JPH11173137A - 内燃機関における触媒コンバータ装置 - Google Patents

内燃機関における触媒コンバータ装置

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JPH11173137A
JPH11173137A JP9341456A JP34145697A JPH11173137A JP H11173137 A JPH11173137 A JP H11173137A JP 9341456 A JP9341456 A JP 9341456A JP 34145697 A JP34145697 A JP 34145697A JP H11173137 A JPH11173137 A JP H11173137A
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聡 西井
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卓 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷間始動時の触媒の早期活性化による排気エ
ミッション性能の向上を図ると共に、触媒担体を組み付
ける上での従来の技術的困難性の解決を図った内燃機関
における触媒コンバータ装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 内燃機関の排気通路に介装される触媒を
前後に2分割し、前部の触媒12を、排気マニホールド
10の集合部を構成する管部10B内側に収納し、後部
の触媒13を、フロントチューブ11内側に収納する。
排気マニホールド10の集合部を構成する管部10Bの
下流側開口部内周に、環状のストッパ16を圧入固定
し、このストッパ16にて前部の触媒12を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関における
触媒コンバータ装置に関し、特に、触媒担体の配設構造
の改良により、排気浄化用触媒の早期活性化等を図る技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示すように、図示しない内
燃機関の排気マニホールドの集合部にシェル1を連結
し、このシェル1内に触媒担体(マニホールド触媒担
体)2を収納した触媒コンバータ装置が知られている。
しかし、このような構成では、冷間始動時直後に、排気
熱の多くが、排気マニホールドの集合部側のフランジ部
及びシェル1のフランジ部1Aに奪われ、これらのフラ
ンジ部1A等の熱容量(ヒートマス)は無視できない程
度に大きいため、排気マニホールドの集合部に連結され
る触媒コンバータ装置における触媒担体2の入口での排
気ガス温度が低下し、触媒担体2を活性化温度に早く到
達させることができず、内燃機関の冷間始動時に排出さ
れる排気エミッションを低減することができない。
【0003】このため、触媒担体を活性化温度に早く到
達させるための方策として、例えば、図7に示すよう
に、触媒担体2を前後(2A、2B)に分割すると共
に、前部の触媒担体2Aを、後部の触媒担体2Bよりも
小径又は小容量に形成するか、或いは、前部の触媒担体
2Aを、後部の触媒担体2Bと比較して貴金属を高密度
で担持し、これらの触媒2A,2Bをシェル1内に排気
流れ方向に直列に配して収納することが考えられる。
【0004】このように前部の触媒担体2Aを、後部の
触媒担体2Bよりも小径又は小容量に形成すると、前部
の触媒担体2Aの昇温が早くなる。又、前部の触媒担体
2Aを、後部の触媒担体2Bと比較して貴金属を高密度
で担持すると、前部の触媒担体2Aの触媒反応がより活
発になり、その昇温が早くなる。従って、前部の触媒担
体2Aがいち早く活性化温度に達し、該前部の触媒担体
2Aから出るガス温度もいち早く高い温度となり、この
高い温度のガスが後部の触媒担体2Bに入ることによ
り、後部の触媒担体2Bも早く活性化温度に達する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シェル
1は一般的に鋳物からなる容器からなり、このような鋳
