JPH11170467A - ポリエステル複合材料およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル複合材料およびその製造方法

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JPH11170467A
JPH11170467A JP36256997A JP36256997A JPH11170467A JP H11170467 A JPH11170467 A JP H11170467A JP 36256997 A JP36256997 A JP 36256997A JP 36256997 A JP36256997 A JP 36256997A JP H11170467 A JPH11170467 A JP H11170467A
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polyester
heat
composite material
nonwoven fabric
fiber
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JP36256997A
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English (en)
Inventor
Teruhisa Miki
輝久 三木
Takanori Shinoki
孝典 篠木
Naoya Takatsu
直哉 高津
Akio Miyagi
明夫 宮城
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Miki Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Miki Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐水性、柔軟性に優れ、特に155
℃の温度で2万時間耐えることのできる高い耐熱性(F
種耐熱性)を有していて高耐熱性電気絶縁材料などとし
て有効に使用できるポリエステル複合材料、更に焼却時
に塩素ガスやダイオキシン等の有害ガスを発生せず地球
環境保護の面で優れているポリエステル系の耐熱耐水性
印刷材料、及びその円滑な製造方法の提供。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの片面又は両面
に、ポリエステル主体繊維と該主体繊維の融点よりも5
〜50℃低い融点を有する熱融着性バインダー繊維より
なるポリエステル不織布を熱貼着してなるポリエステル
複合材料、並びに前記ポリエステルフィルムとポリエス
テル不織布を熱貼着前にポリエステルフィルムの融点よ
りも160℃低い温度から70℃低い温度の範囲内の温
度に予熱してから両者を加熱加圧下に熱貼着してポリエ
ステル複合材料を製造する方法により、上記の課題が解
決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル複合材
料、その製造方法、並びに前記ポリエステル複合材料よ
りなる電気絶縁材料および印刷適性材料に関する。より
詳細には、本発明は、耐熱性、耐水性、柔軟性に優れ、
特に155℃の温度で2万時間耐えることのできる高い
耐熱性(F種耐熱性)を有していて高耐熱性電気絶縁材
料などとして有効に使用できるポリエステル複合材料、
さらには地球環境保護などの面からポリ塩化ビニルフィ
ルムに代わる新しい耐熱耐水性印刷材料として有効に使
用できるポリエステル複合材料、その製造方法、並びに
該ポリエステル複合材料よりなる電気絶縁材料および印
刷適性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムと繊維材料を積層
一体化してなる複合材料が従来から色々知られており、
かかる複合材料を電気絶縁材料として用いることが種々
提案されている。電気絶縁材料の分野では、最近の変圧
器や回転電機などの電気機器における小型軽量化、多機
能化などの流れによって、より高度の耐熱性を有する耐
熱絶縁材料がますます求められるようになっている。
【0003】電気絶縁材料として用い得るプラスチック
フィルムおよび繊維材料からなる複合材料に係る従来技
術としては、ポリイミド等よりなる耐熱フィルム材に
対してポリアミド等の耐熱繊維とポリエステル等の熱溶
融繊維からなる不織布を熱溶着して複合絶縁材料を製造
する方法(特開昭53−91400号公報)、ポリエ
ステルフィルムやポリ塩化ビニルフィルム等からなるプ
ラスチックフィルムに対して接着性樹脂粉末を用いて布
帛を加熱圧着してプラスチックフィルム層と繊維質層を
有する積層体を製造する方法(特開昭55−2050号
公報)、ポリエステルフィルムのような高分子フィル
ムにポリエステル繊維またはガラス繊維からなる目の粗
い布帛を熱接着した回転電機用の複合材料(特開昭55
−109146号公報)、ポリエステルフィルムのよ
うな合成樹脂フィルム面にポリエステル不織布紙のよう
な不織布紙を熱融着したモールドコイル用の薄葉材料
(特開昭60−123008号公報)などが知られてい
る。
【0004】しかしながら、上記で得られる複合絶縁
材料は、耐熱フィルム材および不織布として、高価なポ
リイミドフィルムや全芳香族ポリアミド繊維(アラミド
繊維)を用いており、そのためにコストが高くなり、汎
用化が困難である。しかも上記の複合絶縁材料は、ポ
リイミドフィルムとポリアミド繊維製布帛の接着にポリ
エステル繊維を用いているために、フィルムと布帛との
間の接着が十分でなく剥離強度が低いなどの欠点があ
る。
【0005】また、上記の従来法では、プラスチック
フィルムと布帛を接着性樹脂粉末を用いて接着・積層す
るため、接着性樹脂粉末をプラスチックフィルムおよび
/または布帛に施すという余分の工程が必要である。し
かも、上記の従来法による場合は、得られる複合材料
の耐熱性および接着強度が、プラスチックフィルムと布
帛の接着に用いられる接着性樹脂粉末の種類や耐熱性な
どに大きく左右され、層間の接着強度および耐熱性が十
分であるとは言えず、長期にわたって高い耐熱性および
強度を保持し得る複合材料を得ることが困難である。ま
た、上記の方法では、接着性樹脂粉末としてエポキシ
樹脂粉末などの熱硬化性樹脂粉末を用いることが記載さ
れているが、熱硬化樹脂粉末を用いる場合は、プラスチ
ックフィルムと布帛を接着する際に、熱硬化性樹脂粉末
を硬化する必要があり、接着に時間や手間がかかる。
【0006】また、上記の従来技術で得られる複合材
料では、ポリエステルフィルムなどの高分子フィルム
に、ポリエステル繊維またはガラス繊維からなる目の粗
い布帛を単にそのまま熱接着しており、そのためにフィ
ルムと布帛との接着力が十分ではなく、長期にわたって
高い耐熱性及び接着強度を保持することが困難である。
さらに、上記の従来技術の場合も、ポリエステルフィ
ルムのような合成樹脂フィルム面に汎用のポリエステル
不織布紙を単に熱融着して薄葉材料としているために、
上記の複合材料と同様に、フィルムと不織布紙との接
着力が十分でなく、長期にわたって高い耐熱性および接
着強度を維持できない。特に、上記およびの従来技
術において、ポリエステルフィルムと、ポリエステル製
布帛または不織布紙とが同程度の融点を有するポリエス
テルよりなっている場合は、フィルムと布帛(不織布
紙)との熱接着が十分ではなく、高い接着強度を得るこ
とができない。そして、ポリエステルフィルムと布帛
(不織布紙)を強固に接着させようとして高温下で熱融
着すると、フィルム側に収縮シワや凹凸などが発生して
目的とする複合材料が形成できなくなるという欠点があ
る。
【0007】また、耐熱耐水性を必要とされる印刷材料
の分野では、耐熱耐水性で且つ印刷適性を有しているこ
とからポリ塩化ビニルフィルムが従来汎用されてきた
が、ポリ塩化ビニルフィルムは焼却時に塩素ガスやダイ
オキシンなどの有害ガスを発生し易く、地球環境汚染の
点から大きな問題になっており、ポリ塩化ビニルフィル
