JPH11170852A - 自動車用冷房装置 - Google Patents

自動車用冷房装置

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JPH11170852A
JPH11170852A JP9337418A JP33741897A JPH11170852A JP H11170852 A JPH11170852 A JP H11170852A JP 9337418 A JP9337418 A JP 9337418A JP 33741897 A JP33741897 A JP 33741897A JP H11170852 A JPH11170852 A JP H11170852A
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JP
Japan
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orifice
refrigerant
pressure
side circuit
pressure side
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JP9337418A
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English (en)
Inventor
Seiji Sato
誠二 佐藤
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Publication of JPH11170852A publication Critical patent/JPH11170852A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B41/00Fluid-circulation arrangements
    • F25B41/30Expansion means; Dispositions thereof
    • F25B41/385Dispositions with two or more expansion means arranged in parallel on a refrigerant line leading to the same evaporator

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で温度式膨脹弁と同等の性能を持
つ冷媒流量調整機能を持ったオリフィス部を有する自動
車用冷房装置を提供する。 【解決手段】 円筒形状の第1部材30に二つのオリフ
ィス41、42が形成された円柱形状の第2部材40を
摺動自在に嵌挿し、第2部材40を負荷によって決まる
入口と出口の圧力差とスプリング50の弾撥力とのバラ
ンスにより進退移動させて、作用するオリフィスの数を
切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクル中に
冷媒膨脹用のオリフィス部を有する自動車用冷房装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用冷房装置の中には、温度式膨脹
弁の代わりに弁開度の調整機能のないオリフィス部を用
いて冷凍サイクルを構成し、冷媒の絞り膨脹を行うよう
にしたものがある。この種の自動車用冷房装置の冷凍サ
イクル1は、図6に示すように、図示しない走行用のエ
ンジンによってベルト等を介して駆動されるコンプレッ
サ2と、このコンプレッサ2によって圧縮され高温高圧
となった冷媒を走行風等により冷却し凝縮液化させるコ
ンデンサ3と、コンデンサ3からの冷媒を絞り膨脹させ
るオリフィス部4と、冷媒を蒸発させて車室内に吹き出
す空気を冷却するエバポレータ5と、余剰冷媒の貯溜と
気液の分離を行いガス冷媒のみをコンプレッサ2に戻す
アキュムレータ6とから構成されている。
【0003】固定オリフィスシステムは冷媒膨脹用に絞
り度(開度ともいう)が固定の固定オリフィス(たとえ
ば、細径チューブからできているオリフィスチューブを
オリフィス部4としたもの)を採用したシステムであ
り、通常、最大冷房時を基準に設計されている。すなわ
ち、エバポレータ5内の冷媒圧力を最大冷房時に必要と
する程度の低い圧力に維持しうる絞り度となるようにオ
リフィスチューブの内径を設計するとともに、最大冷房
時に必要とする冷媒流量をエバポレータ5内に流すよう
にしている。かかるシステムは、構造が簡単で製造コス
トが抑えられるというメリットがあるため、欧米の一部
のカーエアコンで用いられている。
