JPH11179281A - 3ピース金属缶の内面補修方法 - Google Patents

3ピース金属缶の内面補修方法

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JPH11179281A
JPH11179281A JP35486197A JP35486197A JPH11179281A JP H11179281 A JPH11179281 A JP H11179281A JP 35486197 A JP35486197 A JP 35486197A JP 35486197 A JP35486197 A JP 35486197A JP H11179281 A JPH11179281 A JP H11179281A
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JP
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thermoplastic resin
coating
resin
corrosion resistance
piece
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JP35486197A
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English (en)
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Toru Inoue
井上  徹
Takashi Kawahara
隆志 川原
Hideo Kushima
栄雄 久嶋
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3ピース金属缶の溶接部内側に露出した鋼材
の端面部を完全に被覆することにより、高い防食性を付
与するための3ピース金属缶の内面補修方法の提供。 【解決手段】 3ピース金属缶の溶接部内側に熱可塑性
樹脂を加熱溶融させて塗布することを特徴とする3ピー
ス金属缶の内面補修方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属缶、特に溶接
工法で製造された3ピース金属缶の溶接部内側における
防錆用補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶は、内容物を選ばず経済的で、か
つ高耐久性およびリサイクル性に優れる等の利点を有す
ることから幅広い分野で使用され、国内での物流合理化
に大きな寄与を果たしている。金属缶用の鋼材として
は、例えば、ブリキ(板)、ティンフリースチール鋼が
従来から使用されている。上記鋼材から製造される金属
缶を腐食性のある内容物に対して適用する場合、その内
部に有機被膜(内面コート材)を施して防食するのが一
般的である。
【0003】前記金属缶は、通常、胴部1、天板部2およ
び地板部3から構成される、いわゆる「3ピース金属
缶」10である。3ピース金属缶10において、胴部の製造
方法の一例を図1に示す。図1を参照すると、前記金属
缶の胴部1の製造は、先ず、胴部用鋼材11を折り曲げる
かまたは丸めて、その両端部を互いに重ね合わせ、その
重ね合わせ部分(12)を接合することから成る。ここ
で、この胴部鋼材の接合方法によって、(a)接着工法
と(b)溶接工法とがある。接着工法(a)は、前記重
ね合わせ部分に接着剤を介して「ハゼ折り」と通常呼ば
れる折り返しをすることにより、接合部12を形成する。
この工法は、鋼材の両端部を互いに折り返すため、胴部
鋼材の両端部が露出することなく、かつ直接、内容物と
接触することもない。従って、この工法で製造された3
ピース金属缶は、腐食性の内容物を充填する場合には、
前記金属缶内部への内面コート材の適用によって、防食
性付与が達成できる。他方、溶接工法(b)としては、
成形方法によって、角缶溶接方式とエキスパンダー方式
があり、前者は、胴部鋼材のパネリングおよび折り曲げ
工程後に、鋼材両端部のシーム溶接(12)を行うものであ
り、後者は、胴部鋼材を先ず円筒形状とし、その状態で
シーム溶接(12)を行った後、成形およびパネリングを行