ムに代わる、環境汚染の心配のない、安全性に優れる新
しい耐熱耐水性の印刷材料が求められているが、そのよ
うな要望を満たし得る材料の開発が未だ十分ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルムと布帛との間の接着力が大きくて層間剥離などのト
ラブルが生じず、しかも耐熱性、耐水性および柔軟性に
優れていて、長期にわたって高い耐熱性、耐水性、柔軟
性、層間接着強度を保持することができて、長期耐熱性
電気絶縁材料などとして有効に使用できる複合材料およ
びその製造法を提供することである。そして、本発明の
目的は、接着剤や接着性樹脂粉末をフィルムや布帛に別
途施す手間や工程が不要であり、さらに接着剤を熱硬化
する手間などを必要とせず、少ない工程数で簡単に且つ
生産性良く製造できる複合材料およびその製造法を提供
することである。さらに、本発明の目的は、塩素ガス、
ダイオキシンなどの有害ガス発生の心配がなく安全性に
優れていて、地球環境の汚染がなく、しかも印刷適性、
耐熱耐水性に優れる新しい複合材料およびその製造法を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成すべ
く本発明者らは種々検討を続け、特にポリエステルフィ
ルムやポリエステル繊維は耐熱性および耐水性に優れて
いること、熱溶融性あって使用後は熱溶融して再利用で
きること、さらには焼却した場合にも塩素ガスやダイオ
キシンなどの有害ガスを発生せず安全性にも優れている
ことに着目して、ポリエステルを主体とする複合材料に
ついての研究を行ってきた。その結果、ポリエステルフ
ィルムと積層するポリエステル不織布として、ポリエス
テル主体繊維と、該ポリエステル主体繊維の融点よりも
5〜50℃低い融点を有する熱融着性バインダー繊維よ
りなる不織布を用いて、これをポリエステルフィルムと
熱貼着させると、ポリエステルフィルムとポリエステル
不織布との接着強度が高くなり、耐熱性に優れるポリエ
ステル複合材料が接着剤や接着性樹脂粉末などを別途施
すことなく、極めて簡単な工程で、生産性良く製造でき
ることを見出した。そして、本発明者らは、それにより
得られるポリエステル複合材料が、耐熱性の点ばかりで
なく、耐水性、柔軟性に優れ、高い層間接着強度を有す
ることを見出した。
【0010】さらに、本発明者らは、上記のポリエステ
ル複合材料の製造に際しては、ポリエステルフィルムの
片面または両面にポリエステル不織布を重ねる前にまた
は重ねた後に、ポリエステルフィルムおよびポリエステ
ル不織布を、ポリエステルフィルムの融点よりも160
℃低い温度から70℃低い温度の範囲内の温度に予熱し
ておき、次いで加熱加圧してポリエステルフィルムとポ
リエステル不織布を貼着させるとポリエステルフィルム
にシワなどを生ずることなく、両者を良好に且つ強固に
熱貼着させ得ることを見出した。
【0011】また、本発明者らは、それにより得られる
ポリエステル複合材料が、長期耐熱性、耐水性に優れて
いて、電気絶縁材料として極めて有用であること、さら
には印刷材料としても有用であることを見出した。そし
て、本発明者らは、上記により得られるポリエステル複
合材料を電気絶縁材料として用いるに当たっては、該ポ
リエステル複合材料のポリエステル不織布部分に電気絶
縁性樹脂を施すとよいこと、また該ポリエステル複合材
料を印刷材料として用いる場合はポリエステル不織布部
分に印刷適性樹脂を施すとよいことを見出し、それらの
種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、ポリエステルフィル
ムの片面または両面にポリエステル不織布を熱貼着して
なるポリエステル複合材料であって、前記ポリエステル
不織布が、ポリエステル主体繊維と、該ポリエステル主
体繊維の融点よりも5〜50℃低い融点を有する熱融着
性バインダー繊維よりなることを特徴とするポリエステ
ル複合材料である。
【0013】そして、本発明は、ポリエステルフィルム
の片面または両面にポリエステル不織布を重ねる前にま
たは重ねた後に、ポリエステルフィルムおよびポリエス
テル不織布を、ポリエステルフィルムの融点よりも16
0℃低い温度から70℃低い温度の範囲内の温度に予熱
しておき、次いで加熱加圧してポリエステルフィルムと
ポリエステル不織布を貼着させることを特徴とする、上
記ポリエステル複合材料の製造方法である。
【0014】さらに、本発明は、上記本発明のポリエス
テル複合材料におけるポリエステル不織布部分に電気絶
縁性樹脂を施してあることを特徴とする電気絶縁材料で
ある。
【0015】そして、本発明は、上記本発明のポリエス
テル複合材料におけるポリエステル不織布部分に印刷適
性樹脂を施してあることを特徴とする印刷適性材料であ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のポリエステル複合材料に用いるポリエス
テルフィルムは、耐熱性に優れるポリエステルフィルム
であればいずれであってもよい。そのうちでも、ポリエ
ステルフィルムとしては、エチレングリコール単位およ
び/または1,4−ブタンジオール単位からなるジオー
ル単位と、テレフタル酸単位および/またはナフタレン
ジカルボン酸単位からなるジカルボン酸単位より主とし
てなるポリ(アルキレンアリレート)から形成されたポ
リエステルフィルムが好ましく用いられる。具体例とし
ては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン
ナフタレートおよび前記したポリエステルの2種以上の
混合物よりなるポリエステルフィルムを挙げることがで
きる。また、それらのポリ(アルキレンアリレート)よ
りなるフィルムは、場合により約20モル%以下の他の
共重合成分に由来する構造単位を有するポリエステルよ
りなるフィルムであってもよい。
【0017】ポリエステルフィルムは延伸フィルムであ
っても、又は未延伸フィルムであってもよいが、ポリエ
ステル複合材料に熱寸法安定性を付与し得る点から、2
軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
また、ポリエステルフィルムは透明であっても又は不透
明であってもよい。不透明なポリエステルフィルムとす
る場合は、例えば炭酸カルシウム、酸化チタンなどの充
填剤を添加して不透明化したり、発泡層を設けて不透明
化するなどの方法を採用することができる。ポリエステ
ルフィルムの厚さは特に制限されないが、取り扱い容易
性、経済性などの点から、16〜250μmの範囲の厚
さであることが好ましい。また、必要に応じて、ポリエ
ステルフィルムの表面はコロナ放電処理、プラズマ放電
処理、その他の接着性向上化処理を施してあってもよ
い。
【0018】また、本発明のポリエステル複合材料のも
う一方の構成材料であるポリエステル不織布は、上記の
ように、ポリエステル主体繊維と、該ポリエステル主体
繊維の融点よりも5〜50℃低い融点を有する熱融着性
バインダー繊維よりなっている。
【0019】ポリエステル不織布におけるポリエステル
主体繊維は、耐熱性に優れるポリエステル繊維であれば
いずれであってもよいが、エチレングリコール単位およ
び/または1,4−ブタンジオール単位からなるジオー
ル単位と、テレフタル酸単位および/またはナフタレン
ジカルボン酸単位からなるジカルボン酸単位より主とし
てなるポリ(アルキレンアリレート)から形成されたポ
リエステル繊維であることが好ましく、具体例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナ
フタレートおよび前記したポリエステルの2種以上の混
合物よりなるポリエステル繊維を挙げることができる。
また、それらのポリ(アルキレンアリレート)よりなる
ポリエステル繊維は、場合により約20モル%以下の他
の共重合成分に由来する構造単位をポリエステル中に有
していてもよい。
【0020】また、ポリエステル主体繊維は、その複屈
折(△n)が0.10以上であることが好ましく、0.
