JP2004207874A - 周波数変換器及び無線通信端末装置 - Google Patents

周波数変換器及び無線通信端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トランジスタ差動対回路を用いた周波数変換器の雑音特性を向上させる。
【解決手段】トランジスタ101、102による差動対回路の入力端子IN1 、IN2 間に、RF信号とLO信号の和信号VRF +VLO を入力する。このとき、差動対回路の奇関数特性により、出力端子OUT1 、OUT2 間にはfOUT =fRF ±2×fLO の周波数成分を有する信号VOUT が現れる。差動対回路を駆動する電流源回路103は、直流電流の他に雑音電流を発生し、この雑音電流の周波数成分が差動対回路に混入されてしまう。そこで、差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に周波数成分抑圧回路104を介在させ、この回路106で出力周波数に影響する周波数成分を抑圧する。これにより、電流源回路103からの雑音が差動対回路の出力に与える影響を低減することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばダイレクトコンバージョン受信方式の無線通信端末装置に用いて好適な周波数変換器と、この周波数変換器を用いた無線通信端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話などの無線通信端末装置においては、ダイレクトコンバージョン受信方式が注目されている。このダイレクトコンバージョン受信方式は、アンテナで受信した信号(以下、RF信号)の周波数とほぼ同じ周波数の局部発振信号(以下、LO信号)を用いて周波数変換を行うもので、部品点数が少なくて済み、小型化に適している。但し、この方式には、LO信号が漏洩して受信信号経路に混入し、妨害信号になるという自己混合の問題がある。
【0003】
上記の問題を解決するため、原理上、差動対回路による偶高調波の混合処理により自己混合が起こらないようにした周波数変換器が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
この周波数変換器は、一対のトランジスタのエミッタ間を共通接続し、共通エミッタに定電流を流すようにした、トランジスタ差動対回路で構成される。この構成によれば、一方のトランジスタのベースにRF信号(周波数fRF)を入力し、他方のトランジスタのベースにRF信号のほぼ半分の周波数のLO信号(周波数fLO=fRF/2)を入力することで、トランジスタ差動対回路の持つ奇関数の入出力特性により、一方のトランジスタのコレクタから周波数fRF−2fLOのベースバンド信号を取り出すことができる。このことから、上記構成による周波数変換器は、LO信号周波数がRF信号周波数と異なるため、LO信号が受信信号経路に混入した場合も原理的に感度が無いというダイレクトコンバージョンに適した特性を有している。
【0005】
一方、無線通信端末装置に用いられる周波数変換器には低雑音特性が要求される。
【0006】
上記周波数変換器に与える雑音として、差動対回路を構成するトランジスタ自身が発生する雑音がある。この雑音は信号増幅及び周波数変換に用いるデバイスからの雑音であるため、この雑音を除去することはできない。
【0007】
もう一つの雑音源として、差動対回路を駆動するための電流源回路から混入する雑音がある。電流源回路は一定の直流電流を供給する回路である。ところが、実際の電流源回路はトランジスタなどの能動素子を用いた回路であるため、その出力には所望の直流電流成分以外に雑音成分が含まれる。
【0008】
電流源回路からの雑音成分のうち、ベースバンド信号成分の雑音は、差動出力とすることにより除去することが可能である。しかしながら、周波数変換を受けてベースバンド帯域、特にLO信号周波数付近の帯域に発生する雑音は、差動対回路に入力されるLO信号との混合により、大きな雑音となって出力されてしまう。これらの雑音に対し、所定の信号対雑音比(S/N比)を得るためには、差動対回路の利得(gm )を大きくしなくてはならない。利得を大きくするためには、駆動電流を増やさなくてはならないため、消費電流が増大してしまう。
【0009】
【非特許文献1】
T. Yamaji, H. Tanimoto and H. Kokatsu “An I/Q active BalancedHarmonic Mixer with IM2 Cancelers and a 45° Phase Shifter”, IEEE JSSCVOL. 33, NO. 12, Dec. 1998
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の周波数変換器では、電流源回路からの雑音成分も含めて所定のS/N比を確保しなくてはならないため、消費電流が増えてしまうという問題があった。この結果、無線通信端末装置に利用した場合に、小型化に寄与することは可能となるが、消費電流の増大によってその効果が半減されてしまう。
