JPH11172687A - 地すべり抑止用杭 - Google Patents
地すべり抑止用杭Info
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- JPH11172687A JPH11172687A JP34493997A JP34493997A JPH11172687A JP H11172687 A JPH11172687 A JP H11172687A JP 34493997 A JP34493997 A JP 34493997A JP 34493997 A JP34493997 A JP 34493997A JP H11172687 A JPH11172687 A JP H11172687A
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- diameter
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- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 杭本体の経済性を高めると共に、効率よく設
置することができるようにする。 【解決手段】 地中に推定されるすべり面1を境にし
て、前記すべり面1より下方の不動層2に対して、前記
すべり面1より上方の移動層3が、前記すべり面1に沿
って滑る地すべりを抑止するための地すべり抑止用杭に
おいて、前記移動層3に位置させる第一杭部4Aと、前
記不動層2に位置させる第二杭部4Bとを杭軸芯方向に
沿って一体に連設してある杭本体4を設け、前記第二杭
部4Bの中間部から下端部にかけて、前記第二杭部4B
における中間部から上方部分の外径寸法より小径寸法の
第二小径部5を設け、前記第二小径部5の断面係数を、
前記第二杭部4Bにおける中間部から上方部分の断面係
数より小さく設定してある。
置することができるようにする。 【解決手段】 地中に推定されるすべり面1を境にし
て、前記すべり面1より下方の不動層2に対して、前記
すべり面1より上方の移動層3が、前記すべり面1に沿
って滑る地すべりを抑止するための地すべり抑止用杭に
おいて、前記移動層3に位置させる第一杭部4Aと、前
記不動層2に位置させる第二杭部4Bとを杭軸芯方向に
沿って一体に連設してある杭本体4を設け、前記第二杭
部4Bの中間部から下端部にかけて、前記第二杭部4B
における中間部から上方部分の外径寸法より小径寸法の
第二小径部5を設け、前記第二小径部5の断面係数を、
前記第二杭部4Bにおける中間部から上方部分の断面係
数より小さく設定してある。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に推定される
すべり面を境にして、前記すべり面より下方の不動層に
対して、前記すべり面より上方の移動層が、前記すべり
面に沿って滑る地すべりを抑止するための地すべり抑止
用杭に関する。
すべり面を境にして、前記すべり面より下方の不動層に
対して、前記すべり面より上方の移動層が、前記すべり
面に沿って滑る地すべりを抑止するための地すべり抑止
用杭に関する。
【0002】
【従来の技術】地中に設置された地すべり抑止用杭に対
しては、一般的に、前記すべり面付近に、大きな応力が
作用しやすいものであるが、従来、この種の地すべり抑
止用杭としては、前記すべり面付近に作用する最大応力
を基にして杭の必要断面積を算出し、全長にわたって同
一断面に形成したものがあった。
しては、一般的に、前記すべり面付近に、大きな応力が
作用しやすいものであるが、従来、この種の地すべり抑
止用杭としては、前記すべり面付近に作用する最大応力
を基にして杭の必要断面積を算出し、全長にわたって同
一断面に形成したものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の地すべ
り抑止用杭によれば、杭の全長において小さな応力しか
作用しない部分(例えば、杭の上下端部)においては過
大設計となり、経済性に欠けることになる。また、杭の
設置は、予め形成された地中穴に、前記杭の上端部に吊
り治具を取り付けて吊った状態で下端部から挿入する方
法をとることが多いが、従来の地すべり抑止用杭によれ
ば、地中穴の内径寸法に余裕が少ない(杭外径寸法との
差が少ない)と、前記地中穴に杭下端部を挿入し難かっ
たり、杭上端部に設置してある吊り治具が地中穴に支
(つか)えて、スムースに杭の挿入作業をし難くなった
