JPH11175681A - 携帯可搬電子データ担体 - Google Patents

携帯可搬電子データ担体

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JPH11175681A
JPH11175681A JP9342602A JP34260297A JPH11175681A JP H11175681 A JPH11175681 A JP H11175681A JP 9342602 A JP9342602 A JP 9342602A JP 34260297 A JP34260297 A JP 34260297A JP H11175681 A JPH11175681 A JP H11175681A
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JP
Japan
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data carrier
electronic data
portable electronic
diagnostic
irreversible
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JP9342602A
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English (en)
Inventor
Koji Ban
弘司 伴
Masaaki Tanno
雅明 丹野
Tadao Takeda
忠雄 竹田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部から過度の刺激を受けた場合にその履歴
を記録・表示する。 【解決手段】 ICカード1の裏面にアルミニウム箔か
らなるマイクロ波診断マーク3を貼り付け、LSIが実
装されている電極2の裏側に感圧シートからなる圧力診
断マーク4を貼り付ける。100℃、110℃で白色か
ら黒色に変色する感熱記録紙からなる熱診断マーク5,
6、アルミニウム箔からなる水分診断マーク7を貼り付
ける。また、ポリp−ヒドロキシスチレン、メロシアニ
ン色素及びトリクロロトリアジンを酢酸2−エトキシエ
チルに溶解してアルミニウム箔に塗布したX線診断マー
ク8を貼り付ける。複数の診断マークを形成して複数の
診断機能を実現し、更に相互の組み合わせによって診断
を複合的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、故障診断に有用な
診断マークを備えた携帯可搬電子データ担体に係り、特
に保存や運搬、使用時の際に、不慮あるいは悪意によっ
て、環境的要因を主とする外部から過度の刺激を受けた
場合に、担体の外装に施された診断マークが不可逆的な
形態の変化を起こすことで、目視や光学的測定等により
簡便に履歴を判別できる携帯可搬電子データ担体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】携帯可搬の電子データ担体は近年急成長
している分野であり、電子手帳、携帯電話、ICカー
ド、モバイルコンピュータ等々がある。これらは電子部
品をコンパクトに実装した精密製品であるため丁寧に取
り扱う必要があるにも拘わらず、その携帯可搬性の故
に、消費者によって購入された後においては、適正な範
囲を超えた環境におかれたり、不注意等により過度の刺
激を受けたりする可能性が高い。具体的な事例として
は、例えば自動車の中に放置されて太陽の直射日光に晒
されて100℃近くの高温になったり、誤って落として
踏まれたり、水の中に浸されたり等が考えられる。
【0003】その結果、内蔵される集積回路(LSI)
や実装配線が物理的に破損したり、あるいは不揮発メモ
リに記憶されているデータ情報が破壊されたりする危険
性が多分にあり、これが故障の原因として無視できない
状況にあった。特に携帯可搬電子データ担体の中でもI
Cカードにおいては、LSIが高々0.8mm程度の薄
いプラスチックカードに収められているだけのため、
熱、圧力、電磁波、湿度等の刺激に対して保護や緩和す
る構造がとりにくく、故障率が高かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように携帯可搬
電子データ担体はその携帯可搬性故に外部からの刺激を
受けやすい。しかるに、動作不良を起こしたりメモリ内
容が変化したりしても、外観上の変化がないと、故障原
因の特定が難しいという問題点があった。そのため、故
障がメーカーや供給者の責任によるものか、ユーザーの
使用方法に起因するものか、あるいは悪戯等の悪意によ
るものかを判別することができないので、クレームを受
け付けるお客様窓口の業務効率が悪いという問題点があ
