JP3452782B2 - 偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージリジェクションミクサ、送信装置および受信装置 - Google Patents

偶高調波ミクサ、直交ミクサ、イメージリジェクションミクサ、送信装置および受信装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線通信システ
ムの送受信装置に用いられる偶高調波ミクサ、とりわ
け、近年、ディジタル無線通信システムで多用されるG
MSK(ガウスろ波ミニマム位相偏移変調)、QPSK
(4相位相偏移変調)あるいはQAM(直交振幅変調)
などの変調方式で用いられる直交変調器や直交復調器に
適した偶高調波ミクサに関するものであり、またその偶
高周波ミクサを用いた直交ミクサ、その直交ミクサを用
いたイメージリジェクションミクサ、さらにはそれらの
ミクサを用いた送信装置および受信装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】高周波における周波数混合の手段の1つ
として、アンチパラレルダイオードペア(以下、APD
Pという)を利用した偶高調波ミクサが従来より用いら
れている。この偶高調波ミクサの原理的な提案は、IE
EE Trans.on Microwave the
ory and techniques,Vol.MT
T−23,No.8(1975年8月)の667ページ
から673ページに掲載された論文“Harmonic
mixing with an antiparal
lel diode pair”に記載されている。
【0003】図26は上記論文に示された、従来の偶高
調波ミクサの一般的な構成を示すブロック図である。図
において、1a,1bはミクサダイオードであり、2は
このミクサダイオード1aと1bを互いに逆極性となる
ように並列に接続して形成したAPDPである。3は分
波回路であり、4はこの分波回路3を構成する帯域通過
フィルタ(以下、BPFという)、5は同じく高域通過
フィルタ(以下、HPFという)、6は同じく低域通過
フィルタ(以下、LPFという)である。7はRF(高
周波)信号が入出力されるRF端子、8はLO波(局部
発振波)が入力されるLO端子、9はIF(中間周波)
信号が入出力されるIF端子である。なお、以下の説明
では、RF信号をRF波、IF信号をIF波という。
【0004】次に動作について説明する。APDP2は
逆極性の2つのミクサダイオード1a,1bを並列接続
した構成であり、受信機の場合には、RF端子7とLO
端子8から入力されたRF波およびLO波を、分波回路
3を介してこのAPDP2に加えることにより、当該分
波回路3のIF端子9よりIF波を取り出す。また、送
信機の場合には、このAPDP2に分波回路3を介し
て、IF端子9とLO端子8より入力されたIF波およ
びLO波を加え、分波回路3のRF端子7よりRF波を
取り出す。なお、分波回路3はBPF4,HPF5,L
PF6とから構成されて、各端子間のアイソレーション
を得ており、RF端子7、LO端子8およびIF端子9
の各端子間におけるRF波、LO波およびIF波の漏洩
を抑制するために設けられる。
【0005】このような偶高調波ミクサのLO端子8に
LO波を加えると、図27に示すように、半周期ごとに
APDP2のミクサダイオード1aと1bとが交互にオ
ンして電流が流れる。その結果、APDP2には半周期
ごとに逆位相のLO電流が流れ、図28に示すように半
周期ごとにコンダクタンスが高まる動作をする。そのた
め、LO電流の高調波は奇数次、コンダクタンスの高調
波は偶数次の成分しか存在しない。図29にはこのよう
な偶高調波ミクサを受信(ダウンコンバータ)用に適用
したときの周波数スペクトラムが、図30には送信(ア
ップコンバータ)用に適用したときの周波数スペクトラ
ムがそれぞれ示されている。LO波で励振されたAPD
P2のコンダクタンスの高調波には偶数次の成分しか存
在しないため、図29や図30に示すように、LO波の
2倍波とRF波/IF波との混合波が出力される。
【0006】一方、RF波に周波数が近接し、スプリア
スとなるLO波の2倍波は、前述のようにLO電流の偶
数次の高調波となるため強く抑制できる。この抑制量
は、APDP2の2つのミクサダイオード1a,1bの
バランスに依存し、分波回路3などの外部回路に依存し
ない。したがって、APDP2をモノリシック集積化し
て2つのミクサダイオード1aおよび1bのバランスを
高めると、LO電流の偶数次、コンダクタンスの奇数次
の高調波を強く抑制できる。そのため、通常の平衡形の
ミクサと比較し、はるかに高い抑制が可能である。ちな
みにマイクロ波では通常の基本波動作のミクサでは25
dB程度の抑制であるが、偶高調波ミクサでは50dB
から60dB抑制することができる。
【0007】この偶高調波ミクサのRF波の周波数をf
rf、IF波の周波数をfif、そしてLO波の周波数をf
p とすると、これらの関係は次の式(1)で表わすこと
ができる。
【0008】 frf=fif±2fp (1)
【0009】上記式(1)から解るように、この偶高調
波ミクサでは半分の周波数のLO波で動作させることが
できる。そのため、上記引用文献をはじめ、大半の公開
文献においては、偶高調波ミクサはマイクロ波、とりわ
けミリ波での送受信機に適用されている。
【0010】以上述べたように、偶高調波ミクサは以下
の特長があり、無線通信機器などに用いられている。 (1)特に送信機に適用した場合に低スプリアスとな
る。 (2)LO波の周波数fp を半分とすることができるた
め、ミリ波など高周波動作に適し、また低価格化の効果
も期待できる。
【0011】しかしながら、このような偶高調波ミクサ
を直交変調器に適用する場合、発明者らが 1996年
に開催されたIEEE MTT−S Internat
ional Microwave Symposium
で発表し、その会議のDigestの967ページから
970ページに掲載された“Even harmoni
c quadrature modulator wi
th low vector modulation
error and low distortion”
で示したように、RF端子とLO端子の間に高いアイソ
レーションが要求される。図31に偶高調波ミクサを用
いた直交変調器の構成例を示す。図において、10a,
10bは図26に示した偶高調波ミクサであり、11は
LO波を同位相もしくは逆位相で分配する分配回路、1
2は2つの偶高調波ミクサ10a,10bのRF波(同
相成分をI、直交成分をQとしている)を合成ないしは
分配する90度移相回路である。
【0012】IF端子9aと9bに加えるI成分および
Q成分のベースバンド信号13aと13bにより、2つ
の偶高調波ミクサ10a,10bから出力されるI成分
およびQ成分のRF波14a,14bの振幅と位相をコ
ントロールする。そして、それらを90度移相回路12
で合成して所望の位相と振幅のRF波を生成する。しか
しながら、偶高調波ミクサ10aと10bとの端子間ア
イソレーションが不十分な場合には、図31に破線15
で示した干渉波の影響により、図32に破線16で示す
ような干渉波による誤差が生じ、実際の変調ベクトルは
同図に一点鎖線17で示すように、その誤差により実線
18で示す本来の変調ベクトルとは異なったものとな
り、直交変調の精度の劣化を引き起こす。そのため、図
26の従来の偶高調波ミクサを直交変調器に適用する場
合には、分波回路3を構成しているBPF4、HPF
5、およびLPF6の段数を多段化して端子間アイソレ
ーションを高めることが必要となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の偶高調波ミクサ
は以上のように構成されているので、図26に示すよう
に、分波回路3にRF用のBPF4、LO用のHPF
5、およびIF用のLPF6を用いた場合、分波回路3
は大形となり、無線通信装置などへの適用に適さないと
いう課題があり、また、この図26に示すような分波回
路3を用いる偶高調波ミクサの構成では、端子間アイソ
レーションは上記BPF4,HPF5,LPF6の周波
数特性に依存するため、RF波、LO波、およびIF波
の周波数が近接する場合には適用が困難であり、さらに
端子間アイソレーションを高めるためには、上記BPF
4,HPF5,LPF6の段数を増やす必要があって、
回路が大形化するなどの課題があった。とりわけ、この
偶高調波ミクサを直交変調器などに適用する場合には、
RF/LO端子間に高いアイソレーションが要求される
ため、図26に示した従来の構成の偶高調波ミクサを直
交変調器に適用すると、BPF4,HPF5,LPF6
の段数が多段となり、回路が大形になるという課題があ
った。
【0014】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、ディジタル無線通信システムなど
で多用されるGMSK,QPSK、あるいはQAMなど
の変調方式で用いられる直交変調器や直交復調器に適し
た、回路の小形化が可能な偶高調波ミクサを得ることを
目的とする。
【0015】また、この発明は、そのような偶高周波ミ
クサを用いた、小形化可能な直交ミクサを得ることを目
的とする。
【0016】さらに、この発明は、そのような直交ミク
サを用いた、小形化可能なイメージリジェクションミク
サを得ることを目的とする。
【0017】さらに、この発明は、それらのミクサを用
いた、小形化可能な送信装置および受信装置を得ること
を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明に係る偶高調波
ミクサは、第1のAPDPと第2のAPDPとを直列に
接続してその両端に第1および第2のLO波短絡回路を
接続し、180度分配回路で分配されたRF波を、直列
接続された第1および第2のAPDPの両端に、第1ま
たは第2のIF波阻止回路を介して印加し、さらに第1
および第2のAPDPの接続点にLO波を印加すること
により、RF波を逆位相でその直列接続された第1およ
び第2のAPDPに供給するとともに、LO波は同位相
で供給して、直列接続された第1および第2のAPDP
の両端に接続された第1および第2のRF波阻止回路を
介して、差動で動作する第1および第2のIF端子より
IF波を取り出すようにしたものである。
【0019】この発明に係る偶高調波ミクサは、第1の
APDPと第2のAPDPとを直列に接続してその両端
に第1および第2のLO波短絡回路を接続し、差動動作
する第1および第2のIF端子より入力されたIF波
を、第1および第2のRF波阻止回路を介して、直列接
続された第1および第2のAPDPの両端に印加し、さ
らに第1および第2のAPDPの接続点にLO波を印加
することにより、IF波を逆位相で直列接続された第1
および第2のAPDPに供給するとともに、LO波は同
位相で供給して、第1および第2のAPDPの両端のR
F波を、第1または第2のIF波阻止回路を介して18
0度合成回路の第1および第2の入力端子に入力し、1
80度合成回路で合成されたRF波をRF端子より取り
出すようにしたものである。
【0020】この発明に係る偶高調波ミクサは、HPF
で第1および第2のIF波阻止回路を、LPFで第1お
よび第2のRF波阻止回路をそれぞれ形成したものであ
る。
【0021】この発明に係る偶高調波ミクサは、キャパ
シタで第1および第2のIF波阻止回路を、インダクタ
で第1および第2のRF波阻止回路をそれぞれ形成した
ものである。
【0022】この発明に係る偶高調波ミクサは、第1お
よび第2のIF端子より出力されたIF波を、180度
合成回路で合成して単一のIF端子より出力するように
接続したものである。
