JPH11168010A - マイクロインダクタ - Google Patents

マイクロインダクタ

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JPH11168010A
JPH11168010A JP33468797A JP33468797A JPH11168010A JP H11168010 A JPH11168010 A JP H11168010A JP 33468797 A JP33468797 A JP 33468797A JP 33468797 A JP33468797 A JP 33468797A JP H11168010 A JPH11168010 A JP H11168010A
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JP
Japan
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coil
substrate
inductor
magnetic
core
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Pending
Application number
JP33468797A
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English (en)
Inventor
Kunio Hiyama
邦夫 樋山
Nanayuki Takeuchi
七幸 竹内
Michio Miura
道夫 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化が可能であって高効率及び高出力のコ
ンバータに適用することができると共に、良好な磁気特
性を得ることができるマイクロインダクタを提供する。 【解決手段】 表面粗さを例えば50Åとしたフェライ
ト基板1aの表面に、銅メッキによりコイル2aが形成
されている。このコイル2aは、帯状に延びる銅メッキ
層が基板1a上で周回された形状を有している。また、
基板1a上には、フェライトからなるコア3が選択的に
形成されている。このコア3はコイル2aの軸芯部分と
コイル2aの両側方とにおける基板1aの表面のみに接
触して形成されており、コイル2aから離間している。
従って、基板1aとコア3とにより、閉磁路構造が構成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高効率及び高出力の
DC−DCコンバータに適用することができるマイクロ
インダクタに関し、特に、小型化を実現することができ
るマイクロインダクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器等の磁性部品として
使用されるインダクタとして、巻き線コイルからなる開
磁路構造のインダクタが開示されている(特開平8−3
21421号公報、特開平8−289537号公報及び
特開平8−293691号公報)。図4は従来の巻き線
コイルからなるインダクタを示す斜視図である。ドラム
タイプフェライトコア12は芯部12bと、この芯部1
2bの両端に取り付けられた壁部12aとにより形成さ
れている。このドラムタイプフェライトコア12に銅線
13が巻回されることにより、インダクタ11が構成さ
れている。
【0003】このように構成されたインダクタ11にお
いては、銅線13に直流電圧が印加されると、インダク
タ11の周辺部及び芯部12b等に磁界が発生する。こ
れにより、インダクタ11が搭載されたコンバータ(図
示せず)においては、入力電源電圧を昇圧、降圧又は反
転して出力することができる。
【0004】しかしながら、図4に示す従来の巻線コイ
ルからなるインダクタにおいては、オープン構造であっ
て良好な磁気特性を得ることができないので、銅線13
の巻数を増加させる必要があるが、この巻数の増加に伴
って、直流抵抗が高くなるという問題点がある。そこ
で、直流抵抗を低減するためには、銅線13の太さを太
くする必要があり、これにより、インダクタの小型化が
困難となる。また、巻線コイルは、手作業によってコア
に銅線を巻回することにより製造されるので、大量生産
に適していない。
【0005】そこで、巻線コイルからなるインダクタと
比較して磁気特性を向上させることができると共に、小
型化することができるインダクタが提案されている(特
