JP2018031945A - 光学シート用部材及び光学シート用部材の製造方法 - Google Patents

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元道 福田
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敬生 増田
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均 藤木
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Abstract

【課題】本発明の課題は、均一性に優れ、光拡散能力の高い光学シート用部材を得ることである。【解決手段】不織布を含有してなる光学シート用部材において、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下であることを特徴とする光学シート用部材、及び、不織布を含有してなる光学シート用部材の製造方法において、平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である主体繊維とバインダー繊維とを含有する基材を湿式抄造法によって製造する工程、該基材に熱カレンダー処理を施して不織布を得る工程とを含むことを特徴とする光学シート用部材の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、光学シート用部材及び光学シート用部材の製造方法に関する。
光透過、光反射、光吸収等の光学特性を有し、光に対して種々の効果を発現させるフィルム状の光学シートが知られている。例えば、光拡散シート、偏光シート、反射シート、光拡散反射シート、反射偏光シート等が知られている。
例えば、液晶表示装置は、近年、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及してきている。本方式の表示装置の構成は、モバイル機器向け、ノート・パソコン向け、モニター向け、テレビ向けで異なるが、基本は線状の光源から出た光を、各種フィルムを通過させながら均一でムラのない面状の光にする。
バックライト方式の表示装置は、光源の配置で「エッジ・ライト型」と「直下ライト型」に分かれる。エッジ・ライト型は携帯電話機やノート・パソコンなどで使われており、バックライト・ユニットの端に光源を置く方法である。薄型化しやすいという特徴を持つが、光がパネル全面にムラなく行き渡るために、各種のフィルムを組み合わせる必要がある。直下型は大型テレビなどで使われている。バックライト・ユニットの背面に光源を配置し、大量に光源を並べることができるので、高輝度化しやすいという特徴がある。ただし、ユニットが物理的に厚くなり、コストも高いという問題がある。
バックライト方式の表示装置を構成する部材は多く、光導光板(Light Guide Plate)、光拡散シート(Diffuser)、光反射板(Reflection Sheet)、電磁波遮断シート(Electromagnetic Wave Shield Sheet)、インバータ(Inverter)、反射シート(Reflective Sheet)などがある。
光拡散シートは、エッジ・ライト型の導光板によってパネル全面に広がった光や、直下型の複数光源から出てきた光を拡散させるシートのことを指す。これによって、光をムラなく画面全体に行き渡らせることができる。また、反射シートは、液晶パネルの裏側に設置されることで、表側へと光を反射させるシートのことを指し、光の損失を防ぐことができる。
反射シートや光拡散シートは、光を反射することや、光を拡散させて目に優しい光にすることを目的として、液晶表示装置のほかに、建物や自動車の窓ガラス、照明器具、看板等に使用されている。
光拡散シートとしては、フィルムを用いた光拡散シートが主流であり、多孔質フィルムに樹脂を含浸させた光拡散シート(例えば、特許文献1参照)、多孔質フィルムと無孔質フィルムの積層型フィルムの光拡散シート(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
また、均一、高輝度、軽い、薄い等の特性を有する光拡散シートとして、織布、不織布等からなる光拡散シートが提案されている。例えば、表裏で密度の異なる不織布を使用した光拡散シート(例えば、特許文献3参照)、0.01〜1.0μmまでの平均孔径を有し、比細孔容積が少なくとも約34cm/mである不織布を含む拡散反射体(例えば、特許文献4参照)、全光線透過率が25%以上90%以下であり、総繊度5dtex以上450dtex以下の繊維を含んでいる光学シート支持体(例えば、特許文献5参照)、坪量が10g/m以上40g/m以下の不織布からなる拡散板(例えば、特許文献6参照)、非配向であり、50μm未満の繊維直径と、5を超える長さ/直径の繊維アスペクト比と、10〜80g/mの範囲の坪量と、を有する不織拡散体(例えば、特許文献7参照)、10g/m以上500g/m以下の不織布によって形成される拡散部材(例えば、特許文献8参照)が提案されている。特許文献3〜8に記載されている不織布からなる光拡散シートでは、不織布の坪量、不織布を構成している繊維の繊維径、繊維長、比細孔容積等を調整することによって、光拡散能力を調整しているが、光学的欠点が目立つ場合があった。したがって、均一で、光拡散能力に優れた光拡散シートとして使用できる光学シート用部材が求められている。
