JPH11170334A - 管状体の製造方法及び管状体製造用金型 - Google Patents

管状体の製造方法及び管状体製造用金型

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JPH11170334A
JPH11170334A JP9346616A JP34661697A JPH11170334A JP H11170334 A JPH11170334 A JP H11170334A JP 9346616 A JP9346616 A JP 9346616A JP 34661697 A JP34661697 A JP 34661697A JP H11170334 A JPH11170334 A JP H11170334A
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flow path
mold
annular flow
tubular member
reinforcing material
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JP9346616A
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English (en)
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Shunji Hyozu
俊司 俵頭
Mitsuhide Nogami
光秀 野上
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強化材により強化された樹脂管状体の製造に
使用して好適な管状体の製造方法及び管状体製造用金型
を提供するもので、繊維状強化材を管状体の周方向に充
分に均一に配向させて、繊維状強化材による周方向の強
化がなされ、周方向の強度・剛性に優れた管状体を連続
的に成形する。 【解決手段】 管状体の製造方法及び管状体製造用金型
7 によれば、熱可塑性樹脂に繊維状強化材を混入した成
形材料混合物12は、断面縮小流路部4 を含む環状流路3
内を通過する間に、駆動回転部5 で回転によるねじりせ
ん断力の影響を受け、繊維状強化材の管状体周方向への
配向が促される。また環状流路3 の内型1と外型2 との
間隙が押出出口に進むにつれて狭くなる断面縮小流路部
4 が設けられているため、押し出された管状体がワイセ
ンベルグ効果によって縮径しても、これが断面縮小流路
部4 を通過することにより、管状体と外型2 内周面との
接触が常に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化材により強化
された樹脂管状体の製造に使用して好適な管状体の製造
方法及び管状体製造用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂管状体の強度を大きくするた
めに、繊維状の強化材を混入することが行なわれてい
る。しかし、従来法によれば、繊維状の強化材は、通
常、押出方向に配向されるため、押出方向すなわち管状
体の長手方向には繊維補強されるが、管状体の周方向に
は補強されないという欠点があった。
【0003】そこで、このような欠点を解決するものと
して、例えば実開昭61−71421号公報に記載され
ているように、ニップル(内型)と、このニップルと同
軸に設けられたダイス(外型)とを備え、ニップル及び
ダイスの何れか一方が回転駆動される管状体製造用金型
が提案された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この先提案の管状体製
造用金型を用いた管状体の製造方法によれば、製造用金
型から押出成形された管状体に混入される繊維状強化材
は、ニップル及びダイスのいずれか一方の回転により与
えられるせん断力の影響により、おおよそせん断力の働
く方向に配向され、金型から押出成形された管状体に混
入される強化繊維は、管状体の長手方向のみならず周方
向にも配向されるので、管状体は繊維状強化材により長
手方向及び周方向に補強されてはいるが、上記先提案の
金型を用いた管状体の製造方法では、繊維状強化材が管
状体の周方向に充分に均一に配向されず、強度の大きい
管状体を成形することができないという問題があった。
