JPH1116724A - 積層磁性板コア及びその製造方法 - Google Patents

積層磁性板コア及びその製造方法

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JPH1116724A
JPH1116724A JP16857597A JP16857597A JPH1116724A JP H1116724 A JPH1116724 A JP H1116724A JP 16857597 A JP16857597 A JP 16857597A JP 16857597 A JP16857597 A JP 16857597A JP H1116724 A JPH1116724 A JP H1116724A
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core
inner end
end surface
magnetic
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JP16857597A
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English (en)
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Masahiko Asano
昌彦 浅野
Takashi Deo
隆志 出尾
Tatsuo Iida
達雄 飯田
Hiroyuki Hattori
宏之 服部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、磁性板を渦巻き状に積層してなる
磁性コアに関し、磁性板を縮径する際に、磁性板を円滑
に渦巻き状に回転させると共に、磁性板に座屈が生ずる
のを防止することを目的とする。 【解決手段】 磁性板60はインボリュート状に湾曲さ
れた磁性部材である。磁性板60は、その内端面60a
が芯材58の外周面に当接するように、渦巻き状に積層
される。磁性板60の内端面60aは、この内端面60
aにおける磁性板60の接線方向に対して傾斜されてい
る。このため、磁性板60に縮径方向の力が付与された
際、内端面60aには、芯材58の外周面の接線方向の
力Px が作用する。また、芯座58の外周面から磁性板
60の内端面60aに作用する反力Rの向きは、磁性板
60の内端面60aにおける接線方向に対して傾斜す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電磁バルブ
や電動機などに用いられる磁性コアに係り、特に、磁性
板が渦巻き状に積層されてなる積層磁性板コア及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平6−17692
1号に開示される如く、積層構造を有する磁性コアが公
知である。上記従来の磁性コアは、略放物線状に湾曲さ
れた複数の磁性板を有している。この磁性板が、円周方
向に渦巻き状に積層されることで、円筒状の磁性コアが
構成されている。かかる構成によれば、磁性コアに発生
する渦電流が低減されることで、渦電流に伴う損失が抑
制される。
【0003】上記従来の磁性コアの製造は以下の如き工
程により行なわれる。すなわち、まず、磁性板が、円柱
状の外周面を有する芯材の周囲に渦巻き状に配置され
る。次に、磁性板に縮径方向の押圧力(以下、縮径力と
称す)が付与される。この場合、縮径力の、磁性板の接
線方向の分力によって、磁性板はその内周側端面(以
下、内端面と称す)が芯材の外周面に当接するまで、縮
径されつつ渦巻き方向に回転される。磁性板の内端面が
芯材の外周面に当接した状態で、更に磁性板に縮径力が
付与されると、磁性板は、その内端面が芯材の外周面に
対して滑るように、互いに密着するまで渦巻き方向へ回
転される。そして、磁性板が互いに密着した状態で接合
されることで、磁性コアの組み立てが完了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁性板は、
帯状の板材から切断加工された部材を湾曲させることに
より形成され、その切断面により磁性板の各端面が構成
される。一般に、切断加工は、切断面が板材の表面に対
して垂直となるように行なわれる。従って、磁性板の内
端面は、この内端面における磁性板の接線方向に対して
垂直に設けられることになる。
【0005】磁性板の内端面が接線方向に対して垂直に
設けられていると、内端面と芯材との当接部位におい
て、芯材の接線方向と磁性板の接線方向とがなす角、す
なわち、接触角は90°となる。上記製造工程において
磁性板に縮径力が付与されると、磁性板の内端面には、
磁性板の接線方向の力が作用する。従って、接触角が9
0°である場合、内端面に作用する上記力の方向は芯材
