JPH11179552A - 防食性に優れた構造物構築部材とその製造方法 - Google Patents

防食性に優れた構造物構築部材とその製造方法

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JPH11179552A
JPH11179552A JP9345408A JP34540897A JPH11179552A JP H11179552 A JPH11179552 A JP H11179552A JP 9345408 A JP9345408 A JP 9345408A JP 34540897 A JP34540897 A JP 34540897A JP H11179552 A JPH11179552 A JP H11179552A
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welding
indirect
corrosion
stainless steel
spot welding
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Taiji Hase
泰治 長谷
Isao Kaneuchi
勲 金内
Kazumi Matsuoka
和巳 松岡
Koji Honma
宏二 本間
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鋼材に対して多量の腐食成分を含
む水が流動する海、湖、河川、運河等において構築され
る構造物構築部材として適用されるものであり、鋼材で
形成した海水等飛沫帯相当部分の防食性を向上させるた
めに、この部分に耐蝕金属板を構造物表面に簡易な接合
手段で直接被覆することにより、接合箇所を減少して接
合時間を短縮できる、防食性に優れた構造物構築部材お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 鋼材で形成した海水等飛沫帯相当部分の
表面に、耐蝕金属板をインダイレクトツインスポット溶
接とインダイレクトシーム溶接により固定したことを特
徴とする防食性に優れた構造物構築部材と、その製造方
法例であり、広幅の耐蝕金属板が必要な場合には、複数
枚の耐蝕金属板の側端部を重ねてインダイレクトシーム
溶接によりシーム溶接して用いることが有効。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材で形成された
例えば海水等飛沫帯相当部分および海上大気部の表面
に、耐蝕金属板を被覆した防食性に優れた構造物構築部
材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば長スパン橋梁の大型基礎、
石油生産リグ、浮体式石油船等の大型浮体式海洋構造物
が、海洋空間の有効利用のニーズの高まりから海洋に建
設または設置されている。このような海洋構造物には、
一般に耐海水性に優れた鋼板や鋼管等の鋼部材による構
築部材が多く用いられているが、特に海水の飛沫帯で
は、他の部分に比べて腐食が大きく、耐用性に乏しいも
のになり、海洋構造物の長期にわたる耐用性確保が難し
くなる。
【0003】このため、鋼材を海洋構造物の海水飛沫帯
に配設する場合には、樹脂塗装またはポリエチレン、ウ
レタン系の重防食により防食処理を施して用いられてい
ることが多い。しかし、これらの塗装、重防食を施した
鋼材においては、長期にわたって高耐蝕性を維持する点
において限界があり、その寿命は塗装の場合で15〜2
0年、重防食の場合で40年と言われている。
【0004】一方、耐蝕性を高めるために、鋼材に、T
i板を被覆することも提案されているが、鋼材とTi板
を直接溶接して強固に接合することはできないため、T
i板と普通鋼によるTiクラッド鋼板を圧延により製造
し、Tiクラッド鋼板として被覆して防食する方法も採
用されている。このTiクラッド鋼板は、製造コストが
