JP3350639B2 - 周波数変換器 - Google Patents

周波数変換器

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JP3350639B2
JP3350639B2 JP17214097A JP17214097A JP3350639B2 JP 3350639 B2 JP3350639 B2 JP 3350639B2 JP 17214097 A JP17214097 A JP 17214097A JP 17214097 A JP17214097 A JP 17214097A JP 3350639 B2 JP3350639 B2 JP 3350639B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周波数変換器、よ
り詳細には、低歪み、低不要輻射電力、高利得の特性を
持つ高調波ミクサに関する。
【0002】
【従来の技術】中間周波数が受信周波数帯域幅より小さ
くなる場合、イメージ妨害を防止するために、イメージ
リジェクション方式を用いた受信機がある。また、中間
周波数を用いず、直接ベースバンドへの周波数変換を
なうダイレクトコンバージョン方式の受信機がある。前
記のイメージリジェクション方式の受信機の場合、中間
周波数はかなり低い周波数であり、以降、本明細書の中
ではダイレクトコンバージョン方式と合わせて、ベース
バンド周波数と呼ぶこととする。これらの方式の受信機
では、ミクサ内部で生じる受信帯域内の信号の2次の相
互変調歪みにより、ベースバンド周波数の妨害波が発生
するため、受信装置は2次の相互変調歪みによる妨害を
除去する必要がある。また、局部発振周波数が受信周波
数帯内に設定されるため、受信機からの局部発振信号の
漏れによる受信周波数帯への不要輻射を防止することが
必要であるが、最近の移動帯通信にみられる、小さな形
態の受信装置では、比較的大きな電力で動作する局部発
振器からの不要輻射を防止することはますます困難とな
ってきている。
【0003】上述の理由により、図7に示すようなアン
チパラレルダイオードを用いた高調波ミクサが提案され
ている(TECHNICAL REPORT OF IECE ED95-162,MW95-14
7,p67-72偶高調波形ダイレクトコンバーターの検波特
性;特開平8−250936号公報(ミキサ回路))。
図7において、30はアンチパラレルダイオードミキ
サ、31は局部発振周波数フィルタ、32はRFフィル
タ、33はベースバンドフィルタで、このアンチパラレ
ルダイオード30を使ったミクサでは、従来の局部発振
周波数を仮想局部発振周波数とし、その1/2に相当す
る周波数を実際の局部発振周波数に用いることができ、
受信帯域への不要輻射を防止することができる。また、
アンチパラレルダイオード30内で2次の相互変調歪み
同士が打ち消し合う特性をっているので、受信帯域内
の信号の2次の相互変調歪みによる妨害の除去にも良好
な特性をもっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のアンチパラレル
ダイオードを用いたミクサは、前述の様に、すぐれた特
性を持っているが、一方、電力利得がなく、3次の相互
変調歪みが大きいという問題点があった。ミクサの線形
性としては、上述の2次の相互変調歪みの他に3次の相
互変調歪みも重要であり、特に、最近の移動体通信の様
に受信帯域が大きく、その中のチャンネル数が多い場
合、3次の相互変調歪みにより発生した妨害波も、非常
に重要となるためである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、夫々
がソース端子、ドレイン端子、及び、ゲート端子を有
し、かつ、夫々の特性が揃った4個のFET(電界効果
トランジスタ)から成り、第1FETと第2FETのソ
ース端子同志及びドレイン端子同志、及び、第3FET
と第4FETのソース端子同志及びドレイン端子同志を
接続し、かつ、第1FETと第4FETのゲート端子同
志、及び、第2FETと第3FETのゲート端子同志を
接続して成り、前記第1FETのゲート端子と第2FE
Tのゲート端子とに局部発振信号である第1の信号を差
動入力し、前記第1FETのソース端子と第3FETの
ソース端子とに第2の信号を差動入力し、前記第1FE
