JPH11171891A - けい素化合物の製造方法 - Google Patents

けい素化合物の製造方法

Info

Publication number
JPH11171891A
JPH11171891A JP33729497A JP33729497A JPH11171891A JP H11171891 A JPH11171891 A JP H11171891A JP 33729497 A JP33729497 A JP 33729497A JP 33729497 A JP33729497 A JP 33729497A JP H11171891 A JPH11171891 A JP H11171891A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silicon compound
compound
producing
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33729497A
Other languages
English (en)
Inventor
Wataru Yamada
渉 山田
Katsumi Nukada
克己 額田
Rie Ishii
理恵 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP33729497A priority Critical patent/JPH11171891A/ja
Publication of JPH11171891A publication Critical patent/JPH11171891A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水分解性置換基含有けい素化合物の効率的
な、再現性の良い製造方法を提供すること。 【解決手段】 塩基性不純物を含有する加水分解性置換
基含有けい素化合物を固体酸性物質と接触させることに
より、塩基性不純物を除去することを特徴とする、前記
けい素化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はけい素化合物の新規
な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、セラミックス等の無機物は機
械的強度、耐熱性、耐酸化性などに優れており、有機物
は所望の機能、特性を持たせるための分子設計がしやす
いという点で優れている。上記のような、無機物、有機
物の両方の特性を生かすために、無機物のマトリックス
中に、機能性の有機分子をドーピングする方法が知られ
ているが、そのような方法では、無機材料と有機材料の
性質は本質的に異なり、相分離しやすいためドーピング
量が限られてしまったり、本来無機物のマトリックスが
持つ機械的強度を低下させてしまうという欠点がある。
上記の欠点を解決するために、無機物と有機物を化学結
合を介して、複合化させる方法が多く試みられている。
例えば、『染料と薬品』第41巻第12号(1996)にはエトキ
シシリル基を有するスピロピランとエトキシシランとの
縮合反応を用いることにより、スピロピランが均一に分
散されたシロキサン樹脂の塗膜が得られることが紹介さ
れている。無機/有機複合化のための材料として、アル
コキシシラン等のカップリング部位を有する機能性化合
物は無機材料と有機材料を化学結合によりネットワーク
を形成させるため、相溶性がよく、強固な膜が形成でき
るため有用な化合物として注目されており、研究が盛ん
にされている。有機化合物にけい素原子含有加水分解性
置換基を導入する方法としては一般的には以下に挙げる
ような方法が知られている。 1)アルケンやアルキンのヒドロシリル化反応を用いた
合成法 ヒドロシリル化 (hydrosilylation)とは、水素化ケイ素
を種々の条件下で、炭素−炭素不飽和結合に付加し、有
機ケイ素化合物を生成する合成法である。中でも、「有
機金属化学」p.322 (1982)裳華房等に示されるような、
Speier試薬(H 2 PtCl6 /IPA)を用いたアルケ
ンやアルキンのヒドロシリル化反応は、触媒添加量も1
×10-7mol程度で効力があるため、様々なSi−C
結合を持ったシラン化合物を合成する非常に有用な方法
である。この方法を利用し、電荷輸送性の硬化性有機け
い素化合物を合成することについては、例えば特開平9-
190004号公報、特開平9-124665号公報などにすでに記載
されているが、本方法で合成したものはこれらの公報に
記載されたNMRスペクトルより明らかな様に異性体や
還元生成物等の不純物の混入が著しく、電子デバイス用
の高純度材料の合成には適さない。 2)Grignard反応を用いた合成法 「The Chemistry of Organic Silicon Compounds」S. P
atai編、p. 655 (1989) 等に示されるように、Grignard
試薬を用いることにより、シラン化合物の合成が可能で
ある。しかし、Grignard反応は酸素や水分等に非常に敏
感であり、かつ多量の無機塩を生じるため処理が困難に
なり、工業化するためには大幅なコストアップにつなが
ってしまう。 3)脱塩酸反応を用いたアミン系シラン化合物の合成法 「The Chemistry of Organic Silicon Compounds」 S.
