JPH1117456A - 偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージリジェクションミクサ、受信装置及び位相同期発振器 - Google Patents

偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージリジェクションミクサ、受信装置及び位相同期発振器

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JPH1117456A
JPH1117456A JP9166345A JP16634597A JPH1117456A JP H1117456 A JPH1117456 A JP H1117456A JP 9166345 A JP9166345 A JP 9166345A JP 16634597 A JP16634597 A JP 16634597A JP H1117456 A JPH1117456 A JP H1117456A
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スタブやスロット線路を用いた偶高調波ミク
サの小形化ができないという課題があった。 【解決手段】 高周波信号はRF端子32より入力さ
れ、アクティブバラン102で位相が互いに逆相で出力
されて、それぞれAPDPリング101のa,b端子に
入力される。局部発振波信号はLO端子よりAPDPリ
ング101のc端子に入力される。中間周波信号はAP
DPリング101のa,b端子よりIF端子34a、3
4bへ互いに逆相で出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線通信システ
ムに用いられる偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージ
リジェクションミクサと、これらのミクサを適用した受
信装置、位相同期発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高周波における周波数混合の手段の1つ
に、アンチパラレルダイオードペア(APDP)を用い
てダイオードリングを構成した偶高調波ミクサがある。
偶高調波ミクサの原理的な提案は、IEEEより197
5年に発行されたアイイーイーイー トランス オン
マイクロウェーブ セオリー アンド テクニシーズ,
ボル1.エムティティ−23巻8号667頁から673
頁のハーモニック ミキシング ウィズ アン アンテ
ィパラレル ダイオード ペア(IEEE Tran
s.on Microwave theory and
technices,vo1.MTT−23、No.
8,p667〜673の“Harmonicmixin
g with an antiparallel di
ode pair”)に記載されている。まず、この偶
高調波ミクサの構成と動作の説明を行う。
【0003】図29は偶高調波ミクサの一般的な構成図
である。図において、1a、1bはミクサダイオード、
2はアンチパラレルダイオードペア(APDP)、3は
分波回路である。APDP2は逆極性のミクサダイオー
ド1a、1bを並列接続した構成である。受信機の場
合、このAPDP2に分波回路3を介し、入力信号であ
る高周波信号RFと局部発振波信号LOとを加え、中間
周波信号IFを取り出す。送信機の場合、このAPDP
2に分波回路3を介しIFとLOとを加えRFを取り出
す。
【0004】この偶高調波ミクサに局部発振波信号LO
を加えると、図30に示すように半周期ごとにミクサダ
イオード1a、1bを交互にONし電流が流れる。その
結果、図31に示すようなLO電流が流れ、半周期ごと
にコンダクタンスが高まる動作をする。そのため、LO
の高調波は奇数次、コンダクタンスの高調波は偶数次し
か存在しない。従って、受信用に適用した偶高調波ミク
サでは、図32に示すように入力したRF(fin)と
LO(fp)の2倍波(2fp)との混合が可能であ
る。またRFに近接するスプリアスである2LO波(2
fp)はAPDP2内部で抑制される。この抑制量は、
2つのダイオード1a、1bのバランスによって決ま
り、特性の差が小さいほど、LOの偶数次、コンダクタ
ンスの奇数次の高調波を抑制できる。そのため、通常の
平衡形のミクサと比較し、はるかに高い抑制が可能であ
る。ちなみにマイクロ波において、通常の基本波動作の
ミクサでは25dB程度の抑制であるが、偶高調波ミク
サでは50dBから60dBの抑制が可能である。
【0005】この偶高調波ミクサの出力信号である中間
周波信号の周波数foutを式で表すと、 fout=|m・fin±n・fp| (1) となる。ここでm,nは整数でかつ|m±n|は奇数で
あり、finは入力信号周波数、fpは局部発振周波数
である。
【0006】この偶高調波ミクサを通常の送受信機に使
用する場合、 fout=|fin±2fp| (2) となる。従って基本波動作のミクサに比べて半分のfp
で動作させることができるため、引例文献をはじめ大半
が、この偶高調波ミクサをマイクロ波、とりわけミリ波
での送受信機に適用している。
【0007】そして偶高調波ミクサは以下の特徴があ
り、無線通信機器などに用いられている。 (1)特に送信機に適用した場合に低スプリアスとな
る。 (2)LO周波数fpが基本波動作のミクサに比べて半
分とできるため、ミリ波など高周波動作に適する。また
低価格化の効果も期待できる。
【0008】偶高調波ミクサの構成は、かねてより色々
報告されている。図33は従来の偶高調波ミクサの構成
図である。図に示すように、分波回路3は一般的にRF
用帯域通過フィルタ(BPF)、LO用高域通過フィル
タ(HPF)及びIF用低域通過フィルタ(LPF)に
より構成されている。しかしこのような構成は大形とな
り、小形化が求められる移動体無線通信機器などへの搭
載には適さない。
【0009】そこで発明者らは分波回路3の小形化の検
討を行っている。図34は1991年6月にBosto
nで開催されたIEEE主催、インターナショナル マ
イクロウェーブ シンポジウムの1991エムティティ
−エス ダイジェスト(Intenational M
icrowave Symposium,1991MT
T−S Digest)の879ぺージから882ペー
ジに記載された偶高調波ミクサである。図において、3
2はRF端子、33はLO端子、34はIF端子、35
は先端開放スタブ、36は先端短絡スタブ、37はDC
カット用コンデンサ、38はRFチョークである。先端
開放スタブ35と先端短絡スタブ36とを用いてfpと
fin(2fp)とを分波する構成である。
【0010】次に図34の動作について説明する。先端
開放スタブ35と先端短絡スタブ36とはfpにおいて
概略4分の1波長、従ってfinでは概略2分の1波長
となるよう設計される。このときの、APDP2からみ
た先端開放スタブ35と先端短絡スタブ36とのインピ
ーダンスは図35および図36となる。先端開放スタブ
35はRF端子32とIF端子34側なので、図35の
ようにfout近傍とfin近傍は高インピーダンスと
なり、APDP2はそれぞれの端子に接続される。一
方、fp近傍は低インピーダンスとなりAPDP2は接
地される。逆に、先端短絡スタブ36はLO端子33側
なので、図36のようにfout近傍とfin近傍は低
インピーダンスとなり、APDP2は接地される。一
方、fp近傍は高インピーダンスとなりAPDP2はL
O端子33に接続される。
【0011】図37は従来の偶高調波ミクサの他の例で
あり、1993年電子情報通信学会秋季全国大会C−4
7に報告されたものと同じように、スロット線路とコプ
レナ線路とのモードの違いを用いた構成である。図にお
いて、80はRFを入力するスロット線路、81はLO
を入力するコプレナ線路、82はコプレナ線路に励振さ
れる平衡モードを抑制するためのワイヤである。IFは
導体パターンに一端を接続されたRFチョーク38a、
38bを介して、IF端子34a、34bより出力され
る。この偶高調波ミクサは、スロット線路80とコプレ
ナ線路81とのつきあわせたところの各導体パターン
に、リング状に接続されたAPDP2を接続したもの
で、励振位相によりスロット線路80とコプレナ線路8
1は互いにアイソレーションが得られる。そのため広帯
域に分波ができる利点がある。
【0012】図38に偶高調波ミクサの各APDP2の
RF、LOおよびIFの位相関係を示す。図中、a、
b、cおよびdはAPDP2相互の接続点を意味し、図
37と対応する。RFとIFは同じ位相関係にあり、L
OとRF/IFは互いにブリッジの中点となる位置関係
に接続されているため、広帯域にアイソレーションが得
られる。この構成で、出力信号IFは差動出力であり、
端子34aと34bとに逆相で出力される。
【0013】このような差動出力では以下の利点があ
