JPH11174198A - 荷電粒子照射装置及びその運転方法 - Google Patents

荷電粒子照射装置及びその運転方法

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JPH11174198A
JPH11174198A JP34258097A JP34258097A JPH11174198A JP H11174198 A JPH11174198 A JP H11174198A JP 34258097 A JP34258097 A JP 34258097A JP 34258097 A JP34258097 A JP 34258097A JP H11174198 A JPH11174198 A JP H11174198A
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scatterer
downstream
charged particle
irradiation
upstream
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JP34258097A
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English (en)
Inventor
Manabu Mizota
学 溝田
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Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、加速器とビーム輸送系のビーム
エネルギーの仕様を増加させたり、余分な放射線を発生
させるようなことは無く、また広くかつビーム強度が均
一な照射野を得ることができる。 【解決手段】 この発明の荷電粒子照射装置では、下流
側散乱体13のスリット13a1、13a2は、進行方向
に対して垂直面での形状が楕円形状のビームの形状と相
似関係になるように形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、荷電粒子、特に
陽子や重粒子などのイオンからなるビームを輸送し、物
体、人体等の被照射体に照射する荷電粒子照射装置、及
びその運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8及び図9は、例えば「Application
of the dual-ring double scatteringmethod for proto
n field enlargement to beam with finite emittance」
Proceedings of NIRS International Seminar on the A
pplication of Heavy Ion Accelerator to Radiation T
herapy of Cancer in connection with XXI PTCOG Meet
ing,1994」に示された従来の荷電粒子照射装置の一例を
示す説明図である。図において、1は陽子線や重粒子線
の輸送系から輸送されたビーム、2は一様な厚さの鉛、
チタン等の原子番号の大きい物質で構成された上流側の
上流側散乱体、3はビーム1の下流側の下流側散乱体、
4は被照射体の照射面、5はビーム軸(ビーム進行方
向)、6は上流側散乱体2で発散されたビーム、7は下
流側散乱体3で発散されたビームである。下流側散乱体
3は、真円形状の第1のスリット3a1及び第2のスリ
ット3a2が形成されたコリメータ部3aと、このコリ
メータ部3aに接着された散乱部3bとから構成されて
いる。
【0003】8は上流側散乱体2に照射されるビームの
強度分布、9は下流側散乱体3に照射されるビームの強
度分布、10は下流側散乱体3を通過した後のビームの
強度分布、11には被照射体の照射面4に照射されるビ
ームの強度分布を示している。なお、図8及び図9に
は、荷電粒子を加速する加速器と、それより取り出され
たビームを輸送するビーム輸送系は示されていない。
【0004】次に、上記構成の荷電粒子照射装置の動作
について説明する。加速器から取り出された荷電粒子
(例えば、陽子、重イオン)のビーム1は、ビーム輸送
系により建屋内の各目的の場所へ所定の形状で供給さ
