JP4570757B2 - Icカードシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードおよびICカード処理装置を有するICカードシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードシステムを構築する場合、動作保証範囲を一般的に設定する。
動作保証範囲は、システムが使用される使用環境を想定して設定され、動作保証範囲を満たす場合の動作が保証される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ICカードシステムの動作は、動作保証範囲内の条件下で正常動作する場合と、動作保証範囲外の条件下で正常動作する場合と、動作保証範囲外の条件下で異常動作する場合とに分類可能である。
【0004】
このため、ICカードシステムの信頼性の観点から、動作保証範囲内の条件下でICカードシステムを動作させ、動作保証範囲外の条件下ではICカードシステムの動作を制限することが望ましい。
本発明の目的は、動作保証範囲外の条件下での動作を制限可能なICカードシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、ICカードおよびICカード処理装置を有するICカードシステムであって、
前記ICカードは、メモリと、前記メモリのアクセス制御を行う信号処理装置とを有し、
前記ICカード処理装置は、前記ICカード内のメモリに対して前記信号処理装置を介してアクセスするリーダライタと、前記ICカードまたは当該ICカード処理装置の状態量を測定する測定装置と、前記リーダライタに課金データを供給する制御装置とを有し、
前記リーダライタは、前記課金データと前記状態量のデータとが対応付けて記憶されるように、前記課金データと前記状態量のデータとを前記メモリに書き込み、前記測定装置で測定された前記状態量が動作保証範囲外である場合に、所定のコマンドを前記信号処理装置に供給し、
前記信号処理装置は、前記ICカードまたは前記ICカード処理装置の状態量が動作保証範囲外である場合に前記リーダライタから供給されるコマンドに基づいて前記リーダライタによる前記アクセスを禁止する、
ICカードシステムが提供される。
【0006】
また本発明の第2の観点によれば、ICカードおよびICカード処理装置を有するICカードシステムであって、
前記ICカードは、メモリと、前記メモリのアクセス制御を行う信号処理装置とを有し、
前記ICカード処理装置は、前記ICカード内のメモリに対して前記信号処理装置を介してアクセスするリーダライタと、前記ICカードまたは当該ICカード処理装置の状態量を測定する測定装置と、前記リーダライタに課金データを供給する制御装置とを有し、
前記リーダライタは、前記課金データと前記状態量のデータとが対応付けて記憶されるように、前記課金データと前記状態量のデータとを前記メモリに書き込み、前記測定装置で測定された前記状態量のデータを前記信号処理装置に供給し、前記信号処理装置は、前記状態量が動作保証範囲内か否かを判定し、前記状態量が動作保証範囲外である場合に、前記アクセスを禁止する、
ICカードシステムが提供される。
【0009】
本発明に係るICカードシステムでは、例えば、前記リーダライタおよび/または前記ICカードは、前記課金データの通信機能を有する自動車のダッシュボードに設置され、前記状態量は、前記リーダライタまたは前記ICカードの温度もしくは周囲温度であり、前記制御装置は、前記自動車が前記通信機能により受信した前記課金データを前記リーダライタに供給し、前記課金データは、前記自動車が特定の道路を通行する場合の通行料金のデータである構成としてもよい。
【0010】
本発明に係るICカードシステムでは、好適には、前記ICカードの動作保証範囲は、前記ICカード処理装置の動作保証範囲に含まれる。
【0011】
信号処理装置は、ICカードまたはICカード処理装置の状態量が動作保証範囲外である場合に、リーダライタによるメモリアクセスを禁止することで、動作保証範囲外の条件下での動作を制限することができ、システムの信頼性を向上可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0013】
