JPH11172231A - 炭酸ガス用シール材 - Google Patents

炭酸ガス用シール材

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JPH11172231A
JPH11172231A JP36273297A JP36273297A JPH11172231A JP H11172231 A JPH11172231 A JP H11172231A JP 36273297 A JP36273297 A JP 36273297A JP 36273297 A JP36273297 A JP 36273297A JP H11172231 A JPH11172231 A JP H11172231A
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fluorine
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英之 徳光
Osamu Kobayashi
修 小林
Shigeyuki Ono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 互いに相対運動する2部材の一方に保持さ
れ、他方の面と密封摺動する密封装置のシール材などと
して炭酸ガス透過防止目的のために用いられたとき、耐
ガス透過性にすぐれているばかりではなく、被密封摺動
部への追随性にもすぐれた炭酸ガス用シール材を提供す
る。 【解決手段】 フッ素ゴム製シール材の表面層をフッ素
系熱可塑性エラストマー、好ましくは粒径100nm以下の
補強性充填剤が添加されたフッ素系熱可塑性エラストマ
ーで形成させた炭酸ガス用シール材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガス用シール
材に関する。更に詳しくは、互いに相対運動する2部材
の一方に保持され、他方の面と密封摺動する密封装置の
シール材などとして有効に用いられる炭酸ガス用シール
材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在カーエアコン、冷蔵庫等に用いられ
ている冷媒はほぼすべてフロンガスであるが、環境破壊
(オゾン層破壊、地球温暖化など)の問題から、次期冷媒
の検討が始まっており、その内の一つの有力な候補が炭
酸ガスである。従来のフロンガス冷媒の場合には、水素
化NBR、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン共
重合ゴム)等のシール材が用いられているが、これらの
ゴム材料は炭酸ガスとの接触で大きく膨潤し、また発泡
を生ずるという欠点を有している。
【0003】一方、フッ化ビニリデン樹脂のように低炭
酸ガス透過性の材料もあるが、このものは加工性や柔軟
性の点においてゴム材料とは大きく異なり、これをシー
ル材として用いた場合、軸が偏心した際軸に対する追随
性が劣り、追随性の低下はシール材と軸との間に微小隙
間を発生させ、密封媒体の漏洩につながるというシール
性能の低下を避けることができない。
【0004】また、フッ化ビニリデン樹脂製シール材
は、これをスプライン加工(軸方向に溝が切ってある加
工)が施されているような軸に組み込む際、スプライン
による傷が付け易く、この傷から密封性能を維持できな
くなる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、互い
に相対運動する2部材の一方に保持され、他方の面と密
封摺動する密封装置のシール材などとして炭酸ガス透過
防止目的のために用いられたとき、耐ガス透過性にすぐ
れているばかりではなく、被密封摺動部への追随性にも
すぐれた炭酸ガス用シール材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
フッ素ゴム製シール材の表面層をフッ素系熱可塑性エラ
ストマー、好ましくは粒径100nm以下の補強性充填剤が
添加されたフッ素系熱可塑性エラストマーで形成させた
炭酸ガス用シール材によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る炭酸ガス用シール材
は、互いに相対運動する2部材の一方に保持され、他方
の面と密封摺動する密封装置のシール材として好適に用
いられる。かかる密封装置としては、オイルシール等が
挙げられる。
【0008】図1は、本発明の炭酸ガス用シール材を用
いた密封装置の一態様をモデル的に示したその断面図で
ある。ここで、密封装置1は、金属環2にリップ等の密
封摺動部を一体的に成形したものからなり、その外周シ
ール部3がハウジングの内周4に嵌着され、一方その内
周側には密封摺動部5および6の先端部が、スプリング
