JPH11179540A - 自動溶接機及び自動溶接機における開先形状測定方法 - Google Patents

自動溶接機及び自動溶接機における開先形状測定方法

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JPH11179540A
JPH11179540A JP36599797A JP36599797A JPH11179540A JP H11179540 A JPH11179540 A JP H11179540A JP 36599797 A JP36599797 A JP 36599797A JP 36599797 A JP36599797 A JP 36599797A JP H11179540 A JPH11179540 A JP H11179540A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開先の形状測定が正確に行えると共に、溶接
トーチ及及びその駆動機構を大型化することなく狭幅深
開先の形状測定が可能な自動溶接機を提供する。 【解決手段】 溶接トーチ中1には、ガイドローラ3に
案内されて溶接ワイヤ2が引き込まれ、送給ローラ4に
よって駆動されて送り出され、ストレーナ5で曲がりを
矯正された後、溶接チップ6を介して送り出される。ス
トレーナ5と溶接チップ6の間には、給電ターミナル7
が設けられ、パワーケーブル8から供給される電流が、
給電ターミナル7を通して溶接ワイヤ2に供給される。
ガイドローラ3群の入口には、エンコーダロール10と
押えロール11が設けられ、エンコーダロール10には
エンコーダが接続されている。エンコーダにより、ワイ
ヤの送り量が正確に把握できるので、これを利用して正
確な開先の形状測定が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動溶接機及び自
動溶接機における開先形状測定方法に関するものであ
り、特に、溶接ワイヤ送り量測定装置を有する自動溶接
機及び溶接ワイヤ送り量測定装置を利用した開先形状測
定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パイプの円周方向のシームを自動で溶接
する溶接機の構成の例を図4に示す。図4において、パ
ーソナルコンピュータ21は、自動溶接のためのCAD
データを作成するためのものであり、作成されたデータ
はフレキシブルディスク21aに記録される。制御装置
22は、自動溶接の実質的な制御(電源及び溶接トーチ
位置等の制御)を行うためのものであり、フレキシブル
ディスク21aからCADデータを読み込む。そして、
制御装置22は、この読み込んだデータを用いて実際の
溶接条件を設定し、設定された条件に対応して、ロジッ
クテーブルに予め記録されたデータにより各種溶接パラ
メータを設定する。
【0003】さらに、この制御装置22では、設定され
た溶接パラメータを実際の溶接の制御に用いるNC言語
に変換し、変換した言語を制御データとして制御テーブ
ルの形で内部のメモリに記録する。そのメモリに記録さ
れた制御データを用いて、電源装置23、及び溶接ヘッ
ド24を駆動制御すると共に、パルス電圧波形及びパル
ス電流波形の計測・解析値を用いてアーク倣い関連補正
を行う構成となっている。なお、制御装置22の主な制
御項目は、溶接ヘッド24の溶接の電圧、電流、及び溶
接ヘッド24に搭載された溶接トーチ27の、パイプ開
先30に対するウィービング、溶接ヘッド24の移動速
度等である。
【0004】溶接ヘッド24は、電源装置23と送電ケ
ーブル28で接続され、パイプ外周に巻き付けられたガ
イドレール29上に、円周方向に移動可能に装着され
る。溶接ヘッド24には、溶接トーチ27に対して溶接
ワイヤを供給するワイヤ供給部26が搭載されている。
【0005】図5に、制御装置22、電源装置23、溶
接ヘッド24、パイプ25間の電気的な接続関係を示
す。図から分かるように、電源装置23からは、送電ケ
ーブル28を介して、溶接ヘッド24の溶接ワイヤ31
とパイプ25との間にパルス溶接電圧が印加されるよう
になっている。これにより、溶接ワイヤ31とパイプ2
5表面との間にアークが発生する。溶接ワイヤ31は一