の接線方向に対して垂直となる。このため、磁性板の内
端面と芯材の外周面との間に滑りが生じ難くなり、磁性
板を円滑に回転させることが困難となる。また、この場
合、磁性板に対する芯材からの反力が、磁性板の接線方
向の圧縮力として作用することで、磁性板に座屈が生じ
易くなってしまう。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、製造工程において、磁性板を縮径させる際に、
磁性板を渦巻き方向に円滑に回転させ得ると共に、磁性
板に座屈が生ずるのを防止することが可能な積層磁性板
コア及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、円柱状の外周面を有する芯材と、該芯
材の周囲に渦巻き状に積層され、少なくとも内周側の端
部において内周側に向けて湾曲された複数の磁性板とを
備える積層磁性板コアであって、前記磁性板の内周側端
面を、該内周側端面における前記磁性板の接線方向に対
して傾斜させると共に、前記内周側端面を前記芯材の外
周面に当接させた積層磁性板コアにより達成される。
【0008】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、円柱状の外周面を有する芯材と、該芯材の周囲に
渦巻き状に積層され、少なくとも内周側の端部において
内周側に向けて湾曲された複数の磁性板とを備える積層
磁性板コアを製造する方法であって、前記磁性板を、そ
の内周側端面が、該内周側端面における接線方向に対し
て傾斜するように形成する第1の工程と、前記磁性板
を、前記芯材の周囲に渦巻き状に、前記内周側端面が前
記芯材の外周面に当接するように配置する第2の工程
と、前記磁性板に縮径方向の力を付与する第3の工程
と、を備える方法によっても達成される。
【0009】請求項1及び2記載の発明において、磁性
板の内周側端面(以下、内端面と称す)は、この内端面
における磁性板の接線方向に対して傾斜している。この
ため、磁性板の内端面と芯材の外周面との当接部位にお
いて、芯材の外周面の接線方向と、磁性板の接線方向と
がなす角、すなわち、接触角は90°に比して小さい。
ところで、積層磁性板コアの製造工程において、磁性板
に縮径方向の力が付与されることで、磁性板が芯材の周
囲に積層される。磁性板に縮径方向の力が付与される
と、磁性板の内端面には、この内端面における磁性板の
接線方向の力が作用する。この場合、接触角が90°に
比して小さいことで、磁性板の内端面には、芯材の外周
面の接線方向の分力が作用する。このため、磁性板は芯
材の周囲を渦巻き方向に円滑に回転することができる。
また、芯材の外周面から磁性板の内端面に作用する反力
の向きが、内端面における磁性板の接線方向から傾斜す
る。このため、磁性板は座屈を起こし難い。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る積層磁性板
コアの一実施例である第1コア10及び第2コア12が
適用された電磁弁の構成図である。電磁弁10は内燃機
関の吸気弁として構成されている。図1に示す如く、電
磁弁は弁体13を備えている。弁体13は、内燃機関の
燃焼室14内に露出するようにシリンダヘッド15に配
設されている。シリンダヘッド15には吸気ポート18
が形成されている。吸気ポート18には、弁体13に対
する弁座20が形成されている。吸気ポート18は、弁
体13が弁座20から離座することにより導通状態とな
り、また、弁体13が弁座20に着座することにより遮
断状態となる。
【0011】弁体13には弁軸24が固定されている。
弁軸24はバルブガイド26により軸方向に摺動可能に
保持されている。バルブガイド26はシリンダヘッド1
5に保持されている。シリンダヘッド15の弁軸24の
略上半分を囲む部位には円筒部28が形成されている。
また、弁軸24の上端部にはロアリテーナ30が固定さ
れている。ロアリテーナ30と円筒部28の底面との間
には、両者を離間させる向きの付勢力を発生するロアス
プリング32が配設されている。ロアスプリング32は
ロアリテーナ30を介して弁軸24及び弁体13を上向
き、即ち、弁体13が弁座20に向かう方向に付勢して
いる。
【0012】シリンダヘッド15内部の、円筒部28の
上方には、円筒部28に比して大径かつ円筒部28と同
軸の円筒部29が形成されている。円筒部29には、プ
ランジャ36が弁軸24と同軸に配設されている。弁軸
24がロアスプリング32により付勢されることによ
り、弁軸24の上端面はプランジャ36の下端面に対し
て押圧されている。プランジャ36の上端部には、アッ
パリテーナ38が固定されている。アッパリテーナ38
の上部には、アッパスプリング40の下端部が当接して
いる。アッパスプリング40の周囲には、円筒状のアッ