特開平8−320406号公報 特開平8−327804号公報 特表2008−543010号公報 特開2006−323392号公報 特開2007−140495号公報 特開2013−25953号公報 特表2015−510613号公報 特開2015−88269号公報
本発明の課題は、均一性に優れ、光拡散能力の高い光学シート用部材を得ることである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記発明を見出した。
(1)不織布を含有してなる光学シート用部材において、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下であることを特徴とする光学シート用部材。
(2)主体繊維とバインダー繊維の含有質量比率が75:25〜25:75である上記(1)記載の光学シート用部材。
(3)坪量が20g/m以上150g/m以下である上記(1)又は(2)記載の光学シート用部材。
(4)不織布を含有してなる光学シート用部材の製造方法において、平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である主体繊維とバインダー繊維とを含有する基材を湿式抄造法によって製造する工程、該基材に熱カレンダー処理を施して不織布を得る工程とを含むことを特徴とする光学シート用部材の製造方法。
(5)主体繊維とバインダー繊維の含有比率が75:25〜25:75である上記(4)記載の光学シート用部材の製造方法。
(6)光学シート用部材の坪量が20g/m以上150g/m以下である上記(4)又は(5)記載の光学シート用部材の製造方法。
本発明によれば、均一性に優れ、光拡散能力の高い光学シート用部材を得ることが可能になる。
エッジ・ライト型バックライトの表示装置の概略断面図である。 直下ライト型バックライトの表示装置の概略断面図である。
本発明の光学シート用部材は、不織布を含有してなり、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下であることを特徴とする。
本発明の光学シート用部材の製造方法は、不織布を含有してなる光学シート用部材の製造方法において、平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である主体繊維とバインダー繊維とを含有する基材を湿式抄造法によって製造する工程、該基材に熱カレンダー処理を施して不織布を得る工程とを含むことを特徴とする。
主体繊維とバインダー繊維とを含み、湿式抄造して得られた基材に熱カレンダー処理が施されてなる光学シート用部材は、基材が湿式抄造法によって製造されることから、内部に大小の細孔が開いており、この細孔が空気との界面を形成し、光拡散能力を示す。さらに、基材に熱カレンダー処理が施されることによって、繊維の空間的距離が狭まると同時に、繊維同士が融着することで強度が発現し、且つ、光学シート用部材としての光学的特性が向上する。
しかし、該光学シート用部材を透過光で透かした際に、光学シート用部材に使用されている繊維が固く、熱カレンダー処理した際に潰れにくい場合、繊維の空間的距離が広いため、繊維の形が視認される。これにより、光学シート用部材として使用した際に光学的均一性が低くなる傾向が見られる。また、繊維が潰れにくい場合、密度が低くなり、細孔径が大きくなる傾向にあるため、これも光学的均一性が低くなる原因となる。
そのため、本発明の光学シート用部材は、主体繊維とバインダー繊維とを含有してなる不織布において、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下であることを特徴としている。主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtexよりも大きい場合、熱カレンダー処理によって十分に繊維を変形させることが難しくなり、繊維の空間距離が大きくなり、繊維の形が視認でき、細孔径が大きくなることから、光学的均一性が低くなることがある。主体繊維の平均単繊維強度は4.9cN/dtex以下であることがより好ましく、4.8cN/dtex以下であることがさらに好ましい。ただし、主体繊維の平均単繊維強度が3.5cN/dtexよりも小さい場合、熱カレンダー処理をした際にバインダー繊維と共に主体繊維も潰されることによってフィルム化しやすくなり、光拡散能力が低くなることがある。
本発明の光学シート用部材に使用する各主体繊維の単繊維強度測定は、JIS L 1015に従って測定した値である。また、各配合の平均単繊維強度は以下の方法により求められる。
平均単繊維強度=(主体繊維1の単繊維強度(cN/dtex)×主体繊維1の含有率%+主体繊維2の単繊維強度(cN/dtex)×主体繊維2の含有率%+主体繊維3の単繊維強度(cN/dtex)×主体繊維3の含有率%+…)/(主体繊維1の質量%+主体繊維2の質量%+主体繊維3の質量%+…)