高いことに加えて、現状では長さは4〜5mであり、大
型浮体式海洋構造物の防食範囲長がこのクラッド鋼板の
長さを超える場合には、図11〜図13に示すように、
幅を10〜15mにしたTiクラッド鋼板11 〜1
6 を、側端部の溶接(wo)に加えて、大型浮体式海洋
構造物2の長さ方向にも継いで行く必要があるため、接
合部が31 〜35 と多くなり、接合コストが増大する。
【0005】長さ方向に継いで行くための接合部(例え
ば31 )は、例えば図12〜図13に示すように、大型
浮体式海洋構造物2を構成する鋼部材2aの側端部をア
ーク溶接(wo)し、Tiクラッド鋼板11 と12 の普
通鋼母材1i側をアーク溶接(wb)すると共に、Ti
クラッド鋼板11 と12 の普通鋼母材1i側を開先4を
形成してTIG溶接で突き合わせ溶接(ws)し、相対
するTiクラッド鋼板11 と12 の合せ材1tの端部間
に、Ti板による当板材5を当接して、合せ材1tと当
板材5をTIG溶接で隅肉溶接6して得られるが、接合
に長時間を要し接合コストが増大する。
【0006】また、合わ材1tと当板材5およびタブ板
6aの境界部7をAg−Cu系の溶材で接合した場合、
タブ板6aの境界部7に繰り返し荷重が加わった場合、
疲労クラックが発生しやすく、このクラックに起因して
鋼部材2aに割れが伝播する等の問題がある。また、T
iクラッド鋼板(11 〜12 )を鋼部材2aに取り付け
た場合、合わせ材1tを溶かし、普通鋼母材1iと鋼部
材2aを溶かし、Ti3 Feの脆弱な金属化合物が生成
されるためにFe−Tiの溶接に注意を払う必要があ
り、能率も極端に悪く、接合コストが増大すると共に、
継手部の安定性に欠けるという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼材に対し
て多量の腐食成分を含む水が流動する海、湖、河川、運
河等において構築される構造物構築部材として適用され
るものであり、鋼材で形成した海水等(鋼材を腐食させ
る成分を多量に含む海水または淡水を総称するもので、
以下「海水等」という。)飛沫帯相当部分の防食性を向
上させるために、この部分に耐蝕性金属板として耐蝕金
属板を構造物表面に簡易な接合手段で直接被覆すること
により、接合箇所を減少して接合時間を短縮できる、防
食性に優れた構造物構築部材およびその製造方法を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明は、
鋼材で形成した構築部材の表面に、耐蝕金属板をインダ
イレクトツインスポット溶接とインダイレクトシーム溶
接により固定したことを特徴とする防食性に優れた構造
物構築部材である。
【0009】第二の発明は、第一の発明の構造物構築部
材の製造方法例として位置付けられるもので、鋼材で形
成した構築部材の表面に、複数枚の耐蝕金属板を、隣接
する耐蝕金属板の側端部が重なるように当接し、非重ね
部をインダイレクトツインスポット溶接および/または
インダイレクトシーム溶接により構築部材に固定した
後、隣接する耐蝕金属板の側端部の重ね部、および耐蝕
金属板の側端部と構築部材をインダイレクトシーム溶接
して固定することを特徴とする防食性に優れた構造物構
築部材の製造方法である。
【0010】第三の発明は、第一の発明の構造物構築部
材の他の製造方法例として位置付けられるもので、鋼材
で形成した構築部材の表面に、複数枚の耐蝕金属板をイ
ンダイレクトシーム溶接して得られた広幅耐蝕金属板を
当接し、インダイレクトツインスポット溶接により構築
部材に固定した後、広幅耐蝕金属板の側端部と構築部材
をインダイレクトシーム溶接して固定することを特徴と
する防食性に優れた構造物構築部材の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば海洋構造物を構
築するために用いられる、鋼材で形成した構築部材の海
水飛沫帯相当部分の防食性を向上させるために、この部
分に耐蝕性金属板を被覆する場合において、耐蝕金属板
