JP2017015920A - 光拡散シートおよび光拡散フィルム - Google Patents

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宗央 小山
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順行 服部
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誠 山中
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Abstract

【課題】アクリル樹脂などの透明材料を塗布して光拡散シートとするだけでなく、透明樹脂を含浸することなく不織布単独で使用することが可能な光学適性、機械適性、加工適性、外観に優れた光拡散シートを提供する。【解決手段】ポリエステル主体繊維及び芯鞘型ポリエステル系複合繊維を含有するA層の両方の面に、ポリエステル主体繊維及び未延伸ポリエステル繊維を含有するB層を積層してなる光拡散シートであって、B層及びA層の質量比が、B層:A層:B層=1:7:1〜1:2:1である。【選択図】なし

Description

本発明は、光拡散シートおよび光拡散フィルムに関する。
光拡散シートは、液晶ディスプレイなどにおいてバックライトと呼ばれる背面照射型面光源装置において光源からの光の強度を均一にしたり、光の斑をなくしたりする目的で使用されている。従来の光拡散シートは、ポリカーボネート樹脂やアクリル系樹脂等の透明材料に光拡散材と呼ばれるシリカや酸化チタンなどの微粒子を添加した光拡散板が知られており、光拡散材の粒径や透明材料との屈折率の差を考慮した材料の選択により光線透過率や光散乱率を調整している。しかしながら光拡散板は、射出成形、押出成形等によって作製されるため、薄型、軽量の光拡散シートを作製することは難しい。そこで、薄型、軽量の光拡散フィルムとして、ポリエステルの糸を用いた織布を光拡散フィルム用基材とし、基材にアクリル系樹脂を塗布したもの(特許文献1)が提案されている。
さらには、特許文献1の生産性を改善する目的で、低融点の樹脂を鞘部に、高融点の樹脂を芯部に配置した芯鞘型複合繊維からなる乾式不織布を光拡散フィルム用基材としアクリル系樹脂を塗布したもの(特許文献2)が提案されている。
なお、 従来から、抄紙用ポリエステル繊維には、ポリエステル主体繊維とポリエステル系バインダー繊維とがあり、バインダー繊維としては、低軟化点の変性ポリエステルを鞘部に、通常の融点を有するポリエステルを芯部に配置した芯鞘型ポリエステル系複合繊維や繊維の結晶化度が低い未延伸ポリエステル繊維が使用されている。
芯鞘型ポリエステル系複合繊維は、鞘部に低軟化点の変性ポリエステルを使用されているため、高密度化するために高温で熱圧加工した場合、軟化した変性ポリエステル(鞘部)が熱ロール表面に接着してしまうなどの問題が発生するため、前記軟化点以上の温度での熱圧加工は困難となる。
一方、未延伸ポリエステル繊維は、抄紙工程での乾燥により、繊維の一部に結晶化が進み、更に得られたシートを一対の熱ロール等で熱圧加工することで、高密度で高強度なシートを得ることができ、熱ロールなどへのバインダー繊維の接着は、ポリエスエルの融点以下で加工する場合に限り、軽度である。しかしながら、熱により変形すること、また、ポリエステル主体繊維と屈折率が近いため、高密度化するにしたがって光線透過率が高くなり光拡散率が低くなる問題があった。
特開平9−30602号公報 特開2010−152189号公報
しかしながら、特許文献2で開示された光拡散フィルムは、芯鞘型複合繊維を使用するため鞘部の融点もしくは軟化点よりも低い温度で熱圧加工する必要があり低密度であるので、アクリル系樹脂などの透明材料を塗布する用途には適しているが、不織布単独で光拡散シートとして使用するには、密度が低すぎて光線透過率や光散乱率が不十分であった。
そこで、本発明は、アクリル樹脂などの透明材料を塗布して光拡散シートとするだけでなく、透明樹脂を含浸することなく不織布単独で使用することが可能な光学適性、機械適性、加工適性、外観に優れた光拡散シートを提供することを課題とする。
本発明は下記[1]〜[10]を提供する。
[1] 少なくともポリエステル主体繊維及び芯鞘型ポリエステル系複合繊維を含有するA層の両方の面に、ポリエステル主体繊維及び未延伸ポリエステル繊維を含有するB層を積層してなる光拡散シートであって、前記B層及び前記A層の質量比が、B層:A層:B層=1:7:1〜1:2:1であることを特徴とする光拡散シート。
[2] 前記該ポリエステル主体繊維の単繊維繊度が0.05〜3.5dtex、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の単繊維繊度が0.4〜2.5dtex、未延伸ポリエステル繊維の単繊維繊度が0.1〜1.5dtexであることを特徴とする[1]記載の光拡散シート。