Patai編、p. 655 (1989) 等に示されるように、ハロゲ
ン置換基の付いたシランとアミンの脱塩酸反応により、
シラン化合物の合成が可能である。しかし、得られる化
合物は特殊なものに限られ、かつ必然的にアミノ基を有
するため、有機電子デバイスとして用いる場合は電荷ト
ラップとなりやすく、特性に悪影響を与えやすいという
欠点がある。 4)ウレタン結合形成反応を用いた合成法 特開平3-191358号公報にはウレタン結合を用いて電荷輸
送部位を有するシラン化合物の電子写真感光体への応用
例が提案されている。しかしながらこの方法で合成され
た化合物は、ヘテロ原子に直接結合した水素原子を有す
るため、大気中の水分を吸着しやすく、電子写真感光体
等の有機電子デバイスとして用いる際に、湿度等の影響
を受けやすく、環境安定性にかけるという欠点がある。
本発明者らはこれらの方法に対し、wittig反応による方
法が反応の選択性が高く副反応もほとんど起こらないこ
とを見いだし、特願平8-187931に提案した。しかしなが
ら、この方法は、反応に塩基を使用することが必須であ
り、反応処理中に塩基の除去が不十分であると、残留す
る塩基により加水分解性置換基の縮合反応が促進されて
しまい、効率的かつ、再現性よく目的のけい素化合物を
得ることが困難になってしまうという欠点があった。特
にこのような問題はアルコキシシリル基の数が多い化合
物において顕著に見られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加水
分解性置換基含有けい素化合物の、効率的かつ再現性の
良い製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Wittig反
応を用いた加水分解性置換基含有けい素化合物の製造方
法について鋭意検討した結果、反応の処理に固体酸性物
質を用いることにより塩基性不純物を容易に除去するこ
とができ、工業化する際にも有利であることを見いだし
本発明を完成するに至った。すなわち、上記目的は、塩
基性不純物を含有する加水分解性置換基含有けい素化合
物を固体酸性物質と接触させることにより塩基性不純物
を除去する加水分解性置換基含有けい素化合物の製造方
法を提供することにより達成される。また、本発明の製
造方法においては、固体酸性物質と接触させた後に、さ
らに洗浄、特に水による洗浄を行うことが好ましい。ま
た、本発明の製造方法は、光機能性部位を含有する加水
分解性置換基含有けい素化合物の製造方法にも適用され
る。さらに、本発明の製造方法は、下記一般式(I)で
表される加水分解性置換基含有けい素化合物の製造方法
にも適用される。
【化3】 X[−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2 a n 一般式(I) 式中、Xは光機能性基、Yは2価の基を示し、R1 は水
素原子、アルキル基、または置換もしくは未置換のアリ
ール基を示し、R2 は水素原子、アルキル基、またはト
リアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、
nは1〜4の整数を示す。さらに、本発明の製造方法
は、下記一般式(II)で表される加水分解性置換基含有
化合物の製造方法に適用される。 一般式(II)
【化4】 式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換または未置
換のアリール基を示し、Ar5 は置換もしくは未置換の
アリール基またはアリーレン基を示し、かつAr1 〜A
5 のうち1〜4個は−CH=CH−Y−SiR1(3-a)
(OR2 a で表される置換基を有し、R1 は水素、ア
ルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を示
し、R2 は水素、アルキル基、またはトリアルキルシリ
ル基を示し、aは1〜3の整数を示し、kは0または1
を示し、Yは2価の基を示す。さらに、本発明の製造方
法は 塩基性触媒を用いて合成された上記一般式(I)
または一般式(II)で示される加水分解性置換基含有け
い素化合物の製造方法に適用される。特に、本発明の塩
基性不純物の除去の効果は、縮合反応を生じる加水分解
性置換基であるアルコキシシリル基等を数多く含む化合
物の場合に、より顕著に現れる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は上記のように加水分解性
置換基含有けい素化合物の製造法において、塩基性不純
物を含有する加水分解性置換基含有けい素化合物と固体
酸性物質とを接触させることにより塩基性不純物を除去
することを特徴とする。前記加水分解性置換基含有けい
素化合物の加水分解性置換基とは、メトキシ基、エトキ
シ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基のほか、メチ
ルエチルケトオキシム基等のオキシム基、水酸基、アセ
トキシ基等を意味し、この基が存在することにより、縮
合反応を起こすことが可能である。本発明の加水分解性
置換基含有けい素化合物は光機能性部位を有する前記け
い素化合物を含む。本発明における「光機能性部位」と
は、光により電荷輸送性、電荷発生、非線形光学効果、
メモリー効果等の機能を発現する部位を意味する。さら