物容器内に2つの触媒担体2A,2Bを組み付けること
は技術的に困難である。これについて説明すると、図8
(A)〜(D)は、鋳物容器K内に2つの触媒担体2
A,2Bを組み付ける手順を示しており、先ず、鋳物容
器K内に触媒担体固定用ワッシャW1を挿入配置し
(A)、次に、後部の触媒担体2Bを鋳物容器K内の触
媒担体固定用ワッシャW1上に挿入配置する(B)。次
に、鋳物容器K内の触媒担体2B上に2つの触媒担体固
定用ワッシャW2,W3を挿入配置した(C)後に、前
部の触媒担体2Aを鋳物容器K内の触媒担体固定用ワッ
シャW3上に挿入配置する(B)。
【0006】このような触媒担体2A,2Bの組み付け
にあっては、触媒担体2B上に触媒担体固定用ワッシャ
W2,W3を安定して配置できず、触媒担体2Aが斜め
に挿入配置されてしまう等の虞があり、手作業による慎
重な作業が必要であり、量産化が難しい。尚、触媒の早
期活性化を図る技術として、内燃機関の排気管を2重構
造としたものにおいて、冷間始動時に内管に電流を流し
て加熱し、内管に奪われていた排気ガスの熱エネルギの
損失を低減して、触媒の早期活性化を図る技術で提案さ
れているが(実公平6−49721号公報参照)、内管
の電気抵抗値が小さく、大電流が必要である点と、電流
のスイッチング等の制御の複雑化を生じる点と、により
コストの面で改善の余地がある。
【0007】そこで、本発明は以上のような従来の問題
点に鑑み、冷間始動時の触媒の早期活性化による排気エ
ミッション性能の向上を図ると共に、触媒担体を組み付
ける上での従来の技術的困難性の解決を図った内燃機関
における触媒コンバータ装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、内燃機関の排気通路に介装される触媒担体を
前後に2分割し、前部の触媒担体を、排気マニホールド
の集合部を構成する管部内側に収納すると共に、後部の
触媒担体を、前記集合部を構成する管部と別体に形成さ
れて該管部に連結される排気通路形成用管体内側に収納
したことを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明は、前記前部の触媒担
体を、後部の触媒担体と比較して貴金属を高密度で担持
したことを特徴とする。請求項3に係る発明は、前記前
部の触媒担体を、後部の触媒担体と比較して小容量に構
成したことを特徴とする。
【0010】請求項4に係る発明は、前記前部の触媒
を、後部の触媒と比較して小径に構成したことを特徴と
する。請求項5に係る発明は、前記排気マニホールド
は、内管とその外周を断熱層を介して覆う外管との2重
管からなり、該排気マニホールドの集合部を構成する2
重管の内管内側に前記前部の触媒担体を収納したことを
特徴とする。
【0011】請求項6に係る発明は、前記排気マニホー
ルドの集合部を構成する前記管部若しくは前記2重管の
内管の下流側開口部内周にストッパを固定し、該ストッ
パにて前部の触媒担体を固定したことを特徴とする。請
求項7に係る発明は、内燃機関の排気通路に介装される
触媒担体を2分割し、一方の触媒担体を排気マニホール
ド側に配設し、他方の触媒担体を、排気マニホールドの
直下流側排気通路に配設したことを特徴とする。
【0012】かかる本発明の作用について説明する。請
求項1に係る発明において、排気マニホールドの集合部
を構成する管部に伝わった熱は直接前部の触媒担体に伝
わるので、排気ガスの熱エネルギが前部の触媒担体に効
率良く伝えられ、前部の触媒担体は活性化温度に早く到
達する。そして、排気マニホールドの集合部を構成する
管部の前部の触媒担体の直下流部の温度は、前部の触媒
担体の反応熱によって高くなる。
【0013】このため、後部の触媒担体に入るガスの温
度が高くなり、後部の触媒担体も活性化温度に早く到達
する。このように触媒担体を活性化温度に早く到達させ
ることができる結果、内燃機関の冷間始動時に排出され
る排気エミッションが効果的に低減される。又、前部の
触媒担体は、排気マニホールドの集合部を構成する管部
内側に挿入配置した後、例えば、管部の下流側開口部内
周に圧入固定される固定部材等によって固定すれば良い
