JPH111663A - 二液型アクリル系組成物 - Google Patents

二液型アクリル系組成物

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JPH111663A
JPH111663A JP15627797A JP15627797A JPH111663A JP H111663 A JPH111663 A JP H111663A JP 15627797 A JP15627797 A JP 15627797A JP 15627797 A JP15627797 A JP 15627797A JP H111663 A JPH111663 A JP H111663A
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meth
acrylate
acrylic
polymerizable
agent
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JP15627797A
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Hidemi Doi
秀美 土肥
Tatsuro Umeki
達郎 梅木
Yoshihiro Tange
善弘 丹下
Hideaki Matsuda
▲ひで▼明 松田
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Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窯業系材料に対して優れた接着性、密着性を有
し、窯業系材料同士、又は窯業系材料と木質系材料、金
属、合成樹脂等の材料との接着や窯業系材料のコーティ
ング、塗装、補修又は充填に好適な二液アクリル系組成
物を提供すること。 【解決手段】重合性(メタ)アクリル系モノマー、有機
過酸化物、バナジウム化合物及びα−ヒドロキシカルボ
ニル化合物を必須成分とする窯業系材料接着用の二液型
アクリル系組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来接着の困難で
あるとされているセメント板、スレート板、コンクリー
ト等のセメント利用材料や陶磁器、土器、煉瓦、瓦、タ
イル、ガイシ等の陶磁器工業品の窯業系材料に対する接
着性、密着性に優れた二液型アクリル系組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】A剤に重合開始剤、B剤に重合開始剤の
分解を促進する還元剤を配合した二液型アクリル系接着
剤は、ラフな計量であっても所定の接着性能が発揮でき
ること、取り扱いが簡単なこと、室温短時間で強力に接
着することが可能であることなどの理由から電気、機
械、建築、車両などの工業分野で幅広く使用されてお
り、組立構造物の信頼性の向上、省力化、組立ラインの
スピードアップなどに役立っている。
【0003】しかしながら、一般に二液型アクリル系接
着剤は金属材料等の硬質材料の接着には優れた接着性を
示すものの、特定のプラスチック材料や窯業系材料或い
は木材等の接着に使用した場合には硬化させるのに長時
間を要したり、場合によっては硬化不良を起こす等の問
題があった。
【0004】このような状況の下で、二液型アクリル系
接着剤に金属材料以外の各種材質に対しても優れた接着
性を付与する目的で、(1)特定のプライマー処理を施
す方法、(2)特定の(メタ)アクリル系モノマーやポ
リマー成分を使用する方法、及び(3)特定のレドック
ス触媒系を適用する方法等が検討されている。例えば、
(1)特定のプライマー処理を施す方法としては、有機
高分子化合物を揮発性の溶剤に溶解または分散させてな
るプライマー組成物を予め塗布することによってアクリ
ル系接着剤の石綿スレート板、レンガ、木材、日本瓦等
の多孔性材料に対する接着性を改良する試みがなされて
いる(特開平5−93172号公報)。しかしながら、
この方法は既存のアクリル系接着剤がそのまま利用でき
るという利点は有しているものの、接着に先立って被着
材表面にプライマーの塗布と乾燥という前処理が必要で
あり実質的に三液型接着剤とも言えるものであって作業
性に大きな問題があった。
【0005】また、(2)特定の(メタ)アクリル系モ
ノマーやポリマー成分を使用する方法としては、ジエン
系ゴム重合体に特定のアクリル酸アルキルエステルをグ
ラフト重合して得られた生成物とビニルまたはビニリデ
ンモノマーを主成分とする接着剤用組成物(特開昭50
−124939号公報、及び特開昭50−124940
号公報)や、(1)ベンジル(メタ)アクリレートと、
(2)ヒドロキシル基、カルボキシル基及びグリシジル
基から選ばれた官能基をもつ(メタ)アクリル系単量
体、及び(3)エピクロルヒドリンゴム、ジエン系ゴ
ム、ウレタンゴム、アクリルゴム及びASA樹脂から選
ばれた重合体からなるアクリル系接着剤用組成物(特開
昭51−121339号公報)、或いは(A)アクリル
酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、