定速度で送られ、アークにより溶かされて溶着金属とな
り、パイプ開先30内で固まり、母材を構成する。
【0006】図6に、溶接ヘッド24の詳細図を示す。
溶接ヘッド24は、パイプ外周上の位置(時分で示す)
X軸、溶接トーチ27のウィービングの開先部幅方向
(パイプ軸方向)Y軸、及び溶接高さ方向(パイプ半径
方向)Z軸、及び溶接トーチ旋回軸の各軸についてサー
ボ機構を備え、これら4軸は制御装置22により制御さ
れている。ウィービングは2次元ウィービングである。
即ち、溶接トーチ27を溶接進行方向(X軸)に対して
直交するY軸方向及びZ軸方向に、開先部に沿って移動
させている。
【0007】図7に、溶接トーチの詳細図を示す。溶接
トーチ1中には、ガイドローラ3に案内されて溶接ワイ
ヤ2が引き込まれ、送給ローラ4によって駆動されて送
り出され、ストレーナ5で曲がりを矯正された後、溶接
チップ6を介して送り出される。ストレーナ5と溶接チ
ップ6の間には、給電ターミナル7が設けられ、パワー
ケーブル8から供給される電流が、給電ターミナル7を
通して溶接ワイヤ2に供給される。なお、9はガスレン
ズである。
【0008】溶接ワイヤ2は溶接に使用される他、自動
溶接機が開先形状を測定するために使用される。図8
に、溶接ワイヤ2を用いた開先形状の測定方法を示す。
【0009】溶接ワイヤ2を溶接トーチ1の先端からあ
る長さ(長さの絶対値は不明)出しておき、パイプの表
面位置で溶接トーチ1を下降させる。すると、あるトー
チ高さで溶接ワイヤ2先端がパイプ32に接触する
()。すると、パイプ32と溶接ワイヤ2間が電気的
に導通状態となるので、溶接ワイヤ2先端がパイプ32
に接触したことが分かる。このときの溶接トーチ1の高
さを記憶する。次に、溶接トーチ1を図8における右側
に一定量移動させ、同様の測定を行って溶接ワイヤ2先
端がパイプ32に接触したトーチの高さを記憶する
()。これを繰り返して、測定されたトーチ高さが変
化を開始する点を見出すことにより開先の上端位置が計
測される。
【0010】さらに同様の測定を続けると、溶接ワイヤ
2の先端が開先斜面に接触したことが検出されるので
()、その位置(Y軸位置)に対応する開先斜面位置
(Z軸位置)が計測される。測定点が開先リップ部に達
し()、次に測定を行うと、トーチを大きく下げても
溶接ワイヤ2とパイプ32の接触が起こらなくなるの
で、開先の先端部に達したことが分かる。
【0011】このようにして測定を行い、溶接ワイヤ2
の先端がパイプ32に接触した位置でのトーチ位置(Y
座標とZ座標で表示)をつなぎ合せることにより、開先
の形状が正確に把握できる。なお、図8においては、左
側の開先の測定方法を示しているが、右側の開先につい
ても同様の測定を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記開
先の測定においては、溶接ワイヤのトーチからの突き出
し量が変化した場合には正確な測定が行えない。溶接ワ
イヤは送給ローラによって拘束されているので、通常の
状態では突き出し量は変化しないのであるが、希には送
給ローラとの間の滑り等により突き出し量が変化するこ
とがあり、開先形状の測定が正確に行えないという問題
点がある。
【0013】また、開先形状が狭く、かつ深い場合に
は、以下に示すような問題点がある。図9に、狭幅深開
先の場合の開先形状測定の例を示す。狭幅深開先の場合
には、図8におけるような場合と異なり、溶接トーチ1
先端部を開先内に入れることができない。よって、開先
リップ部の形状を測定するためには、図9に示される
ように、溶接ワイヤ2を長く突き出して測定を行わざる
を得ない。すると、に示されるようにパイプ32表面
部の測定を行うときは、溶接ワイヤ2の長さが長くなっ
た分だけ溶接トーチ1を上方に上げざるを得ない。即
ち、開先形状の測定のために、溶接には不必要な溶接ト
ーチ1のストロークが必要となり、溶接トーチ1及びそ
の駆動機構を大型化せざるを得ないという問題点があ
る。
【0014】更に、これらの問題点の他にも、溶接ワイ
ヤの送り量が測定されていないため、溶接における溶着
量、及び溶接ワイヤの残量を正確に把握することができ
ないという問題点がある。