本発明の光学シート用部材における主体繊維の平均繊維径は、4.5〜18.0μmが好ましく、5.0〜13.0μmがより好ましく、5.0〜10.0μmがさらに好ましい。平均繊維径が4.5〜18.0μmの主体繊維を使うことで、地合いの良好な基材を形成することができ、均一で細かな細孔を有した光学シート用部材を提供しやすくなる。主体繊維の平均繊維径が4.5μm未満の場合、光学シート用部材に光を透過させた際に繊維が目視しやすくなり、光透過率の均一性を損なう場合があり、光透過率も非常に小さくなるため、光学シート用部材として適さない場合がある。また、光学シート用部材の主体繊維の平均繊維径が18.0μmよりも太い場合には、基材を構成する繊維の繊維密度が低くなり、光学的均一性や光拡散能力が劣る場合がある。
ここで、主体繊維の平均繊維径は以下の方法により求められる。
平均繊維径=(主体繊維1の繊維径(μm)×主体繊維1の質量%+主体繊維2の繊維径(μm)×主体繊維2の質量%+主体繊維3の繊維径(μm)×主体繊維3の質量%+…)/(主体繊維1の質量%+主体繊維2の質量%+主体繊維3の質量%+…)
主体繊維の断面形状には、円形以外に、三角形、四角形等の多角形、十字型、T字型、Y字型等の異型断面形状がある。異型断面形状を有する繊維は異型断面繊維と呼ばれる。主体繊維の繊維径は、その断面積から求めることができる。主体繊維の断面が円形の場合、断面積から求めた直径が繊維径となる。また、主体繊維が異型断面繊維の場合、断面積を円形近似した場合の直径を繊維径とすることができる。
主体繊維は、光学シート用部材の骨格を形成する繊維であり、熱カレンダー処理によって繊維形状を保持することができる繊維である。主体繊維としては、合成樹脂短繊維が使用されることが好ましい。主体繊維は、フィブリル化されていない非フィブリル化繊維(ステープルファイバー)であることが好ましい。主体繊維としては、例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系などの合成樹脂短繊維が挙げられるが、耐熱性の高いポリエステル系繊維がより好ましい。また、半合成繊維のアセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等は性能を阻害しない範囲で含有してもよい。
本発明の光学シート用部材における主体繊維の繊維長は特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。主体繊維の繊維長が1mm未満の場合には、繊維同士の絡み合いが充分でなく、製造工程で繊維の脱落等が発生しやすく、光学シート用部材の均一性を損なう場合がある。主体繊維が12mmを超える場合には、湿式抄造工程においてスラリー中で繊維同士の絡み合いが強すぎ、基材の地合いが悪化し、光学シート用部材の均一性を損なう場合がある。
本発明の光学シート用部材の密度は0.65〜1.10g/cmが好ましく、0.75〜0.95g/cmがより好ましく、0.85〜0.95g/cmがさらに好ましい。光学シート用部材の密度が0.65g/cm未満の場合には、不透明性が高くなり過ぎて、光学シートの光透過率が低下し過ぎる場合がある。また、繊維同士の熱融着度合いが低くなり、繊維のネットワーク密度が低くなって、繊維が目視しやすくなるため、光学的均一性に劣る場合がある。光学シート用部材の密度が1.10g/cmを超える場合には、光学シート用部材全体の透明度が高くなり過ぎ、光拡散能力が著しく下がる場合がある。また、基材の地合いに由来する透明度ムラが発生し、均一性を損なう場合がある。
本発明の光学シート用部材の密度は、基材を製造する際のウエットプレス、スムーサーロールの使用、ドライヤー部でのタッチロールの使用、熱カレンダーでの処理条件等を、単独又は組み合わせて調整することによって、調整することができる。
本発明の光学シート用部材の製造方法は、主体繊維とバインダー繊維とを含有する基材を湿式抄造法によって製造する工程を含む。湿式抄造法では、例えば、長網式、円網式、短網式、傾斜ワイヤー式等の湿式抄造方式を有する抄紙機を用いることができる。これらの湿式抄造方式から同種又は異種の2種以上の湿式抄造方式を有するコンビネーション抄紙機を使用することもできる。均一性に優れた基材を製造するには、長網式、傾斜ワイヤー式のように、緩やかに、ワイヤー上のスラリーから脱水することができる湿式抄造方式の抄紙機を使用することが好ましい。本発明の光学シート用部材において、不織布は単層であっても良いし、多層であっても良いが、不織布を構成する層の少なくとも1層が、長網式又は傾斜ワイヤー式を有する抄紙機で構成されることが好ましい。
特に、地合いの良好な均一性に優れた光学シート用部材を提供するためには、基材の湿式抄造工程において、目開きの小さいワイヤーを使用することが有効である。そのため、ブロンズワイヤーよりもプラスチックワイヤーを使用することが有効である。使用するプラスチックワイヤーとしては、2重織り、2.5重織り、3重織り、3.5重織りのワイヤーが好ましく、2.5重織り、3重織り、3.5重織りワイヤーがより好ましい。
本発明において、光学シート用部材は主体繊維と共にバインダー繊維を含有する。
バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維などの複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。バインダー繊維は、繊維全体又は繊維の一部のガラス転移温度又は溶融温度(融点)が、主体繊維よりも、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、低い繊維である。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、光学シート用部材の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)や、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダーは、光学シート用部材の乾燥工程で皮膜を形成しやすいが、特性を阻害しない範囲で使用することができる。本発明においては、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ、ポリエステルの未延伸繊維を好ましく用いることができる。
バインダー繊維の平均繊維径は、特に限定されないが、好ましくは2.0〜20.0μmであり、より好ましくは5.0〜15.0μmであり、さらに好ましくは7.0〜12.0μmである。バインダー繊維は、主体繊維と比較して、繊維中に結晶化していない部分が存在し、熱カレンダー処理時に加温することにより、主体繊維との結着性及びバインダー繊維同士での結着性が向上し、光学シート用部材の機械的強度を向上させる役割を果たす。その他に、溶融、可塑変形したバインダー繊維は、主体繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割も果たす。さらに、バインダー繊維のガラス転移温度又は溶融温度以上まで温度を上げる工程では、本発明の光学シート用部材の平滑性も向上させることができ、該工程で加圧が伴っていると、より効果的である。そして、バインダー繊維によって、光学シート用部材表面の細孔径を細かくすることもでき、結果として、光透過性と光拡散能力のバランスのとれた光学シート用部材を得ることが可能となる。
バインダー繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。バインダー繊維の繊維長が1mmを下回る場合、主体繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割を果たすことが難しくなって、光学シート用部材の機械的強度が低下する場合がある。また、バインダー繊維の繊維長が12mmを上回る場合、繊維本数が少なくなり、溶融部分が局在化することで光学的な均一性を損なう場合がある。バインダー繊維の断面形状についても、特に限定されず、円形以外に、三角形、四角形等の多角形、十字型、T字型、Y字型等の異型断面形状を有する繊維も含有できる。
主体繊維とバインダー繊維の質量含有比率は、75:25〜25:75であることが好ましい。より好ましくは65:35〜35:65であり、さらに好ましくは60:40〜45:55である。主体繊維の含有率が75質量%を超える場合、バインダー繊維が不足し、主体繊維をバインダー繊維が十分に覆うことができなくなることから、主体繊維が目視で確認しやすくなる場合があるため、光学的均一性が低くなる場合がある。主体繊維の含有比率が25質量%を下回る場合、バインダー繊維が過剰に存在し、シートがフィルムのようになることから、繊維と空気の界面が少なくなり、光拡散能力が低くなる場合がある。主体繊維とバインダー繊維の質量含有比率を75:25〜25:75とすることで、光学的均一性と光拡散能力のバランスのとれた光学シート用部材を得ることが可能となる。
本発明において、主体繊維、バインダー繊維を均一に水中に分散させるために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、基材を得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることをいう。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cm、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明の光学シート用部材の製造方法は、基材に熱カレンダー処理を施して不織布を得る工程を含む。熱カレンダー処理では、バインダー繊維のガラス転移温度又は溶融温度に対して−80〜±0℃の表面温度を有する金属ロールが接触するように、熱カレンダー処理を行うことが好ましい。より好ましい表面温度は、バインダー繊維のガラス転移温度又は溶融温度に対して−40〜±0℃であり、さらに好ましい表面温度は−30〜±0℃である。
熱カレンダー処理時の温度を、バインダー繊維のガラス転移温度又は溶融温度よりも80℃を超えて低くすると、どのような条件においても、繊維同士の融着が充分に進まず、光透過率が低下する場合がある。一方、熱カレンダー処理時の温度を、バインダー繊維のガラス転移温度又は溶融温度を超えて高くすると、金属ロールに繊維の溶融分が付着して、欠点が発生しやすく、光学シートの均一性を損なう場合がある。