る。 (1)一般に市販されている差動入力のIC(演算増幅
器など)との接続性が良好となる。 (2)EMIなどにより生じる同位相のモードの雑音が
除去できる効果がある。このような動作はリング状に接
続したAPDP2を用いたダイオードリングの場合に限
らず、図39と図40に示したようなリング状に接続し
たダイオードリングであっても同様であり、発明者は特
開平4−21204号公報〈名称ミクサ)で原理を示し
ている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図34における偶高調
波ミクサについては、この構成は簡易であるが、スタブ
を用いているため適用周波数範囲は狭帯域であり、これ
を比較的低周波で実現しようとした場合、先端開放スタ
ブ35と先端短絡スタブ36は長くなり、大形化する課
題があった。
【0015】さらに図37や図39における偶高調波ミ
クサについては、スロット線路80を集積化するのは地
導体の接続を考えると困難である。またこれを比較的低
周波で実現しようとした場合、スロット線路80が大形
化するという課題があった。また、APDP2からLO
端子への高調波などのスプリアス成分が逆流し、スプリ
アスとなる課題があった。さらにLO側の局部発振波を
出力している回路のインピーダンスが変動すると、AP
DP2の駆動インピーダンスの変動が生じ、動作が不安
定となる課題もあった。
【0016】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、小型で低スプリアスかつ動作の安
定な偶高調波ミクサ、直交ミクサ及びイメージリジェク
ションミクサと、これらのミクサを適用した受信装置、
位相同期発振器を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る偶高調波ミクサは、4端子を有し複数個のダイオード
をリング状に接続したダイオードリングと、3端子を有
する能動素子により構成されたアクティブバランとを備
えたものにおいて、上記ダイオードリングの第1の端子
に局部発振波信号を入力し、上記第1の端子と対角とな
る上記ダイオードリングの第2の端子を高周波的に地導
体に接続し、上記能動素子の第1の端子に高周波信号を
入力し、上記能動素子の第2及び第3の端子に互いに逆
位相の高周波信号を出力し、上記能動素子の第2の端子
と上記ダイオードリングの第3の端子を高周波的に接続
すると共に、上記能動素子の第3の端子と上記ダイオー
ドリングの第4の端子を高周波的に接続し、上記ダイオ
ードリングの第3の端子及び第4の端子より、上記高周
波信号と上記局部発振波信号に対応した中間周波信号を
互いに逆位相で出力するものである。
【0018】請求項2記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、ダイオードリングとして、逆極性の2つのダイオー
ドを並列接続したアンチパラレルダイオードペアを4つ
リング状に接続するものである。
【0019】請求項3記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、ダイオードリングとして、ダイオードを4つリング
状に接続するものである。
【0020】請求項4記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、能動素子の第1の端子に入力される高周波信号を出
力している側の出力インピーダンスと、上記能動素子の
第1の端子の入力インピーダンスとを整合する整合回路
を介し、上記高周波信号を入力するものである。
【0021】請求項5記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、能動素子の第2の端子とダイオードリングの第3の
端子との接続及び能動素子の第3の端子とダイオードリ
ングの第4の端子との接続を、緩衝増幅器を介して行う
ものである。
【0022】請求項6記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、ダイオードリングの第1の端子への局部発振波信号
の入力を、緩衝増幅器を介して行うものである。
【0023】請求項7記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、ダイオードリングの第3の端子及び第4の端子から
の中間周波信号を、緩衝増幅器を介して出力するもので
ある。
【0024】請求項8記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、能動素子の第2の端子とダイオードリングの第3の
端子との接続及び能動素子の第3の端子とダイオードリ
ングの第4の端子との接続を、緩衝増幅器を介して行
い、ダイオードリングの第3の端子及び第4の端子から
の中間周波信号を、緩衝増幅器を介して出力するもので
ある。
【0025】請求項9記載の発明に係る偶高調波ミクサ
は、ダイオードリングの第3の端子及び第4の端子を高
抵抗の負荷抵抗で接続し、この負荷抵抗の両端を演算増
幅器の入力に接続し、この演算増幅器の出力より中間周
波信号を出力するものである。
【0026】請求項10記載の発明に係る偶高調波ミク
サは、ダイオードリングの第1の端子への局部発振波信
号の入力を、局部発振波信号の電力変動を抑制するリミ
タを介して行うものである。
【0027】請求項11記載の発明に係る偶高調波ミク
サは、ダイオードリングの第1の端子への局部発振波信
号の入力を、局部発振波信号の高調波を抑制するフィル
タを介して行うものである。
【0028】請求項12記載の発明に係る偶高調波ミク
サは、ダイオードリングの第1の端子への局部発振波信
号の入力を、局部発振波信号の周波数を分周する分周器
を介して行うものである。
【0029】請求項13記載の発明に係る偶高調波ミク
サは、モノリシック集積化したものである。
【0030】請求項14記載の発明に係る直交ミクサ
は、高周波信号を入力し、互いに90度位相の異なる高
周波信号を出力する第1及び第2の出力端子を有する9
0度分配回路と、局部発振波信号を入力し、互いに同相
の局部発振波信号を出力する第3及び第4の出力端子を
有する同相分配回路と、上記第1の出力端子より出力さ
れた高周波信号と、上記第3の出力端子より出力された
局部発振波信号を入力し、第1の中間周波信号を出力す
る請求項1から請求項12うちのいずれか1項記載の偶
高調波ミクサと、上記第2の出力端子より出力された高
周波信号と、上記第4の出力端子より出力された局部発
振波信号を入力し、上記第1の中間周波信号と位相が9
0度異なる第2の中間周波信号を出力する請求項1から
請求項12うちのいずれか1項記載偶高調波ミクサとを
備えたものである。
【0031】請求項15記載の発明に係る直交ミクサ
は、高周波信号を入力し、互いに同相又は逆位相の高周
波信号を出力する第1及び第2の出力端子を有する分配
回路と、局部発振波信号を入力し、互いに45度位相の
異なる局部発振波信号を出力する第3及び第4の出力端
子を有する45度分配回路と、上記第1の出力端子より
出力された高周波信号と、上記第3の出力端子より出力
された局部発振波信号を入力し、第1の中間周波信号を
出力する請求項1から請求項12うちのいずれか1項記
載の偶高調波ミクサと、上記第2の出力端子より出力さ
れた高周波信号と、上記第4の出力端子より出力された
局部発振波信号を入力し、第2の中間周波信号を出力す
る請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載の
偶高調波ミクサとを備えたものである。
【0032】請求項16記載の発明に係る直交ミクサ
は、モノリシック集積化したものである。
【0033】請求項17記載の発明に係るイメージリジ
ェクションミクサは、請求項14または請求項15記載
の直交ミクサの第1の中間周波信号を増幅する第1の演
算増幅器と、請求項14または請求項15記載の直交ミ
クサの第2の中間周波信号を増幅する第2の演算増幅器
と、上記第1及び第2の演算増幅器より出力された第1
及び第2の中間周波信号を入力し、位相を90度移相し
て出力する90度移相回路とを備えたものである。
【0034】請求項18記載の発明に係るイメージリジ
ェクションミクサは、モノリシック集積化したものであ
る。
【0035】請求項19記載の発明に係る受信装置は、
受信した高周波信号を中間周波信号に変換して所望の信
号を検出するものにおいて、請求項1から請求項13の
うちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ、請求項14
から請求項16のうちのいずれか1項記載の直交波ミク
サ又は請求項17または請求項18記載のイメージリジ
ェクションミクサを備えたものである。
【0036】請求項20記載の発明に係る位相同期発振