【0015】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、開先の形状測定が正確に行えると
共に、溶接トーチ及及びその駆動機構を大型化すること
なく狭幅深開先の形状測定が可能な自動溶接機及び自動
溶接機における開先形状測定方法を提供すること、及び
溶接における溶着量、及び溶接ワイヤの残量を正確に把
握することができる自動溶接機を提供することを課題と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、溶接ワイヤの送り量を測定する溶接ワ
イヤ送り量測定装置を有することを特徴とする自動溶接
機(請求項1)である。
【0017】この手段においては、溶接ワイヤの送り量
を測定することができるので、溶接ワイヤの突き出し量
の変化を検知することができる。よって、後記第9の手
段、第10の手段の説明において述べるように、溶接ワ
イヤの突き出し量が変化することがあっても、正確に開
先形状を測定することができ、又、溶接トーチ及びその
駆動機構を大型化することなく狭幅深開先の形状測定が
可能となる。更に、溶接ワイヤの使用量が正確に測定で
きることにより、溶接における溶着量、及び溶接ワイヤ
の残量を正確に把握することができる。
【0018】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、溶接ワイヤ送り量測定装置
が、溶接トーチ内に設けられていることを特徴とするも
の(請求項2)である。
【0019】溶接トーチ内においては、溶接ワイヤは多
数のガイドローラに拘束されて弛みが発生しない。よっ
て、溶接ワイヤ送り量測定装置を溶接トーチ内に設ける
ことにより、ワイヤの送り量を弛みの影響を受けずに正
確に測定することができる。
【0020】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、溶接ワイヤ送
り量測定装置が、溶接ワイヤに接触して回転するエンコ
ーダロールに直結されたパルスエンコーダを発信器とす
ることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0021】本手段においては、溶接ワイヤが送り出さ
れたり後退したりすると、溶接ワイヤに接触しているエ
ンコーダロールが回転し、それに直結されたパルスエン
コーダからパルスが発生する。このパルスを可逆式パル
スカウンタでカウントすることにより、溶接ワイヤの送
り量が正確に測定できる。
【0022】前記課題を解決するための第4の手段は、
前記第3の手段であって、溶接ワイヤをエンコーダロー
ルに押し付ける押えロールが設けられていることを特徴
とするものである。
【0023】本手段においては、押えロールにより溶接
ワイヤがエンコーダロールに押し付けられているので、
溶接ワイヤとエンコーダロールの間に滑りがなくなる。
よって、溶接ワイヤの送り量が正確に測定できる。
【0024】前記課題を解決するための第5の手段は、
前記第4の手段であって、押えロール固定端が調整可能
なスプリングによって、付勢力を与えられていることを
特徴とするもの(請求項5)である。
【0025】本手段においては、スプリングの固定端位
置を調整することにより、押えロールの押し付け力を調
整することができる。よって、溶接ワイヤの径が変わっ
ても、最適な押し付け力で押えロールにより溶接ワイヤ
をエンコーダロールに押し付けることができる。
【0026】前記課題を解決するための第6の手段は、
前記第4の手段又は第5の手段であって、押えロールの
周囲に、溶接ワイヤを挟み込む溝が設けられていること
を特徴とするもの(請求項6)である。
【0027】本手段においては、押えロールの周囲の溝
に溶接ワイヤが挟み込まれているので、溶接ワイヤの位
置が横方向にずれることがなく、安定した測定が行え
る。
【0028】前記課題を解決するための第7の手段は、
前記第4の手段又は第5の手段であって、エンコーダロ
ールの周囲に、溶接ワイヤを挟み込む溝が設けられてい
ることを特徴とするもの(請求項7)である。
【0029】本手段においては、エンコーダロールの周
囲の溝に溶接ワイヤが挟み込まれているので、溶接ワイ
ヤの位置が横方向にずれることがなく、安定した測定が