に、本発明の加水分解性置換基含有けい素化合物は、下
記一般式で表される化合物を含む。
【化5】 X[−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2 a n 一般式(I) 式中、Xは光機能性基を、Yは2価の基を、R1 は水素
原子、アルキル基、または置換もしくは未置換のアリー
ル基を、R2 は水素原子、アルキル基、またはトリアル
キルシリル基を、aは1〜3の整数を、nは1〜4の整
数を示す。Xは光機能性を有する化合物のn価の残基を
示し、光機能性を有する化合物としては、トリアリール
アミン系化合物、トリアリールメタン系化合物、ヒドラ
ゾン系化合物、イミダゾール系化合物、等の電荷輸送性
有機化合物、フタロシアニン、ペリレン等の電荷発生顔
料、スクアリウム、シアニン、メロシアニン等の電荷発
生染料、アゾベンゼン等の光異性化材料、3−ニトロア
ニリン等の非線形光学材料等が挙げられる。Yで示され
る2価の基としては炭素数1〜20のアルキレン基、炭
素数1〜20のアルケニレン基、−C6 4 −R(Rは
炭素数1〜10のアルキレン基又はアルケニレン基)−
R’−C6 4 −(R’は炭素数1〜10のアルキレン
基又はアルケニレン基)、等が挙げられ、具体的には、
直接結合(−CH=CH−とSiが直接結合する)、−
CH2 −、−(CH2 2 −、−C6 4 −、−C6
4 −(CH2 2 −等が挙げられる。R1 としては炭素
数1〜5の直鎖のアルキル基、炭素数3〜5の分枝アル
キル基、置換又は未置換のアリール基等が挙げられる。
2 としては水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、
例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、t−ブチル基等、トリアルキルシリル基(アルキル
基の炭素数1〜3)、が挙げられる。
【0006】さらに、本発明の光機能性部位を有する加
水分解性置換基含有けい素化合物として、下記一般式
(II)で示される電荷輸送性を有する加水分解性置換基
含有けい素化合物が挙げられる。一般式(II)
【化6】 式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換または未置
換のアリール基を示し、Ar5 は置換もしくは未置換の
アリール基またはアリーレン基を示し、かつAr1 〜A
5 のうち1〜4個は−CH=CH−Y−SiR1(3-a)
(OR2 a で表される置換基を有し、R1 は水素、ア
ルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を示
し、R2 は水素、アルキル基、またはトリアルキルシリ
ル基を示し、aは1〜3の整数を示し、kは0または1
を示し、Yは2価の基を示す。上記一般式(II)のAr
1 〜Ar4 としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭
素数1〜10のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換アミ
ノ基、もしくはフェニル基等で置換された、または置換
されていないフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が
挙げられる。また、Ar5 としては、炭素数1〜10の
アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、もしくは
ハロゲン原子等で置換された、または置換されていない
フェニル基、フェニレン基、ビフェニレン基、トリフェ
ニレン基等が挙げられる。−CH=CH−Y−SiR
1(3-a)(OR2 a は、上記の一般式(I)におけると
同じ意味を有する。
【0007】本発明の製造方法によって製造される上記
一般式(II)の具体例を以下の表1〜7に示す。
【0008】表1
【表1】
【0009】表2
【表2】
【0010】表3
【表3】
【0011】表4
【表4】
【0012】表5
【表5】
【0013】表6
【表6】
【0014】表7
【表7】
【0015】次に本発明の製造方法について説明する。
上記一般式(I)の化合物は下記一般式(A)で表され
るホルミル基を有する化合物と、下記一般式(B)のリ
ン化合物とを、不活性ガス雰囲気下、塩基を用いて反応
させるWittig反応により合成することができる。
【化7】 X(CHO)n (n=1〜4) 一般式(A) ここで、Xは前記一般式(I)におけると同じ光機能性
基を意味する。
【化8】 L−CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2 a 一般式(B) ここで、Yは一般式(I)におけると同じ2価の基を示
す。LはPM(R3 2 またはhal- P(R3 3 +
を示す。halはハロゲン原子を示す。MはO原子また
はS原子を示す。R3 はアルキル基、フェニル基、アル
コキシ基、アミノ基を少なくとも1種以上含有する。
【0016】上記一般式(B)で表されるリン化合物を
製造するには、例えばトリフェニルホスフィン、トリエ
トキシホスフィン、クロロジフェニルホスフィン、クロ
ロジエトキシホスフィン、亜リン酸トリエチル等の前駆
体と次式のハロゲン化物を反応させることにより得られ
る。