うものである。これらの工法で製造された3ピース金属
缶の内面にも、上記接着工法と同様に、防食用内面コー
ト材を施す。しかしながら、溶接工法で製造された3ピ
ース金属缶は、前記シーム溶接部内側に鋼材の端面が露
出しているため、内面コートだけでは、腐食性内容物に
対する十分な防食性を確保することができない。そこ
で、上記溶接工法(b)には、通常、前記シーム溶接部
12での防食性向上を目的として、通常、前記溶接部内側
に、「ニス塗り」工程と呼ばれる、防食塗料(溶剤型塗
料または粉体塗料)の塗装工程あるいは防食性テープの
貼着工程が含まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の防食性向上目的とした対策には、それぞれ問題点が存
在し、例えば、 (i)溶剤型塗料は、使用に適した粘度に調整した後で被
覆するため、厚塗りができず、1回の塗布で十分な防食
性を有する膜厚の塗膜が形成できない。あるいは、何回
も塗布することにより、厚塗りができるが、塗装工程が
長くなり、生産性が悪くなる。また、溶剤の使用は、火
災の危険性や作業環境の汚染を導く可能性がある。更
に、上記塗料の塗装は通常、スプレー塗装で行われる
が、塗布ミストがシーム部以外にも付着し、塗布部分を
最小限にすることが望まれている点を満足しない。 (ii)粉体塗料は、被塗部に塗装後、溶接部を局所加熱す
ることによって塗着した塗料を加熱し、溶融させて、被
膜を形成することから、塗装後の溶融時の粘度が高く、
鋼材溶接部を被覆するのに十分な厚さを確保することが
できる。しかしながら、粉体塗料は、完全にフローする
まで溶融するには高い熱量を必要とし、フローが不十分
であると、図2(i)に示すように完全に継ぎ目(シー
ム)を被覆することが難しく、結果として図2(ii)の
ように隙間(210)が生じる。また、粉体塗料は、塗装時
に、所望の被塗部以外の部分に付着した粉体粒子が、汎
用の加熱設備(溶接部のみ局所加熱方式)では十分に溶
融しないため、固着(硬化)することができず、その結
果、そのような固着しない不要な粉体粒子は、金属缶内
面との密着力が小さいために、金属缶内に内容物を充填
すると、該内容物と混合して汚染を生じることがある。
更に、粉体塗料の塗装は、粉末の飛散が起こり、塗装環
境を悪化させる。
【0005】(iii)一方、テープの使用は、上記問題点
をいずれも解決することができるが、シーム溶接部に貼
り合わせるための装置が複雑(例えば、テープカットか
ら、所定位置への的確な貼り合わせまでの繁雑な操作を
含む。)であり、またテープの価格も高いことから、生
産上の経済性に問題を来す。また、前記テープは、図2
(ii)に示すように、シーム溶接部12全体を隙間(210)
なく完全に被覆することが困難である。以上の問題点の
存在によって、上記の方法はいずれも、必ずしも有効な
対策にはなり得ていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の方
法に残されているこれらの問題を解決すべく鋭意研究の
結果、3ピース金属缶のシーム溶接部における新規な内
面補修方法を見い出した。本発明は、3ピース金属缶の
溶接部内側に熱可塑性樹脂を加熱溶融させて塗布するこ
とを特徴とする3ピース金属缶の内面補修方法である。
この補修方法において使用する前記熱可塑性樹脂は、環
球法による軟化点が120〜200℃で、且つ単一円筒回転粘
度計による200℃での溶融粘度が6000mPa・s以下である
ものである。本発明の方法を用いると、3ピース金属缶
の溶接部内側のみを確実に且つ経済的に被覆することが
できる。
【0007】さらに、本発明の方法では、その前記熱可
塑性樹脂の塗布において、従来公知のホットメルト接着
用塗布機を用いることが可能である。
【0008】
【発明の効果】本発明の補修方法では、熱可塑性樹脂含
有塗料をホットメルト塗装するため、従来公知の粉体塗
料のように、塗装後に加熱して樹脂を溶融する工程およ
び装置を要しない。また、本発明の方法で塗装された熱
可塑性樹脂は、溶融状態であるため、所望のシーム溶接
部に広がるため、1回の塗装で、該溶接部を隙間なく被
覆でき(図2(i)参照)、かつ防食性を付与するのに