【0011】
本発明の目的は、消費電流を増やすことなく低雑音化を実現する周波数変換器を提供し、この周波数変換器を用いることで小型化、省電力化を実現する無線通信端末装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る周波数変換器は、一対のトランジスタそれぞれの第1被制御電極を共通に接続して差動対回路を構成し、各トランジスタの制御電極を一対の信号入力端とし、一方の第2被制御電極またはそれぞれの第2被制御電極間を信号出力端とし、電流源回路により前記一対のトランジスタの共通接続電極に直流電流を供給して、前記差動対回路に奇関数の入出力特性を持たせるようにし、前記一対のトランジスタの共通接続電極と前記電流源回路の電流供給端との間に、前記差動対回路の出力周波数成分に関与する周波数成分を抑圧する周波数成分抑圧回路を介在させるようにしたことを特徴とする。
【0013】
特に、上記構成において、前記差動対回路が、前記一対の信号入力端間に第1の周波数成分f1 を持つ第1の信号と第2の周波数成分f2 を持つ第2の信号との和または差信号が供給されたとき、前記信号出力端からm×f1 ±n×f2 (但し、m,n:任意の自然数、m+n:奇数)の周波数成分fOUT を持つ信号を出力する特性を有する場合に、前記周波数成分抑圧回路が、前記差動対回路の出力周波数成分fOUT と前記第1の周波数成分に基づく成分m×f1 との和または差の周波数成分fOUT ±m×f1 、前記差動対回路の出力周波数成分fOUT と前記第2の周波数成分に基づく成分n×f2 との和または差の周波数成分fOUT ±n×f2 のうち、少なくともいずれかの周波数成分を抑圧することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、差動対回路の持つ奇関数の入出力特性を利用して周波数変換を行う場合に、抑圧回路が抑圧する周波数成分を、電流源回路から出力される雑音成分のうち、差動対回路の出力周波数成分に寄与する周波数成分とすることにより、電流源回路で発生する雑音成分が差動対回路に混入しないように阻止することができ、これによって所定のS/N比を確保し、消費電流の増大を抑制することが可能となる。
【0015】
上記構成による周波数変換器は、無線通信端末装置に利用した場合に、消費電流を増やすことなく低雑音化が実現され、小型化のみならず省電力化をも実現することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は本発明に係る周波数変換器が適用される、ダイレクトコンバージョン受信方式の無線通信端末装置の構成を示すブロック図である。図1において、アンテナ11で受けたRF信号は、低雑音増幅器12によって増幅された後、本発明に係る周波数変換器13に供給される。この周波数変換器13は、増幅器12から供給される周波数fRF の受信信号(RF信号)と共に、局部発振器14で発生される局部発振信号(LO信号)を入力し、両信号を混合してベースバンド信号に変換する。具体的には、LO信号をRF信号のほぼ半分の周波数fLO =fRF/2の信号とし、周波数fOUT =fRF −2×fLO の出力信号を取り出す。この周波数変換器13で得られたベースバンド信号はフィルタ15によって不要な高調波成分が除去された後、復調器16に供給され、元の伝送信号が復調検波される。
【0018】
一方、ベースバンド周波数(fIN )の伝送信号を送信する場合、この送信信号は、変調器17により所定の変調方式で変調された後、本発明に係る周波数変換器18に供給される。この場合の周波数変換器18は、受信系とは逆に、局部発振器19で発生されるLO信号を変調信号に混合してRF信号に変換する。具体的には、LO信号を出力RF信号のほぼ半分の周波数fLO =fRF/2とし、fOUT =fRF =fIN +2fLO の出力信号を取り出す。このようにして生成されたRF信号はフィルタ20によって不要な周波数成分が除去された後、電力増幅器21で電力増幅されてアンテナ11から空間に送出される。
【0019】
以下、上記無線通信端末装置に用いられる周波数変換器13、18の実施形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図である。
【0021】
図2に示す周波数変換器100は、一対のバイポーラトランジスタ101、102の各エミッタを共通に接続したトランジスタ差動対回路を備える。このトランジスタ差動対回路の共通エミッタは電流源回路103の電流供給端に接続される。これにより、トランジスタ差動対回路には、電流源回路103から駆動電流が与えられる。上記トランジスタ101、102の各ベースはそれぞれ入力端子IN1 、IN2 に接続され、各コレクタはそれぞれ出力端子OUT1 、OUT2 に接続される。また、上記トランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間には周波数成分抑圧回路104が介在される。この周波数成分抑圧回路104は特定周波数成分を抑圧する特性を有する。
