JPH11177171A - パルスガスレーザ装置 - Google Patents

パルスガスレーザ装置

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JPH11177171A
JPH11177171A JP36296797A JP36296797A JPH11177171A JP H11177171 A JPH11177171 A JP H11177171A JP 36296797 A JP36296797 A JP 36296797A JP 36296797 A JP36296797 A JP 36296797A JP H11177171 A JPH11177171 A JP H11177171A
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JP
Japan
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capacitor
circuit
main discharge
preliminary
switch
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Application number
JP36296797A
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English (en)
Inventor
Akira Senbayashi
暁 千林
Shigeru Kato
茂 加藤
Tamotsu Kawakita
有 川北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気パルス圧縮回路方式の主放電回路の一部
を予備電離回路に共用し、しかも予備電離回路に複雑な
遅延手段や昇圧手段を設けることを不要にして、装置構
成の簡略化を図る。 【解決手段】 磁気パルス圧縮回路方式の主放電回路2
2の中間段の中間コンデンサ60に、インダクタ70を
介して予備電離用コンデンサ72を並列に接続し、かつ
この予備電離用コンデンサ72に、磁気スイッチ74を
介して予備電離器10を並列に接続し、これによって予
備電離回路38aを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気パルス圧縮
回路方式の主放電回路と、コロナ放電方式の予備電離器
とを備える放電励起形のパルスガスレーザ装置に関し、
典型的には同形のエキシマレーザ装置に関し、より具体
的には、主放電回路の一部を予備電離回路に共用して装
置構成の簡略化を図る手段に関する。
【0002】
【従来の技術】パルスガスレーザ装置において、装置の
寿命を決定する大きな要因として、予備電離器が挙げら
れる。従来は、ピンギャップアーク放電を用いる予備電
離器が用いられていたが、この方式では予備電離電極間
の通電量が大きく電極の消耗が大きいため、予備電離器
の寿命が短いという課題があった。
【0003】この寿命の課題を解決するものとして、コ
ロナ放電を用いる予備電離器が実用化され始めている。
そのようなコロナ放電を用いる予備電離器を備えるパル
スガスレーザ装置の主電極および予備電離器周りの一例
を図2に示す。
【0004】一対の例えば半円柱状をした主電極2、4
が互いに一定の間隙をあけて相対向するように配置され
ており、この主電極2、4間の主放電空間6の左右の少
なくとも片側(この例では両側)の近傍に予備電離器1
0が配置されている。主放電空間6には、レーザガス
(例えばエキシマレーザの場合はKr等の希ガスとF2
等のハロゲンガスとの混合ガス)が供給される。各予備
電離器10は、この例では、板状の誘電体14を挟ん
で、線状または棒状のコロナ開始電極12と板状の背後
補助電極16とを配置した構造をしている。
【0005】主電極2、4間の主放電の点灯の直前まで
に、コロナ開始電極12と背後補助電極16間に予備電
離用のパルス電圧を印加すると、誘電体14のコロナ開
始電極12側の面に、コロナ開始電極12を始点として