りする。これらの問題を解消するためには、地中穴の掘
削径を大径に設定しなければならず、作業効率の低下
や、コストアップにつながりやすい問題点がある。
り抑止用杭によれば、杭の全長において小さな応力しか
作用しない部分(例えば、杭の上下端部)においては過
大設計となり、経済性に欠けることになる。また、杭の
設置は、予め形成された地中穴に、前記杭の上端部に吊
り治具を取り付けて吊った状態で下端部から挿入する方
法をとることが多いが、従来の地すべり抑止用杭によれ
ば、地中穴の内径寸法に余裕が少ない(杭外径寸法との
差が少ない)と、前記地中穴に杭下端部を挿入し難かっ
たり、杭上端部に設置してある吊り治具が地中穴に支
(つか)えて、スムースに杭の挿入作業をし難くなった
りする。これらの問題を解消するためには、地中穴の掘
削径を大径に設定しなければならず、作業効率の低下
や、コストアップにつながりやすい問題点がある。
【0004】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、杭本体の経済性を高めると共に、効率よく設置す
ることができる地すべり抑止用杭を提供するところにあ
る。
消し、杭本体の経済性を高めると共に、効率よく設置す
ることができる地すべり抑止用杭を提供するところにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1の発明
の特徴構成は、地中に推定されるすべり面を境にして、
前記すべり面より下方の不動層に対して、前記すべり面
より上方の移動層が、前記すべり面に沿って滑る地すべ
りを抑止するための地すべり抑止用杭において、前記移
動層に位置させる第一杭部と、前記不動層に位置させる
第二杭部とを杭軸芯方向に沿って一体に連設してある杭
本体を設け、前記第二杭部の中間部から下端部にかけ
て、前記第二杭部における中間部から上方部分の外径寸
法より小径寸法の第二小径部を設け、前記第二小径部の
断面係数を、前記第二杭部における中間部から上方部分
の断面係数より小さく設定してあるところにある。
の特徴構成は、地中に推定されるすべり面を境にして、
前記すべり面より下方の不動層に対して、前記すべり面
より上方の移動層が、前記すべり面に沿って滑る地すべ
りを抑止するための地すべり抑止用杭において、前記移
動層に位置させる第一杭部と、前記不動層に位置させる
第二杭部とを杭軸芯方向に沿って一体に連設してある杭
本体を設け、前記第二杭部の中間部から下端部にかけ
て、前記第二杭部における中間部から上方部分の外径寸
法より小径寸法の第二小径部を設け、前記第二小径部の
断面係数を、前記第二杭部における中間部から上方部分
の断面係数より小さく設定してあるところにある。
【0006】請求項2の発明の特徴構成は、地中に推定
されるすべり面を境にして、前記すべり面より下方の不
動層に対して、前記すべり面より上方の移動層が、前記
すべり面に沿って滑る地すべりを抑止するための地すべ
り抑止用杭において、前記移動層に位置させる第一杭部
と、前記不動層に位置させる第二杭部とを杭軸芯方向に
沿って一体に連設してある杭本体を設け、前記第一杭部
の上端部から中間部にかけて、前記第一杭部における中
間部から下方部分の外径寸法より小径寸法の第一小径部
を設け、前記第一小径部の断面係数を、前記第一杭部に
おける中間部から下方部分の断面係数より小さく設定し
てあるところにある。
されるすべり面を境にして、前記すべり面より下方の不
動層に対して、前記すべり面より上方の移動層が、前記
すべり面に沿って滑る地すべりを抑止するための地すべ
り抑止用杭において、前記移動層に位置させる第一杭部
と、前記不動層に位置させる第二杭部とを杭軸芯方向に
沿って一体に連設してある杭本体を設け、前記第一杭部
の上端部から中間部にかけて、前記第一杭部における中
間部から下方部分の外径寸法より小径寸法の第一小径部
を設け、前記第一小径部の断面係数を、前記第一杭部に
おける中間部から下方部分の断面係数より小さく設定し
てあるところにある。
【0007】請求項3の発明の特徴構成は、前記第二杭
部の中間部から下端部にかけて、前記第二杭部における
中間部から上方部分の外径寸法より小径寸法の第二小径
部を設け、前記第二小径部の断面係数を、前記第二杭部
における中間部から上方部分の断面係数より小さく設定
してあるところにある。
部の中間部から下端部にかけて、前記第二杭部における
中間部から上方部分の外径寸法より小径寸法の第二小径
部を設け、前記第二小径部の断面係数を、前記第二杭部