15以上であることがより好ましい。複屈折(△n)が
0.10以上であるポリエステル主体繊維は、一般に延
伸配向された繊維であって、それによって寸法安定性お
よび耐熱性が優れているため、それから構成されるポリ
エステル不織布の寸法安定性および耐熱性が良好なもの
となる。ここで、本願明細書でいう複屈折(△n)と
は、以下の実施例の項にも記載するように、ナトリウム
光源を用いて、偏光顕微鏡の光路にベレック(Bre
k)のコンペンセーターを挿入し、α−ブロムナフタリ
ン中で測定して求めた値をいう。
【0021】ポリエステル主体繊維の単繊維繊度は0.
1〜10デニールであることが好ましく、0.3〜6.
0デニールであることがより好ましい。ポリエステル主
体繊維の単繊維繊度が0.1デニール未満であると、ポ
リエステル不織布の密度が高くなり過ぎるために、複合
材料のポリエステル不織布部分に電気絶縁性樹脂や印刷
適性樹脂などを含浸や付着などによって施す際に、電気
絶縁性樹脂や印刷適性樹脂の含浸性や付着性が低下し易
くなる。一方、ポリエステル主体繊維の単繊維繊度が1
0デニールを超えると、ポリエステル不織布の表面平滑
性が低下したものとなり、表面平滑性に優れるポリエス
テル複合材料が得られにくくなる。ポリエステル主体繊
維の繊維長は、ポリエステル不織布が湿式不織布である
場合は1〜20mmであることが好ましく、3〜13m
mであることがより好ましく、またポリエステル不織布
が乾式不織布である場合は20〜102mmであること
が好ましく、38〜64mmであることがより好まし
い。ポリエステル主体繊維の繊維長が、前記した下限値
よりも小さいと、ポリエステル主体繊維の強度が不足し
てポリエステル不織布の製造が困難になり易く、一方前
記した上限値よりも大きいと、ポリエステル不織布の製
造時にポリエステル主体繊維の分散が不均一になって均
一なポリエステル不織布が得られにくくなる。
【0022】また、ポリエステル主体繊維は、その断面
形状が円形であっても、または異形であってもよく、異
形断面繊維の場合は、例えば、楕円形、三角形、四角
形、五角形以上の多角形、T字形、十字形、多葉形、偏
平形、ドッグボーン形などの任意の断面形状にすること
ができる。さらに、ポリエステル主体繊維は、その特性
を損なわない限り、場合によっては、芯鞘型、海島型、
サイドバイサイド型などの複合繊維であってもよい。ま
た、ポリエステル主体繊維は、場合により捲縮(クリン
プ)を施してあってもよい。
【0023】ポリエステル主体繊維は、ポリエステル不
織布に悪影響を及ぼさない範囲で、必要に応じて、他の
ポリマー(例えばポリオレフィン、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、フッ素樹脂など)、酸化チタン、カ
オリン、シリカ、硫酸バリウム、カーボンブラック、顔
料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの添加剤
の1種または2種以上を含有していてもよい。
【0024】ポリエステル不織布を構成するもう一方の
繊維である熱融着性バインダー繊維としては、ポリエス
テル主体繊維の融点よりも5〜50℃低い融点を有する
熱融着性繊維を用いることが必要であり、ポリエステル
主体繊維の融点よりも10〜20℃低い融点を有する熱
融着性繊維を用いることが好ましい。ポリエステル主体
繊維の融点と熱融着性バインダー繊維の融点の差が5℃
未満であると、ポリエステル不織布内での繊維間の接着
強度が得られても、ポリエステルフィルムとポリエステ
ル不織布の熱貼着が困難になり、両者を熱貼着させよう
として加熱を強く行うと、ポリエステルフィルムに収縮
ジワや凹凸を発生して均一なポリエステル複合材料が得
られない。一方、熱融着性バインダー繊維の融点がポリ
エステル主体繊維の融点よりも50℃を超えて低くなる
と、ポリエステルフィルムとポリエステル不織布の熱貼
着は容易になるが、得られるポリエステル複合材料の耐
熱性が低下する。
【0025】また、熱融着性バインダー繊維は、その複
屈折(△n)が0.05以下であることが熱融着機能が
高くなる点から好ましく、複屈折(△n)が0.02以
下であることがより好ましい。熱融着性バインダー繊維
の複屈折(△n)が0.05を超えると、熱融着機能が
低くなり易い。複屈折(△n)が0.05以下である熱
融着性バインダー繊維は、一般に未延伸繊維を製造する
ことによって得ることができる。
【0026】熱融着性バインダー繊維としては、ポリエ
ステル主体繊維の融点よりも5〜50℃低い融点を有す
る熱融着性繊維のいずれもが用い得るが、ポリエステル
主体繊維との熱融着性が良好であり、且つポリエステル
フィルムとポリエステル不織布との熱貼着性が良好にな
る点から、ポリエステル系繊維が好ましく用いられる。
特に、熱融着性バインダー繊維としては、ポリエステル
フィルムおよび/またはポリエステル主体繊維を構成し
ているポリエステルにおけるのと同じ構造単位を主たる
構造単位とし、これに他の構造単位を共重合単位として
有する共重合ポリエステルよりなる繊維、或いはポリエ
ステルフィルムおよび/またはポリエステル主体繊維を
構成しているのと同じポリエステルと他のポリエステル
との混合物よりなる繊維が好ましく用いられる。また、
熱融着性バインダー繊維は単独の繊維からなっていて
も、または2種類以上の繊維を用いてもよい。
【0027】何ら限定されるものではないが、具体的に
は、例えば、(1)ポリエステルフィルムおよびポリエ
ステル主体繊維がポリエチレンテレフタレートよりなる
場合は、熱融着性バインダー繊維としてエチレンテレフ
タル酸単位を主たる構造単位とし、これにエチレンイソ
フタル酸単位、ブチレンイソフタル酸単位、ブチレンテ
レフタル酸単位などの他の構造単位を共重合単位として
有する共重合ポリエステルよりなる熱融着性バインダー
繊維が好ましく用いられ、(2)ポリエステルフィルム
およびポリエステル主体繊維がポリブチレンテレフタレ
ートよりなる場合は、熱融着性バインダー繊維としてブ
チレンテレフタル酸単位を主たる主構造単位とし、これ
にブチレンイソフタル酸単位、エチレンイソフタル酸単
位、エチレンテレフタル酸単位などの他の構造単位を共
重合単位として有する共重合ポリエステルよりなる熱融
着性バインダー繊維が好ましく用いられ、(3)ポリエ
ステルフィルムおよび/またはポリエステル主体繊維が
ポリエチレンナフタレートよりなる場合は、熱融着性バ
インダー繊維としてエチレンテレフタル酸単位を主たる
主構造単位とし、これに必要に応じてエチレンイソフタ
ル酸単位、ブチレンイソフタル酸単位、ブチレンテレフ
タル酸単位などの他の構造単位を共重合単位として有す
る(共重合)ポリエステルよりなる熱融着性バインダー
繊維が好ましく用いられる。
【0028】熱融着性バインダー繊維の単繊維繊度は特
に制限されないが、0.1〜10デニールであることが
好ましく、0.3〜6.0デニールであることがより好
ましい。単繊維繊度が0.1デニール未満である熱融着
性バインダー繊維では、その製造時に延伸が生ずる場合
が多くて複屈折(△n)が0.05より高くなり易く、