【0004】ところが、固定オリフィスシステムは、一
般に、通常走行時(中高速走行時)を設計基準とし、こ
の基準時で最大冷房状態となる冷媒流量が得られるよう
にオリフィスチューブの内径を設定してあるため、性能
面において低負荷時、高速走行時などの冷房能力は十分
に備えるが、元来冷媒流量調節機能がないため、高負荷
時、アイドリング時などの冷房能力が不足するという欠
点がある。かかる欠点は、交通渋滞などがない環境では
実際上それほど問題とはならないが、交通渋滞などが頻
繁に起こる環境では重大な問題となる。
【0005】そこで、アイドリング時の冷力不足を補
い、高速走行からアイドリングまでの車速の全範囲に対
応して冷房能力を維持するため、入口と出口の圧力差を
感知して冷媒流量を二段階に制御する冷媒膨脹システム
(ダブルオリフィスシステム)が考案されている。この
ダブルオリフィスシステムの作動原理は、径違いのオリ
フィスを環境条件によって使い分けることで冷媒流量の
調整を行うというものである。これにより、温度式膨脹
弁を用いたシステムに代わる安価なシステムを提供する
ことができる。
【0006】このようなダブルオリフィスシステムとし
て、たとえば、図7に示すようなものが提案されている
(実開平2−73569号公報)。
【0007】このオリフィス部4aは、コンデンサ3と
連通する入口ポート11とエバポレータ5と連通する出
口ポート12とが形成されたケーシング10を有し、こ
のケーシング10内部の入口ポート11側には弁収容室
13が形成されている。この弁収容室13には第1オリ
フィスチューブ17を取り付けた弁体14が進退自在に
嵌挿されている。この弁体14はスプリング15によっ
て高圧側に常時バネ付勢されている。弁体14とケーシ
ング10内周壁に設けた弁口18との間には、弁体14
の進退移動によって開閉される冷媒流通路であるスロー
ト部19が形成されている。また、弁収容室13と低圧
側回路を仕切る隔壁部20には、両ポート11、12を
連通し第1オリフィスチューブ17よりも大きい径を持
った第2オリフィスチューブ21が貫通固定されてい
る。高速走行時などコンデンサを通過する走行風が多く
コンデンサでの冷媒冷却凝縮量が多いときや、冷房の負
荷の少ないときのように高圧側回路と低圧側回路の圧力
差が所定値以下であるとき、弁体14はスロート部19
を開き、入口ポート11に圧送されてきた冷媒はスロー
ト部19および第2オリフィスチューブ21を通って絞
り膨脹され、出口ポート12に噴出される。一方、渋滞
時のアイドリング時などコンデンサを通過する走行風が
少なくコンデンサでの冷媒凝縮量が少ないときや、冷房
の負荷の多いときのように前記圧力差が所定値以上であ
るときには、弁体14はスロート部19を閉じ、入口ポ
ート11に圧送されてきた冷媒は第1オリフィスチュー
ブ17を通って絞り膨脹される。これにより、エバポレ
ータ5内の冷媒の圧力が十分に低下され、冷媒の蒸発温
度が低下するので、アイドリング時の冷力不足が解消さ
れる。なお、同図中、16はケーシング10内周壁の複
数箇所に設けられたストッパである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のダブルオリフィスシステム(オリフィス部4
a)の構造にあっては、第1オリフィスチューブ17は
単に弁体14の中心軸に下流側に延伸して接続されてい
るだけであり、下流側に位置するその先端部(冷媒出口
側)17aは支持のないいわばフリーの状態となってい
るので、冷媒通過時に第1オリフィスチューブ17の先
端部17aが振れて冷媒の流れが安定しなくなるおそれ
がある。
【0009】また、上記のように、高速走行時などには
スロート部19は開いており、入口ポート11に圧送さ
れてきた冷媒の大部分はスロート部19を通過して弁収
容室13に噴出されて第1段目の絞り膨脹が行われ、さ
らに、第2オリフィスチューブ21を通過して出力ポー
ト12側に向かって噴出されて第2段目の絞り膨脹が行
われ、一方、アイドリング時などにはスロート部19は
閉じており、入口ポート11に圧送されてきた冷媒は第
1オリフィスチューブ17のみを通過して絞り膨脹が行
われることになっているが、実際には後者の場合におい
ても、冷媒がスロート部19で絞られ圧力降下を起こす
可能性がある。よって、いずれの場合においても、冷媒
がスロート部19で圧力降下を起こす可能性があるた
め、圧力差による流量制御が難しくなり、言わば狙った
制御ができないおそれがある。
【0010】本発明は、上記した従来のダブルオリフィ
スシステムにおける上記課題に着目してなされたもので
あり、簡単な構造で温度式膨脹弁と同等の性能を持つ冷
