JP2003080649A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
に優れた積層体を提供する。とくに多層ブロー容器に適
用した場合には、滑り性、耐傷性、防汚性に優れた外表
面を有する容器が提供できる。 【解決手段】 少なくとも3層以上の層構成からなる積
層体であって、両表面層が表面抵抗率1×1014Ω以
上の高分子材料から構成され、中間層がエチレン・不飽
和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマー又は該ア
イオノマーと熱可塑性重合体との混合物から構成され、
表面層の少なくとも1層は印加電圧+5000Vにおけ
る10%減衰時間が20秒以下であることを特徴とする
積層体。
Description
静電付着し難い防汚性に優れた積層体に関する。
し易く、保管、輸送、使用の各段階において空気中の塵
埃が付着し、表面が汚染されることが多い。成形品が粉
体の包装袋などである場合は、内容物が袋内面に付着し
て外観を損ね、商品価値を低下させることがある。この
ような塵埃や粉体の付着を防止するために、従来、種々
の帯電防止処方が提案され、実用化されてきた。
て、帯電防止剤を練りこむ方法や帯電防止剤又は帯電防
止性重合体を塗布する方法があるが、それぞれに欠点を
有していることも知られている。例えば、前者の方法で
は、帯電防止剤のブリードにより包装内容物を汚染する
ことがあり、あるいは帯電防止効果が経時的に低下する
という問題点があった。また後者の方法では、一般に塗
布膜の耐水性が悪く、塗布膜が損傷したり、あるいは吸
水によってべとつきが生じるなどの欠点が指摘されてい
た。後者の欠点を改良する目的で、帯電防止性重合体層
を表面層に出さず、その上にさらに他の重合体層を設け
る試みもすでになされている。
れば、プラスチックフイルムに、イオン性導電性樹脂層
を設け、さらにその表面に体積抵抗が1×1013Ω・
cm以下で、厚さ10μm以下の耐水性プラスチック層
を設けた帯電防止プラスチックフイルムが提案されてい
る。この提案では、使用できる材料も限定されており、
種々の性状を有する積層フイルムを得ることが難しい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属塩
やアミン塩を中間層とする帯電防汚性積層体が開示され
ている。さらに特開平10−193495号公報には、
前記公報技術の低湿度下における非帯電性の改良のため
に、熱可塑性樹脂、エチレン・不飽和カルボン酸共重合
体のカリウムアイオノマー及びポリヒドロキシ化合物か
らなる組成物を中間層とする防塵性積層体が提案されて
いる。そして前記公報技術に係る積層体においては非帯
電性が不充分であるとする比較例が提示されている。
の検討において、表面層としての高分子材料を適当に選
択することにより、後者の提案におけるようなポリヒド
ロキシ化合物を配合せずとも優れた防塵性能を有する積
層体を得ることが可能であることを見出すに至り、本発
明に到達した。
どの静電付着を回避することが可能な防汚性積層体を提
供することにある。
層以上の層構成からなる積層体であって、両表面層が表
面抵抗率1×1014Ω以上の高分子材料から構成さ
れ、中間層がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカ
リウムアイオノマー又は該カリウムアイオノマーと熱可
塑性重合体との混合物から構成され、表面層の少なくと
も1層は23℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した
印加電圧+5000Vにおける10%減衰時間が20秒
以下であることを特徴とする積層体に関する。
ウムアイオノマーのベースポリマーとなるエチレン・不
飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン
酸、さらに任意に他の極性モノマーを共重合して得られ
るものである。
ル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示す
ることができるが、とくにアクリル酸またはメタクリル
酸が好ましい。また共重合成分となりうる他の極性モノ
マーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのよう
なビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルの
ような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などであ
り、とくに不飽和カルボン酸エステルは好適な共重合成
分である。
重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸、任意に他の極
性モノマーを、高温、高圧下でラジカル共重合すること
によって得ることができる。
マーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸含
量が少なすぎたり、あるいは中和度が小さすぎるものを
使用すると、印加電圧+5000Vにおける10%減衰
時間が所望の値となるような優れた防汚性を有する積層
体を得ることが容易でない。そのため、不飽和カルボン
酸含量が10〜30重量%、好ましくは10〜25重量
%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムイ
オンによる中和度が60%以上、好ましくは70%以上
のカリウムアイオノマーを1種又は2種以上使用するの
が好ましい。本発明においては、防汚性能の優れた積層
体を得るために、平均酸含量の異なる2種以上のエチレ
ン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマー
が望ましい。例えば、平均酸含量が10〜30重量%、
好ましくは10〜20重量%である2種以上の共重合体
であって、最高酸含量と最低酸含量のものの酸含量差が
1重量%以上、好ましくは2〜20重量%異なるエチレ
ン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムイオンによる
中和度が60%以上、好ましくは70%以上の混合アイ
オノマーである。より具体的には、不飽和カルボン酸含
量が1〜10重量%、好ましくは2〜10重量%、19
0℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが1
〜600g/10分、好ましくは10〜500g/10
分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A−1)
と、不飽和カルボン酸含量が11〜25重量%、好まし
くは13〜23重量%、190℃、2160g荷重にお
けるメルトフローレートが1〜600g/10分、好ま
しくは10〜500g/10分のエチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体(A−2)とからなり、平均不飽和カル
ボン酸含量が10〜20重量%、好ましくは11〜15
重量%、190℃、2160g荷重における平均メルト
フローレートが1〜300g/10分、好ましくは10
〜200g/10分、一層好ましくは20〜150g/
10分の混合共重合体成分の上記中和度を有する混合ア
イオノマーがとくに好適である。上記混合共重合体成分
としてはまた、共重合体(A−1)と共重合体(A−
2)の混合割合が、前者2〜60重量部、好ましくは5
〜50重量部に対し、後者98〜40重量部、好ましく
は95〜50重量部とするのが好ましい。カリウムアイ
オノマーのベースポリマーとなる上記のようなエチレン
・不飽和カルボン酸共重合体には、すでに述べたような
他の極性モノマーが40重量%以下、好ましくは30重
量%以下の割合で共重合されていてもよい。
性や他成分を配合する場合の混和性等を考慮すると、1
90℃、2160g荷重におけるメルトフローレート
が、0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g
/10分のものを使用するのが好ましい。
構成されていてもよいが、積層体の非帯電性に悪影響を
与えない範囲において、他の熱可塑性重合体を配合する
ことができる。このような熱可塑性重合体としては、表
面層として使用可能な後記する高分子材料の中から選択
することができる。これらの中では、オレフィン系重合
体、とくにエチレン単独重合体、エチレンと炭素数3以
上のα−オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニル
や不飽和カルボン酸エステルなどの不飽和エステルとの
共重合体などから選択されるエチレン系重合体の使用が
好ましい。このようなエチレン系重合体としては必ずし
もバージン品を使用する必要はなく、例えば表面層とし
てエチレン系重合体を使用する場合において、成形の際
に生ずるオフスペック品や耳などの成形屑をリサイクル
使用してもよい。
ムアイオノマー層全体の95重量%以下、好ましくは9
0重量%以下、とくに好ましくは60重量%以下となる
ような割合が望ましい。すなわちカリウムアイオノマー
が、該層全体の5重量%以上、好ましくは10重量%以
上、とくに好ましくは40重量%以上とするのが望まし
い。
めにアルコール性水酸基を2個以上有するポリヒドロキ
シ化合物を配合することもできる。具体的には各種分子
量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコ
ールなどのポリオキシアルキレングリコール、グリセリ
ン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソル
ビトールのような多価アルコール及びこれらのエチレン
オキシド付加物、多価アミンとアルキレンオキシドの付
加物などを例示することができる。ポリヒドロキシ化合
物の有効な配合割合は、カリウムアイオノマーに対し1
5重量%以下、好ましくは10重量%以下、一層好まし
くは5重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満の
範囲である。
抵抗率1×1014Ω以上の高分子材料が使用される。
尚、本発明における高分子材料の表面抵抗率は、23
℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定されたものであ
る。このような高分子材料は、その単味の成形品におけ
る表面抵抗率が1×1014Ω以上を示すものであり、
具体的には、エチレンの単独重合体又はエチレンと炭素
数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、たとえば高
圧法ポリエチレン、中・高密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、とくに密度が940kg/m3以下