パキャップ42が配設されている。アッパキャップ42
は、シリンダ14の上面に図示しない固定ボルトにより
固定されている。アッパキャップ42の上部にはアジャ
スタボルト44が螺着されている。アッパスプリング4
0の上端部はアジャスタボルト44に当接している。ア
ッパスプリング40はアッパリテーナ38を介してプラ
ンジャ36を下向きに付勢している。
【0013】プランジャ36の軸方向中央部の外周には
アーマチャ46が固定されている。アーマチャ46の上
方には第1コア10が配設されている。また、アーマチ
ャ46の下方には第2コア12が配設されている。第1
コア10及び第2コア12はシリンダヘッド15の円筒
部29に圧入固定されている。第1コア10及び第2コ
ア12のアーマチャ46に対向する側の面には、それぞ
れ環状溝10a及び12aが形成されている。環状溝1
0a及び12aの内部には、それぞれ第1電磁コイル5
4及び第2電磁コイル56が配設されている。
【0014】第1コア10及び第2コア12には、それ
ぞれ、その中央部を貫通する貫通穴10b及び12bが
設けられている。第1コア10及び第2コア12は、そ
れぞれ、貫通穴10b、12bの内部に固定された芯材
58、59を備えている。また、貫通穴10bの上端
部、及び、貫通穴12bの下端部には、それぞれ、第1
ベアリング62及び第2ベアリング64が配設されてい
る。プランジャ36は、芯材58及び59を貫通し、第
1ベアリング62及び第2ベアリング64によって軸方
向に摺動可能に保持されている。なお、上記したアジャ
スタボルト44は、アーマチャ46の中立位置が第1コ
ア10と第2コア12との中間点となるように調整され
ている。
【0015】第1電磁コイル54に励磁電流が供給され
ると、第1電磁コイル54が発生する磁束によって、ア
ーマチャ46には第1コア10に向かう方向の電磁力が
作用する。このため、アーマチャ46はアッパスプリン
グ40による付勢力に抗して第1コア10に当接するま
で変位され、弁体13が弁座20に着座することで、電
磁弁は閉弁される。一方、第2電磁コイル56に励磁電
流が供給されると、第2電磁コイル56が発生する磁束
によってアーマチャ46には第2コア12に向かう方向
の電磁力が作用する。このため、アーマチャ46はロア
スプリング32による付勢力に抗して第2コア12に当
接するまで変位され、弁体13が弁座20から離座する
ことで、電磁弁は開弁される。このように、第1電磁コ
イル54及び第2電磁コイル56に交互に励磁電流を供
給することによって、電磁弁を開閉させることができ
る。
【0016】ところで、第1電磁コイル54及び第2電
磁コイル56へ供給される励磁電流のオンオフに応じ
て、第1コア10及び第2コア12にはその周方向に渦
電流が発生する。本実施例においては、第1コア10及
び第2コア12が、周方向に渦巻き状に積層された磁性
板より構成されていることで、第1コア10及び第2コ
ア12に発生する渦電流が小さく抑制されている。以
下、図2を参照して、第1コア10及び第2コア12の
構成について説明する。なお、第1コア10及び第2コ
ア12は同一の構成を有しているため、第1コア10に
ついて代表的に説明する。
【0017】図2は、第1コア10を、その軸に対して
垂直な面で切断した際の断面図である。図2に示す如
く、第1コア10は複数の磁性板60を備えている。磁
性板60は、その断面がインボリュート曲線状に湾曲さ
れた磁性部材である。このインボリュート曲線は、基準
円の直径が芯材58の外径と等しくなるように設けられ
ている。磁性板60は、インボリュート曲線状の断面が
芯材58の周囲に渦巻き状に配置されるように、かつ、
その内周側端面(以下、内端面60aと称す)が芯材5
8の外周面に当接するように、円周方向に積層されてい
る。なお、磁性板60には、予め、第1電磁コイル54
を収容する環状溝10a、及び、第1ベアリング62を
収容する空間を形成するための切り欠きが形成されてい
る。
【0018】第1コア10は、以下のような工程で組み
立てられる。すなわち、先ず、第1コア10を構成する
全ての磁性板60が、内端面60aが内周側となり、か
つ、内端面60aが同一の円周上に位置するように、芯
材58の周囲に渦巻き状に配置される。次いで、磁性板
60の外周側端部に、縮径方向の押圧力、すなわち、縮
径力が付与される。磁性板60に付与された縮径力の、
磁性板60の接線方向の分力によって、磁性板60は、
先ず、内端面60aが芯材58の外周面に当接するま
で、渦巻き方向(図2においては時計周り方向)に回転
されつつ縮径される。磁性板60の内端面60aが芯材
58の外周面に当接した状態で、更に、磁性板60に縮
径力が付与されると、磁性板60は、内端面60aが芯
材58の外周面上を滑るように、芯材58の周囲を渦巻