った。本発明は、このような課題を解決するためになさ
れたものであり、外部から過度の刺激を受けた場合にそ
の履歴を記録・表示することができる診断マークを備え
た携帯可搬電子データ担体を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の携帯可搬電子デ
ータ担体は、請求項1に記載のように、外部からの刺激
に応じて不可逆的な形態の変化を起こすことにより、そ
の履歴を表示若しくは記録できる複数種類の診断マーク
が、外装に施されているものである。このように、目視
あるいは計測によって容易に識別できる不可逆的な形態
の変化を利用することで、履歴から診断までの間に長い
時間が経過しても、どのような履歴があったかの判断が
可能になる。診断マークの形成方法としては印刷で形成
しても、シールを貼付する形態であっても、あるいはそ
の他の方法であっても差し支えない。また、請求項2に
記載のように、上記携帯可搬電子データ担体はICカー
ドである。
【0006】また、請求項3に記載のように、上記複数
種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、携帯可搬
電子データ担体の使用適正温度範囲よりも高い温度で不
可逆的な色変化を起こす感熱変色性材料からなるもので
ある。また、請求項4に記載のように、上記複数種類の
診断マークのうちの少なくとも1つが、マイクロ波に感
応して不可逆的な形態変化を起こすマイクロ波感応材料
からなるものである。また、請求項5に記載のように、
上記マイクロ波感応材料は、3cm以上12cm未満の
長さを有するストライプ状の導電体である。また、請求
項6に記載のように、上記複数種類の診断マークのうち
の少なくとも1つが、圧力に感応して不可逆的な色変化
を起こす感圧変色性材料からなるものである。
【0007】また、請求項7に記載のように、上記複数
種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、X線に感
応して不可逆的な色変化を起こすX線感応変色性材料か
らなるものである。また、請求項8に記載のように、上
記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、水
分あるいは湿度に感応して不可逆的な光学特性変化を起
こす感湿材料からなるものである。また、請求項9に記
載のように、上記複数種類の診断マークのうちの少なく
とも1つが、携帯可搬電子データ担体の使用適正温度範
囲よりも低い温度で不可逆的な色変化を起こす感熱変色
性材料からなるものである。また、請求項10に記載の
ように、上記複数種類の診断マークのうちの少なくとも
1つが、マイクロ波に感応して不可逆的な形態変化を起
こすマイクロ波感応材料からなり、他の診断マークのう
ちの少なくとも1つが、携帯可搬電子データ担体の使用
適正温度範囲よりも高い温度で不可逆的な色変化を起こ
す感熱変色性材料からなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】[実施の形態の1]次に、本発明
の実施の形態について詳細に説明する。本発明の最も効
果的な対象となる携帯可搬電子データ担体はICカード
なので、ここではICカードを例にとって説明する。通
常の電子部品の使用適正温度範囲は−10℃〜70℃で
ある。製品の信頼性評価は、通常、90℃程度までの評
価試験で行われるため、100℃以上の熱を受けたこと
が熱履歴として記録されているならば、過度の環境に置
かれて熱刺激を受けたとみなせる。
【0009】したがって、例えば110℃程度で不可逆
的に色変化を起こす感熱変色性材料からなる診断マーク
をICカードの外装に形成すれば、過度の熱刺激を受け
た場合に、この熱履歴を診断マークの色変化として記録
でき、過度の熱刺激を受けたか否かを容易に目視で確認
することができる。感熱変色性材料の具体的な例として
は、サーモラベル5E(日油技研KK)があり、目視判
断に適当な大きさのサーモラベル5Eを診断マークとし
てICカードの裏面に貼付すればよい。サーモラベルは
±5℃程度の精度で変色温度を設定でき、設定温度で白
色から黒色に変色する。
【0010】感熱変色性材料としては他に感熱記録紙な
ども有用である。汎用の感熱記録紙は100℃〜110
℃で白色から黒色に変化する。また、液晶、サーモクロ
ミック色素などの材料を用いても差し支えない。ただ
し、低融点金属を用いる感熱変色性材料は、変色温度の
選択肢が狭い上に、廃棄する際に金属が環境汚染源にな
り得るため、有機色素材料を用いる方が好ましい。
【0011】また、診断マークとして感熱温度の異なる
感熱変色性材料を複数形成すれば、被熱温度をより正確
に認識することができ、被熱の原因を推定する上で有効