れ、その各部屋の照射点に置かれた物、人等の被照射体
に照射される。そして、例えばがん治療等に使用される
場合には、被照射体の照射面4ではビーム強度が均一で
かつ広い照射野が望まれる。
【0005】細く絞られたビーム1は上流側散乱体2に
照射された後は、ガウス分布の強度分布9を有して下流
側の下流側散乱体3に照射される。下流側散乱体3は、
ビーム軸5を中心として回転対称(真円形)な第1のス
リット3a1及び第2のスリット3a2を有するコリメー
タ部3aと、散乱部3bとから構成されており、上流側
散乱体2を通過したビーム6は2重の第1のスリット3
及び第2のスリット3a2を通過して被照射体の照
射面4に向かう。上流側散乱体2を通過したビーム6は
ガウス分布となっており、ビーム6の中心部の強度が一
番強く、外側へ向かうに従って強度が下がっているが、
照射野でのビーム強度を一様にするために、ビーム6を
コリメータ部3aの第1のスリット3a及び第2のス
リット3a2を通過させている。そして、下流側散乱体
3を通過して分離されたビームは、所定の距離進んだ後
には、重ね合わされ、被照射体の照射面4に照射される
ときには、強度分布11に示すように広い領域でビーム
強度が均一になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の荷電粒子照
射装置では、上流側散乱体2に入射されるビームはペン
シルビームであり、ビーム軸5に対して回転対称な真円
状であり、下流側の下流側散乱体3のコリメータ部3a
の第1のスリット3a及び第2のスリット3a2もビ
ーム軸5に対して回転対称な真円状に形成されている。
しかしながら、陽子や重粒子等のビーム1は円形加速器
において加速されて取り出された場合、必ずしもX方向
(ビームの進行方向に対して直角水平方向)とY方向
(ビームの進行方向に対して直角垂直方向)のエミッタ
ンス(発散度合い)は一致してなく、ビームのエミッタ
ンスがX方向とY方向とで異なっているものについて
は、下流側散乱体3のコリメータ部3aではエミッタン
スの大きい方のビームの外周部分を遮断しており、この
ため余分な放射線が発生し、またビームの利用効率が低
下するといった問題点があった。
【0007】また、エミッタンスがビームのX方向及び
Y方向で異なることの影響を無くするために、上流側散
乱体の位置で無限に小さくビームを絞り、かつ上流側散
乱体の厚みを厚くする方策も考えることができる。しか
しながら、この場合、上流側散乱体の厚みを増大するこ
とによって失われるビームエネルギーは大きく、被照射
体に所要のビームエネルギーで照射するには、その分を
見込んだエネルギーを加速器で加速しなければならない
ので、加速器およびビーム輸送系の仕様を高エネルギー
の仕様に合わさなければならず、製造コスト及びランニ
ングコストも高くなってしまうという問題点があった。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解決す
ることを課題とするものであって、加速器とビーム輸送
系のビームエネルギーの仕様を増加させたり、余分な放
射線を発生させるようなことは無く、また広くかつビー
ム強度が均一な照射野を得ることができる荷電粒子照射
装置を提供することを目的とするものである。また、加
速器とビーム輸送系のビームエネルギーの仕様を増加さ
せたり、放射線を発生させるようなことは無く、また広
くかつビーム強度が均一な照射野を得ることができる荷
電粒子照射装置の運転方法を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1の荷
電粒子照射装置は、下流側散乱体のコリメータ部のスリ
ットを、進行方向に対して垂直面での形状が楕円形状の
ビームの形状と相似関係になるように形成したものであ
る。
【0010】また、請求項2の荷電粒子照射装置は、コ
リメータ部に複数のスリットを相似関係で形成したもの
である。
【0011】また、請求項3の荷電粒子照射装置では、
照射系にビーム軸を中心にして下流側散乱体を回転させ
てコリメータ部の楕円形状のスリットの短径及び長径を
楕円形状のビームの短径及び長径と一致させる散乱体回
転手段を備えたものである。
【0012】また、請求項4の荷電粒子照射装置では、
照射系として回転ガントリー照射系を用いている。