十分な厚さの被膜を形成することができる。本発明の補
修方法を適用すると、3ピース金属缶の溶接部内側に露
出した鋼材の端面部を完全に被覆することができ、かつ
従来の補修方法における問題点を解決した、防食性良好
な金属缶を提供することができる。従って、本発明の方
法で補修した3ピース金属缶は、塩分や酸成分を含む腐
食性の内容物の充填にも好適である。更に、近年、充填
作業性の向上を目的として採用されている高温充填にも
対応可能であり、合理性の点から多用されているかかる
3ピース金属缶の更なる用途拡大も可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、3ピース金属缶の溶接
部内側に熱可塑性樹脂を加熱溶融させて塗布することを
特徴とする3ピース金属缶の内面補修方法に関する。本
発明で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リスチレン樹脂等が挙げられる。上記樹脂の中でも、特
に、3ピース金属缶中に導入される内容物が、安全性の
重視される食品等である場合には、ポリアミド樹脂が、
また、その内容物が高い溶解性を有する溶剤等場合に
は、湿気硬化性のポリウレタン樹脂が好適である。
【0010】本発明において適した熱可塑性樹脂は、環
球法による軟化点が120〜200℃で、且つ単一円筒回転粘
度計による200℃での溶融粘度が6000mPa・s以下である
ことを特徴とする。上記熱可塑性樹脂において、環球法
による軟化点が120℃以下の場合、内容物を3ピース金
属缶に高温状態で充填すると、前記熱可塑性樹脂が軟化
してシーム溶接部から剥離することがある。また、前記
樹脂の軟化点が200℃を超えると、前記樹脂を塗布する
際の溶融温度を高く設定する必要があるため、前記樹脂
自体の熱安定性および作業環境の温度変化による作業性
の低下を引き起こすことがある。上記熱可塑性樹脂の単
一円筒回転粘度計による溶融粘度が6000mPa・sを超える
と、塗布直後の流動性が不十分なために、3ピース金属
缶用胴部鋼材のシーム溶接部全体に広がらない。その結
果、前記樹脂による接合部の被覆が不十分となることか
ら、高耐食性が発揮されない。
【0011】本発明において、使用される前記熱可塑性
樹脂は、金属缶内面に塗装された内面コート材と、十分
な密着性が得られるように選択することが好ましい。前
記内面コート材は、当該分野において既知の塗料であっ
てよく、例えば、ポリエステル系、エポキシフェノール
系の塗料が挙げられるが、本発明は、これらに限定され
るものではない。
【0012】本発明において使用する前記熱可塑性樹脂
は、塗装および得られる被膜の特性を高めるために、当
該分野において公知の任意の添加物および助剤(例え
ば、可塑剤、充填剤、硬化剤、顔料等)および/または
溶剤を含んでいてもよい。
【0013】本発明に於いて、前記熱可塑性樹脂を胴部
鋼材のシーム溶接部に溶融塗布する方法としては、何ら
特殊な装置を必要とせず、一般的に入手可能なホットメ
ルト型接着剤用の塗布機が使用できる。
【0014】本発明の方法において、熱可塑性樹脂を塗
布する工程は、接合部の溶接後であればどの時点に設定
されてもよいが、特に、塗布された熱可塑性樹脂の金属
缶素材への濡れ性確保が容易である点から、溶接直後で
あって、かつ被塗対象である溶接部が余熱を有する時点
に設定するのが最も好ましい。
【0015】
【実施例】以下に実施例および比較例を用いて本発明を
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。ただし、以下の実施例において、使用した樹脂
についての環球法による軟化点は、JIS K-7234に、およ
び単一円筒回転粘度計による200℃での溶融粘度は、JIS
K-6862に準じて測定した。実施例1 胴部用鋼材として、ポリエステル系の内面コート材を塗
布したティンフリースチールを用いた。この鋼材を、通
常のシーム溶接機を用いて容量18Lの3ピース金属缶の
胴部を成型し、その直後に、環球法による軟化点が145
℃および単一円筒回転粘度計による200℃での溶融粘度
が200mPa・sのポリアミド樹脂を、ホットメルト接着剤
用塗布機により、前記胴部の溶接部内側に均一に塗布し