【0023】この発明に係る偶高調波ミクサは、単一の
IF端子より入力されたIF波を180度分配回路で分
配して、第1および第2のIF端子にそれぞれ入力する
ようにしたものである。
【0024】この発明に係る偶高調波ミクサは、直列に
接続された第1のAPDPと第2のAPDPの接続点
と、LO端子との間に設けられた第3のRF波阻止回路
によって、LO端子とRF端子との間のアイソレーショ
ンを一層高めたものである。
【0025】この発明に係る偶高調波ミクサは、直列に
接続された第1のAPDPと第2のAPDPの接続点
と、LO端子との間に設けられた緩衝増幅器のアイソレ
ーション特性によって、LO端子とRF端子との間のア
イソレーションを一層高めたものである。
【0026】この発明に係る偶高調波ミクサは、LO波
の周波数で1/4波長の電気長を呈する先端開放スタブ
で、第1および第2のLO波短絡回路を構成し、LO波
の周波数で直列接続された第1および第2のAPDPの
両端を地導体に接続することにより、APDPの励振効
率を向上させたものである。
【0027】この発明に係る偶高調波ミクサは、LO波
の周波数で直列共振する直列共振回路で、第1および第
2のLO波短絡回路を構成し、LO波の周波数で直列接
続された第1および第2のAPDPの両端を地導体に接
続することにより、APDPの励振効率を向上させたも
のである。
【0028】この発明に係る偶高調波ミクサは、直列共
振回路に装荷キャパシタを並列に接続した並列回路によ
って、第1および第2のLO波短絡回路を構成し、LO
波の周波数で直列共振回路を直列共振させて直列接続さ
れた第1および第2のAPDPの両端を地導体に接続
し、RF波の周波数で並列回路を並列共振させることに
より、第1および第2のLO波短絡回路のRF波の周波
数におけるインピーダンスを高めたものである。
【0029】この発明に係る偶高調波ミクサは、並列共
振回路に装荷キャパシタを直列に接続した直列回路によ
って、第1および第2のLO波短絡回路を構成し、RF
波の周波数で並列共振回路を並列共振させて第1および
第2のLO波短絡回路のRF波の周波数におけるインピ
ーダンスを高め、LO波の周波数で直列回路を共振させ
て、直列に接続された第1および第2のAPDPの両端
を地導体に接続するようにしたものである。
【0030】この発明に係る偶高調波ミクサは、第1の
APDPと第2のAPDPを直列に接続して、その両端
に、並列共振回路と装荷キャパシタを直列接続した直列
回路で構成された第1および第2のLO波短絡回路を接
続し、180度分配回路で分配されたRF波を、直列接
続された第1および第2のAPDPの両端に、第1また
は第2のIF波阻止回路を介して印加し、さらに第1お
よび第2のAPDPの接続点にLO波を印加して、RF
波を逆位相でその直列接続された第1および第2のAP
DPに供給するとともに、LO波は同位相で供給するこ
とによって、第1および第2のLO波短絡回路の並列共
振回路と装荷キャパシタの接続点に接続された第1およ
び第2のRF波阻止回路を介して、差動で動作する第1
および第2のIF端子よりIF波を取り出すようにした
ものである。
【0031】この発明に係る偶高調波ミクサは、第1の
APDPと第2のAPDPを直列に接続して、その両端
に、並列共振回路と装荷キャパシタを直列接続した直列
回路で構成された第1および第2のLO波短絡回路を接
続し、差動動作する第1および第2のIF端子より入力
されたIF波を、第1および第2のRF波阻止回路を介
して、第1および第2のLO波短絡回路の並列共振回路
と装荷キャパシタの接続点に印加し、さらに第1および
第2のAPDPの接続点にLO波を印加することによ
り、IF波を逆位相で直列接続された第1および第2の
APDPに供給するとともに、LO波は同位相で供給
し、第1および第2のAPDPの両端のRF波を、第1
または第2のIF波阻止回路を介して180度合成回路
の第1および第2の入力端子に入力し、180度合成回
路で合成されたRF波をRF端子より取り出すようにし
たものである。
【0032】この発明に係る直交ミクサは、2つの偶高
調波ミクサ、LO波を同位相あるいは逆位相で分配する
分配回路、およびRF波を概略90度の位相差で分配な
いしは合成する90度移相回路で構成され、その偶高調
波ミクサとして、請求項1から請求項14のいずれかに
記載された偶高調波ミクサを用いることによって、小形
な回路で、高い精度のディジタル変調/復調が行えるよ
うにしたものである。
【0033】この発明に係る直交ミクサは、2つの偶高
調波ミクサ、LO波を概略45度の位相差で分配する4
5度移相回路および、RF波を同位相あるいは逆位相で
分配ないしは合成する分配・合成回路で構成され、その
偶高調波ミクサとして、請求項1から請求項14のいず
れかに示された偶高調波ミクサを用いることによって、
小形な回路で、高い精度のディジタル変調/復調が行え
るようにしたものである。
【0034】この発明に係るイメージリジェクションミ
クサは、直交ミクサと、IF波を概略90度の位相差で
分配ないしは合成して、この直交ミクサとIF端子とを
接続する90度移相回路で構成され、その直交ミクサと
して、請求項15または請求項16に示された直交ミク
サを用いることによって、小形な回路で、高いイメージ
リジェクション比を得ることができるようにしたもので
ある。
【0035】この発明に係る受信装置は、ディジタル復
調用のミクサとして、請求項1から請求項17のいずれ
かに示された、偶高調波ミクサ、直交ミクサ、あるいは
イメージリジェクションミクサのいずれかを用いること
により、装置を小形化し、高精度のディジタル復調を可
能にしたものである。
【0036】この発明に係る送信装置は、ディジタル変
調用のミクサとして、請求項1から請求項17のいずれ
かに示された、偶高調波ミクサ、直交ミクサ、あるいは
イメージリジェクションミクサのいずれかを用いること
により、装置を小形化し、高精度のディジタル変調を可
能にしたものである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による偶
高調波ミクサの一構成例を示すブロック図である。図に
おいて、2aは2つのミクサダイオードを互いに逆極性
に並列に接続して構成された第1のAPDP、2bは同
様に2つのミクサダイオードを互いに逆極性に並列に接
続して構成された第2のAPDPであり、この第1のA
PDP2aと第2のAPDP2bとは互いに直列に接続
されている。8はこの第1のAPDP2aと第2のAP
DP2bの接続点に接続された、LO波が入力されるL
O端子である。
【0038】20aは第1のAPDP2aの上記第2の
APDP2bとの接続点とは逆側の端末と地導体との間
に接続されて、LO波の周波数で短絡状態となる第1の
LO波短絡回路であり、20bは第2のAPDP2bの
上記第1のAPDP2aとの接続点とは逆側の端末と地
導体との間に接続されて、LO波の周波数で短絡状態と
なる第2のLO波短絡回路である。なお、これら第1の
LO波短絡回路20aおよび第2のLO波短絡回路20
bは、後に実施の形態4から実施の形態7にて詳しく述
べるように、例えば、LO波の周波数で1/4波長とな
る先端開放スタブや、LO波の周波数で共振する直列共
振回路などで形成される。
【0039】21はRF波を概略180度の位相差で分
配する180度分配回路であり、7はこの180度分配
回路21の入力端子に接続された、RF波が入力される
RF端子である。22aはこの180度分配回路21の
正位相のRF波を出力する第1の出力端子と、第1のA
PDP2aと第1のLO波短絡回路20aとの接続点の
間に配置されて、RF側の回路をIF波より分離するた
めの第1のIF波阻止回路であり、22bは180度分
配回路21の逆位相のRF波を出力する第2の出力端子
と、第2のAPDP2bと第2のLO波短絡回路20b
との接続点の間に配置されて、RF側の回路をIF波よ
り分離するための第2のIF波阻止回路である。なお、
この図1に示した偶高調波ミクサでは、第1のIF波阻
止回路22aおよび第2のIF波阻止回路22bをHP
Fにて形成している。
【0040】9cはIF波が出力される第1のIF端
子、9dはこの第1のIF端子9cとは逆位相のIF波
が出力される第2のIF端子であり、このように第1の
IF端子9cと第2のIF端子9dとは差動で動作す
る。23aはこの第1のIF端子9cと、第1のAPD
P2aと第1のLO波短絡回路20aとの接続点の間に
配置されて、IF側の回路をRF波より分離するための
第1のRF波阻止回路であり、23bは第2のIF端子
9dと、第2のAPDP2bと第2のLO波短絡回路2
0bとの接続点の間に配置されて、IF側の回路をRF
波より分離するための第2のRF波阻止回路である。な
お、この図1に示した偶高調波ミクサでは、第1のRF
波阻止回路23aおよび第2のRF波阻止回路23bを
LPFにて形成している。
【0041】次に、180度分配回路21の構成例を幾
つか示す。図2は180度分配回路で代表的な、分布定
数によるラットレース回路を示す回路図である。図にお
いて、41a,41b,41cは1/4波長線路、42
は3/4波長線路であり、43は1/4波長線路41b
と41cの接続点と地導体の間に接続された終端抵抗で
ある。また、図1のRF端子7に接続される入力端子
は、1/4波長線路41aと41bの接続点に接続さ
れ、第1のIF波阻止回路22aに接続される出力端子
は、1/4波長線路41aと3/4波長線路42の接続
点に、第2のIF波阻止回路22bに接続される出力端
子は、1/4波長線路41cと3/4波長線路42の接
続点にそれぞれ接続されている。これにより、RF波を
入力端子に入力すると、2つの出力端子からは、等振幅
・逆位相でRF波が出力される。
【0042】図3は180度分配回路の他の例であり、
集中定数化したラットレース回路を示す回路図である。
図2における3つの1/4波長線路41a,41b,4
1cをπ形のLPFで、3/4波長線路42をπ形のH
PFでそれぞれ構成したものである。図2のラットレー
ス回路と同様に、入力端子にRF波を入力すると、2つ
の出力端子からは等振幅・逆位相でRF波が出力され
る。
【0043】図4は180度分配回路のさらに他の例と
してのマーチャンドバランを示す回路図である。図にお
いて、44,45は1/4波長結合線路であり、それぞ
れの一方の線路44a,45aは互いに直列に接続され
てその一方に入力端子が接続され、それらと結合してい
る他方の線路44b,45bは、それぞれの一端が地導
体に、他端が個別の出力端子に接続されている。このよ
うなマーチャンドバランによる180度分配回路も図2
に示したラットレース回路と同様に、RF波を入力端子
に入力すると、各出力端子からRF波が等振幅・逆位相
で出力される。なお、このようなマーチャンドバランに
よる180度分配回路は、例えばARTECH HOU
SE社より1993年に出版された、S.A.Maas
著“Microwave mixers 第2版”の2
59ページなどに記載された公知のものである。
【0044】図5は180度分配回路のさらに他の例と
してのアクティブバランを示す回路図である。図におい
て、46はそのゲートに入力端子が、ソースとドレイン
に個別の出力端子がそれぞれ接続されたFET(電界効
果トランジスタ)であり、47a,47bはFET46
のドレインあるいはソースに接続された抵抗、48はゲ
ートバイアス電圧印加用のRFチョーク、49はドレイ
ンバイアス電圧印加用のDC(直流)ブロックである。
この場合も図2のラットレース回路と同様に、入力端子
にRF波を入力すると、各出力端子からは等振幅・逆位
相でRF波が出力される。なお、このようなアクティブ
バランによる180度分配回路も、例えばARTECH
HOUSE社より1993年に出版された、S.A.