開平5−299282号公報、特開平6−84644号
公報、特開平5−326260号公報及び特開平6−2
52350号公報)。これらのインダクタは、閉磁路構
造を構成する磁性部と、平面状のコイルとを有するもの
である。特に、特開平5−299282号公報及び特開
平6−84644号公報には、角形に周回されたコイル
の各辺に、閉磁路構造を構成するコアが形成された薄膜
インダクタンス素子が開示されている。また、特開平5
−326260号公報には、角形に周回されたコイルの
対向する1組の辺に、閉磁路構造を構成するコアが形成
された薄膜磁気素子が開示されている。更に、特開平6
−252350号公報には、平面状のコイルが絶縁性磁
性体によって覆われて、磁性体とコイルとの間に間隙が
形成されていない完全閉磁路構造のマイクロインダクタ
が開示されている。
【0006】なお、これらのインダクタに使用されてい
る平面状のコイルは、例えば、薄膜形成技術又はプリン
ト基板技術を使用することにより製造される。このよう
に、薄膜形成技術により薄膜メッキコイルを製造する
と、導体部分の厚さを著しく薄くすることができるの
で、インダクタを小型化することができる。また、基板
表面に銅箔を接合し、この銅箔を所望の形状にエッチン
グすることにより、帯状の導体層が周回された形状のプ
リントコイルを形成することができる。
【0007】近時、DC−DC電源の薄型化及び小型化
に伴って、より一層薄い構造のマイクロインダクタが要
求されており、従来のインダクタの外径寸法を大きくす
ることなく、同一基板上に形成されるIC及びLSIと
同等の高さ又はそれ以下の高さのインダクタが要求され
ている。
【0008】また、インダクタの高性能化を図るため
に、他の部品と同様に、スイッチング電源の駆動周波数
を高くする必要があり、制御用ICとして実用化されて
いる周波数(500KHz)と同等又はそれ以上の周波
数、例えば、1MHzの周波数のものが要求されてい
る。更に、小型携帯機器に搭載されたインダクタの出力
は、現状では、0.5乃至1Wであるが、将来的には、
約5Wの出力を有するインダクタが要求される。
【0009】ところで、一般的に、インダクタの性能は
下記数式1によって算出することができる。
【0010】
【数1】Q=L×2πf/R 但し、Q;性能指数 L;インダクタンス(μH) R;抵抗(Ω) f;周波数(Hz) 上記数式1に示すように、高性能のインダクタを得るた
めには、インダクタンスL又は周波数fを高くするか、
抵抗を小さくすればよい。また、所望の性能を得るため
のインダクタンスLは、下記数式2によって算出するこ
とができる。
【0011】
【数2】L={Vout(Vin−Vout)}/(Vin×f×
Iout×LIR) 但し、Vin;最大入力電圧 Vout;出力電圧 Iout;最大DC負荷電流 f;動作周波数 LIR;コイルのインピーダンス そこで、100Vの交流電源からACアダプタを介し
て、交流12Vに接続する5W(5V−1A)のノート
型パーソナルコンピュータを得るためには、Vin=12
(V)、Vout=5(V)、Iout=1(A)及びLIR
=0.3(推奨値)を上記数式2に代入すると、L=
9.72/(Iout×f)が得られる。例えば、周波数が
1MHzである場合、出力電流Ioutを1Aとすると、
インダクタンスLは10μH、出力電流Ioutを2Aと
すると、インダクタンスLは5μHとなり、出力電流I
outを4Aとすると、インダクタンスLは2.4μHとな
る。従って、駆動周波数が1MHzである場合には、イ
ンダクタンスLが2.4乃至10μHであるインダクタ
が要求される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薄膜メ
ッキコイルからなるインダクタにおいては、コイルの厚
さが約数μm乃至10μmであるので、電流方向に直交
する方向の導体部分の断面積が極めて小さくなり、これ
により、直流抵抗が著しく高くなる。従って、薄膜メッ
キコイルを利用したインダクタには、高電流を印加する
ことができず、所望の性能を得ることができない。
【0013】また、プリントコイルからなるインダクタ
においては、銅箔をエッチングすることにより帯状の導
体層を形成するものである。従って、コイルの厚さより
も隣接する帯状の導体層間の間隔(ライン間の間隔)を
小さくしようとすると、オーバエッチング等が発生し
て、所望の寸法のコイルをパターニングすることが困難
