JP2007077081A - 乳酸アンモニウムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 乳酸アンモニウムを高濃度(高収率)で含む水溶液を製造できる方法を提供する。
【解決手段】 乳酸水溶液とアンモニア水とを反応させることにより乳酸アンモニウムを製造する方法において、乳酸水溶液へのアンモニア水の添加を少なくとも2回に分けて行ない、各添加工程間に、12〜24時間の熟成を行なうことを特徴とする、乳酸アンモニウムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳酸アンモニウムの製造方法に関するものである。特に、本発明は、高濃度の乳酸水溶液から短時間で乳酸アンモニウムを製造する方法に関するものである。
乳酸アンモニウムは、pH調整剤、小麦粉処理剤、肌に潤いを与える保湿剤などの様々な用途で使用されている。従来、乳酸アンモニウムは、化学合成によって乳酸水溶液をアンモニア水と反応させることによって、あるいはアンモニアでpHを調整しながら乳酸発酵を行なうことによって製造される(特許文献1)。
一般に乳酸水溶液中には、2量体や3量体等の乳酸の縮合物が存在している。この縮合物は、アンモニアと反応しにくい上、またアンモニアと反応すると、乳酸アミド[(CH)(OH)CH−CO−NH]となるため、縮合物は乳酸アンモニウムへの変換反応には全く供されない。このため、特に高濃度の乳酸水溶液を用いる場合には、含まれる縮合物の量も多いため、得られる乳酸アンモニウムの収率がかなり低くなってしまうという問題があった。
このため、乳酸アンモニウムの収率を上げることを目的として、化学合成によって乳酸をアンモニアと反応させる場合には、下記比較例1に記載されるように、アンモニアとの反応前に、乳酸を過剰の水で希釈して乳酸濃度の低い水溶液を調製し、この水溶液を1日程度放置した後、アンモニア水を加えて乳酸とアンモニアとの反応を行なう方法が考えられている。当該方法は、希薄な乳酸水溶液の放置中に、乳酸縮合物が加水分解して乳酸に戻ることを利用し、このような方法を利用すれば、乳酸純度を上げることができ、ゆえに乳酸アンモニウムの収率を向上できる。または、同様の理由から、下記比較例2に記載されるように、最初から乳酸濃度の低い乳酸水溶液を出発材料として用いて、アンモニアと反応させる方法もまた考えられている。
特開平6−311886号公報
しかしながら、前者の方法は、希釈水溶液を放置する時間がかなりかかる上、アンモニア水添加後も反応に十数時間を要するため、全工程に約3日間という非常に長い時間を要し、産業上好ましくないという問題があった。また、後者の方法では、乳酸濃度の低い、即ち、水含量の多い乳酸水溶液から出発しているため、得られる乳酸アンモニウム水溶液中の乳酸アンモニウムの濃度も低くなる。このため、高濃度の乳酸アンモニウム水溶液を得ようとする場合には、得られた希薄な乳酸アンモニウム水溶液から水を蒸留するなどの脱水工程を行なうことが必要となり、このための設備を必要とする。さらに、このような脱水工程では、得られた乳酸アンモニウムの一部が乳酸とアンモニアに分解するが、これにより目的物である乳酸アンモニウムの収率が低下する上、アンモニアは有毒であり排水する前に除去される必要がある。このため、このような方法を用いる場合には、脱水工程用の設備と、アンモニア除去用の設備がさらに必要となり、この方法もまた、産業上の観点から好ましい方法とはいえなかった。
また、上記方法に加えて、乳酸水溶液に直接アンモニアガスを吹き込んで乳酸アンモニウムを製造する方法も考えられるが、当該方法は、高圧ガスを使用する方法でありかつ毒性ガスでもあるアンモニアガスの操作が難しいことから、実際に当該方法を使用することは困難であった。