Tのドレイン端子と第3FETのドレイン端子から第
3の信号を差動出力するようにしたことを特徴としたも
のである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1における各F
ETに代ってバイポーラトランジスタで構成し、該バイ
ポーラトランジスタのエミッタ端子を前記FETのソー
ス端子に、ベース端子をゲート端子に、コレクタ端子を
ドレイン端子にそれぞれ対応させて接続したことを特徴
としたものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記各トランジスタのON時間が前記第1の
信号の局部発振周波数において1/4周期に相当する時
間となるようにゲート(又はベース)バイアスを設定し
たことを特徴としたものである。
【0008】請求項4の発明は、夫々がソース端子、ド
レイン端子、及び、ゲート端子を有し、かつ、夫々の特
性が揃った4個のFETから成る第1群のFET(第1
〜第4)、及び、夫々の特性が揃った4個のFETから
成る第2群のFET(第5〜第8)から成り、第1FE
Tのドレイン端子と第5FETのソース端子同志、第2
FETのドレイン端子と第6FETのソース端子同志、
第3FETのドレイン端子と第7FETのソース端子同
志、及び、第4FETのドレイン端子と第8FETのソ
ース端子同志を接続し、第1FETと第2FETのソー
ス端子同志、及び、第3FETと第4FETのソース端
子同志を接続し、第5FETと第6FETのドレイン端
子同志、及び、第7FETと第8FETのドレイン端子
同志を接続し、第1FETと第4FETと第6FETと
第7FETのゲート端子同志、及び、第2FETと第3
FETと第5FETと第8FETのゲート端子同志を接
続し、第1FETのゲート端子と第3FETのゲート端
とに局部発振信号である第1の信号を差動入力し、第
1FETのソース端子と第4FETのソース端子とに
2の信号を差動入力し、第FETのドレイン端子と第
7FETのドレイン端子から第3の信号を差動出力す
るようにしたことを特徴としたものである。
【0009】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記各トランジスタのON時間が前記第1の信号の
局部発振周波数において3/4周期に相当する時間とな
るようにゲートバイアスを設定したことを特徴としたも
のである。
【0010】請求項6の発明は、夫々がソース端子、ド
レイン端子、及び、ゲート端子を有し、かつ、夫々の特
性が揃った4個のFETから成る第1群のFET(第1
〜第4)と、夫々の特性が揃った4個のFETから成る
第2群のFET(第5〜第8)と、夫々の特性が揃った
4個のFETから成る第3群のFET(第9〜第12)
とから成り、第5FETのドレイン端子と第9FETの
ソース端子同志、第6FETのドレイン端子と第10F
ETのソース端子同志、第7FETのドレイン端子と第
11FETのソース端子同志、及び、第8FETのドレ
イン端子と第12FETのソース端子同志を接続し、か
つ、第1FETと第2FETと第5FETと第6FET
のソース端子同志、第3FETと第4FETと第7FE
Tと第8FETのソース端子同志、第3FETと第4F
ETと第9FETと第10FETのドレイン端子同志、
第1FETと第2FETと第11FETと第12FET
のドレイン端子同志、第5FETと第8FETと第10
FETと第11FETのゲート端子同志、第6FETと
第7FETと第9FETと第12FETのゲート端子同
志、第1FETと第4FETのゲート端子同志、及び、
第2FETと第3FETのゲート端子同志を接続し、第
1FETのゲート端子と第5FETのゲート端子とに局
部発振信号である第1の信号を同相入力し、第2FET
のゲート端子と第6FETのゲート端子とに前記第1の
信号を、前記第1FETのゲート端子と第5FETのゲ
ート端子とに入力した前記第1の信号とは逆相入力し、
第1FETのソース端子と第3FETのソース端子とに
第2の信号を差動入力し、第1FETのドレイン端子と
第3FETのドレイン端子から第3の信号を差動出力
するようにしたことを特徴としたものである。
【0011】請求項7の発明は、前記第1乃至第4の各
FETのON時間が前記第1の信号の局部発振周波数に
