JPH11171824A - グリオキシル酸の製造方法 - Google Patents

グリオキシル酸の製造方法

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JPH11171824A
JPH11171824A JP36224997A JP36224997A JPH11171824A JP H11171824 A JPH11171824 A JP H11171824A JP 36224997 A JP36224997 A JP 36224997A JP 36224997 A JP36224997 A JP 36224997A JP H11171824 A JPH11171824 A JP H11171824A
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JP
Japan
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glyoxal
nitric acid
acid
ethylene glycol
oxidation
Prior art date
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Pending
Application number
JP36224997A
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English (en)
Inventor
Akio Katsuura
章夫 勝浦
Takehiko Kakimoto
武彦 柿本
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全でかつ生産性に優れたグリオキシル酸の
製造方法を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 エチレングリコールを酸化して得られた
グリオキザール中のエチレングリコール、ホルムアルデ
ヒド及びギ酸の含有量をグリオキザールに対してそれぞ
れ2.5重量%以下に調整した後、該グリオキザールを
硝酸酸化するグリオキシル酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリオキシル酸の
製造方法に関し、更に詳しくは安全でかつ生産性に優れ
たグリオキシル酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、グリオキシル酸はグリオキザール
水溶液を亜硝酸ナトリウム等の存在下又は不存在下に硝
酸と反応することにより得られることが知られている。
かかるグリオキシル酸の原料であるグリオキザールは、
エチレングリコールやアセトアルデヒドから製造され、
該グリオキザールはその後硝酸酸化される。ところが、
近頃はエチレングリコールを原料とするグリオキザール
の製造のほうが、アルデヒドを原料とする方法に比べて
コスト的な面で有利であるケースが多く、エチレングリ
コールを酸化して得られるグリオキザールを用いて、グ
リオキシル酸を製造する方法が有用となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該エチ
レングリコールを原料として得られたグリオキザールか
らグリオキシル酸を製造する場合には、該グリオキザー
ル中のグリオキザール以外の成分組成により、グリオキ
シル酸の生成が大きく異なることが判明した。即ち、該
グリオキザールからグリオキシル酸を製造する場合に
は、硝酸酸化における反応条件が精密にコントロールさ
れる必要があったり、場合によっては他成分における副
反応が起こり、安全にグリオキシル酸を製造することが
できないという問題点を有するのが実情である。本発明
では、このような背景下において、安全でかつ生産性に
優れたグリオキシル酸の製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等が上
記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレング
リコールを酸化して得られたグリオキザール中のエチレ
ングリコール、ホルムアルデヒド及びギ酸の含有量をグ
リオキザールに対してそれぞれ2.5重量%以下に調整
した後、該グリオキザールを硝酸酸化するグリオキシル
酸の製造方法が、上記目的に合致することを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明で使用するグリオキザールは、エチレン
グリコールを、例えば、銀を触媒としてリン化合物の存
在下で反応させる(特開昭59−39843号公報、特
開平6−329575号公報)等の方法により酸化する
ことで製造される。
【0006】かかる酸化により得られたグリオキザール
は、次いでエチレングリコール、ホルムアルデヒド及び
ギ酸の含有量がグリオキザールに対してそれぞれ2.5
重量%以下に調整されるのであるが、具体的には、水蒸
気吹き込みによるストリッピング法、イオン交換樹脂の
使用等により、エチレングリコール、ホルムアルデヒ
ド、ギ酸の含有量が調整されるのである。尚、エチレン
グリコールについては反応時の追い込みで含有量を調整
してもよい。
【0007】上記グリオキザール中のエチレングリコー
ル、ホルムアルデヒド及びギ酸の含有量がグリオキザー
ルに対してそれぞれ2.5重量%を越えると、制御不可
能な異常発熱を起こすこととなり本発明の効果を発揮し
ない。かくしてグリオキザール中のエチレングリコー
ル、ホルムアルデヒド及びギ酸の含有量がグリオキザー
ルに対してそれぞれ2.5重量%以下に調整された後、
酸化が行われる。酸化については、オゾン酸化、触媒を
用いた空気酸化等の方法もあるが、本発明では硝酸によ
る酸化が行われる。
【0008】該硝酸酸化については、通常グリオキザー
ル水溶液中に、必要とあれば亜硝酸ナトリウムを共に溶
解させた上で、空気又は酸素を吹き込みながら加圧条件
下で硝酸を加える方法で反応が行われる。反応時の圧力
としては6〜9kg/cm2、好ましくは7〜9kg/
cm2であり、6kg/cm2未満ではグリオキシル酸の
収量が悪くなり、一方9kg/cm2を越えても特に効
果の向上は得られない。
【0009】又、反応は、55〜65℃、好ましくは5
8〜60℃の温度範囲で行うことが好ましく、かかる反
応温度をコントロールしながら、硝酸が加えられる。こ
こで、グリオキザール水溶液中に硝酸を加えるに際して
は、先ず最初に8〜15%硝酸(A)を、仕込み液全量
に対して硝酸量が3〜7重量%、好ましくは4〜6重量
%となるように加え(又は滴下し)、次に、35〜45
%硝酸(B)を加える(又は滴下する)ことが好まし
い。最終的に加えられる硝酸の量は、グリオキザールと
硝酸の配合割合でグリオキザール/硝酸=2.5〜5.