アクリル酸、及びメタクリル酸より選ばれる少なくとも
一種、(B)ブタジエン又は/及びイソプレンと不飽和
ニトリル、及び5重量%を越える官能性モノマーとの共
重合エラストマー、(C)有機過酸化物、以上のA、
B、Cを必須成分として含み、(C)有機過酸化物の分
解促進剤の存在下で硬化させるか、又はA、B、Cを必
須成分として含む組成物自身を加熱することによって硬
化せしむることを特徴とする接着剤組成物(特開昭60
−32870号公報)等が提案されている。
【0006】しかしながら、上記方法による接着剤では
いずれも各種金属材料に加えて、各種プラスチックや木
材に対しても優れた接着性を付与することは可能となっ
たものの、セメント利用材料や陶磁器工業品等のような
窯業系材料に対する接着性は未だ不十分であった。
【0007】更に、(3)特定のレドックス触媒系を適
用する方法としては、重合性(メタ)アクリルモノマー
及び有機過酸化物を主成分とする主剤とアルデヒドとア
ミンの縮合物及び可溶性バナジウム化合物を主成分とす
るプライマーからなり、主剤又はプライマーの少なくと
も一方に酸性リン化合物、有機カルボン酸及び有機スル
ホン酸から選ばれた酸性化合物の一種以上を含有させた
主剤−プライマー型アクリル接着剤(特開平6−809
37号公報)が金属材料のみならず、ラワン合板、石綿
スレート板、ポリスチレン等に対しても優れた接着性能
を発揮することが報告されている。
【0008】しかしながら、この接着剤組成ではアルデ
ヒドとアミンの縮合物を必須成分としている関係上主剤
−プライマー型のアクリル系接着剤についてのみ適用可
能であり、自動塗布機等を利用した接着作業に好適な二
液主剤型アクリル系接着剤に適用することは不可能であ
った。したがって、例えば、建築分野等のように木質系
材料を初めとして金属、合成樹脂、窯業系材料等の多種
多様な材料を被着材とする用途では、作業性や接着速度
に問題はあるものの、被着材選択性のないエポキシ樹脂
接着剤やウレタン系接着剤を使用するしかないのが実状
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窯業系材料
に対して優れた接着性、密着性を有し、窯業系材料同
士、又は窯業系材料と木質系材料、金属、合成樹脂等の
材料との接着や窯業系材料のコーティング、塗装、補修
又は充填に好適な二液アクリル系組成物を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、有機過酸化物と
バナジウム化合物をレドックス触媒系とする二液型アク
リル系接着剤中にα−ヒドロキシカルボニル化合物を共
存させた場合に、窯業系材料に対して優れた接着性、密
着性を発揮する組成物が得られることを見いだし本発明
に到達した。
【0011】すなわち、本発明は第1に重合性(メタ)
アクリル系モノマー、有機過酸化物、バナジウム化合物
及びα−ヒドロキシカルボニル化合物(α−ヒドロキシ
カルボン酸又はα−ヒドロキシカルボン酸エステルが好
ましい。)を必須成分とする窯業系材料接着用の二液型
アクリル系組成物であり、第2に、窯業系材料がセメン
ト板、スレート板、コンクリート等のセメント利用材料
である前記二液型アクリル系組成物であり、第3に重合
性(メタ)アクリル系モノマーが、分子中に(メタ)ア
クリル基を2個以上有し、かつ分子量が400〜4,0
00である多官能(メタ)アクリル系モノマーを10〜
90wt%含有する前記窯業系材料接着用の二液型アク
リル系組成物であり、第4にA剤が重合性(メタ)アク
リル系モノマー、有機過酸化物、α−ヒドロキシカルボ
ニル化合物からなり、B剤が重合性(メタ)アクリル系
モノマー、バナジウム化合物からなる窯業系材料接着用
の二液型アクリル系組成物であり、第5に前記二液型ア
クリル系組成物を窯業系材料同士或いは窯業系材料と他
の被着材の接着剤として或いは窯業系材料のコーティン
グ、塗装、補修又は充填として使用する用途を要旨とす
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明をより詳細に説明す
る。
【0013】まず、本発明における窯業系材料とは前述
したようにセメント板、石綿スレート板、木毛セメント
板、コンクリート構築物、その他のセメントを原材料と
して使用したセメント利用材料や石膏、プラスター、或
いは陶磁器、土器、煉瓦、瓦、タイル、ガイシ、セラミ
ックなどの陶磁器工業品等を意味するが、特に、各分野
で大量に使用され、かつ難接着性のセメント板、スレー
ト板(石綿スレート板を含む。)、コンクリート等のセ
メント利用材料に適用するのが好ましい。
【0014】本発明で使用する重合性(メタ)アクリル
系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)
アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
トリデシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノ
キシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリン
モノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキ
シエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等
で代表される単官能の重合性(メタ)アクリル系モノマ
ーやエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)ア
クリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド
付加物の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリ
レート、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアネート
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレ
ート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート等のような多官能(メタ)アクリ
ル系モノマーが特に制限することなく使用できるが、臭
気等の作業環境や引火性等を考慮すれば、沸点が120
℃以上の重合性(メタ)アクリレートを採用するのが好
ましい。
【0015】また、窯業系材料に対する接着性を更に向
上させるためには、分子中に(メタ)アクリル基を2個
以上有し、かつ分子量が400〜4,000の多官能
(メタ)アクリレート系モノマーを重合性(メタ)アク
リル系モノマー全体の中で10〜90wt%含有させる
のが好ましい。
【0016】上記条件を満足する多官能(メタ)アクリ
ル系モノマーとして、ウレタン(メタ)アクリレート
(例えば、日本曹達(株)製造の商品名「Nisso
PBTE−2000」、日本合成化学工業(株)製造の
商品名「UV−7000B」等)、ポリエステル(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、
(例えば、共栄社化学(株)製造の商品名「3000
M」)等、末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体のグルシジルメタクリレート付加物
(例えば、宇部興産(株)製造の商品名「VTBNX
1300X33」)、ポリアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキ
サイド付加物の(メタ)アクリル酸エステル(例えば、
新中村化学工業(株)製造の商品名「NKエステル B
PE100」)等が好適に使用される。
【0017】また、有機過酸化物としては、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパー
オキサイド類、t−ブチルパーオキシラウレート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ
ドデカノエート等のパーオキシエステル類等が単独、或
いは、2種以上組み合わせて用いることができるが、ハ
イドロパーオキサイド類が特に好ましい。有機過酸化物
の配合量は重合性(メタ)アクリル系モノマー100重
量部に対して1〜10重量部が好ましく、更には、2〜
5重量部がより好ましい。有機過酸化物の配合量が1重
量部未満であると、硬化速度が低下し好ましくなく、逆
に、10重量部を超えると組成物の保存安定性が悪化し
好ましくない。
【0018】更にまた、バナジウム化合物としては、バ
ナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、
バナジウムナフテネート、バナジウムアセチルアセトネ
ート、バナジウムベンゾイルアセトネート等が挙げられ
る。バナジウム化合物の配合量は重合性(メタ)アクリ
ル系モノマー100重量部に対して0.1〜10重量部
が好ましく、更には、1〜5重量部がより好ましい。バ
ナジウム化合物の配合量が0.1重量部未満であると硬
化速度が遅いため好ましくなく、逆に10重量部を超え
ても配合量に比例した硬化速度の向上が見られなくなる
だけでなく、重合性(メタ)アクリル系モノマーと共存
させた場合に保存安定性が低下するので好ましくない。
【0019】更に、α−ヒドロキシカルボニル化合物と
しては乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、クエン
酸等のα−ヒドロキシカルボン酸、乳酸メチル、乳酸エ
チル、グリコール酸エチル等のα−ヒドロキシカルボン
酸エステル、ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセト
ン、アセトイン、ベンゾイン等のα−ケトール等が挙げ
られるが、α−ケトールを使用した場合には保存中に容
器に光が当たると変質しやすいためα−ヒドロキシカル
ボニル化合物としてα−ヒドロキシカルボン酸又はα−
ヒドロキシカルボン酸エステルを使用するのが特に好ま
しい。また、α−ヒドロキシカルボニル化合物の配合量
