JPH11171448A - 乗客コンベアの本体枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】土木あるいは建築による高強度構築部の数を減
らし、施工期間とコストの縮減を図り得る乗客コンベア
の本体枠の構成を提供する。 【解決手段】本体枠２の下部側の底部を下部枠体２Ａの
底部２ＡＡから傾斜部枠体２Ｂの底部２ＢＢの一部にか
けて水平延長した水平底部２Ｄとなし、この水平底部２
Ｄ全体をピット８上に載置して本体枠２の下部側を支持
する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上下階床に跨って
設置されるエスカレーターあるいは動く歩道等の乗客コ
ンベアに係り、特にその下部本体枠を支持するに好適な
構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、駅ホーム等に設置される長い乗
客コンベアは、例えば、実開昭51−116591号公報に記載
のように、上下階床間をトラス構造体等の本体枠が跨ぐ
ように設置されるもので、その上階側は上階床の構築物
に、その下階側は下階床の構築物に、上下階床間の中間
点は独立した構築物にそれぞれ支持される構成となって
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の支持構成
は、乗客コンベアの長手方向を上階床，下階床及び中間
点の３箇所で本体枠を支持して構成装置と乗客の全重量
を集中的に負担する構成となっていた。そして、通常１
０トン以上にもなる全体重量を支持するための土木ある
いは建築の高強度構築部を上記３箇所に分散して施工し
なければならず、乗客コンベア設置上の工期とコストが
隘路とされ、その解決が望まれていた。

【０００４】本発明の目的とするところは、土木あるい
は建築による高強度構築部の数を減らして施工に要する
期間とコストを縮減できる乗客コンベアの本体枠を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、上階床と下階床の間に下部枠体，傾斜部枠
体及び上部枠体を連結して配置される本体枠と、この下
部枠体の上面を形成する下部水平床と、この上部枠体の
上面を形成する上部水平床を備え、この下部水平床の下
側の下部枠体と傾斜部枠体の一部が、下階床に構築され
たＵ字溝状のピットに収納されるものにおいて、前記本
体枠の下部側の底部を、前記下部枠体の底部から前記傾
斜部枠体の底部の一部にかけて水平に連続する水平底部
となし、この水平底部全体を前記ピット内の土木床に載
置して設置する構成としたのである。

【０００６】上記構成によれば、本体枠の下部側の底部
が、下部枠体の底部から傾斜部枠体の底部の一部にかけ
て水平に連続する水平底部を形成し、この水平底部全体
が上記ピット内の土木床上に直接的に載置されるので、
乗客コンベア側及び構築側とも大型の支持柱や支持構造
物が不要となる。また、上記水平底部により本体枠の下
部側の広い面積が支持されるので、従来の下階床と中間
点２箇所分をピット内１箇所に集約でき、実質的に従来
比２／３相当の上階床と下階床側の高強度構築だけで支
持できる構成となって、その施工期間，必要コストの両
面で大幅な改善を図ることができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１〜図３について説明する。乗客コンベア１は、下階床
Ｆ１と上階床Ｆ２に跨って設置され、この両階床Ｆ１と
Ｆ２を下部枠体２Ａ，傾斜部枠体２Ｂ及び上部枠体２Ｃ
を連結した形の本体枠２と、この下部枠体２Ａの上面を
形成する下部水平床３と、この上部枠体２Ｃの上面を形
成する上部水平４と、この両水平床３及び４の間を周知
の無端チェーン（図示せず）によって無端状に連結され
て移動する踏段５と、この踏段５の下部曲線路５Ａ，傾
斜路５Ｂ，上部曲線路５Ｃの連続側壁を形成する欄干６
と、側壁の手摺となるハンドレール７等で構成されてい
る。ここで、本体枠２の下部側は、下部水平床３の下部
枠体２Ａの底部２ＡＡから傾斜部枠体２Ｂの底部２ＢＢ
の一部にかけて連続的に水平に延長された形の水平底部
２Ｄとなっていて、この水平底部２Ｄ部分の全てが、下
階床Ｆ１に側壁８Ａ，８Ｂと土木床８ＣでＵ字溝状に構
築されたピット８の深さＨ，長さＬ４の範囲内に収納さ
れている。一方、この本体枠２の上部枠体２Ｃは、図２
に示すように土木あるいは建築による構築梁９の上に、
調整板１０を介した状態で本体枠２の端部２ａに固定さ
れた梁体２ｂが重なり代Ｌ１をもって装架，設置されて
いる。さらに、本体枠２の下部側は、従来と同様な下部
の水平部長さＬ５（図３）に対して傾斜部枠体２Ｂ側に
水平底部長さＬ６（図３）分を延長して水平底部２Ｄを
形成したもので、従来の傾斜部枠体の底部（図３の想像
線Ｘ）の一部を失くして垂直高さｈ分を新たに追加した
形の一体的トラス構造（図３）となっている。この場
合、水平底部２Ｄと土木床８Ｃとの間には、この水平底
部２Ｄに固設された受座２ＡＡＡと２ＢＢＢが設けら
れ、これと対向した位置の土木床８Ｃに固設されて支持
台１１，１２との間に摺動体１３と１４を介した形で設
けられている。そして、地震などで本体枠２の下部側が
滑動した場合に、この摺動体１３と１４が受座２ＡＡ
Ａ，２ＢＢＢと支持台１１，１２との間の摺動抵抗を減
じる仕組みとなっている。また、この本体枠２の底面は
外装板１５（図３）によりピット８の開口部と共に被覆
されるものである。