【化9】 hal−CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2 a ここで、halはハロゲン原子を意味し、Yは前記と同
じ2価の基を意味する。
【0017】(B)で表される化合物は、(A)で表さ
れる化合物が有するホルミル基に対して1〜3当量好ま
しくは1〜1.5当量を用い、塩基を加えカップリング
を行う。塩基としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ピ
リジン、トリエチルアミン、n-ブチルリチウム、フェニ
ルリチウム、水素化ナトリウム等から任意に選択するこ
とができる。中でも、加水分解性置換基を有するけい素
化合物の塩基に対する安定性を考慮すると水素化ナトリ
ウムが特に好ましい。また、塩基性物質の使用量はホス
ホニウム塩の種類や反応速度に応じて任意に設定できる
が、使用量が多くなると処理、分離等が困難になるた
め、ホスホニウム塩1モルに対して、1から10モル、
好ましくは1から1.5モルで用いられる。また、反応
溶媒としては水、エタノール、クロロホルム、ジクロロ
メタン、ニトロメタン、ジメチルスルホキシド、ジエチ
ルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒ
ドロフラン、ペンタン、ベンゼン、キシレン等から任意
に選択することができ、(A)で表される化合物1重量
部に対し、1〜100、好ましくは2〜50重量部用い
る。更に、それらの混合溶媒を用いることもできる。な
お、溶媒は脱水して用いることが好ましい。中でも反応
溶媒としては選択性の高さ、反応後の分離の容易さ等を
考慮するとN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等の非水性極性溶媒が特に好ましい。カップ
リング反応の際の温度は−30〜100度、好ましくは
0〜50度に設定する。
【0018】また上記一般式(II)で表される化合物
は、上記一般式(I)の化合物と同様に、下記一般式
(C)で表されるホルミル基を持った化合物と、上記一
般式(B)で表されるリン化合物とを不活性ガス雰囲気
下、塩基を用いて反応させるWittig反応により合
成することができる。
【0019】一般式(C)
【化10】
【0020】式中、Ar6 〜Ar9 は置換または未置換
のアリール基を示し、Ar10は置換もしくは未置換のア
リール基またはアリーレン基を示し、Ar6 〜Ar10
うち1〜4個は−CHO基を有する。kは0または1を
示す。上記一般式(C)のAr6 〜Ar9 としては、炭
素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキ
シ基、ハロゲン原子、置換アミノ基、もしくはフェニル
基等で置換された、または置換されていないフェニル
基、ナフチル基、ビフェニル基が挙げられる。また、A
10としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1
〜10のアルコキシ基、もしくはハロゲン原子等で置換
された、または置換されていないフェニル基、フェニレ
ン基、ビフェニレン基、トリフェニレン基等が挙げられ
る。
【化11】 L−CH2 −Y−SiR1(3-a)(OR2 a 一般式(B) ここで、Yは2価の基を示し、LはPM(R3 2 また
はhal- P(R3 3 + を示す。halはハロゲン原
子を示す。MはO原子またはS原子を示す。R 3 はアル
キル基、フェニル基、アルコキシ基、アミノ基を少なく
とも1種以上含有する。
【0021】次に本発明において、塩基性不純物を除去
する方法について説明する。本発明の加水分解性置換基
含有けい素化合物は、上記の反応により製造された塩基
性不純物を含むけい素化合物を固体酸性物質と接触させ
て塩基性不純物を取り除くことにより効率良く製造する
ことができる。固体酸性物質との接触は桐山ロート、ヌ
ッチェ、ガラスロート、ガラスフィルター、カラムクロ
マトグラフィー用のガラス管等に固体酸性物質を敷きそ
の上から塩基性不純物を含むけい素化合物を適当な溶剤
に溶解させた状態で流し接触させる他、反応溶液中で機
械的に撹拌して接触させる等の方法により行うこともで
きる。また用いる固体酸性物質としてはシリカゲル、酸
性アルミナ、活性白土、SiO2 /Al2 3 、SiO
2 /MgO、SiO2 /ZrO2 、SiO2 /B2 3
Al2 3 、各種ゼオライト、各種ヘテロポリ酸、各種
リン酸塩、各種硫酸塩、H3 PO4 /ケイソウ土(固体
リン酸)、陽イオン交換樹脂等を主なものとして挙げる
ことができる。コストや取扱いの容易さを考慮するとシ
リカゲル、酸性アルミナ、活性白土等が好ましい。反応
溶液中で接触させる場合の接触時間は1秒〜90分であ
り、30秒〜90分が好ましく、更に好ましくは1〜2
0分である。温度は−30〜100度が好ましく、さら
に−5〜40度がより好ましい。なお、この操作は不活
性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を詳しく説明する。 [実施例1〜6](化合物(23)の合成) 実施例1 窒素置換した二口フラスコに3−ヨードプロピルトリメ
トキシシラン25gを入れ、トルエン200mlに溶解
させた。次いで、トリフェニルホスフィン27gを加え