ため、斜めに組付けられる等の問題がなく、組付けに際
して、手作業による慎重な作業が不要で、量産化が容易
である。
【0014】請求項2に係る発明において、前部の触媒
担体を、後部の触媒担体と比較して貴金属を高密度で担
持したことにより、前部の触媒担体の触媒反応がより活
発になり、その昇温が早くなる。又、請求項3及び4に
係る発明において、前部の触媒担体を、後部の触媒担体
と比較して小容量に構成したことにより、或いは、後部
の触媒と比較して小径に構成したことにより、前部の触
媒担体の昇温が早くなる。
【0015】従って、請求項2〜4に係る発明におい
て、前部の触媒担体がより早く活性化温度に達し、該前
部の触媒担体から出るガス温度もいち早く高い温度とな
り、この高い温度のガスが後部の触媒担体に入ることに
より、後部の触媒担体もより早く活性化温度に達し、前
部と後部の触媒担体を活性化温度により早く到達させる
ことができる結果、内燃機関の冷間始動時に排出される
排気エミッションをより効果的に低減することができ
る。
【0016】請求項5に係る発明において、前部の触媒
担体が収納された内管の外周部を空気層(断熱層)を介
して覆う外管によって、内管からの熱放射を低減でき、
排気ガスの熱エネルギが前部の触媒担体に効率良く伝え
られ、前部の触媒担体を活性化温度に早く到達させるこ
とができる。請求項6に係る発明において、前部の触媒
担体は、ストッパによって、排気マニホールドの集合部
を構成する管部内側若しくは2重管の内管側に簡単かつ
確実に固定される。
【0017】請求項7に係る発明において、排気マニホ
ールド側の熱は直接一方の触媒担体に伝わるので、排気
ガスの熱エネルギが前部の触媒担体に効率良く伝えら
れ、該一方の触媒担体は活性化温度に早く到達する。そ
して、排気マニホールド側の前部の触媒担体の直下流部
の温度は、一方の触媒担体の反応熱によって高くなる。
【0018】このため、他方の触媒担体に入るガスの温
度が高くなり、他方の触媒担体も活性化温度に早く到達
する。このように触媒担体を活性化温度に早く到達させ
ることができる結果、内燃機関の冷間始動時に排出され
る排気エミッションが効果的に低減される。又、一方の
触媒担体は、排気マニホールド側に挿入配置した後、例
えば、排気マニホールド側に圧入固定される固定部材等
によって固定すれば良いため、斜めに組付けられる等の
問題がなく、組付けに際して、手作業による慎重な作業
が不要で、量産化が容易である。
【0019】
【発明の効果】請求項1及び7に係る発明によれば、内
燃機関の冷間始動時に排出される排気エミッションを効
果的に低減することができると共に、排気ガスの熱エネ
ルギを利用して触媒担体を活性化温度に早く到達させる
ものであるから、内管の加熱手段等を別途設ける必要が
なく、コスト面で有利であり、しかも、触媒担体を組み
付ける上での従来の技術的困難性の解決を図ることがで
きるという利点を有する。
【0020】請求項2〜4に係る発明によれば、排気の
熱エネルギがより効率良く触媒担体に伝えられ、内燃機
関の冷間始動時に排出される排気エミッションをより効
果的に低減することができる。請求項5に係る発明によ
れば、排気マニホールドを2重管化したことによる排気
保温性の効果が得られ、内燃機関の冷間始動時に排出さ
れる排気エミッションをより効果的に低減することがで
きる。
【0021】請求項6に係る発明によれば、前部の触媒
担体の固定を容易にかつ確実に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して
本発明を詳述する。図1は、本発明に係る内燃機関の排
気管の構造の一実施形態を示しており、排気マニホール
ド10は、複数の枝管部10Aと各枝管部10Aの集合
部を構成する管部10Bとからなる。
【0023】又、前記管部10Bの端部外周面には取付
フランジ部10aが設けられている。一方、集合部を構
成する管部10Bと別体に形成されて該管部10Bに連
結される排気通路形成用管体としてのフロントチューブ
11が設けられている。このフロントチューブ11の両
端部外周面には、夫々取付フランジ部11a,11bが
設けられており、一方の取付フランジ部11aと前記管