Maas著“Microwave mixers 第2
版”の362ページなどに記載された公知のものであ
る。
【0045】次に動作について説明する。図1におい
て、RF端子7にRF波を印加すると、そのRF波は上
記図2から図5に示した180度分配回路21の入力端
子に入力され、その2つの出力端子から等振幅・逆位相
で出力される。なお、この出力されたRF波の一方(正
位相)は第1のIF波阻止回路22aを介して、他方
(逆位相)は第2のIF波阻止回路22bを介して、直
列接続された第1および第2のAPDP2a、2bの両
端に印加される。このとき、IF側の回路は第1および
第2のRF波阻止回路23a,23bによりこのRF波
とは分離される。その様子を図6に示す。直列に接続さ
れた第1のAPDP2aと第2のAPDP2bの両端に
RF波が逆位相で加わるため、第1のAPDP2aと第
2のAPDP2bの接続点(回路の中点)ではRF波は
キャンセルされて短絡面と等価となり、LO端子8には
RF波は伝搬しない。したがって、図26に示した従来
の偶高調波ミクサのように、フィルタを用いなくともR
F波のLO端子8への漏洩を抑制できる。その結果、回
路を大形化させることなく図31や図32で示した干渉
波による変調精度の劣化を防止できる。
【0046】一方、LO端子8にLO波を印加すると、
そのLO波は第1のAPDP2aと第2のAPDP2b
の接続点に加わる。ここで、第1および第2のLO波短
絡回路20a,20bはLO波の周波数において短絡状
態となるため、第1のAPDP2aは第1のLO波短絡
回路20aによって、第2のAPDP2bは第2のLO
波短絡回路20bによって、それぞれLO波の周波数で
地導体に接地される。その様子を図7に示す。第1およ
び第2のLO波短絡回路20a,20bが短絡状態にな
ると、図示のように、LO端子8からみた場合、第1お
よび第2のAPDP2a,2bしか見えないため、RF
側の回路やIF側の回路の影響を受けることなく、LO
波によって高い効率で第1および第2のAPDP2a,
2bを励振することができる。
【0047】以上述べたように、第1のAPDP2aと
第2のAPDP2bに対して、RF波は逆位相、LO波
は同位相で加わるため、IF波は直列接続された第1お
よび第2のAPDP2a,2bの両端に逆位相で生じ
る。この逆位相のIF波を第1あるいは第2のRF波阻
止回路23a,23bを介して、第1および第2のIF
端子9c,9dに取り出す。ここで、第1のIF端子9
cと第2のIF端子9dには差動でIF波が取り出され
るため、単一電源動作の演算増幅器などによるIF増幅
器との接続性は良好である。
【0048】このように、この実施の形態1の偶高調波
ミクサによれば、従来と同様の機能を有するとともに、
以下の効果を奏する。 (1)従来のようにフィルタを用いることなくRF波の
LO端子8への漏洩を抑制でき、その結果、回路を大形
化させることなく干渉波による変調精度の劣化を抑制で
きる。 (2)第1および第2のAPDP2a,2bはLO波の
周波数において、第1および第2のLO波短絡回路20
a、20bによって接地されるため、RF側やIF側の
回路の影響を受けることなく、LO波により高い効率で
第1および第2のAPDP2a,2bを励振することが
できる。 (3)第1のIF端子9cと第2のIF端子9dは差動
で取り出されるため、単一電源動作の演算増幅器などに
よるIF増幅器との接続性が良好である。
【0049】なお、上記説明では、第1および第2のI
F波阻止回路22a,22bをHPF、第1および第2
のRF波阻止回路23a,23bをLPFとしたものに
ついて説明したが、図8に示すように、それらにキャパ
シタやインダクタを用いてもよい。図8において、24
aはキャパシタによる第1のIF波阻止回路、24bは
キャパシタによる第2のIF波阻止回路であり、25a
はインダクタによる第1のRF波阻止回路、25bはイ
ンダクタによる第2のRF波阻止回路である。特にIF
波としてベースバンド信号を取り扱うディジタル変調用
の直交ミクサにおいては、第1および第2のIF波阻止
回路24a,24bや第1および第2のRF波阻止回路
25a,25bはキャパシタやインダクタで十分であ
り、HPFやLPFを用いた場合と同様の効果を奏する
とともに、より小形化が可能になるという効果もある。
【0050】また、上記説明では、差動で動作する第1
および第2のIF端子9c,9dのそれぞれから互いに
逆移相のIF波を出力するものについて示したが、図9
に示すように、差動で動作する第1および第2のIF端
子9c,9dより出力される互いに逆移相のIF波を1
80度合成回路26に入力して合成し、合成されたIF
波を単一のIF端子9eより出力するようにしてもよ
く、上記と同様の効果を奏する。なお、ここで用いられ
る180度合成回路26としては、差動入力の演算増幅
器やバランなど、平衡/不平衡変換に用いられる回路で
あればよい。
【0051】以上、この実施の形態1の説明において
は、RF端子7よりRF波を入力して第1および第2の
IF端子9c,9dよりIF波を出力するダウンコンバ
ータに適用した場合について説明したが、第1および第
2のIF端子9c,9dよりIF波を入力してRF端子
7よりRF波を出力するアップコンバータに適用しても
よく、上記と同様の効果を奏する。なお、そのような場
合には、図1、図8、図9における、RF波に対する1
80度分配回路21を180度合成回路26と同様の1
80度合成回路とし、その入力端子を出力端子、第1お
よび第2の出力端子を第1および第2の入力端子にする
とともに、図9における、IF波に対する180度合成
回路26を180度分配回路21と同様の180度分配
回路とする。
【0052】実施の形態2.上記実施の形態1では、直
列接続された第1および第2のAPDP2a,2bの接
続点にLO端子8を直接接続したものについて説明した
が、この第1および第2のAPDP2a,2bの接続点
とLO端子8との間に、第3のRF波阻止回路を設けれ
ば、RF端子7とLO端子8間のアイソレーションをよ
り高めることができる。図10はそのようなこの発明の
実施の形態2による偶高調波ミクサの構成を示すブロッ
ク図であり、相当部分には図8と同一符号を付してその
説明を省略する。図において、27は第1のAPDP2
aと第2のAPDP2bの接続点と、LO端子8との間
に挿入された、LO端子8へのRF波の漏洩を減衰させ
るための第3のRF波阻止回路である。
【0053】次に動作について説明する。この実施の形
態2による偶高調波ミクサの、LO波の周波数における
等価回路も図7に示したものと同様であり、LO端子8
からみて第1および第2のAPDP2a,2bしか見え
ない。そのため、第1および第2のAPDP2a,2b
の接続点とLO端子8との間に設けられた第3のRF波
阻止回路27では、図26に示した従来の偶高調波ミク
サにおける分波回路3でのような、フィルタ間の干渉を
考慮する必要はない。したがって、RF波の周波数を共
振周波数とする並列共振回路程度の小形な回路で、LO
端子8から漏洩するRF波をより減衰させることができ
る。なお、その他の部分の動作は、実施の形態1と同じ
であるため、ここではその説明は割愛する。
【0054】このように、この実施の形態2によれば、
第3のRF波阻止回路27を第1および第2のAPDP
2a,2bの接続点とLO端子8との間に配することに
より、LO端子8から漏洩するRF波を十分に減衰させ
ることができるようになり、実施の形態1の効果に加え
て、回路を大形化させることなく、図31や図32で示
した干渉波による変調精度の劣化をより強く抑制するこ
とができる効果がある。
【0055】実施の形態3.上記実施の形態2では、直
列接続された第1および第2のAPDP2a,2bの接
続点とLO端子8との間に、第3のRF波阻止回路27
を挿入したものについて説明したが、この第3のRF波
阻止回路27に代えて緩衝増幅器を挿入しても、RF端
子7とLO端子8の間のアイソレーションを高めること
ができる。図11はそのようなこの発明の実施の形態3
による偶高調波ミクサの構成を示すブロック図であり、
相当部分には図8と同一符号を付してその説明を省略す
る。図において、28は第1のAPDP2aと第2のA
PDP2bの接続点と、LO端子8との間に挿入され、
そのアイソレーション特性によってRF端子7とLO端
子8間のアイソレーションを高めるための緩衝増幅器で
ある。
【0056】次に動作について説明する。緩衝増幅器2
8は一方で、LO端子8から入力されたLO波を増幅す
る作用がある。他方この緩衝増幅器28は、第1および
第2のAPDP2a,2b側から漏洩するRF波に対し
ては、そのアイソレーション特性により減衰器として作
用する。したがって、緩衝増幅器28を第1のAPDP
2aと第2のAPDP2bの接続点と、LO端子8との
間に挿入することにより、LO波を減衰させることな
く、LO端子8から漏洩するRF波を減衰させることが
できる。なお、その他の部分の動作は、実施の形態1と
同じであるため、ここではその説明は割愛する。
【0057】このように、この実施の形態3によれば、
緩衝増幅器28を第1および第2のAPDP2a,2b
の接続点とLO端子8との間に配置することにより、L
O波を減衰させずにLO端子8から漏洩するRF波を十
分に減衰させることができるようになり、実施の形態1
の効果に加えて、回路を大形化させることなく、図31
や図32で示した干渉波による変調精度の劣化をより強
く抑制することができる効果がある。
【0058】実施の形態4.上記実施の形態1における
第1および第2のLO波短絡回路は線路で構成すること
ができる。図12はそのようなこの発明の実施の形態4
による偶高調波ミクサの構成を示すブロック図であり、
相当部分には図8と同一符号を付してその説明を省略す
る。図において、29aはLO波の周波数で1/4波長
の電気長を呈する先端開放スタブで形成されて、第1の
APDP2a、第1のIF波阻止回路24a、および第
1のRF波阻止回路25aが接続されている接続点に接
続された第1のLO波短絡回路である。29bは同様の
先端開放スタブで形成されて、第2のAPDP2b、第
2のIF波阻止回路24b、および第2のRF波阻止回
路25bが接続されている接続点に接続された第2のL
O波短絡回路である。
【0059】次に動作について説明する。なお、以下の
説明では、IF波の周波数fifがLO波の周波数fp
り十分低周波となる場合を想定する。そのとき、式
(1)より、RF波の周波数frfはLO波の周波数fp
の2倍とほぼ等しくなる。
【0060】ここで、図13に第1および第2のLO波
短絡回路29a,29bとして用いられる先端開放スタ
ブのインピーダンス軌跡を示す。IF波の周波数fif
LO波の周波数fp より十分低いという条件下では、I
F波の周波数での先端開放スタブの電気長は無視し得る
程に短く、高インピーダンスとなる。したがって、先端
開放スタブによる第1および第2のLO波短絡回路29
a,29bは、第1のAPDP2aと第1のIF端子9
cの間、あるいは第2のAPDP2bと第2のIF端子
9dの間を伝搬するIF波には作用しない。一方、この