【0022】
上記構成において、以下にその動作を説明する。
【0023】
上記入力端子IN1 、IN2 間に、RF信号とLO信号の和信号VRF +VLO を入力する。このとき、トランジスタ差動対回路の奇関数特性により、出力端子OUT1 、OUT2 間にはfOUT =fRF ±2×fLO の周波数成分を有する信号VOUT が現れる。
【0024】
一方、電流源回路103は、直流電流の他に雑音電流を発生してしまう。この雑音電流の周波数成分をfN としたとき、そのままでは雑音電流の周波数成分がトランジスタ差動対回路に混入し、その入力信号(fRF 、fLO )と混合されてしまう。その結果、トランジスタ差動対回路の出力には、|fN ±fLO |や|fN ±fRF |といった帯域に雑音成分が現れる。
【0025】
そこで、本実施形態では、トランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に周波数成分抑圧回路104を介在させ、この回路106でfN =fLO±fOUT 、fRF±fOUT の周波数成分を抑圧する。これにより、電流源回路103からの雑音が出力に与える影響を少なくすることができる。
【0026】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図である。尚、図3において、図2と同一部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0027】
図3と図2の相違点は差動対回路を構成するトランジスタが電界効果トランジスタ(図3ではMOSFET)201、202であることのみである。電界効果トランジスタのゲート、ドレイン、ソースは、それぞれバイポーラトランジスタのベース、コレクタ、ドレインに相当する。このように電界効果トランジスタ201、202による差動対回路は、バイポーラトランジスタを用いた場合と同様に差動対の入出力特性が奇関数であるため、その動作に関してはバイポーラトランジスタ101、102を用いた第1の実施形態と同様である。
【0028】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図である。尚、図4において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
【0029】
本実施形態は、図4に示すように、周波数成分抑圧回路104をインダクタ301及びキャパシタ302を含む構成としたことを特徴とする。
【0030】
インダクタは、そのインピーダンスが周波数とともに大きくなる。そこで、周波数成分抑圧回路104において、抑圧する雑音が特定の高周波成分及びその高調波成分である場合、図4に示すように、周波数成分抑圧回路104内にインダクタ301をトランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に直列に挿入する。これにより、雑音電流が共通エミッタからトランジスタ差動対回路に入力されるにくくなる。但し、インダクタ301は直流でのインピーダンスが0である。このため、上記のように周波数成分抑圧回路104内にインダクタ301を挿入しても、回路の直流動作点には影響を与えない。
【0031】
一方、キャパシタは、そのインピーダンスが周波数とともに小さくなる。そこで、周波数成分抑圧回路104において、抑圧する雑音が特定の高周波成分及びその高調波成分である場合、図4に示すように、周波数成分抑圧回路104内にキャパシタ302を電流源回路103の電流供給端とACグランドとの間に挿入する。これにより、雑音電流が共通エミッタからトランジスタ差動対回路に入力されるにくくなる。但し、キャパシタ302の直流でのインピーダンスは無限大であるため、上記のように周波数成分抑圧回路104にキャパシタを挿入しても、回路の直流動作点には影響を与えない。
【0032】
尚、上記実施形態の構成では、インダクタ301とキャパシタ302を併用しているが、いずれも単独使用が可能である。
【0033】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図である。尚、図5において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
【0034】
本実施形態は、図5に示すように、周波数成分抑圧回路104を少なくとも一つ以上の共振器(ここでは二つ)を含む構成としたことを特徴とする。
【0035】