器は、基準発振器の出力信号に電圧制御発振器の出力信
号を位相同期させるものにおいて、請求項1から請求項
13のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサを位相
検波器として用いたものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1における
偶高調波ミクサの構成図である。図1において、101
はダイオードリングとしてAPDP2を4つ用いたAP
DPリング、102はFETを用い構成したアクティブ
バランであり、図29や図37に示した従来例と同一な
いしは相当部分には同一符号を付している。この構成
で、出力信号(IF)は差動出力であり、端子34aと
34bとに逆相で出力される。
【0038】次に図2にアクティブバランの1構成例を
示す。図2において、104は能動素子としての電界効
果トランジスタ(以下、FET)、105a、105b
は抵抗、106a、106b、107及び108はDC
カット用コンデンサ、109はRFチョーク用インダク
タ、115a、115bはアクティブバランの出力端子
である。また図3にその高周波的な等価回路を示す。図
において、(a)は電流源で表示した等価回路で、
(b)は(a)を等価変換し電圧源で表示した等価回路
であり、110はゲートソース間容量Cgs、111は
ドレイン抵抗Rds、112は電流源、113a、11
3bは負荷抵抗RL、114は電源の内部抵抗Rge
n、117は電圧源である。
【0039】次に図1から図3を用いてこの実施の形態
の動作について説明する。図37のスロット線路80の
代わりにアクティブバラン102を用いている点が従来
と異なる。RF端子32に入力信号波である高周波信号
を加えると、FET104のゲートと地導体間に電圧V
sが加わる。するとVsは分圧され、FET104のゲ
ートソース間容量Cgs110に電圧Vs’が加わる。
その結果、ドレインソース間の電流源112にgmV
s’が励振される。その結果、図3(b)に示すように
ドレインソース端子間の内部抵抗Rds111の電圧源
gm・Vs’・Rdsと等価となる。従って、負荷抵抗
RL113a、113bに入力信号電流(RF電流)が
流れ、図3(b)に示すようにアクティブバランの出力
端子115a、115bに、地導体に対し逆位相のRF
電圧RF1及びRF2が生じる。
【0040】この逆位相のRF電圧は、図37に示した
従来例でのスロット線路80とAPDP2との2つの接
点での電界と同様である。従って、図1に示した偶高調
波ミクサとしては、従来と同様に動作する。図1のAP
DP2の接点に記入したa、b、cおよびdと図37の
a、b、cおよびdとは対応している。従って、RF端
子32に入力信号波である高周波信号、LO端子33に
局部発振波信号を加えると、高周波信号と局部発振波信
号の2倍波とが周波数混合され、RFチョーク38a、
38bとを介し、IF端子34a、34bに逆位相(い
わゆる差動出力)の中間周波信号が出力され、ダウンコ
ンバータとして動作する。
【0041】以上の説明では、アクティブバラン102
用の能動素子としてFETを使用しているが、トランジ
スタであっても良い。
【0042】以上の説明では、アクティブバラン102
のゲートをRF端子32に接続したが、図4に示すよう
に、入力信号波である高周波信号を出力している回路の
インピーダンスとFETゲート側の入力インピーダンス
を整合する整合回路116を設けても良く、より低いR
F電力で動作することができる。
【0043】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、アクティブバラン102により、以下の効果が得ら
れる。 (1)スロット線路を用いないため小形化が容易。従っ
て半導体基板上に偶高調波ミクサのモノリシック集積化
が可能となる。 (2)アクティブバラン102に使用しているFETや
トランジスタなどの能動素子の方向性により、APDP
リング101からRF端子32への高調波などのスプリ
アス成分の逆流が抑制され、低スプリアスとなる。 (3)アクティブバラン102に使用しているFETや
トランジスタなどの能動素子の方向性により、入力信号
波である高周波信号を出力している回路のインピーダン
スの変動によるAPDPリング101の終端インピーダ
ンスの変動が生じない。従って動作が安定化される。
【0044】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2における偶高調波ミクサの構成図である。この実施
の形態は、実施の形態1のダイオードリングとしてのA
PDPリング101を、4つのダイオード1a〜1bか
らなるダイオードリング120におきかえて構成したも
のであり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相
当部分には同一符号を付している。図39の従来例でも
述べたように、図5のように4つのダイオードからなる
ダイオードリングの場合であっても、偶高調波ミクサと
して動作する。従って、実施の形態1と同様の効果が得
られる。
【0045】実施の形態3.アクティブバラン102で
は、図3の等価回路からも明らかなように、ドレインと
ソースは非対称である。そのため端子115aと115
bとに逆位相で分配される一方、そのインピーダンスが
同一とならない。つまり、APDPリング101やダイ
オードリング120の接続点aからみたアクティブバラ
ン102のインピーダンスと、接続点bからみたアクテ
ィブバラン102のインピーダンスは異なる。そのた
め、RFの入力信号波の励振位相にばらつきを生じる。
その結果、不平衡成分が生じ、LO側とRF/IF側と
のアイソレーションが劣化する問題がある。
【0046】また、APDPリング101やダイオード
リング120などを用いたダイオードミクサの欠点に、
端子間インピーダンスの局部発振電力依存性がある。す
なわち局部発振電力の大きさによりダイオードリングの
端子間インピーダンスが変化する。これは局部発振電力
によりダイオードミクサがON/OFFされるデューテ
ィー比が変動するためである。
【0047】このような、アイソレーションの劣化や、
インピーダンスの変動が生じると、LO端子33を介し
て、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフ
ィルタとの間で多重反射を生じる。その結果、図6のよ
うな変換利得のリップルを生じ、通信の品質を劣化させ
る。
【0048】この発明の実施の形態3はこのようなアク
ティブバラン102の問題点を解消するためになされた
ものである。図7は実施の形態3における偶高調波ミク
サの構成図である。図において、122a、122bは
アクティブバラン102とAPDPリング101との間
に設けた緩衝増幅器であり、図1に示した実施の形態1
と同一ないしは相当部分には同一符号を付している。ま
た図8には緩衝増幅器122の一例としてソース接地F
ET123を示している。また図7の接点A、Bと図8
の接点A、Bとは対応している。
【0049】次に動作について説明する。アクティブバ
ラン102とAPDPリング101との間に、緩衝増幅
器122a、122bの一例として、ソース接地FET
123を設ける。ソース接地FET123はゲートドレ
イン間が高アイソレーションであり、APDPリング1
01からはソース接地FET123の出力インピーダン
スしか見えない。従って、APDPリング101からは
アクティブバラン102の出力インピーダンスのばらつ
きは見えない。またソース接地FET123の入力イン
ピーダンスは高くほぼ開放であるため、アクティブバラ
ン102の出力インピーダンスのばらつきによる、緩衝
増幅器122a、122bの入力電圧のばらつきはわず
かである。
【0050】以上の説明では、緩衝増幅器122a、1
22bとしてソース接地FET123で説明したが、エ
ミッタ接地トランジスタであっても、その他の増幅回路
であっても良い。
【0051】また以上の説明では、実施の形態1に緩衝
増幅器122a、122bを設けた場合について示した
が、実施の形態2に緩衝増幅器122a、122bを設
けても良い。
【0052】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果が
ある。すなわちアクティブバラン102とAPDPリン
グ101との間に緩衝増幅器122a、122bを設け
ることにより、アクティブバラン102の出力インピー
ダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制できる。その
結果、RF側とLO側とのアイソレーションを高めるこ
とができる効果が得られる。また局部発振電力などの変
動によるAPDPリング101のインピーダンスの変動