沿面コロナ放電18が発生して、このコロナ放電18の
発光によって主放電空間6のレーザガスが弱電離(予備
電離)されて初期電子が発生する。このとき、主電極
2、4間に主放電用のパルス電圧を印加すると、両主電
極2、4間の主放電空間6に均一な主放電が発生し、こ
の主放電によって主放電空間6のレーザガスが励起され
てレーザ光8が発生する。
【0006】このような予備電離器10は、従来のアー
ク放電を用いるものよりも通電電流が小さくて済み、そ
の電極の寿命、ひいては当該予備電離器10の寿命が大
幅に増加するという特長を有している。
【0007】上記のようなパルスガスレーザ装置の従来
の電気回路の一例を図3に示す。この回路は、主電極
2、4とそれに主放電用のパルス電圧を供給する電源回
路から成る主放電回路22と、予備電離器10とそれに
予備電離用のパルス電圧を供給する電源回路から成る予
備電離回路38から成る。
【0008】主放電回路22は、この例では容量移行形
のものであり、互いに直列接続された1次コンデンサ2
8およびスイッチ26を主電極2、4間に接続し、かつ
2次コンデンサ30を主電極2、4間に接続した構成を
している。スイッチ26に並列に、1次コンデンサ28
の充電用の高圧の充電電源(例えばパルス電源)24を
接続している。1次コンデンサ28と主電極2間には回
路インダクタンス32、34が存在する。36は充電用
インダクタンスである。スイッチ26は例えばサイラト
ロンである。
【0009】予備電離回路38は、互いに直列接続され
たコンデンサ44およびスイッチ42をコロナ開始電極
12と背後補助電極16間に接続した構成をしている。
スイッチ42に並列に、コンデンサ44の充電用の高圧
の充電電源(例えばパルス電源)40を接続している。
46は波形整形インピーダンスである。スイッチ42は
例えばサイラトロンである。
【0010】主放電回路22の動作を説明すると、1次
コンデンサ28に予め充電電源24から充電用インダク
タンス36を通して初期電圧が充電される。その後、ス
イッチ26をオンすると1次コンデンサ28の初期電荷
が2次コンデンサ30へ流入し、この2次コンデンサ3
0の電圧が主電極2、4間に印加される。1次コンデン
サ28から2次コンデンサ30への電荷移行がほぼ終了
した時刻において、2次コンデンサ30の有する電圧に
よって主電極2、4間が絶縁破壊して主放電空間6に主
放電が開始され、レーザ光8が励起される。
【0011】予備電離回路38の動作を説明すると、コ
ンデンサ44に予め充電電源40から波形整形インピー
ダンス46を通して初期電圧が充電される。その後、主
電極2、4間の上記絶縁破壊の直前までにスイッチ42
をオンすると、コンデンサ44の電圧がコロナ開始電極
12と背後補助電極16間に印加され、それによって誘
電体14の表面にコロナ放電18(図2参照)が発生
し、主放電空間6のレーザガスの予備電離が行われる。
【0012】図4は、充電電源24およびスイッチ26
を、主放電回路22と予備電離回路38とに共用した例
を示す。このようにすれば、充電電源および放電開始用
のスイッチが1組で済み、装置構成が大幅に簡略化され
る。なお、この場合は、1次コンデンサ28と予備電離
用コンデンサ44の充電電圧およびスイッチングのタイ
ミングは、互いに同電圧および同時となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】主放電開始のための上
記スイッチ26には前述したようにサイラトロンが用い
られるが、近年は、スイッチの寿命、メインテナンスの
容易さ等から、サイリスタ等の半導体素子をスイッチと
して用いる試みが成されている。
【0014】しかしながら、現状では、サイラトロンに
取って代わるほどの良好なスイッチング特性(例えば通
電電流や電流立ち上がり特性)を有する半導体素子はな
く、従って半導体素子を上記スイッチに用いるために
は、磁気パルス圧縮(MPC)回路を併用する必要があ
る。そのようにした例を図5に示す。
【0015】この図5の例は、充電電源50および放電
開始用のスイッチ52を主放電回路22と予備電離回路