【0013】この発明の請求項5の荷電粒子照射装置の
運転方法は、四極電磁石の励磁により、下流側散乱体に
入射するときのビームの形状を進行方向に対する垂直面
で真円になるように調整するものである。
【0014】また、請求項6の荷電粒子照射装置では、
照射系として回転ガントリー照射系を用いている。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態を図について説明する。図1及び図2はこの
発明の実施の形態1の荷電粒子照射装置の説明図であ
り、図1(e)において、2は一様な厚さの鉛、チタン
等の原子番号の大きい物質で構成された上流側の上流側
散乱体、13はビームの下流側の下流側散乱体、4は被
照射体の照射面、5はビーム軸(ビーム進行方向)であ
る。下流側散乱体13は、図3(a)及び図3(b)に
示すように楕円形状の第1のスリット13a及び第2
のスリット13aが形成されたコリメータ部13a
と、このコリメータ部13aに接着された散乱部13b
とから構成されている。
【0016】図1(a)はビームが上流側散乱体2に入
射されるときのX方向(ビームの進行方向に対して直角
水平方向)のビームの位相空間図(横軸(X)はX方向
のビームの位置、縦軸(X’)はビームのX方向の発散
角度を示す。)、図1(b)はビームが上流側散乱体2
に入射されるときのY方向(ビームの進行方向に対して
直角垂直方向)のビームの位相空間図(横軸(Y)はY
方向のビームの位置、縦軸(Y’)はビームのY方向の
発散角度を示す。)であり、この上流側散乱体1に入射
されるときのビームの形状は絞られた状態で円形の形で
あり、X方向のビームサイズとY方向のビームサイズは
同じ値a(単位m)である。また、このビームの発散の
大きさはビームの中心点でそれぞれbとc(単位rad)
の範囲にあり、エミッタンスはこれらの楕円の照射面積
である。
【0017】図1(c)はビームが上流側散乱体2で散
乱された直後のX方向のビームの位相空間図、図1
(d)はビームが上流側散乱体2で散乱された直後のY
方向のビームの位相空間図であり、上流側散乱体2の材
質と厚みによって発散される大きさdが決まり、それぞ
れの位相空間上では発散の大きさがそれぞれdだけ増加
する。
【0018】図2において、図2(a)はビームが下流
側散乱体13に入射される直前のX方向のビームの位相
空間図、図2(b)はビームが下流側散乱体13に入射
される直前のY方向のビームの位相空間図である。ビー
ムが上流側散乱体2から下流側散乱体13まで距離L
(単位m)だけ進むと、X方向のビームサイズは次式
(1)で示される。 e=2×(b+d)×L‥‥‥‥‥‥‥‥(1) また、Y方向のビームサイズfは次式(2)で示され
る。 f=2×(c+d)×L‥‥‥‥‥‥‥‥(2) 図2(c)は下流側散乱体13上でのビームの断面形状
を示しており、f=2g、e=2hの関係にある。この
実施の形態では、下流側散乱体13のコリメータ部13
aには二重の相似関係にある楕円形状のスリット13a
13aが形成されているが、ビームのY方向軸の大
きさe、X方向軸の大きさfは、それぞれ楕円形状のス
リット13a、13aの長径及び短径の割合を示し
ており、その比は以下の関係式(3)で示される。 g:h=f:e=(c+d):(b+d)‥‥‥‥(3)
【0019】この実施の形態1の荷電粒子照射装置で
は、加速器から取出されたX方向とY方向の異なるエミ
ッタンスを有する円形のビームを上流側散乱体2に当て
ているが、上流側散乱体2で散乱された後のビームは、
上流側散乱体2の厚さに応じた発散の大きさと、X、Y
両方向のビーム自身の発散の大きさとの和によって発散
していき、下流側散乱体13上では断面形状が楕円形状
のビームが照射される。下流側散乱体13のコリメータ
部13aのスリット13a、13aの形状はビーム
の形状に対応した楕円形状であり、楕円の短軸方向及び
長軸方向において一様な強度分布の照射野を被照射体の
照射面4上に得ることができる。従来の場合、下流側散
乱体3に楕円形状のビームが照射されたときには、ビー
ムは真円形状のスリット3a、3aを通過しなけれ
ばならず、エミッタンスの大きい方のビームの外周部が
その通過時に遮断され、ビームは下流側散乱体3を通過
するときに強制的に円形にされていたのに対して、この
実施の形態ではこのようなことなく、被照射体の照射面