第1の実施の形態
図1は、本発明に係る第1のICカードシステムを有する通信システムの実施の形態を示す概略的なブロック構成図である。
この通信システム30は、課金データの通信機能を備えた自動車10と、通信装置29と、ネットワーク25と、ホストコンピュータ20と、ホストコンピュータ20がアクセスする記憶装置21とを有する。通信システム30は、例えば高度道路交通システム(ITS)で使用され、自動車10が高速道路等の特定の道路を通行する場合にICカード1を利用して通行料金の自動徴収を行う。
【0014】
ホストコンピュータ20は、ネットワーク25を介して通信装置29に接続されている。
ホストコンピュータ20は、ICカード1の識別データを認識し、当該識別データに対して通行料金のデータである課金データを生成し、この課金データを通信装置29に供給する。
また、ホストコンピュータ20は、前記課金データと、前記課金データを生成した時刻のデータと、前記識別データとを対応付けて記憶装置21に書き込んで記憶させる。
【0015】
通信装置29は、自動車10に搭載された通信装置19との無線通信を行う。
この通信装置29は、例えば、道路に埋め込まれ、または信号機の近傍に設置される。
通信装置29は、通信装置19から送信されたICカード1の識別データを受信し、当該識別データをネットワーク25を介してホストコンピュータ20に供給する。
また、通信装置29は、ホストコンピュータ20から課金データが供給され、当該課金データを通信装置19に送信する。
【0016】
自動車10には、ICカードシステム16と、通信装置19とが搭載されている。ICカードシステム16は、ICカード1と、ICカード処理装置15とを有する。
ICカード処理装置15は、ICカード1との通信を行うリーダライタ11と、制御装置12と、表示装置13と、測定装置14とを有する。
【0017】
制御装置12は、ICカード処理装置15の全体を制御するコントローラであり、リーダライタ11および測定装置14を制御し、表示装置13の表示制御を行う。
この制御装置12は、ICカード1内のメモリに書き込む書込用のデータをリーダライタ11に供給する。
また、制御装置12は、ICカード1内のメモリの記憶データがリーダライタ11から供給される。さらに、制御装置12は、測定装置14から測定データが供給される。
【0018】
リーダライタ11は、ICカード1(ICカード1内のメモリ)から記憶データを読み取り、読み取った記憶データを制御装置12に供給する。例えば、リーダライタ11は、ICカード1から識別データを読み取り、当該識別データを制御装置12に供給する。
また、リーダライタ11は、制御装置12からの書込用のデータをICカード1(ICカード1内のメモリ)に書き込む。例えば、リーダライタ11は、ホストコンピュータ20からの課金データが制御装置12を介して供給され、当該課金データをICカード1に書き込む。さらにリーダライタ11は、制御装置12から測定データが供給され、当該測定データをICカード1に書き込む。
なお、リーダライタ11は、課金データと測定データとを1つの書込コマンドで一体に書き込んでもよく、課金データと測定データとを別個の書込コマンドで別個に書き込んでもよい。
【0019】
測定装置14は、ICカード1またはICカード処理装置15の状態量を測定し、測定して得られた状態量のデータを測定データとして制御装置12に供給する。
この測定装置14は、ICカード処理装置15がパワーオン状態時の前記状態量を常時測定し、測定データを制御回路12に供給する構成としてもよい。
前記状態量は、例えば、制御装置12またはリーダライタ11の電源電圧、温度、湿度もしくは気圧である。あるいは、制御装置12またはリーダライタ11の周辺の温度、湿度もしくは気圧である。あるいは、ICカード1またはその周辺の湿度、温度もしくは気圧である。
【0020】
表示装置13は、制御装置12の制御下で種々のデータを表示画面に表示する。例えば、表示装置12は、識別データの一部または全部を表示画面に表示し、課金データを表示する。
【0021】