媒流量調整機能を持ったオリフィス部を有する自動車用
冷房装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、冷凍サイクルの高圧側回路
から低圧側回路に向かって循環しエバポレータに流入す
る冷媒を絞り膨脹させるオリフィス部を設けてなる自動
車用冷房装置において、前記オリフィス部は、冷媒配管
に固定される第1部材を有し、前記高圧側回路と前記低
圧側回路とを連通し冷媒の絞り膨脹を行う常時開放され
た第1オリフィスと、前記高圧側回路と前記低圧側回路
とを連通し冷媒の絞り膨脹を行う開閉制御される第2オ
リフィスとが形成され、前記高圧側回路と前記低圧側回
路との圧力差が所定値以上になると前記第2オリフィス
が閉鎖される第2部材を、前記第1部材内に進退自在に
嵌挿してなることを特徴とする。
【0012】この発明にあっては、自動車の走行状態な
どによって決まる高圧側回路と低圧側回路との圧力差が
所定値以下のとき(通常走行時)には、第2部材は後退
位置にあって第2オリフィスは開放されており、当該オ
リフィス部の入口に圧送されてきた冷媒は、第1オリフ
ィスと第2オリフィスを同時に通過して絞り膨脹が行わ
れ、当該オリフィス部の出口に噴出される。つまり、こ
の場合には、第1オリフィスと第2オリフィスが共に作
用する。
【0013】一方、アイドリング時など前記両回路の圧
力差が所定値以上のときには、第2部材は前進位置にあ
って第2オリフィスは閉鎖されており、当該オリフィス
部の入口に圧送されてきた冷媒は、第1オリフィスのみ
を通って絞り膨脹が行われた後、当該オリフィス部の出
口に噴出される。つまり、この場合には、専ら第1オリ
フィスのみが作用する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明の一実施の形態に係る自動車
用冷房装置に使用されるオリフィス部の構成部品を示す
分解斜視図である。また、図2は同オリフィス部の縦断
面模式図であり、同図(A)は通常走行時における状態
を示し、同図(B)はアイドリング時における状態を示
している。
【0016】このオリフィス部4bは、図6に示す冷凍
サイクル1において冷媒を断熱膨脹させて低温低圧の霧
状冷媒にする機能を有し、エバポレータ5に案内する冷
媒の流量および圧力を入口と出口の圧力差を感知して二
段階に制御する装置(ダブルオリフィスチューブ)であ
って、冷媒配管に取り付け固定される円筒形状の第1部
材30と、この第1部材30の中空部31内に軸心方向
に摺動(スライド)自在に嵌挿される円柱形状の第2部
材40と、スプリング(弾性体)50と、このスプリン
グ50のばね付勢を規制するスプリングストッパ60
と、第1部材30の外周部の冷媒の流れをシールするO
リング70とで構成されている。なお、このオリフィス
部4bは、たとえば、Oリング70を第1部材30に取
り付けた状態で冷媒配管の内部に圧入して使用される。
【0017】第1部材30に嵌挿される円柱形状の第2
部材40には、それぞれコンデンサ5とエバポレータ5
とを連通し冷媒の絞り膨脹を行う二つのオリフィス孔4
1、42が形成されている。オリフィス孔41は第1オ
リフィスとして機能するものであって(以下「メインオ
リフィス」という)、常時開放されている。オリフィス
孔42は第2オリフィスとして機能するものであって
(以下「アシストオリフィス」という)、後述するよう
に第2部材40の進退移動によって開閉制御されるよう
になっている。アシストオリフィス42は軸心上に形成
され、メインオリフィス41は軸心から離れた位置でア
シストオリフィス42と平行に並んで形成されている。
なお、コンデンサ3は高圧側回路の一部を構成し、エバ
ポレータ5は低圧側回路の一部を構成している。
【0018】第2部材40は、第1部材30の中空部3
1の入口側(高圧側)端部に摺動自在に嵌挿され、第1
部材30の中空部31の出口側(低圧側)端部にはスプ
リングストッパ60が圧入により嵌挿、固定されてい
る。スプリングストッパ60には、スリット61が設け
られ、このスリット61を通って冷媒が通過する。ま
た、スプリングストッパ60には、軸心上、アシストオ
リフィス42の出口を開閉するためのオリフィス開閉棒
62が突設されている。アシストオリフィス42の開閉
機構は第2部材40のスライド運動に支障のない形状と
されている。具体的には、アシストオリフィス42の径
よりもオリフィス開閉棒62の径を大きくし、かつ、オ
リフィス開閉棒62の先端部に丸みを設けてある。スプ
リング50は、第2部材40とスプリングストッパ60
との間に介装されている。
【0019】第2部材40は、スプリングストッパ60