4では広く、かつ一様な強度分布の照射野を得ることが
できる。また、ビームを強制的に円形にすることで放射
線が発生するようなことは無く、またビームの利用効率
が向上する。
【0020】実施の形態2.図4は実施の形態2の荷電
粒子照射装置の構成図であり、21は被照射体の照射面
4を任意の角度から照射するようにビーム輸送系22に
回転可能に接続された回転ガントリー系、23は散乱体
回転手段である回転駆動装置であり、ビーム軸5を中心
にして下流側散乱体13を回転させ、コリメータ部13
aの楕円形状の第1のスリット13a、第2のスリッ
ト13aの短径及び長径を楕円形状のビームの短径及
び長径と一致させるものである。
【0021】この実施の形態2による荷電粒子照射装置
では、固定系側であるビーム輸送系22のX方向及びY
方向は回転ガントリー系21側の座標で見る場合には、
ビーム軸5の回りに回転した系となるので、被照射体の
照射面4から見ると回転ガントリー系21の回転角度に
応じてビーム形状もビーム軸5の回りに回転する。従っ
て、下流側散乱体13も回転角度に応じて回転させるこ
とにより、被照射体の照射面4には楕円状の拡大された
照射野を得ることができる。なお、照射系が固定照射の
場合にもビーム軸を中心にしてビームが経時変化する場
合があるが、この場合にも、回転駆動装置の駆動によ
り、ビーム軸を中心にして下流側散乱体を回転させ、コ
リメータ部の楕円形状の第1のスリット、第2のスリッ
トの短径及び長径を楕円形状のビームの短径及び長径と
一致させるようにすればよい。
【0022】実施の形態3.実施の形態1及び2では、
形状が円形のビームを上流側散乱体2に照射された場合
について説明したが、以下、下流側散乱体3に形状が円
形のビームを照射させる荷電粒子照射装置について説明
する。図5はこの発明の実施の形態3の説明図であり、
24はビーム輸送系に組み込まれビームの形状及び発散
度合いを調整する複数の四極電磁石、3は図9に示した
従来のものと同一構成の下流側散乱体である。
【0023】図5(a)はビームが上流側散乱体2に入
射されるときのX方向(ビームの進行方向に対して直角
水平方向)のビームの位相空間図(横軸(X)はX方向
のビームの位置、縦軸(X’)はビームのX方向の発散
角度を示す。)、図5(b)はビームが上流側散乱体2
に入射されるときのY方向(ビームの進行方向に対して
直角垂直方向)のビームの位相空間図(横軸(Y)はY
方向のビームの位置、縦軸(Y’)はビームのY方向の
発散角度を示す。)であり、この上流側散乱体2に入射
されるときのビームは四極電磁石24の励磁による調整
で楕円形状になっている。
【0024】図5(c)はビームが上流側散乱体2で散
乱された直後のX方向のビームの位相空間図、図5
(d)はビームが上流側散乱体2で散乱された直後のY
方向のビームの位相空間図であり、上流側散乱体2の材
質と厚みによって散乱される大きさdが決まり、それぞ
れの位相空間上では発散の大きさがそれぞれdだけ増加
する。
【0025】図6において、図6(a)はビームが下流
側散乱体3に入射される直前のX方向のビームの位相空
間図、図6(b)はビームが下流側散乱体3に入射され
る直前のY方向のビームの位相空間図、図6(c)は下
流側散乱体3に照射されるビームの形状を示す図であ
る。
【0026】この実施の形態3による荷電粒子照射装置
では、ビームのエミッタンスがX方向、Y方向において
異なるにも関らず、下流側散乱体3には円形のビーム
(e=f(e=2h、f=2g))を照射している。そ
のためには、上流側散乱体2でのビームの位相を逆算し
て求め、その位相のビームが上流側散乱体26に照射す
るように四極電磁石24に流す電流により電磁力を調整
する。四極電磁石24の励磁力により、被照射体の照射
面4上には円形でビーム強度が一様な照射野が得られ
る。また、照射野の大きさや上流側散乱体2の仕様が変
更された時には、それに応じて四極電磁石の励磁を変更
して、上流側散乱体2に照射されるビームのX方向、Y
方向の位相を調整することで、下流側散乱体3には常に
円形のビームを照射させることができる。
【0027】実施の形態4.上記実施の形態3では、照
射系が固定照射の場合を示したが、以下、照射系が被照
射体の照射面4の回りを回転する回転ガントリー系であ
る場合について説明する。図7は実施の形態4の荷電粒