である。さらに、「110度の熱を受けました」等のメ
ッセージ文を表す形状に感熱変色性材料を形成すれば、
被熱によってメッセージ文が現れるので、素人にも容易
に診断を行うことができ、より好ましい。
【0012】[実施の形態の2]次に、マイクロ波照射
の履歴を記録・表示する診断マークについて説明する。
マイクロ波加熱調理器、いわゆる電子レンジでICカー
ドにマイクロ波を照射することは、通常、有り得ないと
考えられる。しかし、マイクロ波照射が一旦なされる
と、電子部品はダメージを受けるものの、外部電極やプ
ラスチックカード自体は外観上ほとんど影響を受けない
場合があるため、故障原因の推定が難しい。特に、故意
の故障と懸念される場合ほど、お客様窓口では慎重な対
応が必要なため、明確な情報が必要である。
【0013】ここで、注意すべき点は、マイクロ波の照
射による温度上昇によって感熱変色性材料が変色し得る
ことである。したがって、実施の形態の1で記述した感
熱変色性材料からなる熱診断マークをICカードの外装
に形成しただけでは、診断マークの変色の原因が熱とマ
イクロ波のどちらであるかを区別することが困難となる
場合がある。
【0014】鋭意検討した結果、マイクロ波診断マーク
となるマイクロ波感応材料としてストライプ状の導電体
をICカード上に形成することが有効であることが判っ
た。マイクロ波の波長のおおよそ0.2倍以上1倍未
満、より好ましくは0.5倍程度の長さのストライプ状
の導電体を形成すれば、マイクロ波が照射された場合
に、導電体がアンテナとなって加熱あるいは放電し、導
電体自体が損傷したり、導電体上の被覆が損傷したりす
るので、マイクロ波照射を受けたか否かを容易に目視で
確認することができる。
【0015】市販の調理用アルミホイルをストライプ状
の導電体としてプラスチックカード上に貼った試料に対
し、消費電力900Wの電子レンジによって周波数が2
450MHz(波長12.2cm)のマイクロ波を照射
した結果を表1に示す。なお、このストライプ状の導電
体の幅は1mmである。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように、導電体の長さが3cm
以上の場合には放電しやすく、長さが5〜8cmの場合
には高々2秒で放電して、導電体が損傷した。一方、導
電体の長さが2cm以下の場合には、マイクロ波の波長
に対して短過ぎてアンテナ効率が悪いためか、徐々に加
熱はされるものの、30秒経過しても放電せず、導電体
に変化は見られなかった。なお、導電体の長さが2cm
以下の場合には、30秒より長い時間については検討し
ていない。
【0018】一方、実施の形態の1で記述した感熱変色
性材料からなる熱診断マークはマイクロ波を2分程度照
射しないと変色しない。したがって、マイクロ波診断マ
ーク(A)と熱診断マーク(B)の組み合わせにより、
短時間のマイクロ波照射(Aのみ変化)、比較的長時間
のマイクロ波照射とそれによる被熱(AとBが変化)、
純然たる被熱(Bのみ変化)を区別することができる。
【0019】[実施の形態の3]次に、機械的作用の履
歴を記録・表示する診断マークについて説明する。IC
カードのようにLSIを被覆する部材の厚さが1mmに
も満たないような構造では、外部からの圧力や曲げ・ね
じれ応力などの機械的作用の影響を被りやすい。特にカ
ード裏面側から突先的な応力が加えられると、LSIと
の間に介在するのは0.5mm厚に満たないプラスチッ
クなので、応力がLSIに直接加わることになり、LS
Iがダメージを受けて故障する可能性が高い。事例的に
も、衣服より落として誤って踏んだり、ポケットの中で
コインやボタンなどで押されたりする場合が考えられ
る。
【0020】このような機械的作用を記録するには、感
圧変色性材料からなる診断マークを用いることが有効で
あり、この診断マークをICカード裏面のLSI実装領
域全体に貼付すると有用である。例えば、感圧変色性材
料であるプレスケールHS(富士フィルム社製)は、通
常、白色であるが、50MPa以上の圧力を受けると、
赤色に発色するため、強い圧力を受けた部分のみ判別で
き、有用である。
【0021】通常の感圧シートは、マイクロカプセル化
された顕色剤と色素が塗布されていて、圧力によってマ
イクロカプセルが破裂すると顕色剤と色素が混合して不
可逆的に発色する。この感圧シートを診断マークとして
貼付してもよいし、感圧変色性材料のインキを塗布して
もよい。
【0022】ただし、変色した部分が薄汚れたように見
えることもあるので、美的観点からは検査時のみ顕角化
する方が好ましいとも言える。そのような場合には、蛍
光色素を利用し、感圧部のみ蛍光が消光するような蛍光
変化材料、あるいは逆に感圧部のみが蛍光を発するよう
な蛍光変化材料で診断マークとなる感圧シートを形成す
れば、外観上は美的なままで、感圧の履歴を記録するこ