【0005】この発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究
を重ねた結果、管状体の周方向の強度が充分に大きくな
り得ないのは、金型の環状流路内での成形のさい、管状
に賦形される成形材料混合物は回転しているため、混合
物中に含まれる熱可塑性樹脂の特有のワイセンベルグ効
果により、金型の環状流路内で管状成形体の外径が縮小
し、外型内周面に対する管状成形体樹脂成分の接触抵抗
が低下したり、ひどい場合には、管状成形体樹脂成分が
外型内周面に接触せず、繊維状強化材を周方向に配向さ
せようとする回転方向のねじりせん断力が低下するため
であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の目的は、繊維状強化材を管状体の
周方向に充分に均一に配向させることができて、繊維状
強化材による周方向の強化がなされ、周方向の強度・剛
性に優れた管状体を連続的に成形することができる管状
体の製造方法及びこの方法に使用する管状体製造用金型
を提供しようとするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載の管状体の製造方法は、強
化材と熱可塑性樹脂とを含む成形材料混合物を、押出機
よりこれに接続された金型の環状流路内に導入し、環状
流路内に押出出口側に進むにつれて徐々に間隙が減少す
る断面縮小流路部を設けるとともに、環状流路を形成す
る内型及び外型のうちの少なくとも一方の型に、樹脂の
押出方向と同方向にのびる回転軸を中心としてかつ駆動
手段により回転する駆動回転部を設けておき、上記成形
材料混合物を、断面縮小流路部を含む環状流路内を通過
させかつその通過の間に駆動回転部から回転方向にねじ
りせん断力を受けるように管状に成形して、繊維状の強
化材が周方向に配向した管状成形体を形成し、環状流路
出口から押し出すことを特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項2記載の管状体製造用
金型は、上記管状体の製造方法に使用する金型であっ
て、環状流路を形成する内型と外型のうち、内型の外周
面の一部に逆テーパ面が設けられ及び/又は外型の内周
面の一部にテーパ面が設けられることにより、環状流路
に、押出出口側に進むにつれて徐々に間隙が減少する断
面縮小流路部が設けられ、上記内型及び外型のうちの少
なくとも一方の型に、樹脂の押出方向と同方向にのびる
回転軸を中心としてかつ駆動手段により回転する駆動回
転部が設けられており、強化材と熱可塑性樹脂とを含む
成形材料混合物が、断面縮小流路部を含む環状流路内を
通過しかつその通過の間に駆動回転部から回転方向にね
じりせん断力を受けて管状に成形せしめられ、繊維状の
強化材が周方向に配向した管状成形体が環状流路出口か
ら押し出されるようになされていることを特徴とするも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0010】まず図1〜図3を参照すると、本発明の管
状体の製造方法が適用される金型は、内型(1) と外型
(2) とで構成され、内型(1) と外型(2) との間に環状流
路(3)が形成されている。環状流路(3) を形成する内型
(1) と外型(2) との間に、押出出口側に進むにつれて徐
々に間隙が減少する断面縮小流路部(4) を設けられ、か
つ内型(1) に、樹脂の押出方向と同方向にのびる回転軸
を中心としてかつ駆動手段により回転する駆動回転部
(5) が設けられている。なお、駆動手段としては、例え
ば内型(1) の端部(1a)をモータ(6) (図4と図5参照)
の駆動軸に接続して、内型(1) を回転させるものであ
る。
【0011】なお、図示のものに限らず、内型(1) 及び
外型(2) の少なくとも一方の型に、樹脂の押出方向と同
方向にのびる回転軸を中心としてかつ駆動手段により回
転する駆動回転部(5) が設けられ、どちらか一方もしく
は両方の駆動回転部(5) が駆動手段により回転されるよ
うになされておれば良い。また両方の型(1)(2)に駆動回
転部(5) 設けられている場合には、両駆動回転部(5) の
回転方向は同方向あるいは逆方向を問わない。
【0012】本発明においては、図1〜図3と図5に示
すように、金型(7) の環状流路(3)を形成する内型(1)
と外型(2) との間隙が押出出口側に進むにつれて徐々に
減少するようになされた断面縮小流路部(4) が設けられ
ている。