として、鋼部材に直接接合可能で、長さを任意にできる
耐蝕金属板を用い、この耐蝕金属板を、前記海水飛沫帯
相当部分の表面に、技量を必要としないインダイレクト
ツインスポット溶接とインダイレクトシーム溶接で直接
接合することにより、接合箇所を減少して接合時間を短
縮でき、長期にわたって十分な耐用性を確保するもので
ある。
【0012】本発明では、耐蝕金属板としては、Ti板
でもよいが、鋼材に対して溶接特性があり、コイル状で
任意の長さにして使用でき、安定した継手性能が低コス
トで得られる、ステンレス鋼板、JIS G4307、
SUS316、SUS316L等の耐蝕鋼板が特に適性
が高い。例えばステンレス鋼板の場合には、フェライト
系、オーステナイト系のいずれでもよいが、オーステナ
イト系の例えば、高耐蝕ステンレス鋼板例えば20Cr
−18Ni−6Mo、316系、18Cr−12Ni−
25Mo等のステンレス鋼板で、厚さは0.4〜1.0
mmのものが適性が高い。
【0013】例えば海洋構造物の海水飛沫帯の上下幅は
数メートルに及ぶが、圧延して得られる例えばステンレ
ス鋼板の幅は圧延機の関係より1〜2mであるため、こ
のステンレス鋼板を複数枚それぞれ側端部を重ね合わ
せ、この重ね部をシーム溶接によって接合することによ
り、海水飛沫帯をカバーする所要の幅を確保する。この
シーム接合は、インダイレクトツインスポット溶接とイ
ンダイレクトシーム溶接を行う前に行っておいてもよい
し、インダイレクトツインスポット溶接とインダイレク
トシーム溶接と同時的に行ってもよい。
【0014】このようにして、所要の幅にした例えば耐
蝕金属板としてステンレス鋼板を海洋構造物の海水飛沫
帯に接合する場合は、インダイレクトツインスポット溶
接により、ステンレス鋼板の側端部を除く部分を多数列
(多数点)をスポット接合し、側端部はインダイレクト
シーム溶接によりシーム溶接する。ツインスポット溶接
とシーム溶接は、従来の一般に知られている溶接方法で
も可能であるが、インダイレクトシーム溶接において
は、平面に電極幅の異なった2電極を配置し、溶材を用
いずに表面側で直接に簡易に接合できる、インダイレク
トシーム溶接方法を用いることが好ましい。
【0015】このインダイレクトツインスポット溶接と
インダイレクトシーム溶接は、最小の単位例えば鋼部材
単位で行ってもよいし、長さ方向で継ぐための接合箇所
を極力少なくするために、最終の構築長さになってから
行ってもよい。しかし、例えば海洋構造物構築部材の場
合では、海上(海中)での溶接作業は困難を伴う場合が
多いので、陸上で構築される最大(最長)単位で行うこ
とも考慮し、構造物の規模、構築手順、溶接設備コス
ト、溶接施工性、ハンドリング性等を考慮して耐蝕金属
板の溶接単位を選択する。
【0016】耐蝕金属板による被覆対象面は、大型浮体
式海洋構造物の場合、その側面になるが、薄厚で広幅の
耐蝕金属板のハンドリング性、溶接の施工性を考慮した
場合には、溶接姿勢が下向きである方が有利であるの
で、耐蝕金属板の被覆対象面が容易に上面にできる単位
(例えば、海洋構造物構築部材の海水飛沫帯を形成する
鋼材に予め耐蝕金属板を被覆しておく等)にすることが
好ましい。なお、海上(海中)で、海洋構造物を構築す
る大型浮体式海洋構造物間でのステンレス鋼板端部を上
下(幅方向)に接合する必要があるが、この接合は海中
領域でも行うことになるので、別途接合手段を考慮す
る。
【0017】以下本発明の構造物構築部材とその製造方
法を、海洋構造物構築部材としての大型浮体式海洋構造
物に耐蝕金属板としてステンレス鋼板を被覆するために
適用する場合を例にして、製造装置例と共に説明する。
図1〜図4は、ステンレス鋼板を海水飛沫帯に被覆した
本発明による海洋構造物構築部材例としての大型浮体式
海洋構造物の立体説明図であり、この大型浮体式海洋構
造物2の一側面を形成する鋼部材2aの海水飛沫帯に、
その一端から他端まで広幅ステンレス鋼板8wを被覆し
ている。
【0018】この広幅ステンレス鋼板8wは、上下の側