行える。
【0030】前記課題を解決するための第8の手段は、
前記第6の手段又は第7の手段であって、溝の形状がV
字型であることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0031】本手段においては、溝の形がV字型である
ので、溶接ワイヤの径が変化しても、確実にロールとの
接触を行わせることができる。
【0032】前記課題を解決するための第9の手段は、
前記第1の手段から第8の手段のいずれかに係る自動溶
接機において、開先形状を、溶接ワイヤ先端が溶接対象
物に接触する位置を計測することにより測定する方法で
あって、溶接ワイヤ先端位置をトーチ位置と前記溶接ワ
イヤ送り量測定装置で測定した溶接ワイヤ送り量とから
把握し、それに基づいて開先形状を測定することを特徴
とする自動溶接機における開先形状測定方法(請求項
9)である。
【0033】この手段においては、溶接ワイヤ先端位置
がトーチ位置と溶接ワイヤ送り量から決定される。よっ
て、測定途中で溶接ワイヤ突き出し量が変化しても、そ
れは溶接ワイヤ送り量の変化として検出されるので、溶
接ワイヤ先端位置が変化したことが分かる。従って、こ
の変化量を勘案して測定を行うことにより、溶接ワイヤ
突き出し量の変化に関わらず、正確な開先形状の測定を
行うことができる。
【0034】前記課題を解決するための第10の手段
は、前記第9の手段であって、開先斜面部の測定に際
し、溶接ワイヤを、溶接対象物表面を測定するときより
所定量突き出した状態で測定を行うことを特徴とするも
の(請求項10)である。
【0035】この手段は、狭幅深開先の形状測定をする
ときに有効である。即ち、突き出し量が短い状態で溶接
対象物表面位置の測定を行い、開先部斜面の深部を測定
するときは、溶接トーチ位置を下げる前に、溶接ワイヤ
を所定量だけ突き出し、それからトーチ位置を下げて測
定を行う。新たに突き出された溶接ワイヤの長さは、溶
接ワイヤ送り量測定装置により測定されているので、新
たな溶接ワイヤ先端位置が分かり、正確な測定ができ
る。溶接ワイヤの突き出し量が増えているので、深部の
測定に際しても、溶接トーチの移動量は少なくて済む。
よって、従来技術のように、余分な溶接トーチの移動ス
トロークが不要となり、溶接トーチとその駆動装置の小
型化ができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態の一
例に係る溶接トーチの詳細図であり、基本的な構造は図
7に示したものと同じである。図1において、1は溶接
トーチ、2は溶接ワイヤ、3はガイドローラ、4は送給
ローラ、5はストレーナ、6は溶接チップ、7は給電タ
ーミナル、8はパワーケーブル、9はガスレンズ、10
はエンコーダローラ、11は押えローラである。
【0037】溶接トーチ中1には、ガイドローラ3に案
内されて溶接ワイヤ2が引き込まれ、送給ローラ4によ
って駆動されて送り出され、ストレーナ5で曲がりを矯
正された後、溶接チップ6を介して送り出される。スト
レーナ5と溶接チップ6の間には、給電ターミナル7が
設けられ、パワーケーブル8から供給される電流が、給
電ターミナル7を通して溶接ワイヤ2に供給される。ガ
イドローラ3群の入口には、エンコーダロール10と押
えロール11が設けられ、エンコーダロール10にはエ
ンコーダが接続されている。
【0038】エンコーダ部分の詳細図を図2に示す。以
下の図において、全出の図で説明したものと同じ構成要
素には同じ符号を付してその説明を省略する。図2にお
いて、12はエンコーダ(パルス発信器)、13は押え
スプリング、14は調整ねじ、15は溝である。溶接ワ
イヤ2は、押えロール11を介して、押えスプリング1
3によりエンコーダロール10に押し付けられ、溶接ワ
イヤ2とエンコーダロール10との間に滑りが起こらな
いようにされている。エンコーダロール10には、エン
コーダ12が直結されている。ワイヤ2が移動すると、
エンコーダロール10が回転し、その結果エンコーダか
らパルスが出力される。このパルスはパルスカウンタ
(図示せず)によりカウントされ、溶接ワイヤ2の送り
出し量及び引き込み量が測定される。
【0039】この実施の形態においては、溶接ワイヤ送