先端開放スタブの電気長は、LO波の周波数では1/4
波長となるため、図13に示すように低インピーダンス
となる。したがって、直列接続された第1のAPDP2
aと第2のAPDP2bの両端は、先端開放スタブによ
る第1あるいは第2のLO波短絡回路29a,29bに
て地導体に接続され、第1および第2のAPDP2a,
2bをLO波にて効率よく励振することができる。
【0061】さらに、RF波の周波数では、RF波の周
波数frfがLO波の周波数fp の2倍とほぼ等しいとい
う周波数条件より、第1および第2のLO波短絡回路2
9a,29bを形成している先端開放スタブの電気長は
1/2波長となるため、図13に示すように再び高イン
ピーダンスとなる。したがって、この先端開放スタブに
よる第1および第2のLO波短絡回路29a,29b
は、第1および第2のAPDP2a,2bとRF端子7
の間を伝搬するRF波には作用しない。なお、その他の
部分の動作は、実施の形態1と同じであるため、ここで
はその説明は割愛する。
【0062】このように、この実施の形態4によれば、
LO波の周波数において、直列接続された第1のAPD
P2aと第2のAPDP2bの両端が、先端開放スタブ
による第1あるいは第2のLO波短絡回路29a,29
bにて接地されるため、RF側の回路やIF側の回路の
影響を受けることがなくなり、実施の形態1の効果に加
えて、第1および第2のAPDP2a,2bをLO波に
より高い効率で励振できる効果がある。
【0063】実施の形態5.上記実施の形態4では、実
施の形態1における第1および第2のLO波短絡回路を
線路で構成した場合について示したが、直列共振回路に
よって構成することもできる。図14はそのようなこの
発明の実施の形態5による偶高調波ミクサの構成を示す
ブロック図であり、相当部分には図8と同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0064】図において、30a,30bはキャパシタ
であり、31a,31bはインダクタである。32aは
キャパシタ30aとインダクタ31aを直列接続して形
成された、共振周波数がLO波の周波数に等しい直列共
振回路による第1のLO波短絡回路である。32bはキ
ャパシタ30bとインダクタ31bを直列接続して形成
された、同様の直列共振回路による第2のLO波短絡回
路である。なお、この第1のLO波短絡回路32aは第
1のAPDP2a、第1のIF波阻止回路24a、およ
び第1のRF波阻止回路25aの接続点に、第2のLO
波短絡回路32bは第2のAPDP2b、第2のIF波
阻止回路24b、および第2のRF波阻止回路25bの
接続点にそれぞれ接続されている。
【0065】次に動作について説明する。ここで、図1
5に第1および第2のLO波短絡回路32a,32bと
して用いられる直列共振回路のインピーダンス軌跡を示
す。第1および第2のLO波短絡回路32a,32bと
して用いられる直列共振回路は、LO波の周波数で直列
共振し、低インピーダンスとなるよう設計されている。
そして、IF波の周波数やRF波の周波数では高インピ
ーダンスとなるように、そのキャパシタ30a,30b
とインダクタ31a,31bの値で決まるQが設計され
る。
【0066】このような設計条件では図15に示すよう
に、LO波の周波数において、直列に接続された第1の
APDP2aと第2のAPDP2bの両端は、直列共振
回路による第1あるいは第2のLO波短絡回路32a,
32bにて地導体に接続されるため、第1および第2の
APDP2a,2bをLO波にて効率よく励振すること
ができる。また、IF波の周波数やRF波の周波数では
図15に示すように、この直列共振回路による第1およ
び第2のLO波短絡回路32a,32bは高インピーダ
ンスとなるため、第1および第2のAPDP2a,2b
と第1および第2のIF端子9c,9dとの間を伝搬す
るIF波や、第1および第2のAPDP2a,2bとR
F端子7の間を伝搬するRF波には作用しない。なお、
その他の部分の動作は、実施の形態1と同じであるた
め、ここではその説明は割愛する。
【0067】このように、この実施の形態5によれば、
LO波の周波数において、直列接続された第1のAPD
P2aと第2のAPDP2bの両端が、直列共振回路に
よる第1あるいは第2のLO波短絡回路32a,32b
によって接地されるため、実施の形態1の効果に加え
て、RF側の回路やIF側の回路の影響を受けることが
なくなって、第1および第2のAPDP2a,2bをL
O波により高い効率で励振することができる効果があ
り、さらに、第1および第2のLO波短絡回路32a,
32bを集中定数で実現しているので、回路のより小形
化が可能になるという効果もある。
【0068】実施の形態6.上記実施の形態5では、実
施の形態1における第1および第2のLO波短絡回路を
直列共振回路で構成した場合について示したが、その直
列共振回路に装荷キャパシタを並列に接続した並列回路
によって第1および第2のLO波短絡回路を構成しても
よい。図16はそのようなこの発明の実施の形態6によ
る偶高調波ミクサの構成を示すブロック図であり、相当
部分には図14と同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0069】図において、33a,33bはキャパシタ
30a,30bおよびインダクタ31a,31bによる
第1のLO波短絡回路32aあるいは第2のLO波短絡
回路32bに並列に接続された、RF波の周波数におけ
るインピーダンスを高めるための装荷キャパシタであ
る。34aは第1のLO波短絡回路32aにこの装荷キ
ャパシタ33aを並列接続した並列回路による第1のL
O波短絡回路であり、34bは第2のLO波短絡回路3
2bに装荷キャパシタ33bを並列接続した並列回路に
よる第2のLO波短絡回路である。なお、この第1のL
O波短絡回路34aは第1のAPDP2a、第1のIF
波阻止回路24a、および第1のRF波阻止回路25a
の接続点に、第2のLO波短絡回路34bは第2のAP
DP2b、第2のIF波阻止回路24b、および第2の
RF波阻止回路25bの接続点にそれぞれ接続されてい
る。
【0070】次に動作について説明する。ここで、図1
7に第1および第2のLO波短絡回路34a,34bと
して用いられる並列回路のインピーダンス軌跡を示す。
第1および第2のLO波短絡回路34a,34bとして
用いられる並列回路内の第1および第2のLO波短絡回
路32a,32bは、実施の形態5の場合と同様に、図
17に示すように、LO波の周波数で直列共振して低イ
ンピーダンスとなり、IF波の周波数では高インピーダ
ンスとなるように設計されている。したがって、LO波
の周波数より高周波の領域では、第1および第2のLO
波短絡回路32a,32bは誘導性のインピーダンスと
なり、インダクタとして動作する。
【0071】実施の形態6ではこの点に着目し、インダ
クタとして動作する第1および第2のLO波短絡回路3
2a,32bに装荷キャパシタ33a,33bを並列に
接続することにより、RF波の周波数で並列共振させる
ように構成している。したがって、図17に示すよう
に、RF波の周波数におけるこの並列回路による第1お
よび第2のLO波短絡回路34a,34bは、並列共振
してより高インピーダンスとなり、第1および第2のA
PDP2a,2bとRF端子7との間を伝搬するRF波
には作用しない。
【0072】また、LO波の周波数では、実施の形態5
の場合と同様に、直列接続された第1のAPDP2aと
第2のAPDP2bの両端は、第1のLO波短絡回路3
4aのLO波短絡回路32a、および第2のLO波短絡
回路34bのLO波短絡回路32bによって地導体に接
続され、第1および第2のAPDP2a,2bをLO波
で効率よく励振することができる。なお、IF波の周波
数では図17に示すように、並列回路による第1および
第2のLO波短絡回路34a,34bは高インピーダン
スとなるため、第1および第2のAPDP2a,2bと
第1および第2のIF端子9c,9dとの間を伝搬する
IF波には作用しない。なお、その他の部分の動作は、
実施の形態1と同じであるため、ここではその説明は割
愛する。
【0073】このように、この実施の形態6によれば、
LO波の周波数において、直列接続された第1のAPD
P2aと第2のAPDP2bの両端が、並列回路による
第1あるいは第2のLO波短絡回路34a,34bによ
って接地されるため、実施の形態1の効果に加えて、R
F側の回路やIF側の回路の影響を受けることがなくな
って、第1および第2のAPDP2a,2bをLO波に
より高い効率で励振することができる効果があり、さら
に、第1および第2のLO波短絡回路34a,34bを
集中定数で実現しているので、回路のより小形化が可能
になるという効果もある。
【0074】実施の形態7.上記実施の形態6では、実
施の形態1における第1および第2のLO波短絡回路を
LO波短絡回路に装荷キャパシタを並列に接続した並列
回路で構成した場合について示したが、それらを並列共
振回路に装荷キャパシタを直列に接続した直列回路によ
って構成することもできる。図18はそのようなこの発
明の実施の形態7による偶高調波ミクサの構成を示すブ
ロック図であり、相当部分には図8と同一符号を付して
その説明を省略する。
【0075】図において、35a,35bはインダクタ
であり、36a,36bはキャパシタである。37aは
インダクタ35aとキャパシタ36aを並列接続して形
成される並列共振回路であり、37bはインダクタ35
bとキャパシタ36bを並列接続して形成される並列共
振回路である。38a,38bはこれら並列共振回路3
7aあるいは37bに直列に接続される装荷キャパシタ
である。39aは並列共振回路37aにこの装荷キャパ
シタ38aを直列接続した直列回路にて形成される第1
のLO波短絡回路であり、39bは並列共振回路37b
に装荷キャパシタ38bを直列接続した直列回路にて形
成される第2のLO波短絡回路である。なお、この第1
のLO波短絡回路39aは第1のAPDP2a、第1の
IF波阻止回路24a、および第1のRF波阻止回路2
5aの接続点に、第2のLO波短絡回路39bは第2の
APDP2b、第2のIF波阻止回路24b、および第
2のRF波阻止回路25bの接続点にそれぞれ接続され
ている。
【0076】次に動作について説明する。ここで、図1
9に第1および第2のLO波短絡回路39a,39bと
して用いられる直列回路のインピーダンス軌跡を示す。
第1および第2のLO波短絡回路39a,39bとして
用いられる直列回路内の並列共振回路37a,37b
は、図19に示すようにIF波の周波数で並列共振し、
高インピーダンスとなるように設計されている。また、
RF波の周波数より低周波の領域では誘導性のインピー
ダンスとなり、インダクタとして動作する。
【0077】実施の形態7ではこの点に着目し、インダ
クタとして動作する並列共振回路37a,37bに装荷
キャパシタ38a,38bを直列に接続することによ
り、LO波の周波数で直列共振させるように構成してい
る。したがって、LO波の周波数において、この直列回