部10Bの取付フランジ部10aとがボルト等の締結具
により締結されて、管部10Bとフロントチューブ11
とが連結される。
【0024】ここで、内燃機関の排気通路に介装される
触媒担体は前後に2分割される。そして、前部の触媒担
体12は、排気マニホールド10の集合部を構成する管
部10B内側に収納される。従って、前部の触媒担体1
2は、取付フランジ部10aよりも排気の流れ方向に対
して上流側に設けられる。又、後部の触媒担体13は、
前部の触媒担体12の直下流位置のフロントチューブ1
1内側に収納される。
【0025】尚、触媒担体12,13として、夫々セラ
ミック触媒担体を備えた触媒担体を用い、各セラミック
触媒担体を管部10B並びにフロントチューブ11内側
に、夫々マット14,15を介して保持する。又、排気
マニホールド10の集合部を構成する管部10Bの下流
側開口部内周には、環状のストッパ16が圧入固定され
ており、前部の触媒担体12は、ストッパ16と縮径部
10cとの間に挟持され、固定される。
【0026】更に、後部の触媒担体13は、管部10B
とフロントチューブ11との連結状態において、ストッ
パ16と縮径部10cとの間に挟持され、固定される。
以上の構成の触媒コンバータ装置によると、前部の触媒
担体12を、排気マニホールド10の集合部を構成する
管部10B内側に収納し、後部の触媒担体13を、フロ
ントチューブ11内側に収納したことにより、次のよう
な作用・効果が奏される。
【0027】即ち、排気マニホールド10の集合部を構
成する管部10Bに伝わった熱はマット14を介して直
接前部の触媒担体12に伝わり、かつ、前部の触媒担体
12は大きな熱容量を有する取付フランジ部10aより
も上流側に位置するので、排気ガスの熱エネルギが前部
の触媒担体12に効率良く伝えられ、前部の触媒担体1
2は活性化温度に早く到達する。
【0028】そして、排気マニホールド10の集合部を
構成する管部10Bの前部の触媒担体12の直下流部
(図1のA部)の温度は、前部の触媒担体12の反応熱
によって高くなる。このため、後部の触媒担体13に入
るガスの温度が高くなり、後部の触媒担体13も活性化
温度に早く到達する。
【0029】このように触媒担体12,13を活性化温
度に早く到達させることができる結果、内燃機関の冷間
始動時に排出される排気エミッションを効果的に低減す
ることができる。又、かかる構成によると、前部の触媒
担体12を、排気マニホールド10の集合部を構成する
管部10B内側に収納し、後部の触媒担体13を、フロ
ントチューブ11内側に収納した構成であるから、前部
の触媒担体12及び後部の触媒担体13の組付けに際し
て、鋳物等からなる容器内に2つの触媒担体を組み付け
るもののような技術的な困難性はない。
【0030】即ち、前部の触媒担体12は、排気マニホ
ールド10の集合部を構成する管部10B内側に挿入配
置した後、管部10Bの下流側開口部内周に圧入固定さ
れる環状のストッパ16によって、縮径部10cとの間
に挟持固定すれば良いため、斜めに組付けられる等の問
題がなく、組付けに際して、手作業による慎重な作業が
不要で、量産化が容易である。
【0031】ここで、本実施形態においては、後部の触
媒担体13の容量(例えば、0.5L以上)に対して、
前部の触媒担体12の容量を小容量(例えば、0.1〜
0.5L未満)にすることにより、或いは、前部の触媒
担体12を、後部の触媒担体13と比較して貴金属を高
密度で担持したことにより、次のような利点がある。即
ち、後部の触媒担体13の容量に対して、前部の触媒担
体12の容量を小容量にすると、前部の触媒担体12の
昇温が早くなる。又、前部の触媒担体12を、後部の触
媒担体13と比較して貴金属を高密度で担持すると、前
部の触媒担体12の触媒反応がより活発になり、その昇
温が早くなる。
【0032】従って、前部の触媒担体12がより早く活
性化温度に達し、該前部の触媒担体12から出るガス温
度もいち早く高い温度となり、この高い温度のガスが後
部の触媒担体13に入ることにより、後部の触媒担体1
3もより早く活性化温度に達し、触媒担体12,13を
活性化温度により早く到達させることができる結果、内
燃機関の冷間始動時に排出される排気エミッションをよ