た。その後、撹拌しながら、7時間加熱還流した後、析
出した結晶をトルエンでよく洗い減圧下溶媒を除去し、
ホスホニウム塩36.5グラムを得た。 (融点102.0〜102.5℃、白色結晶)窒素置換
した二口フラスコに上記で合成した、ホスホニウム塩5
gを入れ、無水ジメチルホルムアミド50mlに溶解さ
せた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、油性水素化ナ
トリウム0.4gを加え、15分撹拌した。その後、撹
拌しながら、3,3’−ジメチル−N,N’−ビス(4
−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス(3,4−ジメ
チルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミン2.4gを加え、徐々に室温まで温度を上げ、2
時間撹拌した。反応終了後メタノール30mlを加え、
塩基性不純物を含む化合物(23)を得た。その後、直
径60mmの桐山ロートにシリカゲル(和光純薬社製;
商品名Wakogel C−200)を2cmの高さま
で敷き吸引ろ過を行った。(操作1) 更に反応混合物を3lの氷水中に注ぎトルエンで抽出し
減圧下溶媒を除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶
剤:トルエン)し、化合物(23)1.8gを得た。
(淡黄色油状物質、IRを図1に示す。)
【0023】実施例2 実施例1と同様に塩基性不純物を含む化合物(23)を
得た後、シリカゲル5gを加え10分撹拌した後シリカ
ゲルをろ過により取り除いた。(操作2) その後、実施例1と同様な作業を行い化合物(23)
2.2gを得た。
【0024】実施例3 実施例1と同様に塩基性不純物を含む化合物(23)を
得た後、活性白土(和光純薬社製;商品名Clay A
ctivated)を直径60mmの桐山ロートに2c
mの高さまで敷き吸引ろ過を行った。(操作3) その後、実施例1と同様な作業を行い化合物(23)
2.0gを得た。
【0025】実施例4 実施例1と同様に塩基性不純物を含む化合物(23)を
得た後、活性白土5gを加え10分撹拌した後活性白土
をろ過により取り除いた。(操作4) その後、実施例1と同様な作業を行い化合物(23)
1.8gを得た。
【0026】実施例5 実施例1と同様に塩基性不純物を含む化合物(23)を
得た後、酸性活性アルミナ(Merk社製;商品名Al
umina 90 Activated、Acidi
c、Activity I)を直径60mmの桐山ロー
トに2cmの高さまで敷き吸引ろ過を行った。(操作
5) その後、実施例1と同様な作業を行い化合物(23)
2.0gを得た。
【0027】実施例6 実施例1と同様に塩基性不純物を含む化合物(23)を
得た後、酸性活性アルミナ5gを加え10分撹拌した後
酸性活性アルミナをろ過により取り除いた。(操作6) その後、実施例1と同様な作業を行い化合物(23)
1.9gを得た。実施例1〜6について、同様な合成法
により数回合成を行ったが、いずれの場合もほぼ同じよ
うな収率で化合物(23)を得ることができた。
【0028】[実施例7〜12](化合物(3)の合
成) 実施例7 窒素置換した二口フラスコに実施例1で用いたホスホニ
ウム塩15gを入れ、無水ジメチルホルムアミド100
mlに溶解させた。次いで、反応系を−5℃に冷却し、
油性水素化ナトリウム1.05gを加え、15分撹拌し
た。その後、撹拌しながら、N−(4−ホルミルフェニ
ル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−
4−アミン8.5gを加え、徐々に室温まで温度を上
げ、2時間撹拌した。反応終了後、メタノール10ml
を加え、塩基性不純物を含む化合物(3)を得た。その
後、直径60mmの桐山ロートにシリカゲルを2cmの
高さまで敷き吸引ろ過を行った。(操作1) 更に反応混合物を3lの氷水中に注ぎトルエンで抽出し
減圧下溶媒を除去した後、シリカゲルでカラム精製(溶
剤:トルエン)し、化合物(3)8.3gを得た。(淡
黄色油状物質、IRを図2に示す。)
【0029】実施例8〜12 製造する化合物を(3)に変更した以外は実施例2〜6
と同様な操作を行った。実施例7〜12について、同様
な合成法により数回合成を行ったが、いずれの場合もほ
ぼ同じような収率で化合物(3)を得ることができた。
【0030】比較例1 実施例1と同様に原料である3,3’−ジメチル−N,
N’−ビス(4−ホルミルフェニル)−N,N’−ビス
(3,4−ジメチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミン(2.0g)より塩基性不純物を
含む化合物を得た後、反応混合物を3lの氷水中に注ぎ
トルエンで抽出した。その後、減圧下溶媒を除去し、シ
リカゲルでカラム精製(溶剤:トルエン)し、化合物
(23)1.gグラムを得た。
【0031】比較例2 実施例1及び比較例1と同様に塩基性不純物を含む化合
物を得た後、反応混合物を3lの氷水中に注ぎトルエン
で抽出した。その後、減圧下溶媒を除去したところ、生
成物はゲル状になってしまい目的の化合物は得られなか
った。
【0032】比較例3 実施例7と同様に原料であるN−(4−ホルミルフェニ
ル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−