における中間部から上方部分の断面係数より小さく設定
してあるところにある。
【0008】請求項4の発明の特徴構成は、前記杭本体
が、鋼管であるところにある。
が、鋼管であるところにある。
【0009】〔作用及び効果〕請求項1の発明の特徴構
成によれば、前記移動層に位置させる第一杭部と、前記
不動層に位置させる第二杭部とを杭軸芯方向に沿って一
体に連設してある杭本体を設け、前記第二杭部の中間部
から下端部にかけて、前記第二杭部における中間部から
上方部分の外径寸法より小径寸法の第二小径部を設け、
前記第二小径部の断面係数を、前記第二杭部における中
間部から上方部分の断面係数より小さく設定してあるか
ら、杭全体として、前記第二小径部によって使用材量を
抑えることが可能となり、杭の経済性を向上させること
が可能となる。また、応力的には、前記第二杭部の中間
部から下端部にかけては、前記第二杭部における中間部
から上方部分に比べて小さな値になることが確認されて
いるので、必要とされる強度を確保できるように無駄の
少ない断面設定をしながら上述のとおり経済性を向上さ
せることが可能となる。また、地中に杭を挿入する際
に、下端部が小径であるから、大径の地中穴を形成しな
くてもスムースに挿入することが可能となり、杭の建込
作業効率を向上させることが可能となると共に、前記地
中穴径を小さくできることによって杭設置工事全体とし
てのコストダウンを図ることも可能となる。
成によれば、前記移動層に位置させる第一杭部と、前記
不動層に位置させる第二杭部とを杭軸芯方向に沿って一
体に連設してある杭本体を設け、前記第二杭部の中間部
から下端部にかけて、前記第二杭部における中間部から
上方部分の外径寸法より小径寸法の第二小径部を設け、
前記第二小径部の断面係数を、前記第二杭部における中
間部から上方部分の断面係数より小さく設定してあるか
ら、杭全体として、前記第二小径部によって使用材量を
抑えることが可能となり、杭の経済性を向上させること
が可能となる。また、応力的には、前記第二杭部の中間
部から下端部にかけては、前記第二杭部における中間部
から上方部分に比べて小さな値になることが確認されて
いるので、必要とされる強度を確保できるように無駄の
少ない断面設定をしながら上述のとおり経済性を向上さ
せることが可能となる。また、地中に杭を挿入する際
に、下端部が小径であるから、大径の地中穴を形成しな
くてもスムースに挿入することが可能となり、杭の建込
作業効率を向上させることが可能となると共に、前記地
中穴径を小さくできることによって杭設置工事全体とし
てのコストダウンを図ることも可能となる。
【0010】請求項2の発明の特徴構成によれば、前記
移動層に位置させる第一杭部と、前記不動層に位置させ
る第二杭部とを杭軸芯方向に沿って一体に連設してある
杭本体を設け、前記第一杭部の上端部から中間部にかけ
て、前記第一杭部における中間部から下方部分の外径寸
法より小径寸法の第一小径部を設け、前記第一小径部の
断面係数を、前記第一杭部における中間部から下方部分
の断面係数より小さく設定してあるから、杭全体とし
て、前記第一小径部によって使用材量を抑えることが可
能となり、杭の経済性を向上させることが可能となる。
また、応力的には、前記第一杭部の上端部から中間部に
かけては、前記第一杭部における中間部から下方部分に
比べて小さな値になることが確認されているので、必要
とされる強度を確保できるように無駄の少ない断面設定
をしながら上述のとおり経済性を向上させることが可能
となる。また、杭の上端部が小径であるから、その部分
の外周面と、前記地中穴の周壁との間に余裕のあるスペ
ースができ、例えば、地中に杭を挿入する際に、杭外径
よりはみ出す吊り治具を杭頭に取り付けても、地中穴周
壁に前記吊り治具が支(つか)えるのを防止した状態で
杭の建て込みをスムースに実施することが可能となる。
その結果、杭の建込作業効率を向上させることが可能と
なる。
移動層に位置させる第一杭部と、前記不動層に位置させ
る第二杭部とを杭軸芯方向に沿って一体に連設してある
杭本体を設け、前記第一杭部の上端部から中間部にかけ
て、前記第一杭部における中間部から下方部分の外径寸
法より小径寸法の第一小径部を設け、前記第一小径部の
断面係数を、前記第一杭部における中間部から下方部分
の断面係数より小さく設定してあるから、杭全体とし
て、前記第一小径部によって使用材量を抑えることが可
能となり、杭の経済性を向上させることが可能となる。
また、応力的には、前記第一杭部の上端部から中間部に