り効果的に低減することができる。
【0033】図2は、本発明の他の実施形態を示してい
る。この実施形態は、後部の触媒担体13の径に比較し
て、前部の触媒担体12を小径に形成したものである。
このように、後部の触媒担体13の径に対して、前部の
触媒担体12の径を小径にすると、前部の触媒担体12
の容量を小容量にした場合及び前部の触媒担体12を、
後部の触媒担体13と比較して貴金属を高密度で担持し
た場合と同様に、前部の触媒担体12の昇温が早くな
り、後部の触媒担体13もより早く活性化温度に達する
ため、触媒担体12,13を活性化温度により早く到達
させることができる結果、内燃機関の冷間始動時に排出
される排気エミッションをより効果的に低減することが
できる。
【0034】この場合、管部10Bの下流側開口部を除
く部分を小径化して、小径化した触媒担体12を収納す
る。管部10Bの下流側開口部はフロントチューブ11
の径に合わせて拡径形成されており、この形状に合致し
てストッパ16の形状が設定されている。この実施形態
の場合にも、前部の触媒担体12を、後部の触媒担体1
3と比較して貴金属を高密度で担持すれば、効果的であ
る。
【0035】図3は、本発明の更に他の実施形態を示し
ている。この実施形態は、排気マニホールド10を、内
管17と外管18との2重管から構成したものに本発明
を適用したものであり、排気マニホールド10の集合部
を構成する2重管の内管17内側に前部の触媒担体12
を収納してある。この実施形態でも、排気マニホールド
10の集合部を構成する内管17の下流側開口部内周に
は、環状のストッパ16が圧入固定されており、前部の
触媒担体12は、ストッパ16と縮径部10cとの間に
挟持固定され、後部の触媒担体13は、ストッパ16と
縮径部10dとの間に挟持され、固定される。
【0036】かかる実施形態においては、前部の触媒担
体12が収納された内管17の外周部を空気層(断熱
層)を介して覆う外管16によって、内管17からの熱
放射を低減でき、排気ガスの熱エネルギが前部の触媒担
体12に効率良く伝えられ、前部の触媒担体12を活性
化温度に早く到達させることができる。尚、この場合、
前部の触媒担体12をメタルで形成し、内管17に直接
固定するようにすれば、前部の触媒担体12の活性化を
より早めることが可能となる。
【0037】図4は、本発明技術の効果を明らかにする
べく、本発明者らが行った実験結果を表すグラフであ
り、横軸には、機関冷間始動後の経過時間(t)、縦軸
には、触媒担体内部温度(T)として、従来技術と上述
した各実施形態の本発明技術の触媒担体昇温特性を比較
するグラフである。このグラフにおいて、 To;触媒担体活性温度 Ta′;前部触媒担体A内部温度(図5(B)参照) Ta′′;前部触媒担体A(貴金属を高密度で担持(以
下、高担持)かつ小径化)内部温度(図5(C)参照) Tb;後部触媒担体B(前部触媒担体A無しの場合)内
部温度(図5(A)参照) Tb′;後部触媒担体B(前部触媒担体A有りの場合)
内部温度(図5(B)参照) Tb′′;後部触媒担体B(前部触媒担体A[高担持か
つ小径化]有りの場合)内部温度(図5(C)参照) ta′;前部触媒担体A活性温度到達時間 ta′′;前部触媒担体A(高担持かつ小径化)活性温
度到達時間 tb;後部触媒担体B(前部触媒担体A無しの場合)活
性温度到達時間 tb′;後部触媒担体B(前部触媒担体A有りの場合)
活性温度到達時間 tb′′;後部触媒担体B(前部触媒担体A[高担持か
つ小径化]有りの場合)活性温度到達時間 そして、Δtaは、高担持かつ小径化していない前部触
媒担体Aと、高担持かつ小径化している前部触媒担体A
の活性温度到達時間差であり、高担持かつ小径化してい
る前部触媒担体Aの方がΔtaだけ早期活性化すること
が明らかである。
【0038】又、Δtbは、前部触媒担体Aが無い場合
と有る場合の後部触媒担体Bの活性温度到達時間差であ
り、前部触媒担体Aが有る場合の後部触媒担体Bの方が
Δtbだけ早期活性化することが明らかである。更に、
Δtb′は、高担持かつ小径化していない前部触媒担体
Aを有する後部触媒担体Bと、高担持かつ小径化してい
る前部触媒担体Aを有する後部触媒担体Bとの活性温度