は重合性(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対
して0.1〜5重量部が好ましく、更には、0.5〜3
重量部がより好ましい。α−ヒドロキシカルボニル化合
物の配合量が0.1重量部未満であると接着性の向上が
顕著ではないため好ましくなく、逆に5重量部を超えて
も配合量に比例した接着性の向上が見られない。なお、
重合性(メタ)アクリル系モノマーとα−ヒドロキシカ
ルボニル化合物が存在する系にバナジウム化合物が存す
ると保存安定性が低下する傾向があるので、該系には有
機過酸化物を配合するのが好ましい。
【0020】また、本発明においては、組成物の保存安
定性及び接着性を改良するために酸性リン酸エステルを
配合するのが好ましい。酸性リン酸エステルとしては、
例えば、モノメチルフォスフェート、ジメチルフォスフ
ェート、モノエチルフォスフェート、ジエチルフォスフ
ェート、モノブチルフォスフェート、ジブチルフォスフ
ェート、モノ−β−クロロエチルフォスフェート、ジ−
β−クロロエチルフォスフェート、モノエトキシエチル
フォスフェート、ジエトキシエチルフォスフェート、フ
ェニルフォスフェート、ジフェニルフォスフェート、モ
ノ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、
ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、
モノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルフォスフェー
ト、ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピルフォスフェ
ート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートフォスフェート等が挙げられる。
【0021】その他、粘度調整及び硬化物の柔軟性を向
上させることを目的として、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸エ
ステル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹
脂)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−アクリロニ
トリル−スチレン共重合体(MBAS樹脂)等の熱可塑
性樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブ
タジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、
クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、
塩化ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム等の
ゴム、液状ポリブタジエン、末端アクリル変性液状ポリ
ブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体等の液状ゴム、揺変性を付与することを目的として微
粉末ポリエチレン、ジベンジリデン−D−ソルビトー
ル、セルローストリアセテート、ステアリン酸アミド、
ベントナイト、微粉末ケイ酸等の揺変性付与剤、室温で
の長期保存安定性の向上を目的として、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ベンゾ
キノン、ハイドロキノン、キンヒドロン、エチレンジア
ミン4酢酸4ナトリウム、シュウ酸、N−メチル−N−
ニトロソアニリン、N−ニトロソジフェニルアミン等の
ラジカル重合禁止剤、及び着色のための染料や顔料を配
合することももちろん可能である。
【0022】さて、本発明は組成物をA剤とB剤の二液
に分けて一方(A剤)には重合開始剤である有機過酸化
物を、他方(B剤)には有機過酸化物の分解を促進する
還元剤として作用するバナジウム化合物を配合して、有
機過酸化物とバナジウム化合物が同一容器内に共存しな
いように構成された二液型アクリル系組成物に関するも
のであり、かつ上述した重合性(メタ)アクリル系モノ
マー、有機過酸化物、バナジウム化合物及びα−ヒドロ
キシカルボニル化合物を必須成分とし、必要に応じてそ
の他上記各種成分を配合したものである。
【0023】本発明の組成物においては、接着剤として
通常知られている二液主剤型及び主剤−プライマー型の
いずれの構成とすることも可能であるが、特に、二液主
剤型とするのがA剤とB剤の流動特性及び使用量を似通
ったものとすることが可能であり自動塗布や塗布機を使
用が可能であるという効果を有しているので好ましい。
本発明の組成物のA剤及びB剤のその他の成分の配合組
成は、構成を二液主剤型とするか主剤−プライマー型と
するかによって当然異なってくる。
【0024】例えば、二液主剤型とする場合は、A剤及
びB剤共に重合性(メタ)アクリレートを配合している
ので、実用可能なものとするためには、A剤、B剤のそ