おいて1/4周期に相当する時間となるようにバイアス
を設定し、前記第5乃至第12の各FETON時間が
前記第1の信号の局部発振周波数において3/4周期に
相当する時間となるようにバイアスを設定したことを特
徴としたものである。
【0012】請求項8の発明は、請求項1乃至7のいず
れかの発明において、高周波信号を差動入力する前記ソ
ース(又はエミッタ)端子に同相信号を抑止するフィル
タを有することを特徴としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施例1) 図1は、本発明の一実施例を説明するための構成図で、
図において、1〜4は同じ特性をもつFET(電界効果
トランジスタ)、13は局部発振信号源、14は高周波
信号源、15はベースバンド信号出力端子、16〜18
はバラン、19はゲートバイアス電源である。最初に、
前記4個のFETがなぜアンチパラレルダイオードと同
様な働きをするのかについての動作説明をする。13か
らの局部発振信号、14からの高周波信号はそれぞれバ
ラン16,17で差動信号となりFETゲート端子、ソ
ース端子に供給される。ここで、第1のFET1と第2
のFET2には13からの局部発振信号が逆相で入力さ
れているために、第1のFET1と第2のFET2の間
で局部発振信号の基本波成分と奇数次の高調波成分は逆
相となり、偶数次の高調波成分は同相となる。そのた
め、局部発振信号の基本波成分と奇数次の高調波成分と
高周波信号のミキシング結果は第1のFET1と第2の
FET2間で逆相となり、接続されたドレイン端子で打
ち消し合い外部に出力されない。
【0014】一方、13からの局部発振信号の2次高調
波成分と高調波信号のミキシング結果は第1のFET1
と第2のFET2との間で同相となり、接続されたドレ
イン端子で合成され外部に出力される。したがって、第
1のFET1と第2のFET2を合わせた回路として
は、局部発振信号の偶数次高調波成分と高波信号のミ
キシング結果を出力する高調波ミクサの特性を示す。次
に、第3のFET3と第4のFET4は、第1のFET
及び第2のFET2と対になっており、その違いは高周
波信号が逆相で入力されていることであり、また、互い
に逆相で合成されて出力されることである。FET1と
2,FET3と4をそれぞれひとつのミクサとして考え
れば、それぞれのミクサでは、局部発振信号の基本波成
分と奇数次の高調波成分は逆相となっており、偶数次の
高調波成分は同相となっている。そのため、FET3と
4の2次高調波成分と高周波信号のミキシング結果は
ほどのFET1と2のミキシング結果と逆相となり、信
号はバラン18で逆相で合成されるため、ベースバンド
信号出力端子15に出力される。
【0015】一方、局部発振信号の偶数次高調波成分は
同相となり、信号はバラン18で逆相で合成されるた
め、ベースバンド信号出力端子15に出力されない。こ
こで、ミクサの2次相互変調歪み成分はこの偶数次高調
波成分のひとつであり、ベースバンド信号出力端子15
に出力されないことを意味している。したがって、全体
の回路としては、図7で説明したアンチパラレルダイオ
ードによる回路と同様に、通常のミクサの場合の局部発
振信号の半分の周波数の局部発振信号を用いることが可
能であり、2次の相互変調歪みを抑圧することができ
る。更に、図7で説明したアンチパラレルダイオードに
よる回路とは異なり、ミキシング素子として、ダイオー
ドと異なり、負性抵抗を持った能動素子を用いているこ
とから、ミクサが変換利得をち、その結果、ベースバ
ンド信号出力に対して3次の相互変調歪みを相対的に小
さくすることができる。図1の回路では、FETとし
て、ゲート幅400μmのGm100mSの素子を用い
た場合、変換利得3dB、3次相互変調歪みとして、I
IP3で6dBmの良好な結果が得られた。
【0016】ここで、19はゲートバイアス電源であ
り、13からの局部発振信号によってFETがON,O
FFする電圧が設定されていれば、上述の様な動作を行
なうのであるが、より好ましくは、ON時間が1/4サ
イクルとなるようにバイアスを設定することで、変換利
得を大きくでき、3次相互変調歪みが相対的に小さくで
きる。これは、FET1と2,FET3と4を、それぞ
れひとつの単位として見た場合、回路のON,OFF時
間が半分ずつとなり局部発振周波数の2倍の周波数の成