38とに共用しており、図4の例に対応するものであ
る。予備電離回路38は図4の例と実質的に同じ構成で
あるので重複説明を省略する。
【0016】主放電回路22は、磁気パルス圧縮回路方
式のものであり、高圧の充電電源(例えばパルス電源)
50を初期コンデンサ58を介して昇圧パルストランス
56の1次巻線に接続し、充電電源50に並列にスイッ
チ52を接続している。54は時定数調整インダクタン
スである。スイッチ52は例えばサイリスタ等の半導体
スイッチ(これは固体スイッチとも呼ばれる)である。
昇圧パルストランス56の2次巻線と主電極2、4との
間には、この例では二つの中間コンデンサ59および6
0、最終段コンデンサ61ならびに二つの磁気スイッチ
64および66が梯子形(ラダー形)に接続されてい
る。34は前述した回路インダクタンスである。このよ
うな構成によってこの主放電回路22は磁気パルス圧縮
回路を形成している。
【0017】この主放電回路22の動作を説明すると、
初期コンデンサ58に予め充電電源50から時定数調整
インダクタンス54および昇圧パルストランス56の1
次巻線を通して初期電圧が充電される。その後、スイッ
チ52をオンすると初期コンデンサ58の電荷が昇圧パ
ルストランス56を通じて中間コンデンサ59に流入し
て中間コンデンサ59が充電される。ここで、時定数調
整インダクタンス54は、中間コンデンサ59へのパル
ス充電の時定数を増加させ、スイッチ52に過大な電流
が流れるのを防止するためのものであり、昇圧パルスト
ランス56は、初期コンデンサ58への充電電圧を小さ
なもので済ませてスイッチ52に加わる電圧を低下させ
るためのものであり、両者54、56は、スイッチ52
が半導体スイッチの場合はそれの負担を軽減する目的で
通常は設けられる。
【0018】初期コンデンサ58から中間コンデンサ5
9への電荷移行の終了時点付近において、中間コンデン
サ59への充電電圧の時間積(いわゆるV−t積)に応
じて磁気スイッチ64が飽和し(即ちオンし)、中間コ
ンデンサ59から中間コンデンサ60への電荷移行が開
始される。このときの時定数は、初期コンデンサ58か
ら中間コンデンサ59への電荷移行の時定数よりも小さ
く設定されており、電流パルスが圧縮される。この例で
は、更に磁気スイッチ66を用いてパルス圧縮をかける
2段圧縮方式を採用しており、最終的には中間コンデン
サ60から最終段コンデンサ61への電荷移行がほぼ終
了した時点で主電極2、4間が絶縁破壊し、レーザ発振
に至る。
【0019】ところが、装置構成の簡略化のために、こ
の例のように充電電源50およびスイッチ52を主放電
回路22と予備電離回路38とに共用すると、次のよう
な課題が生じる。
【0020】 主放電回路22に磁気パルス圧縮回路
方式を採用しているため、スイッチ52のオンと主電極
2、4間のレーザ発振(主放電)との間に大きな(例え
ば約10μs程度の)時間差(遅延時間)が生じ、予備
電離器10による予備電離と主電極2、4間の主放電と
のタイミングを取る(例えば予備電離を主放電よりも1
00ns〜200ns程度早くする)ために、予備電離
回路38(例えばそのライン68)に遅延手段を設ける
必要があり、その分、装置構成が複雑化する。特にこの
遅延手段は、上記のような大きな遅延時間を実現する必
要があるため、主放電回路22とほぼ同様の磁気パルス
圧縮回路で構成する等、構成が複雑なものとなる。
【0021】 スイッチ52の保護の目的のために昇
圧パルストランス56を用いて初期コンデンサ58の初
期充電電圧、即ち充電電源50の出力電圧を下げている
ため、予備電離用コンデンサ44の充電電圧ひいては予
備電離器10に印加する予備電離用のパルス電圧が低
く、予備電離器10に対して予備電離に必要なパルス電
圧を供給するためには、予備電離回路38(例えばその
ライン68)に何らかの昇圧手段を設ける必要があり、
この理由からも装置構成が複雑化する。
【0022】このおよびの課題の発生を避けるため
に上記充電電源50およびスイッチ52の共用を止める
と、それらを共用する利点が失われるのでやはり装置構
成が複雑化する。