4−アミン(5g)から塩基性不純物を含む化合物を得
た後、反応混合物を3lの氷水中に注ぎトルエンで抽出
し減圧下溶媒を除去した後、シリカゲルでカラム精製
(溶剤:トルエン)し、化合物(3)2.5gを得た。
【0033】比較例4 実施例7及び比較例3と同様に原料であるN−(4−ホ
ルミルフェニル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)
ビフェニル−4−アミン(5g)から塩基性不純物を含
む化合物を得た後、反応混合物を3lの氷水中に注ぎト
ルエンで抽出し減圧下溶媒を除去した後、シリカゲルで
カラム精製(溶剤:トルエン)し、化合物(3)3.5
gを得た。
【0034】実施例及び比較例の結果を表8に示す。
【0035】表8
【表8】
【0036】比較例1〜4に示すように、固体酸性物質
による処理を行わない場合、反応処理中にゲル化を生じ
やすく、再現性が得られにくかった。それに対し、実施
例1〜12に示される様に、固体酸性物質による処理を
行った場合、加水分解性置換基含有けい素化合物を再現
性よく製造することができる。特に、表中のアルコキシ
シリル基の数の多い化合物(化合物No.23)を、効
率的かつ再現性よく製造するために有効である。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造方法により種々の有機電子
デバイスに応用可能な加水分解性置換基含有けい素化合
物を、効率的かつ再現性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物(23)のIR吸収曲線を表す図であ
る。
【図2】化合物(3)のIR吸収曲線を表す図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性不純物を含有する加水分解性置換
    基含有けい素化合物を固体酸性物質と接触させることに
    より、塩基性不純物を除去することを特徴とする、前記
    けい素化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩基性不純物を含有する加水分解性置換
    基含有けい素化合物を固体酸性物質と接触させた後、さ
    らに洗浄することを特徴とする、前記けい素化合物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄が水による洗浄であることを特
    徴とする、請求項2に記載の前記けい素化合物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 加水分解性置換基含有けい素化合物が光
    機能性部位を含有することを特徴とする、請求項1記載
    の前記けい素化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 加水分解性置換基含有けい素化合物が下
    記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とす
    る、請求項1に記載の前記けい素化合物の製造方法。 【化1】 X[−CH=CH−Y−SiR1(3-a)(OR2 a n 一般式(I) 式中、Xは光機能性基、Yは2価の基を示し、R1 は水
    素原子、アルキル基、または置換もしくは未置換のアリ
    ール基を示し、R2 は水素原子、アルキル基、またはト
    リアルキルシリル基を示し、aは1〜3の整数を示し、
    nは1〜4の整数を示す。
  6. 【請求項6】 加水分解性置換基含有けい素化合物が下
    記一般式(II)で表される化合物であることを特徴とす
    る、請求項5に記載の前記けい素化合物の製造方法。 一般式(II) 【化2】 式中、Ar1 〜Ar4 はそれぞれ独立に置換または未置
    換のアリール基を示し、Ar5 は置換もしくは未置換の
    アリール基またはアリーレン基を示し、かつAr1 〜A
    5 のうち1〜4個は−CH=CH−Y−SiR1(3-a)
    (OR2 a で表される置換基を有し、R1 は水素、ア
    ルキル基、または置換もしくは未置換のアリール基を示
    し、R2 は水素、アルキル基、またはトリアルキルシリ
    ル基を示し、aは1〜3の整数を示し、kは0または1
    を示し、Yは2価の基を示す。
  7. 【請求項7】 一般式(I)で示される化合物が塩基性
    触媒を用いて合成された化合物であることを特徴とす
    る、請求項5に記載の前記けい素化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(II)で示される化合物が塩基性
    触媒を用いて合成された化合物であることを特徴とす
    る、請求項6に記載の前記けい素化合物の製造方法。