た。放冷後、胴部の溶接線を中心とし、その両側約20mm
の一で切断して、耐食性評価用の試験片を作製した。
【0016】評価方法 以下の手順で、耐食性(醤油中または食酢中に浸漬)お
よび密着性を試験した。試験結果を表1に示す。 (1)耐食性試験 40℃に保持した醤油中または食酢中に上記で作製した評
価用試験片を1カ月間浸漬した後、試験片外観を目視観
察し、以下の評価基準に基づいて評価した。評価基準 ○:発錆無し △:一部発錆有り ×:全面発錆有り
【0017】(2)密着性試験(マンドレル試験) 上記試験片の裏側(熱可塑性樹脂で被覆されていない
側)において、溶接線に対して直角となるように直径20
mmの金属棒を当て、90度折り曲げを行い、内面コート材
からの熱可塑性樹脂の剥離の有無を目視観察し、以下の
評価基準に基づいて評価した。評価基準 ○:塗膜剥離無し △:一部塗膜剥離有り ×:全面塗膜剥離有り
【0018】実施例2 胴部用鋼材として、ポリエステル系の内面コート材を塗
布したティンフリースチールを用いた。この鋼材を、通
常のシーム溶接機を用いて容量18Lの3ピース金属缶の
胴部を成型し、その直後に、環球法による軟化点が170
℃および単一円筒回転粘度計による200℃での溶融粘度
が5800mPa・sのポリアミド樹脂を、ホットメルト接着剤
用塗布機により、前記胴部の溶接部内側に均一に塗布し
た。放冷後、実施例1と同様にして耐食性評価用の試験
片を作製した。この試験方について、実施例1と同様の
方法で耐食性および密着性を評価した。結果を表1に示
す。
【0019】実施例3 内面コート材としてエポキシフェノール系の塗料を塗装
したこと以外は、実施例1と同様にして、溶接および溶
接部内側へのポリアミド樹脂塗布を行った。その後、耐
食性評価用の試験片を作製し、実施例1と同様にして耐
食性および密着性を評価した。結果を表1に示す。
【0020】実施例4 胴部用鋼材として、ポリエステル系の内面コート材を塗
布したティンフリースチールを用いた。この鋼材を、通
常のシーム溶接機を用いて容量18Lの3ピース金属缶の
胴部を成型した。環球法による軟化点が180℃のポリア
ミド樹脂をホットメルト接着剤用塗布機の溶融タンクに
仕込み、溶融粘度が5500mPa・sとなる温度(230℃)で7
時間保持した後、再度、溶融粘度を測定し、5800mPa・s
であることを確認した後、前記鋼材の溶接部内側に均一
に塗布した。 放冷後、耐食性評価用の試験片を作製
し、実施例1と同様にして耐食性および密着性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0021】実施例5 胴部用鋼材として、ポリエステル系の内面コート材を塗
布したティンフリースチールを用いた。この鋼材を、通
常のシーム溶接機を用いて容量18Lの3ピース金属缶の
胴部を成型した。環球法による軟化点が160℃および単
一円筒回転粘度計による200℃での溶融粘度が2000mPa・
sの湿気硬化型ポリウレタン樹脂を、ホットメルト接着
剤用塗布機により前記鋼材の溶接部に均一に塗布した
後、超音波加湿器にを用いて3分間水蒸気を当てた。常
温、常湿で24時間経過したのち前記鋼材から溶接部を切
り出して試験片とした。
【0022】上記試験片について、実施例1と同様の手
順で、耐食性(醤油中または食酢中に浸漬)および密着
性を試験した。更に、上記試験片について、耐溶剤性評
価も併せて行った。結果を表1に示す。 (3)耐溶剤性試験 上記試験片を、40℃に保持したトルエン/メチルエチル
ケトン混合溶剤(混合比=1:1)中に、72時間浸漬し
た。その後、試験片外観を目視観察した。
【0023】本実施例で得られた試験片は、優れた耐食
性、密着性および耐溶剤性を示した。
【0024】実施例6 実施例1で作製したものと同様の胴部用鋼材の溶接部内
側に、環球法による軟化点が180℃および単一円筒回転
粘度計による200℃での溶融粘度が8000mPa・sのポリエ
ステル樹脂を、実施例1と同様の方法で溶融塗布した。
放冷後、実施例1に記載の手順で耐食性評価用の試験片
を作製した。この試験方について、実施例1と同様にし
て耐食性および密着性を評価した。結果を表1に示す。
その結果、本実施例で得られたポリエステル樹脂で被覆