との間に介装されたスプリング50によって高圧側、つ
まり冷媒の流れの上流側の方向に常時ばね付勢されてお
り、この第2部材40が進退移動することによってアシ
ストオリフィス42が開閉され、機能するオリフィスの
数が切り換えられる。つまり、第2部材40が後退位置
にあるとき、図2(A)に示すように、スプリング50
は定常状態を保ち、第2部材40は静止状態にあり、オ
リフィス開閉棒62がアシストオリフィス42の出口か
ら離れているため、アシストオリフィス42は開放状態
にあり、したがってメインオリフィス41とアシストオ
リフィス42とが共に機能するが、この状態から第2部
材40が低圧側の方向に前進移動すると、スプリング5
0が徐々に縮められ、最終的にオリフィス開閉棒62の
先端部がアシストオリフィス42の出口に当接してこれ
を閉鎖するため、常時開放状態にあるメインオリフィス
41のみが機能することになる。
【0020】このように、オリフィス部4bは第1部材
30と第2部材40を組み合わせた可変(二段)構造を
しており、第2部材40は、入口と出口の圧力差とばね
荷重とによって作動(可動)し、アイドリング時などの
凝縮圧力上昇時には低圧側、つまり冷媒の流れ方向に前
進移動して、アシストオリフィス42を閉鎖するように
なっている。
【0021】すなわち、第2部材40によるアシストオ
リフィス42の開閉は、第2部材40に作用する三つの
力、つまり高圧側回路の圧力と、スプリング50の弾撥
力と、低圧側回路の圧力によって決まる中空部31内の
圧力とのバランスによってなされる。特に、本実施の形
態では、高圧側回路の圧力(コンデンサ3における凝縮
圧力)と低圧側回路の圧力(エバポレータ5における蒸
発圧力)との圧力差が所定値以上になると、第2部材4
0がスプリング50の弾撥力に抗して前進移動してアシ
ストオリフィス42を閉鎖するように、スプリング50
の弾撥力の値を設定してある。ここで、コンデンサ3に
おける冷媒の凝縮圧力とは、コンプレッサ2の能力によ
る循環冷媒流量とコンデンサ3での熱負荷とによって決
まるものであり、エバポレータ5における冷媒の蒸発圧
力とは、前記循環冷媒流量とエバポレータ5での熱負荷
とによって決まるものであり、前記所定値とは、エンジ
ンがアイドリング状態で自動車用冷房装置1を作動させ
たときに生じる圧力差を意味している。
【0022】また、メインオリフィス41やアシストオ
リフィス42の径をどのような値に設定するかは、通常
走行時(たとえば、中高速走行時)およびアイドリング
時でそれぞれ最大冷房時に必要とされるエバポレータ5
の冷媒圧力および循環冷媒流量が得られるように設定さ
れている。たとえば、通常走行時には、両オリフィス4
1、42が同時に機能するが、それらの径は、両オリフ
ィス41、42が同時に機能する場合においてシステム
としてのオイル戻りなどの信頼性をも含めて一般の固定
オリフィスシステムと同等の性能を有する径(φ1.4
5〜1.8mm)に相当する径となるようにそれぞれ設定
されている。
【0023】また、スプリング50の弾撥係数や第2部
材40のスライド量も、要求性能に応じて適当に設定さ
れている。
【0024】次に、作用を説明する前に、自動車用冷房
装置1の作動原理を図3に示すモリエル線図に基づいて
簡単に説明しておく。
【0025】図中実線で示す冷凍サイクルは、自動車が
通常に走行している場合を示しており、コンプレッサで
断熱圧縮された高温高圧のガス冷媒(A位置)は、コン
デンサ3にて外部に熱を放出して中温高圧の液冷媒(B
位置)となる。この液冷媒は、オリフィス部4bを通過
して絞り膨張が行われて低温低圧の霧状冷媒(C位置)
となる。この霧状冷媒は、エバポレータ5にて空気と熱
交換して該空気を冷却し、過熱蒸気(D位置)となって
コンプレッサ2に吸引される。このとき、エンジンによ
って駆動されるコンプレッサ2の回転数が高いため、冷
媒の圧送・吸引量(つまり、循環冷媒流量)は多く、吸
入圧は低くなる。また、コンデンサ3に当たる風の量が
多いため、冷媒は十分に凝縮され、凝縮圧力も低くな
る。
【0026】一方、図中破線a→b→c→dで示す冷凍
サイクルは、エンジンがアイドリング状態にある場合を
示している。このとき、エンジンによって駆動されるコ
ンプレッサ2の回転数が低いため、冷媒の圧送・吸引量
(つまり、循環冷媒流量)は少なく、吸入圧は高くな
る。また、コンデンサ3に当たる風の量が少ないため、
冷媒は十分に凝縮されず、凝縮圧力も高くなる。
【0027】したがって、アイドリング時において、高
圧側回路と低圧側回路との圧力差ΔP2 は、通常走行時
の圧力差ΔP1 と比べて一般的に大きくなっている。そ