上述したように、従来の方法によって、60%を超える高濃度の乳酸水溶液を希釈することなく直接アンモニアと反応させることにより、高濃度の乳酸アンモニウム水溶液を短時間で容易に製造する、あるいはガスを使用せずに高濃度乳酸アンモニウムを製造することは困難であった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、高濃度の乳酸水溶液を希釈することなく直接アンモニアと反応させることにより、乳酸アンモニウムを高濃度で含む水溶液を製造できる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意研究を行った結果、乳酸水溶液へのアンモニアの添加を数回に分けて行ない、かつ各添加工程間を所定時間あけて行なうことによって、高濃度の乳酸水溶液を用いてアンモニア水と直接反応させても、乳酸水溶液中の縮合物が収率に悪影響を与えることなく、高い収率で且つ短時間で高濃度の乳酸アンモニウム水溶液を製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記目的は、乳酸水溶液とアンモニア水とを反応させることにより乳酸アンモニウムを製造する方法において、乳酸水溶液へのアンモニア水の添加を少なくとも2回に分けて行ない、各添加工程間に、12〜24時間の熟成を行なうことを特徴とする、乳酸アンモニウムの製造方法によって達成される。
本発明の方法によれば、高濃度の乳酸水溶液を出発材料として用いて直接アンモニアと反応させることにより、高濃度の乳酸アンモニウム水溶液を短時間でかつ容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、乳酸水溶液とアンモニア水とを反応させることにより乳酸アンモニウムを製造する方法において、乳酸水溶液へのアンモニア水の添加を少なくとも2回に分けて行ない、各添加工程間に、12〜24時間の熟成を行なうことを特徴とする、乳酸アンモニウムの製造方法に関するものである。このように、乳酸水溶液とアンモニア水との反応において、アンモニア水の添加を途中で少なくとも1回中止して、所定時間、放置(熟成)することによって、50%以上という高濃度で縮合物を多量に含む乳酸水溶液を希釈せずにそのまま出発原料として用いて、アンモニア水と直接反応させても、高濃度の乳酸アンモニウム水溶液を簡単な装置でかつ短時間で製造することが可能である。アンモニア水の添加を分けることによって高濃度の乳酸アンモニウム水溶液を得ることができる理由は明らかではないが、添加の途中に設けられた熟成工程中に、反応溶液中に含まれる乳酸縮合物(特に乳酸の2量体や3量体等のオリゴマー)が加水分解されて乳酸(単量体)に変換され、このため、縮合物はアンモニアと反応して乳酸アミドとなることなく、乳酸としてアンモニアとの反応に供されうるためであると考えられる。なお、本発明は、上記考察によって限定されるものではない。
本発明において、乳酸は、特に制限されず、石油化学製品から化学合成によって製造されてもあるいは特開平6−311886号公報に記載される方法などを用いて発酵法により製造されてもいずれでもよく、または市販品を使用してもよい。なお、上述したように、乳酸中には一般的に乳酸縮合物が全量(乳酸+乳酸縮合物の合計量)に対して5〜40質量%程度含まれている。
本発明において、使用される乳酸水溶液中の乳酸濃度は、特に制限されないが、得られる乳酸アンモニウムの量などを考慮すると、高い濃度であることが好ましい。より好ましくは、乳酸水溶液中の乳酸濃度は、60質量%以上、好ましくは60〜100質量%、さらにより好ましくは70〜100質量%、最も好ましくは80〜100質量%である。この際、乳酸の濃度が60質量%未満であると、乳酸アンモニウムが十分高い濃度で得られず、また、得られる乳酸アンモニウム水溶液中の水分が多くなり、脱水工程が必要とされる場合がある。逆に、乳酸の濃度が100質量%を超えると、縮合物が多量に含まれすぎて、後のアンモニアとの反応の際に乳酸アミドが副生成物として生成してしまい、さらに乳酸アミドを乳酸アンモニウムに変換させることが難しいため、乳酸アンモニウムの収率が下がってしまう場合がある。なお、上記乳酸濃度は、乳酸に換算した場合の値であり、乳酸縮合物については乳酸に換算した値(例えば、乳酸の2量体は乳酸2モルとして換算される)が含まれている。