となる。その結果、導体層間の間隔を必要以上に大きく
設定する必要があるので、インダクタの小型化が困難と
なる。また、導体層間の間隔が適切に設定されていない
場合には、コイル間での磁束の漏れが発生して、コイル
の効率が低下する。
【0014】更に、いずれのインダクタにおいても、閉
磁路構造を構成する磁性部を有しているが、この磁性部
の構造によっては、所望のインダクタンスを得ることが
できない。
【0015】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、小型化が可能であって高効率及び高出力の
コンバータに適用することができると共に、良好な磁気
特性を得ることができるマイクロインダクタを提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマイクロイ
ンダクタは、表面粗さRaが30乃至6000Åである
基板と、この基板上にメッキにより形成されたコイル
と、閉磁路構造を構成する磁性部と、を有することを特
徴とする。
【0017】この基板は、フェライト、ガラス及びシリ
コンからなる群から選択された少なくとも1種の材料に
より形成することができる。また、基板はフェライト、
ガラス及びシリコンからなる群から選択された少なくと
も1種の材料からなる基体と、アルミナ、アモルファス
磁性体、有機絶縁体及び無機絶縁体からなる群から選択
された少なくとも1種の材料からなる膜との積層体であ
ってもよい。
【0018】更に、前記表面粗さRaは50乃至300
0Åであることが好ましい。
【0019】本発明に係るマイクロインダクタは、基板
の表面粗さを適切に規定しているので、基板とその表面
に形成するメッキ層(コイル)との密着性を向上させる
ことができる。従って、このメッキにより所望の極めて
厚い導体コイルを形成することができる。これにより、
コイルの直流抵抗を低減することができるので、得られ
たインダクタを高出力及び高効率のコンバータに適用す
ることができる。また、コイルの寸法を自由に設計する
ことができるので、小型であると共に、磁束の漏れが低
減された高効率のインダクタを得ることができる。
【0020】更に、基板の表面粗さを適切に規定してい
るので、コイルの上方に形成される磁性体からなる上層
と、コイルの下方に位置する磁性体からなる基板又は下
層との接合面を良好にすることができる。即ち、本発明
は良好な接合面を有する閉磁路構造が構成されるので、
優れた磁気特性を得ることができる。その結果、コイル
の巻数を少なくすることができ、これにより、インダク
タの小型化が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係るマイ
クロインダクタについて、添付の図面を参照して具体的
に説明する。図1(a)は本発明の第1の実施例に係る
マイクロインダクタを示す斜視図であり、図1(b)は
その断面図である。図1(a)及び1(b)に示すよう
に、表面粗さを例えば50Åとしたフェライト基板1a
の表面に、銅メッキによってコイル2aが形成されてい
る。このコイル2aは、帯状に延びる銅メッキ層が基板
1a上で周回された形状を有している。また、基板1a
上には、フェライトからなるコア3が配置されている。
このコア3はコイル2aの軸芯部分とコイル2aの両側
方とにおける基板1aの表面のみに接触して形成されて
おり、コイル2aから離間している。従って、基板1a
とコア3とにより、閉磁路構造が構成されている。
【0022】このように構成された本実施例において
は、基板1aの表面粗さを適切に規定しているので、基
板1aとその表面のメッキによるコイル2aとの密着性
を向上させることができる。従って、例えば、30乃至
200μmの厚さでコイル2aを形成することができ
る。これにより、コイル2aを構成する帯状に延びる銅
メッキ層の電流方向に直交する方向における断面積が大
きくなり、コイル2aの直流抵抗を低減することができ
るので、得られたインダクタは高出力及び高効率のコン
バータに適用することができる。また、メッキによりコ
イル2aを形成するので、コイル2aの寸法、特に厚さ
を自由に設計することができる。その結果、小型である
と共に、磁束の漏れが低減された高効率のインダクタを
得ることができる。
【0023】更に、基板1aの表面粗さを適切に規定し
ているので、基板1a表面の平滑性を向上させることが
できる。従って、コア3と基板1aとにより良好な接合
面を有する閉磁路構造が構成されて、磁気特性を向上さ