7がスプリングホルダ8を介して、軸9側に押圧され、
密封接触する構成をとっている。この際、必要に応じ
て、Air側から埃などのゴミがCO2側に侵入しないように
ダストリップを設けることもできる。
【0009】密封摺動部5はフッ素ゴム製シール材であ
り、その表面層を形成する密封摺動部6はフッ素系熱可
塑性エラストマーから形成されている。このような密封
摺動部5および6を有する密封装置の製造は、図2〜4
に示される如くにして行われる。
【0010】成形金型の主要構成は、密封装置のAir側
を形成する下型10、11およびCO2側を形成する上型12か
らなっている。下型10には、フッ素ゴム材の生地13を図
示される如き所定の位置にセットした後、図3に示され
るような半裁断面形状を有するフッ素系熱可塑性エラス
トマー予備成形材14を、金属環15と共にセットし、上型
12と下型10、11を密閉して圧縮成形する。この際、シー
ト生地14の温度を溶融温度近く迄上げたものを用いるこ
とが好ましい。フッ素ゴム13とフッ素系熱可塑性エラス
トマー14とは、金属環15の背面側に廻り込み、図1に示
される如き密封摺動部5および6を形成させる。
【0011】密封摺動部5を形成するフッ素ゴムとして
は、フッ化ビニリデン共重合体、例えばフッ化ビニリデ
ン−ヘキサフルオロプロペン共重合体、フッ化ビニリデ
ン−ペンタフルオロプロペン共重合体、フッ化ビニリデ
ン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロペン−テトラフルオロエチ
レン3元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロ
プロペン−テトラフルオロエチレン3元共重合体、フッ
化ビニリデン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)−
テトラフルオロエチレン3元共重合体等が用いられ、好
ましくはフッ素系熱可塑性エラストマーと少くとも一種
類共重合成分を共通にしたものが用いられる。実際に
は、市販品、例えばデュポン社製品バイトンB等をその
まま用いることができる。
【0012】これらのフッ素ゴムには、下記フッ素系熱
可塑性エラストマーと同様の各種配合剤が配合され、ポ
リオール架橋、ポリアミン架橋なども行われるが、好ま
しくは過酸化物架橋される。フッ素ゴムとフッ素系熱可
塑性エラストマーとは、同一の架橋剤を用いて架橋され
ることが望ましいが、密封装置の目的や使用環境によっ
ては、それぞれ異なる架橋剤を用いることもできる。
【0013】また、密封摺動部6は、フッ素系熱可塑性
エラストマーから形成される。フッ素系熱可塑性エラス
トマーには、ブロック型とグラフト型との2種類のもの
があり、本発明においてはこれら2種類のいずれをも使
用することができるが、好ましくはブロック型のものが
用いられる。
【0014】ブロック型フッ素系熱可塑性エラストマー
は、フッ素系モノマーのラジカル重合において、ヨウ素
化合物が示す特異な連鎖移動反応挙動(テロメリゼーシ
ョン)を利用して、フッ素ゴム(ソフトセグメント)とフ
ッ素樹脂(ハードセグメント)とがトリブロック結合した
ABA型熱可塑性エラストマーである。
【0015】ソフトセグメントを構成するモノマーとし
ては、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘ
キサフルオロプロペン等が挙げられ、例えばフッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロペン−テトラフルオロエチ
レン3元共重合体セグメント等を形成させる。また、ハ
ードセグメントを構成するモノマーとしては、フッ化ビ
ニリデン、エチレン、テトラフルオロエチレン等が挙げ
られ、例えばポリフッ化ビニリデンセグメント、テトラ
フルオロエチレン−エチレン共重合体セグメント等を形
成させる。
【0016】これらのフッ素系熱可塑性エラストマーに
は、粒径100nm以下の補強性充填剤、一般にはカーボン
ブラックまたはシリカが添加して用いられることが好ま
しい。粒径100nm以下のカーボンブラックとしては、S
AF(粒径11〜19nm)、ISAF(粒径20〜25nm)、HAF
(粒径26〜30nm)、XCF(粒径31〜39nm)、FEF(粒径4
0〜48nm)、GPF(粒径49〜60nm)、SRF(粒径61〜100
nm)などが用いられる。これらの補強性充填剤は、熱可
塑性エラストマー100重量部当り約5〜100重量部、好ま
しくは約10〜70重量部の割合で用いられる。これ以上の
割合で用いられると、熱可塑性エラストマーとの混合に
困難性がみられ、一方これ以下の割合では、表面層に発
泡がみられることがある。