かけては、前記第一杭部における中間部から下方部分に
比べて小さな値になることが確認されているので、必要
とされる強度を確保できるように無駄の少ない断面設定
をしながら上述のとおり経済性を向上させることが可能
となる。また、杭の上端部が小径であるから、その部分
の外周面と、前記地中穴の周壁との間に余裕のあるスペ
ースができ、例えば、地中に杭を挿入する際に、杭外径
よりはみ出す吊り治具を杭頭に取り付けても、地中穴周
壁に前記吊り治具が支(つか)えるのを防止した状態で
杭の建て込みをスムースに実施することが可能となる。
その結果、杭の建込作業効率を向上させることが可能と
なる。
【0011】請求項3の発明の特徴構成によれば、請求
項1の発明による作用効果と、請求項2の発明による作
用効果とを合わせ持った地すべり抑止用杭を提供するこ
とが可能となる。従って、必要とされる強度を確保でき
るように無駄の少ない断面設定をしながら、杭の構成材
量を更に抑えることが可能となり、杭の経済性をより向
上させることが可能となる一方、杭の建込作業効率をも
更に向上させることが可能となり、杭設置工事全体とし
てのコストダウンを図ることも可能となる。
項1の発明による作用効果と、請求項2の発明による作
用効果とを合わせ持った地すべり抑止用杭を提供するこ
とが可能となる。従って、必要とされる強度を確保でき
るように無駄の少ない断面設定をしながら、杭の構成材
量を更に抑えることが可能となり、杭の経済性をより向
上させることが可能となる一方、杭の建込作業効率をも
更に向上させることが可能となり、杭設置工事全体とし
てのコストダウンを図ることも可能となる。
【0012】請求項4の発明の特徴構成によれば、請求
項1〜3の何れかの発明による作用効果を叶えることが
できるのに加えて、前記杭本体が、鋼管であるから、上
述のような杭とするための加工性に富むと共に、材量そ
のものが容易に入手し易いから、経済性の高い地すべり
抑止用杭とすることが可能となる。
項1〜3の何れかの発明による作用効果を叶えることが
できるのに加えて、前記杭本体が、鋼管であるから、上
述のような杭とするための加工性に富むと共に、材量そ
のものが容易に入手し易いから、経済性の高い地すべり
抑止用杭とすることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の
符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示してい
る。
に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の
符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示してい
る。
【0014】図1は、地すべりの危険性のある地形に、
本実施形態の地すべり抑止用鋼管杭(地すべり抑止用杭
の一実施形態)Pを設置して、地すべりの抑止を図って
ある状況を示すものである。この図によると、地中に推
定されるすべり面1を境にして、前記すべり面1より下
方の不動層2に対して、前記すべり面1より上方の移動
層3が、前記すべり面1に沿って地すべりを発生する危
険性があるものと解析される。
本実施形態の地すべり抑止用鋼管杭(地すべり抑止用杭
の一実施形態)Pを設置して、地すべりの抑止を図って
ある状況を示すものである。この図によると、地中に推
定されるすべり面1を境にして、前記すべり面1より下
方の不動層2に対して、前記すべり面1より上方の移動
層3が、前記すべり面1に沿って地すべりを発生する危
険性があるものと解析される。
【0015】前記鋼管杭Pは、前記移動層3に位置させ
る第一杭部4Aと、前記不動層2に位置させる第二杭部
4Bとを杭軸芯方向に沿って一体に連設してある杭本体
4を設けて構成してあり、移動層3のすべり力を前記第
一杭部4Aで受け止め、その第一杭部4Aの受け止め力
を、前記不動層2に固定されている第二杭部4Bによっ
て確保することで、前記移動層3のすべりを抑止するも
のである。前記鋼管杭Pにすべり力が作用した状態にお
いて、例えば、図2に示すように、曲げモーメントが作
用することが解析される。この図から、杭の上下端部に
比べて、杭の中間部に大きな応力が作用することがわか
る。そこで、前記杭本体4の材料強度は、前記杭本体4
の長手方向での応力分布に対応させて、前記杭本体4の
長手方向に変化させてある。具体的には、図3に示すよ
うに、前記第二杭部4Bは、その中間部から下端部にか
けて、前記第二杭部4Bにおける中間部から上方部分の