熱融着性が低くなり易い。一方、熱融着性バインダー繊
維の単繊維繊度が10デニールを超えると、ポリエステ
ル不織布の表面平滑性が低下したものとなり易い。ま
た、熱融着性バインダー繊維の繊維長も特に制限されな
いが、ポリエステル不織布が湿式不織布である場合は3
〜13mmであることが好ましく、ポリエステル不織布
が乾式不織布である場合は30〜64mmであることが
好ましい。
【0029】熱融着性バインダー繊維は、その断面形状
が円形であっても、または異形であってもよく、異形断
面繊維の場合は、例えば、楕円形、三角形、四角形、五
角形以上の多角形、T字形、十字形、多葉形、偏平形、
ドッグボーン形などの任意の断面形状にすることができ
る。さらに、熱融着性バインダー繊維は、その特性を損
なわない限り、場合によっては、芯鞘型、海島型、サイ
ドバイサイド型などの複合繊維であってもよい。
【0030】熱融着性バインダー繊維は、ポリエステル
不織布に悪影響を及ぼさない範囲で、必要に応じて、酸
化チタン、カオリン、シリカ、硫酸バリウム、カーボン
ブラック、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤
などの添加剤の1種または2種以上を含有していてもよ
い。
【0031】また、ポリエステル不織布では、ポリエス
テル主体繊維:熱融着性バインダー繊維の割合が、重量
比で、70:30〜40:60であることが好ましく、
65:35〜45:55であることがより好ましい。ポ
リエステル主体繊維と熱融着性バインダー繊維の合計重
量に基づいて、ポリエステル主体繊維の割合が70重量
%を超すと(熱融着性バインダー繊維の割合が30重量
%未満であると)、ポリエステルフィルムとポリエステ
ル不織布との熱貼着が困難になり易く、一方ポリエステ
ル主体繊維の割合が40重量%未満であると(熱融着性
バインダー繊維の割合が60重量%を超えると)、ポリ
エステル複合材料の耐熱性が低いものとなり易い。
【0032】ポリエステル不織布の製法は特に制限され
ないが、一般には、ポリエステル主体繊維および熱融着
性バインダー繊維を、好ましくは上記したように70:
30〜40:60の重量比で用いて、乾式法または湿式
法によって常法に従って不織布を製造する方法が採用さ
れる。それらのうちでも、本発明では、湿式抄造法によ
り製造されたポリエステル不織布が好ましく用いられ
る。湿式抄造法により得られるポリエステル不織布は、
不織布中にポリエステル主体繊維と熱融着性バインダー
繊維が均一に分散していることにより均一な平面性を有
しており、ポリエステルフィルムとポリエステル不織布
の熱貼着が良好になってポリエステル複合材料がより強
固な剥離強度を有すること、耐熱性がより高くなること
から好ましく用いられる。
【0033】湿式抄造法によるポリエステル不織布は、
ポリエステル主体繊維と熱融着性バインダー繊維が均一
に混合、分散している水性スラリーを調製した後、常法
にしたがって湿式抄造することによって製造することが
できる。その際に、水性スラリーにおける固形分濃度は
特に制限されず通常の湿式抄造の場合と同程度の固形分
濃度にすればよく、一般には、最終固形分濃度が約0.
01〜0.5重量%程度の水性スラリーが好ましく用い
られる。水性スラリーの調製に当たっては、ポリエステ
ル主体繊維および熱融着性バインダー繊維などの分散性
を高めたり、得られるポリエステル不織布の性能の向上
などのために、親水剤、分散助剤、消泡剤、帯電防止
剤、離型剤、撥水剤、抗菌・殺菌剤などの1種または2
種を紙料中に添加してもよい。さらに、必要に応じて、
本発明の目的の妨げにならない範囲で、上記した成分以
外の他の成分、例えば他のポリマー繊維やポリマーバイ
ンダーなどを少量併用してもよい。
【0034】そして、上記で調製した水性スラリーを用
いて従来から採用されている湿式抄造方法および装置
(例えば、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機など)
を用いて抄造し、次いで適当な乾燥装置を用いて乾燥す
ることによって、本発明で用いるポリエステル不織布が
得られる。その場合の乾燥温度は特に制限されないが、
熱融着性バインダー繊維の溶融が生じないような温度で
乾燥するのがよい。
【0035】ポリエステル不織布の厚さ(坪量)は、特
に制限されず製造を目的とするポリエステル複合材料の
用途などに応じて選択することができるが、一般には坪
量が10〜150g/m2であることが、ポリエステル
フィルムとの熱貼着性、取り扱い性、得られるポリエス
テル複合材料の柔軟性、表面平滑性、寸法安定性などの
点から好ましい。
【0036】上記したポリエステルフィルムとポリエス
テル不織布を熱貼着して、本発明のポリエステル複合材
料を製造する。ポリエステルフィルムとポリエステル不
織布の熱貼着は、両者を均一に且つ強固に熱貼着し得る
方法および装置であればいずれの方法および装置を用い
て行ってもよく、従来公知の熱カレンダー加工装置、そ
の他の熱プレス装置などを用いて行うことができ、熱カ
レンダー加工装置を用いる場合は目的とするポリエステ
ル複合材料を生産性良く製造することができる。熱カレ
ンダー加工装置としては、金属ロール/金属ロールから
なるもの、金属ロール/弾性ロール、金属ロール/コッ
トンロールからなるものなどのいずれもが使用でき、金
属ロール/弾性ロールまたは金属ロール/コットンロー
ルからなる熱カレンダー加工装置が好ましく用いられ
る。
【0037】ポリエステルフィルムとポリエステル不織
布を熱貼着加工(例えば熱カレンダー加工)するに当た
っては、ポリエステルフィルムおよびポリエステル不織
布の両方を、ポリエステルフィルムの融点よりも160
℃低い温度から70℃低い温度の範囲内の温度、すなわ
ち(ポリエステルフィルムの融点−160℃)から(ポ
リエステルフィルムの融点−70℃)の範囲の温度に予
熱しておき、その後に両者をカレンダーロールなどの熱
圧着装置を用いて熱貼着することが、剥離強度の高いポ
リエステル複合材料を得る上で重要である。予熱温度が
(ポリエステルフィルムの融点−160℃)よりも低い
と、ポリエステルフィルムとポリエステル不織布間の接
着強度が十分に高くならず、一方予熱温度が(ポリエス
テルフィルムの融点−70℃)よりも高いとポリエステ
ルフィルムが収縮して、シワや凹凸が発生し高品質のポ
リエステル複合材料が得られにくくなる。
【0038】ポリエステルフィルムおよびポリエステル
不織布の予熱に当たっては、ポリエステルフィルムおよ
びポリエステル不織布を重ね合わせる前に別々に予熱し
ても、またはポリエステルフィルムおよびポリエステル
不織布を重ね合わせてから予熱してもよい。その際の予
熱方法は、ポリエステルフィルムおよびポリエステル不
織布の両方を均一に予熱し得る方法であればいずれの方
法で行ってよく、例えば、ポリエステルフィルムおよび
ポリエステル不織布を重ね合わせるかまたは重ね合わせ
ずに、非接触型加熱炉を通して予熱する方法、接触型加
熱ロールを通して予熱する方法などを挙げることができ
る。
【0039】次に、上記で予熱したポリエステルフィル