端部はインダイレクト抵抗溶接により、鋼部材2aに直
接的にシーム溶接(sw)し、その内側部は鋼部材2a
に直接的インダイレクトツインスポット溶接(tw=2
wp)して強固に固定している。ここでは、スポット溶
接点(wp)は多数点からなり、規則的に配置してい
る。ここでいうツインスポット溶接とは、同時に2点以
上のスポット溶接点(wp)を得るスポット溶接を指
し、ここでは、広幅ステンレス鋼板8wの長さ方向に同
時に2点のスポット溶接点(wp)を得るスポット溶接
であり、広幅ステンレス鋼板8wの幅方向に2点ずつ4
回(2×4)8点のスポット溶接点(wp)のスポット
溶接を行うようにしているが、設備を増設することによ
り、一回で幅方向の溶接が可能である。
【0019】この広幅ステンレス鋼板8wの被覆作業
は、大型浮体式海洋構造物2単位で陸上で行い、海上構
造物を構築する場合には、通常、複数の大型浮体式海洋
構造物2を、海上の構築現場まで曳航して並べ、隣接す
る大型浮体式海洋構造物2を溶接または固定具により固
定した後に、隣接する大型浮体式海洋構造物2間におい
て、海水飛沫帯に被覆されている広幅ステンレス鋼板8
wの先端どうしを接合するようにしている。
【0020】また、ステンレス鋼板を使用した場合、普
通鋼板との異材溶接でも化合物を生成することなく、継
手強度が高く、耐蝕性の良好な継手が得られるので、異
材接合部の強度低下による疲労強度の低下もなく、異材
接合部から割れが発生する懸念はない。なお、広幅ステ
ンレス鋼板8wの被覆は、海水飛沫で洗われる側面だけ
行えばよい。
【0021】この被覆作業を、この被覆作業を行うため
の装置例と共に以下に説明する。図5〜図6は、前記の
大型浮体式海洋構造物を構築する鋼部材2aに対して、
大型浮体式海洋構造物を構築する前に、予めステンレス
鋼板を被覆するための装置例を示す。大型浮体式海洋構
造物の海水飛沫帯を構築する鋼部材2aは、圧延により
製造され所定のサイズの鋼部材を幅方向に複数枚突き合
わせ溶接して得られるものである。この鋼部材2aは、
搬送ローラー9に載置され搬送可能である。
【0022】10は門型走行台車で、搬送ローラー9の
両側に敷設された軌道11上に載置され、搬送ローラー
9を跨いで走行可能である。この走行台車の後部には横
行台12が、走行台車10の走行方向と直角方向に移動
可能に配設されている。この横行台12にはインダイレ
クトシーム溶接機13が配設され、走行台車10の走行
によって広幅ステンレス鋼板8wの長さ方向に移動し、
横行台12の移動によって広幅ステンレス鋼板8wの幅
方向でシーム溶接位置を変えることができる。
【0023】走行台車10の前部には、横行体14がス
テンレス鋼板8の幅方向に移動可能に配設され、この横
行体14には、コイル台15が走行台車10の走行方向
と直角方向に移動可能に配設されており、このコイル台
には、巻戻用のピンチローラー16と切断機17が配設
されている。コイル台15には、ステンレス鋼板コイル
8が載置されており、走行台車10を、搬送ローラー9
上に搬入されている鋼部材2aに沿って走行する際、コ
イルからピンチローラー16で巻き戻して得られたステ
ンレス鋼板81 の先端を、鋼部材2aの海水飛沫帯相当
部分の所定位置の一端に仮固定して敷いて行き、鋼部材
2aの他端部において切断機17で切断する。
【0024】このステンレス鋼板81 一枚だけでは海水
飛沫帯をカバーできないため、通常、数枚並べ、図7に
示すように、隣接するステンレス鋼板81 と82 の側端
間に重ね部dbを形成し、この重ね部dbを、インダイ
レクトシーム溶接機13によりシーム溶接(sw)して
海水飛沫帯をカバーできる広幅のステンレス鋼板8wを
形成する。この広幅のステンレス鋼板8wの側端部は、
鋼部材2aにインダイレクトシーム溶接機13により直
接シーム溶接(sw)する。ここでは、広幅のステンレ
ス鋼板8wの側端間に形成した重ね部dbでのシーム溶
接(sw)と、広幅のステンレス鋼板8wの側端部と鋼