して、前記所定値は、このΔP2 に相当するものであ
る。
【0028】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0029】まず、通常走行時にあっては、高圧側回路
と低圧側回路との圧力差ΔP1 が所定値以下であるた
め、図2(A)に示すように、第2部材40は後退位置
にあり、アシストオリフィス42は開放状態にある。つ
まり、中空部31内の冷媒圧力とスプリング50の弾撥
力との合成力による開方向への力の方が、高圧側回路の
圧力によって第2部材40に作用する閉方向への力より
も大きい状態となっている。
【0030】したがって、オリフィス部4bの入口に圧
送されてきた冷媒は、第2部材40のメインオリフィス
41およびアシストオリフィス42を同時に通過して絞
り膨脹が行われた後、スプリング50が収容されている
第1部材30の中空部31の部分およびスプリングスト
ッパ60のスリット61を通って該オリフィス部4bの
出口に噴出される。つまり、この場合には、メインオリ
フィス41とアシストオリフィス42とが共に機能して
いる。そして、出口に噴出した冷媒は、冷媒配管を通っ
てエバポレータ5に送られ、空気と熱交換を行って該空
気を冷却する。
【0031】このように、通常走行時には、アシストオ
リフィス42を開放した状態で二つのオリフィス、つま
りメインオリフィス41とアシストオリフィス42の双
方によって同時に絞り膨張が行われるので、エバポレー
タ5に達する冷媒の流量が多くなり、所定の冷房性能を
発揮することができる。
【0032】一方、このような状態からたとえば渋滞な
どに会ってアイドリング状態になった場合には、上記の
原理により高圧側回路と低圧側回路との圧力差ΔP1
所定値以上になるため、高圧側回路の圧力によって第2
部材40に作用する閉方向への力の方が、中空部31内
の冷媒圧力とスプリング50の弾撥力との合成力による
開方向への力よりも大きい状態となり、図1(B)に示
すように、第2部材40は前進移動してアシストオリフ
ィス42を閉鎖する。
【0033】したがって、オリフィス部4bの入口に圧
送されてきた冷媒は、メインオリフィス41のみを通過
して絞り膨脹が行われた後、スプリング50が収容され
ている第1部材30の中空部31の部分およびスプリン
グストッパ60のスリット61を通って該オリフィス部
4bの出口に噴出される。つまり、この場合には、専ら
メインオリフィス41のみが機能している。そして、出
口に噴出した冷媒は、冷媒配管を通ってエバポレータ5
に送られ、空気と熱交換を行って該空気を冷却する。
【0034】このようにして、アイドリング時には、ア
シストオリフィス42を閉鎖してメインオリフィス41
によってのみ絞り膨張を行うので、エバポレータ5内の
冷媒の圧力が低くなる。このように冷媒の蒸発圧力が低
い状態の下では、冷媒の蒸発温度も低くなり、自動車用
冷房装置の冷房性能は比較的高い値を示すことになるの
で、アイドリング時の循環冷媒流量の少なさが補われ、
所望の冷房能力が維持されることになる。
【0035】したがって、オリフィス部を有する自動車
用冷房装置においても、通常走行時のみならずアイドリ
ング時にも所望の冷房能力を維持することが可能とな
る。
【0036】本発明に係る自動車用冷房装置に使用され
るオリフィス部は、上記した形状に限定されるものでは
なく、たとえば、図4に示すような実施の形態とするこ
ともできる。
【0037】このオリフィス部4cは、摺動自在の第2
部材40に二つのオリフィス孔41、42を穿設した形
状の上記オリフィス部4bと異なり、摺動自在の第2部
材45に二つのキャピラリーチューブ46、47を平行
に並べて貫通させて固定した形状をしている。キャピラ
リーチューブ46は常時開放状態にあって第1オリフィ
スとして機能し、キャピラリーチューブ47は開閉制御
される第2オリフィスとして機能する。スプリングスト
ッパ65にも、上記オリフィス部4bのスプリングスト
ッパ60と同様、冷媒を通過させるスリット66と、第
2オリフィスとしてのキャピラリーチューブ47を開閉
するオリフィス開閉棒67とが設けられている。なお、
図5はこのオリフィス部4cを低圧側である出口の方向
から見た端面図である。
【0038】このように構成したオリフィス部4cの作
用は、上記したオリフィス部4bの場合と全く同様であ
る。すなわち、通常走行時には、二つのキャピラリーチ
ューブ46、47によって同時に絞り膨脹が行われるこ
とから、エバポレータ5に達する冷媒の量は多量とな
り、所定の冷房能力を発揮することになる。また、アイ
ドリング時には、第2オリフィスとしてのキャピラリー