とができる。なお、感圧の閾値は、感圧材料のマイクロ
カプセルの硬度で調整可能であり、感圧シートの表面に
透明な保護シートを形成し、その剛性で調整することも
可能である。
【0023】[実施の形態の4]次に、X線照射の履歴
を記録・表示する診断マークについて説明する。X線照
射は空港の手荷物検査で使われているため、高い頻度で
飛行機を利用する場合には、LSI、特に不揮発メモリ
の特性劣化が危倶される。X線に感応する変色材料とし
ては、太陽光では感光せずにX線に感応して酸を生成す
る有機酸発生剤と、酸と反応することで退色あるいは顕
色する色素とを混合したものがあり、この変色材料を診
断マークとして用いることができる。
【0024】有機酸発生剤としては、オニウム塩やハロ
ゲン化合物、ニトロエステル化合物などが有用であり、
通常の太陽光の波長領域で光吸収のない材料を選ぶ。こ
の有機酸発生剤と例えばメロシアニン系色素からなる酸
退色性の色素と適当なバインダーポリマーと溶媒とでイ
ンキを作製し、このインキをICカードに塗布すれば、
X線に感応する変色材料を形成することができる。
【0025】このような変色材料を診断マークとして用
いた場合、目視では色の変化が分かり難い可能性がある
ため、分光測定器で光学特性の変化量を計測することで
X線被爆量を推定できる。ただし、この場合には変色に
は明確な閾値が無いため、X線の被爆量をモニターする
診断マークとなる。
【0026】[実施の形態の5]高温や低温が故障の原
因となるのは、直接LSIの動作異常を引き起こすより
も、むしろ電子部品を構成している部材の熱膨張係数の
違いから熱応力ストレスとなって破損を起こす場合が多
い。したがって、過度の低温環境に置かれたか否かも診
断できることが好ましい。材料的には感熱変色性材料を
利用することができる。具体的には−40℃以下程度で
感応する変色材料が好ましい。
【0027】[実施の形態の6]また、湿度も徐々に封
止材料を通過して金属配線を腐食させる原因となり得る
ため、高温高湿の環境の中に常時放置されている場合は
故障率が増大する可能性がある。ただ、この場合も明確
な閾値が無いため、水分量をモニターする診断マークが
好都合である。
【0028】例えば、アルミニウム被膜の上に透明なプ
ラスチック保護膜を形成した複合膜を水分診断マークと
し、その反射率を検査する方法がある。高温高湿で長時
間放置すればするほど、水分は保護膜を浸透するので、
アルミニウム被膜が腐食し、アルミニウム被膜の反射率
が低下する。診断マークの反射率変化量がどの程度の高
温高湿環境に相当するのかを予め調べておくことによ
り、測定した反射率から湿度履歴を推定することができ
る。また、有色シリカゲルの無色化を利用した診断マー
クも有用であり、シリカゲルを微粉化して無色透明のプ
ラスチックと混練したものをパッチとして使用しても水
分診断マークとして用いることができる。
【0029】[実施の形態の7]次に、診断マークのよ
り具体的な例について説明する。図1(a)は本発明の
実施の形態となるICカードの表面を示す平面図、図1
(b)はこのICカードの裏面を示す下面図である。本
実施の形態では、ISO7816準拠のICカード1の
裏面に、幅1mm、長さ70mmのアルミニウム箔から
なるマイクロ波診断マーク3を2本貼付し、LSIが実
装されている電極2の裏側に感圧シート(富士フィルム
社のプレスケールHS)からなる圧力診断マーク4を貼
付した。
【0030】そして、圧力診断マーク4の下に100℃
で白色から黒色に変色する3mm×5mmの大きさの感
熱記録紙からなる熱診断マーク5、同様の大きさで11
0℃で白色から黒色に変色する感熱記録紙からなる熱診
断マーク6を1枚ずつ貼付した。さらに、3mm×5m
mの大きさのアルミニウム箔からなる水分診断マーク
7、同様の大きさのX線診断マーク8を貼付した。この
X線診断マーク8は、アルミ箔を反射板としてその上
に、ポリp−ヒドロキシスチレン0.8重量部、メロシ
アニン色素(Kodak540)0.05重量部および
酸発生剤としてトリクロロトリアジン0.2重量部を酢
酸2−エトキシエチルに溶解したものを塗布し乾燥させ
たものである。
【0031】以上の診断マークをICカード1の裏面に
貼り付けた後、水分診断マーク7の部分を除く裏面全体
を400nm以下のUV光をカットする50μm厚のポ
リエステルシートでカバーした。こうして作製したIC
カード1を試料として以下のような試験を実施し、診断
機能を確認した。
【0032】110℃に設定したホットプレートにIC
カード1の裏面を接触させて10秒間放置したところ、
変色温度が100℃の熱診断マーク5は完全に黒化し、
同110℃の熱診断マーク6は若干淡い黒褐色に変色し
た。他の診断マークには変化は発生せず、またカード基
材は軟化したものの、室温での放置により元の平坦なシ