外径寸法より小径寸法の第二小径部5を形成してあり、
前記第一杭部4Aは、その上端部から中間部にかけて、
前記第一杭部4Aにおける中間部から下方部分の外径寸
法より小径寸法の第一小径部6を形成してある。前記第
二小径部5、及び、第一小径部6とも、杭の中間部の外
径寸法より小径寸法の小径鋼管5a・6aと、それら小
径鋼管5a・6aを前記杭の中間部の大径鋼管7に連結
する継手鋼管5b・6bとで構成してある。そして、隣
接させるそれぞれは溶接によって一体に接合(又は、一
体鋳造により成形)してある。また、前記小径鋼管5a
・6a、継手鋼管5b・6b、及び、大径鋼管7は、応
力分布に応じて厚みを変化させることができる。また、
厚みの変化は漸増、又は、漸減させることができる。因
みに、前記両小径部6・5の断面係数は、杭の中間部の
断面係数より小さくなるように設定されている。因み
に、杭に作用する応力分布は、一般的に図2に示す曲げ
モーメント図のような傾向があり、その結果、第一小径
部6及び第二小径部5の長さ寸法は、前記第一杭部4A
及び第二杭部4Bのそれぞれ1/2以下の寸法に設定す
るのが好ましい。また、前記第一小径部6の上端部に
は、径方向に沿って対向する一対の位置に、吊り治具T
を取り付けるための挿通孔Kを各別に形成してある。従
って、前記挿通孔Kにシャックル(図4参照)やフック
等の吊り治具Tを挿通させて揚重装置によって当該杭P
を吊り上げることができる。
る第一杭部4Aと、前記不動層2に位置させる第二杭部
4Bとを杭軸芯方向に沿って一体に連設してある杭本体
4を設けて構成してあり、移動層3のすべり力を前記第
一杭部4Aで受け止め、その第一杭部4Aの受け止め力
を、前記不動層2に固定されている第二杭部4Bによっ
て確保することで、前記移動層3のすべりを抑止するも
のである。前記鋼管杭Pにすべり力が作用した状態にお
いて、例えば、図2に示すように、曲げモーメントが作
用することが解析される。この図から、杭の上下端部に
比べて、杭の中間部に大きな応力が作用することがわか
る。そこで、前記杭本体4の材料強度は、前記杭本体4
の長手方向での応力分布に対応させて、前記杭本体4の
長手方向に変化させてある。具体的には、図3に示すよ
うに、前記第二杭部4Bは、その中間部から下端部にか
けて、前記第二杭部4Bにおける中間部から上方部分の
外径寸法より小径寸法の第二小径部5を形成してあり、
前記第一杭部4Aは、その上端部から中間部にかけて、
前記第一杭部4Aにおける中間部から下方部分の外径寸
法より小径寸法の第一小径部6を形成してある。前記第
二小径部5、及び、第一小径部6とも、杭の中間部の外
径寸法より小径寸法の小径鋼管5a・6aと、それら小
径鋼管5a・6aを前記杭の中間部の大径鋼管7に連結
する継手鋼管5b・6bとで構成してある。そして、隣
接させるそれぞれは溶接によって一体に接合(又は、一
体鋳造により成形)してある。また、前記小径鋼管5a
・6a、継手鋼管5b・6b、及び、大径鋼管7は、応
力分布に応じて厚みを変化させることができる。また、
厚みの変化は漸増、又は、漸減させることができる。因
みに、前記両小径部6・5の断面係数は、杭の中間部の
断面係数より小さくなるように設定されている。因み
に、杭に作用する応力分布は、一般的に図2に示す曲げ
モーメント図のような傾向があり、その結果、第一小径
部6及び第二小径部5の長さ寸法は、前記第一杭部4A
及び第二杭部4Bのそれぞれ1/2以下の寸法に設定す
るのが好ましい。また、前記第一小径部6の上端部に
は、径方向に沿って対向する一対の位置に、吊り治具T
を取り付けるための挿通孔Kを各別に形成してある。従
って、前記挿通孔Kにシャックル(図4参照)やフック
等の吊り治具Tを挿通させて揚重装置によって当該杭P
を吊り上げることができる。
【0016】次に、当該鋼管杭Pの設置手順について説
明すると、 [1] 地すべり抑止対象となる地盤Gに、地上部から
所定の深度まで地中穴Hを形成する(図3(イ)参
照)。掘削径は、前記大径鋼管7の外径より若干大きな
寸法に設定してある。但し、前記第二小径部5が納まる
深度については、第二小径部5の外径より若干大きな寸
法にまで小さくすることができる。 [2] 当該鋼管杭Pに前記吊り治具Tを取り付けて、
前記地中穴Hに挿入する(図3(ロ)・(ハ)参照)。 [3] 当該鋼管杭Pの外周部の隙間に、固化材を充填
して地盤との一体化を図る(図3(ニ)参照)。 [4] 同様の工程で、他の複数の鋼管杭Pを平面位置
をずらした位置にそれぞれ設置し、最後に、各鋼管杭P