の直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル
−1−ペンテン、エチレンと極性モノマーとの共重合
体、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレンと
不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などとの共重合
体又はそのNa、Li、Zn、MgもしくはCaなどの
アイオノマー、エチレンと1種又は2種以上の不飽和カ
ルボン酸エステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸ジメチルな
どとの共重合体、エチレンと上記のような不飽和カルボ
ン酸と不飽和カルボン酸エステルの共重合体又はそのN
a、Li、Zn、MgもしくはCaなどのアイオノマ
ー、エチレンと一酸化炭素と任意に不飽和カルボン酸エ
ステルや酢酸ビニルとの共重合体、ポリオレフィン系エ
ラストマーの如きオレフィン系重合体、ポリスチレン、
ハイインパクトポリスチレンやABS樹脂のようなゴム
強化スチレン系樹脂のようなスチレン系重合体、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレー
ト、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマーの
ようなポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメ
タクリレート、あるいはこれら2種以上の混合物などを
例示することができる。
鉛アイオノマー及びメタロセン触媒によって製造される
エチレン系重合体から選ばれるものを使用するときに
は、中間層にポリヒドロキシ化合物を共存させなくても
優れた防汚性を有する積層体が容易に得られるので好ま
しい。
モノマーを共重合されていてもよいエチレン・不飽和カ
ルボン酸共重合体を、亜鉛で部分的に中和したものであ
り、他の金属イオンが共存したものであってもよい。
ル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示す
ることができるが、とくにアクリル酸またはメタクリル
酸が好ましい。また共重合成分となりうる極性モノマー
としては、酢酸ビニル、ピロピオン酸ビニルのようなビ
ニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル
酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメ
チル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エ
ステル、一酸化炭素などであり、とくに不飽和カルボン
酸エステルは好適な共重合成分である。
のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、不飽
和カルボン酸含量が1〜25重量%、とくに5〜20重
量%程度のものが好ましく、また任意に共重合されてい
てもよい極性モノマー含量は例えば40重量%以下、好
ましくは30重量%以下の割合である。また亜鉛アイオ
ノマーとしては、中和度が10〜90%、とくに15〜
80%程度のものが好ましい。さらに加工性及び実用物
性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメ
ルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに
0.2〜50g/10分のものの使用が好ましい。
メタロセン触媒の存在下で製造されたエチレン系重合体
は、エチレンの単独重合体又はエチレンと炭素数3以
上、好ましくは3〜12のα−オレフィンの共重合体で
あって、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少
なくとも1個以上有する、周期律表IVB族の遷移金属、
好ましくはジルコニウムの化合物からなる触媒成分と有
機アルミニウムオキシ化合物触媒成分、必要により各種
添加成分から形成される触媒の存在下に、エチレンを重
合又は共重合することによって製造されるものである。
上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンなど
を例示することができるが、とくに炭素数3〜12程度
のα−オレフィンの共重合体が好ましく使用される。
エチレンの重合体又は共重合体としては、共重合体のα
−オレフィン含量に応じ種々の密度のものが使用可能で
あるが、一般には密度が870〜970kg/m3程
度、とくに890〜950kg/m3、とりわけ900
〜940kg/m3のエチレン共重合体を使用すること
が好ましい。また加工性及び実用物性を考慮すると、1
90℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが
0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/1
0分のものの使用が好ましい。
るものであり、表面層/中間層/表面層からなる3層構
成のもののみならず、少なくとも一方の表面層と中間層
の間に他の高分子材料層や接着層を設けることができ
る。このような高分子材料層として、表面層として例示
した高分子材料から形成される層を挙げることができる