があっても、緩衝増幅器122によりRF端子32のイ
ンピーダンス変動が抑制でき、この偶高調波ミクサの前
後に接続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生
じないという効果が得られる。
【0053】実施の形態4.APDPリング101やダ
イオードリング120などを用いたダイオードミクサの
欠点に、端子間インピーダンスの局部発振電力依存性が
ある。これは局部発振電力によりダイオードミクサがO
N/OFFされるデューティー比が変動するためであ
る。このような、インピーダンス変動が生じると、この
偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィル夕と
の間で多重反射を生じる。その結果、周波数によってA
PDPリング101やダイオードリング120などにか
かるLO電圧に変動が生じ、利得が変動する問題が生じ
る。
【0054】この発明の実施の形態4ではこのような問
題を解消するためになされたものである。図9は実施の
形態4における偶高調波ミクサの構成図である。図にお
いて、124はLO端子33とAPDPリング101と
の間に設けたLO用緩衝増幅器であり、図1に示した実
施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付し
ている。また図10には緩衝増幅器124の一例として
ゲート接地FET125を示している。ここで図9の接
点A、Bと図12の接点A、Bとは対応している。
【0055】次に動作について説明する。ゲート接地F
ET125は入力インピーダンスが低く、50オームや
75オームに近い。そのため、外部の回路との電気的な
接続性が良好である。また入出力端子間にはアイソレー
ション特性があるため、LO端子33からはAPDPリ
ング101のインピーダンスが見えない。従って、局部
発振電力の変動によりAPDPリングの端子間インピー
ダンスが変動しても、偶高調波ミクサの各端子間インピ
ーダンスは変化せず、この偶高調波ミクサの前後に接続
される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない。
【0056】以上の説明では、LO用緩衝増幅器124
としてゲート接地FET125で説明したが、ベース接
地トランジスタやその他の増幅回路であっても良い。
【0057】また以上の説明では、実施の形態1にLO
用緩衝増幅器124を設けているが、実施の形態2に緩
衝増幅器124を設けても良い。
【0058】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果が
ある。すなわちLO用緩衝増幅器124により利得の周
波数リップルを抑制でき、伝送特性が向上する効果が得
られる。また、LO用緩衝増幅器124のアイソレーシ
ョン特性により、高周波信号や中間周波信号などのLO
端子33への漏洩を抑制でき、低スプリアスとなる効果
が得られる。
【0059】実施の形態5.この発明の実施の形態5
は、実施の形態4と同様、局部発振電力などの変動によ
るAPDPリング101やタイオードリング120のイ
ンピーダンス変動などの問題点を解消するためになされ
たものである。図11は実施の形態5における偶高調波
ミクサの構成図である。図において、126a、126
bはIF端子34a、34bとAPDPリング101と
の間に設けた出力信号用緩衝増幅器であり、図1に示し
た実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を
付している。また図12には緩衝増幅器126a、12
6bの一例としてFET104と抵抗127とからなる
ソースフロア128を示している。ここで図11の接点
A、Bと図12の接点A、Bとは対応している。
【0060】次に動作について説明する。ソースフロア
128は出力インピーダンスが低く、50オームや75
オームに近い。そのため、外部の回路との電気的な接続
性が良好である。また入出力端子間にはアイソレーショ
ン特性があるため、出力端子からはAPDPリング10
1のインピーダンスが見えない。従って、局部発振電力
の変動によりAPDPリング101の端子間インピーダ
ンスが変動しても、この偶高調波ミクサの前後に接続さ
れる増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない。
【0061】以上の説明では、出力信号用緩衝増幅器1
26a、126bとしてソースフロア128で説明した
が、トランジスタによるエミッタフロアや、その他の増
幅回路であっても良い。
【0062】また以上の説明では、実施の形態1に出力
信号用緩衝増幅器126a、126bを設けた場合につ
いて示したが、実施の形態2に緩衝増幅器126a、1
26bを設けた場合であっても良い。
【0063】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果が
ある。すなわち局部発振電力の変動によりAPDPリン
グ101の端子間インピーダンスが変動しても、この偶
高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの
間で多重反射を生じないという効果が得られる。
【0064】実施の形態6.この発明の実施の形態6
は、実施の形態7と同様、局部発振電力などの変動によ
るAPDPリング101やダイオードリング120のイ
ンピーダンス変動などの問題点を解消するためになされ
たものである。図13は実施の形態6における偶高調波
ミクサの構成図である。図において、アクティブバラン
102とAPDPリング101との間に入力信号用緩衝
増幅器122a、122bを、またIF端子34a、3
4bとAPDPリング101との間に出力信号用緩衝増
幅器126a、126bとを設けたものであり、実施の
形態3と実施の形態5を同時に実現した構成である。こ
こで、入力信号用緩衝増幅器122a、122bの一例
としてはソース接地FETなどが、出力信号用緩衝増幅
器126a、126bの一例としてはソースフロアなど
が挙げられる。また図13において、図1に示した実施
の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付して
いる。
【0065】次に動作について説明する。この実施の形
態6は、実施の形態3と実施の形態5で説明した動作を
同時に実現する。以上のように、外部の回路との電気的
な接続性が良好であると共に、入出力端子間にはアイソ
レーション特性があるため、IF端子34a、34bや
RF端子32からはAPDPリング101のインピーダ
ンスが見えない。従って、局部発振電力の変動によりA
PDPリング101の端子間インピーダンスが変動して
も、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフ
ィルタとの間で多重反射を生じない。
【0066】以上の説明では、緩衝増幅器122a、1
22b、126a、126bとしてFET回路で説明し
たが、トランジスタ回路であっても、その他の増幅回路
であっても良い。
【0067】また以上の説明では、実施の形態1に緩衝
増幅器122a、122b、126a、126b設けた
場合について示したが、実施の形態2に緩衝増幅器を設
けた場合であっても良い。
【0068】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果が
ある。すなわち局部発振電力の変動によりAPDPリン
グ101の端子間インピーダンスが変動しても、この偶
高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの
間で多重反射を生じないという効果が得られる。
【0069】実施の形態7.APDPリング101やダ
イオードリング120などを用いたダイオードミクサの
その他の欠点に、変換効率が低く高損失となる点があ
る。この発明の実施の形態7ではこのようなAPDPリ
ング101やダイオードリング120などの問題点を解
消するためになされたものである。図14は実施の形態
7における偶高調波ミクサの構成図である。図におい
て、129は差動対のIF端子34a、34bの間に接
続された出力負荷抵抗Rout、130は演算増幅器で
あり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部
分には同一符号を付している。
【0070】一般にミクサ、特にダイオードミクサで
は、50オームの出力負荷を規定している。しかし、例
えばIF回路として演算増幅器の利用を想定する。演算
増幅器は電力伝送でなく電圧伝送系を想定しているた
め、50オームの終端抵抗は意味をなさない。また、偶
高調波ミクサは通常のミクサと比較して、2次の混合を
用いる理由で変換損が1から3dB程度高い。そこで、