ートに戻った。
【0033】新たな試料を用意し、電子レンジ(周波数
2450MHz、出力900W)で10秒間マイクロ波
を照射したところ、マイクロ波診断マーク3は放電して
ポリエステルシートと共に損傷した。これに対して、熱
診断マーク5,6は変化しなかった。同様に新たな試料
を用意し、この試料をアスファルト道路上に電極2の面
を上にして置き、革靴で1回踏むと、路面の凹凸によっ
て圧力が加わったと推定される跡が圧力診断マーク4に
赤い呈色となって記録されていた。
【0034】さらに、新たな試料を用意し、この試料を
水中で1週間放置した。アルミ箔は高温高湿や腐食によ
って反射率が徐々に低下し、特に400nm以下の波長
で変化率が大きいため、350nmの波長で反射率をモ
ニターすると、水分の影響を計測できる。この場合、分
光器を用いて診断マーク7の350nmの反射率を計測
すると、反射率が9%低下していた。
【0035】なお、本実施の形態では、水分診断マーク
7の表面を保護膜(ポリエステルシート)で覆っていな
いが、保護膜で覆ってもよい。ただし、この場合には、
保護膜を浸透した水分がアルミニウム箔を腐食させるこ
とになるので、水分に対する反応が遅くなる。また、新
たな試料を用意し、非破壊検査用のX線透視装置を用い
て10分間X線を照射したところ、X線診断マーク8の
540nmにおける反射率が20%低下していた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、請求項1に記載のよう
に、外部からの刺激に応じて不可逆的な形態の変化を起
こす複数種類の診断マークを設けることにより、外部か
ら過度の刺激を受けた場合にその履歴を記録・表示する
ことができるので、刺激を受けた時点から診断までの間
に長い時間が経過しても、どのような履歴があったかを
目視あるいは計測によって容易に識別することができ
る。その結果、携帯可搬電子データ担体の故障に際して
は、その原因を簡便にして即座に判断あるいは推定で
き、故障クレームに対応するお客様窓口の業務を効率よ
く行うことができる。また、診断マークを外装に形成す
ることにより、判別が即座にできると共に、使用者にも
異常を知らせる訴求力が高くなる。また、複数の診断マ
ークを形成することにより、個々の診断マークが単一の
診断機能しか有していなくても、独立した診断の論理和
の結果で判断したり、論理積の結果で判断したり等の複
合的な診断が可能になる。
【0037】また、請求項3に記載のように、複数種類
の診断マークのうちの少なくとも1つを、携帯可搬電子
データ担体の使用適正温度範囲よりも高い温度で不可逆
的な色変化を起こす感熱変色性材料とすることにより、
使用適正温度範囲よりも高い温度になったことがあるか
否かを容易に判別することができる。
【0038】また、請求項4に記載のように、複数種類
の診断マークのうちの少なくとも1つを、マイクロ波に
感応して不可逆的な形態変化を起こすマイクロ波感応材
料とすることにより、マイクロ波照射が行われたか否か
を容易に判別することができる。
【0039】また、請求項6に記載のように、複数種類
の診断マークのうちの少なくとも1つを、圧力に感応し
て不可逆的な色変化を起こす感圧変色性材料とすること
により、過度の圧力を受けたことがあるか否かを容易に
判別することができる。
【0040】また、請求項7に記載のように、複数種類
の診断マークのうちの少なくとも1つを、X線に感応し
て不可逆的な色変化を起こすX線感応変色性材料とする
ことにより、X線照射が行われたか否かを容易に判別す
ることができる。
【0041】また、請求項8に記載のように、複数種類
の診断マークのうちの少なくとも1つを、水分あるいは
湿度に感応して不可逆的な光学特性変化を起こす感湿材
料とすることにより、高湿環境に置かれたことがあるか
否かを容易に判別することができる。
【0042】また、請求項9に記載のように、複数種類
の診断マークのうちの少なくとも1つを、携帯可搬電子
データ担体の使用適正温度範囲よりも低い温度で不可逆
的な色変化を起こす感熱変色性材料とすることにより、
使用適正温度範囲よりも低い温度になったことがあるか
否かを容易に判別することができる。
【0043】また、請求項10に記載のように、複数種
類の診断マークのうちの少なくとも1つを、マイクロ波
に感応して不可逆的な形態変化を起こすマイクロ波感応
材料とし、他の診断マークのうちの少なくとも1つを、
携帯可搬電子データ担体の使用適正温度範囲よりも高い
温度で不可逆的な色変化を起こす感熱変色性材料とする
ことにより、短時間のマイクロ波照射と、比較的長時間
のマイクロ波照射と、マイクロ波照射によらない純然た
る被熱とを区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態となるICカードの平面