せることができる。その結果、コイル2aのターン数を
少なくすることができ、インダクタの小型化が可能とな
る。
【0024】なお、第1の実施例においては、基板1a
及びコア3の材料として、フェライトを使用したが、本
発明はこれに限定されない。例えば、ガラス又はシリコ
ンウエハ等の非磁性体からなる基体の表面にアモルファ
ス磁性薄膜等の磁性膜を積層したものを基板として使用
することができる。
【0025】図2(a)は本発明の第2の実施例に係る
マイクロインダクタを示す斜視図であり、図2(b)は
その断面図である。図2(a)及び2(b)に示すよう
に、粗研磨によって表面粗さを例えば2000Åとした
Siウエハ(基体)4の表面に、0.5μmの厚さでア
ルミナ膜5が形成されている。このアルミナ膜5の表面
粗さRaは例えば1500Åとなる。これらのSiウエ
ハ4及びアルミナ膜5により、基板1bが構成されてい
る。基板1bの表面には、例えば、アモルファス磁性薄
膜と絶縁体層との積層体からなる第1磁性層(下層)6
が選択的に形成されている。
【0026】また、銅メッキ層からなるコイル2bが、
基板1b及び第1磁性層6上に形成されている。第1の
実施例と同様に、コイル2bは、帯状に延びる銅メッキ
層が基板1b及び第1磁性層6上で周回された形状を有
している。また、第1磁性層6の上には、アモルファス
磁性薄膜と絶縁体層との積層体からなる第2磁性層(上
層)7が形成されている。第2磁性層7はコイル2bの
軸芯部分とコイル2bの両側方とにおける第1磁性層6
の表面のみに接触して形成されており、コイル2bから
離間している。なお、第2の実施例においては、第1磁
性層6と第2磁性層7とにより、閉磁路構造が構成され
ている。
【0027】このように構成された第2の実施例におい
ても、基板1bの表面粗さ、即ち、アルミナ膜5の表面
粗さRaを適切に規定しているので、基板1bとメッキ
により形成されたコイル2bとの接触部分の密着性を向
上させることができる。従って、第1の実施例と同様
に、所望の厚さのコイル2bを形成することができるの
で、コイル2bの直流抵抗を低減することができる。こ
れにより、高出力及び高効率のコンバータに適用できる
インダクタを得ることができる。また、メッキによりコ
イル2bを形成するので、コイル2bの寸法を自由に設
計することができ、小型であると共に、磁束の漏れが低
減された高効率のインダクタを得ることができる。
【0028】更に、本実施例においては、基板1bの表
面粗さRaが適切に規制されているので、第1磁性層6
の表面の平滑性も向上させることができる。従って、第
1磁性層6と第2磁性層7とにより良好な接合面を有す
る閉磁路構造が構成されて、磁気特性を向上させること
ができるので、コイル2bのターン数を少なくすること
ができ、インダクタの小型化が可能となる。
【0029】なお、第2の実施例においては、基板1b
の材料として、Siウエハ4の上にアルミナ膜5を積層
したものを使用したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、フェライト又はガラス等からなる材料を基板と
して使用することができる。また、フェライト、ガラス
及びシリコンからなる群から選択された少なくとも1種
の材料からなる基体と、アルミナ、アモルファス磁性
体、有機絶縁体及び無機絶縁体からなる群から選択され
た少なくとも1種の材料からなる膜との積層体を基板と
して使用してもよい。
【0030】また、本発明において、基板の表面粗さR
aが30Å未満であると、基板と銅メッキ層との間の密
着性が低下するので、所望の厚さの銅メッキ層を形成す
ることができない。一方、基板の表面粗さRaが600
0Åを超えると、コア3と基板1aとの間の接合面又は
第1磁性層6と第2磁性層7との間の接合面が不良とな
り、閉磁路構造を構成する接合面のギャップが大きくな
るので、磁気特性が低下する。従って、本発明において
は、基板の表面粗さRaは30乃至6000Åとする。
好ましくは、基板の表面粗さRaは50乃至3000Å
である。
【0031】上述の如く、基板の表面粗さRaが規制さ
れていると、30乃至200μmの厚さで銅メッキ層
(コイル)を形成することができ、これにより、コイル
の直流抵抗を低減することができる。なお、好ましく
は、銅メッキ層、即ちコイルの厚さは50乃至150μ
mである。更に、本発明においては、コイルのライン幅
が50μm未満であると、コイルの直流抵抗が高くな