分が最も大きくなるためと考えられる。
【0017】なお、図1においては、アンチパラレルダ
イオード回路に相当する回路をFETで構成している
が、他のバイポーラトランジスタであってもよく、ソー
ス、ゲート、ドレインの各端子をエミッタ、ベース、コ
レクタの各端子それぞれ置き換えれば同じ効果が得ら
れる。しかし、FETのが本来、線形性の良い素子で
あるので、本発明の目的にはより即している。また、図
1において、16〜18の各バランは、平不平変換
を行なうものであれば他の変換回路であってもよい。
【0018】(実施例2) 図2は、本発明の他の実施例を説明するための図で、図
中、5〜12は互いに同じ特性のFETで、5〜8が第
1群のFET、9〜12が第2群のFETを構成してい
る。また、13〜18は図1に示した実施例の対応する
記号の装置と全く同一のものであり、20はゲートバイ
アス電源である。次に、図2に示したFET5〜12が
なぜアンチパラレルダイオードと同様な働きをするのか
についての動作説明をする。13からの局部発振信号、
14からの高周波信号はそれぞれバラン16,17で差
動信号となりFETのゲート端子、ソース端子に供給さ
れるのは実施例1と同じである。20のゲートバイアス
電源は局部発振信号で各FETがON,OFFされるバ
イアスに設定してある。ここで、FET5と9は直列に
接続しているので、一方がOFFの場合は、全体でOF
Fとなる。ここで、FET5と9のゲートには13から
の局部発振信号が逆相で入力されているために、FET
5と9のOFFになる位相はほぼ180度ずれており、
FET5と9を合わせてみれば、局部発振信号の2倍の
周波数でON,OFFがなされることになる。この状態
で、ソース端子より高周波信号が入力されるので、局部
発振信号の2次を主とした偶数次の高調波成分と高周波
信号のミキシング結果が出力されることになる。
【0019】しかし、実際にはFET5と9のOFFに
なる位相は180度からずれてしまうので、基本波成分
と奇数次の高調波成分も発生してしまい、目的のベース
バンド信号の変換利得効率が低下するため、FET5と
9に対して、局部発振信号の位相を逆にして接続したF
ET6と10を設けることでそれを打ち消している。し
たがって、FET5と9とFET6と10を合わせた回
路としては、局部発振信号の偶数次高調波成分と高周波
信号のミキンング結果を出力する高調波ミクサの特性を
示す。
【0020】次に、FET7と11と8と12を、FE
T5と9とFET6と10と対にし、同相で出力される
高周波信号の2次相互変調歪み成分を主とする偶数次相
互変調歪み成分が、バラン18を介すことで、15のベ
ースバンド信号出力端子に出力されないようにしている
のは実施例1と同様である。また、実施例1と同様に、
ミキシング素子として、負性抵抗を持った能動素子を用
いていることから、変換利得をもち、良好な3次の相互
変調歪み抑圧特性を持つことができる。図2の回路で
は、FETとして、ゲート幅1000μmのGm240
mSの素子を用いた場合、変換利得5dB、3次相互変
調歪みとして、IIP3で5dBmの良好な結果が得ら
れた。
【0021】図2において、20はゲートバイアス電源
であり、13からの局部発振信号によってFETがO
N,OFFする電圧に設定されていれば、上述の様な動
作を行なうのであるが、より好ましくは、ON時間が3
/4サイクルとなるようにバイアスを設定することで、
変換利得が大きくでき、3次相互変調歪みが相対的に小
さくできる。これは、FET5と9、FET6と10、
FET7と11、FET8と12を、それぞれひとつの
単位として見た場合、実施例1と同様に、回路のON,
OFF時間が半分ずつとなり局部発振周波数の2倍の周
波数の成分が最も大きくなるためと考えられる。
【0022】なお、図2において、FET5〜8とFE
T9〜12はそれぞれ同じ特性でなければならないが、
両グループ間で必ずしも同じ特性である必要はない。し
かし、同じピンチオフ電圧の素子を用いた方が、バイア
ス電源がひとつでよく、また、飽和電流がほぼ同じ方が
変換効率で良好な特性が得られる。この場合、飽和電流
約0.3〜3倍の間でほぼ同程度の特性が得られる。
また、特性面での最適点は同じ飽和電流の時ではなく、
上記の範囲内でずれる。また、更に、FET5と9、F