【0013】この断面縮小流路部(4) を構成する内型
(1) 及び外型(2) の形状は、図1と図3に示すように、
内型(1) の外周面の一部に、通常、内型軸端部(1a)寄り
の中間部を起端(11a) として外径が内型先端部すなわち
出口側端部まで徐々に拡大する逆テーパ面(11)が設けら
れ、外型(2) の内径は一定である形態でもよく、また図
2に示すように、内型(1) の外径は一定で、外型(2) の
内周面の一部に、外型側壁(2a)寄りの中間部を起端(21
a) として、内径が外型先端部すなわち出口側端部まで
徐々に減少するテーパ面(21)が設けられる形態でも良
く、さらに図3に示すように、内型(1) の外周面の一部
に逆テーパ面(11)が設けられるとともに、外型(2) の内
周面の一部にテーパ面(21)が設けられる形態でも良い。
【0014】上記において、環状流路(3) を構成する内
型(1) の外径及び外型(2) の内径の変化は任意であり、
図1〜図3と図5に示すような環状流路(3) の押出方向
の断面図で表した場合に、直線であっても曲線であって
もよいが、金型(7) の加工上、直線であるのが簡便であ
る。
【0015】また、環状流路(3) を構成する内型(1) の
外径及び外型(2) の内径の変化は、押出出口までの環状
流路(3) 内中において、複数箇所あってもよい。
【0016】図5を参照すると、本発明の管状体の製造
方法は、強化材と熱可塑性樹脂とを含む成形材料混合物
を、押出機(10)よりこれに接続された金型(7) の環状流
路(3) 内に導入し、成形材料混合物を、断面縮小流路部
(4) を含む環状流路(3) 内を通過させかつその通過の間
に駆動回転部(5) から回転方向にねじりせん断力を受け
るように管状に成形して、繊維状の強化材が周方向に配
向した管状成形体を形成し、環状流路出口から押し出す
ものである。
【0017】なおここで、環状流路(3) を形成する内型
(1) 及び外型(2) のうちの少なくとも一方の型に設けら
れた駆動回転部(5) の回転数は、特に限定されるもので
はないが、熱可塑性樹脂のせん断発熱や繊維状強化材の
配向を考慮の上、1〜1000rpm程度とするが好ま
しく、回転数が1rpm未満では強化材の配向効果が充
分に得られず、逆に回転数が1000rpmを越える
と、熱可塑性樹脂のせん断発熱が課題となり製造が困難
となる。
【0018】また図1に示すように、内型(1) 及び/又
は外型(2) の駆動回転部(5) に対応する流路部分の押出
方向長さをLrとし、金型の流路出口の間隙の大きさを
Deとすると、Lr/Deの値は、1以上とするのが好
ましく、5以上200以下とするのがさらに好ましい。
ここで、Lr/Deの値が1未満では、繊維状強化材を
おおよそ回転方向に配向させることが困難である。
【0019】本発明の管状体の製造方法を実施する装置
の全体を示す図4を参照すると、押出機(10)に接続され
た金型(7) 出口から押し出される管状成形体は、冷却水
槽(8) において冷却し、その後引取り機(9) により引き
取って、管状体(13)の製品を得るものである。
【0020】本発明における押出機(10)としては、従来
公知の任意のものが採用されて良く、例えば1軸押出
機、2軸押出機が使用される。
【0021】図4において、金型(7) から押し出された
管状成形体の冷却は、少なくとも引取り工程において管
状体の形状及び内径と外径の寸法が塑性的に変化しない
温度まで冷却される必要があり、雰囲気温度(外気温)
まで冷却されるのが望ましい。
【0022】管状体を冷却する手段としては、管状成形
体を水槽等の冷媒の中を通過せしめる方法、ブロア等で
冷気を当てる方法、冷媒の流れる冷却金型を通過せしめ
る方法等が挙げられ、製品の寸法、製造ラインに応じて
適宜選択される。
【0023】冷却された製品を引き取る手段としては、
従来公知の任意の手段が採用されてよく、例えば、ベル
ト式引取機、キャタピラ式引取機やロール式引取機等が
適宜使用できる。
【0024】本発明において、成形材料である熱可塑性
樹脂としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ABS樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレ
タン等、及びこれらの変性材あるいはブレンド材(アロ
イ材)等の溶融成形可能な樹脂が挙げられる。