部材2aとのシーム溶接(sw)は、コイルを巻き戻し
て得られたステンレス鋼板81 〜8xを広幅鋼部材2a
の海水飛沫帯相当部分の所定位置に敷いて行く際に連続
して行うことができる。
【0025】このシーム溶接(sw)に用いられるイン
ダイレクトシーム溶接機13は、図8に示すように、横
行台12に昇降装置を兼ねた加圧装置18a,18bを
介して支持され、横行台12の移動によって、広幅ステ
ンレス鋼板8wの幅方向で位置を可変自在である。この
インダイレクトシーム溶接機13は、より具体的には、
加圧装置18aを備えた溶接側ローラー電極19と、加
圧装置18bを備えた非溶接側ローラー電極20とを備
えており、溶接側ローラー電極19は、一方のステンレ
ス鋼板81 の側端部と、これと隣接する他方のステンレ
ス鋼板82 の側端部間の重なり部dbの上面に加圧・当
接され、他方のローラー電極20は、溶接側ローラー電
極19から距離x離れた他方のステンレス鋼板81 に加
圧・当接されている。
【0026】この2つのローラー電極19,20は、電
源21を介して接続されており、各ローラー電極と電源
21間の電源回路には、電気抵抗測定器22a,22b
が配設されており、溶接中に各電極における電気抵抗を
測定して、各電極における電気抵抗が所定領域に維持さ
れるように、電源21で制御することができる。また、
各ローラー電極の加圧装置18a,18bには、加圧力
測定器24a,24bが配設されており、溶接中に各電
極における加圧力を測定して、各電極における加圧力が
所定領域に維持されるように加圧装置18a,18bに
よる加圧力を制御することができる。
【0027】なお、走行台車10、横行台12の移動条
件、加圧装置18a,18bの加圧条件、インダイレク
トシーム溶接による溶接条件等は、演算装置23に設定
されており、この演算装置により制御できるようにして
いる。このインダイレクトシーム溶接機13で、ステン
レス鋼板81 と82 の側端部の重ね部をインダイレクト
シーム溶接して広幅ステンレス鋼板8wを形成し、この
広幅ステンレス鋼板8wの側端部を鋼部材2aの海水飛
沫帯に直接にシーム溶接(sw)して固定することがで
きる。
【0028】このインダイレクトシーム溶接では、2つ
のローラー電極を並列に配列するものであり、ローラー
電極幅(接触幅)が広いと加圧力が大きく接触抵抗値が
小さくなり、ローラー電極幅(接触幅)が狭いと加圧力
が小さく接触抵抗値が大きくなる、という特徴を持った
ものである。したがって、並列配置される2つのローラ
ー電極の幅と加圧力を変化させることにより、溶接位置
を選択でき良好な継手性能を得ることができる。
【0029】例えば、ステンレス鋼板81 と82 をシー
ム溶接する場合では、ステンレス鋼板81 と82 の側端
部の重ね部db上に配置した溶接側ローラー電極19の
幅を狭くして加圧力を小さくし、ステンレス鋼板82 側
(アース側)に配置した非溶接側ローラー電極20の幅
を広くして加圧力を大きくすることにより、ステンレス
鋼板81 と82 の側端部の重ね部dbを溶接することが
でき、この2つのローラー電極19,20を溶接線に沿
って移動することにより、ステンレス鋼板81と82 の
側端部をシーム溶接(sw)することができる。
【0030】また、広幅ステンレス鋼板8wの側端部を
鋼部材2aにシーム溶接する場合では、広幅ステンレス
鋼板8wの側端部に配置した溶接側ローラー電極19の
幅を狭くして加圧力を小さくし、鋼部材2a側(アース
側)に配置した非溶接側ローラー電極20の幅を広くし
て加圧力を大きくすることにより、広幅ステンレス鋼板
8wの側端部を鋼部材2aに直接溶接することができ、
この2つのローラー電極19,20を溶接線に沿って移
動することにより、広幅ステンレス鋼板8wを鋼部材2
aの海水飛沫帯相当部分に直接シーム溶接(sw)し固
定することができる。また、端部の未溶接部のない良好
な溶接部を得ることができる。