通信装置19は、制御装置12からのデータを通信装置29に送信する。例えば、通信装置19は、制御装置12から供給されたICカード1の識別データを通信装置29に送信する。
また、通信装置19は、通信装置29から送信されたホストコンピュータ20からの課金データを受信して制御装置12に供給する。
【0022】
リーダライタ11は、自動車10のダッシュボードに設置されている。
自動車10のダッシュボードは、夏期では高温になることがあるため、前記状態量は、好適には、リーダライタ11またはICカード1の温度もしくは周囲温度とすることで、ダッシュボードの温度の履歴を残すことが可能である。
ICカード1および/またはICカード処理装置15の状態量に基づいてICカード1の動作を制限することで、動作保証範囲外の条件下での異常動作を未然に防止することが可能である。
一例として、ICカード処理装置15の温度の動作保証範囲は−50℃〜150℃とし、ICカード1の温度の動作保証範囲は−10℃〜100℃とし、動作保証範囲の狭いICカード1の動作を先ず制限する。
【0023】
制御装置12は、ICカード1またはICカード処理装置15のトランザクション中に測定装置14で測定された前記状態量のデータを、リーダライタ11に供給する。前記トランザクションは、例えば、課金データを扱う処理とする。リーダライタ11からの前記状態量のデータは、ICカード1内の中央処理装置(CPU)およびメモリに供給される。
【0024】
ICカード1は、信号処理装置であるCPUと、CPUによりアクセス制御されるメモリとを有し、メモリは前記課金データと前記状態量のデータとを対応付けて記憶する。前記CPUおよびメモリは、例えば、1チップマイクロコンピュータ(1チップマイコン)により構成する。リーダライタ11は、前記CPUを介して前記メモリにアクセスする。
【0025】
ICカード1内のメモリは、ICカード1およびICカード処理装置15の動作保証範囲のデータを予め記憶しており、CPUは、ICカード処理装置15からの測定データと動作保証範囲のデータとを比較し、測定データが示す状態量が動作保証範囲外である場合に、ICカード1の動作を制限する。
動作の制限としては、例えば、ICカード処理装置15からリセット信号が供給されるまで動作を停止し、または、リセット信号が供給されるまでリーダライタ11からのメモリアクセスを禁止する。
【0026】
図2は、図1中のICカード処理装置15の動作を示す概略的なフローチャートであり、スタート時にはICカード処理装置15はリセット信号をICカード1内のCPUに供給し、CPUはリセットされる。
【0027】
ステップS1では、ICカード処理装置15はICカード1の認証を行う。
例えば、制御装置12は、乱数データを生成してリーダライタ11を介してICカード1内のCPUに供給する。前記CPUは、リーダライタ11からの乱数データを暗号化して第1の暗号化データを生成し、当該第1の暗号化データをリーダライタ11を介して制御装置12に返送する。制御装置12は、前記乱数データを暗号化して第2の暗号化データを生成し、当該第2の暗号化データと前記第1の暗号化データとを比較し、一致する場合にICカード1の認証を行う。
【0028】
なお、ステップS1では、ICカード処理装置15とICカード1の双方が互いに認証する相互認証を行う構成としてもよい。
例えば、ICカード処理装置15は、第2の電子署名データをICカード1内のCPUに送信し、前記CPUは前記CPUが保持する第1の電子署名データと前記第2の電子署名データとを比較し、一致した場合にICカード処理装置15の認証を行う。
【0029】
ステップS2では、ICカード処理装置15は、ICカード1から識別データを読み取り、この識別データを通信装置19,29およびネットワーク25を介してホストコンピュータ20に供給する。
ホストコンピュータ20は、識別データを認識して当該識別データに対して課金データを生成し、この課金データをネットワーク25および通信装置29,19を介してICカード処理装置15に供給すると共に、前記課金データを生成した時刻データと前記課金データと前記識別データとを対応付けて記憶装置21に書き込んで記憶させる。
【0030】