の頭部をつなぐ状態にコンクリートを打設する。
明すると、 [1] 地すべり抑止対象となる地盤Gに、地上部から
所定の深度まで地中穴Hを形成する(図3(イ)参
照)。掘削径は、前記大径鋼管7の外径より若干大きな
寸法に設定してある。但し、前記第二小径部5が納まる
深度については、第二小径部5の外径より若干大きな寸
法にまで小さくすることができる。 [2] 当該鋼管杭Pに前記吊り治具Tを取り付けて、
前記地中穴Hに挿入する(図3(ロ)・(ハ)参照)。 [3] 当該鋼管杭Pの外周部の隙間に、固化材を充填
して地盤との一体化を図る(図3(ニ)参照)。 [4] 同様の工程で、他の複数の鋼管杭Pを平面位置
をずらした位置にそれぞれ設置し、最後に、各鋼管杭P
の頭部をつなぐ状態にコンクリートを打設する。
【0017】〔別実施形態〕以下に他の実施の形態を説
明する。
明する。
【0018】〈1〉 地すべりの抑止としては、本発明
の地すべり抑止用杭を、上述のように並設するものに限
るものではなく、例えば、一定管径の従来の杭を混在す
る状態に設置してあってもよい。 〈2〉 本発明の地すべり抑止用杭は、先の実施形態で
説明した鋼管杭に限るものではなく、例えば、SRC杭
や、RC杭や、PC杭等であってもよく、また、その形
状は、円筒状以外に角筒状や、円柱(中が埋まったも
の)状や、角柱状であってもよい。 〈3〉 本発明の地すべり抑止用杭は、先の実施形態で
説明したように第一小径部6と第二小径部5との両方を
備えたものに限るものではなく、何れか一方の小径部を
設けてあるものであってもよい。 〈4〉 また、杭本体は、図5に示すように、上端部が
地表面より突出する状態に設置してもよく、更には、隣
接させて設置した他の杭の上端部どうしを、例えばコン
クリート造のつなぎ部材Cで連結するものであってもよ
い。このような形態とすることで、単一の杭より高い地
すべり抑止効果が得られ易くなる。また、この場合、単
一径の杭に比べて前記第一小径部6を形成してあること
によって、前記つなぎ部材Cの巾寸法をより少なくする
ことが可能となる。
の地すべり抑止用杭を、上述のように並設するものに限
るものではなく、例えば、一定管径の従来の杭を混在す
る状態に設置してあってもよい。 〈2〉 本発明の地すべり抑止用杭は、先の実施形態で
説明した鋼管杭に限るものではなく、例えば、SRC杭
や、RC杭や、PC杭等であってもよく、また、その形
状は、円筒状以外に角筒状や、円柱(中が埋まったも
の)状や、角柱状であってもよい。 〈3〉 本発明の地すべり抑止用杭は、先の実施形態で
説明したように第一小径部6と第二小径部5との両方を
備えたものに限るものではなく、何れか一方の小径部を
設けてあるものであってもよい。 〈4〉 また、杭本体は、図5に示すように、上端部が
地表面より突出する状態に設置してもよく、更には、隣
接させて設置した他の杭の上端部どうしを、例えばコン
クリート造のつなぎ部材Cで連結するものであってもよ
い。このような形態とすることで、単一の杭より高い地
すべり抑止効果が得られ易くなる。また、この場合、単
一径の杭に比べて前記第一小径部6を形成してあること
によって、前記つなぎ部材Cの巾寸法をより少なくする
ことが可能となる。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図1】地すべり抑止用杭の設置状況を示す断面図
【図2】杭の曲げモーメント図、及び、杭の断面図
【図3】杭の施工状況を示す断面図
【図4】杭の吊り下げ状態を示す上端部断面図
【図5】別実施形態の杭の設置状況を示す断面図
1 すべり面 2 不動層 3 移動層 4 杭本体 4A 第一杭部 4B 第二杭部 5 第二小径部 6 第一小径部
Claims (4)
- 【請求項1】 地中に推定されるすべり面(1)を境に
して、前記すべり面(1)より下方の不動層(2)に対
して、前記すべり面(1)より上方の移動層(3)が、
前記すべり面(1)に沿って滑る地すべりを抑止するた
めの地すべり抑止用杭であって、 前記移動層(3)に位置させる第一杭部(4A)と、前
記不動層(2)に位置させる第二杭部(4B)とを杭軸
芯方向に沿って一体に連設してある杭本体(4)を設
け、前記第二杭部(4B)の中間部から下端部にかけ
て、前記第二杭部(4B)における中間部から上方部分
の外径寸法より小径寸法の第二小径部(5)を設け、前
記第二小径部(5)の断面係数を、前記第二杭部(4
B)における中間部から上方部分の断面係数より小さく