[3]前記芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点が90〜140℃であり、未延伸ポリエステル繊維の融点が220〜260℃であることを特徴とする[1]〜[2]のいずれか一項に記載の光拡散シート。
[4]前記芯鞘型ポリエステル系複合繊維の芯部と鞘部の断面積の比率が、芯部:鞘部=35:65〜65:35であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の光拡散シート。
[5]前記光拡散シートの坪量が40〜100g/mであることを[1]〜[4]のいずれか一項に記載の光拡散シート。
[6] 前記A層におけるポリエステル主体繊維と芯鞘型ポリエステル系複合繊維の質量比が20:80〜70:30であって、前記B層におけるポリエステル主体繊維と未延伸ポリエステル繊維の質量比が20:80〜70:30であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の光拡散シート。
[7] 前記光拡散シートにおける全繊維の5質量%以上が、扁平度(長径/短径)1.1以上であることを特徴とする請求項[1]〜[6]のいずれか一項に記載の光拡散シート。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の光拡散シートの少なくとも片面へ透明樹脂を表面塗布、あるいは含浸塗布したことを特徴とする光拡散フィルム。
[9] 前記B層、前記A層を各々湿式抄紙法により抄紙し、乾燥したシートをB層、A層、B層の順に積層し熱圧加工を施す光拡散シートの製造方法において、前記熱圧加工の温度が、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点以上、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点以下であることを特徴とする光拡散シートの製造方法。
[10] 前記B層、前記A層をB層、A層、B層をこの順で湿式抄紙法により抄き合せてから乾燥し熱圧加工を施す光拡散シートの製造方法において、前記熱圧加工の温度が、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点以上、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点以下であることを特徴とする光拡散シートの製造方法。
[11]前記熱圧加工の温度が、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点より50℃以上高く、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点より30℃以上低いことを特徴とする[9]〜[10]に記載の光拡散シートの製造方法。
本発明によれば、アクリル樹脂などの透透明樹脂を含浸することなく不織布単独で使用することが可能な光学適性、機械適性、加工適性、外観に優れた光拡散シートを得ることができる。
本発明の光拡散シートは、少なくともポリエステル主体繊維及び芯鞘型ポリエステル系複合繊維を含有するA層の両方の面に、ポリエステル主体繊維及び未延伸ポリエステル繊維を含有するB層を積層してなる光拡散シートであって、該B層及びA層の質量比が、B層:A層:B層=1:7:1〜1:2:1であることを特徴とする。
従来から、抄紙用ポリエステル繊維には、ポリエステル主体繊維とポリエステル系バインダー繊維とがあり、バインダー繊維としては、低軟化点の変性ポリエステルを鞘部に、通常の融点を有するポリエステルを芯部に配置した芯鞘型ポリエステル系複合繊維や繊維の結晶化度が低い未延伸ポリエステル繊維が使用されている。
芯鞘型ポリエステル系複合繊維は、鞘部に低軟化点の変性ポリエステルを使用しているため、芯鞘型ポリエステル系複合繊維をバインダー繊維として用いたシートを高密度化しようと一対の熱ロール等を用いて高温で熱圧加工する場合、軟化した変性ポリエステル(鞘部)が熱ロール表面に接着してしまうなどの問題が発生するため、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の軟化点以上の温度でのシートの熱圧加工は困難となる。
一方、未延伸ポリエステル繊維は、抄紙工程での乾燥により、繊維の一部に結晶化が進み、更に得られたシートを一対の熱ロール等を用いて熱圧加工することで、高密度で高強度なシートを得ることができる。熱ロールなどへのバインダー繊維の接着は、ポリエステルの融点以下で加工する場合に限り、軽度である。しかしながら、未延伸ポリエステル繊維はポリエステル主体繊維と屈折率が近いあるいは同一であるため、1つの屈折率領域しか有さず、高密度化するにしたがって光線透過率が高くなり光拡散率が低くなるという問題があった。