き方向に回転する。かかる回転により、磁性板60は互
いに密着した状態で積層される。そして、磁性板60が
密着して積層された状態で、各磁性板60及び芯材58
が、例えば、溶接等により互いに接合されることで、第
1コア10の組み立てが完了する。
【0019】ところで、磁性板60は、帯状の板材から
切断加工された後、インボリュート曲線状に湾曲される
ことにより形成される。磁性板60の板材からの切断加
工は、通常は、その切断面が板材の表面に対して直角に
なるように行なわれる。この場合、磁性板60の内端面
60aは、この内端面60aにおける磁性板60の接線
方向に対して垂直となる。
【0020】図3は、磁性板60の内端面60aが、磁
性板60の接線方向に対して垂直である場合の、内端面
60aと芯材58の外周面との当接部を拡大して示す図
である。なお、図3には、磁性板60に縮径力が付与さ
れた場合に、内端面60aに作用する力P、及び、芯材
58の外周面から内端面60aに作用する反力Rを併せ
て示している。
【0021】図3に示す如く、磁性板60の内端面60
aが接線方向に対して垂直である場合、芯材58の外周
面と磁性板60の内端面60aとの当接部において、芯
材58の接線方向と磁性板60の接線方向とがなす角
(以下、接触角αと称す)はほぼ90°となる。接触角
αが90°である場合、磁性板60に縮径力が付与され
た際に、内端面60aに作用する力Pは、内端面60a
に対して垂直な向き、すなわち、芯材58の接線方向に
対して垂直な向きとなる。このため、磁性板60の内端
面60aを芯材58の外周面に対して滑らせる方向の分
力は小さく、磁性板60を渦巻き方向に円滑に回転させ
ることが困難になってしまう。
【0022】また、磁性板60に縮径力が付与される
と、内端面60aには、芯材58の外周面から、内端面
60aに対して垂直な向きの反力Rが作用する。この反
力Rにより、磁性板60はその接線方向に圧縮される。
接触角αが90°である場合、反力Rの大きさは、力P
の大きさに等しく、また、反力Rの向きは、磁性板60
の接線方向に一致する。かかる反力Rによって、磁性板
60に大きな圧縮力が作用することにより、磁性板60
は内端面60aの近傍において座屈を起こし易い。磁性
板60が座屈を起こすと、磁性板60の間に隙間が生ず
ることで、第1コア10内の磁束密度が低下し、その結
果、第1電磁コイル54が発揮し得る電磁力の大きさが
低下してしまう。
【0023】これに対して、本実施例の第1コア10
は、磁性板60の内端面60aを、この内端面60aに
おける磁性板60の接線方向に対して傾斜させること
で、上述の如き問題点を解消し得る点に特徴を有してい
る。以下、図4を参照して、磁性板60の内端面60a
を傾斜させることにより得られる効果について説明す
る。図4は、本実施例における磁性板60の内端面60
aと芯材58の外周面との当接部を拡大して示す図であ
る。なお、図4には、磁性板60に縮径力が付与された
状態で、内端面60aに作用する力P、及び、芯材58
から内端面60aに作用する反力Rを併せて示してい
る。
【0024】図4に示す如く、磁性板60の内端面60
aは、接線方向に垂直な方向から、図中時計周り方向に
角度θだけ傾斜している。かかる傾斜角θが設けられて
いることで、接触角αは90°よりθだけ小さくなって
いる。この場合、磁性板60に縮径力が付与された際に
内端面60aに作用する力Pは、芯材60の接線方向の
分力Px (=P・sinθ)を有することになる。この
ため、磁性板60の内端面60aと芯材60の外周面と
の間に滑りが生じ易くなり、磁性板60を渦巻き方向に
確実に回転させることができる。
【0025】また、接触角αが90°よりも小さい場
合、内端面60aに作用する力Pの、内端面60aに垂
直な方向の分力Py (=P・cosθ)に対する反力R
が、芯材58の外周面から磁性板60の内端面60aに
作用する。この反力Rの向きは、磁性板60の内端面6
0aにおける接線方向からθだけ傾斜している。一般
に、長手部材に外力が付与された場合、外力の向きが長
手方向から傾斜するほど、長手部材は座屈を起こし難く
なる。従って、本実施例によれば、芯材58の外周面か
ら磁性板60の内端面60aに作用する反力が、内端面
60aにおける磁性板60の接線方向に対して傾斜する
ことで、磁性板60が座屈を起こし難くされている。
【0026】なお、本実施例においては、磁性板60を
板材から切断加工する際に、その切断面を板材表面に対
して傾斜させることによって、内端面60aを上述の如
く傾斜させることとしている。ところで、磁性板60の
内端面60aの上記傾斜角θの概略値は、磁性板60の
板厚t、芯材58の外径Dに基づいて決定される。図5
は、磁性板60が、直径Dの円を基準円とするインボリ
ュート曲線状の断面形状を有する場合の、板厚t、外径