【0025】熱可塑性樹脂に混入する強化材としては、
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、超高分子量ポリエチ
レン繊維等の有機繊維、セラミック繊維等の無機繊維な
どの短繊維や、金型内でせん断力を受けることにより強
化材となる液晶ポリマー等が使用でき、コスト面及び取
り扱い面からはガラス繊維が有利である。
【0026】分子配向しやすい強化材として液晶ポリマ
ーである全芳香族液晶ポリエステルや半芳香族液晶ポリ
エステルが挙げられるが、これらは、成形加工で加わる
せん断力や伸長力により簡単にその流れ方向に配向す
る。
【0027】混合する繊維状強化材の形態としては、ミ
ルドファイバーやカットファイバーのようにモノフィラ
メント状のものをそのまま用いても良いし、何本かを集
束したチョップドストランドでも良い。
【0028】また、繊維には混合される熱可塑性樹脂に
応じて適宜表面処理剤やバインダーが付与されたもので
あっても良い。
【0029】熱可塑性樹脂に混入する強化材の形状とし
ては、ガラスロービングのような連続繊維でも良く、こ
れを適当な長さをカットしたものでも良いし、いわゆる
ウィスカー状のものでも良い。
【0030】強化材と熱可塑性樹脂の混合は、タンブラ
ー等のミキサーでドライ混合された後に押出機中で達成
されるか、主原材料以外の強化材等を押出機の途中から
供給し押出機中で達成されても良い。また、ストランド
ダイ等を用いて製造された事前に混合、製造されたペレ
ットを用いても良い。
【0031】熱可塑性樹脂に対する強化材の混合割合
は、組成物全体として以下の押出工程で成形可能な範囲
にあり、かつその割合は熱可塑性樹脂の組成や製品に必
要な性能によって適宜選択されるが、通常、1〜60重
量%、好ましくは3〜40重量%の範囲が適当である。
【0032】(作用)本発明の管状体の製造方法及び管
状体製造用金型によれば、繊維状強化材と熱可塑性樹脂
とを含む成形材料混合物(12)は、樹脂の融点以上で、押
出機(10)よりこれに接続された金型(7) の環状流路(3)
内に押し出され、成形材料混合物(12)は、断面縮小流路
部(4) を含む環状流路(3) 内を通過させられる。この
時、成形材料混合物(12)は、駆動回転部(5) で回転によ
るねじりせん断力の影響を受け、繊維状強化材の管状体
周方向への配向が促される。
【0033】そしてこの場合、成形材料混合物(12)は回
転しているため、熱可塑性樹脂特有のワイセンベルグ効
果により環状流路(3) 内で管状体の外径が縮径し、成形
材料混合物(12)と外型内周面との接触抵抗が低下したり
あるいは成形材料混合物(12)が外型内周面から離れたり
しようとするが、成形材料混合物(12)が断面縮小流路部
(4) を通過することにより、成形材料混合物(12)と外型
内周面との接触が常に保たれ、従って成形材料混合物(1
2)が駆動回転部(5) に対応する流路部分を通過する間
は、常に回転によるねじりせん断力の影響を受けて繊維
状強化材の管状体周方向への配向が促されて、管状成形
体が形成され、環状流路(3) 出口から押し出される。こ
れによって、周方向に高強度を有する管状体が得られる
ものである。
【0034】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0035】実施例1 図4に示す製造設備を使用して、外径60.0mm、厚
さ5.0mmの管状体(13)を製造した。図5に、金型
(7) の詳細を示す。
【0036】熱可塑性樹脂としては、密度が0.935
g/cm3 、メルトインデックスが0.20g/10分
である中密度ポリエチレンを使用した。
【0037】熱可塑性樹脂に混合した強化材としては、
直径15μm、及び長さ5mmであるガラス繊維のチョ
ップドストランド10重量%を用い、これをミキサーに
てドライ混合した。
【0038】本実施例で用いる製造装置は、図4に示す
ように、単軸押出機(10)、押出金型(7) の回転用モータ
(6) 、金型(7) に続いて配置された水槽(8) 、及び引取
機(9) を備えている。
【0039】押出金型(7) は、図5に示すように、内型
(1) の外径は一定で、外型(2) の内周面の一部に、外型
側壁(2a)寄りの中間部を起端(21a) として、内径が外型
先端部すなわち出口側端部まで徐々に減少するテーパ面
(21)が設けられている。
【0040】押出方向と同軸に回転するようになされた