【0017】これらの補強性充填剤と併用される非補強
性充填剤としては、メタけい酸カルシウム、けいそう
土、グラファイト、雲母、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等
が、熱可塑性エラストマー100重量部当り約5〜100重量
部、好ましくは約5〜60重量部の割合で、かつ補強性充
填剤との合計量として約10〜200重量部、好ましくは約1
0〜100重量部の割合で用いられる。これらの非補強性充
填剤は、熱可塑性エラストマーとの界面での濡れ性を考
慮して、シランカップリング剤等で表面処理した上で用
いることが好ましい。なお、粒径については特に限定さ
れず、一般に粉末状のものが用いられる。
【0018】以上の各成分よりなる表面層材料中には、
架橋剤として有機過酸化物が更に配合される。有機過酸
化物としては、例えば1,1-ビス(第3ブチルパーオキシ)-
3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサ
ン-2,5-ジヒドロキシパーオキサイド、ジ第3ブチルパー
オキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、α,α-ビス(第3ブチルパーオキシ)-
p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3
ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベンゾイルパーオキサ
イド、第3ブチルパーオキシベンゼン、2,5-ジメチル-2,
5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が、熱可塑性エ
ラストマー100重量部当り約0.1〜20重量部、好ましくは
約0.5〜10重量部の割合で用いられる。
【0019】以上の各成分を必須成分とする表面層材料
中には、トリアリルイソシアヌレート等によって代表さ
れる多官能性不飽和化合物架橋助剤を始めとする各種添
加剤が配合されて用いられる。
【0020】表面層材料の調製は、架橋剤を除く各配合
成分をニーダで混練し、次いで加熱ロールで練り増しし
た後架橋剤を添加する方法、2軸押出機を用い、2軸の
途中からフィダによって各充填剤を添加し、混合する方
法、2軸押出機から1軸押出機に架橋剤を除く各配合成
分を導入し、その後架橋剤を添加してTダイ等でシート
状に加工する方法などによって行われる。
【0021】フッ素ゴムおよびフッ素系熱可塑性エラス
トマーを用いての成形は、圧縮成形機、射出成形機など
を用いて、約150〜220℃、約100〜1500Kgf/cm2、約1〜2
0分間のプレス加硫および約180〜230℃、約1〜24時間の
オーブン加硫(二次加硫)によって行われる。その際、こ
れら両成分よりなるシール材中、フッ素系熱可塑性エラ
ストマーが体積分率で約0.1〜0.9、好ましくは約0.3〜
0.7を占めるような割合で用いられる。フッ素系熱可塑
性エラストマーによる表面層の形成は、少くとも密封摺
動部分の内のCO2接触面について行われ、その全表面に
わたって形成させた場合には、体積分率は密封摺動部5
の厚さの割合ともなり、またCO2透過量を更に低減させ
ることができる。
【0022】フッ素ゴムとフッ素系熱可塑性エラストマ
ーの架橋においては、これら各成分層に架橋構造が形成
されると共に、各成分層界面において同種の共重合成分
の凝集および化学反応による架橋反応が同時に進行し、
その結果として両者の界面は接着剤などを用いなくとも
強固に結合する。
【0023】特に、フッ素系熱可塑性エラストマー中の
共重合結晶成分(ハードセグメント)は融解温度を有し
ており、この温度以上では結晶成分が融解し、分子鎖の
運動性が高い状態となる。かかる状態では、上記の凝集
が効率的に進行するため、成形温度条件は用いられる材
料の性質を十分考慮して設定することが重要となる。
【0024】また、フッ素系熱可塑性エラストマーは、
フッ化ビニリデン樹脂などとは異なり、フッ素ゴムと同
等のゴム弾性を有するため、一体的に接合して成形した
密封摺動部は、被密封摺動部に対する追随性の点ですぐ
れている。
【0025】
【発明の効果】炭酸ガス用密封装置の密封摺動部を形成
するシール材を、好ましくは少くとも一種以上の共通す
る共重合成分を有するフッ素ゴムおよびフッ素系熱可塑
性エラストマーで構成することにより、これらの成分か
らなる各層間に特に接着剤などを介在させなくとも良好
な接合が確保され、その結果接着加工コストが低減され
るばかりではなく、密封摺動部の耐久性にもすぐれたも
のが得られる。
【0026】また、密封摺動部にフッ素系熱可塑性エラ
ストマーを用いることにより、そのすぐれた耐炭酸ガス
性に加えて、フッ素樹脂材料を用いた場合には得られな