設定してある地すべり抑止用杭。 - 【請求項2】 地中に推定されるすべり面(1)を境に
して、前記すべり面(1)より下方の不動層(2)に対
して、前記すべり面(1)より上方の移動層(3)が、
前記すべり面(1)に沿って滑る地すべりを抑止するた
めの地すべり抑止用杭であって、 前記移動層(3)に位置させる第一杭部(4A)と、前
記不動層(2)に位置させる第二杭部(4B)とを杭軸
芯方向に沿って一体に連設してある杭本体(4)を設
け、前記第一杭部(4A)の上端部から中間部にかけ
て、前記第一杭部(4A)における中間部から下方部分
の外径寸法より小径寸法の第一小径部(6)を設け、前
記第一小径部(6)の断面係数を、前記第一杭部(4
A)における中間部から下方部分の断面係数より小さく
設定してある地すべり抑止用杭。 - 【請求項3】 前記第二杭部(4B)の中間部から下端
部にかけて、前記第二杭部(4B)における中間部から
上方部分の外径寸法より小径寸法の第二小径部(5)を
設け、前記第二小径部(5)の断面係数を、前記第二杭
部(4B)における中間部から上方部分の断面係数より
小さく設定してある請求項2に記載の地すべり抑止用
杭。 - 【請求項4】 前記杭本体(4)が、鋼管である請求項
1〜3の何れかに記載の地すべり抑止用杭。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34493997A JPH11172687A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 地すべり抑止用杭 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34493997A JPH11172687A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 地すべり抑止用杭 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11172687A true JPH11172687A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18373182
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34493997A Pending JPH11172687A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 地すべり抑止用杭 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11172687A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022050133A1 (ja) * | 2020-09-04 | 2022-03-10 | Jfeスチール株式会社 | ねじ継手、ねじ継手付き鋼管、構造体、構造体の構築方法、地すべり抑止杭、地すべり抑止杭の施工方法、ねじ継手の設計方法、ねじ継手の製造方法、ねじ継手付き鋼管の製造方法 |
JP2022044001A (ja) * | 2020-09-04 | 2022-03-16 | Jfeスチール株式会社 | ねじ継手、ねじ継手付き鋼管、構造体、構造体の構築方法、地すべり抑止杭、地すべり抑止杭の施工方法、ねじ継手の設計方法、ねじ継手の製造方法、ねじ継手付き鋼管の製造方法 |
-
1997
- 1997-12-15 JP JP34493997A patent/JPH11172687A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022050133A1 (ja) * | 2020-09-04 | 2022-03-10 | Jfeスチール株式会社 | ねじ継手、ねじ継手付き鋼管、構造体、構造体の構築方法、地すべり抑止杭、地すべり抑止杭の施工方法、ねじ継手の設計方法、ねじ継手の製造方法、ねじ継手付き鋼管の製造方法 |
JP2022044001A (ja) * | 2020-09-04 | 2022-03-16 | Jfeスチール株式会社 | ねじ継手、ねじ継手付き鋼管、構造体、構造体の構築方法、地すべり抑止杭、地すべり抑止杭の施工方法、ねじ継手の設計方法、ねじ継手の製造方法、ねじ継手付き鋼管の製造方法 |
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