ET6と10、FET7と11、FET8と12の直列
構成は、一般に知られているように、それぞれをひとつ
にしたデュアルゲートFETに置き換えることも可能で
ある。
【0023】(実施例3) 図3は、本発明の他の実施例を説明するための図で、図
中、1〜4は相互に同じ特性をもつFETである。5〜
12も相互に同じ特性をもつFETであるが、FET1
〜4に対して飽和電流が1/2のものを用いている。1
3〜18は、図1に示した実施例1の対応する記号の装
置と全く同一のものである。19,20はゲートバイア
ス電源である。また、FET1〜12,ゲートバイアス
電源19,20は前記実施例1、実施例2と対応する部
分として、同一符号を付けて示している。また、FET
1〜4による回路と、FET5〜12による回路では、
ソース端子へ高周波信号の接続に対し、ドレイン端子か
らの出力の接続が交叉接続となっている。
【0024】次に、図3に示したFET1〜12がなぜ
アンチパラレルダイオードと同様な働きをするのかにつ
いての動作説明をする。13からの局部発振信号、14
からの高周波信号がそれぞれバラン16,17で差動信
号となりFETのゲート端子、ソース端子に供給される
のは実施例1、実施例2と同じである。差動信号となっ
た局部発振信号は、19,20のゲートバイアス電源に
よって別々にバイアスされ、それぞれ実施例1、実施例
2で用いたFETを組み合わせた回路に供給され、実施
例1、実施例2と同じ様に高調波ミクサの働きをしてい
る。
【0025】ここで、FET1と2を合わせた回路と、
FET5と9を合わせた回路を比べてみると、両者と
も、局部発振信号電圧が極大極小となった点を中心にし
たタイミングにおいて、FET1と2では、一方のFE
TがONになると、回路がONになる。FET5と9で
は、一方のFETがOFFになると回路がOFFにな
る。つまり、FET1と2の回路のONのタイミングと
FET5と9の回路のOFFのタイミングの位相が同じ
であり、FET5と9のONのタイミングの位相はそれ
と逆であることがわかる。これはFET1〜4の回路
と、FET5〜12の回路に広げて考えても同じであ
り、両者のONとなる位相は逆で、その周期は実施例
1,2で示したように局部発振周波数の2倍である。
【0026】そのため、入力された高周波信号とその局
部発振周波数の2倍の周波数成分とがミキミングされた
結果は逆相として出力されることになり、図3では、ド
レイン端子を交叉接続することで同相合成している。高
周波信号の2次相互変調歪み成分を主とする偶数次相互
変調歪み成分が同相で出力されるため、バラン18を介
して、ベースバンド信号出力端子15に出力されないこ
とは、実施例1、実施例2と同様である。また、実施例
1,2と同様に、ミキシング素子として、負性抵抗を持
った能動素子を用いていることから、この実施例3でも
良好な変換利得と、良好な3次の相互変調歪み抑圧特性
を持つ。
【0027】図3の回路では、FETとして、FET1
〜4のゲート幅200μmのGm=55mS、FET5
〜12のゲート幅100μmのGm=28mSの素子を
用いた場合、変換利得2dB、3次相互変調歪みとし
て、IIP3で7dBmの良好な結果が得られた。ここ
で、19,20のゲートバイアス電源はそれぞれ、実施
例1、実施例2と同じく、それぞれのトランジスタのO
N時間が1/4、3/4サイクルとなるようにバイアス
を設定することで、変換利得が大きくでき、3次相互変
調歪みを相対的に小さくできる。
【0028】ここで、FET1〜4の回路と、FET5
〜12の回路は、局部発振周波数の2倍の周波数の動作
を行なっているため、その周波数を各端子から出力して
おり、不要輻射として外部に放射された場合、同じ周波
数帯域で使用している他の無線局の妨害波となってしま
う、実施例1、実施例2ではFET1と2、FET3と
4のソース端子から発生した局部発振周波数の2倍の周
波数の不要波は、同相信号であるため、バラン17があ
るため、端子14に出力されない様になっている。しか
し、一般に、バラン17のバランスは完全でなく、特
に、高周波用バランはバランスが難しい。そのため、バ
ランスが崩れただけ、不要波を端子14に出力してし
まうことになる。
【0029】本実施例では、FET1〜4の回路と、F
ET5〜12の回路の局部発振周波数の2倍の周波数成