ムおよびポリエステル不織布を加熱加圧下に熱貼着し
て、本発明のポリエステル複合材料を製造する。ポリエ
ステル複合材料の製造に際しては、ポリエステルフィル
ムの片面のみにポリエステル不織布を熱貼着しても、ま
たはポリエステルフィルムの両面にポリエステル不織布
を熱貼着してもよい。ポリエステルフィルムの両面にポ
リエステル不織布を熱貼着させる場合は、ポリエステル
フィルムの片面にポリエステル不織布を熱貼着した後
に、ポリエステルフィルムのもう一方の面にポリエステ
ル不織布を熱貼着する方法(逐次法)を採用しても、ま
たはポリエステルフィルムの両面にポリエステル不織布
を一度に熱貼着する方法(同時法)を採用してもよい。
一般には、前者の逐次法がポリエステルフィルムの両面
にポリエステル不織布を強固に且つ円滑に熱貼着させる
ことができる点から好ましく採用される。
【0040】ポリエステルフィルムとポリエステル不織
布の熱貼着に当たっては、上記のようにポリエステルフ
ィルムおよびポリエステル不織布を重ね合わせる前にま
たは重ね合わせた状態でポリエステルフィルムの融点よ
りも160℃低い温度から70℃低い温度の範囲内の温
度に予熱した後、ポリエステルフィルムおよびポリエス
テル不織布中のポリエステル主体繊維の融点未満で且つ
熱融着性バインダー繊維の軟化点以上の温度、好ましく
はポリエステル不織布中の熱融着性バインダー繊維の融
点以下で且つ軟化点以上の温度で、重ね合わせたポリエ
ステルフィルムとポリエステル不織布をカレンダー加工
ロールやプレス装置などの加熱加圧装置を用いて加熱圧
着する方法が好ましく採用される。
【0041】そして、上記した逐次法によってポリエス
テルフィルムの両面にポリエステル不織布を2段階で熱
貼着する場合は、ポリエステルフィルムの片面へのポリ
エステル不織布の最初の熱貼着工程によって、ポリエス
テルフィルムの結晶化が促進されてポリエステルフィル
ムの融点が上昇している場合が多いので、ポリエステル
フィルムのもう一方の表面へのポリエステル不織布の熱
貼着工程では、その加熱加圧温度を、最初の熱貼着工程
におけるよりも多少高くして加熱圧着すると、該もう一
方の面にもポリエステル不織布を強固に熱貼着させるこ
とができる。また、ポリエステル不織布における熱融着
性バインダー繊維が2種類以上の熱融着性バインダー繊
維からなっている場合は、融点の低い熱融着性バインダ
ー繊維を基準にして、熱貼着時の加熱温度を決めること
が必要である。
【0042】上記加熱圧着をカレンダーロールを用いて
行う場合は、ポリエステルフィルムに接する側のロール
の温度を160℃以下に保っておくことが、ポリエステ
ルフィルムの収縮、シワ発生、変形などの防止の点から
好ましい。かかる点から、カレンダー加工装置として、
金属ロール/弾性ロール(ゴムロール)または金属ロー
ル/コットンロールの組み合わせからなるものを用い
て、ポリエステルフィルムが弾性ロール側またはコット
ンロール側に位置するようにしてポリエステルフィルム
とポリエステル不織布の熱貼着を行うことが、ポリエス
テルフィルムの過度の加熱を円滑に防止でき望ましい。
【0043】また、ポリエステル複合材料の製造をカレ
ンダー加工装置にて行う場合は、そのニップ圧は、カレ
ンダーロールの表面硬度にもよるが、一般に、10〜1
20kg/cmの線圧であることが好ましく、80〜1
20kg/cmの線圧であることがより好ましい。
【0044】上記によって耐熱性、耐水性および柔軟性
に優れ、しかもポリエステルフィルムとポリエステル不
織布との間の接着強度の高い本発明のポリエステル複合
材料を得ることができる。このポリエステル複合材料
は、耐熱性、耐水性、柔軟性に優れ、しかもポリエステ
ルフィルムとポリエステル不織布の層間接着強度が高い
ので、それらの特性を活かして、そのままで、耐熱性、
耐水性、柔軟性などが必要とされる各種用途、例えば、
電気絶縁材料、成形品製造用材料、積層緩衝材料、巻線
テープ材料などとして有効に使用することができる。
【0045】さらに、上記した本発明のポリエステル複
合材料におけるポリエステル不織布部分にシリコーン樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
熱硬化性ポリエステル樹脂やその他の耐熱性樹脂または
電気絶縁性樹脂を含浸や付着などによって施すことによ
って、耐熱電気絶縁性特性に極めて優れる材料を得るこ
とができる。この材料は、IEC規格のF種合格の電気
絶縁材料として、電機機器分野で極めて有効に用いるこ
とができる。この場合に、ポリエステル複合材料が、ポ
リエステルフィルムの両面にポリエステル不織布を熱貼
着したものである場合は、耐熱性樹脂や電気絶縁性樹脂
は、片方の面のポリエステル不織布にのみ施しても又は
両面のポリエステル不織布に施しておいてもよい。両面
のポリエステル不織布に耐熱性樹脂や電気絶縁性樹脂な
どを施す場合は、両面に対して同じ樹脂を用いても又は
互いに異なる樹脂を用いてもよい。
【0046】さらに、ポリエステルフィルムおよびポリ
エステル不織布を熱貼着してなる上記した本発明のポリ
エステル複合材料のポリエステル不織布部分に、アクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂やその他の印刷適
性樹脂を含浸や付着などによって施して得られる複合材
料は、ポリエステル不織布の表面が前記した印刷適性樹
脂で被覆される結果、印刷性、白度、隠蔽性に優れる印
刷適性材料となる。この印刷適性材料は、家具、壁紙、
建材などにおける化粧紙、特に伸度の必要なVカット化
粧紙などとして有効に使用できる。ポリエステル複合材
料が、ポリエステルフィルムの両面にポリエステル不織
布を熱貼着したものである場合は、印刷適性樹脂は、片
方の面のポリエステル不織布にのみ施しても又は両面の
ポリエステル不織布に施しておいてもよい。両面のポリ
エステル不織布に印刷適性樹脂を施す場合は、両面で同
じ印刷適性樹脂を用いても又は異なる印刷適性樹脂を用
いてもよい。これにより得られる印刷適性材料は、従来
の塩化ビニル樹脂フィルム製化粧紙におけるような塩素
ガスやダイオキシンなどの有毒ガスを発生せず、安全性
が高いので、環境汚染の問題のない代替材料として有用
である。
【0047】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において、ポリエステル繊維の複屈折(△
n)および融点、並びにポリエステル複合材料における
ポリエステルフィルムとポリエステル不織布との間の剥
離強度は、次のようにして求めた。また、以下の例にお
いて、特に断らない限りは、部は重量部を、%は重量%
を示す。
【0048】《ポリエステル繊維の複屈折(△n)》ナ
トリウム光源を用いて、偏光顕微鏡の光路にベレック
(Berek)のコンペンセーターを挿入し、温度20
℃、相対湿度65%の条件下にα−ブロムナフタリン中
で測定して求めた(無単位)。
【0049】《ポリエステル繊維の融点》示差熱量分析
計(DSC)により、窒素雰囲気中、10℃/分の速度
で昇温した時の試料の吸熱ピーク温度を融点とした(単
位:℃)。