共振器のインピーダンスは、その共振周波数において、理想的には0(直列共振:Zs )もしくは無限大(並列共振:Zp )となる。そこで、図5に示すように、並列共振器401をトランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に直列に挿入する。この場合、電流源回路103から出力される雑音のうち、並列共振器401の共振周波数成分はトランジスタ差動対回路に入力されにくくなり、共振周波数成分の抑圧が可能となる。また、直列共振器402を電流源回路103の電流供給端とACグランドとの間に挿入する。この場合も、直列共振器402の共振周波数成分はトランジスタ差動対回路に入力されにくくなり、共振周波数成分の抑圧が可能となる。
【0036】
尚、図5に示すように並列共振器401と直列共振器402を同時に用いる場合には、その共振周波数を等しくして特定の周波数の抑圧効果を高めてもよい。勿論、各共振器401、402は単独での使用が可能である。
【0037】
図6に、並列共振器401の一例として、インダクタ501及びキャパシタ502の並列接続によるLC並列型共振回路の構成を示す。この場合、インダクタ501のインダクタンスをLp とし、キャパシタ502のキャパシタンスをCp とすると、角周波数ωp =1/(Lp ×Cp1/2で並列共振し、周波数fp =2×π×ωp でインピーダンスZp が無限大となる。このようなLC並列型共振回路では、直流の電圧降下がないため、周波数成分抑圧回路104中において、トランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に多段に直列接続することが可能である。
【0038】
図7に、直列共振器402の一例として、インダクタ601及びキャパシタ602の直列接続によるLC直列型共振回路の構成を示す。この場合、インダクタ601のインダクタンスをLs とし、キャパシタ602のキャパシタンスをCs とすると、角周波数ωs =1/(Ls ×Cs1/2で直列共振し、周波数fs =2×π×ωs でインピーダンスZs が0となる。このようなLC直列型共振回路では直流電流が流れないため、周波数成分抑圧回路104中において、電流源回路103の電流供給端とACグランドとの間に多岐に並列接続することが可能である。
【0039】
尚、本実施形態のようにZp ,Zs を併用するだけではなく、本発明はZp とC、Zs とLを組み合わせて用いることも可能である。
【0040】
(第5の実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図である。尚、図8において、図2、図4、図5と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
【0041】
本実施形態は、図8に示すように、周波数成分抑圧回路104を図5に示した並列共振器401と図4に示したキャパシタ302を含む構成としたことを特徴とする。すなわち、並列共振器401はトランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に接続され、キャパシタ302は電流源回路103の電流供給端とACグランドとの間に接続される。
【0042】
第3の実施形態で説明したように、キャパシタ302を用いることにより雑音の低減が可能であるが、キャパシタ302のみを使用すると、トランジスタ差動対回路の共通エミッタにおいて、高周波帯域のインピーダンスが低下してしまう。そこで、所望の周波数についてはインピーダンスが高くなるように、図8に示すようにトランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に並列共振器401を挿入する。これにより所望の回路動作を実現しつつ、低雑音化が可能となる。
【0043】
(第6の実施形態)
図9は、本発明の第6の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図である。尚、図9において、図2、図4、図5と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
【0044】
本実施形態は、図9に示すように、周波数成分抑圧回路104を図4に示したインダクタ301と図5に示した直列共振器402とを含む構成としたことを特徴とする。すなわち、直列共振器402は電流源回路103の電流供給端とACグランドとの間に接続され、インダクタ301はトランジスタ差動対回路の共通エミッタと電流源回路103の電流供給端との間に接続される。
【0045】
不要周波数成分のさらなる抑圧のため、図9に示すように電流源回路103の電流供給端とACグランドとの間に直列共振器402を挿入する。これにより所望の回路動作を実現しつつ、低雑音化が可能となる。
【0046】
(第7の実施形態)
図10は、本発明の第7の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図である。尚、図10において、図2、図4、図5、図6と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