チューブ47を閉鎖して第1オリフィスとしてのキャピ
ラリーチューブ46のみによって絞り膨脹が行われるの
で、アイドリング時の循環冷媒量の少なさが補われ、所
望の冷房能力が維持されることになる。
【0039】したがって、このオリフィス部4cを有す
る自動車用冷房装置においても、通常走行時のみならず
アイドリング時にも所望の冷房能力を維持することが可
能となる。
【0040】しかも、上記した二つの実施の形態では、
図面からも明らかなように、従来のオリフィス部4aに
比べて、構造がきわめて簡単であり、加工性にすぐれて
いる。
【0041】また、上記した両実施の形態にあっては、
従来のオリフィス部4aのように圧力制御を行う対象の
前に圧力降下は発生しないため、オリフィス部4b、4
cの前後、つまり入口と出口の圧力差によって安定した
冷媒流量調節を行うことができる。
【0042】さらに、上記した両実施の形態では、円筒
形状の第1部材30内に円柱形状の第2部材30、35
を摺動自在に嵌挿してあるため、二つのオリフィス4
1、42または46、47から冷媒が噴出する際に第2
部材30、35が振れることがなく、可動部30、35
の作動は安定している。
【0043】
【発明の効果】したがって、請求項1記載の発明によれ
ば、圧力差とばね荷重とで第2部材をスライドさせて作
用するオリフィスの数を切り換える構造とし、通常走行
時には二つのオリフィスを同時に作用させ、アイドリン
グ時には一方の第1オリフィスのみを作用させるように
したので、アイドリング時においてエバポレータ内の冷
媒の圧力が低下し、この時の循環冷媒流量の少なさを補
って、アイドリング時でも所望の冷房能力を維持するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る自動車用冷房装
置に使用されるオリフィス部の構成部品を示す分解斜視
図である。
【図2】 同オリフィス部の縦断面模式図である。
【図3】 冷凍サイクルをモリエル線図上に表したグラ
フである。
【図4】 本発明の他の一実施の形態に係るオリフィス
部の縦断面模式図である。
【図5】 同オリフィス部を出口の方向から見た端面図
である。
【図6】 オリフィス部を有する自動車用冷房装置の冷
凍サイクルの回路図である。
【図7】 従来のオリフィス部を示す縦断面図である。
【符号の説明】
4b、4c…オリフィス部 5…エバポレータ 30…第1部材 31…中空部 40、45…第2部材 41、46…第1オリフィス 42、47…第2オリフィス 50…スプリング(ばね) 60…スプリングストッパ 61、66…スリット 62、67…オリフィス開閉棒 70…Oリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍サイクルの高圧側回路から低圧側回
    路に向かって循環しエバポレータ(5) に流入する冷媒を
    絞り膨脹させるオリフィス部(4) を設けてなる自動車用
    冷房装置において、 前記オリフィス部(4) は、冷媒配管に固定される第1部
    材(30)を有し、前記高圧側回路と前記低圧側回路とを連
    通し冷媒の絞り膨脹を行う常時開放された第1オリフィ
    ス(41)と、前記高圧側回路と前記低圧側回路とを連通し
    冷媒の絞り膨脹を行う開閉制御される第2オリフィス(4
    2)とが形成され、前記高圧側回路と前記低圧側回路との
    圧力差が所定値以上になると前記第2オリフィス(42)が
    閉鎖される第2部材(40)を、前記第1部材(30)内に進退
    自在に嵌挿してなることを特徴とする自動車用冷房装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2841829A1 (fr) * 2002-07-08 2004-01-09 Valeo Climatisation Organe de detente pour circuit de refroidissement d'un appareil de climatisation de vehicule automobile
JP2010139220A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Mitsubishi Electric Corp 膨張弁機構及びそれを搭載した空気調和装置
JP2014534109A (ja) * 2011-10-13 2014-12-18 ヴァレオ システム テルミク 減圧手段と当該減圧手段を迂回するための手段とを備えた減圧装置

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