い密封摺動部のゴム弾性を確保することができ、その結
果被密封摺動部への追随性にすぐれた密封装置を得るこ
とができる。
【0027】更に、フッ素ガスとフッ素系熱可塑性エラ
ストマーの体積分率を変えることにより、目的とするCO
2透過性を有する密封装置を得ることもできる。
【0028】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0029】 参考例1 フッ素系熱可塑性エラストマー (ダイキン製品ダイエルサーモT630) 100重量部 FEFカーボンブラック 35 〃 酸化マグネシウム 5 〃 有機過酸化物(日本油脂製品パークミルD) 1.5 〃 トリアリルイソシアヌレート(日本化成製品タイクM60、60%) 3 〃 有機過酸化物を除く各配合成分を3Lニーダで混練し、
次いでロール(80℃)で練り増しを行った後、有機過酸化
物を配合した。この配合物について、195℃、8分間の
プレス加硫および200℃、15時間のオーブン加硫(二次
加硫)を行ない、直径90mm、厚さ0.5mmの円形シートを
加硫成形した。その円形試料について、ガスパーム100
型ガス透過率測定装置(日本分光工業製)を用い、5Kgf/
cm2の条件下で、二酸化炭素ガスの透過率(単位:cm3・mm/
m2・atm・24hr)を測定した。
【0030】参考例2 参考例1において、FEFカーボンブラック35重量部の
代りに、SFRカーボンブラック15重量部およびシリカ
(日本アロエジル製品アエロジルA200)20重量部が用い
られた。
【0031】 参考例3 フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンB) 100重量部 MTカーボンブラック 15 〃 酸化カルシウム 15 〃 酸化マグネシウム 15 〃 有機過酸化物(パークミルD) 1.5 〃 トリアリルイソシアヌレート(タイクM60) 3 〃 以上の各配合成分を用い、参考例1と同様の混練、加硫
(ただし、プレス加硫は190℃、8分間、二次加硫は200
℃、13時間)および測定が行われた。
【0032】 参考例4 フッ素ゴム(バイトンB) 100重量部 FEFカーボンブラック 35 〃 酸化マグネシウム 5 〃 N,N′-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン 3 〃 以上の各配合成分を用い、参考例1と同様の混練、加硫
(ただし、プレス加硫は205℃、4分間、二次加硫は215
℃、22時間)および測定が行われた。
【0033】以上の各参考例における測定結果は、次の
表に示される。 表参考例 CO2透過率 1 380 2 379 3 580 4 570
【0034】実施例1 図1に示される密封装置の構成において、密封摺動部5
を参考例1の加硫成形物で、また密封摺動部6を参考例
3の加硫成形物で構成した。
【0035】実施例2 図1に示される密封装置の構成において、密封摺動部5
を参考例2の加硫成形物で、また密封摺動部6を参考例
3の加硫成形物で構成した。
【0036】実施例3 図1に示される密封装置の構成において、密封摺動部5
を参考例1の加硫成形物で、また密封摺動部6を参考例
4の加硫成形物で構成した。
【0037】実施例4 図1に示される密封装置の構成において、密封摺動部5
を参考例2の加硫成形物で、また密封摺動部6を参考例
4の加硫成形物で構成した。
【0038】比較例1 図1に示される密封装置の構成において、密封摺動部5
および6をぞれぞれ参考例3の加硫成形物で構成した。
【0039】比較例2 図1に示される密封装置の構成において、密封摺動部5
および6をぞれぞれ参考例4の加硫成形物で構成した。
【0040】以上の各実施例および比較例では、密封装
置(シール部分の内径13mm、外径30mm)が、185℃、10分
間のプレス加硫および165℃、10時間の二次加硫条件下
で加硫成形された厚さ1mmの密封摺動部5を表面層とす
る、厚さ12mmの密封摺動部6によって密封されており、
このように構成されるリップ部を有するシール材が密封
接触する回転軸の軸径15mm、その回転数2000rpm、シー
ル部における使用油SAE30W、温度100℃のシール機能試
験条件下で、次のようにして評価試験が行われた。
【0041】密封装置の炭酸ガス側を密封状態とし、そ
の密封空間にCO2ガスを5Kgf/cm2の圧力で充填し、CO2
スの圧力変化を測定した。CO2ガス透過性の評価は、フ
ッ素ゴム材のみをリップ部を有する密封装置におけるガ
ス透過率を1とし、それに対する相対的ガス透過率を測
定して、実施例1〜4の密封装置の評価を行った。
【0042】図1にモデル的に示されるフッ素ゴム材と
フッ素系熱可塑性エラストマー材(TPE)の積層構造リ