が、積層体製造の際に生じるオフスペック品や耳などの
成形廃品などを回収して使用する回収層であることが好
ましい。このような回収層の材料は、基本的に表面層材
料、中間層材料又はこれらの混合物であり、表面層及び
/又は中間層と相容性が優れているので表面層と中間層
の層間接着性の向上に寄与することが期待される。
接着層としては、表面層と中間層の層間接着強度を改善
するものであればいかなるものでもよく、表面層材料と
して例示したような熱可塑性重合体から選択してもよ
く、またホットメルト型接着剤や塗布型接着剤であって
もよい。工業的には熱可塑性重合体やそれに粘着付与剤
等を配合した組成物から選択される押出コーティング可
能な接着剤を使用するのが好ましい。
の表面層(外層)/中間層/他の表面層(内層)の3層
構造からなり、第一の表面層及び他の表面層が低、中、
高密度ポリエチレン等のポリエチレンあるいはエチレン
・酢酸ビニル共重合体等のエチレン・不飽和エステル共
重合体であり、中間層がエチレン・不飽和カルボン酸共
重合体のカリウムアイオノマー層よりなる積層構造であ
る。この積層構造よりなるブロー成形による多層ブロー
ボトル(容器)は、防汚性、滑り性、耐傷性等に優れて
いる。
コーティングや共押出しあるいはブロー成形により積層
することにより製造することができる。全体の層厚みは
任意であるが、例えば10〜3000μm、とくに20
〜1000μm程度の厚みとなるようにするのがよい。
本発明の積層体においては、少なくとも一方の表面層を
23℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した印加電圧
+5000Vにおける10%減衰時間(+500Vに減
衰するまでの時間)が20秒以下、好ましくは10秒以
下、一層好ましくは1秒以下とするものである。そのた
めには中間層厚みを5μm以上、好ましくは10μm以
上とし、また上記減衰特性を有する表面層側の厚みを、
表面層の厚みあるいは回収層や接着層を設ける場合は表
面層とこれらの層との総厚みとしては500μm以下、
とくに300μm以下とするのが好ましい。また実用的
な性能を考慮すると、中間層厚みに対する表面層の厚み
あるいは回収層や接着層を設ける場合は表面層とこれら
の層との総厚みの厚み比率を、0.1〜100、とくに
0.5〜50の範囲とするのが好ましい。
ることができる。このような添加剤の例として、酸化防
止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブ
ロッキング防止剤、無機充填剤、発泡剤などを例示する
ことができる。例えば発泡剤として、アゾジカルボアミ
ド、ジニトロソペンタメチレンジアミン、スルフォニル
ヒドラジッド、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム
のような有機又は無機系の化学発泡剤を、層を構成する
重合体成分100重量部当り、0.1〜10重量部程度
の割合で配合することができる。
電による塵埃や粉体の付着を防止することが可能な防汚
性に優れた積層体を提供することができる。このような
積層体は、例えばフイルム、テープ、シート、チュー
ブ、管、袋体、多層容器(例えばブロー成形による容
器)、ロッド、各種射出成形品、各種ブロー成形品など
の形で使用することができる。この場合、上記減衰特性
を有する表面層が外表面にある成形品は防汚性に優れて
おり、表面汚れを回避することができる。また粉体材料
の包装材料として使用し、上記減衰特性を有する表面層
が内面層となるような使用方法においては、粉体の包装
材料への静電付着がなく、商品価値を損ねることはな
い。またカリウムアイオノマー層を中間層とする本発明
の積層体よりなる多層ブロー容器は、外表面が滑り性、
耐傷性、防汚性に優れる。
ングテープ基材やバックグラインドフイルムなどの半導
体用粘着テープ又はフイルム、マーキングフイルム、I
Cキャリアテープ、電子部品テーピングテープのような
電気・電子材料、食品包装材料、衛生材料、プロテクト
フイルム(例えばガラス、プラスチック又は金属性のボ
ード、レンズ用ガードフイルム又はテープ)、鋼線被覆
材料、クリーンルームカーテン、壁紙、マット、床材、
フレコン内袋、コンテナー、靴、バッテリーセパレータ
ー、透湿フイルム、防汚フイルム、防塵フイルム、PV
C代替フイルム、各種化粧品、洗剤、シャンプー、リン
ス等のチューブやボトルなどの用途に用いることができ
る。
両面に粘着層を設けて使用することができる。このよう
な粘着層として、ゴム系、アクリル系、シリコン系など
の粘着層を挙げることができる。本発明の積層体はま
た、その表面減衰特性、その他特性を生かすため、他の
種々の基材等、例えばポリエチレンテレフタレート、ポ
リアミド、ポリプロピレンなどの二軸延伸フイルム又は
シート等の基材、あるいはアクリル樹脂、ポリカーボネ
ート、ABS樹脂やポリスチレンなどのスチレン系樹
脂、ポリアセタール等の板状成形品を含む材料に積層し
て使用することができる。このような防汚性の表皮材と
して使用する場合、上記基材に当接するようにして積層
されるかあるいは粘着層を介して積層される。かかる目
的に使用される基材としてはまた、各種プラスチック材
料、紙、木材、金属などのフイルム、シート、発泡体、
織布、不織布などの1層または多層の材料などを使用す
ることができる。
説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定される
ものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、
使用した原料及び得られた積層体の非帯電性能の評価方
法を以下に示す。
た。
リエチレン VA:酢酸ビニル MCI:三井化学(株)、 MDP:三井・デュポンポリケミ
カル(株) *:190℃、2160g荷重におけるメルトフローレ
ート
ベースポリマーを原料とする表3記載のカリウムアイオ
ノマーを使用した。
ート
ート
体試験片を、米国ETS社製Static Decay Meter Model
4060を用い、印加電圧+5000Vから+500Vへ
減衰する時間を10%減衰時間として、また印加電圧+
5000Vから+2500Vへ減衰する時間を50%減
衰時間として測定した。
体試験片を木綿布で10回擦った直後、タバコ1本分の
灰を載せて試験片を反転させたときの灰の残り具合で判
定した。 ◎:灰が全く残らない ○:灰が僅かに残る △:灰がまばらに残る ×:灰がほぼ全面に残る
容器の表面を、静電気測定器(SV−511、日本スタ
テック(株)製)にて測定
容器の表面を木綿布で10回擦った後、かつお節を容器
に接近させ、その付着度合いを観察した。 ○:全く付かない △:多少付着する ×:直ちに付着する
を用い、MPE2を第1層(表面層)、KI0−2を第
2層(中間層)、MPE2を第3層(表面層)とし、各
層の厚み構成が表4に記載の多層フイルムを作成した。
この積層構成の第1層から第2層界面までの厚みと第2
層自身の厚みとの比(層厚み比)は0.75であった。
得られた多層フイルムの第1層表面の評価結果を表4に
示す。
0−2、及び第2層KI0−2と第3層MPE2の間に
接着層として三井化学(株)製接着性ポリオレフィン、
商品名アドマーNF528を用い、各層の厚みを表4記
載のように変更した以外は実施例1と同様にして多層フ
イルムを作成した。層厚み比及び第1層表面の非帯電性
能の評価結果を表4に示す。
らMPE1に変更し、各層の厚みを表4記載の通りに変
更した以外は実施例2と同様にして多層フイルムを作成
した。層厚み比及び第1層表面の非帯電性能の評価結果
を表4に示す。
1とKI0−1のメルトブレンド(重量比80/20)
を第2層、EVA2を第3層とし、各層の厚みを表4記
載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして多層フ
イルムを作成した。層厚み比及び第1層表面の非帯電性
能の評価結果を表4に示す。
を用い、各層をMPE2とすることによりMPE2の単
層フイルム(厚み50μm)を作成した。得られた単層
フイルムの表面の非帯電性能は、表5に示すように全く
不充分なものであった。
2に変更したい以外は全て実施例3と同様にして多層フ
イルムを作成した。得られた多層フイルムの第1層表面
の非帯電性能は、表5に示すように全く不充分なもので
あった。
2層自身の厚みの比
成形機を用い、表6に示すような層構成で、各層厚みが
0.5mm、内容積が100mlの3層容器を製造し
た。この3層容器の外層表面の評価結果を表6に併記す
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも3層以上の層構成からなる積
層体であって、両表面層が表面抵抗率1×1014Ω以
上の高分子材料から構成され、中間層がエチレン・不飽
和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマー又は該カ
リウムアイオノマーと熱可塑性重合体との混合物から構
成され、表面層の少なくとも1層は23℃、50%相対
湿度の雰囲気下で測定した印加電圧+5000Vにおけ
る10%減衰時間が20秒以下であることを特徴とする
積層体。 - 【請求項2】 カリウムアイオノマーが、不飽和カルボ
ン酸含量が10〜30重量%で中和度が60%以上であ
る請求項1記載の積層体。 - 【請求項3】 表面層の少なくとも1層が、亜鉛アイオ
ノマー及びメタロセン系触媒の存在下で製造されたエチ
レン系重合体から選ばれる高分子材料で構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。 - 【請求項4】 少なくとも1方の表面層と中間層の間に
接着層及び/又は回収層が設けられていることを特徴と
する請求項1〜3記載の積層体。 - 【請求項5】 中間層厚みに対する表面層と接着層及び
/又は回収層の総厚みの厚み比率が0.1〜100の範
囲にあることを特徴とする請求項1〜4記載の積層体。 - 【請求項6】 フイルム、シート、袋体又は多層容器で
ある請求項1〜5記載の積層体。 - 【請求項7】 包装用に使用される請求項6記載の積層
体。 - 【請求項8】 少なくとも3層以上の層構成からなる多
層容器であって、最外層及び最内層が表面抵抗率1×1
014Ω以上の高分子材料から構成され、中間層がエチ
レン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマ
ーから構成され、最外層及び最内層の少なくとも1層は
23℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した印加電圧
+5000Vにおける10%減衰時間が20秒以下であ
ることを特徴とする多層容器。 - 【請求項9】 多層容器がブロー成形で得られたもので
ある請求項8記載の多層容器。
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