この実施の形態による偶高調波ミクサでは、出力負荷抵
抗129を50オームより高いインピーダンスとし、出
力電圧の向上をねらっている。
【0071】次に動作について説明する。この出力負荷
抵抗Rout129の両端の電圧Voutを、入力イン
ピーダンスがほぼ開放とみなせる演算増幅器130で増
幅する。この出力負荷抵抗129両端の電圧Vout
は、図15に示すように、出力負荷抵抗Rout129
を高めるほど高電圧となり、開放に近づくにつれ一定の
値に収束する。また演算増幅器130は、端子間の電圧
を増幅する機能を有する。したがって、出力負荷抵抗R
out129を高める程、ミクサの利得が高まることが
分かる。ここで、これはエネルギー的な利得の高まりを
意味するのではなく、電圧利得が高まることのみを意味
している点に注意を要する。
【0072】以上の説明では、実施の形態1に、出力負
荷抵抗129と演算増幅器130を設けた場合について
示したが、実施の形態2に出力負荷抵抗129と演算増
幅器130を設けた場合であっても良い。
【0073】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に、偶高調波ミクサ
の利得が高まり、例えば受信機の感度が改善されるなど
の効果が得られる。
【0074】実施の形態8.図16に偶高調波ミクサの
局部発振電力に対する変換利得を示す。通常の基本波ミ
クサは飽和特性を呈し局部発振電力に対し安定した変換
利得が得られるが、偶高調波ミクサは局部発振電力に対
し、図16に示すように単峰特性を呈し安定しない。こ
れはAPDP2では局部発振電力を高めると、APDP
2を構成するミクサダイオード1a、1bの双方がON
される時間が長くなり、ついにはミクサダイオード1
a、1bの双方がONされ、非線形性を失うため生じる
現象である。そのため、温度などで局部発振電力が変動
すると、変換利得が変動する問題がある。この発明の実
施の形態8ではこのようなAPDPリング101やダイ
オードリング120を用いた偶高調波ミクサの問題点を
解消するためになされたものである。
【0075】図17は実施の形態8における偶高調波ミ
クサの構成図である。図において、131はLO端子3
3とAPDPリング101の間に設けられたリミタであ
り、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当部分
には同一符号を付している。
【0076】次に動作について説明する。リミタ131
は図18に示すような入出力特性を有しており、あるレ
ベル以上の入力電力に対し、リミタ効果により出力を一
定にしている。その結果、リミタ131の効果で、温度
などの要因で局部発振電力が変動しても、図19に示す
ように安定した変換利得が得られる。
【0077】また、リミタ131からは多数の高調波が
発生するため、スプリアス成分となる。そこでリミタ1
31の出力に、スプリアス成分を抑制する高調波抑制用
フィルタを設けても良い。
【0078】以上の説明では、実施の形態1にリミタ1
31を設けた場合について示したが、実施の形態2にリ
ミタ131を設けても良い。
【0079】以上のように、この実施の形態8によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に、LO端子33と
APDPリング101の間に設けられたリミタ131に
より、安定した変換利得が得られるという効果がある。
【0080】実施の形態9.ミクサに供給される局部発
振波信号fpには、通常高調波成分が含まれる。この高
調波成分のうち、第2高調波2fpは図20に示すよう
にRF波finに近接し、妨害波となる。とりわけダイ
レクトコンバージョン受信機のようにIFが低周波とな
り、finと2fpが近接する場合に問題となる。この
発明の実施の形態9ではこのような偶高調波ミクサの問
題点を解消するためになされたものである。
【0081】図21は実施の形態9における偶高調波ミ
クサの構成図である。図において、132はLO端子3
3とAPDPリング101との間に設けられたフィルタ
であり、図1に示した実施の形態1と同一ないしは相当
部分には同一符号を付している。
【0082】次に動作について説明する。フィルタ13
2は局部発振波fpの高調波2fpを抑制する。その結
果、偶高調波ミクサから出力されるスプリアスが低レベ
ルとなる。
【0083】以上の説明では、実施の形態1にフィルタ
132を設けた場合について示したが、実施の形態2に
フィルタ132を設けても良い。
【0084】以上のように、この実施の形態9によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に、LO端子33と
APDPリング101との間に設けられたフィルタ13
2により、偶高調波ミクサから出力されるスプリアスが
低レベルとなるという効果が得られる。
【0085】実施の形態10.偶高調波ミクサでは、局
部発振波がAPDP2で2逓倍される。従って、局部発
振周波数として基本波動作のミクサの半分の周波数とな
る。また局部発振器としてシンセサイザを用いる場合、
チャネル間隔も逓倍により2倍となる。そのため、あら
かじめ半分のチヤネル間隔のシンセサイザが必要とな
る。通常シンセサイザとしてPLL構成のものが用いら
れ、チャネル間隔がPLLの基準周波数となる。そのた
め、偶高調波ミクサを用いるとPLLの基準周波数が半
分となる。しかしながら、PLLの収束時間や雑音特性
は基準周波数が高いほど良好であり、そのため偶高調波
ミクサを用いるとPLLの特性が劣化する問題がある。
この発明の実施の形態10ではこのような偶高調波ミク
サの問題点を解消するためになされたものである。
【0086】図22は実施の形態10における偶高調波
ミクサの構成図である。図において、133はLO端子
33とADPDリング101との間に設けられた分周器
であり、図29や図37に示した従来例、図1に示した
実施の形態1と同一ないしは相当部分には同一符号を付
している。
【0087】次に動作について説明する。LO端子33
には、局部発振周波数として2fpが入力される。そし
て分周器133は入力した局部発振波2fpを2分周し
てfpとし、このfpをADPDリング101に入力す
ることにより、ミクサ内部での2逓倍の効果を相殺して
いる。従って、外部からみて、あたかも基本波動作のミ
クサと同じように動作する。このような構成にすると、
基本波動作のミクサと同様の局部発振器やシンセサイザ
を用いることができ、PLLの特性劣化を抑制できる。
【0088】以上の説明では、実施の形態1に分周器1
33を設けた場合について示したが、実施の形態2に分
周器133をを設けても良い。
【0089】また分周器133からは多数高調波が発生
するため、これがスプリアス成分となる。そこで分周器
133の出力にスプリアス成分を抑制する高調波抑制用
フィルタを設けても良い。
【0090】以上のように、この実施の形態10によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に、LO端子33と
ADPDリング101との間に設けられた分周器133
により、PLL構成の局部発振器やシンセサイザの基準
周波数を高くすることができ、PLLの特性劣化を抑制
できるという効果が得られる。
【0091】実施の形態11.この発明の実施の形態1
1は、実施の形態1から10の偶高調波ミクサのいずれ
か2つを用い、直交ミクサを構成したものである。図2
3は実施の形態11における直交ミクサの構成図であ
る。図において、134は90度分配回路、135は同
相分配回路、300a、300bは偶高調波ミクサであ
り、2つの偶高調波ミクサ300a、300bのRF端
子32a、32bを90度分配回路134に接続し、L
O端子33a、33bを同相分配回路135に接続して
いる。また図1に示した実施の形態1と同一ないしは相
当部分には同一符号を付している。
【0092】次に動作について説明する。このミクサは
例えば、RF端子32cにQPSKなどの変調波(周波
数2fp)を入力し、LO端子33cに搬送波成分(周
波数fp)を入力すると、2つのIF端子34a、34
bにQPSKの複素包絡線成分が出力され、直交復調器
として動作する。RF端子32cに入力された入力信号
波は、90度分配回路134により、2つの偶高調波ミ
クサ300a、300bのRF端子32a、32bに、
互いに90度の位相差をもって出力される。またLO端
子に入力された局部発振波は、同相分配回路135によ
り、2つの偶高調波ミクサ300a、300bのLO端
子33a、33bに、互いに同相で出力される。2つの
偶高調波ミクサ300a、300bは、実施の形態1と
同様に動作するが、中間周波信号の出力端子34a、3
4bには、互いに90度の位相差をもって中間周波信号
が出力される。
【0093】また以上の説明では、LO端子33a、3