これに対して、本発明の光拡散シートは、芯鞘型ポリエステル系複合繊維を含有する層の両方の面に未延伸ポリエステル繊維を含有する層を積層しているので、芯鞘型ポリエステル繊維の軟化点以上、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点以下の温度において金属製熱ロールなどを用いてシートを熱圧加工しても、熱ロールなどへのバインダー繊維などが付着するといった問題は発生せず、芯鞘型ポリエステル系複合繊維を含有する層の高密度化が可能となる。
また、本発明の光拡散シートは、ポリエステル主体繊維と芯鞘型ポリエステル系複合繊維とを使用することで光拡散率の低下を防止することができる。芯鞘型複合繊維は鞘部である第一の屈折率領域と芯部である第二の屈折率領域を有し、熱圧加工によって高密度のシートとなった場合に、主体繊維は、芯鞘型複合繊維の芯部と同じ第二のもしくは異なる第三の屈折率領域となるため、屈折率領域が増え、好適な光線透過性と広い光拡散性を発現すると推測される。
さらには、本発明の光拡散シートは、A層とB層の層間でも屈折率領域が存在するため、より光線透過率を低下させ、より高い光拡散性を有するシートとなる。
本発明の光拡散シートは、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点以上であって未延伸ポリエステル繊維の融点以下の温度で熱圧加工を行うことで好適な光線透過性と高い光拡散性が得られる。
芯鞘型複合繊維の芯部と鞘部の屈折率の差によらず、上記温度領域で熱圧加工を行うことで、主体繊維は円形断面からの大きな変形がないが、未延伸繊維は変形しながら繊維間の接着強度を発現する。しかしながら、芯鞘型複合繊維は鞘部のみが熱によって変形しながら繊維間の接着強度を発現するが、芯部は主体繊維と同様の延伸繊維であるため、シート全体でみると、円形断面からの大きな変形のない繊維の本数が、主体繊維と未延伸繊維との組合せよりも主体繊維と芯鞘型複合繊維の組合せのほうが多くなるため、好適な光線透過性と高い光拡散性が得られると考えられる。
具体的な熱圧加工の温度条件としては、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点より50℃以上高く、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点より30℃以上低いことが好ましい。
本発明のポリエステル主体繊維および未延伸ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリフェニレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど種々のポリエステルが使用できるが、主たる繰り返し単位の85モル%以上がテレフタル酸とエチレングリコールとを反応させてなるエチレンテレフタレート単位からなるポリエステルである延伸糸および未延伸糸であることが好ましい。テレフタル酸およびエチレングリコール以外の成分、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、5−スルホイソフタル酸テトラブチルアンモニウム、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールなどを少量(通常は、テレフタル酸等成分に対して15モル%以下)ランダム共重合もしくはブロック共重合したものであってもよい。中でも本発明の未延伸ポリエステル繊維は5−スルホイソフタル酸ナトリウムを0.5モル%以上共重合したポリエチレンテレフタレートが好適に使用できる。
本発明の芯鞘型ポリエステル系複合繊維は、芯成分としては、主たる繰り返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタレート単位からなるポリエステルであることが好ましい。一方、鞘成分としてはバインダー機能のあるポリエステルを用いるのだが、そのバインダー成分としては、ポリエステル系の非晶性共重合ポリエステルを好ましく用いることができる。該共重合ポリエステルは、テレフタル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、アジピン酸、セバシン酸等の酸成分と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール等のジオール成分との共重合によって得られるが、特にテレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコール及びジエチレングリコールから得られる非晶性共重合ポリエステルが好ましく使用できる。