分の位相が逆であるため、接続点で不要波を打ち消し合
うことになり、バラン17のバランスが崩れていた場合
でも、端子14出力される不要波を抑圧することが可
能である。
【0030】ここで、FET1〜4の回路とFET5〜
12の回路の局部発振周波数の2倍の周波数成分の位相
が逆であることは上述の通り、その出力強度は必ずしも
同じでないため、両者の回路で、それが同じになるよう
に、FETのパラメータを変えることが必要になる、最
も簡単なのは、FETのゲート幅を変えることで、本実
施例では、1:2としている。この値は、用いるFET
に合わせ、調整し変更する必要がある。FET5〜8と
FET9〜12はそれぞれ同じ特性である必要がない
点、デュアルゲートFETに置き換えることが可能であ
る点は実施例2と同じである。
【0031】(実施例4)図4は、本発明の他の実施例
を説明するための図で、図4において、21は実施例
1,2,3での1〜12のFET及びそのバイアス回路
を示し、22は同相信号抑止フィルタを示している。1
3〜18は前記実施例1,2,3の対応する記号の装置
と全く同一のものである。実施例1,2は実施例3でも
述べた通り、局部発振周波数の2倍の周波数を不要輻射
として外部に放射する可能性がある。また、実施例3で
は、その点が改善されているが、厳密には、FETの容
量成分のため、局部発振周波数の2倍の周波数成分の位
相が完全に逆にならず、上記の不要出力は完全には抑圧
されない。
【0032】本実施例では、端子25,26において、
局部発振周波数の2倍の周波数の不要出力が同相信号で
あり、必要な高周波信号である信号が逆相であることか
ら、同相信号を抑圧し、逆相信号を通過させるように設
計された同相信号抑圧フィルタ22を用いることで、こ
の問題を改善している。同相抑圧フィルタ22の例とし
ては、図5(A)〜図5(C)に示すように、幾つかの
回路が容易に考えられる。図5(A)〜図5(C)にお
いて、周波数をfとすると、キャパシタンス、インダク
タンスをそれぞれの回路(図5(A)〜図5(C))に
対応する式(a)〜(c)を満たしながら調整し、必要
な周波数帯域が取れるよう設計することができる。ま
た、バラン17のバランスが崩れた場合、実施例1,
2,3においては、バラン17で差動信号に変換された
高周波信号のバランスが崩れる問題が生じる、その結
果、ドレイン端子から同相で出力される高周波信号の2
次相互変調歪み成分を主とする偶数次相互変調歪み成分
にもアンバランスが生じ、バラン18を通ってベースバ
ンド信号出力端子15に出力されてしまう結果となる。
【0033】
【数1】
【0034】本実施例4では、同相抑圧フィルタ22
より、差動信号に変換された高周波信号に残る同相成分
が除去されるために、上記の偶数次相互変調歪み成分に
もアンバランスが無くなり、ベースバンド信号出力端子
15に偶数次相互変調歪み成分が出力されるのを防止す
ることができる。ここで、バラン18のバランスが崩れ
た場合も偶数次相互変調歪み成分がベースバンド信号出
力端子15に出力することになるが、ベースバンド信号
は周波数が低いために、バラン17と異なり容易にバラ
ンスの精度をあげることができ問題にならない。なお、
図5で同じ記号で示したキャパシタンス、インダクタン
スは厳密に同一のものが好ましく、同一基板上に同時に
作成されたペア性のよい素子を用いることが望ましい。
また、この同相抑圧フィルタ22は、実際の回路では、
図4に示したインダクタンス23等の周辺の素子を利用
して共振回路を形成することもできる。
【0035】(実施例5)図6は、本発明の他の実施例
を説明するための図で、図6において、21は実施例
1,2,3でのFET1〜12及びそのバイアス回路を
示している。13〜18は上記実施例1,2,3の対応
する記号の装置と全く同一のものである。本実施例は前
記の実施例1,2,3,4で述べたように、FETの特
性の同一性、同相抑止フィルタの素子の同一性が、回路
のバランスの上で重要であることから、28で囲むIC
として、同一基板上にこれらを作り込んだ例を示してい
る。こうすることで、素子特性の他、素子間の接続に用
いられる線路長も同じにでき、特性を向上することがで
きる。
【0036】ここで、実施例1,2,3,4では、FE
T、同相抑止フィルタの素子以外に、インダクタンス2