【0023】そこでこの発明は、磁気パルス圧縮回路方
式の主放電回路の一部を予備電離回路に共用し、しかも
予備電離回路に複雑な遅延手段や昇圧手段を設けること
を不要にして、装置構成の簡略化を図ることを主たる目
的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明のパルスガスレ
ーザ装置は、前記主放電回路の中間段のコンデンサに、
インダクタを介して予備電離用コンデンサを並列に接続
し、かつこの予備電離用コンデンサに、磁気スイッチを
介して前記予備電離器を並列に接続して成る予備電離回
路を備えることを特徴としている。
【0025】上記構成によれば、磁気パルス圧縮回路方
式の主放電回路の中間段のコンデンサに移行する電荷の
一部は、予備電離回路のインダクタを通して予備電離用
コンデンサにも移行して当該コンデンサを充電する。そ
して予備電離回路の磁気スイッチが飽和すると、この予
備電離用コンデンサから当該磁気スイッチを経由して予
備電離器にパルス電流が流れ、予備電離が行われる。
【0026】この構成によれば、主放電回路の中間段の
コンデンサから前段側の回路を予備電離回路にも利用し
ているので、装置構成の大幅な簡略化を図ることができ
る。
【0027】しかも、予備電離回路は主放電回路の中
間段のコンデンサに移行する電荷の分岐を受けるので、
予備電離回路に複雑な遅延手段を設けなくても、予備電
離と主放電との間の必要なタイミングを取ることができ
る。また、主放電回路に昇圧パルストランスを用いて
初期充電電圧を低下させている場合でも、予備電離回路
は上記中間段のコンデンサに移行する電荷の分岐を受け
るので、予備電離回路に昇圧手段を設ける必要はない。
従ってこのおよびの理由からも、装置構成の簡略化
を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係るパルスガ
スレーザ装置の電気回路の一例を示す図である。図2〜
図5に示した例と同一または相当する部分には同一符号
を付し、以下においてはそれらとの相違点を主に説明す
る。
【0029】このパルスガスレーザ装置は、図5に示し
た例と同様の、磁気パルス圧縮回路方式の主放電回路2
2を備えている。この主放電回路22の構成および作用
は、前記と同様であるのでここでは重複説明を省略す
る。
【0030】この実施例では、この主放電回路22のパ
ルス圧縮用の中間段のコンデンサ、即ち初期コンデンサ
58および最終段コンデンサ61以外の中間コンデンサ
59および60の内の後段側の中間コンデンサ60に、
インダクタ70を介して予備電離用コンデンサ72を並
列に接続している。かつこの予備電離用コンデンサ72
に、磁気スイッチ74を介して前述した予備電離器10
を並列に接続している。即ちこの例では、予備電離用コ
ンデンサ72の一端(インダクタ70との接続端)に磁
気スイッチ74を介して予備電離器10の背後補助電極
16を接続し、予備電離用コンデンサ72の他端(接地
端)に予備電離器10のコロナ開始電極12を接続して
いる。このような構成によって予備電離回路38aを形
成している。なお、予備電離器10のコロナ開始電極1
2と背後補助電極16との間には、必要に応じて、従来
例と同様に波形整形インピーダンス46が並列に接続さ
れる。
【0031】動作を説明すると、主放電回路22の初期
コンデンサ58から中間コンデンサ59への電荷移行の
終了時点付近において磁気スイッチ64が飽和し、中間
コンデンサ59から中間コンデンサ60への電荷移行が
開始される。この電荷移行の過程において、中間コンデ
ンサ59から中間コンデンサ60へ移行する電荷の一部
は、予備電離回路38aのインダクタ70を通して予備
電離用コンデンサ72にも移行して当該コンデンサ72
を充電する。そして、中間コンデンサ60への電荷移行
の終了時点付近で磁気スイッチ66が飽和し、主放電回
路22では中間コンデンサ60から最終段コンデンサ6
1への電荷移行に移るけれども、この磁気スイッチ66
の飽和付近の時刻において予備電離回路38aの磁気ス
イッチ74も飽和し、予備電離用コンデンサ72から当