路による第1および第2のLO波短絡回路39a,39
bは並列共振して低インピーダンスとなり、直列に接続
された第1のAPDP2aと第2のAPDP2bの両端
は、この直列回路による第1および第2のLO波短絡回
路39a,39bによって地導体に接続されるため、第
1および第2のAPDP2a,2bをLO波で効率よく
励振することができる。
【0078】一方、IF波の周波数やRF波の周波数で
は図19に示すように、直列回路による第1および第2
のLO波短絡回路39a,39bは高インピーダンスと
なるため、第1および第2のAPDP2a,2bと第1
および第2のIF端子9c,9dとの間を伝搬するIF
波や、第1および第2のAPDP2a,2bとRF端子
7との間を伝搬するRF波には作用しない。なお、その
他の部分の動作は、実施の形態1と同じであるため、こ
こではその説明は割愛する。
【0079】このように、この実施の形態7によれば、
LO波の周波数において、直列接続された第1のAPD
P2aと第2のAPDP2bの両端が、直列回路による
第1あるいは第2のLO波短絡回路39a,39bによ
って接地されるため、実施の形態1の効果に加えて、R
F側の回路やIF側の回路の影響を受けることがなくな
って、第1および第2のAPDP2a,2bをLO波に
より高い効率で励振することができる効果があり、さら
に、第1および第2のLO波短絡回路39a,39bを
集中定数で実現しているので、回路のより小形化が可能
になるという効果もある。
【0080】実施の形態8.上記実施の形態7では、第
1および第2のRF波阻止回路を、第1あるいは第2の
APDP、第1あるいは第2のIF波阻止回路、および
第1あるいは第2のLO波短絡回路が接続されている接
続点に接続して、第1あるいは第2のIF端子を取り出
した場合について説明したが、それらを、第1または第
2のLO波短絡回路内の並列共振回路と装荷キャパシタ
の接続点に接続して、第1あるいは第2のIF端子を取
り出すようにしてもよい。図20はそのようなこの発明
の実施の形態8による偶高調波ミクサの構成を示すブロ
ック図であり、各部には図18の相当部分と同一符号を
付してその説明を省略する。
【0081】図示のように、この実施の形態8による偶
高調波ミクサでは、第1のAPDP2aと第1のIF波
阻止回路24aの接続点に、並列共振回路37aに装荷
キャパシタ38aを直列接続した直列回路による第1の
LO波短絡回路39aを接続して、この第1のLO波短
絡回路39a内の並列共振回路37aと装荷キャパシタ
38aの接続点に第1のRF波阻止回路25aの一端を
接続し、この第1のRF波阻止回路25aの他端より第
1のIF端子9cを取り出している。また、同様に、第
2のAPDP2bと第2のIF波阻止回路24bの接続
点に、並列共振回路37bに装荷キャパシタ38bを直
列接続した直列回路による第2のLO波短絡回路39b
を接続して、この第2のLO波短絡回路39b内の並列
共振回路37bと装荷キャパシタ38bの接続点に第2
のRF波阻止回路25bの一端を接続し、この第2のR
F波阻止回路25bの他端より第2のIF端子9dを取
り出している。
【0082】次に動作について説明する。第1および第
2のLO波短絡回路39a,39b内の並列共振回路3
7a,37bは、実施の形態7において説明したよう
に、IF波の周波数において低インピーダンスとなり、
RF波の周波数で高インピーダンスとなる。したがっ
て、第1あるいは第2のLO波短絡回路39a,39b
内の、並列共振回路37a,37bと装荷キャパシタ3
8a,38bの接続点より、第1あるいは第2のRF波
阻止回路25a,25bを介して、第1および第2のI
F端子9c,9dを取り出した場合でも、IF波の周波
数においては並列共振回路37a,37bが低インピー
ダンスとなって、第1および第2のAPDP2a,2b
と第1および第2のIF端子9c,9dの間を伝搬する
IF波には作用しない。
【0083】一方、第1および第2のAPDP2a,2
bと第1および第2のIF端子9c,9dとの間には、
第1あるいは第2のLO波短絡回路39a,39b内の
並列共振回路37a,37bが介在するため、RF波の
周波数ではそれらが高インピーダンスとなって、第1お
よび第2のIF端子9c,9dへのRF波の漏洩をより
強く抑制する。なお、その他の部分の動作は、実施の形
態7と同じであるため、ここではその説明は割愛する。
【0084】このように、この実施の形態8によれば、
直列回路による第1あるいは第2のLO波短絡回路39
a,39b内の並列共振回路37a,37bと装荷キャ
パシタ38a,38bとの接続点より第1および第2の
IF端子9c,9dを取り出しているので、実施の形態
7の効果に加えて、第1および第2のAPDP2a,2
bと第1および第2のIF端子9c,9dの間を伝搬さ
れるIF波に影響を与えることなく、第1および第2の
IF端子9c,9dへのRF波の漏洩をより強く抑制す
ることができるという効果がある。
【0085】以上、この実施の形態8の説明において
は、RF端子7よりRF波を入力して第1および第2の
IF端子9c,9dよりIF波を出力する、ダウンコン
バータに適用した場合について説明したが、実施の形態
1の場合と同様に、第1および第2のIF端子9c,9
dよりIF波を入力してRF端子7よりRF波を出力す
る、アップコンバータに適用することも可能であり、上
記と同様の効果を奏する。なお、そのような場合には、
図20における、RF波に対する180度分配回路21
を180度合成回路26と同様の180度合成回路と
し、その入力端子を出力端子、第1および第2の出力端
子を第1および第2の入力端子とする。
【0086】実施の形態9.上記実施の形態1から実施
の形態8においては、この発明による偶高調波ミクサに
ついて説明したが、次に、それらの偶高調波ミクサを2
つ用いて構成した直交ミクサについて説明する。図21
はそのようなこの発明の実施の形態9による直交ミクサ
の構成を示すブロック図である。
【0087】図において、7はRF波が入出力されるR
F端子、8はLO波が入力されるLO端子であり、9
a,9bはIF波が入出力されるIF端子である。50
a,50bはこの発明の実施の形態1から実施の形態8
において説明した偶高調波ミクサである。なお、IF端
子9aからはI成分のベースバンド信号が偶高調波ミク
サ50aに、IF端子9bからはQ成分のベースバンド
信号が偶高調波ミクサ50bに、それぞれ差動で入力さ
れている。また、11はLO端子8から入力されたLO
波を同位相もしくは逆位相で分配する分配回路であり、
12は偶高調波ミクサ50aのI成分のRF波と偶高調
波ミクサ50bのQ成分のRF波とを概略90度の位相
差で合成ないしは分配し、RF端子7より入出力する9
0度移相回路である。
【0088】次に動作について説明する。送信を行う場
合に、例えばQPSKなどのディジタル変調符号によ
る、I成分のベースバンド信号をIF端子9aに、Q成
分のベースバンド信号をIF端子9bに、それぞれ差動
にて加えると、2つの偶高調波ミクサ50a,50bで
は分配回路11にて同位相あるいは逆位相に分配された
LO端子8からのLO波に基づいて、それらから出力さ
れるI成分およびQ成分のRF波の振幅と位相をコント
ロールする。偶高調波ミクサ50aから出力されるI成
分のRF波と偶高調波ミクサ50bから出力されるQ成
分のRF波は、90度移相回路12に入力されて90度
の位相差で合成され、RF端子7より所望の位相と振幅
のRF波が出力される。
【0089】一方、受信に際して、RF端子7よりRF
波が入力された場合には、上記とは逆に、そのRF波が
90度移相回路12にて90度の位相差で分配されて、
そのI成分が偶高調波ミクサ50aに、Q成分が偶高調
波ミクサ50bにそれぞれ入力される。各偶高調波ミク
サ50a,50bは分配回路11で同位相あるいは逆位
相に分配されたLO波に基づいて、それぞれが差動で動
作しているIF端子9aおよび9bより、I成分あるい
はQ成分のベースバンド信号を出力する。
【0090】このように、この実施の形態9によれば、
2つの偶高調波ミクサ50a,50bとして、実施の形
態1から実施の形態8に示した、小形化が可能で、RF
端子とLO端子間のアイソレーション特性が改善された
偶高調波ミクサのいずれかを用いているので、直交ミク
サを小形に構成することが可能となり、さらに、図22
に示したような2つの偶高調波ミクサ50a,50b間
のRF波の干渉を抑制することができ、良好な変調精度
が得られるなどの効果がある。
【0091】実施の形態10.上記実施の形態9では、
LO波を同位相あるいは逆位相で分配し、RF波を概略
90度の位相差で合成ないしは分配する場合について説
明したが、LO波を概略45度の位相差で分配し、RF
波を同位相あるいは逆位相で合成ないしは分配するよう
にしてもよい。図22はそのようなこの発明の実施の形
態10による直交ミクサの構成を示すブロック図であ
り、相当部分には図21と同一符号を付してその説明を
省略する。図において、51はLO端子8から入力され
たLO波を概略45度の位相差で分配する45度移相回
路であり、52は偶高調波ミクサ50aのI成分のRF
波と偶高調波ミクサ50bのQ成分のRF波の合成ない
しは分配を、同位相もしくは逆位相で行ってRF端子7
より入出力する合成・分配回路である。
【0092】次に動作について説明する。LO端子8よ
り入力されたLO波は、45度移相回路51より45度
の位相差で偶高調波ミクサ50aと50bに入力され
る。このLO波の45度の位相差は偶高調波ミクサ50
aおよび50bでの2逓倍により90度の位相差とな
る。なお、基本的な動作は実施の形態9の場合と同様
で、偶高調波ミクサ50a,50bは、それぞれが差動
で動作するIF端子9a,9bより入力された、I成分
とQ成分のベースバンド信号よりI成分とQ成分のRF
波を生成し、合成・分配回路52はそれらを同位相もし
くは逆位相で合成し、RF端子7より出力する。また、
RF端子7より入力されたRF信号は合成・分配回路5
2にて同位相もしくは逆位相で分配されて偶高調波ミク
サ50a,50bに入力され、この偶高調波ミクサ50
a,50bからはI成分とQ成分のベースバンド信号
が、それぞれが差動で動作するIF端子9a,9bより
出力される。
【0093】このように、この実施の形態10によれ
ば、2つの偶高調波ミクサ50a,50bとして、実施
の形態1から実施の形態8に示した小形化が可能で、R
F端子とLO端子間のアイソレーション特性が改善され
た偶高調波ミクサのいずれかを用いているので、直交ミ
クサを小形に構成することが可能となり、さらに、図3
2に示したような2つの偶高調波ミクサ50a,50b
間のRF波の干渉を抑制することができ、良好な変調精
度が得られるなどの効果がある。
【0094】実施の形態11.上記実施の形態9および
実施の形態10においては、この発明による直交ミクサ
について説明したが、次に、それらの直交ミクサを用い
て構成したイメージリジェクションミクサについて説明
する。図23はそのようなこの発明の実施の形態11に
よるイメージリジェクションミクサの構成を示すブロッ
ク図である。