り量測定器であるエンコーダ12が溶接トーチ1内に設
けられている。溶接トーチ1内では、溶接ワイヤ2はガ
イドローラ3群に拘束されており、弛みが生じない。よ
って、溶接トーチ1内にエンコーダ12を取り付けるこ
とにより、溶接ワイヤ2の送り量を正確に測定すること
ができる。
【0040】また、押えローラ11は、押えスプリング
13によって付勢されているが、押えスプリング13の
押し付け力は、調整ねじ14によって調整可能となって
いる。調整ねじ14を調整することにより、溶接ワイヤ
の種類や直径に合わせて、最適な押し付け力を得ること
ができる。
【0041】さらに、エンコーダローラ10の外周に
は、V字型の溝15が設けられており、溶接ワイヤ2が
この溝15にはまり込むようになっている。よって、運
転中に、溶接ワイヤ2の位置が左右にずれ、押えロール
11から外れてしまうことがない。また、溝がV字型に
なっているので、溶接ワイヤの径が変わっても、確実に
エンコーダロール10との接触を保つことができる。こ
の溝は、押えロール11側に設けてもよい。
【0042】溶接ワイヤの送り出し方向を、溶接ワイヤ
送り量の正方向とし、溶接トーチが溶接対象物から離れ
る方向を溶接トーチZ方向位置の正方向とすると、溶接
ワイヤ先端部の相対位置は、(溶接トーチZ方向位置T
z)−(溶接ワイヤ送り出し量L)で表される。よっ
て、開先形状測定において、この式により計算される値
を溶接ワイヤ先端部の位置として形状測定を行えば、た
とえ測定の途中で溶接ワイヤの突き出し量が変化したよ
うな場合でも、測定に影響を与えず、正確な開先形状測
定が実施できる。
【0043】次に、本発明の実施の形態の一例である、
狭幅深開先形状の測定方法を図3を用いて説明する。図
3において、16は溶接対象物である。
【0044】図3において、溶接対象物16の表面位置
を測定するときは、溶接ワイヤ2の突き出し量を少なく
して溶接トーチ1上下させ、溶接ワイヤ2の先端が溶接
対象物16に接触したときの溶接トーチの位置Tzと溶
接ワイヤ送り量Lより、溶接対象物16の表面の相対位
置を(Tz−L)として算出する()(絶対位置は、
溶接ワイヤ突き出し量の絶対値が不明であるため測定で
きない。)。
【0045】開先深部を測定する場合は、溶接ワイヤ2
の突き出し量を所定量L’だけ増加させて、同様な測定
を行う()。そのときの溶接トーチ1の位置をTz’
とすれば、溶接ワイヤ2の送り量はL+L’となってい
るので、開先位置は(Tz’−L−L’)として計算で
きる。この方法によれば、溶接トーチ1位置を下げる代
わりに、溶接ワイヤ2の突き出し量を大きくしているの
で、溶接トーチ1が入り込むことができないような狭い
開先であっても形状を測定することができる。また、図
3と図9を比較すると分かるように、溶接トーチの移動
ストロークは、本発明に係る図3の方が、従来例である
図9に比して小さくなっている。よって、本発明におい
ては、溶接トーチとその駆動装置を従来の装置に対して
小型化できることが分かる。
【0046】また、本実施の形態においては、溶接ワイ
ヤの送り量を実測しているので、溶接における溶着量、
及び溶接ワイヤの残量を正確に把握することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、溶接ワイヤ送り量測定装置を有するので、これを利
用して開先形状を正確に把握することができ、かつ、溶
接トーチ及及びその駆動機構を大型化することなく狭幅
深開先の形状測定が可能であり、加えて、溶接における
溶着量、及び溶接ワイヤの残量を正確に把握することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例に係る溶接トーチの
詳細図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例に係るエンコーダ部
分の詳細図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例である狭幅深開先形
状の測定方法を示す図である。
【図4】自動溶接機の構成の例を示す図である。
【図5】自動溶接機の電気的な接続関係を示す図であ
る。
【図6】溶接ヘッドの詳細を示す図である。