内型(1) の駆動回転部(5) の回転数は50rpmであ
り、外型(2) は固定されている。内型(1) と外型(2) と
の間の環状流路(3) において、駆動回転部(5) の基部に
おける間隙の大きさDrを6.0mmとし、環状流路
(3) 出口の間隙の大きさDeを5.0mmとした。
【0041】駆動回転部(5) の長さLを50mmとし、
外型(2) の内径が減少している部分の押出方向長さLt
を30mmとした。従ってL/Deの値は10であっ
た。
【0042】押出機(10)は単軸押出機を用い、熱可塑性
樹脂の溶融温度は200℃、外型(2) の温度は200℃
であり、内型(1) については特に冷却も加熱もしていな
かった。押出速度は0.50m/分とした。
【0043】冷却賦形金型の次に、ベルト式引取機(9)
にて引取工程を設け管状体を引き取った。
【0044】実施例2 実施例1の場合と同様に行なうが、熱可塑性樹脂に混合
した強化材として、DSCによる液晶転移温度が280
℃である全芳香族液晶ポリエチレン10重量%をミキサ
ーにてドライ混合して、管状体(7) の成形を行った。
【0045】また、駆動回転部(5) での溶融樹脂温度を
290℃、および外型(2) の温度は290℃とし、金型
(7) の終端付近での溶融樹脂温度を200℃、および外
型(2) の温度は200℃となるよう冷却を施して、管状
体を製造した。
【0046】比較例1 比較のために、実施例1における金型(7) の内型(1) と
外型(2) を、いずれも回転させずに、管状体の成形を行
った。
【0047】比較例2 比較のために、図6に示す金型を使用した。これは実施
例1における金型(7)の外型(2) に断面縮小流路部を設
けず、内型(1) の外径及び外型(2) の内径を一定とした
ものである。また、内型(1) の端部(1a)はモータ(図示
略)の駆動軸に接続して、内型(1) を回転させた。
【0048】強化材の配向角度の評価 上記各実施例及び各比較例で得られた各管状体の表面か
ら押出方向(管状体軸方向)に厚み0.1mmのサンプ
ルをスライス(押出方向へ長く皮剥き)し、偏光顕微鏡
により、繊維状強化材の配向角度を測定した。角度は押
出方向を0度とし、繊維状の強化材100本の平均値を
配向角度とした。得られた結果を表1に示す。
【0049】周方向の引張強度評価 上記各実施例及び各比較例で得られた各管状体から、幅
40mmのリング状サンプルを切り出して、リングを切
り開き、200℃で熱プレスすることにより、試験片を
作成した。この試験片を、ASTM−D638に準拠し
て引張試験を行い、周方向の引張強度を測定した。得ら
れた結果を表1にあわせて示した。
【0050】
【表1】 上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例に
よれば、熱可塑性樹脂中に混入された繊維状強化材の配
向角度が、いずれも非常に大きく、繊維状強化材は周方
向に均一に配向されており、また、得られた管状体の周
方向の引張り強度は、いずれも非常に大きく、充分な強
度及び剛性を有していて、管状体は効率的に周方向に強
化されていることが明らかである。
【0051】これに対し、比較例の管状成形体では、熱
可塑性樹脂中に混入された繊維状強化材の配向角度が小
さく、かつ周方向の引張り強度がいずれも小さく、強度
及び剛性が不足するものであった。
【0052】
【発明の効果】本発明による管状体の製造方法は、上述
の次第で、強化材と熱可塑性樹脂とを含む成形材料混合
物を、押出機よりこれに接続された金型の環状流路内に
導入し、環状流路内に押出出口側に進むにつれて徐々に
間隙が減少する断面縮小流路部を設けるとともに、環状
流路を形成する内型及び外型のうちの少なくとも一方の
型に、樹脂の押出方向と同方向にのびる回転軸を中心と
してかつ駆動手段により回転する駆動回転部を設けてお
き、上記成形材料混合物を、断面縮小流路部を含む環状
流路内を通過させかつその通過の間に駆動回転部から回
転方向にねじりせん断力を受けるように管状に成形し
て、繊維状の強化材が周方向に配向した管状成形体を形
成し、環状流路出口から押し出すものである。
【0053】また本発明による管状体製造用金型は、環
状流路を形成する内型と外型のうち、内型の外周面の一
部に逆テーパ面が設けられ及び/又は外型の内周面の一
部にテーパ面が設けられることにより、環状流路に、押