【０００８】上記のようにしたことにより、乗客コンベ
ア１の本体枠２の全長Ｌ（図１）の上部側が構築梁９
に、下部側がピット８の中の支持台１１，１２で支持さ
れるので、この乗客コンベア１の設置に要する土木ある
いは建築の構築工事が実質的に２箇所（従来は３箇所に
分散）に集中化される。また、支持台１１，１２による
本体枠２の下部側の支持が２箇所一括支持となり、これ
の間隔Ｌ２(図１，図３)が全長Ｌを減じて支持点間隔を
Ｌ３（図１）とならしめるため、従来の中間点（図１の
想像線Ｙの位置）での支持構築が不要となる効果があ
る。さらに、本体枠２の下部側の重量が水平底部２Ｄに
より土木床８上の広い面積に分散される形となるので、
単位面積当たりの荷重負担が少ない構築工事で対応でき
る利点がある。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、土
木あるいは建築による高強度構築部の数を減らすことが
でき、施工に要する期間とコストを縮減できる乗客コン
ベアの本体枠の構成を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による乗客コンベアの本体枠の一実施の
形態を示す全体斜視図。

【図２】図１のＩ−Ｉ線に沿う断面図。

【図３】図１のII−II線に沿う断面図。

【符号の説明】

１…乗客コンベア、Ｆ１…下階床、Ｆ２…上階床、２…
本体枠、２Ａ…下部枠体、２ＡＡ，２ＢＢ…底部、２Ａ
ＡＡ，２ＢＢＢ…受座、２Ｂ…傾斜部枠体、２Ｃ…上部
枠体、２Ｄ…水平底部、３…下部水平床、４…上部水平
床、５…踏段、５Ａ…下部曲線路、５Ｂ…傾斜路、５Ｃ
…上部曲線路、６…欄干、７…ハンドレール、８…ピッ
ト、８Ａ，８Ｂ…側壁、８Ｃ…土木床、９…構築梁、１
０…調整板、１１，１２…支持台、１３，１４…摺動
体。

フロントページの続き (72)発明者 小嶋 和平 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内 (72)発明者 吉澤 貞一 東京都渋谷区代々木二丁目二番二号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 椎名 康治 東京都渋谷区代々木二丁目二番二号 東日 本旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 大和 幸治 東京都渋谷区代々木二丁目二番二号 東日 本旅客鉄道株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上階床と下階床間に下部枠体，傾斜部枠体
   及び上部枠体を連結して配置される本体枠と、この下部
   枠体の上面を形成する下部水平床と、この上部枠体の上
   面を形成する上部水平床を備え、この下部水平床の下側
   の下部枠体と傾斜部枠体の一部が、下階床に構築された
   Ｕ字溝状のピットに収納されるものにおいて、前記本体
   枠の下部側の底部を、前記下部枠体の底部から前記傾斜
   部枠体の底部の一部にかけて水平に連続する水平底部と
   なし、この水平底部全体を前記ピット内の土木床に載置
   して設置する構成としたことを特徴とする乗客コンベア
   の本体枠。