JP33729497A 1997-12-08 1997-12-08 けい素化合物の製造方法 Pending JPH11171891A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33729497A JPH11171891A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 けい素化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33729497A JPH11171891A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 けい素化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11171891A true JPH11171891A (ja) 1999-06-29

Family

ID=18307275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33729497A Pending JPH11171891A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 けい素化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11171891A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014214091A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 信越化学工業株式会社 有機官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法
WO2023223803A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 信越化学工業株式会社 精製アミノシラノール化合物およびアミノシロキサン化合物の水溶液の製造方法並びにエッチング用組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014214091A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 信越化学工業株式会社 有機官能基含有オルガノポリシロキサンの製造方法
WO2023223803A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 信越化学工業株式会社 精製アミノシラノール化合物およびアミノシロキサン化合物の水溶液の製造方法並びにエッチング用組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6084144A (ja) ヒドロシリル化法、触媒およびその製造方法
JP5196287B2 (ja) 光分解性カップリング剤
CN111518125A (zh) 一种基于烯基氯硅烷偶联反应的有机硅烷合成方法
CN101023091B (zh) 含有光不稳定保护基团的偶联剂及其在如固相载体官能化中的应用
JP2889768B2 (ja) 3−チエニル基含有ケイ素化合物及びその製造方法
JP4156858B2 (ja) シランカップリング剤
JPH11171891A (ja) けい素化合物の製造方法
JP4332708B2 (ja) ビスシリルアミノ基を有するクロロシラン化合物及びその製造方法、並びにビスシリルアミノ基を有するオルガノオキシシラン化合物の製造方法
JPH0371436B2 (ja)
JPS647998B2 (ja)
JP2701103B2 (ja) 含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP3666551B2 (ja) ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン化合物の製造方法
JP4257515B2 (ja) 1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの製造方法
JP3583167B2 (ja) ケチミン構造含有有機ケイ素化合物及びその製造方法
JPH11171890A (ja) けい素化合物の製造方法
JP6202431B2 (ja) かご型シルセスキオキサン誘導体
JPH0717981A (ja) 有機ケイ素化合物及びその製造方法
JP3571445B2 (ja) シリルエノールエーテルの製造方法
JP3419165B2 (ja) 無機粉末の被覆に適した新規アルコキシシラン化合物
JPS6328426B2 (ja)
JP7131109B2 (ja) 有機シリコン化合物の製造方法、アミノアリール基含有有機シリコン化合物の製造方法および有機シリコン化合物
JP3650156B2 (ja) トリアルキルシリルトリアルキルシロキシメチレン化合物の製造方法
JP3419173B2 (ja) 無機粉末の被覆に適した新規シラン化合物
JPH01275586A (ja) 含フッ素シラン化合物およびその製造方法
JP2002012597A (ja) 有機ケイ素化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060516

A521 Written amendment

Effective date: 20060718

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060926

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02