【0047】
本実施形態は、第6の実施形態の応用例であり、ダイレクトコンバージョン受信機に用いる場合に、周波数成分抑圧回路104において、図4に示したキャパシタ302と図6に示したインダクタ501及びキャパシタ502の並列接続による並列共振器401とを組み合わせたことを特徴とする。
【0048】
ダイレクトコンバージョン受信機に適用した場合、LO信号周波数はRF信号周波数の約半分の周波数に設定され、その出力周波数は直流に近いベースバンド帯の周波数となる。トランジスタ差動対回路に入力される信号のうち、一番成分の大きい信号は一般にLO信号であるため、電流源回路103から出力される雑音電流のうち、LO信号周波数付近の成分がLO信号周波数との混合によりベースバンド帯に周波数変換されやすい。そこで、図10において、周波数成分抑圧回路104中の並列共振器401の共振周波数をLO信号周波数付近に設定する。これにより、最も大きなS/N比劣化の要因となるLO信号周波数付近を低雑音化することができる。
【0049】
このとき、電流源回路103の電流供給端における電圧を安定化させるため、図10に示すように、キャパシタ602をACグランドに対して挿入する。本周波数変換器に入力されるLO信号には、一般にその高調波成分も含まれるため、さらなる低雑音化のために、共振周波数をLO信号の高調波周波数付近とした共振器を併用すると効果的である。
【0050】
(第8の実施形態)
以上の説明において、周波数変換器を一つのトランジスタ差動対回路で構成した例を挙げたが、差動対回路を2つもしくはそれ以上用いて並列に接続し、入力信号に対してバランス構成としてもよい。また、信号の入力方法も、差動対の一方にRF信号、他方にLO信号を入力してもよい。
【0051】
図11は本発明に係る第8の実施形態として、2つのトランジスタ差動対回路を並列に接続し、バランス構成とした場合の周波数変換器の構成を示す回路図である。尚、図11において、図2と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。
【0052】
図11に示す周波数変換器では、トランジスタ101、102が第1のトランジスタ差動対回路を構成し、トランジスタ105、106が第2のトランジスタ差動対回路を構成している。
【0053】
トランジスタ105のコレクタはトランジスタ102のコレクタに接続され、トランジスタ106のコレクタはトランジスタ101のコレクタに接続され、トランジスタ105、106のエミッタは共通に接続されて、周波数成分抑圧回路107を介して電流源回路108の電流供給端に接続される。
【0054】
トランジスタ101のベースは第1入力端子IN1 に接続され、トランジスタ106のベースはトランジスタ105のベースに共通に接続されて第2入力端子IN2 に接続され、トランジスタ107のベースは第3入力端子IN3 に接続される。ここでは、第1入力端子IN1 にRF信号VRF+ が供給され、第2入力端子IN2 にRF信号の略半分の周波数成分を持つLO信号が供給され、第3入力端子IN3 にRF信号とは逆相の信号VRF- が供給されるものとする。
【0055】
上記構成による周波数変換器では、第1及び第2入力端子IN1 、IN2 端子間にVRF+ とVLO の和信号が入力され、第2及び第3入力端子IN2 、IN3 間にVRF- とVLO の和信号が入力されるため、第1及び第2のトランジスタ差動対回路の奇関数特性により、出力端子OUT1 、OUT2 間にはfOUT =fRF+ +fRF- ±2×fLO =2×fRF ±2×fLO の周波数成分を有する信号VOUT
が現れる。
【0056】
このようにバランス構成のトランジスタ差動対回路を用いた場合でも、周波数成分抑圧回路104によって出力周波数fOUT に関与する周波数成分を抑圧することで、電流源回路103で発生する雑音成分による出力信号のS/N比低減を大幅に抑制することができる。
【0057】
(その他の実施形態)
以上述べた実施形態では、受信系に用いられる周波数変換器を前提に説明したが、本発明は送信系にも適用できる。この場合、周波数変換器に入力される信号は、例えば音声信号などのアナログ信号をデジタル信号に変換した変調信号であり、この変調信号はLO信号周波数の2以上の偶数倍(例えば2倍)との和の周波数に変換され、この変換された信号がRF信号として出力される。このRF信号は図示しないアンテナを経由して送信されることになる。このような送信系に上述の各実施形態の周波数変換器を適用することにより、電流源回路103で発生される雑音の送信信号への混入を抑圧することができ、不要な周波数電波の送出を抑制することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、消費電流を増やすことなく低雑音化を実現する周波数変換器を提供し、この周波数変換器を用いることで小型化、省電力化を実現する無線通信端末装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周波数変換器が適用されるダイレクトコンバージョン受信方式の無線通信端末装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【図6】第4の実施形態に用いる並列共振器の構成例を示す回路図。