る。一方、ライン幅が200μmを超えると、インダク
タの小型化を実現することができない。また、ライン間
の間隔が5μm未満であると、短絡が発生し易くなるの
で、歩留まりが低下する。一方、ライン間の間隔が10
0μmを超えると、磁束の漏れが大きくなって効率が低
下すると共に、インダクタの小型化を実現することがで
きない。なお、ライン幅とは、コイル状に形成された帯
状導体層の幅をいい、ライン間の間隔とは、隣接する帯
状導体層間の間隔をいう。
【0032】更にまた、ターン数が3ターン未満である
と、所望の強さで磁界を発生させることができない。一
方、ターン数が10ターンを超えると、インダクタの小
型化を実現することができない。従って、コイルのライ
ン幅は50乃至200μm、ライン間の間隔は5乃至1
00μmであり、ターン数は3乃至10ターンであるこ
とが好ましい。なお、ライン幅が80乃至150μm、
ライン間の間隔が20乃至50μmであり、ターン数が
3乃至5ターンであると、より一層好ましい。このよう
に基板及びコイル等を構成することにより、外径寸法の
幅が15mm以下、長さが15mm以下、厚さが2mm
以下であるインダクタを得ることができる。また、コイ
ルについては、幅を10mm以下、長さを10mm以
下、厚さを1mm以下とすることができる。特に、イン
ダクタの外径寸法の幅が10mm以下、長さが10mm
以下、厚さが1mm以下であると共に、コイルの幅が5
mm以下、長さが5mm以下、厚さが0.5mm以下で
あると、従来のインダクタと比較して、更に一層小型化
されたインダクタを得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明に係るマイクロインダクタの実
施例についてその比較例と比較して具体的に説明する。
先ず、種々の材料からなる基板を準備し、これらの基板
を表面処理することにより、表面粗さRaを調整した。
その後、フェライト基板を使用した実施例及び比較例に
対しては、基板表面に銅メッキ層からなるコイルを形成
した。また、非磁性体からなる基板を使用した実施例及
び比較例に対しては、基板表面に第1磁性層を選択的に
形成した後、第1磁性層及び基板上に銅メッキ層からな
るコイルを形成した。そして、形成したコイルの厚さと
歩留まりについて評価した。図3は形成したコイルの寸
法を示す模式図である。なお、図3においては、コイル
2をハッチングで示す。図3に示すように、本実施例に
おいては、コイル2の長さを3mm、幅を2mmとし、
ライン幅を140μm、ライン間の間隔を40μmとし
た。
【0034】次に、フェライト基板を使用した実施例及
び比較例においては、基板の上にコアを配置して、基板
とコアとにより閉磁路構造を構成し、図1に示すインダ
クタを製造した。一方、非磁性体からなる基板を使用し
た実施例及び比較例においては、第1磁性層の上に第2
磁性層を形成して、第1磁性層と第2磁性層とにより閉
磁路構造を構成し、図2に示すインダクタを製造した。
そして、基板とコアとの接合面又は第1磁性層と第2磁
性層との接合面を評価した。
【0035】基板最表面の材料、表面処理方法及び基板
の表面粗さRa並びに基板上に形成したコイルの厚さ及
び歩留まりを下記表1に示す。また、コア又は第1及び
第2磁性層の材料、構造及び接合面の評価結果を下記表
2及び3に示す。なお、下記表1に示す歩留まりの欄に
おいては、メッキ中に剥離等が発生しない良好な銅メッ
キ層が80%を超え100%以下の歩留まりで得られた
場合を◎(優良)、その歩留りが50%を超え80%以
下である場合を○(良好)、歩留まりが10%を超え5
0%以下である場合を△(可)とし、歩留まりが10%
以下の場合を×(不可)とした。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】上記表1乃至3に示すように、実施例N
o.1乃至3は基板の表面粗さRaが本発明の範囲内で
あるので、200μmの厚さまでの銅メッキ層からなる
コイルを得ることができた。特に、表面粗さRaが30
00Åである実施例No.3は、200μmの厚さのコ
イルを高歩留まりで得ることができた。また、基板とコ
アとの密着性又は第1磁性層と第2磁性層との接合面が
良好であるので、良好な磁気特性を得ることができた。
【0040】一方、比較例No.4は基板の表面粗さR
aが10Åであるので、30μmの厚さでコイルを形成
すると、歩留まりは10%以下となった。比較例No.