【0095】図において、53はこの発明の実施の形態
9または実施の形態10で説明した直交ミクサであり、
7はこの直交ミクサ53にRF波を入出力するためのR
F端子、8は直交ミクサ53にLO波を入力するための
LO端子、9a,9bは直交ミクサ53にI成分もしく
はQ成分のベースバンド信号によるIF波を、差動で入
出力するためのIF端子である。9eは当該イメージリ
ジェクションミクサにIF波を入出力するための単一の
IF端子であり、54は概略90度の位相差で、この単
一のIF端子9eのIF波と、直交ミクサ53のI成分
およびQ成分のIF波との合成ないしは分配を行う90
度移相回路である。55aは直交ミクサ53のIF端子
9aに入出力される平衡なI成分のIF波と、90度移
相回路54に入出力される不平衡なI成分のIF波との
変換を行う平衡/不平衡変換器であり、55bは直交ミ
クサ53のIF端子9bに入出力される平衡なQ成分の
IF波と、90度移相回路54に入出力される不平衡な
Q成分のIF波との変換を行う平衡/不平衡変換器であ
る。
【0096】次に動作について説明する。送信時に、単
一のIF端子9eより入力されたIF波は、90度移相
回路54にて概略90度の位相差で分配され、I成分の
ベースバンド信号およびQ成分のベースバンド信号とし
て不平衡出力される。この不平衡なI成分のベースバン
ド信号は平衡/不平衡変換器55aによって平衡なI成
分のベースバンド信号に変換され、直交ミクサ53のI
F端子9aに入力される。同様にして、不平衡なQ成分
のベースバンド信号は平衡/不平衡変換器55bによっ
て平衡なQ成分のベースバンド信号に変換され、直交ミ
クサ53のIF端子9bに入力される。以後、直交ミク
サ53は実施の形態9あるいは実施の形態10の場合と
同様に動作して、RF端子7よりRF信号が出力され
る。
【0097】一方、受信時にRF端子7よりRF波が入
力されると、直交ミクサ53は実施の形態9あるいは実
施の形態10の場合と同様に動作して、そのIF端子9
aに平衡なI成分のベースバンド信号を、IF端子9b
に平衡なQ成分のベースバンド信号を出力する。この平
衡なI成分のベースバンド信号は平衡/不平衡変換器5
5aによって不平衡なI成分のベースバンド信号に、平
衡なQ成分のベースバンド信号は平衡/不平衡変換器5
5bによって不平衡なQ成分のベースバンド信号に変換
されて、それぞれ90度移相回路54に入力される。9
0度移相回路54では概略90度の位相差でそれらを合
成し、単一のIF端子9eよりIF波を出力する。
【0098】このように、この実施の形態11によれ
ば、直交ミクサ53として、実施の形態9または実施の
形態10に示した、小形化が可能な直交ミクサを用いて
いるので、イメージリジェクションミクサを小形に構成
することが可能となり、さらに、その直交ミクサはRF
端子とLO端子間のアイソレーションを高めた2つの偶
高調波ミクサにて形成されているため、2つの偶高調波
ミクサ間のRF波の干渉によるイメージ抑圧比の劣化を
抑制できる効果もある。
【0099】実施の形態12.上記実施の形態1から実
施の形態11においては、この発明による偶高調波ミク
サ、直交ミクサ、およびイメージリジェクションミクサ
について説明したが、次に、それらの偶高調波ミクサ、
直交ミクサ、あるいはイメージリジェクションミクサを
用いて構成した受信装置について説明する。図24はそ
のようなこの発明の実施の形態12による受信装置の構
成を示すブロック図であり、ここでは、ミクサとして直
交ミクサが用いられたものを示している。
【0100】図において、60はアンテナであり、61
はこのアンテナ60で受信された受信波を増幅する受信
増幅回路としての低雑音増幅器、62はこの低雑音増幅
器61より出力されるRF波から不要な帯域を除去する
ためのBPFである。63は実施の形態9ないしは10
で説明した直交ミクサであり、64はこの直交ミクサ6
3へのLO波を生成する局部発振器である。65a,6
5bは直交ミクサ63より出力されるI成分およびQ成
分のベースバンド信号から不要な高域成分を除去するた
めのLPFであり、66a,66bはLPF65aある
いは66bから出力されるベースバンド信号を増幅する
出力増幅回路としてのベースバンド増幅器である。
【0101】次に動作について説明する。アンテナ60
で受信された周波数がfrfの受信波は低雑音増幅器61
で増幅され、BPF62で不要な周波数帯域が除去され
て、RF波として直交ミクサ63のRF端子に入力され
る。そのとき、直交ミクサ63のLO端子には局部発振
器64より周波数がfp のLO波が入力されており、し
たがって、この直交ミクサ63の2つのIF端子から
は、周波数がfbbであるI成分とQ成分のベースバンド
信号が出力される。なお、このベースバンド信号の周波
数fbbと、RF波の周波数frfおよびLO波の周波数f
p の関係は次の式(2)で表される。
【0102】 fbb=|frf−2fp | (2)
【0103】この直交ミクサ63のIF端子の一方から
出力されたI成分のベースバンド信号は、LPF65a
で余分な高域成分が除去されてベースバンド増幅器66
aに入力され、このベースバンド増幅器66aで増幅さ
れて出力される。また、直交ミクサ63のIF端子の他
方から出力されたQ成分のベースバンド信号は、LPF
65bで余分な高域成分が除去されてベースバンド増幅
器66bに入力され、このベースバンド増幅器66bで
増幅されて出力される。
【0104】なお、上記説明では、ミクサとして実施の
形態9または発明の実施の形態10に示された直交ミク
サを用いたものを示したが、実施の形態1から実施の形
態8に示された偶高調波ミクサ、あるいは実施の形態1
1に示されたイメージリジェクションミクサを用いるこ
とが可能であることはいうまでもない。
【0105】このように、この実施の形態12によれ
ば、ミクサとして実施の形態1から実施の形態8に示さ
れた偶高調波ミクサ、実施の形態9または実施の形態1
0に示された直交ミクサ、実施の形態11に示されたイ
メージリジェクションミクサを用いているため、受信装
置を小形化でき、また高い精度でディジタル変調波を復
調することができるなどの効果がある。
【0106】実施の形態13.上記実施の形態12で
は、受信装置のミクサとして、実施の形態1から実施の
形態11による偶高調波ミクサ、直交ミクサ、あるいは
イメージリジェクションミクサを用いたものを示した
が、それらの偶高調波ミクサ、直交ミクサ、あるいはイ
メージリジェクションミクサを送信装置のミクサとして
用いてもよい。図25はそのようなこの発明の実施の形
態13による送信装置の構成を示すブロック図であり、
ミクサとして直交ミクサが用いられたものを示してい
る。なお、相当部分には図24と同一符号を付してその
説明を省略する。
【0107】図において、67a,67bは送信すべき
IF波のI成分およびQ成分のベースバンド信号を増幅
する入力増幅回路としてのベースバンド増幅器であり、
68a,68bはこのベースバンド増幅器67a,67
bで増幅されたI成分およびQ成分のベースバンド信号
から不要な高域成分を除去して、直交ミクサ63のIF
端子に入力するLPFである。69は直交ミクサ63の
RF端子より出力されたRF波から不要な帯域を除去す
るためのBPFであり、70はこのBPF69にて不要
帯域が除去されたRF波を増幅してアンテナ60より送
信波として送信する送信増幅回路としての高出力増幅器
である。
【0108】次に動作について説明する。周波数がfbb
である入力されたIF波のI成分およびQ成分のベース
バンド信号は、ベースバンド増幅器67aおよび67b
にてそれぞれ増幅され、LPF68a,68bで余分な
高域成分が除去されて、直交ミクサ63のIF端子に入
力される。そのとき、直交ミクサ63のLO端子には局
部発振器64より周波数がfp のLO波が入力されてお
り、したがって、この直交ミクサ63のRF端子から
は、周波数がfrfであるRF波が出力される。この直交
ミクサ63のRF端子から出力されたRF波は、BPF
69にて余分な帯域が除去されて高出力増幅器70に入
力され、この高出力増幅器70で増幅されてアンテナ6
0より送信波として出力される。なお、このRF波の周
波数frfと、ベースバンド信号の周波数fbbおよびLO
波の周波数fp の関係は次の式(3)で表される。
【0109】 frf=2fp ±fbb (3)
【0110】なお、上記説明では、ミクサとして実施の
形態9または発明の実施の形態10に示された直交ミク
サを用いたものを示したが、実施の形態1から実施の形
態8に示された偶高調波ミクサ、あるいは実施の形態1
1に示されたイメージリジェクションミクサを用いるこ
とが可能であることはいうまでもない。
【0111】このように、この実施の形態13によれ
ば、ミクサとして実施の形態1から実施の形態8に示さ
れた偶高調波ミクサ、実施の形態9または実施の形態1
0に示された直交ミクサ、実施の形態11に示されたイ
メージリジェクションミクサを用いているため、送信装
置を小形化でき、また高い精度でディジタル変調するこ
とができるなどの効果がある。
【0112】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、直列
接続したAPDPと180度分配(合成)回路とを用い
た平衡形構成とすることにより、多段で大形のフィルタ
を用いることなくRF波のLO端子への漏洩を抑制する
ことが可能となって、回路の小形化をはかることがで
き、干渉波による変調精度の劣化を抑制できる効果があ
る。また、LO波短絡回路を設けることにより、RF側
の回路やIF側の回路の影響を受けず、高い効率でAP
DPを励振することが可能となる効果もある。
【0113】また、この発明によれば、IF波阻止回路
をキャパシタで、RF波阻止回路をインダクタで形成し
ているので、回路のより小形化がはかれる効果がある。
【0114】また、この発明によれば、直列接続したA
PDPの接続点とLO端子の間にRF波阻止回路あるい
は緩衝増幅器を配置しているので、回路を大形化させる
ことなく、干渉波による変調精度の劣化をより強く抑制
できる効果がある。
【0115】また、この発明によれば、LO波短絡回路
を直列共振回路で構成しているので、LO波短絡回路が
キャパシタやインダクタなどの集中定数回路で実現する
ことができ、回路のより小形化が可能となる効果があ
る。
【0116】また、この発明によれば、LO波短絡回路
を直列共振回路に装荷キャパシタを並列に接続した並列
回路で構成しているので、LO波の周波数では直列共振
回路が共振して直列接続された2つのAPDPの両端を
接地するため、APDPを効率よく励振でき、RF波の
周波数では並列回路が共振して、LO波短絡回路のRF
波の周波数におけるインピーダンスをより高めることが
できる効果がある。
【0117】また、この発明によれば、LO波短絡回路
を並列共振回路に装荷キャパシタを直列に接続した直列
回路で構成しているので、RF波の周波数では並列共振
回路が共振して、LO波短絡回路のRF波の周波数にお
けるインピーダンスをより高め、LO波の周波数では直