出出口側に進むにつれて徐々に間隙が減少する断面縮小
流路部が設けられているものである。
【0054】上述の本発明の方法及び金型によれば、例
えば熱可塑性樹脂に繊維状強化材を混入した場合には、
成形材料混合物は、断面縮小流路部を含む環状流路内を
通過する間に、駆動回転部で回転によるねじりせん断力
の影響を受け、繊維状強化材の管状体周方向への配向が
促され、周方向にも強化された管状体を製造することが
できるものである。また、環状流路の内型と外型との間
隙が押出出口に進むにつれて狭くなる断面縮小流路部が
設けられているため、押し出された管状体がワイセンベ
ルグ効果によって縮径しても、これが断面縮小流路部を
通過することにより、管状体と外型内周面との接触抵抗
が減少したりあるいは管状体が外型内周面から離れたり
するのを有効に防止することができ、管状体と外型内周
面との接触が常に保たれて、成形材料混合物が駆動回転
部に対応する流路部分を通過する間は、常に回転による
ねじりせん断力の影響を受けて繊維状強化材の管状体周
方向への配向が促され、繊維状強化材により周方向に効
率的に補強された周方向の強度・剛性に優れた管状体を
連続的に製造することができるという効果を奏する。
【0055】なお、本発明により製造された管状体の成
形品は、各種パイプ、ポール等のうち、周方向の強度及
び剛性を要する用途に好適に使用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管状体製造用金型の第1例を示すもの
で、図1aは金型の要部拡大縦断面図、図1bは図1a
のAーA線に沿う拡大断面図である。
【図2】本発明の管状体製造用金型の第2例を示すもの
で、図2aは金型の要部拡大縦断面図、図2bは図2a
のBーB線に沿う拡大断面図である。
【図3】本発明の管状体製造用金型の第1例を示すもの
で、図3aは金型の要部拡大縦断面図、図3bは図3a
のCーC線に沿う拡大断面図である。
【図4】本発明の管状体の製造方法を実施する装置の全
体を示すブロック図である。
【図5】図4の装置の管状体製造用金型部分の拡大断面
図である。
【図6】比較例で用いる管状体製造用金型の拡大断面図
である。
【符号の説明】
1 内型 2 外型 3 環状流路 4 断面縮小流路部 5 駆動回転部 6 モータ(駆動手段) 7 金型 10 押出機 11 逆テーパ面 11a 逆テーパ起端 12 成形材料混合物 13 管状体 21 テーパ面 21a テーパ起端

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化材と熱可塑性樹脂とを含む成形材料
    混合物を、押出機よりこれに接続された金型の環状流路
    内に導入し、環状流路内に押出出口側に進むにつれて徐
    々に間隙が減少する断面縮小流路部を設けるとともに、
    環状流路を形成する内型及び外型のうちの少なくとも一
    方の型に、樹脂の押出方向と同方向にのびる回転軸を中
    心としてかつ駆動手段により回転する駆動回転部を設け
    ておき、上記成形材料混合物を、断面縮小流路部を含む
    環状流路内を通過させかつその通過の間に駆動回転部か
    ら回転方向にねじりせん断力を受けるように管状に成形
    して、繊維状の強化材が周方向に配向した管状成形体を
    形成し、環状流路出口から押し出すことを特徴とする管
    状体の製造方法。
  2. 【請求項2】 環状流路を形成する内型と外型のうち、
    内型の外周面の一部に逆テーパ面が設けられ及び/又は
    外型の内周面の一部にテーパ面が設けられることによ
    り、環状流路に、押出出口側に進むにつれて徐々に間隙
    が減少する断面縮小流路部が設けられ、上記内型及び外
    型のうちの少なくとも一方の型に、樹脂の押出方向と同
    方向にのびる回転軸を中心としてかつ駆動手段により回
    転する駆動回転部が設けられており、強化材と熱可塑性
    樹脂とを含む成形材料混合物が、断面縮小流路部を含む
    環状流路内を通過しかつその通過の間に駆動回転部から
    回転方向にねじりせん断力を受けて管状に成形せしめら
    れ、繊維状の強化材が周方向に配向した管状成形体が環
    状流路出口から押し出されるようになされていることを
    特徴とする管状体製造用金型。
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