熱カレンダー処理のロールの組み合わせとしては、金属ロール−金属ロール、金属ロール−コットンロール、金属ロール−樹脂ロール、金属ロール−微粗面金属ロール等から適宜選択して使用でき、少なくとも金属ロールの一つは加熱が可能なロールである。
加熱が可能な金属ロールの表面温度を調整する方式として、金属ロール内部を多重構造とし、その内部に蒸気あるいは加熱されたオイルを循環させる方式、内部に埋設された電熱線により加熱する方式、誘導発熱方式等が挙げられる。
熱カレンダー処理を行う際の線圧(ロールのニップ圧力)は、好ましくは19〜180kN/mであり、より好ましくは39〜150kN/mである。速度は、好ましくは5〜150m/minであり、より好ましくは10〜80m/minである。熱カレンダー処理時に付与する熱量が充分でない場合、繊維間の接触度合いが充分でなくなり、透過光で見た地合いムラが目立つ場合がある。また、熱カレンダー処理時に付与する熱量が過剰の場合、繊維の収縮が進みすぎて繊維間に隙間が発生し、密度ムラが発生する結果、透過光で見た地合いムラが悪化する場合がある。
本発明の光学シート用部材における不織布の坪量は20〜150g/mが好ましく、より好ましくは40〜130g/mである。20g/m未満の場合は、構成する繊維のネットワークを充分に構成することができず、光拡散能力や光学的均一性が低下する場合があり、150g/mを超えた場合、光透過率が低下する場合がある。
本発明の光学シート用部材は、不織布をそのままで使用してもよいし、不織布に樹脂を含浸させて又は樹脂フィルムと積層させて使用してもよい。本発明の光学シート用部材は、例えば、光拡散シート、偏光シート、反射シート、光拡散反射シート、反射偏光シート等に使用することができる。このような使用方法の中でも、本発明の光学シート用部材を、そのまま、光拡散シートとして使用する方法は、表示装置等の光学シートを用いてなる装置の軽量化や小型化に寄与することができるため、有用な使用方法である。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下、特にことわりのないかぎり、実施例、比較例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
実施例1〜3及び比較例1〜2
主体繊維として、表1記載の含有率で、表1記載の繊維径、繊維長及び単繊維強度を有する延伸ポリエステル系繊維を全量で60質量%、バインダー繊維として、表1記載の繊維長及び繊維径を有する融点260℃の未延伸ポリエステル系バインダー繊維40質量%を水に混合分散し、傾斜ワイヤー抄紙機で湿紙を湿式抄造し、表面温度130℃のヤンキードライヤーで乾燥し、抄造速度20m/minで、坪量80g/mの基材を得た。得られた基材に、金属ロール−金属ロールで構成される熱カレンダー装置を使って、金属ロールの表面温度230℃、速度20m/min、線圧80kN/mで熱カレンダー処理を施して不織布を製造し、実施例1〜3及び比較例1〜2の光学シート用部材を得た。
実施例4〜6及び比較例3
主体繊維の繊維径、繊維長、単繊維強度及び含有率を表1記載の値に変えた以外は、実施例1と同様に、実施例4〜6及び比較例3の光学シート用部材を得た。
実施例7〜10
主体繊維の繊維径、繊維長、単繊維強度及び含有率を表1記載の値に変えた以外は、実施例1と同様に、実施例7〜10の光学シート用部材を得た。
実施例11〜14
主体繊維とバインダー繊維の含有率を表1記載の値に変えた以外は、実施例1と同様に、実施例11〜14の光学シート用部材を得た。
実施例15〜18
坪量を表1記載の値に変えた以外は、実施例1と同様に、実施例15〜18の光学シート用部材を得た。
実施例及び比較例で得られた光学シート用部材に対して、以下の評価を行い、結果を表2に示した。
<光学的繊維ムラの評価>
光学シート用部材(光拡散シート)1、導光板2(透明アクリル板、3mm厚)、反射板3(チタンコートポリエチレンテレフタレートフィルム、125μm厚)、冷陰極管4とから構成される、市販のエッジ・ライト型バックライトの表示装置(図1)における光拡散シート1の代わりに、実施例及び比較例の各サンプルを1枚組み込み、光源を点灯させて、表示装置の正面から見て、目視によって光学的繊維ムラの評価を行った。この作業を十回繰り返し、以下の五段階評価を実施し、その平均値を実施例及び比較例の各サンプルの評価結果とした。実用上利用可能なのは「3」以上である。
「5」:光学的繊維ムラは見られない。
「4」:細かく観察した場合、光学的繊維ムラがわずかに見られる。
「3」:均一ではあるが、光学的繊維ムラが所々見られる。
「2」:光学的繊維ムラが見られる。
「1」:光学的繊維ムラが顕著に見られる。
<光拡散能力評価>
光学シート用部材(光拡散シート)1、3本のLED(Light Emitting Diode)ライト光源5から構成される、市販の直下ライト型バックライトの表示装置(図2)における光拡散シート1の代わりに、実施例及び比較例の各サンプルを1枚組み込み、光源を点灯させて、表示装置の正面から見て、目視によって光拡散能力の評価を行った。この作業を十回繰り返し、以下の五段階評価を実施し、その平均値を実施例及び比較例の各サンプルの評価結果とした。実用上利用可能なのは「3」以上である。
「5」:LEDライト光源の形が全く見られない。