ステップS3では、ICカード処理装置15内の制御回路12は、ホストコンピュータ20からの課金データを受信し、前記課金データおよび測定装置14からの測定データをラッチする。そして、書込コマンドをICカード1に送信してデータを書き込むことにより、決済処理を行う。書込コマンドの書込データは、課金データおよび測定データであり、測定データはICカード1に対するコマンド毎にICカード1に送信される。
【0031】
ICカード1内のCPUは、課金データおよび測定データを受信し、測定データと動作保証範囲のデータとを比較し、測定データが示す状態量が動作保証範囲内であるか否かを判定する。
前記状態量が動作保証範囲内である場合、前記CPUは、課金データおよび測定データを対応付けてメモリに書き込み、肯定応答ACKをICカード処理装置15に返信する。
前記状態量が動作保証範囲外である場合、前記CPUは否定応答NAKをICカード処理装置15に返信し、測定データと否定応答NAKを返信したこととをメモリに書き込む。また、リセット信号を受信するまで、ICカード1内のメモリに対するアクセスを禁止する。
【0032】
ステップS4では、ICカード処理装置15内の制御装置12は、ICカード1からの肯定応答ACKを受信したか否かを判定する。
肯定応答ACKを受信した場合、ステップS6に進む。
肯定応答ACKを受信しない場合、例えば否定応答NAKを受信した場合、ステップS5に進む。
【0033】
ステップS5では、ICカード処理装置15内の制御装置12は表示装置13の表示制御を行い、当該表示制御に基づいて表示装置13はICカードアクセスエラーの旨を表示画面に表示し、本フローチャートの処理を終了する。
【0034】
ステップS6では、ICカード処理装置15内の制御装置12は表示装置13の表示制御を行い、当該表示制御に基づいて表示装置13は通行料金の徴収終了の旨を表示画面に表示し、本フローチャートの処理を終了する。
【0035】
第2の実施の形態
図3は、本発明に係る第2のICカードシステムを有する通信システムの実施の形態を示す概略的なブロック構成図である。
なお、図3に示す第2のICカードシステム16Aは、状態量が動作保証範囲内か否かをICカード処理装置15Aが判定する構成であり、図1に示す第1のICカードシステム16は、状態量が動作保証範囲内か否かをICカード1が判定する構成である。
【0036】
図3の通信システム30Aは、課金データの通信機能を備えた自動車10Aと、通信装置29と、ネットワーク25と、ホストコンピュータ20と、ホストコンピュータ20がアクセスする記憶装置21とを有する。通信システム30Aは、例えば高度道路交通システム(ITS)で使用され、自動車10Aが高速道路等の特定の道路を通行する場合にICカード1Aを利用して通行料金の自動徴収を行う。
【0037】
ホストコンピュータ20は、ネットワーク25を介して通信装置29に接続されている。
ホストコンピュータ20は、ICカード1Aの識別データを認識し、当該識別データに対して通行料金のデータである課金データを生成し、この課金データを通信装置29に供給する。
また、ホストコンピュータ20は、前記課金データと、前記課金データを生成した時刻のデータと、前記識別データとを対応付けて記憶装置21に書き込んで記憶させる。
【0038】
通信装置29は、自動車10Aに搭載された通信装置19との無線通信を行う。この通信装置29は、例えば、道路に埋め込まれ、または信号機の近傍に設置される。
通信装置29は、通信装置19から送信されたICカード1Aの識別データを受信し、当該識別データをネットワーク25を介してホストコンピュータ20に供給する。
また、通信装置29は、ホストコンピュータ20から課金データが供給され、当該課金データを通信装置19に送信する。
【0039】
自動車10Aには、ICカードシステム16Aと、通信装置19とが搭載されている。ICカードシステム16Aは、ICカード1Aと、ICカード処理装置15Aとを有する。
ICカード処理装置15Aは、ICカード1Aとの通信を行うリーダライタ11と、制御装置12Aと、表示装置13と、測定装置14とを有する。
【0040】
制御装置12Aは、ICカード処理装置15Aの全体を制御するコントローラであり、リーダライタ11および測定装置14を制御し、表示装置13の表示制御を行う。