本発明において、乳酸水溶液に添加されるアンモニア水の全投入量は、十分量の乳酸アンモニウムが得られる量であれば特に制限されないが、乳酸アンモニウム中のアンモニアが遊離してアンモニアガスが排出されることを防ぐためには、投入される乳酸に対してやや少ない量に設定することが好ましい。具体的には、アンモニアの全投入量が、乳酸1モルに対して、0.7〜0.98モル、特に好ましくは0.75〜0.95モルとなるような量であることが好ましい。当該範囲であれば、十分量の乳酸単量体がアンモニアと効率よく反応でき且つ反応物からのアンモニア遊離は十分抑制できる。また、乳酸水溶液に添加されるアンモニア水のアンモニア濃度は、乳酸と効率よく反応できる濃度であれば特に制限されないが、15〜40質量%、さらにより好ましくは20〜35質量%、最も好ましくは22〜33質量%である。
本発明では、乳酸水溶液へのアンモニア水の添加を少なくとも2回に分けて行なうことを必須とするが、この際、アンモニア水を添加する回数は、作業の行ないやすさや全工程にかかる時間などを考慮すると、2〜4回、より好ましくは2〜3回、特に好ましくは2回である。
また、この際の各添加工程でのアンモニア水の添加量は、乳酸縮合物とは反応せずにかつ乳酸単量体とは効率よく反応する量であれば制限されない。例えば、アンモニア水を2回に分けて添加する場合には、1回目の添加工程で、アンモニア水の全投入量に対して、79〜97質量%のアンモニア水を添加し、2回目の添加工程で、残りの21〜3質量%のアンモニア水を添加することが好ましく;より好ましくは、1回目の添加工程で、アンモニア水の全投入量に対して、82〜95質量%のアンモニア水を添加し、2回目の添加工程で、残りの18〜5質量%のアンモニア水を添加し;さらにより好ましくは、1回目の添加工程で、アンモニア水の全投入量に対して、85〜93質量%のアンモニア水を添加し、2回目の添加工程で、残りの15〜7質量%のアンモニア水を添加し;最も好ましくは、1回目の添加工程で、アンモニア水の全投入量に対して、91質量%のアンモニア水を添加し、2回目の添加工程で、残りの9質量%のアンモニア水を添加する。
乳酸水溶液へのアンモニア水の添加する際の、混合溶液の温度は、特に制限されないが、乳酸とアンモニアを混合すると中和反応が起こり、発熱するため、混合溶液の温度は一般的に添加中に上昇し、温度が高くなりすぎると、溶液中のアンモニアがガスとなって出てきてしまう可能性がる。このため、乳酸水溶液にアンモニア水を添加、混合する温度は、0〜40℃、より好ましくは0〜30℃に調節することが好ましい。また、上記したように、本発明に係る反応は乳酸のアンモニアによる中和反応であり、この際のアンモニア水の乳酸への添加・混合中の混合溶液のpHは、乳酸とアンモニアとの反応が良好に進行できるような値であればよく、6以下になるように調節される。
乳酸水溶液にアンモニア水を添加する速度は、乳酸とアンモニアとの急速な反応による過熱による沸騰が起きず、かつ反応が進行する速度であれば特に制限されない。
また、本発明では、乳酸水溶液にアンモニア水の一部を添加する各添加工程間に、混合液を放置する熟成工程を入れる。この熟成期間中に、反応溶液中に含まれる乳酸縮合物(特に、乳酸のオリゴマー)が加水分解されて乳酸(単量体)に変換されると考えられる。このため、熟成時間は、乳酸縮合物の乳酸への変換を考慮して、12〜24時間である。より好ましくは、熟成時間は、13〜21時間、さらにより好ましくは14〜18時間であり、前日の17時ごろ1回目のアンモニア水の添加を終了した後、翌日の9時ごろに2回目のアンモニア水の添加を開始することが実際の作業形態を考慮すると適当であるため、熟成時間を16時間とすることが特に好ましい。