3の同一性も回路のバランス上重要である。しかし、例
えば、高周波周波数が800MHzであった場合、イン
ダクタンス23は最低でも10nH程度の値が必要であ
り、この周波数帯で用いられている、GaAsFETを
用いたIC28にスパイラルインダクタンスとして作成
する場合、10nHという大きなインダクタンス素子を
2個もチップ上にるのは専有面積が大きくコスト的に
高くなってしまう。本実施例では、同相抑止フィルタと
組み合わせた回路として、図7のL6のペアのみをIC
28上に作成するように構成した例を示している。この
回路形式では、例えば、800MHzではL6=3nH
が2個で済み、C6=7pF、C7=27pF、L7=
27nHをチップ外に実装することで実現でき、経済的
にも実用可能な回路構成となっている。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、低歪み、低不要輻射電力、高利得の特性を
持つ高調波ミクサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による高調波ミクサの構成図
である。
【図2】本発明の実施例2による高調波ミクサの構成図
である。
【図3】本発明の実施例3による高調波ミクサの構成図
である。
【図4】本発明の実施例4による高調波ミクサの構成図
である。
【図5】本発明の実施例4で用いられる同相阻止フィル
タである。
【図6】本発明の実施例5による高調波ミクサの構成図
である。
【図7】従来のアンチパラアレルダイオードを用いたミ
クサの構成図である。
【符号の説明】
1〜4…同じ特性のFET(第1群のFET)、5〜8
…同じ特性のFET(第2群のFET)、9〜12…同
じ特性のFET(第3群のFET)、13…局部発振信
号源、14…高周波信号源、15…ベースバンド信号
源、16〜18…バラン、19,20…バイアス電源、
21…FET及びバイアス回路、22…同相信号を抑圧
するフィルタ、23…周辺のインダクタンス、27…電
源、28…IC回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−264705(JP,A) 特開 平8−204460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03D 7/00 - 7/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々がソース端子、ドレイン端子、及
    び、ゲート端子を有し、かつ、夫々の特性が揃った4個
    のFET(電界効果トランジスタ)から成り、第1FE
    Tと第2FETのソース端子同志及びドレイン端子同
    志、及び、第3FETと第4FETのソース端子同志及
    びドレイン端子同志を接続し、かつ、第1FETと第4
    FETのゲート端子同志、及び、第2FETと第3FE
    Tのゲート端子同志を接続して成り、前記第1FETの
    ゲート端子と第2FETのゲート端子とに局部発振信号
    である第1の信号を差動入力し、前記第1FETのソー
    ス端子と第3FETのソース端子とに第2の信号を差動
    入力し、前記第1FETのドレイン端子と第3FETの
    ドレイン端子から第3の信号を差動出力するようにし
    たことを特徴とする周波数変換器。
  2. 【請求項2】 請求項1における各FETに代ってバイ
    ポーラトランジスタで構成し、該バイポーラトランジス
    タのエミッタ端子を前記FETのソース端子に、ベース
    端子をゲート端子に、コレクタ端子をドレイン端子に
    れぞれ対応させて接続したことを特徴とする周波数変換
    器。
  3. 【請求項3】 前記各トランジスタのON時間が前記第
    1の信号の局部発振周波数において1/4周期に相当す
    る時間となるようにゲート(又はベース)バイアスを設
    定したことを特徴とする請求項1又は2記載の周波数変
    換器。
  4. 【請求項4】 夫々がソース端子、ドレイン端子、及
    び、ゲート端子を有し、かつ、夫々の特性が揃った4個
    のFETから成る第1群のFET(第1〜第4)、及
    び、夫々の特性が揃った4個のFETから成る第2群の