【図7】第4の実施形態に用いる直列共振器の構成例を示す回路図。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【図9】本発明の第6の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【図10】本発明の第7の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【図11】本発明の第8の実施形態に係る周波数変換器の構成を示す回路図。
【符号の説明】
11…アンテナ
12…低雑音増幅器
13…周波数変換器
14…局部発振器
15…フィルタ
16…復調器
17…変調器
18…周波数変換器
19…局部発振器
20…フィルタ
21…電力増幅器
100…周波数変換器
101、102、105、106…バイポーラトランジスタ
103、108…電流源回路
104、107…周波数成分抑圧回路
201、202…電界効果トランジスタ(MOSFET)
301、501、601…インダクタ
302、502、602…キャパシタ
401…並列共振器
402…直列共振器

Claims (7)

  1. 一対のトランジスタそれぞれの第1被制御電極が共通に接続され、それぞれの制御電極が一対の信号入力端となり、一方の第2被制御電極またはそれぞれの第2被制御電極間が信号出力端となり、奇関数の入出力特性を持つ差動対回路と;
    前記一対のトランジスタの共通接続電極に直流電流を供給する電流源回路と;
    前記一対のトランジスタの共通接続電極と前記電流源回路の電流供給端との間に介在され、前記差動対回路の出力周波数成分に関与する周波数成分を抑圧する周波数成分抑圧回路と
    を具備することを特徴とする周波数変換器。
  2. 前記差動対回路は、前記一対の信号入力端間に第1の周波数成分f1 を持つ第1の信号と第2の周波数成分f2 を持つ第2の信号との和または差信号が供給されたとき、前記信号出力端からm×f1 ±n×f2 (但し、m,n:任意の自然数、m+n:奇数)の周波数成分fOUT を持つ信号を出力する特性を有し;
    前記周波数成分抑圧回路は、前記差動対回路の出力周波数成分fOUT と前記第1の周波数成分に基づく成分m×f1 との和または差の周波数成分fOUT ±m×f1 、前記差動対回路の出力周波数成分fOUT と前記第2の周波数成分に基づく成分n×f2 との和または差の周波数成分fOUT ±n×f2 のうち、少なくともいずれかの周波数成分を抑圧することを特徴とする請求項1記載の周波数変換器。
  3. 前記周波数成分抑圧回路は、前記出力周波数成分に関与する周波数付近を除く周波数成分またはその高調波成分を通過させるフィルタであることを特徴とする請求項1記載の周波数変換器。
  4. 前記周波数成分抑圧回路は、前記出力周波数成分に関与する周波数付近で共振し、その付近の周波数成分を吸収する共振器であることを特徴とする請求項1記載の周波数変換器。
  5. 前記差動対回路は、複数のトランジスタ差動対を並列に接続したバランス構成とすることを特徴とする請求項1記載の周波数変換器。
  6. 請求項2記載の周波数変換器を用いる無線通信端末装置であって、;
    無線周波数fRF の受信信号を前記第1の信号とし、前記無線周波数fRF に対して周波数fLO =fRF/j(jは2以上の自然数)の局部発振信号を前記第2の信号として、両信号の和または差信号を前記周波数変換器の一対の信号入力端間に入力し、当該周波数変換器の出力端から周波数fOUT =fRF −j×fLO の出力信号を取り出すものとし、
    前記周波数成分抑圧回路では、周波数成分fOUT ±m×fRF 、fOUT ±n×j×fLO のうち、少なくともいずれかの周波数成分を抑圧することを特徴とする無線通信端末装置。
  7. 請求項2記載の周波数変換器を用いる無線通信端末装置であって;
    周波数fTX の送信信号を前記第1の信号とし、前記周波数fTX に対して周波数fLO =k×fTX (kは2以上の偶数)の局部発振信号を前記第2の信号として、両信号の和または差信号を前記周波数変換器の一対の信号入力端間に入力し、当該周波数変換器の出力端から無線周波数fRF =k×fTX +fLO の信号を取り出すものとし、
    前記周波数成分抑圧回路では、周波数成分fRF ±m×k×fTX 、fRF ±n×fLO のうち、少なくともいずれかの周波数成分を抑圧することを特徴とする無線通信端末装置。
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