到達時間差であり、高担持かつ小径化している前部触媒
担体Aを有する後部触媒担体Bの方がΔtb′だけ早期
活性化することが明らかである。
【0039】即ち、本発明技術は、従来技術と比較し
て、触媒担体を活性化温度に早く到達させることがで
き、内燃機関の冷間始動時に排出される排気エミッショ
ンを効果的に低減することができるのは明らかである。
尚、本発明技術によると、排気ガスの熱エネルギを利用
して触媒担体を活性化温度に早く到達させるものである
から、排気管の内管の加熱手段等を別途設ける必要がな
く、コスト面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の内燃機関における触媒コンバータ装
置の一実施形態を示す横断面図
【図2】 他の実施形態の横断面図
【図3】 更に他の実施形態の横断面図
【図4】 本発明技術の効果を明らかにするべく、本発
明者らが行った実験結果を表すグラフであって、従来技
術と本発明技術の触媒担体昇温特性を比較するグラフ
【図5】 同上の触媒担体昇温特性を比較する実験にお
ける触媒担体内部温度測定点を示すで、(A)は従来技
術、(B)は本発明技術の前部触媒担体有りの場合、
(C)は本発明技術の前部触媒担体(小径,高担持)有
りの場合
【図6】 従来の内燃機関における触媒コンバータ装置
の一例を示す横断面図
【図7】 従来の内燃機関における触媒コンバータ装置
の他例を示す横断面図
【図8】 従来の鋳物容器内に2つの触媒担体を組み付
ける手順を示す概略図
【符号の説明】
10 排気マニホールド 10A 枝管部 10B 集合部を構成する管部 11 フロントチューブ 12 前部の触媒担体 13 後部の触媒担体 16 ストッパ 17 2重管の内管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に介装される触媒担体
    を前後に2分割し、前部の触媒担体を、排気マニホール
    ドの集合部を構成する管部内側に収納すると共に、後部
    の触媒担体を、前記集合部を構成する管部と別体に形成
    されて該管部に連結される排気通路形成用管体内側に収
    納したことを特徴とする内燃機関における触媒コンバー
    タ装置。
  2. 【請求項2】前記前部の触媒担体を、後部の触媒担体と
    比較して貴金属を高密度で担持したことを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関における触媒コンバータ装置。
  3. 【請求項3】前記前部の触媒担体を、後部の触媒担体と
    比較して小容量に構成したことを特徴とする請求項1又
    は2記載の内燃機関における触媒コンバータ装置。
  4. 【請求項4】前記前部の触媒を、後部の触媒と比較して
    小径に構成したことを特徴とする請求項1〜3のうちい
    ずれか1つに記載の内燃機関における触媒コンバータ装
    置。
  5. 【請求項5】前記排気マニホールドは、内管とその外周
    を断熱層を介して覆う外管との2重管からなり、該排気
    マニホールドの集合部を構成する2重管の内管内側に前
    記前部の触媒担体を収納したことを特徴とする請求項1
    〜4のうちいずれか1つに記載の内燃機関における触媒
    コンバータ装置。
  6. 【請求項6】前記排気マニホールドの集合部を構成する
    前記管部若しくは前記2重管の内管の下流側開口部内周
    にストッパを固定し、該ストッパにて前部の触媒担体を
    固定したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか
    1つに記載の内燃機関における触媒コンバータ装置。
  7. 【請求項7】内燃機関の排気通路に介装される触媒担体
    を2分割し、一方の触媒担体を排気マニホールド側に配
    設し、他方の触媒担体を、排気マニホールドの直下流側
    排気通路に配設したことを特徴とする内燃機関における
    触媒コンバータ装置。
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