本発明における熟成条件は、反応溶液中に含まれる乳酸縮合物(オリゴマー)が加水分解されて乳酸(単量体)に変換される条件であれば特に制限されず、また、上記したように混合工程では、中和熱により混合溶液の温度が上昇しているが、熟成工程では特に加熱や冷却などを行なう必要はなく、混合溶液を静置することによって十分熟成工程が達成できる。ただし、熟成温度は、具体的には、80℃以下、より好ましくは80〜45℃、特に好ましくは75〜50℃になるように、調節されることが好ましい。このため、添加工程後に得られた乳酸−アンモニア混合水溶液の温度が上記範囲を逸脱する場合には、熟成工程前に予め混合液を所望の温度になるまで冷却することが好ましい。また、熟成中の反応溶液のpHは、乳酸縮合物の形成やアンモニアガスの遊離が抑制されかつ乳酸とアンモニアとの反応は良好に進行できるような値であればよい。
このようにして得られた乳酸アンモニウム水溶液は、高濃度の乳酸水溶液を希釈することなく、直接アンモニアと反応させることによって得られるため、58%以上という高濃度で得られる。また、本発明の方法では、アンモニア水の添加を2段階以上に分けて行ない、各添加工程間に熟成工程を設けることによって、熟成工程中に縮合物を乳酸単量体に変換させている。このため、縮合物濃度は低くかつ乳酸アンモニウム濃度は高い乳酸アンモニウム水溶液が得られる。なお、得られた乳酸アンモニウム水溶液は、アンモニアの発生を防ぐ理由から、pHが若干乳酸過剰の酸性領域であることが好ましく、より具体的にはpHが4.5〜6.0程度になるように調節されることが好ましい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1
総酸量90.5%の乳酸(縮合物を17%含む)水溶液1kg、蒸留水93.3gを均一に混合した乳酸水溶液に、28%アンモニア水を488.4g(対乳酸モル比:0.8モル)を添加、混合した。この際、アンモニア水の添加に160分を要した。混合液の温度は、混合とともにすぐに上昇し、添加終了時に100℃に到達した。添加・混合後、液温度が80℃になるまで冷却し、この混合液を16時間、静置した。16時間静置した後の混合液の温度は、60℃であった
16時間静置した後、再び28%アンモニア水を48.3g(対乳酸モル比:0.08モル)を添加、混合した。添加に要した時間は20分、液温度は変動しなかった。
その結果、乳酸アンモニウムを58.1%及び乳酸を6.7%含む乳酸アンモニウム水溶液1630.0gを製造した。この際、上記方法で乳酸アンモニウム水溶液を製造するのに要した時間は熟成16時間を入れても2日間であった。また、製造された乳酸アンモニウム水溶液のpHは、5.44であった。
実施例2
第1回目のアンモニア水添加後の放置時間を12時間にした以外は実施例1に記載された方法と同じ方法により、乳酸アンモニウム水溶液を製造したところ、乳酸アンモニウムを58.1%及び乳酸を6.7%含む乳酸アンモニウム水溶液を製造した。また、得られた乳酸アンモニウム水溶液のpHは、5.44であった。
実施例3
第1回目のアンモニア水添加後の放置時間を20時間にした以外は実施例1に記載された方法と同じ方法により、乳酸アンモニウム水溶液を製造したところ、乳酸アンモニウムを58.1%及び乳酸を6.7%含む乳酸アンモニウム水溶液を製造した。また、得られた乳酸アンモニウム水溶液のpHは、5.44であった。
実施例4
第1回目に添加する28%アンモニア水の量を520.6gとし、かつ第2回目の28%アンモニア水の添加量を16.1gにそれぞれ変更した以外は実施例1に記載された方法と同じ方法により、乳酸アンモニウム水溶液を製造したところ、乳酸アンモニウムを58.1%及び乳酸を6.7%含む乳酸アンモニウム水溶液を製造した。また、得られた乳酸アンモニウム水溶液のpHは、5.43であった。