この制御装置12Aは、ICカード1A内のメモリに書き込む書込用のデータをリーダライタ11に供給する。
また、制御装置12Aは、ICカード1A内のメモリの記憶データがリーダライタ11から供給される。さらに、制御装置12Aは、測定装置14から測定データが供給される。
【0041】
リーダライタ11は、ICカード1A(ICカード1A内のメモリ)から記憶データを読み取り、読み取った記憶データを制御装置12Aに供給する。例えば、リーダライタ11は、ICカード1Aから識別データを読み取り、当該識別データを制御装置12Aに供給する。
また、リーダライタ11は、制御装置12Aからの書込用のデータをICカード1A(ICカード1A内のメモリ)に書き込む。例えば、リーダライタ11は、ホストコンピュータ20からの課金データが制御装置12Aを介して供給され、当該課金データをICカード1Aに書き込む。さらにリーダライタ11は、制御装置12Aから測定データが供給され、当該測定データをICカード1Aに書き込む。
【0042】
測定装置14は、ICカード1AまたはICカード処理装置15Aの状態量を測定し、測定して得られた状態量のデータを測定データとして制御装置12Aに供給する。
なお、測定装置14は、ICカード処理装置15Aがパワーオン状態時の前記状態量を常時測定し、測定データを制御回路12Aに供給する構成としてもよい。
前記状態量は、例えば、制御装置12Aまたはリーダライタ11の電源電圧、温度、湿度もしくは気圧である。あるいは、制御装置12Aまたはリーダライタ11の周辺の温度、湿度もしくは気圧である。あるいは、ICカード1Aまたはその周辺の湿度、温度もしくは気圧である。
【0043】
表示装置13は、制御装置12Aの制御下で種々のデータを表示画面に表示する。例えば、表示装置12は、識別データの一部または全部を表示画面に表示し、ICカード1Aに保持されている課金データを表示する。
【0044】
通信装置19は、制御装置12Aからのデータを通信装置29に送信する。例えば、通信装置19は、制御装置12Aから供給されたICカード1Aの識別データを通信装置29に送信する。
また、通信装置19は、通信装置29から送信されたホストコンピュータ20からの課金データを受信して制御装置12Aに供給する。
【0045】
リーダライタ11は、自動車10Aのダッシュボードに設置されている。
自動車10Aのダッシュボードは、夏期では高温になることがあるため、前記状態量は、好適には、リーダライタ11またはICカード1Aの温度もしくは周囲温度とすることで、ダッシュボードの温度の履歴を残すことが可能である。
ICカード1Aおよび/またはICカード処理装置15Aの状態量に基づいてICカード1Aの動作を制限することで、動作保証範囲外の条件下での異常動作を未然に防止することが可能である。
一例として、ICカード処理装置15Aの温度の動作保証範囲は−50℃〜150℃とし、ICカード1Aの温度の動作保証範囲は−10℃〜100℃とし、動作保証範囲の狭いICカード1Aの動作を先ず制限する。
【0046】
制御装置12Aは、ICカード1AまたはICカード処理装置15Aのトランザクション中に測定装置14で測定された前記状態量のデータを、リーダライタ11に供給する。前記トランザクションは、例えば、課金データを扱う処理とする。リーダライタ11からの前記状態量のデータは、ICカード1A内のCPUおよびメモリに供給される。
【0047】
ICカード1Aは、信号処理装置であるCPUと、前記CPUによりアクセス制御されるメモリとを有し、CPUは前記課金データと前記状態量のデータとを対応付けてメモリに書き込んで記憶させる。前記CPUおよびメモリは、例えば、1チップマイコンにより構成する。リーダライタ11は、前記CPUを介して前記メモリにアクセスする。
【0048】
制御装置12Aの内部メモリは、ICカード1AおよびICカード処理装置15Aの動作保証範囲のデータを予め記憶しており、測定装置14からの測定データと動作保証範囲のデータとを比較し、測定データが示す状態量が動作保証範囲外である場合、ICカード1Aの動作を制限する。