3bに同相分配回路135を接続したものであるが、直
接接続したり、アクティブバランやウィルキンソン分配
器など同位相あるいは逆位相の分配回路を用いても良
い。
【0094】以上のように、この実施の形態11によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に、実施の形態1か
ら10の偶高調波ミクサのいずれか2つをを用いている
ため、直交ミクサとして小形に構成できるという効果が
得られる。
【0095】実施の形態12.この発明の実施の形態1
2は、実施の形態11と同様に、実施の形態1から10
の偶高調波ミクサのいずれか2つを用い、直交ミクサを
構成したものである。実施の形態11との違いはLO側
で45度の位相差の分配を行い、RF端子で同位相ある
いは逆位相の分配回路135を用いている点である。4
5度の位相差の局部発振波は偶高調波ミクサでの2逓倍
により90度の位相差となる。図24は実施の形態12
における直交ミクサの構成図である。図において、13
6は45度分配回路であり、図23に示したものと同一
ないしは相当部分には同一符号を付している。2つの偶
高調波ミクサのLO端子33a、33bを45度分配回
路136に接続し、RF端子32a、32bを同位相あ
るいは逆位相の分配回路135で接続している。
【0096】次に動作について説明する。このミクサは
例えば、RF端子32cにQPSKなどの変調波(周波
数2fp)を入力し、LO端子33cに搬送波成分(周
波数fp)を入力すると、2つのIF端子34a、34
bにQPSKの複素包絡線成分が出力され、直交復調器
として動作する。RF端子32cに入力された入力信号
波は、同位相あるいは逆位相の分配回路135により、
2つの偶高調波ミクサ300a、300bのRF端子3
2a、32bに、互いに同相又は逆位相で出力される。
またLO端子に入力された局部発振波は、45度分配回
路136により、2つの偶高調波ミクサ300a、30
0bのLO端子33a、33bに、互いに45度の位相
差をもって出力される。2つの偶高調波ミクサ300
a、300bは、実施の形態1から10と同様に動作す
るが、45度の位相差の局部発振波は偶高調波ミクサで
の2逓倍により90度の位相差となり、中間周波信号の
出力端子34a、34bには、互いに90度の位相差を
もって中間周波信号が出力される。
【0097】以上のように、この実施の形態12によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に、実施の形態1か
ら10の偶高調波ミクサのいずれか2つをを用いている
ため、直交ミクサとして小形に構成できるという効果が
得られる。
【0098】実施の形態13.この発明の実施の形態1
3は、実施の形態11または12の直交ミクサにIFの
90度移相回路を接続したイメージリジェクションミク
サに関するものである。図25は実施の形態13におけ
るイメージリジェクションミクサの構成図である。図に
おいて、137はIFの90度移相回路、301は直交
ミクサであり、直交ミクサ301の2つのIF端子34
a、34bとIFの90度移相回路137を演算増幅器
130a、130bを介して接続されている。また図に
おいて、図23や図24に示したものと同一ないしは相
当部分には同一符号を付している。
【0099】次に動作について説明する。演算増幅器1
30a、130bは偶高調波ミクサ300a、300b
の出力の差動対を合成する。そして90度移相回路13
7は、端子X,Yに入力された互いに90度の位相差の
ある中間周波信号を、90度移相させて同相に戻して端
子34に出力する。また中間周波信号のイメージ信号
は、この90度移相回路137の移相動作によりキャン
セルされる。
【0100】以上にように、この実施の形態13によれ
ば、実施の形態1で示した効果の他に次のような効果が
ある。すなわち実施の形態11又は12の直交ミクサを
用いているため、イメージリジェクションミクサとして
小形に構成できる効果が得られる。また小形に構成でき
るため、接続部での位相の回転を抑制でき、イメージ抑
圧比を高める効果もある。
【0101】実施の形態14.以上述べた実施の形態1
から13までの偶高調波ミクサ、直交ミクサおよびイメ
ージリジェクションミクサは半導体基板上にモノリシッ
ク集積化しても良く、実施の形態1から13と同様の効
果が得られる。さらにAPDPリング101やダイオー
ドリング120の特性を揃えることができ、アクティブ
バラン102とAPDPリング101やダイオードリン
グ120との接続長のばらつきを抑えることができ、製
造精度を向上させることが可能となる。従って、偶高調
波ミクサではLO端子とRF/IF端子とのアイソレー
ションを高めることができる効果がある。また直交ミク
サでは復調精度を高めることができる効果がある。さら
にイメージリジェクションミクサではイメージ抑圧比を
高める効果がある。
【0102】実施の形態15.この発明の実施の形態1
5は、実施の形態1から14に記載のミクサを適用した
受信装置であり、図26に直交ミクサを適用した受信装
置の構成例を示す。図において、200はアンテナ、2
01は低雑音増幅器(LNA)、202は帯域通過フィ
ルタ(BPF)、203は実施の形態11または12の
直交ミクサ、204は局部発振器、205a、205b
は低域通過フィルタ、206a、206bはベースバン
ド増幅器である。実施の形態1から14に記載のミクサ
を適用しているため、実施の形態1から14と同様の効
果が得られ、さらに受信装置全体を小形化できる効果が
得られる。
【0103】実施の形態16.この発明の実施の形態1
6は、実施の形態1から10に記載のミクサを位相検波
器として適用した位相同期発振器であり、図27と図2
8にその構成例を示す。図において、208は電圧制御
発振器(VCO)、209は分周器、210は位相比較
器として用いた偶高調波ミクサ、211は基準発振器、
212はループフィルタ、213はカプラであり、基準
発振器211の出力信号に電圧制御発振器(VCO)2
08の出力信号を位相同期させている。
【0104】アナログの位相比較器の特徴の1つに、デ
ィジタルの位相比較器を用いるものと比較して、搬送波
近傍の位相雑音が低レベルとなる点にある。一方、アナ
ログの位相比較器の欠点の1つに直流成分の漏れがあ
る。これは、ミクサの不平衡成分であり、温度などによ
りこの直流成分は変動する。そのため、検波感度の変動
や同期はずれの原因となっている。偶高調波ミクサ21
0では、式(1)より直流成分は抑制され出力されな
い。従って、偶高調波ミクサ210をPLLに適用する
と動作が安定化する効果がある。また実施の形態1から
10に記載のミクサを適用しているため、実施の形態1
から14と同様の効果が得られ、さらに位相同期発振器
全体を小形化できる効果がある。
【0105】
【発明の効果】以上のように、請求項1から請求項3記
載の発明によれば、アクティブバランを使用しているの
で、小形化が容易となり、ダイオードリングから高周波
信号の入力端子への高調波などのスプリアス成分の逆流
が抑制されて低スプリアスとなり、高周波信号波を出力
している回路のインピーダンスの変動によるダイオード
リングの終端インピーダンスの変動が生じないため動作
が安定となる効果がある。
【0106】請求項4記載の発明によれば、上記高周波
信号を整合回路を介し入力しているので、よりレベルの
低い高周波信号でも動作することができる効果がある。
【0107】請求項5記載の発明によれば、アクティブ
バランとダイオードリングとの間に緩衝増幅器を設けて
いるので、請求項1から請求項3記載の発明による効果
に加えて、アクティブバランの出力インピーダンスのば
らつきによる不平衡成分を抑制でき、高周波信号側と局
部発振波信号側とのアイソレーションを高めることがで
きる効果がある。また、局部発振電力などの変動による
ダイオードリングのインピーダンスの変動があっても、
高周波信号の入力端子のインピーダンス変動が抑制で
き、この偶高調波ミクサの前後に接続される増幅器やフ
ィルタとの間で多重反射を生じない効果がある。
【0108】請求項6記載の発明によれば、ダイオード
リングへの局部発振波信号の入力を緩衝増幅器を介して
行っているので、請求項1から請求項3記載の発明によ
る効果に加えて、変換利得の周波数リップルを抑制で
き、伝送特性が向上する効果がある。また、緩衝増幅器
のアイソレーション特性により、高周波信号や中間周波
信号の局部発振波信号側への漏洩を抑制でき、低スプリ
アスとなる効果がある。
【0109】請求項7記載の発明によれば、ダイオード
リングからの中間周波信号を、緩衝増幅器を介して出力
しているので、請求項1から請求項3記載の発明による
効果に加えて、局部発振電力の変動によりダイオードリ
ングの端子間インピーダンスが変動しても、この偶高調
波ミクサの前後に接続される増幅器やフィルタとの間で