なお、これらのポリエステルには、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、抗菌剤、消臭剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでもよい。
本発明の光拡散シートにおいて、ポリエステル主体繊維の単繊維繊度が0.05〜3.5dtex、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の単繊維繊度が0.4〜2.5dtex、未延伸ポリエステル繊維の単繊維繊度が0.1〜1.5dtexであることが好ましい。
ポリエステル主体繊維の単繊維繊度が0.05dtex以下、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の単繊維繊度が0.4dtex以下、未延伸ポリエステル繊維の単繊維繊度が0.1dtex以下ではシート内の空隙が小さくなりすぎてしまい、光線透過性が良くなりすぎてしまう。また、ポリエステル主体繊維の単繊維繊度が3.5dtex以上、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の単繊維繊度が2.5dtex以上、未延伸ポリエステル繊維の単繊維繊度が1.5dtex以上では強度が低くなるばかりでなく、シート内の空隙が大きくなりすぎてしまい拡散性が悪くなる。
本発明の光拡散シートにおいて、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の芯:鞘の断面積の比率が35:65〜65:35であること(芯部の繊度が0.15〜1.6dtex)である。
本発明の光拡散シートにおいて、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点が90〜140℃であり、未延伸ポリエステル繊維の融点が220〜260℃であることが好ましい。
本発明の拡散シートにおいて、ポリエステル繊維の繊維長は2mmより長く20mmよりも短いものを用いることができる。より好ましくは3mm以上、10mm以下である。
繊維長が2mmよりも短いと、シート強度が低下する。繊維長が10mmよりも長いと地合いが悪くなる。
本発明の光拡散シートにおいて、B層:A層:B層の質量比が、B層:A層:B層=1:7:1〜1:2:1であることが重要である。また、光拡散シートの坪量が40〜100g/mであることが好ましい。
B層が薄くなりすぎると抄紙によるムラができやすくなり、また熱カレンダー加工を施す時にA層の芯鞘型複合繊維がシート表面に現れ金属ロールと接するため、熱加工が困難となる。一方、B層が厚くなりすぎると相対的にA層が薄くなり、A層の有する光拡散性が不足してしまう。B層の坪量は、上記の層比を超えない範囲において、A層の一方の面ともう一方の面とで坪量が同じでも異なっていても構わない。
本発明の光拡散シートは、A層におけるポリエステル主体繊維と芯鞘型ポリエステル系複合繊維の質量比が20:80〜70:30であって、B層におけるポリエステル主体繊維と未延伸ポリエステル繊維との質量比が20:80〜70:30である。
ポリエステル主体繊維が20質量%未満では未延伸ポリエステル繊維や芯鞘型複合繊維の鞘部のように変形する繊維量が多くなりすぎてしまい、拡散性が得られない。一方、主体繊維が70%を超えると、密度が低く強度の低いシートとなってしまい、コシがなく、単独での光拡散シートの使用に適さない。
本発明の光拡散シートは、シート中における全繊維の5質量%以上が扁平度(長径/短径)1.1以上となるよう熱圧加工されていることが好ましい。
本発明の光拡散シートは、光拡散シートの少なくとも片面へ透明樹脂を表面塗布、あるいは透明樹脂を含浸塗布して光拡散フィルムとすることができる。
<評価方法>
<光学特性>全光線透過率を測定し、透過率60%未満を「○」、60%以上を「×」とした。
<機械適性>コシがあり、シート単独で面光源装置の部材として使用可能なものを「○」、使用に適さないものを「×」とした。
<繊維目>外観において、シート内の繊維が明確に目視判別できるものを「×」、目視でシート表面の繊維が判別できないものを「○」とした。
<加工適性>一対の熱ロールによる熱圧加工処理において、熱ロール表面に貼りつき連続加工できないものを「×」、連続加工できるものを「○」とした。
(参考例1)
主体繊維として0.6dtex×5mmの延伸ポリエステル繊維(TA04N、帝人製)を40%と、バインダー繊維として1.2dtex×5mmの未延伸ポリエステル繊維(TR07N,帝人製)を60%とをTAPPI標準離解機で混合、分散させ、TAPPI標準シートマシンにて坪量70g/mの手抄きシートを作製した。実験用シリンダードライヤーの温度は110℃とした。
次いで、一対の熱ロールを有する熱カレンダーを用い、ロール表面温度135℃、線圧30kg/cm、加工速度2m/minの条件で熱圧処理を行い、熱圧加工時のロール表面へのシートの貼りつきなく、光拡散シートを得た。