動作の制限としては、例えば、ICカード1Aは、ICカード処理装置15Aからリセット信号が供給されるまで動作を停止し、または、リセット信号が供給されるまでリーダライタ11によるメモリアクセスを禁止する。
【0049】
図4は、図3中のICカード処理装置15Aの動作を示す概略的なフローチャートであり、スタート時にはICカード処理装置15Aはリセット信号をICカード1A内のCPUに供給し、CPUはリセットされる。
【0050】
ステップS11では、ICカード処理装置15Aは、ICカード1Aの認証を行う。
例えば、制御装置12Aは、乱数データを生成してリーダライタ11を介してICカード1A内のCPUに供給する。前記CPUは、リーダライタ11からの乱数データを暗号化して第1の暗号化データを生成し、当該第1の暗号化データをリーダライタ11を介して制御装置12Aに返送する。制御装置12Aは、前記乱数データを暗号化して第2の暗号化データを生成し、当該第2の暗号化データと前記第1の暗号化データとを比較し、一致する場合にICカード1Aの認証を行う。
【0051】
なお、ステップS11では、ICカード処理装置15AとICカード1Aの双方が互いに認証する相互認証を行う構成としてもよい。
例えば、ICカード処理装置15Aは、第2の電子署名データをICカード1A内のCPUに送信し、前記CPUはICカード1Aが保持する第1の電子署名データと前記第2の電子署名データとを比較し、一致した場合にICカード処理装置15Aの認証を行う。
【0052】
ステップS12では、ICカード処理装置15Aは、ICカード1Aから識別データを読み取り、この識別データを通信装置19,29およびネットワーク25を介してホストコンピュータ20に供給する。
ホストコンピュータ20は、識別データを認識して当該識別データに対して課金データを生成し、この課金データをネットワーク25および通信装置29,19を介してICカード処理装置15Aに供給すると共に、前記課金データを生成した時刻データと前記課金データと前記識別データとを対応付けて記憶装置21に書き込んで記憶させる。
【0053】
ステップS13では、ICカード処理装置15A内の制御回路12Aは、ホストコンピュータ20からの課金データを受信し、前記課金データおよび測定装置14からの測定データをラッチする。
【0054】
ステップS14では、制御回路12Aは、測定データと動作保証範囲のデータとを比較し、測定データが示す状態量が動作保証範囲内であるか否かを判定する。
前記状態量が動作保証範囲外である場合、ステップS17に進む。
前記状態量が動作保証範囲内である場合、ステップS15に進み、書込コマンドをICカード1Aに送信してデータを書き込むことにより、決済処理を行う。
書込コマンドの書込データは、課金データおよび測定データであり、測定データはICカード1Aに対するコマンド毎にICカード1Aに送信される。
【0055】
ステップS16では、ICカード処理装置15A内の制御装置12Aは表示装置13の表示制御を行い、当該表示制御により表示装置13は通行料金の徴収終了の旨を表示画面に表示し、本フローチャートの処理を終了する。
【0056】
ステップS17では、ICカード処理装置15A内の制御装置12Aは、ICカード1Aの動作を制限させる制限コマンドをICカード1A内のCPUに送信する。前記CPUは、制限コマンドを受信すると、リセット信号を受信するまで、ICカード1A内のメモリに対するアクセスを禁止する。
【0057】
ステップS18では、ICカード処理装置15A内の制御装置12Aは表示装置13の表示制御を行い、当該表示制御により表示装置13はICカードアクセスエラーの旨を表示画面に表示し、本フローチャートの処理を終了する。
【0058】
なお、ICカード1がメモリにデータを格納する場合、平文の課金データおよび測定データを受信してメモリに格納してもよく、平文の課金データおよび測定データを暗号化してメモリに格納してもよい。また、ICカード処理装置15で課金データおよび測定データを暗号化し、暗号化された課金データおよび測定データを受信してメモリに格納してもよい。
また、上記実施の形態は本発明の例示であり、本発明は上記実施の形態に限定されない。
【0059】
【発明の効果】