5は基板の表面粗さが25Åであるので、50μmの厚
さでコイルを形成すると、歩留まりは10%以下となっ
た。このように、表面粗さRaが本発明範囲の下限未満
であると、形成することができるコイルの厚さが薄くな
り、その結果、直流抵抗が低下する。
【0041】比較例No.6は、基板の表面粗さRaが
6600Åであり、200μmの厚さのコイルを高歩留
まりで得ることができたが、基板とコアとの密着性が不
良となり、これにより、磁気特性が劣化した。比較例N
o.7は、基板の表面粗さRaが10000Åであり、
比較例No.6と同様に200μmの厚さのコイルを高
歩留まりで得ることができたが、第1磁性層と第2磁性
層との接合面が不良となり、これにより、磁気特性が劣
化した。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
基板の表面粗さを適切に規定しているので、所望の極め
て厚いメッキ層からなるコイルを形成することができ、
これにより、コイルの直流抵抗を低減することができ
る。従って、高出力及び高効率のコンバータに適用でき
るインダクタを得ることができる。また、コイルの上方
に形成される磁性体からなる上層と、コイルの下方に位
置する磁性体からなる基板又は下層との密着性が高めら
れると共に、基板表面の平滑性を得ることができるの
で、良好な接合面を有する閉磁路構造が構成され、優れ
た磁気特性を得ることができる。更に、コイルの寸法及
び形状を自由に設計することができるので、小型化を実
現することができると共に、磁束の漏れが低減された高
効率のインダクタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施例に係るマイクロ
インダクタを示す斜視図であり、(b)はその断面図で
ある。
【図2】(a)は本発明の第2の実施例に係るマイクロ
インダクタを示す斜視図であり、(b)はその断面図で
ある。
【図3】形成したコイルの寸法を示す模式図である。
【図4】巻き線コイルを利用したインダクタを示す斜視
図である。
【符号の説明】
1a,1b;基板、 2,2a,2b;コイル、 3;
コア、 4;シリコンウエハ、 5;アルミナ膜、
6,7;磁性層、 11;インダクタ、 12;コア、
13;銅線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗さRaが30乃至6000Åであ
    る基板と、この基板上にメッキにより形成されたコイル
    と、閉磁路構造を構成する磁性部と、を有することを特
    徴とするマイクロインダクタ。
  2. 【請求項2】 前記基板は、フェライト、ガラス及びシ
    リコンからなる群から選択された少なくとも1種の材料
    により形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のマイクロインダクタ。
  3. 【請求項3】 前記基板は、フェライト、ガラス及びシ
    リコンからなる群から選択された少なくとも1種の材料
    からなる基体と、アルミナ、アモルファス磁性体、有機
    絶縁体及び無機絶縁体からなる群から選択された少なく
    とも1種の材料からなる膜との積層体であることを特徴
    とする請求項1に記載のマイクロインダクタ。
  4. 【請求項4】 前記表面粗さRaは50乃至3000Å
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載のマイクロインダクタ。
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