シートは柔軟でコシがなく、シート表面の繊維が目視で判別できるシートであった。シートの全光線透過率は59.2%であった。
(参考例2)
熱カレンダーのロール表面温度を170℃とした以外は、比較例1と同様にして光拡散シートを得た。熱ロールへのシートの貼りつきはなかった。
得られたシートはコシがあり、シート表面も繊維が目視で確認できない程度に平滑であったが、透明になり全光線透過率は75.0%と光が透過しすぎるシートとなった。
(参考例3)
主体繊維として0.6dtex×5mmの延伸ポリエステル繊維(TA04N、帝人製)を40%と、バインダー繊維として1.1dtex×5mmの芯鞘型ポリエステル系複合繊維(TJ04CN,帝人製)を60%とした以外は比較例1と同様にして手抄きシートを作製した。
次いで、一対の熱ロールを有する熱カレンダーを用い、ロール表面温度135℃、線圧30kg/cm、加工速度2m/minの条件で熱圧処理を行い、熱圧加工時のロール表面へはシートが貼りつき気味であるものの、光拡散シートを得た。
シートは柔軟でコシがなく、シート表面の繊維が目視で判別できるシートであった。シートの全光線透過率は57.3%であった。
(参考例4)
比較例3で作成した手抄きシートを、一対の熱ロールを有する熱カレンダーを用い、ロール表面温度170℃、線圧30kg/cm、加工速度2m/minの条件で熱圧処理を行ったところ、芯鞘複合繊維の鞘部が溶融しシートが熱ロール表面に貼りつき、光拡散シートを得ることができなかった。
そこで、熱ロール間へ手抄き紙を通紙する際に、2枚の厚さ1mmのシリコンフィルムの間に挟んだ状態で、上記の条件で熱圧処理を行い、光拡散シートを得た。
熱加工は困難であるものの、シートは硬くコシがあり、シート表面も繊維が目視で確認できない程度に平滑であり、全光線透過率は59.1%と好適な光線透過性を有すシートが得られることが分かった。
(実施例1)
主体繊維として0.6dtex×5mmの延伸ポリエステル繊維(TA04N、帝人製)を40%と、バインダー繊維として1.2dtex×5mmの未延伸ポリエステル繊維(TR07N,帝人製)を60%とをTAPPI標準離解機で混合、分散させ、B層(表層)用のパルプスラリーを得た。それとは別に、主体繊維として0.6dtex×5mmの延伸ポリエステル繊維(TA04N、帝人製)を40%と、バインダー繊維として1.1dtex×5mmの芯鞘型ポリエステル系複合繊維(TJ04CN,帝人製)を60%とをTAPPI標準離解機で混合、分散させ、A層(中層)用のパルプスラリーを得た。
次いで、TAPPI標準シートマシンにてB層を坪量10g/m、A層を50g/m、B層を10g/mの順に抄き合せ、坪量70g/m2の手抄きシートを作製した。実験用シリンダードライヤーでの乾燥温度は110℃とした。
次いで、一対の熱ロールを有する熱カレンダーを用い、ロール表面温度170℃、線圧30kg/cm、加工速度2m/minの条件で熱圧処理を行ったところ、熱ロール表面へのシートの貼りつきなく熱加工が行え、光拡散シートを得た。
得られたシートは硬くコシがあり、シート表面も繊維が目視で確認できない程度に平滑であり、全光線透過率は55.0%と好適な光線透過性であった。
(実施例2)
TAPPI標準シートマシンにてB層を坪量14g/m、A層を42g/m、B層を14g/mの順に抄き合せ、坪量70g/m2の手抄きシートとした以外は実施例1と同様にして光拡散シートを得た。
熱圧処理時の熱ロールへの貼りつきといった不具合がなく、硬くコシがあり、シート表面も繊維が目視で確認できない程度に平滑であり、全光線透過率は59.4%と好適な光線透過性を有すシートを得た。
(実施例3)
B層(表層)用のパルプスラリーを、主体繊維として0.1dtex×3mmの延伸ポリエステル繊維(TM04PN、帝人製)を40%と、バインダー繊維として0.2dtex×5mmの未延伸ポリエステル繊維(TK08PN、帝人製)を60%とした以外は実施例1と同様にして光拡散シートを得た。
熱圧処理時の熱ロールへの貼りつきといった不具合がなく、硬くコシがあり、シート表面も繊維が目視で確認できない程度に平滑であり、全光線透過率は実施例1に比べて高くなるものの57.6%と好適な光線透過性を有すシートを得た。
(実施例4)
A層のパルプスラリーを、主体繊維として1.7dtex×5mmの延伸ポリエステル繊維(TT04N、帝人製)を40%と、バインダー繊維として2.2dtex×5mmの芯鞘型ポリエステル系複合繊維(TJ04CN、帝人製)を60%とをTAPPI標準離解機で混合、分散させ、A層(中層)用のパルプスラリーとした以外は実施例1と同様にして光拡散シートを得た。
熱圧処理時の熱ロールへの貼りつきといった不具合がなく、硬くコシがあり、シート表面も繊維が目視で確認できない程度に平滑であり、全光線透過率は実施例1に比べて低く52.8%と好適な光線透過性を有すシートを得た。