子照射装置の構成図であり、21は被照射体の照射面4
を任意の角度から照射するようにビーム輸送系22に回
転可能に接続された回転ガントリー系、24は回転ガン
トリー系21に組み込まれビームの位相を調整する複数
個の四極電磁石である。
【0028】回転ガントリー21系から見ると回転角度
に応じて、ビームの位相空間が回転するので、それに応
じて四極電磁石24で上流側散乱体2に照射するビーム
の位相を変化させることにより、下流側散乱体3には円
形のビームを照射させることができ、被照射体の照射面
4には拡大され、かつビーム強度が一様な円形の照射野
を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
1の荷電粒子照射装置によれば、下流側散乱体のコリメ
ータ部のスリットを、進行方向に対して垂直面での形状
が楕円形状のビームの形状と相似関係になるように形成
したので、スリットが真円形状で楕円形状のビームの外
周部の一部を遮断していた従来の下流側散乱体と比較し
て、均一なビーム強度で、かつ楕円形状の拡大された照
射野を得ることができる。また、楕円形状のビームの外
周部を一部遮断することで生じる放射線の発生を防止す
ることができるとともに、ビームの利用効率が向上す
る。
【0030】また、請求項2の荷電粒子照射装置によれ
ば、コリメータ部には複数のスリットを相似関係で形成
したので、広い領域においてビーム強度が一様な照射野
を簡単に得ることができる。
【0031】また、請求項3の荷電粒子照射装置によれ
ば、照射系にはビーム軸を中心にして下流側散乱体を回
転させコリメータ部の楕円形状のスリットの短径及び長
径を楕円形状のビームの短径及び長径と一致させる散乱
体回転手段を備えたので、照射系の回転角度に応じて下
流側散乱体を回転させることにより、被照射体の照射面
上には楕円状の拡大され、かつビーム強度が一様な照射
野を得ることができる。また、下流側散乱体に照射され
るビームが余分に遮断されることが無く、余分な放射線
の発生を防止でき、またビームの利用効率が向上する。
【0032】また、請求項4の荷電粒子照射装置によれ
ば、照射系が回転ガントリー照射系の場合にも、回転ガ
ントリー照射系の回転角度に応じて下流側散乱体を回転
させることにより、被照射体の照射面上には楕円状の拡
大され、かつビーム強度が一様な照射野を得ることがで
きる。また、下流側散乱体に照射されるビームが余分に
遮断されることが無く、余分な放射線の発生を防止で
き、またビームの利用効率が向上する。
【0033】また、この発明の請求項5の荷電粒子照射
装置の運転方法によれば、四極電磁石の励磁により、下
流側散乱体に入射するときのビームの形状を進行方向に
対して垂直面で真円になるように調整したので、スリッ
トが円形の従来の下流側散乱体にビームを照射させるこ
とができ、下流側散乱体ではビームを余分に遮断するよ
うなことはなく、余分な放射線の発生を防止でき、かつ
被照射体の照射面には円形でビーム強度が一様な照射野
が得られる。
【0034】また、請求項6の荷電粒子照射装置では、
照射系が回転ガントリー照射系でも、下流側散乱体では
ビームを余分に遮断するようなことはなく、余分な放射
線の発生を防止でき、かつ被照射体の照射面には円形で
ビーム強度が一様な照射野が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の荷電粒子照射装置
を説明するための図であって、(a)は上流側散乱体で
のX方向のビーム位相空間図、(b)は上流側散乱体で
のY方向のビーム位相空間図、(c)は上流側散乱体通
過後のX方向のビーム位相空間図、(d)は上流側散乱
体通過後のY方向のビーム位相空間図、(e)は各部材
の位置関係を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の荷電粒子照射装置
を説明するための図であって、(a)は下流側散乱体で
のX方向のビーム位相空間図、(b)は下流側散乱体で
のY方向のビーム位相空間図、(c)は下流側散乱体で
のビーム形状を示す図、(d)は各部材の位置関係を示
す図である。
【図3】 (a)は実施の形態1の荷電粒子照射装置の
下流側散乱体の正面図、(b)は(a)の下流側散乱体
の側断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の荷電粒子照射装置