D、及び、傾斜角θの関係を示す図である。図5におい
て、磁性板60の凹側の表面、及び、凸側の表面が、直
径Dの基準円と、それぞれ交点A及び交点Bで交わって
いる。そして、交点Aと交点Bとを結ぶ直線と、交点A
における基準円の接線とのなす角が傾斜角θとなる。
【0027】この場合、磁性板60の積層枚数をnとす
ると、θ=π/nが成立する。積層枚数nは数十枚のオ
ーダであるため、傾斜角θの値は微小なものとなる。し
かしながら、一般に、座屈の生じ易さは、作用する外力
の向きによって敏感に変化する。従って、本実施例にお
いては、小さな傾斜角θを設け、磁性板60の内端面6
0aに作用する反力Rの方向をθだけ傾斜させること
で、座屈の発生を効果的に抑制することが可能となって
いる。
【0028】なお、傾斜角θの概略値は上述の如く決定
されるが、実際には、傾斜角θを上記概略値の近傍で、
磁性板60の座屈が確実に防止され、かつ、磁性板60
の渦巻き方向への回転が確実に行なわれるように実験的
に調整することが望ましい。上述の如く、本実施例にお
いては、磁性板60の内端面60aに傾斜角θを設ける
ことにより、磁性板60に縮径力を付与した際に、磁性
板60を渦巻き方向に確実に回転させることができると
共に、磁性板60に座屈が生ずるのを防止することがで
きる。従って、本実施例によれば、第1コア10の組み
立て時に磁性板60の積層を円滑に行なうことができる
と共に、磁性板60の座屈に起因して第1電磁石54の
発生する電磁力が低下するのを防止することができる。
【0029】なお、上記実施例においては、磁性板60
がスプライン曲線状に湾曲されているものとしたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、磁性板60が放
物線状など他の任意の曲線状に湾曲されている場合にも
有効に適用することができる。また、上記実施例におい
ては、磁性板60の全体が湾曲されているものとした
が、磁性板60の内周側端部の近傍のみが部分的に湾曲
されていてもよい。
【0030】また、上記実施例においては、本発明に係
る積層磁性板コアが内燃機関の吸気弁を駆動する電磁弁
に適用された場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、他の任意の電磁弁、あるい
は、電動機などに適用することができる。
【0031】
【発明の効果】上述の如く、請求項1及び2記載の発明
によれば、積層磁性板コアの製造時に、磁性板を渦巻き
方向に円滑に回転させることができると共に、磁性板が
座屈を起こすのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層磁性板コアの一実施例である
第1コア及び第2コアが適用された電磁弁の構成図であ
る。
【図2】本実施例の第1コアを軸に対して垂直な平面で
切断した際の断面図である。
【図3】磁性板の内端面が、磁性板の接線方向に対して
垂直である場合の、内端面と芯材の外周面との当接部を
拡大して示す図である。
【図4】磁性板の内端面に傾斜角を設けた場合の、内端
面と芯材の外周面との当接部を拡大して示す図である。
【図5】磁性板の厚さt、芯材の外径D、及び内端面の
傾斜角θの関係を示す図である。
【符号の説明】
10 第1コア 12 第2コア 58、59 芯材 60 磁性板 60a 内端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 宏之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円柱状の外周面を有する芯材と、該芯材
    の周囲に渦巻き状に積層され、少なくとも内周側の端部
    において内周側に向けて湾曲された複数の磁性板とを備
    える積層磁性板コアであって、 前記磁性板の内周側端面を、該内周側端面における前記
    磁性板の接線方向に対して傾斜させると共に、前記内周
    側端面を前記芯材の外周面に当接させたことを特徴とす
    る積層磁性板コア。
  2. 【請求項2】 円柱状の外周面を有する芯材と、該芯材
    の周囲に渦巻き状に積層され、少なくとも内周側の端部
    において内周側に向けて湾曲された複数の磁性板とを備
    える積層磁性板コアを製造する方法であって、 前記磁性板を、その内周側端面が、該内周側端面におけ
    る接線方向に対して傾斜するように形成する第1の工程
    と、 前記磁性板を、前記芯材の周囲に渦巻き状に、前記内周
    側端面が前記芯材の外周面に当接するように配置する第
    2の工程と、 前記磁性板に縮径方向の力を付与する第3の工程と、を
    備えることを特徴とする方法。
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