実施例5
第1回目に添加する28%アンモニア水の量を456.2gとし、かつ第2回目の28%アンモニア水の添加量を80.5gにそれぞれ変更した以外は実施例1に記載された方法と同じ方法により、乳酸アンモニウム水溶液を製造したところ、乳酸アンモニウムを58.1%及び乳酸を6.7%含む乳酸アンモニウム水溶液を製造した。また、得られた乳酸アンモニウム水溶液のpHは、5.43であった。
比較例1
総酸量90.5%の乳酸(縮合物を17%含む)水溶液1kg、蒸留水93.3gを均一に混合し、混合液を90℃に昇温した後、20時間放置した。放置後、乳酸水溶液に、28%アンモニア水 536.7g(対乳酸モル比:0.88モル)を添加、混合した。この際、アンモニア水の添加に3時間を要した。混合液の温度は、混合とともにすぐに上昇し、添加終了時に100℃に到達した。添加・混合後、液温度が80℃になるまで冷却し、この混合液を16時間、放置した。
その結果、乳酸アンモニウムを58.1%及び乳酸を6.7%含む乳酸アンモニウム水溶液1630.0gを製造した。この際、上記方法で乳酸アンモニウム水溶液を製造するのに、単に各工程にかかった時間を合計するだけでも39時間(=20+3+16)かかり、実際の作業工程をみると、3日を要した。また、製造された乳酸アンモニウム水溶液のpHは5.44であった。
比較例2
総酸量50.5%の乳酸(縮合物を3%含む)水溶液1kgを撹拌しながら、28%アンモニア水を323.6g(対乳酸モル比:0.88モル)徐々に添加した。この際、添加時間は3時間であった。アンモニア水を添加するにつれ、液温は上昇し、添加終了時には100℃近くまで到達した。この混合液をそのまま撹拌しながら冷却し、液温が80℃以下になった段階で冷却を止め、そのまま20時間放置した。
20時間放置した後、生成した乳酸アンモニウムの濃度を高めるために、反応液を蒸留塔が付属した反応釜に移し、13.33kPa(100mmHg)に減圧しながら加熱、脱水を行ない、乳酸アンモニウムを濃縮した。これにより、乳酸アンモニウム濃度が58.1%であり、乳酸濃度が6.7%である乳酸アンモニウム溶液908.9gを得た。なお、上記脱水工程で留出させた水の量は、399.7g、アンモニア量は6.5gであった。ここで、残りの水8.5g[=(1000+323.6)−(908.9+399.7+6.5)]は、上記濃縮工程で、減圧中に減圧系(水流アスピレーター)に逃げてしまったものであると考えられる。

Claims (4)

  1. 乳酸水溶液とアンモニア水とを反応させることにより乳酸アンモニウムを製造する方法において、
    乳酸水溶液へのアンモニア水の添加を少なくとも2回に分けて行ない、各添加工程間に、12〜24時間の熟成を行なうことを特徴とする、乳酸アンモニウムの製造方法。
  2. 乳酸水溶液へのアンモニア水の添加を2回に分けて行ない、
    第一の添加工程において、アンモニア水の全投入量に対して、79〜97質量%のアンモニア水を乳酸水溶液中に添加、混合し、
    熟成工程において、得られた混合液を、12〜24時間、熟成し、さらに
    第二の添加工程において、残りのアンモニア水を前記熟成後の混合液に添加、混合する
    工程を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 乳酸水溶液における乳酸濃度が、60〜100質量%である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 各添加工程間の熟成時間は、13〜21時間である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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