該磁気スイッチ74を経由して予備電離器10にパルス
電流が流れ、この予備電離器10による前述した主放電
空間6(図2参照)のレーザガスの予備電離が行われ
る。
【0032】ここで、インダクタ70は、予備電離器1
0への印加電圧を調整すると共に、磁気スイッチ66と
磁気スイッチ74の飽和時に予備電離回路38aと主放
電回路22との間の電気絶縁をある程度確保する作用を
する。磁気スイッチ66と74の飽和時に、中間コンデ
ンサ60および予備電離用コンデンサ72の電荷が互い
に流入するのを十分に制限するためには、インダクタ7
0のインダクタンスは、磁気スイッチ66および74の
飽和時のインダクタンスの10倍程度以上にするのが好
ましい。しかしあまり大きくすると中間コンデンサ59
から予備電離用コンデンサ72への電荷移行を遅らせ、
磁気スイッチ66の飽和時までに十分な電荷がコンデン
サ72へ充電されないことになるので、20倍〜50倍
程度がより好ましい。
【0033】磁気スイッチ74の飽和時刻は、磁気スイ
ッチ66の飽和時刻と原則的には同時刻に設定すべきで
あり、そのようにすれば、中間コンデンサ60と予備電
離用コンデンサ72間で電荷が互いに流入するのをより
少なくして損失がより少なくなるけれども、予備電離器
10による予備電離と主電極2、4間の主放電との間の
タイミングを調整するために、磁気スイッチ66に対し
て磁気スイッチ74の飽和時刻を若干早くしても良いし
遅くしても良い。この予備電離と主放電のタイミング
は、実験によれば、予備電離を主放電よりも例えば10
0ns〜200ns程度早くするのが好ましく、そのよ
うにすればより大きな予備電離効果が得られる。
【0034】このパルスガスレーザ装置においては、主
放電回路22のパルス圧縮用の中間コンデンサ60から
前段側の回路を予備電離回路38aにも利用しているの
で、即ち前述した充電電源50、スイッチ52を含む充
電電源50から中間コンデンサ60までの回路を主放電
回路22と予備電離回路38aとで共用しているので、
装置構成の大幅な簡略化を図ることができる。
【0035】しかも、予備電離回路38aは主放電回路
22の中間コンデンサ59から中間コンデンサ60に移
行する電荷の分岐を受けるので、予備電離回路38aに
複雑な遅延手段を設けなくても、予備電離と主放電との
間の必要なタイミングを取ることができる。これを詳述
すると、前述したスイッチ52のオンから主電極2、4
間の主放電までの約10μs程度という遅延時間の内訳
は、初期コンデンサ58から中間コンデンサ59への電
荷移行に要する時間が約5μs〜10μs、中間コンデ
ンサ59から中間コンデンサ60への電荷移行に要する
時間が約1μs、中間コンデンサ60から最終段コンデ
ンサ61への電荷移行に要する時間が約200ns〜3
00nsということである。ところがこの遅延時間の大
半を占める初期コンデンサ58から中間コンデンサ59
への電荷移行に要する時間は、この実施例では中間コン
デンサ60よりも前段側を共用していて主放電回路22
側と予備電離回路38a側とに等しく加算されるので、
図5の例の場合と違って、予備電離回路38aに複雑な
遅延手段を設けなくても予備電離と主放電との間の必要
なタイミングを簡単に取ることができる。
【0036】更にこの実施例のように、主放電回路22
に昇圧パルストランス56を用いて初期コンデンサ58
への初期充電電圧を低下させて半導体スイッチ等から成
るスイッチ52の負担を軽減させている場合でも、予備
電離回路38aは昇圧パルストランス56による昇圧後
の電圧を利用するので、図5の例の場合と違って、予備
電離回路38aに昇圧手段を設ける必要はない。
【0037】このようにこの実施例では、予備電離回路
38aに昇圧手段や遅延手段を設ける必要がないので、
この理由からも、装置構成の簡略化を図ることができ
る。
【0038】なお、予備電離回路38aは、上記中間コ
ンデンサ60以外に接続しても良い。例えば、それより
も一つ前の中間コンデンサ59に接続しても良いし、中
間段のコンデンサが図1の実施例よりも多くある場合は
どの中間段のコンデンサに接続しても良い。また最終段