した試験片は、溶接部と前記ポリエステル樹脂被膜の間
に隙間が観られ、被覆は不十分であったが、耐食性試験
および密着性試験の結果は、現状の公知の溶剤型塗料と
同レベルであることが分かった。
【0025】実施例7 胴部用鋼材として、ポリエステル系の内面コート材を塗
布したティンフリースチールを用いた。この鋼材を、通
常のシーム溶接機を用いて容量18Lの3ピース金属缶の
胴部を成型した。環球法による軟化点が200℃のポリア
ミド樹脂をホットメルト接着剤用塗布機の溶融タンクに
仕込み、溶融粘度が5000〜6000mPa・sとなる温度(240
℃)で7時間保持した後、再度、溶融粘度を測定し、115
00mPa・sであることを確認した後、前記鋼材の溶接部内
側に均一に塗布した。放冷後、耐食性評価用の試験片を
作製し、実施例1の記載と同様にして耐食性および密着
性を評価した。結果を表1に示す。本実施例では、前記
ポリアミド樹脂の均一な塗布は困難な状態であったが、
耐食性試験および密着性試験の結果は現状の公知の溶剤
型塗料と同レベルであることが分かった。
【0026】比較例1 実施例1と同様にして作製した3ピース金属缶用胴部の
溶接部内側に、何ら補修被覆を施さなかったこと以外
は、実施例1と同様にして、試験片を作製した。その
後、実施例1と同様の手順で耐食性および密着性を評価
した。結果を表1に示す。
【0027】比較例2 実施例1と同様にして作製した3ピース金属缶用胴部の
溶接部内側に、環球法による軟化点が135℃の粉体塗料
を静電塗装し、塗装部を200℃で3分間加熱して溶融し、
固化させた。放冷後、試験片を作製し、実施例1の記載
と同様にして耐食性および密着性を評価した。結果を表
1に示す。本実施例で得られた試験片は、優れた耐食性
および密着性を示した。しかしながら、溶接部から離れ
た箇所に点状に付着した粉体塗料粒子は、指で擦ると容
易に脱離した。これは、加熱が局所的であるために、そ
の塗料粒子が完全に溶融して固化しなかったためと考え
られる。
【0028】比較例3 実施例1と同様にして作製した3ピース金属缶用胴部の
溶接部内側に、ウレタン変性エポキシ樹脂を主成分とす
る溶剤型塗料を60mPa・sに粘度調整した後、通常のエア
レス塗装機を用いて塗装し、120℃の雰囲気下で3分間乾
燥した。塗膜作製後、試験片を作製し、実施例1の記載
と同様にして耐食性および密着性を評価した。結果を表
1に示す。
【0029】得られたウレタン変性エポキシ樹脂の被覆
膜厚は30μmであったが、これ以上厚い被膜は形成でき
なかった。
【0030】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】3ピース金属缶10の製造における模式的な工程
流れ図を示す。
【図2】本発明の方法により被覆したシーム溶接部
(i)および従来法により被覆されたシーム溶接部(i
i)に対応する模式的な断面図をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1…胴部、2…天板部、3…地板部、10…3ピース金
属缶、11…胴部用鋼材、12…胴部用鋼材の接合部、
20…本発明で使用する熱可塑性樹脂から成る被膜、2
00…従来公知の粉体塗膜または防食用テープ、210
…隙間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3ピース金属缶の溶接部内側に熱可塑性
    樹脂を加熱溶融させて塗布することを特徴とする3ピー
    ス金属缶の内面補修方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂として、環球法による
    軟化点が120〜180℃で、且つ200℃での単一円筒回転粘
    度計による溶融粘度が6000mPa・s以下である樹脂を使用
    することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂の塗布において、ホッ
    トメルト接着用塗布機を用いることを特徴とする請求項
    1または2記載の方法。
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