図及び下面図である。
【符号の説明】
1…ICカード、2…電極、3…マイクロ波診断マー
ク、4…圧力診断マーク、5…熱診断マーク、6…熱診
断マーク、7…水分診断マーク、8…X線診断マーク。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの刺激に応じて不可逆的な形態
    の変化を起こすことにより、その履歴を表示若しくは記
    録できる複数種類の診断マークが、外装に施されている
    ことを特徴とする携帯可搬電子データ担体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の携帯可搬電子データ担体
    において、 前記携帯可搬電子データ担体はICカードであることを
    特徴とする携帯可搬電子データ担体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の携帯可搬電子デ
    ータ担体において、 前記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、
    携帯可搬電子データ担体の使用適正温度範囲よりも高い
    温度で不可逆的な色変化を起こす感熱変色性材料からな
    ることを特徴とする携帯可搬電子データ担体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の携帯可搬電子デ
    ータ担体において、 前記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、
    マイクロ波に感応して不可逆的な形態変化を起こすマイ
    クロ波感応材料からなることを特徴とする携帯可搬電子
    データ担体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の携帯可搬電子データ担体
    において、 前記マイクロ波感応材料は、3cm以上12cm未満の
    長さを有するストライプ状の導電体であることを特徴と
    する携帯可搬電子データ担体。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の携帯可搬電子デ
    ータ担体において、 前記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、
    圧力に感応して不可逆的な色変化を起こす感圧変色性材
    料からなることを特徴とする携帯可搬電子データ担体。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の携帯可搬電子デ
    ータ担体において、 前記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、
    X線に感応して不可逆的な色変化を起こすX線感応変色
    性材料からなることを特徴とする携帯可搬電子データ担
    体。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の携帯可搬電子デ
    ータ担体において、 前記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、
    水分あるいは湿度に感応して不可逆的な光学特性変化を
    起こす感湿材料からなることを特徴とする携帯可搬電子
    データ担体。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の携帯可搬電子デ
    ータ担体において、 前記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、
    携帯可搬電子データ担体の使用適正温度範囲よりも低い
    温度で不可逆的な色変化を起こす感熱変色性材料からな
    ることを特徴とする携帯可搬電子データ担体。
  10. 【請求項10】 請求項1または2記載の携帯可搬電子
    データ担体において、 前記複数種類の診断マークのうちの少なくとも1つが、
    マイクロ波に感応して不可逆的な形態変化を起こすマイ
    クロ波感応材料からなり、他の診断マークのうちの少な
    くとも1つが、携帯可搬電子データ担体の使用適正温度
    範囲よりも高い温度で不可逆的な色変化を起こす感熱変
    色性材料からなることを特徴とする携帯可搬電子データ
    担体。
JP9342602A 1997-12-12 1997-12-12 携帯可搬電子データ担体 Pending JPH11175681A (ja)

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