【0031】しかし、広幅ステンレス鋼板8wは、数m
の幅を有するものであり、その側端部を鋼部材2aにシ
ーム溶接して固定するだけでは、接合強度、ステンレス
鋼板強度を十分に確保できないので、この側端部以外の
内側部分をツインスポット溶接(tw)および/または
インダイレクトシーム溶接により直接に鋼部材2aに固
定する。このツインスポット溶接には、ここでは外側
(ステンレス表面側)から2点のスポット溶接が同時に
できるように構成した、インダイレクトスポット溶接機
を用いている。
【0032】このインダイレクトスポット溶接機は、前
記図8で示したインダイレクトシーム溶接機13と同様
の原理を利用したものであり、溶接側棒状電極と非溶接
側棒状電極からなる電極2セットを、広幅ステンレス鋼
板8wの幅方向に並列配置したものであり、図9〜図1
0(a)に示すように、前記図5〜図6に示した走行台
車10に後続して、軌道11上を間欠走行可能な走行台
車25に配設した横行台26に配設されている。
【0033】この横行台26は、走行台車25の走行方
向と直角方向に移動可能に配設されており、インダイレ
クトスポット溶接機27は横行台26の移動によって、
搬送ローラー9上の鋼部材2aにインダイレクトシーム
溶接により固定したステンレス鋼板8wの幅方向でスポ
ット溶接位置を変えることができ、走行台車25の走行
によって広幅ステンレス鋼板8wの長さ方向でツインス
ポット溶接位置を変えることができる。このインダイレ
クトツインスポット溶接のための走行台車25と横行台
26の移動条件、加圧装置28a,28bの加圧条件、
インダイレクトツインスポット溶接機27の溶接条件等
は、前記演算装置23に設定されており、この演算装置
によって制御することができる。(制御については図示
および詳細説明を省略)。
【0034】ここでは、走行台車25を所定位置で停止
させ、横行台車26を移動させながら、インダイレクト
スポット溶接機27の2セットの電極29,30を加圧
し、この電極に対する溶接電流を間欠的に供給すること
により、2点ずつ、広幅ステンレス鋼板8wの幅方向に
スポット溶接点(wp)を並列に形成できるようにして
いる。電極29,30は図10(b)に示すように配置
されている。すなわち、電極29は、溶接側棒状電極2
9aとこれから距離x離れた位置に配置した非溶接側棒
状電極29bと非溶接側棒状電極29bからなり、電極
30は、溶接側棒状電極30aとこれから距離x離れた
位置に配置した非溶接側棒状電極30bからなってい
る。
【0035】この電極29と30は、所定間隔yをおい
て配置されいる。この間隔yは調整できるようにしても
よい。したがって、走行台車25の移動条件、横行台車
26の移動条件、電極条件、電極加圧条件、溶接電流の
供給条件等を制御することによって、広幅ステンレス鋼
板8wの幅方向と長さ方向に多数のスポット溶接点wp
を所定の間隔で形成して、広幅ステンレス鋼板8wを鋼
部材2aに対して強固に固定することができる。
【0036】なお、ここでは、前記したようにステンレ
ス鋼板(コイル)8から、インダイレクトシーム溶接に
より広幅ステンレス鋼板wを形成し、この広幅ステンレ
ス鋼板wの側端部を、鋼部材2aの海水飛沫帯相当部分
にインダイレクトシーム溶接を先行して行い、それに引
き続きインダイレクトツインスポット溶接を行うように
したが、インダイレクトツインスポット溶接の安定性の
確保、溶接歪みの問題を考慮すると、外観形状が良好で
強固な溶接部を得るためには、インダイレクトツインス
ポット溶接を先に行い、ステンレス鋼板(コイル)8を
鋼部材に固定後にインダイレクトシーム溶接を行った方
が有利である。
【0037】本発明を実施するための装置は、上記の例
に限定されるものではない。例えば溶接姿勢、溶接装置
の電極形状、当接・配置の位置、加圧装置、各種の測定
および制御機構、それらの配置、溶接条件、溶接作業手
順等については、被覆対象、被覆条件等に応じて変更さ
れるものである。また、上記の例では、構造物構築部材