本発明に係るICカードシステムでは、ICカードは、ICカードまたはICカード処理装置の状態量が動作保証範囲外である場合に、メモリアクセスを禁止することで、動作保証範囲外の条件下での動作を制限することができ、システムの信頼性を向上可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1のICカードシステムを有する通信システムの実施の形態を示す概略的なブロック構成図である。
【図2】図1中のICカード処理装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【図3】本発明に係る第2のICカードシステムを有する通信システムの実施の形態を示す概略的なブロック構成図である。
【図4】図3中のICカード処理装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【符号の説明】
1,1A…ICカード、11…リーダライタ、12,12A…制御装置、13…表示装置、14…測定装置、15,15A…ICカード処理装置、16,16A…ICカードシステム、19,29…通信装置、20…ホストコンピュータ、21…記憶装置、25…ネットワーク、30,30A…通信システム。
Claims (4)
- ICカードおよびICカード処理装置を有するICカードシステムであって、
前記ICカードは、
メモリと、
前記メモリのアクセス制御を行う信号処理装置とを有し、
前記ICカード処理装置は、
前記ICカード内のメモリに対して前記信号処理装置を介してアクセスするリーダライタと、
前記ICカードまたは当該ICカード処理装置の状態量を測定する測定装置と、
前記リーダライタに課金データを供給する制御装置とを有し、
前記リーダライタは、
前記課金データと前記状態量のデータとが対応付けて記憶されるように、前記課金データと前記状態量のデータとを前記メモリに書き込み、
前記測定装置で測定された前記状態量が動作保証範囲外である場合に、所定のコマンドを前記信号処理装置に供給し、
前記信号処理装置は、
前記ICカードまたは前記ICカード処理装置の状態量が動作保証範囲外である場合に前記リーダライタから供給されるコマンドに基づいて前記リーダライタによる前記アクセスを禁止する、
ICカードシステム。 - ICカードおよびICカード処理装置を有するICカードシステムであって、 前記ICカードは、
メモリと、
前記メモリのアクセス制御を行う信号処理装置とを有し、
前記ICカード処理装置は、
前記ICカード内のメモリに対して前記信号処理装置を介してアクセスするリーダライタと、
前記ICカードまたは当該ICカード処理装置の状態量を測定する測定装置と、
前記リーダライタに課金データを供給する制御装置とを有し、
前記リーダライタは、
前記課金データと前記状態量のデータとが対応付けて記憶されるように、前記課金データと前記状態量のデータとを前記メモリに書き込み、
前記測定装置で測定された前記状態量のデータを前記信号処理装置に供給し、
前記信号処理装置は、前記状態量が動作保証範囲内か否かを判定し、前記状態量が動作保証範囲外である場合に、前記アクセスを禁止する、
ICカードシステム。 - 前記リーダライタおよび/または前記ICカードは、前記課金データの通信機能を有する自動車のダッシュボードに設置され、
前記状態量は、前記リーダライタまたは前記ICカードの温度もしくは周囲温度であり、
前記制御装置は、前記自動車が前記通信機能により受信した前記課金データを前記リーダライタに供給し、
前記課金データは、前記自動車が特定の道路を通行する場合の通行料金のデータである、
請求項1または2に記載のICカードシステム。 - 前記ICカードの動作保証範囲は、前記ICカード処理装置の動作保証範囲に含まれる、
請求項1〜3のいずれかに記載のICカードシステム。
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JPH07220032A (ja) * | 1994-02-03 | 1995-08-18 | Fuji Electric Co Ltd | 個体識別装置 |
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