムはいずれ
も透明であり、外観的に優れたものであった。さらに、
得られたフィルムの強度も十分なものであった。次いで
得られたフィルムの高周波融着性を評価した。この結果
を表5に示す。なお、高周波融着性の評価方法は実施例
1〜12と同様である。
【0046】
【表5】
【0047】表5より、イオン導電材料としてポリエー
テルエステルアミド系化合物を含む組成物を選択し、こ
れを発熱層として用いた本発明の高周波融着性積層体は
良好な高周波融着性を示すことがわかる。また実施例2
0と実施例19の比較により、ポリエーテルエステルア
ミド系化合物とイオン電解質が併用されて表面抵抗率が
引き下げられたイオン導電材料を発熱層に用いた積層体
(実施例20)は高周波融着性が向上していることがわ
かる。さらに実施例22と実施例21との比較により、
ポリエーテルエステルアミド系化合物、イオン電解質、
多価アルコールであるグリセロールが併用されて表面抵
抗率がさらに引き下げられたイオン導電材料を含む組成
物を発熱層として用いた積層体(実施例22)はより一
層優れた高周波融着性を示すことがわかる。
【0048】[実施例23〜25、比較例3]加圧式ニ
ーダーに、表6に示すような割合で各成分を仕込み、溶
融混練の後、ペレット化し発熱層用の組成物を得た。そ
して、多層インフレーション成形機を用いて、表6に示
すごとくの熱融着層、および層構成比を有する厚み約6
0μmの三層フィルムを得た(なお、簡単のために熱融
着層と、他層とは同一の樹脂構成としたが、本発明はこ
れに限定されるものではない)。なお得られたフィルム
はいずれも透明であり、外観的に優れたものであった。
さらに、得られたフィルムの強度も十分なものであっ
た。次いで得られたフィルムの高周波融着性を評価し
た。この結果を表6に示す。なお、高周波融着性の評価
方法は実施例1〜12と同様である。
【0049】
【表6】
【0050】表6より、イオン導電材料として4級アン
モニウム塩基含有共重合体を選択し、これを発熱層中に
所定量用いた本発明の高周波融着性積層体は良好な高周
波融着性を示すことがわかる。一方比較例3より、所定
値以下の表面抵抗率を有するイオン導電材料を用いても
配合量が本発明で示された値以下であると良好な高周波
融着性を示さないことがわかる。
【0051】本発明の目的は高周波融着性が良好な積層
体を提供することである。その実施形態をいくつかの好
適な例に言及して説明してきたが、これらは、例示であ
って限定ではない。よって、当業者によるこれらの例の
変形は特許請求の範囲に示された思想範囲内にある限
り、本発明の一部に含まれるのと考えられる。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、本来
高周波融着性を示さない合成樹脂を熱融着層やその他の
層として多く有している場合にあっても、従来高周波融
着適性に優れていると言われるポリ塩化ビニル樹脂等と
比較し、遜色ない高周波融着性を示す積層体が提供され
る。また本発明の高周波融着性積層体は該積層体を構成
する熱融着層の材質を、熱融着性を有する樹脂群の中か
ら自由に選択することができるという特長を有してい
る。また、発熱層に高周波発熱性を付与するために用い
られるイオン導電材料が高分子を主体とするものである
ことから、高周波融着を制御しやすいという長所がある
とともに、カーボンブラックや金属粉等の導電性材料を
配合する場合に比べ、光線透過性等合成樹脂が本来有す
る特性が損なわれにくいという長所もある。このように
本発明の高周波融着性積層体は、様々な用途において幅
広く活用可能なものであり産業に利するところ大である
といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波融着性積層体の層構成の例を示
す模式図である。
【図2】本発明の高周波融着性積層体の層構成の例を示
す模式図である。
【図3】本発明の高周波融着性積層体の層構成の例を示
す模式図である。
【図4】本発明の高周波融着性積層体の層構成の例を示
す模式図である。
【符号の説明】
1.発熱層 2.熱融着層 3.他層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 25:00 B29L 9:00 (72)発明者 丹下 善弘 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層の高周波により発熱する
    発熱層と、該発熱層から伝達される熱によって熱融着し
    うる熱融着層を必須の層として含む積層体であって、該
    発熱層は、(A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以
    下に調整されたイオン導電性ポリマー、または、表面抵
    抗率が1×1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導
    電性ポリマー組成物2重量%以上、(B)(A)以外の
    熱可塑性合成樹脂98重量%以下、を含む組成物からな
    っていることを特徴とする高周波融着性積層体。
  2. 【請求項2】 少なくとも1層の高周波により発熱する
    発熱層と、該発熱層から伝達される熱によって熱融着し
    うる熱融着層を必須の層として含む積層体であって、該
    発熱層は、(A)表面抵抗率が1×1011(Ω/□)以
    下に調整されたイオン導電性ポリマー、または、表面抵
    抗率が1×1011(Ω/□)以下に調整されたイオン導
    電性ポリマー組成物2〜95重量%、(B)(A)以外
    の熱可塑性合成樹脂98〜5重量%、を含む組成物から
    なっていることを特徴とする高周波融着性積層体。
  3. 【請求項3】 (B)(A)以外の熱可塑性合成樹脂が
    ポリオレフィン系合成樹脂であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の高周波融着性積層体。
  4. 【請求項4】 (B)(A)以外の熱可塑性合成樹脂
    が、エチレン70〜95重量%と、エチレン性不飽和二
    重結合を有する極性モノマー30〜5重量%とから得ら
    れるポリオレフィン系共重合体であることを特徴とする
    請求項3に記載の高周波融着性積層体。
  5. 【請求項5】 熱融着層がポリオレフィン系合成樹脂か
    らなるものであることを特長とする請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の高周波融着性積層体。
  6. 【請求項6】 イオン導電性ポリマー、または、イオン
    導電性ポリマー組成物中に多価アルコールが含まれるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の高周
    波融着性積層体。
  7. 【請求項7】 発熱層の合計厚みをT、発熱層以外
    の合計厚みをTとした場合、T/T≦20で
    あることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載
    の高周波融着性積層体。
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