「4」:細かく観察した場合、LEDライト光源の形がわずかに見られる。
「3」:LEDライト光源の形がやや見られる。
「2」:LEDライト光源の形が見られる。
「1」:LEDライト光源の形がはっきりと見られる。
実施例1〜3と比較例1〜2とを比較することで、不織布を含有してなり、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である実施例1〜3の光学シート用部材は、光学的繊維ムラ評価が良好であり、高い光拡散能力を持ち、光学シート用部材として優れていることが分かる。主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex超である比較例1及び2の光学シート用部材では、平均単繊維強度が大きいため、熱カレンダー処理で十分に繊維を変形させることができないため、繊維の空間距離が大きくなり、繊維の形が視認でき、細孔径が大きくなることから、光学的均一性が低くなり、光学シート用部材には適さないことが分かる。また、平均単繊維強度が特に強い比較例2では、光学的繊維ムラが顕著に見られることから、光学シート用部材には適さないことが分かる。
実施例4〜6と比較例3とを比較することで、不織布を含有してなり、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である実施例4〜6の光学シート用部材は、光学的繊維ムラ評価が良好であり、高い光拡散能力を持ち、繊維径、繊維長、単繊維強度が異なる主体繊維を併用しても、光学シート用部材として優れていることが分かる。主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex超である比較例3では、単繊維強度が5.0cN/dtex以下の繊維が含有されているものの、平均単繊維強度が大きいため、熱カレンダー処理で十分に繊維を変形させることができないため、繊維の空間距離が大きくなり、繊維の形が視認でき、細孔径が大きくなることから、光学的均一性が低くなり、光学シート用部材には適さないことが分かる。
実施例7〜10の結果から、不織布を含有してなり、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である実施例7〜10の光学シート用部材は、光学的繊維ムラ評価が良好であり、高い光拡散能力を持ち、繊維径、繊維長、単繊維強度が異なる主体繊維を併用しても、光学シート用部材として優れていることが分かる。
実施例1、11〜14の結果から、不織布を含有してなり、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である実施例11〜14の光学シート用部材は、光学的繊維ムラ評価が良好であり、高い光拡散能力を持ち、主体繊維とバインダー繊維の含有比率を変更しても、光学シート用部材として優れていることが分かる。
実施例1、15〜18の結果から、不織布を含有してなり、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である実施例15〜18の光学シート用部材は、光学的繊維ムラ評価が良好であり、高い光拡散能力を持ち、坪量を変更しても、光学シート用部材として優れていることが分かる。実施例15と実施例16の結果から、坪量が40g/mである実施例16の光学シート用部材では、実施例15の光学シート用部材と比較して、光学シート用部材を構成する繊維数が多いことから、光学的繊維ムラ、光拡散能力評価がより良好であることが分かる。
本発明の光学シート用部材は、均一性に優れ、光拡散能力が高い光学シート用部材として利用できる。
1 光反射シート
2 導光板
3 反射板
4 陰極管
5 LEDライト光源

Claims (6)

  1. 不織布を含有してなる光学シート用部材において、該不織布が主体繊維とバインダー繊維とを含有してなり、主体繊維の平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下であることを特徴とする光学シート用部材。
  2. 主体繊維とバインダー繊維の含有質量比率が75:25〜25:75である請求項1記載の光学シート用部材。
  3. 不織布の坪量が20g/m以上150g/m以下である請求項1又は2記載の光学シート用部材。
  4. 不織布を含有してなる光学シート用部材の製造方法において、平均単繊維強度が5.0cN/dtex以下である主体繊維とバインダー繊維とを含有する基材を湿式抄造法によって製造する工程、該基材に熱カレンダー処理を施して不織布を得る工程とを含むことを特徴とする光学シート用部材の製造方法。
  5. 主体繊維とバインダー繊維の含有比率が75:25〜25:75である請求項4記載の光学シート用部材の製造方法。
  6. 光学シート用部材の坪量が20g/m以上150g/m以下である請求項4又は5記載の光学シート用部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020056952A (ja) * 2018-10-03 2020-04-09 ユニチカ株式会社 シート、照明装置、膜天井

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