列回路が共振して直列接続された2つのAPDPの両端
を接地するため、APDPを効率よく励振できる効果が
ある。
【0118】また、この発明によれば、LO波短絡回路
を並列共振回路と装荷キャパシタとの直列回路で実現
し、IF端子をその並列共振回路と装荷キャパシタの接
続点より取り出しているので、IF端子へのRF波の漏
洩をより強く抑制できる効果がある。
【0119】また、この発明によれば、請求項1から請
求項12のいずれかに示した偶高調波ミクサを2つ用い
て形成しているため、回路を小形に構成できるととも
に、2つの偶高調波ミクサ管のRF波の干渉が抑制でき
て、高い精度でのディジタル変調が可能となる効果があ
る。
【0120】また、この発明によれば、請求項13また
は請求項14に示した直交ミクサを用いて形成している
ため、回路を小形に構成できるとともに、イメージ抑圧
比の劣化を抑制できる効果がある。
【0121】また、この発明によれば、ミクサとして実
施の形態1から実施の形態11に示した偶高調波ミク
サ、直交ミクサ、あるいはイメージリジェクションミク
サを適用しているため、装置を小形化でき、またディジ
タル変調波の復調を高精度で行える効果がある。
【0122】また、この発明によれば、ミクサとして実
施の形態1から実施の形態11に示した偶高調波ミク
サ、直交ミクサ、あるいはイメージリジェクションミク
サを適用しているため、装置を小形化でき、またディジ
タル変調を高精度で行えるの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による偶高調波ミクサの一構成
例を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1における180度分配回路の一
構成例を示す回路図である。
【図3】 実施の形態1における180度分配回路の他
の構成例を示す回路図である。
【図4】 実施の形態1における180度分配回路のさ
らに他の構成例を示す回路図である。
【図5】 実施の形態1における180度分配回路のさ
らに他の構成例を示す回路図である。
【図6】 実施の形態1による偶高調波ミクサの動作を
説明するための等化回路図である。
【図7】 実施の形態1による偶高調波ミクサの動作を
説明するための等化回路図である。
【図8】 実施の形態1による偶高調波ミクサの他の構
成例を示すブロック図である。
【図9】 実施の形態1による偶高調波ミクサのさらに
他の構成例を示すブロック図である。
【図10】 実施の形態2による偶高調波ミクサの構成
を示すブロック図である。
【図11】 実施の形態3による偶高調波ミクサの構成
を示すブロック図である。
【図12】 実施の形態4による偶高調波ミクサの構成
を示すブロック図である。
【図13】 実施の形態4における先端開放スタブのイ
ンピーダンス軌跡を示す説明図である。
【図14】 実施の形態5による偶高調波ミクサの構成
を示すブロック図である。
【図15】 実施の形態5における直列共振回路のイン
ピーダンス軌跡を示す説明図である。
【図16】 実施の形態6による偶高調波ミクサの構成
を示すブロック図である。
【図17】 実施の形態6における並列回路のインピー
ダンス軌跡を示す説明図である。
【図18】 実施の形態7による偶高調波ミクサの構成
を示すブロック図である。
【図19】 実施の形態7における直列回路のインピー
ダンス軌跡を示す説明図である。
【図20】 実施の形態8による偶高調波ミクサの構成
を示すブロック図である。
【図21】 実施の形態9による直交ミクサの構成を示
すブロック図である。
【図22】 実施の形態10による直交ミクサの構成を
示すブロック図である。
【図23】 実施の形態11によるイメージリジェクシ
ョンミクサの構成を示すブロック図である。
【図24】 実施の形態12による受信装置の構成を示
すブロック図である。
【図25】 実施の形態13による送信装置の構成を示
すブロック図である。
【図26】 従来の偶高調波ミクサの一般的な構成例を
示すブロック図である。
【図27】 APDPにおける周期とダイオード電流と
の関係を示す説明図である。
【図28】 APDPにおける周期とダイオードのコン
ダクタンスとの関係を示す説明図である。
【図29】 偶高調波ミクサを受信に適用したときの周
波数スペクトラムを示す説明図である。
【図30】 偶高調波ミクサを送信に適用したときの周
波数スペクトラムを示す説明図である。
【図31】 従来の偶高調波ミクサを用いた直交変調器
の構成例を示すブロック図である。
【図32】 上記直交変調機における干渉による変調精
度の劣化を示す説明図である。
【符号の説明】
2a 第1のAPDP、2b 第2のAPDP、7 R
F端子、8 LO端子、9a,9b IF端子、9c
第1のIF端子、9d 第2のIF端子、9e単一のI
F端子、11 分配回路、12,54 90度移相回
路、20a 第1のLO波短絡回路、20b 第2のL
O波短絡回路、21 180度分配回路、22a 第1
のIF波阻止回路(HPF)、22b 第2のIF波阻
止回路(HPF)、23a 第1のRF波阻止回路(L
PF)、23b 第2のRF波阻止回路(LPF)、2
4a 第1のIF波阻止回路(キャパシタ)、24b
第2のIF波阻止回路(キャパシタ)、25a 第1の
RF波阻止回路(インダクタ)、25b 第2のRF波
阻止回路(インダクタ)、26 180度合成回路、2
7 第3のRF波阻止回路、28 緩衝増幅器、29a
第1のLO波短絡回路(先端開放スタブ)、29b
第2のLO波短絡回路(先端開放スタブ)、30a,3
0b,36a,36b キャパシタ、31a,31b,
35a,35b インダクタ、32a 第1のLO波短
絡回路(直列共振回路)、32b 第2のLO波短絡回
路(直列共振回路)、33a,33b,38a,38b
装荷キャパシタ、34a 第1のLO波短絡回路(並
列回路)、34b 第2のLO波短絡回路(並列回
路)、37a,37b 並列共振回路、39a 第1の
LO波短絡回路(直列回路)、39b 第2のLO波短
絡回路(直列回路)、50a,50b 偶高調波ミク
サ、51 45度移相回路、53,63 直交ミクサ、
60 アンテナ、61 低雑音増幅器(受信増幅回
路)、64 局部発振器、66a,66b ベースバン
ド増幅器(出力増幅回路)、67a,67b ベースバ
ンド増幅器(入力増幅回路)、70 高出力増幅器(送
信増幅回路)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 1/26 H04B 1/26 B (72)発明者 川上 憲司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (72)発明者 礒田 陽次 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−18238(JP,A) 特開 平9−74316(JP,A) 特開 平4−78203(JP,A) 実開 平1−86307(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03D 7/02 H03D 7/14 H03D 7/18 H03D 9/06

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波端子より入力される高周波信号と
    局部発振波端子より入力される局部発振波より中間周波
    信号を生成し、差動で動作する第1の中間周波端子およ
    び第2の中間周波端子より出力する偶高調波ミクサにお
    いて、 前記高周波端子に180度分配回路の入力端子を接続す
    るとともに、前記180度分配回路の第1出力端子に第
    1の中間周波阻止回路の一端を、第2の出力端子に第2
    の中間周波阻止回路の一端をそれぞれ接続し、 前記第1の中間周波阻止回路の他端と前記第2の中間周
    波阻止回路の他端との間に、それぞれが2つのダイオー
    ドを逆極性に並列接続して形成された第1のアンチパラ
    レルダイオードペアと第2のアンチパラレルダイオード
    ペアの直列回路を接続し、 直列接続された前記第1のアンチパラレルダイオードペ
    アと前記第2のアンチパラレルダイオードペアとの接続
    点に前記局部発振波端子を接続し、 前記第1のアンチパラレルダイオードペアと第1の中間
    周波阻止回路との接続点と、地導体の間に、局部発振波
    の周波数で短絡状態となる第1の局部発振波短絡回路
    を、前記第2のアンチパラレルダイオードペアと第2の
    中間周波阻止回路との接続点と、地導体の間に、局部発
    振波の周波数で短絡状態となる第2の局部発振波短絡回
    路をそれぞれ接続し、 前記第1のアンチパラレルダイオードペアと第1の中間
    周波阻止回路との接続点に第1の高周波阻止回路の一端
    を、前記第2のアンチパラレルダイオードペアと第2の
    中間周波阻止回路との接続点に第2の高周波阻止回路の
    一端をそれぞれ接続するとともに、 前記第1の高周波阻止回路の他端に前記第1の中間周波
    端子を接続し、前記第2の高周波阻止回路の他端に前記
    第2の中間周波端子を接続したことを特徴とする偶高調
    波ミクサ。
  2. 【請求項2】 差動で動作する第1の中間周波端子およ
    び第2の中間周波端子より入力される中間周波信号と局
    部発振波端子より入力される局部発振波より高周波信号
    を生成し、高周波端子より出力する偶高調波ミクサにお
    いて、 前記高周波端子に180度合成回路の出力端子を接続す
    るとともに、前記180度合成回路の第1入力端子に第
    1の中間周波阻止回路の一端を、第2の入力端子に第2
    の中間周波阻止回路の一端をそれぞれ接続し、 前記第1の中間周波阻止回路の他端と前記第2の中間周
    波阻止回路の他端との間に、それぞれが2つのダイオー
    ドを逆極性に並列接続して形成された第1のアンチパラ
    レルダイオードペアと第2のアンチパラレルダイオード
    ペアの直列回路を接続し、 直列接続された前記第1のアンチパラレルダイオードペ
    アと前記第2のアンチパラレルダイオードペアとの接続
    点に前記局部発振波端子を接続し、 前記第1のアンチパラレルダイオードペアと第1の中間
    周波阻止回路との接続点と、地導体の間に、局部発振波
    の周波数で短絡状態となる第1の局部発振波短絡回路
    を、前記第2のアンチパラレルダイオードペアと第2の
    中間周波阻止回路との接続点と、地導体の間に、局部発
    振波の周波数で短絡状態となる第2の局部発振波短絡回
    路をそれぞれ接続し、 前記第1のアンチパラレルダイオードペアと第1の中間
    周波阻止回路との接続点に第1の高周波阻止回路の一端
    を、前記第2のアンチパラレルダイオードペアと第2の
    中間周波阻止回路との接続点に第2の高周波阻止回路の
    一端をそれぞれ接続するとともに、 前記第1の高周波阻止回路の他端に前記第1の中間周波
    端子を接続し、前記第2の高周波阻止回路の他端に前記