ップ部を有する密封装置のガス透過率Pcは、理論的には
次式によって示される。 1/Pc=¢rubber/PrubberTPE/PTPE Prubber:フッ素ゴム材のガス透過率 PTPE:TPEのガス透過率 ¢rubber:フッ素ゴム材の体積分率 ¢TPE:TPEの体積分率
【0043】得られた結果は、上記理論式に基く計算値
を示す曲線と共に、図5のグラフに示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炭酸ガス用シール材を用いた密封
装置をモデル的に示した断面図である。
【図2】密封装置の成形前の状態図である。
【図3】表面層密封摺動部を形成するシート生地の半裁
断面図である。
【図4】密封装置の成形後の状態図である。
【図5】体積分率と相対的ガス透過率との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 密封装置 2,15 金属環 3 外周シール部 4 ハウジング内周 5,6 密封摺動部 9 軸 10,11 下型 12 上型 13 フッ素ゴム生地 14 熱可塑性エラストマー予備成形材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】 また、フッ化ビニリデン樹脂製シール材
は、これをスプライン加工(軸方向に溝が切ってある加
工)が施されているような軸に組み込む際、スプライン
による傷が付き易く、この傷から密封性能を維持できな
くなる場合もある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 密封摺動部はフッ素ゴム製シール材で
あり、その表面層を形成する密封摺動部はフッ素系熱
可塑性エラストマーから形成されている。このような密
封摺動部5および6を有する密封装置の製造は、図2〜
4に示される如くにして行われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 密封摺動部を形成するフッ素ゴムとし
ては、フッ化ビニリデン共重合体、例えばフッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロプロペン共重合体、フッ化ビニリ
デン−ペンタフルオロプロペン共重合体、フッ化ビニリ
デン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロプロペン−テトラフルオロエ
チレン3元共重合体、フッ化ビニリデン−ペンタフルオ
ロプロペン−テトラフルオロエチレン3元共重合体、フ
ッ化ビニリデン−パーフルオロ(メチルビニルエーテル)
−テトラフルオロエチレン3元共重合体等が用いられ、
好ましくはフッ素系熱可塑性エラストマーと少くとも一
種類共重合成分を共通にしたものが用いられる。実際に
は、市販品、例えばデュポン社製品バイトンB等をその
まま用いることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 また、密封摺動部は、フッ素系熱可塑
性エラストマーから形成される。フッ素系熱可塑性エラ
ストマーには、ブロック型とグラフト型との2種類のも
のがあり、本発明においてはこれら2種類のいずれをも
使用することができるが、好ましくはブロック型のもの
が用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 茂之 茨城県つくば市和台25番地 エヌオーケー 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素ゴム製シール材の表面層をフッ素
    系熱可塑性エラストマーで形成してなる炭酸ガス用シー
    ル材。
  2. 【請求項2】 少くとも一種以上の共重合成分を共通に
    するフッ素ゴムとフッ素系熱可塑性エラストマーが用い
    られた請求項1記載の炭酸ガス用シール材。
  3. 【請求項3】 シール材中のフッ素系熱可塑性エラスト
    マーの体積分率が約0.1〜0.9である請求項1記載の炭酸
    ガス用シール材。
  4. 【請求項4】 粒径100nm以下の補強性充填剤が添加さ
    れたフッ素系熱可塑性エラストマーが用いられた請求項
    1または2記載の炭酸ガス用シール材。
  5. 【請求項5】 互いに相対運動する2部材の一方に保持
    され、他方の面と密封摺動する密封装置のシール材とし
    て用いられる請求項1記載の炭酸ガス用シール材。
JP36273297A 1997-10-31 1997-12-12 炭酸ガス用シール材 Expired - Fee Related JP3687318B2 (ja)

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