【0050】《剥離強度(ポリエステル複合材料におけ
るポリエステルフィルムとポリエステル不織布の間の隔
離強度)》ポリエステル複合材料の縦方向に20mm幅
×180mm長のカット試料を作成し、20mm幅側の
先端を適当に剥がす。次いで、剥離したポリエステルフ
ィルム先端とポリエステル不織布先端をそれぞれ引張試
験機(東洋精機社製「ストログラグ」)の上下金具に取
り付け、毎分200mmの速さで引っ張った時の最高値
を読み取る。この操作を5回繰り返し、5回のうちの最
小値を試料の剥離強度とする(単位:g)。
【0051】《実施例1》 (1) ポリエチレンテレフタレート短繊維[平均単繊
維繊度=1.5デニール、繊維長=5mm、複屈折(△
n)=0.175、融点=256℃]60部と、イソフ
タル酸共重合ポリエチレンテレフタレート短繊維[平均
単繊維繊度=1.1デニール、繊維長=5mm、複屈折
(△n)=0.012、融点=245℃]40部をパル
パーに投入し、水中で十分な混合および分散を行って、
繊維濃度0.05%の水性スラリーを調製し、これを円
網抄紙機に送り、抄造後にヤンキードライヤー(120
℃)で乾燥し、巻き取って抄上げウエブ(ポリエステル
不織布)を製造した(坪量=20g/m2)。 (2) 上記(1)で得られたポリエステル不織布と、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ=50μ
m;融点=258℃;東レ株式会社製「ルミラー」)と
を、金属ロール/コットンロールの組合せからなるカレ
ンダー加工機のカレンダー熱ロール側(金属ロール側)
にポリエステル不織布が接するようにして重ね合わせ
て、先ず、カレンダー熱ロールの直前に設置された非接
触型加熱炉(寸法=50cm幅×100cm長さ;上下
赤外ランプ加熱)を通して155℃に予熱した後、前記
金属ロール/コットンロール組合せからなるカレンダー
加工機にカレンダー熱ロール(金属ロール)の設定温度
225℃、線圧60kg/cm、加工速度10m/分の
条件下にポリエステル不織布側が熱ロール(金属ロー
ル)に接するようにして加熱加圧して、ポリエステルフ
ィルムの一方の面にポリエステル不織布を熱貼着したポ
リエステル複合材料(「ポリエステル複合材料A」とい
う)を製造した。
【0052】(3) 上記(2)で得られたポリエステ
ル複合材料Aにおけるポリエステル不織布の貼着されて
いない裏面側に、上記(1)で得られたポリエステル不
織布を重ね合わせ、加熱加圧時の熱ロール(金属ロー
ル)の設定温度を235℃に変更した以外は上記の
(2)と同様にして、予熱および加熱加圧処理を順次行
って、ポリエステルフィルムの裏面側にポリエステル不
織布を熱貼着して、ポリエステルフィルムの両面にポリ
エステル不織布を熱貼着したポリエステル複合材料
(「ポリエステル複合材料B」という)を製造した。 (4) 上記(2)で得られたポリエステル複合材料A
および上記(3)で得られたポリエステル複合材料Bに
おけるポリエステルフィルムとポリエステル不織布との
間の剥離強度を上記した方法で測定したところ、下記の
表1に示すとおりであった。
【0053】
【表1】 剥 離 強 度 ポリエステル複合材料A ポリエステル複合材料B 表面側 900g 945g 裏面側 − 420g
【0054】《実施例2〜4および比較例1〜2》 (1) ポリエチレンテレフタレート短繊維[平均単繊
維繊度=1.3デニール、繊維長=5mm、複屈折(△
n)=0.175、融点=256℃]60部と、下記の
表2に示す融点を有するイソフタル酸共重合ポリエチレ
ンテレフタレート短繊維[平均単繊維繊度=1.2デニ
ール、繊維長=5mm、複屈折(△n)=0.01未
満]のそれぞれの40部をパルパーに投入し、実施例1
の(1)と同様にしてポリエステル不織布(坪量=20
g/m2)をそれぞれ製造した。 (2) 上記(1)で得られたポリエステル不織布およ
び実施例1の(2)で用いたのと同じポリエチレンテレ
フタレートフィルムを用いて、実施例1の(2)および
(3)と同様にして、熱貼着して、ポリエステルフィル
ムの両面に上記(1)で得られたポリエステル不織布を
熱貼着したポリエステル複合材料(「ポリエステル複合
材料B」)を製造した。 (3) 上記(2)で得られたポリエステル複合材料B
におけるポリエステルフィルムとポリエステル不織布と
の間の剥離強度を上記した方法で測定したところ下記の
表2に示すとおりであった。 (4) また、上記(2)で得られたポリエステル複合
材料Bを230℃の熱風循環式オーブン中に1時間放置
して加熱した後、オーブンより取り出して、シワの発生
の有無を目視により観察して耐熱性の評価を行ったとこ
ろ、下記の表2に示すとおりであった。
【0055】
【表2】 ポリエステル不織布 ポリエステル複合材料 主体繊維1) 熱融着性バインダー繊維 剥離強度2)(g) 耐熱性3) 混率(%) 混率(%) △n 融点(℃) 表面側 裏面側 実施例2 60 40 <0.01 248 330 108 ○ 実施例3 60 40 <0.01 230 1050 560 ○ 実施例4 60 40 <0.01 210 1270 760 ○ 比較例1 60 40 <0.01 256 40 0 −4) 比較例2 60 40 <0.01 190 1330 850 × 1) ポリエステル主体繊維(融点256℃) 2) ポリエステル複合材料におけるポリエステルフィルムとポリエステル不織 布との間の剥離強度 3) 耐熱性: ○:オーブンでの熱処理後もシワを全く生じておらず、耐熱性良好。 ×:オーブンでの熱処理後にシワが多く発生しており、耐熱性不良。 4) ポリエステルフィルムとポリエステル不織布が熱貼着せず、評価不能。
【0056】上記の表2の結果から、ポリエステル不織
布におけるポリエステル主体繊維の融点と熱融着性バイ
ンダー繊維の融点の差が5〜50℃の範囲である実施例
2〜4のポリエステル複合材料は、ポリエステルフィル
ムとポリエステル不織布とが強固に熱貼着しており両者
間の剥離強度が大きく、しかも230℃のオーブン中で
1時間加熱した後でもシワの発生が全くなく、耐熱性に
優れていてことがわかる。これに対して、ポリエステル
不織布におけるポリエステル主体繊維の融点と熱融着性
バインダー繊維の融点の差がない(差が0℃である)比
較例1では、ポリエステルフィルムとポリエステル不織
布との間の熱貼着が円滑に行われず、目的とするポリエ
ステル複合材料が得られないことがわかる。また、ポリ
エステル不織布におけるポリエステル主体繊維の融点と
熱融着性バインダー繊維の融点の差が66℃であって、
本発明で規定している5〜50℃の範囲よりも大きい比
較例2のポリエステル複合材料は、230℃のオーブン
中で1時間加熱した時に、多くのシワが発生し、且つ寸
法安定性がなく、耐熱性に劣ることがわかる。
【0057】《実施例5〜7および比較例3〜4》 (1) ポリエチレンナフタレート短繊維[平均単繊維
繊度=2.0デニール、繊維長=5mm、複屈折(△
n)=0.181、融点=265℃]50部と、実施例
1の(1)で使用したのと同じイソフタル酸共重合ポリ
エチレンテレフタレート短繊維[平均単繊維繊度=1.