多重反射を生じない効果がある。
【0110】請求項8記載の発明によれば、アクティブ
バランとダイオードリングとの間に緩衝増幅器を設け、
ダイオードリングからの中間周波信号を、緩衝増幅器を
介して出力しているので、請求項1から請求項3記載の
発明による効果に加えて、アクティブバランの出力イン
ピーダンスのばらつきによる不平衡成分を抑制でき、高
周波信号側と局部発振波信号側とのアイソレーションを
高めることができる効果がある。また局部発振電力など
の変動によるダイオードリングのインピーダンスの変動
があっても、高周波信号の入力端子のインピーダンス変
動が抑制できると共に、この偶高調波ミクサの前後に接
続される増幅器やフィルタとの間で多重反射を生じない
効果がある。
【0111】請求項9記載の発明によれば、ダイオード
リングの第3の端子及び第4の端子を高負荷抵抗で接続
し、この高負荷抵抗の両端を演算増幅器の入力に接続
し、この演算増幅器の出力より中間周波信号を出力して
いるので、請求項1から請求項3記載の発明による効果
に加えて、偶高調波ミクサの利得が高まる効果がある。
【0112】請求項10記載の発明によれば、局部発振
波信号の入力を、局部発振波信号の電力変動を抑制する
リミタを介して行っているので、請求項1から請求項3
記載の発明による効果に加えて、局部発振電力が変動し
ても、リミタにより局部発振電力が安定化され、変換利
得が変動せず安定化する効果がある。
【0113】請求項11記載の発明によれば、局部発振
波信号の入力を、局部発振波信号の高調波を抑制するフ
ィルタを介して行っているので、請求項1から請求項3
記載の発明による効果に加えて、偶高調波ミクサから出
力されるスプリアスが低レベルとなる効果がある。
【0114】請求項12記載の発明によれば、局部発振
波信号の入力を、局部発振波信号の周波数を分周する分
周器を介して行っているので、請求項1から請求項3記
載の発明による効果に加えて、基本波動作のミクサと同
様の局部発振器やシンセサイザを用いることができる効
果がある。
【0115】請求項13記載の発明によれば、偶高調波
ミクサをモノリシック集積化しているので、ダイオード
リングの特性を揃えることができ、アクティブバランと
ダイオードリングとの接続長のばらつきを抑えることが
でき、製造精度を向上させることが可能となる。従っ
て、局部発振信号側と高周波信号/中間周波信号側との
アイソレーションを高めることができる効果がある。
【0116】請求項14及び請求項15記載の発明によ
れば、請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記
載の偶高調波ミクサを用いて、直交ミクサを構成してい
るので、直交ミクサとして請求項1から請求項12のう
ちのいずれか1項記載の発明の効果があると共に、直交
ミクサとして小型にできる効果がある。
【0117】請求項16記載の発明によれば、直交ミク
サをモノリシック集積化しているので、ダイオードリン
グの特性を揃えることができ、アクティブバランとダイ
オードリングとの接続長のばらつきを抑えることがで
き、復調精度を高めることができる効果がある。
【0118】請求項17記載の発明によれば、請求項1
4または請求項15記載の直交ミクサを用いて、イメー
ジリジェクションミクサを構成しているので、イメージ
リジェクションミクサとして請求項14または請求項1
5記載の発明の効果があると共に、イメージリジェクシ
ョンミクサとして小型に構成でき、イメージ抑圧比を高
める効果がある。
【0119】請求項18記載の発明によれば、イメージ
リジェクションミクサをモノリシック集積化しているの
で、ダイオードリングの特性を揃えることができ、アク
ティブバランとダイオードリングとの接続長のばらつき
を抑えることができ、イメージ抑圧比を高める効果があ
る。
【0120】請求項19記載の発明によれば、請求項1
から請求項13のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミ
クサ、請求項14から請求項16のうちのいずれか1項
記載の直交ミクサ又は請求項17または請求項18記載
のイメージリジェクションミクサを用いて、受信装置を
構成しているので、受信装置として請求項1から請求項
18のうちのいずれか1項記載の発明の効果があると共
に、受信装置全体を小型化できる効果がある。
【0121】請求項20記載の発明によれば、請求項1
から請求項13のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミ
クサを用いて、位相同期発振器を構成しているので、位
相同期発振器として請求項1から請求項13うちのいず
れか1項記載の発明の効果があると共に、位相同期発振
器全体を小型化できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による偶高調波ミク
サを示す構成図である。
【図2】 この発明のアクティブバランを示す構成図で
ある。
【図3】 この発明のアクティブバランの等価回路であ
る。
【図4】 この発明のアクティブバランを示す構成図で
ある。
【図5】 この発明の実施の形態2による偶高調波ミク
サを示す構成図である。
【図6】 周波数リップルの説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による偶高調波ミク
サを示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による緩衝増幅器を
示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による偶高調波ミク
サを示す構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による緩衝増幅器
を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態5による偶高調波ミ
クサを示す構成図である。
【図12】 この発明の実施の形態5による緩衝増幅器
を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態6による偶高調波ミ
クサを示す構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態7による偶高調波ミ
クサを示す構成図である。
【図15】 出力負荷抵抗に対する偶高調波ミクサの出
力電圧の説明図である。
【図16】 局部発振電力に対する偶高調波ミクサの変
換利得の説明図である。
【図17】 この発明の実施の形態8による偶高調波ミ
クサを示す構成図である。
【図18】 リミタの特性の説明図である。
【図19】 リミタ付き偶高調波ミクサの特性の説明図
である。
【図20】 偶高調波ミクサの出力スペクトラムの説明
図である。
【図21】 この発明の実施の形態9による偶高調波ミ
クサを示す構成図である。
【図22】 この発明の実施の形態10による偶高調波
ミクサを示す構成図である。
【図23】 この発明の実施の形態11による直交ミク
サを示す構成図である。
【図24】 この発明の実施の形態12による直交ミク
サを示す構成図である。
【図25】 この発明の実施の形態13によるイメージ
リジェクションミクサを示す構成図である。
【図26】 この発明の実施の形態15による受信装置
を示す構成図である。
【図27】 この発明の実施の形態16による位相同期
発振器を示す構成図である。
【図28】 この発明の実施の形態16による位相同期
発振器を示す構成図である。
【図29】 偶高調波ミクサの一般的な構成図である。
【図30】 APDPのLO電流の説明図である。
【図31】 APDPのLO電流の説明図である。
【図32】 偶高調波ミクサの周波数の説明図である。
【図33】 従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図34】 従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図35】 従来の偶高調波ミクサの分波回路の説明図
である。
【図36】 従来の偶高調波ミクサの分波回路の説明図
である。
【図37】 従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図38】 APDPに加わる波の位相を説明する図で
ある。
【図39】 従来の偶高調波ミクサの構成図である。
【図40】 ダイオードに加わる波の位相を説明する図
である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d ダイオード、2a,2b,2
c,2d アンチパラレルダイオードペア、101 A
PDPリング(ダイオードリング)、102アクティブ