    FET(第5〜第8)から成り、第1FETのドレイン
    端子と第5FETのソース端子同志、第2FETのドレ
    イン端子と第6FETのソース端子同志、第3FETの
    ドレイン端子と第7FETのソース端子同志、及び、第
    4FETのドレイン端子と第8FETのソース端子同志
    を接続し、第1FETと第2FETのソース端子同志、
    及び、第3FETと第4FETのソース端子同志を接続
    し、第5FETと第6FETのドレイン端子同志、及
    び、第7FETと第8FETのドレイン端子同志を接続
    し、第1FETと第4FETと第6FETと第7FET
    のゲート端子同志、及び、第2FETと第3FETと第
    5FETと第8FETのゲート端子同志を接続し、第1
    FETのゲート端子と第3FETのゲート端子とに局部
    発振信号である第1の信号を差動入力し、第1FETの
    ソース端子と第4FETのソース端子とに第2の信号を
    差動入力し、第5FETのドレイン端子と第7FETの
    ドレイン端子から第3の信号を差動出力するようにし
    たことを特徴とする周波数変換器。
  5. 【請求項5】 前記各トランジスタのON時間が前記第
    1の信号の局部発振周波数において3/4周期に相当す
    る時間となるようにゲートバイアスを設定したことを特
    徴とする請求項4に記載の周波数変換器。
  6. 【請求項6】 夫々がソース端子、ドレイン端子、及
    び、ゲート端子を有し、かつ、夫々の特性が揃った4個
    のFETから成る第1群のFET(第1〜第4)と、夫
    々の特性が揃った4個のFETから成る第2群のFET
    (第5〜第8)と、夫々の特性が揃った4個のFETか
    ら成る第3群のFET(第9〜第12)とから成り、第
    5FETのドレイン端子と第9FETのソース端子同
    志、第6FETのドレイン端子と第10FETのソース
    端子同志、第7FETのドレイン端子と第11FETの
    ソース端子同志、及び、第8FETのドレイン端子と第
    12FETのソース端子同志を接続し、かつ、第1FE
    Tと第2FETと第5FETと第6FETのソース端子
    同志、第3FETと第4FETと第7FETと第8FE
    Tのソース端子同志、第3FETと第4FETと第9F
    ETと第10FETのドレイン端子同志、第1FETと
    第2FETと第11FETと第12FETのドレイン端
    子同志、第5FETと第8FETと第10FETと第1
    1FETのゲート端子同志、第6FETと第7FETと
    第9FETと第12FETのゲート端子同志、第1FE
    Tと第4FETのゲート端子同志、及び、第2FETと
    第3FETのゲート端子同志を接続し、第1FETのゲ
    ート端子と第5FETのゲート端子とに局部発振信号で
    ある第1の信号を同相入力し、第2FETのゲート端子
    と第6FETのゲート端子とに前記第1の信号を、前記
    第1FETのゲート端子と第5FETのゲート端子とに
    入力した前記第1の信号とは逆相入力し、第1FETの
    ソース端子と第3FETのソース端子とに第2の信号を
    差動入力し、第1FETのドレイン端子と第3FETの
    ドレイン端子から第3の信号を差動出力するようにし
    たことを特徴とする周波数変換器。
  7. 【請求項7】 前記第1乃至第4の各FETのON時間
    前記第1の信号の局部発振周波数において1/4周期
    に相当する時間となるようにバイアスを設定し、前記第
    5乃至第12の各FETのON時間が前記第1の信号の
    局部発振周波数において3/4周期に相当する時間とな
    るようにバイアスを設定したことを特徴とする請求項6
    に記載の周波数変換器。
  8. 【請求項8】 高周波信号を差動入力する前記ソース
    (又はエミッタ)端子に同相信号を抑止するフィルタを
    有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記
    載の周波数変換器。
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