の構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3の荷電粒子照射装置
を説明するための図であって、(a)は上流側散乱体で
のX方向のビーム位相空間図、(b)は上流側散乱体で
のY方向のビーム位相空間図、(c)は上流側散乱体通
過後のX方向のビーム位相空間図、(d)は上流側散乱
体通過後のY方向のビーム位相空間図、(e)は各部材
の位置関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3の荷電粒子照射装置
を説明するための図であって、(a)は下流側散乱体で
のX方向のビーム位相空間図、(b)は下流側散乱体で
のY方向のビーム位相空間図、(c)は下流側散乱体で
のビーム形状を示す図、(d)は各部材の位置関係を示
す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4の荷電粒子照射装置
の構成図である。
【図8】 従来の荷電粒子照射装置の構成図である。
【図9】 従来の荷電粒子照射装置を説明するための図
であって、(a)は上流側散乱体、下流側散乱体及び照
射面におけるビーム強度分布を示す図、(b)は各部材
の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
2 上流側散乱体、4 被照射体の照射面、13 下流
側散乱体、13a コリメータ部、13a1 第1のス
リット、13a2 第2のスリット、13b 散乱部、
21 回転ガントリー系、22 ビーム輸送系、23
回転駆動装置(散乱体回転手段)、24 四極電磁石。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子を加速する加速器と、それより
    取り出されたビームを輸送するビーム輸送系と、被照射
    体に前記ビームを照射する照射系とを備え、 前記照射系は、前記ビームを散乱させる上流側散乱体
    と、この上流側散乱体と前記ビームの進行方向に間隔を
    置いて設置されているとともにビームを通過させるリン
    グ状のスリットを含むコリメータ部及びビームを散乱さ
    せる散乱部が重ねられた下流側散乱体とを有し、 前記スリットは、進行方向に対して垂直面での形状が楕
    円形状の前記ビームの形状と相似関係になるように形成
    された荷電粒子照射装置。
  2. 【請求項2】 コリメータ部には複数のスリットが相似
    関係で形成された請求項1記載の荷電粒子照射装置。
  3. 【請求項3】 照射系は、ビーム軸を中心にして下流側
    散乱体を回転させてコリメータ部の楕円形状のスリット
    の短径及び長径を楕円形状のビームの短径及び長径と一
    致させる散乱体回転手段を備えている請求項1または請
    求項2記載の荷電粒子照射装置。
  4. 【請求項4】 照射系は回転ガントリー照射系である請
    求項3記載の荷電粒子照射装置。
  5. 【請求項5】 荷電粒子を加速する加速器と、それより
    取り出されたビームを輸送するとともにビームの位相を
    変化させる四極電磁石を有するビーム輸送系と、被照射
    体に前記ビームを照射する照射系とを備え、前記照射系
    は、前記ビームを散乱させる上流側散乱体と、この上流
    側散乱体と前記ビームの進行方向に間隔を置いて設置さ
    れているとともに真円形状のスリットが形成されたコリ
    メータ部及び前記ビームを散乱させる散乱部が重ねられ
    て構成された下流側散乱体とを有する荷電粒子照射装置
    の運転方法であって、 前記四極電磁石の励磁により、前記下流側散乱体に入射
    するときのビームの形状を進行方向に対して垂直面で真
    円になるように調整するようにした荷電粒子照射装置の
    運転方法。
  6. 【請求項6】 照射系は、回転ガントリー照射系である
    請求項5記載の荷電粒子照射装置の運転方法。
JP34258097A 1997-12-12 1997-12-12 荷電粒子照射装置及びその運転方法 Pending JPH11174198A (ja)

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