1デニール、繊維長=5mm、複屈折(△n)=0.0
12、融点=245℃]50部をパルパーに投入し、実
施例1の(1)と同様にしてポリエステル不織布(坪量
=20g/m2)を製造した。 (2) 上記(1)で得られたポリエステル不織布およ
び実施例1の(2)で用いたのと同じポリエチレンテレ
フタレートフィルムを用いて、熱貼着前の予熱温度を下
記の表3に示す温度に変えた以外は実施例1の(2)お
よび(3)と同様にして、予熱した後に熱貼着して、ポ
リエステルフィルムの両面に上記(1)で得られたポリ
エステル不織布を熱貼着したポリエステル複合材料(ポ
リエステル複合材料B)を製造した。 (3) 上記(2)で得られたポリエステル複合材料B
におけるポリエステルフィルムとポリエステル不織布と
の間の剥離強度を上記した方法で測定したところ下記の
表3に示すとおりであった。 (4) また、上記(2)で得られたポリエステル複合
材料Bを230℃の熱風循環式オーブン中に1時間放置
して加熱した後、オーブンより取り出して、シワの発生
の有無を目視により観察して耐熱性の評価を行ったとこ
ろ、下記の表3に示すとおりであった。
【0058】
【表3】 ポリエステル不織布 予熱温度 ポリエステル複合材料 主体繊維 1) バインダー繊維 (温度差2)) 剥離強度 3)(g) 耐熱性4) 混率 混率 △n 融点 (℃) 表面側 裏面側 (%) (%) (℃) 実施例5 50 50 0.012 245 175(83) 990 510 ○ 実施例6 50 50 0.012 245 150(108) 900 400 ○ 実施例7 50 50 0.012 245 110(148) 620 210 ○ 比較例3 50 50 0.012 245 90(168) 250 30 × 比較例4 50 50 0.012 245 200(58) −4)5)5) 1) ポリエステル主体繊維(融点265℃) 2) ポリエステルフィルムの融点(258℃)と予熱温度との差 3) ポリエステル複合材料におけるポリエステルフィルムとポリエステル不織 布との間の剥離強度 4) 耐熱性: ○:オーブンでの熱処理後もシワを全く生じておらず、耐熱性良好。 ×:オーブンでの熱処理後に層間剥離を生じており、耐熱性不良。 5) 熱貼着後のポリエステル複合材料の縦方向に多数のシワが生じており、 剥離強度及び耐熱性の試験に用いる得る試験片の採取が不能であった。
【0059】上記の表3の結果から、ポリエステルフィ
ルムとポリエステル不織布を熱貼着する際の予熱温度と
して、ポリエステルフィルムの融点よりも160℃低い
温度から70℃低い温度の範囲を採用した実施例5〜7
で得られたポリエステル複合材料は、ポリエステルフィ
ルムとポリエステル不織布との間の熱貼着が良好に行わ
れて、両者間の剥離強度が大きく、しかも耐熱性に優れ
ていて230℃のオーブン中で1時間加熱した後でもシ
ワの発生がないことがわかる。これに対して、ポリエス
テルフィルムとポリエステル不織布の熱貼着する前の予
熱温度として、(ポリエステルフィルムの融点−160
℃)よりも低い温度を採用した比較例3で得られたポリ
エステル複合材料の場合は、ポリエステルフィルムとポ
リエステル不織布の熱貼着が良好に行われず、両者間の
剥離強度が実施例5〜7に比べて大幅に低く、しかも2
30℃のオーブン中で1時間加熱した後に層間剥離が発
生し、耐熱性に劣ることがわかる。また、ポリエステル
フィルムとポリエステル不織布の熱貼着する前の予熱温
度として、(ポリエステルフィルムの融点−70℃)よ
りも高い温度を採用した比較例4の場合は、熱貼着時に
既に多数のシワが縦方向に発生し、低品質のポリエステ
ル複合材料になってしまうことがわかる。
【0060】《実施例8》 (1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(油化シェ
ル社製「エピコート828」)のメチルエチルケトン5
0%溶液に硬化剤(ジシアンジアミド;油化シェル社製
「エピキュアDICY」)を樹脂固形分に対して10%
添加してエポキシ樹脂溶液を調製した。 (2) 実施例1の(3)で得られたポリエステル複合
材料BのA4サイズカット品を、上記(1)で調製した
エポキシ樹脂溶液中に浸漬し、次いで取り出して一対の
ゴムローラからなるマングル絞り機で絞り、24時間室
温で吊り下げて溶剤(メチルエチルケトン)を蒸発させ
てプレプリグ品を製造した。 (3) 上記(2)で得られたプレプリグ品を180℃
の熱風循環器中に3時間吊してエポキシ樹脂を硬化させ
て、エポキシ樹脂含浸材料を作製した。このエポキシ樹
脂含浸材料の主要な特性は下記の表4に示すとおりであ
った。
【0061】
【表4】 [エポキシ樹脂含浸材料の特性] ○含浸前ポリエステル複合材料Bの重量1) 112g/m2 ○製品(エポキシ樹脂含浸材料)の物性: ・重 量 146g/m2 ・エポキシ樹脂付着量 34g/m2 ・厚 さ 0.144mm ・絶縁破壊電圧(AC) 15.5KV 108KV/mm ・長期耐熱性2) 158℃ 1) エポキシ樹脂を含浸する前のポリエステル複合材料Bの重量。 2) IEC216に準拠したJEC−6151−1995による測定値 (試料伸度の低下が50%に2万時間で達する温度を算定)。
【0062】上記の表4の結果から、本発明のポリエス
テル複合材料に電気絶縁性樹脂を付着させてなる本発明
の電気絶縁材料は、IECによる長期耐熱特性が158
℃であって、F種(130〜155℃)を十分に超えて
おり、高耐熱性電気絶縁材料として有用であることが確
認された。
【0063】《実施例9》 (1)実施例1の(2)で得られたポリエステル複合材
料AのA4サイズカット品のポリエステル不織布側にア
クリル樹脂エマルジヨン(大日本インキ化学社製「DI
CNAL E−6403」)を原液でコートし、マング
ル絞り機で軽く絞った後、105℃で3時間乾燥して、
アクリル樹脂コート材料を製造した。これにより得られ
たアクリル樹脂コート材料の特性は、下記の表5に示す
とおりであった。
【0064】
【表5】 [アクリル樹脂コート材料の特性] ○コート前ポリエステル複合材料A1) ・重 量 98.5g/m2 ・厚 さ 0.087mm ○製品(アクリル樹脂コート材料)の物性: ・重 量 132.7g/m2 ・アクリル樹脂付着量 34.2g/m2 1) アクリル樹脂をコートする前のポリエステル複合材料Aの重量。