コンデンサ61に接続しても良い。しかしながらこの実
施例のように、最終段コンデンサ61のすぐ前段にある
中間コンデンサ60に予備電離回路38aを(即ちイン
ダクタ70および予備電離用コンデンサ72を)接続す
るのが最も好ましく、そのようにすれば、予備電離器1
0による予備電離と主電極2、4間の主放電との間の前
述したようなタイミング(即ち予備電離を主放電よりも
100ns〜200ns程度早くするのが好ましいとい
うタイミング)を簡単に実現することができる。これ
は、中間コンデンサ60以降の主放電回路22の構成と
中間コンデンサ60以降の予備電離回路38aの構成と
の主な差は最終段コンデンサ61であり、この最終段コ
ンデンサ61への電荷移行に要する時間(これは例えば
前述したように200ns〜300ns程度)はうまい
具合に上記タイミングの値に近く、この時間を利用する
ことによって上記タイミングを簡単に実現することがで
きるからである。
【0039】また、予備電離器10は、管状または筒状
の誘電体14の表面近傍に線状または棒状のコロナ開始
電極12を設け、かつこの誘電体14内に棒状の背後補
助電極16を設けた構造のものでも良い。
【0040】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、磁気パ
ルス圧縮回路方式の主放電回路の中間段のコンデンサか
ら前段側の回路を予備電離回路にも利用しているので、
装置構成の大幅な簡略化を図ることができる。しかも、
予備電離回路は主放電回路の中間段のコンデンサに移行
する電荷の分岐を受けるので、予備電離回路に複雑な遅
延手段を設けなくても、予備電離と主放電との間の必要
なタイミングを取ることができる。また同じ理由から、
予備電離回路に昇圧手段を設ける必要もない。従ってこ
れらの理由からも、装置構成の簡略化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパルスガスレーザ装置の電気回
路の一例を示す図である。
【図2】パルスガスレーザ装置の主電極および予備電離
器周りの一例を示す断面図である。
【図3】従来のパルスガスレーザ装置の電気回路の一例
を示す図である。
【図4】従来のパルスガスレーザ装置の電気回路の他の
例を示す図である。
【図5】磁気パルス圧縮回路方式の主放電回路を備える
パルスガスレーザ装置の電気回路の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
2、4 主電極 10 予備電離器 22 主放電回路 38a 予備電離回路 58〜61 コンデンサ 64、66 磁気スイッチ 70 インダクタ 72 予備電離用コンデンサ 74 磁気スイッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の主電極間で主放電を発生させてレ
    ーザ光を発生させる回路であって、複数のコンデンサお
    よび1以上の磁気スイッチを用いて主電極間に印加する
    パルスを圧縮する磁気パルス圧縮回路方式の主放電回路
    と、コロナ放電を発生させて主電極間のレーザガスを予
    備電離する予備電離器とを備えるパルスガスレーザ装置
    において、前記主放電回路の中間段のコンデンサに、イ
    ンダクタを介して予備電離用コンデンサを並列に接続
    し、かつこの予備電離用コンデンサに、磁気スイッチを
    介して前記予備電離器を並列に接続して成る予備電離回
    路を備えることを特徴とするパルスガスレーザ装置。
JP36296797A 1997-12-11 1997-12-11 パルスガスレーザ装置 Pending JPH11177171A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022123714A1 (ja) * 2020-12-10 2022-06-16 ギガフォトン株式会社 ガスレーザ装置及び電子デバイスの製造方法

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