バラン、116 整合回路、120 ダイオードリン
グ、122a,122b,124,126a,126b
緩衝増幅器、130 演算増幅器、131 リミタ、
132 フィルタ、133 分周器、134 90度分
配回路、135 分配回路、136 45度分配回路、
137 90度移相回路、203直交ミクサ、208
電圧制御発振器、210 偶高調波ミクサ、211 基
準発振器。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4端子を有し複数個のダイオードをリン
    グ状に接続したダイオードリングと、3端子を有する能
    動素子により構成されたアクティブバランとを備えた偶
    高調波ミクサにおいて、 上記ダイオードリングの第1の端子に局部発振波信号を
    入力し、 上記第1の端子と対角となる上記ダイオードリングの第
    2の端子を高周波的に地導体に接続し、 上記能動素子の第1の端子に高周波信号を入力し、上記
    能動素子の第2及び第3の端子に互いに逆位相の高周波
    信号を出力し、 上記能動素子の第2の端子と上記ダイオードリングの第
    3の端子を高周波的に接続すると共に、上記能動素子の
    第3の端子と上記ダイオードリングの第4の端子を高周
    波的に接続し、 上記ダイオードリングの第3の端子及び第4の端子よ
    り、上記高周波信号と上記局部発振波信号に対応した中
    間周波信号を互いに逆位相で出力することを特徴とする
    偶高調波ミクサ。
  2. 【請求項2】 ダイオードリングは、逆極性の2つのダ
    イオードを並列接続したアンチパラレルダイオードペア
    を4つリング状に接続することを特徴とする請求項1記
    載の偶高調波ミクサ。
  3. 【請求項3】 ダイオードリングは、ダイオードを4つ
    リング状に接続することを特徴とする請求項1記載の偶
    高調波ミクサ。
  4. 【請求項4】 能動素子の第1の端子に入力される高周
    波信号を出力している側の出力インピーダンスと、上記
    能動素子の第1の端子の入力インピーダンスとを整合す
    る整合回路を介し、上記高周波信号を入力することを特
    徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
  5. 【請求項5】 能動素子の第2の端子とダイオードリン
    グの第3の端子との接続及び能動素子の第3の端子とダ
    イオードリングの第4の端子との接続を、緩衝増幅器を
    介して行うことを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミ
    クサ。
  6. 【請求項6】 ダイオードリングの第1の端子への局部
    発振波信号の入力を、緩衝増幅器を介して行うことを特
    徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
  7. 【請求項7】 ダイオードリングの第3の端子及び第4
    の端子からの中間周波信号を、緩衝増幅器を介して出力
    することを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
  8. 【請求項8】 能動素子の第2の端子とダイオードリン
    グの第3の端子との接続及び能動素子の第3の端子とダ
    イオードリングの第4の端子との接続を、緩衝増幅器を
    介して行い、ダイオードリングの第3の端子及び第4の
    端子からの中間周波信号を、緩衝増幅器を介して出力す
    ることを特徴とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
  9. 【請求項9】 ダイオードリングの第3の端子及び第4
    の端子を高抵抗の負荷抵抗で接続し、この負荷抵抗の両
    端を演算増幅器の入力に接続し、この演算増幅器の出力
    より中間周波信号を出力することを特徴とする請求項1
    記載の偶高調波ミクサ。
  10. 【請求項10】 ダイオードリングの第1の端子への局
    部発振波信号の入力を、局部発振波信号の電力変動を抑
    制するリミタを介して行うことを特徴とする請求項1記
    載の偶高調波ミクサ。
  11. 【請求項11】 ダイオードリングの第1の端子への局
    部発振波信号の入力を、局部発振波信号の高調波を抑制
    するフィルタを介して行うことを特徴とする請求項1記
    載の偶高調波ミクサ。
  12. 【請求項12】 ダイオードリングの第1の端子への局
    部発振波信号の入力を、局部発振波信号の周波数を分周
    する分周器を介して行うことを特徴とする請求項1記載
    の偶高調波ミクサ。
  13. 【請求項13】 偶高調波ミクサをモノリシック集積化
    したことを特徴とする請求項1から請求項12記載の偶
    高調波ミクサ。
  14. 【請求項14】 高周波信号を入力し、互いに90度位
    相の異なる高周波信号を出力する第1及び第2の出力端
    子を有する90度分配回路と、 局部発振波信号を入力し、互いに同相の局部発振波信号
    を出力する第3及び第4の出力端子を有する同相分配回
    路と、 上記第1の出力端子より出力された高周波信号と、上記
    第3の出力端子より出力された局部発振波信号を入力
    し、第1の中間周波信号を出力する請求項1から請求項
    12のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサと、 上記第2の出力端子より出力された高周波信号と、上記
    第4の出力端子より出力された局部発振波信号を入力
    し、上記第1の中間周波信号と位相が90度異なる第2
    の中間周波信号を出力する請求項1から請求項12のう
    ちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサとを備えたこと
    を特徴とする直交ミクサ。
  15. 【請求項15】 高周波信号を入力し、互いに同相又は
    逆位相の高周波信号を出力する第1及び第2の出力端子
    を有する分配回路と、 局部発振波信号を入力し、互いに45度位相の異なる局
    部発振波信号を出力する第3及び第4の出力端子を有す
    る45度分配回路と、 上記第1の出力端子より出力された高周波信号と、上記
    第3の出力端子より出力された局部発振波信号を入力
    し、第1の中間周波信号を出力する請求項1から請求項
    12うちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサと、 上記第2の出力端子より出力された高周波信号と、上記
    第4の出力端子より出力された局部発振波信号を入力
    し、第2の中間周波信号を出力する請求項1から請求項
    12のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサとを備
    えたことを特徴とする直交ミクサ。
  16. 【請求項16】 直交ミクサをモノリシック集積化した
    ことを特徴とする請求項14または請求項15記載の直
    交ミクサ。
  17. 【請求項17】 請求項14または請求項15記載の直
    交ミクサの第1の中間周波信号を増幅する第1の演算増
    幅器と、 請求項14または請求項15記載の直交ミクサの第2の
    中間周波信号を増幅する第2の演算増幅器と、 上記第1及び第2の演算増幅器より出力された第1及び
    第2の中間周波信号を入力し、位相を90度移相して出
    力する90度移相回路とを備えたことを特徴とするイメ
    ージリジェクションミクサ。
  18. 【請求項18】 イメージリジェクションミクサをモノ
    リシック集積化したことを特徴とする請求項17記載の
    イメージリジェクションミクサ。
  19. 【請求項19】 受信した高周波信号を中間周波信号に
    変換して所望の信号を検出する受信装置において、請求
    項1から請求項13のうちのいずれか1項記載の偶高調
    波ミクサ、請求項14から請求項16のうちのいずれか
    1項記載の直交波ミクサ、又は請求項17または請求項
    18記載のイメージリジェクションミクサを備えたこと
    を特徴とする受信装置。
  20. 【請求項20】 基準発振器の出力信号に電圧制御発振
    器の出力信号を位相同期させる位相同期発振器におい
    て、請求項1から請求項13のうちのいずれか1項記載
    の偶高調波ミクサを位相検波器として用いたことを特徴
    とする位相同期発振器。
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