    第2の中間周波端子を接続したことを特徴とする偶高調
    波ミクサ。
  3. 【請求項3】 第1の中間周波阻止回路および第2の中
    間周波阻止回路を高域通過フィルタで形成し、第1の高
    周波阻止回路および第2の高周波阻止回路を低域通過フ
    ィルタで形成したことを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の偶高調波ミクサ。
  4. 【請求項4】 第1の中間周波阻止回路および第2の中
    間周波阻止回路をキャパシタで形成し、第1の高周波阻
    止回路および第2の高周波阻止回路をインダクタで形成
    したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の偶
    高調波ミクサ。
  5. 【請求項5】 第1の中間周波端子と第2の中間周波端
    子から出力される中間周波信号を合成して単一の中間周
    波端子に出力する180度合成回路を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の偶高調波ミクサ。
  6. 【請求項6】 単一の中間周波端子より入力される中間
    周波信号を分配して第1の中間周波端子と第2の中間周
    波端子に入力する180度分配回路を設けたことを特徴
    とする請求項2記載の偶高調波ミクサ。
  7. 【請求項7】 直列接続された第1のアンチパラレルダ
    イオードペアと第2のアンチパラレルダイオードペアと
    の接続点と、局部発振波端子との間に、局部発振波端子
    への高周波信号の漏洩を減衰させるための第3の高周波
    阻止回路を設けたことを特徴とする請求項1から請求項
    6のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ。
  8. 【請求項8】 直列接続された第1のアンチパラレルダ
    イオードペアと第2のアンチパラレルダイオードペアと
    の接続点と、局部発振波端子との間に、高周波端子と局
    部発振波端子とのアイソレーションを高めるための緩衝
    増幅器を設けたことを特徴とする請求項1から請求項6
    のうちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ。
  9. 【請求項9】 第1の局部発振波短絡回路および第2の
    局部発振波短絡回路を、局部発振波の周波数で1/4波
    長の電気長を呈する先端開放スタブで構成したことを特
    徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記
    載の偶高調波ミクサ。
  10. 【請求項10】 第1の局部発振波短絡回路および第2
    の局部発振波短絡回路を、キャパシタとインダクタとか
    らなり、局部発振波の周波数で直列共振する直列共振回
    路で構成したことを特徴とする請求項1から請求項8の
    うちのいずれか1項記載の偶高調波ミクサ。
  11. 【請求項11】 第1の局部発振波短絡回路および第2
    の局部発振波短絡回路を、キャパシタとインダクタから
    なる局部発振波の周波数で直列共振する直列共振回路
    に、並列に装荷キャパシタを接続した、全体として高周
    波信号の周波数で並列共振する並列回路で構成したこと
    を特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1
    項記載の偶高調波ミクサ。
  12. 【請求項12】 第1の局部発振波短絡回路および第2
    の局部発振波短絡回路を、インダクタとキャパシタから
    なる高周波信号の周波数で並列共振する並列共振回路
    に、直列に装荷キャパシタを接続した、全体として局部
    発振波の周波数で直列共振する直列回路で構成したこと
    を特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1
    項記載の偶高調波ミクサ。
  13. 【請求項13】 高周波端子より入力される高周波信号
    と局部発振波端子より入力される局部発振波より中間周
    波信号を生成し、差動で動作する第1の中間周波端子お
    よび第2の中間周波端子より出力する偶高調波ミクサに
    おいて、 前記高周波端子に180度分配回路の入力端子を接続す
    るとともに、前記180度分配回路の第1出力端子に第
    1の中間周波阻止回路の一端を、第2の出力端子に第2
    の中間周波阻止回路の一端をそれぞれ接続し、 前記第1の中間周波阻止回路の他端と前記第2の中間周
    波阻止回路の他端との間に、それぞれが2つのダイオー
    ドを逆極性に並列接続して形成された第1のアンチパラ
    レルダイオードペアと第2のアンチパラレルダイオード
    ペアの直列回路を接続し、 直列接続された前記第1のアンチパラレルダイオードペ
    アと前記第2のアンチパラレルダイオードペアとの接続
    点に前記局部発振波端子を接続し、 インダクタとキャパシタより成り前記高周波信号の周波
    数で並列共振する並列共振回路に装荷キャパシタを直列
    接続して、前記局部発振波の周波数で短絡状態となる直
    列回路によって第1の局部発振波短絡回路および第2の
    局部発振波短絡回路を形成し、 前記第1のアンチパラレルダイオードペアと第1の中間
    周波阻止回路との接続点と、地導体の間に、前記第1の
    局部発振波短絡回路を、前記第2のアンチパラレルダイ
    オードペアと第2の中間周波阻止回路との接続点と、地
    導体の間に、前記第2の局部発振波短絡回路をそれぞれ
    接続し、 前記第1の局部発振波短絡回路内の前記並列共振回路と
    装荷キャパシタとの接続点に第1の高周波阻止回路の一
    端を、前記第2の局部発振波短絡回路内の前記並列共振
    回路と装荷キャパシタとの接続点に第2の高周波阻止回
    路の一端をそれぞれ接続するとともに、 前記第1の高周波阻止回路の他端に前記第1の中間周波
    端子を接続し、前記第2の高周波阻止回路の他端に前記
    第2の中間周波端子を接続したことを特徴とする偶高調
    波ミクサ。
  14. 【請求項14】 差動で動作する第1の中間周波端子お
    よび第2の中間周波端子より入力される中間周波信号と
    局部発振波端子より入力される局部発振波より高周波信
    号を生成し、高周波端子より出力する偶高調波ミクサに
    おいて、 前記高周波端子に180度合成回路の出力端子を接続す
    るとともに、前記180度合成回路の第1入力端子に第
    1の中間周波阻止回路の一端を、第2の入力端子に第2
    の中間周波阻止回路の一端をそれぞれ接続し、 前記第1の中間周波阻止回路の他端と前記第2の中間周
    波阻止回路の他端との間に、それぞれが2つのダイオー
    ドを逆極性に並列接続して形成された第1のアンチパラ
    レルダイオードペアと第2のアンチパラレルダイオード
    ペアの直列回路を接続し、 直列接続された前記第1のアンチパラレルダイオードペ
    アと前記第2のアンチパラレルダイオードペアとの接続
    点に前記局部発振波端子を接続し、 インダクタとキャパシタより成り前記高周波信号の周波
    数で並列共振する並列共振回路に装荷キャパシタを直列
    接続して、前記局部発振波の周波数で短絡状態となる直
    列回路によって第1の局部発振波短絡回路および第2の
    局部発振波短絡回路を形成し、 前記第1のアンチパラレルダイオードペアと第1の中間
    周波阻止回路との接続点と、地導体の間に、前記第1の
    局部発振波短絡回路を、前記第2のアンチパラレルダイ
    オードペアと第2の中間周波阻止回路との接続点と、地
    導体の間に、前記第2の局部発振波短絡回路をそれぞれ
    接続し、 前記第1の局部発振波短絡回路内の前記並列共振回路と
    装荷キャパシタとの接続点に第1の高周波阻止回路の一
    端を、前記第2の局部発振波短絡回路内の前記並列共振
    回路と装荷キャパシタとの接続点に第2の高周波阻止回
    路の一端をそれぞれ接続するとともに、 前記第1の高周波阻止回路の他端に前記第1の中間周波
    端子を接続し、前記第2の高周波阻止回路の他端に前記
    第2の中間周波端子を接続したことを特徴とする偶高調
    波ミクサ。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項14のうちのいず
    れか1項記載の偶高調波ミクサを2つ具備し、 さらに、前記2つの偶高調波ミクサへの局部発振波の分
    配を、同位相あるいは逆位相で行う分配回路と、 前記2つの偶高調波ミクサと高周波端子との間での高周
    波信号の合成ないしは分配を、概略90度の位相差で行
    う90度移相回路を備えた直交ミクサ。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項14のうちのいず
    れか1項記載の偶高調波ミクサを2つ具備し、 さらに、前記2つの偶高調波ミクサへの局部発振波の分
    配を、概略45度の位相差で行う45度移相回路と、 前記2つの偶高調波ミクサと高周波端子との間での高周
    波信号の合成ないしは分配を、同位相あるいは逆位相で
    行う分配・合成回路を備えた直交ミクサ。
  17. 【請求項17】 請求項15または請求項16記載の直
    交ミクサと、 前記直交ミクサと単一の中間周波端子の間にて、中間周
    波信号を概略90度の位相差で合成ないしは分配する9
    0度移相回路とを備えたイメージリジェクションミク
    サ。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項17のうちのいず
    れか1項記載の偶高調波ミクサ、直交ミクサ、あるいは
    イメージリジェクションミクサのいずれかによるミクサ
    と、 アンテナで受信された受信波を増幅して、前記ミクサの
    高周波端子に入力する受信増幅回路と、 前記ミクサへの局部発振波を生成する局部発振器と、 前記ミクサの中間周波端子より出力される中間周波信号
    を増幅する出力増幅回路とを備えた受信装置。
  19. 【請求項19】 請求項1から請求項17のうちのいず
    れか1項記載の偶高調波ミクサ、直交ミクサ、あるいは
    イメージリジェクションミクサのいずれかによるミクサ
    と、 前記ミクサの中間周波端子に入力される中間周波信号を
    増幅する入力増幅回路と、 前記ミクサへの局部発振波を生成する局部発振器と、 前記ミクサの高周波端子より出力される高周波信号を増
    幅して、アンテナより送信する送信増幅回路とを備えた
    送信装置。
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