5(モル比)、好ましくは3〜5(モル比)である。該
硝酸の配合量が2.5未満ではグリオキザールの転化率
が低くなり、5.5を越えるとグリオキシル酸の選択率
が悪くなりシュウ酸の副生が多くなり好ましくない。
【0010】反応終了液は、そのまま或いは副生するシ
ュウ酸を結晶として分離した後、グリオキシル酸水溶液
として得、蒸留法、イオン交換樹脂処理法、電気透析法
等の方法により精製され、アモキシリンやバニリン等の
合成中間体として使用される等、種々の目的に使用され
る。
【0011】本発明の製造方法は、エチレングリコール
を酸化して製造されるグリオキザール中のエチレングリ
コール、ホルムアルデヒド及びギ酸の含有量をグリオキ
ザールに対してそれぞれ2.5重量%以下に調整した
後、該グリオキザールを硝酸酸化しているため、副反応
等による危険性もなく、安全にかつ効率よくグリオキシ
ル酸を製造することができるのである。
【0012】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて具体的
に説明する。尚、例中「部」、「%」とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。 実施例1 エチレングリコール5300kgを銀を触媒として亜リ
ン酸トリメチルの存在下により酸化し、その後水蒸気ス
トリッピング、イオン交換樹脂による精製を行い、エチ
レングリコール0.41%、ホルムアルデヒド0.01
3%、ギ酸0.09%に調整された40%グリオキザー
ルを7987.5kg得た。(グリオキザールに対して
エチレングリコール1.02%、ホルムアルデヒド0.
033%、ギ酸0.23%であった。) 上記の40%グリオキザール7987.5kgを反応缶
に仕込み、54℃まで昇温し、8kg/cm2まで加圧
し、空気530Nm3/Hrを吹き込んだ。次に、内温
を58〜60℃にコントロールしながら14%硝酸35
50kgを滴下し、滴下終了後続けて40%硝酸930
kgを内温を58〜60℃にコントロールしながら滴下
した。(グリオキザールと硝酸の配合割合:グリオキザ
ール/硝酸=4.0(モル比))
【0013】滴下終了後、7時間反応を続けた後、50
℃まで冷却し、副生するシュウ酸をろ別し、グリオキシ
ル酸の水溶液を10550kgを得た。グリオキシル酸
の濃度は26.2%で、2764kg生成しており、グ
リオキザールに対する収率は67.8%であった。上記
のグリオキザールを用いたグリオキシル酸の製造方法で
は、安全でかつ効率よくグリオキシル酸を得ることがで
きた。
【0014】実施例2 実施例1において、グリオキザール中のエチレングリコ
ール、ホルムアルデヒド及びギ酸の含有量をそれぞれ
0.28%、0.007%、0.04%に調整したグリ
オキザールを用いた(グリオキザールに対してエチレン
グリコール0.7%、ホルムアルデヒド0.018%、
ギ酸0.1%であった。)以外は同様に行い、グリオキ
シル酸水溶液を10550kg得た。グリオキシル酸の
濃度は26.4%で、グリオキザールに対する収率は6
8.3%であった。上記製造方法では安全でかつ効率よ
くグリオキシル酸を得ることができた。
【0015】比較例1 実施例1において、グリオキザール中のエチレングリコ
ール、ホルムアルデヒド及びギ酸の含有量がそれぞれ
1.07%、0.013%、1.24%であるグリオキ
ザールを用いて(グリオキザールに対してエチレングリ
コール2.68%、ホルムアルデヒド0.033%、ギ
酸3.1%であった。)、同様に行った。しかしなが
ら、40%硝酸を滴下するところで、急激に温度上昇が
起こり、反応を停止せざるを得なかった。
【0016】
【発明の効果】本発明の製造方法は、エチレングリコー
ルを酸化して製造されるグリオキザール中のエチレング
リコール、ホルムアルデヒド及びギ酸の含有量をグリオ
キザールに対してそれぞれ2.5重量%以下に調整した
後、該グリオキザールを硝酸酸化しているため、副反応
等による危険性もなく、安全にかつ効率よくグリオキシ
ル酸を製造することができるのである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレングリコールを酸化して得られた
    グリオキザール中のエチレングリコール、ホルムアルデ
    ヒド及びギ酸の含有量をグリオキザールに対してそれぞ
    れ2.5重量%以下に調整した後、該グリオキザールを
    硝酸酸化することを特徴とするグリオキシル酸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 グリオキザールの硝酸酸化において、反
    応時の温度を55〜65℃に調整しながら、硝酸を加え
    ることを特徴とする請求項1記載のグリオキシル酸の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 グリオキザールの硝酸酸化において、反
    応時の圧力を6〜9kg/cm2とし、空気又は酸素を
    吹き込みながら反応を行うことを特徴とする請求項1又
    は2記載のグリオキシル酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 グリオキザールの硝酸酸化において、グ
    リオキザールと硝酸の配合割合が、グリオキザール/硝
    酸=2.5〜5.5(モル比)であることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載のグリオキシル酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 グリオキザールの硝酸酸化において、8
    〜15%硝酸を仕込み液全量に対して硝酸量が3〜7重
    量%となるように加え、次に、35〜45%硝酸を加え
    ることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のグリオ
    キシル酸の製造方法。
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