として、例えば海洋構造物構築部材として用いる大型浮
体式海洋構造物を対象としたが、本発明はその他の鋼材
を腐食させる多量の成分を含む淡水が流動する湖、河
川、運河等において構築される構造物構築部材を対象と
してもよく、被覆する耐蝕金属板としてステンレス鋼板
以外の耐蝕金属板例えばチタン薄板を用いてもよい。
【0038】チタン薄板を用い場合でも、抵抗溶接は溶
融した金属を加圧力を加えて外部に出すため、真空圧延
と同じ効果がある。耐蝕金属板としてのステンレス鋼板
の被覆は、大型浮体式海洋構造物を構築前の段階で、大
型浮体式海洋構造物を構築する鋼部材の海水飛沫帯相当
部分に対して下向の溶接によって行っているが、被覆対
象、被覆単位、溶接姿勢等は、材料のハンドリング性、
溶接施工性等を考慮して任意に選択するものであり、シ
ーム溶接条件、ツインスポット溶接条件等も同様変更さ
れるものである。
【0039】
【実施例】図5〜図10(a),(b)に示されるよう
な、製造方法例と製造装置例を用いて、耐蝕金属板とし
て、ステンレス鋼板8をコイルから巻き戻して、隣接す
る側端部を重ねてインダイレクトシーム溶接して広幅ス
テンレス鋼板8wとして、これを大型浮体式海洋構造物
を構築する鋼部材2aの海水飛沫帯相当部分にインダイ
レクトシーム溶接とインダイレクトツインスポット溶接
により固定して被覆する実験と評価を行った。
【0040】実験条件と評価結果について以下に説明す
る。 実施条件 鋼部材(厚鋼板) 材質:JIS G3106 SM410A(軟鋼) 厚み:12mm ステンレス鋼板 材質:JIS G4305 板幅:1000mm 厚み:0.7mm 広幅ステンレス鋼板 板幅:2850mm シーム溶接 インダイレクトシーム溶接 溶接電流:7970A ローラー電極 溶接側 径:150mm 接触幅:3mm 加圧力:100〜300kg/mm2 非溶接側(アース側) 径:150mm 接触幅:16mm 加圧力:480kg/mm2 一定 ツインスポット溶接 インダイレクトツインスポット溶接 溶接電流:6500A 電極(2セットの電極配置) 溶接側 接触幅:3mmφ 加圧力:100〜300kg 非溶接側(アース側) 接触幅:3mmφ 加圧力:100〜300kg 2点間距離:200mm 列間隔(長さ方向):200mm (幅方向) :200mm 全スポット数:4/m
【0041】本発明の実施例では、大型浮体式海洋構造
物を構築する鋼部材2aに広幅ステンレス鋼板8wを被
覆するための接合時間は、従来のTiクラッド鋼板被覆
の場合との比較では、3時間の短縮になった。また、被
覆された広幅ステンレス鋼板の表面に対して、電気防食
を行いながら噴射圧力JIS Z 2371の塩水噴霧
試験方法にのっとり試験を行った結果、広幅ステンレス
鋼板には全く異常はなく、接合部の劣化も認められず、
十分な耐用性を示した。しかし、従来のTiクラッド鋼
板被覆の場合では、Tiクラッド鋼板の合せ材側とTi
当板材との接合部において、軽度ではあるが腐食現象の
発生が認められた。
【0042】
【発明の効果】本発明においては、構造物構築部材の鋼
材で形成した海水等飛沫帯相当部分の耐蝕性を向上させ
るために、その部分に耐蝕金属板を被覆する場合におい
て、耐蝕金属板として、鋼部材に直接接合可能で、長さ
を任意にできる耐蝕金属板を用い、この耐蝕金属板を、
構造物構築部材の海水等飛沫帯相当部分の表面に、技量
を必要としないインダイレクトツインスポット溶接、イ
ンダイレクトシーム溶接で直接接合しており、接合箇所
を減少して接合時間を短縮すると共に、電気防食を行っ
ても耐用性の劣化もなく、長期にわたって十分な耐用性
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって得られた、海水飛沫帯にステン
レス鋼板を被覆したメガフロートの立体説明図。
【図2】図1のEa−Eb矢視一部断面説明図。
【図3】図1のDa−Db矢視一部断面説明図。
【図4】図1のCa−Cb断面説明図。