【図7】従来の溶接トーチの詳細を示す図である。
【図8】タッチセンサを用いた従来の開先形状測定方法
を示す図である。
【図9】タッチセンサを用いた従来の狭幅深開先の場合
の開先形状測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 溶接トーチ 2 溶接ワイヤ 3 ガイドローラ 4 送給ローラ 5 ストレーナ 6 溶接チップ 7 給電ターミナル 8 パワーケーブル 9 ガスレンズ 10 エンコーダローラ 11 押えローラ 12 エンコーダ 13 押えスプリング 14 調整ねじ 15 溝 16 溶接対象物

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接ワイヤの送り量を測定する溶接ワイ
    ヤ送り量測定装置を有することを特徴とする自動溶接
    機。
  2. 【請求項2】 溶接ワイヤ送り量測定装置が、溶接トー
    チ内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の自動溶接機。
  3. 【請求項3】 溶接ワイヤ送り量測定装置が、溶接ワイ
    ヤに接触して回転するエンコーダロールに直結されたパ
    ルスエンコーダを発信器とすることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の自動溶接機。
  4. 【請求項4】 溶接ワイヤをエンコーダロールに押し付
    ける押えロールが設けられていることを特徴とする請求
    項3に記載の自動溶接機。
  5. 【請求項5】 押えロール固定端が調整可能なスプリン
    グによって、付勢力を与えられていることを特徴とする
    請求項4に記載の自動溶接機。
  6. 【請求項6】 押えロール周囲に、溶接ワイヤを挟み込
    む溝が設けられていることを特徴とする請求項4又は請
    求項5に記載の自動溶接機。
  7. 【請求項7】 エンコーダロールの周囲に、溶接ワイヤ
    を挟み込む溝が設けられていることを特徴とする請求項
    4又は請求項5に記載の自動溶接機。
  8. 【請求項8】 溝の形状がV字型であることを特徴とす
    る請求項6又は請求項7に記載の自動溶接機。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8に記載の自動溶接
    機において、開先形状を、溶接ワイヤ先端が溶接対象物
    に接触する位置を計測することにより測定する方法であ
    って、溶接ワイヤ先端位置をトーチ位置と前記ワイヤ送
    り量測定装置で測定した溶接ワイヤ送り量とから把握
    し、それに基づいて開先形状を測定することを特徴とす
    る自動溶接機における開先形状測定方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の自動溶接機における
    開先形状測定方法であって、開先斜面部の測定に際し、
    溶接ワイヤを、溶接対象物表面を測定するときより所定
    量突き出した状態で測定を行うことを特徴とする自動溶
    接機における開先形状測定方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101447205B1 (ko) * 2012-11-05 2014-10-07 (주)에이딕 케리지용 용접 토치
CN104526119A (zh) * 2015-01-04 2015-04-22 麦树雄 一种可稳定导出焊丝的方法及装置
JP2015093281A (ja) * 2013-11-08 2015-05-18 日立建機株式会社 溶接ワイヤ供給装置
CN107552922A (zh) * 2017-08-28 2018-01-09 新兴能源装备股份有限公司 一种小直径管模内壁堆焊用自动焊送丝装置
KR102176103B1 (ko) * 2019-09-18 2020-11-10 씨에스윈드(주) 서브머지드 아크 용접을 위한 와이어 공급 장치

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