(比較例1)
TAPPI標準シートマシンにてB層を坪量7g/m、A層を56g/m、B層を7g/mの順に抄き合せ、坪量70g/mの手抄きシートとした以外は実施例1と同様にして光拡散シートを作製した。
熱圧処理時の熱ロールへの貼りつきが発生し、参考例4のように熱ロール間へ手抄き紙を通紙する際に、2枚の厚さ1mmのシリコンフィルムの間に挟んだ状態で熱圧処理を行う必要があった。得られた光拡散シートの全光線透過率は54.1%であった。
(比較例2)
TAPPI標準シートマシンにてB層を坪量18g/m、A層を34g/m、B層を18g/mの順に抄き合せ、坪量70g/m2の手抄きシートとした以外は実施例1と同様にして光拡散シートを作製した。
得られた光拡散シートの全光線透過率は61.5%と高くなった。
Figure 2017015920
Figure 2017015920

Claims (11)

  1. 少なくともポリエステル主体繊維及び芯鞘型ポリエステル系複合繊維を含有するA層の両方の面に、ポリエステル主体繊維及び未延伸ポリエステル繊維を含有するB層を積層してなる光拡散シートであって、前記B層及び前記A層の質量比が、B層:A層:B層=1:7:1〜1:2:1であることを特徴とする光拡散シート。
  2. 前記該ポリエステル主体繊維の単繊維繊度が0.05〜3.5dtex、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の単繊維繊度が0.4〜2.5dtex、未延伸ポリエステル繊維の単繊維繊度が0.1〜1.5dtexであることを特徴とする請求項1記載の光拡散シート。
  3. 前記芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点が90〜140℃であり、未延伸ポリエステル繊維の融点が220〜260℃であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の光拡散シート。
  4. 前記芯鞘型ポリエステル系複合繊維の芯部と鞘部の断面積の比率が、芯部:鞘部=35:65〜65:35であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光拡散シート。
  5. 前記光拡散シートの坪量が40〜100g/mであることを請求項1〜4のいずれか一項に記載の光拡散シート。
  6. 前記A層におけるポリエステル主体繊維と芯鞘型ポリエステル系複合繊維の質量比が20:80〜70:30であって、前記B層におけるポリエステル主体繊維と未延伸ポリエステル繊維の質量比が20:80〜70:30であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光拡散シート。
  7. 前記光拡散シートにおける全繊維の5質量%以上が扁平度(長径/短径)1.1以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光拡散シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光拡散シートの少なくとも片面へ透明樹脂を表面塗布、あるいは含浸塗布したことを特徴とする光拡散フィルム。
  9. 前記B層、前記A層を各々湿式抄紙法により抄紙し、乾燥したシートをB層、A層、B層の順に積層し熱圧加工を施す光拡散シートの製造方法において、前記熱圧加工の温度が、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点以上、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点以下であることを特徴とする光拡散シートの製造方法。
  10. 前記B層、前記A層をB層、A層、B層をこの順で湿式抄紙法により抄き合せてから乾燥し熱圧加工を施す光拡散シートの製造方法において、前記熱圧加工の温度が、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点以上、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点以下であることを特徴とする光拡散シートの製造方法。
  11. 前記熱圧加工の温度が、芯鞘型ポリエステル系複合繊維の鞘部の軟化点より50℃以上高く、且つ未延伸ポリエステル繊維の融点より30℃以上低いことを特徴とする請求項9〜10のいずれか一項に記載の光拡散シートの製造方法。
JP2015132270A 2015-07-01 2015-07-01 光拡散シートおよび光拡散フィルム Pending JP2017015920A (ja)

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