【0065】(2) 上記(1)で得られたアクリル樹
脂コート材料をアクリル樹脂コート面を外側にして二つ
折にし、スチールロール/コットンロールの組み合わせ
からなるカレンダー加工機(スチール温度21℃、線圧
60kg/cm)に10m/分の速度で通した。その結
果、折り曲げ部には、一切破損が認められず、この実施
例9で得られたアクリル樹脂コート材料は、Vカットな
どの外力に対して十分な追従性を備えており、家具、壁
紙、建材などにおける化粧紙、特に伸度の必要なVカッ
ト化粧紙などとして有効であることが確認された。
【0066】
【発明の効果】本発明のポリエステル複合材料は、高い
耐熱性を有し、しかも耐水性および柔軟性を有し、ポリ
エステルフィルムとポリエステル不織布との間の接着強
度が大きく、それらの特性を活かして、高耐熱性電気絶
縁材料をはじめとして種々の用途に有効に使用すること
ができる。本発明による場合は、上記した優れた特性を
有するポリエステル複合材料を、接着剤などポリエステ
ルフィルムやポリエステル不織布に別途施したり、接着
剤を両基材の貼着後に硬化するなどの手間が要らず、少
ない工程数で簡単に且つ生産性良く製造することができ
る。
【0067】そして、上記のポリエステル複合材料の製
造に際して、ポリエステルフィルムの片面または両面に
ポリエステル不織布を重ねる前にまたは重ねた後に、ポ
リエステルフィルムおよびポリエステル不織布を、ポリ
エステルフィルムの融点よりも160℃低い温度から7
0℃低い温度の範囲内の温度に予熱しておき、次いで加
熱加圧してポリエステルフィルムとポリエステル不織布
を貼着させる本発明の方法による場合は、ポリエステル
フィルムとポリエステル不織布が強固に熱貼着されたポ
リエステル複合材料を、ポリエステルフィルムにシワな
どを生ずることなく円滑に製造することができる。
【0068】さらに、上記した本発明のポリエステル複
合材料におけるポリエステル不織布部分にシリコーン樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
熱硬化性ポリエステル樹脂やその他の耐熱性樹脂または
電気絶縁性樹脂を含浸や付着などしてなる本発明の電気
絶縁材料は、耐熱性に一層優れており、IEC規格のF
種合格の電気絶縁材料として電機機器分野で極めて有効
に用いることができる。また、本発明のポリエステル複
合材料のポリエステル不織布部分に、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、メラミン樹脂やその他の印刷適性樹脂を含
浸や付着してなる本発明の印刷適性材料は、耐熱耐水
性、印刷性、白度、隠蔽性に優れていて、耐熱耐水性が
必要とされる印刷材料、例えば、家具、壁紙、建材など
における化粧紙、特に伸度の必要なVカット化粧紙など
として有効に使用できる。しかも、この印刷適性材料
は、焼却した場合に、従来の塩化ビニル樹脂フィルム製
化粧紙におけるような塩素ガスやダイオキシンなどの有
毒ガスの発生がなく、安全性が高く、環境汚染保護の面
で優れる代替材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高津 直哉 愛媛県川之江市川之江町156番地 三木特 種製紙株式会社内 (72)発明者 宮城 明夫 愛媛県川之江市川之江町121番地 三木特 種加工紙株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの片面または両面
    にポリエステル不織布を熱貼着してなるポリエステル複
    合材料であって、前記ポリエステル不織布が、ポリエス
    テル主体繊維と、該ポリエステル主体繊維の融点よりも
    5〜50℃低い融点を有する熱融着性バインダー繊維よ
    りなることを特徴とするポリエステル複合材料。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムおよびポリエステ
    ル主体繊維が、エチレングリコール単位および/または
    1,4−ブタンジオール単位よりなるジオール単位と、
    テレフタル酸単位および/またはナフタレンジカルボン
    酸単位よりなるジカルボン酸単位から主としてなるポリ
    (アルキレンアリレート)よりなっている請求項1のポ
    リエステル複合材料。
  3. 【請求項3】 熱融着性バインダー繊維が、ポリエステ
    ル主体繊維の融点よりも5〜50℃低い融点を有し且つ
    複屈折(△n)が0.05以下のポリエステル繊維より
    なっている請求項1または2のポリエステル複合材料。
  4. 【請求項4】 ポリエステル不織布が湿式不織布である
    請求項1〜3のいずれか1項のポリエステル複合材料。
  5. 【請求項5】 ポリエステル不織布におけるポリエステ
    ル主体繊維:熱融着性バインダー繊維の割合が、重量比
    で、70:30〜40:60である請求項1〜4のいず
    れか1項のポリエステル複合材料。
  6. 【請求項6】 ポリエステルフィルムの片面または両面
    にポリエステル不織布を重ねる前にまたは重ねた後に、
    ポリエステルフィルムおよびポリエステル不織布を、ポ
    リエステルフィルムの融点よりも160℃低い温度から
    70℃低い温度の範囲内の温度に予熱しておき、次いで
    加熱加圧してポリエステルフィルムとポリエステル不織
    布を貼着させることを特徴とする、請求項1〜5のいず
    れか1項のポリエステル複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項のポリエス
    テル複合材料におけるポリエステル不織布部分に電気絶
    縁性樹脂を施してあることを特徴とする電気絶縁材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項のポリエス
    テル複合材料におけるポリエステル不織布部分に印刷適
    性樹脂を施してあることを特徴とする印刷適性材料。
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