【図5】本発明を実施するためのインダイレクトシーム
溶接装置例を示す平面説明図。
【図6】図5のFa−Fb矢視断面側面説明図。
【図7】図5〜図6のインダイレクトシーム溶接装置例
による、隣接するステンレス鋼板のシーム溶接状態を示
す側断面説明図。
【図8】本発明で用いるインダイレクトシーム溶接機の
構造例を示す正面説明図。
【図9】本発明を実施するためのインダイレクトツイン
スポット溶接装置例を示す平面説明図。
【図10】図9のGa−Gb矢視断面説明図。
【図11】従来の海洋構造物構築部材に対するTiクラ
ッド鋼板の被覆例を示す正面説明図。
【図12】図11のTiクラッド鋼板間の接合部構造
(正面を上面にして示す)一部切欠断面立体説明図。
【図13】図11のBa−Bb矢視断面説明図。
【符号の説明】
2 :大型浮体式海洋構造物(構造物構築
部材) 2a :鋼部材 8 :ステンレス鋼板(コイル) 81 ,82 ,83 :ステンレス鋼板 8w :広幅ステンレス鋼板 9 :搬送ローラー 10 :走行台車 11 :軌道 12 :横行台 13 :インダイレクトシーム溶接機 14 :横行台 15 :コイル台 16 :ピンチローラー db :重ね部 17 :切断機 18a,18b :加圧装置 19 :ローラー電極(溶接側) 20 :ローラー電極(非溶接側) sw :インダイレクトシーム溶接 21 :電源 22a,22b :電気抵抗測定器 23 :演算装置 24a,24b :加圧力測定器 25 :走行台車 26 :横行台 27 :インダイレクトツインスポット溶
接機 28a,28b :加圧装置 29,30 :電極 29a,30a :溶接側棒状電極 29b,30b :非溶接側棒状電極 tw :インダイレクトツインスポット溶
接 wp :スポット溶接点 M :駆動装置
フロントページの続き (72)発明者 松岡 和巳 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 本間 宏二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材で形成した構築部材の表面に、耐蝕
    金属板をインダイレクトツインスポット溶接とインダイ
    レクトシーム溶接により固定したことを特徴とする防食
    性に優れた構造物構築部材。
  2. 【請求項2】 鋼材で形成した構築部材の表面に、複数
    枚の耐蝕金属板を、隣接する耐蝕金属板の側端部が重な
    るように当接し、非重ね部をインダイレクトツインスポ
    ット溶接および/またはインダイレクトシーム溶接によ
    り構築部材に固定した後、隣接する耐蝕金属板の側端部
    の重ね部、および耐蝕金属板の側端部と構築部材をイン
    ダイレクトシーム溶接して固定することを特徴とする防
    食性に優れた構造物構築部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼材で形成した構築部材の表面に、複数
    枚の耐蝕金属板をインダイレクトシーム溶接して得られ
    た広幅耐蝕金属板を当接し、インダイレクトツインスポ
    ット溶接により構築部材に固定した後、広幅耐蝕金属板
    の側端部と構築部材をインダイレクトシーム溶接して固
    定することを特徴とする防食性に優れた構造物構築部材
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007162732A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Nippon Steel Engineering Co Ltd 被覆鋼管及びその製造方法
CN105382393A (zh) * 2015-12-08 2016-03-09 天津七所高科技有限公司 一种汽车单面双点焊接工艺

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