れぞれに十分な保存安定性を付与する必要がある。した
がって、A剤に重合性(メタ)アクリル系モノマー、有
機過酸化物、α−ヒドロキシカルボニル化合物を配合
し、B剤には重合性(メタ)アクリル系モノマー、バナ
ジウム化合物を配合するのが好ましい。更にまた、保存
安定性を向上させる目的でA剤及びB剤に酸性リン酸エ
ステルを配合するのがより好ましい。酸性リン酸エステ
ルの配合量はA剤については重合性(メタ)アクリル系
モノマー100重量部に対して0.01〜5重量部が好
ましく、更には、0.05〜2重量部がより好ましい。
また、B剤については重合性(メタ)アクリル系モノマ
ー100重量部に対して0.1〜20重量部が好まし
く、更には、0.5〜10重量部がより好ましい。
【0025】一方、主剤−プライマー型とする場合は、
(1)A剤に重合性(メタ)アクリル系モノマー、重合
開始剤及びα−ヒドロキシカルボニル化合物を配合し、
B剤に不活性溶剤とバナジウム化合物を配合する組み合
わせ、(2)A剤に重合性(メタ)アクリル系モノマ
ー、重合開始剤を配合し、B剤に不活性溶剤とバナジウ
ム化合物及びα−ヒドロキシカルボニル化合物を配合す
る組み合わせ、或いは(3)A剤に不活性溶剤、重合開
始剤及びα−ヒドロキシカルボニル化合物を配合し、B
剤に重合性(メタ)アクリル系モノマーとバナジウム化
合物を配合する組み合わせ等が好ましい。
【0026】
【作用】本発明の二液型アクリル系組成物は、従来接着
の困難であるとされている窯業系材料に対する接着性及
び密着性が著しく改良されている。これは有機過酸化物
とバナジウム化合物から成るレドックス重合触媒系にα
−ヒドロキシカルボニル化合物が作用を及ぼし有機過酸
化物の分解がより促進されるため、その重合活性は難接
着性の多孔質無機材料が含有する空気及びその他のラジ
カル重合の阻害物質の影響を受けにくくすることに起因
していると考えられる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によって、更に
詳細に説明する。なお、これらの例において部は全て重
量部を表すものとする。また、実施するに当たっては表
1〜表3に示す原材料を使用した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】また、接着性能は以下の方法測定して評価
した。
【0032】<セットタイム>23℃、50%RHの恒
温恒湿室内で、1.6×25×100mmの形状の冷間
圧延鋼板を12mmのラップでA剤、B剤を等量混合し
て接着し、5kgfの荷重をかけても剥がれなくなるま
での時間を測定する。
【0033】<引張剪断強度>23℃、50%RHの恒
温恒湿室内で、25×100mmの形状の被着体にA
剤、B剤を等量、一方の被着体に薄く塗布し、その後、
もう一方の被着体を擦り合わせるようにしてラップ長さ
12mmで貼り合わせて固定し、24時間養生後にAS
TM D1002−64に準拠して測定した。
【0034】[実施例1、2及び比較例1、2]表4に
示した組成で二液型アクリル系組成物を調製した。次い
でA剤、及びB剤を等量混合して、石綿スレート板を接
着して引張剪断強度を測定した。その結果、A剤中にα
−ヒドロキシカルボニル化合物であるグリコール酸(A
1)を添加した実施例1、2の組成物が石綿スレート板
に対して優れた接着性を示すのに対して、グリコール酸
を添加していない比較例1、2の組成物は石綿スレート
板の接着には適さないものであった。結果を同じく表4
に示す。
【0035】
【表4】
【0036】[実施例3及び比較例3]被着材の材質に
及ぼすα−ヒドロキシカルボニル化合物の有無の影響を
確認する目的で表5に示す組成の二液型アクリル系組成
物を調製した。次いでA剤、及びB剤を等量混合してセ
ットタイムを測定すると同時に、鋼板、合板、石綿スレ
ート板、タイルの裏面、及びケイカル板を接着してその
引張剪断強度を測定した。この結果、本発明の組成物は
窯業系材料に優れた接着性を示すと共に、鋼板、合板に
対しても優れた接着性を示すので建築分野に好適に使用
できることが分かる。結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】[実施例4〜10]接着性に及ぼす重合性
(メタ)アクリル系モノマーの影響を検討する目的で表
6に示す組成で本発明の組成物を調製した。次いで、A
剤とB剤を等量混合し、セットタイムを測定すると同時
に、鋼板、合板、石綿スレート板を接着してその引張剪
断強度を測定した。その結果、多官能(メタ)アクリル
系モノマーを一部併用した実施例4〜7の組成物は、単
官能の重合性アクリル系モノマーのみからなる実施例8
〜10の組成物に比べて窯業系材料に対して優れた接着
性を示した。結果を同じく表6に示す。
【0039】
【表6】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の二液型アク
リル系組成物は窯業系材料に対する接着性、密着性に優
れているので、窯業系材料の接着或いは窯業系材料のコ
ーティング、塗装、又は補修や充填に好適に使用するこ
とができる。また、本発明の二液型アクリル系組成物は
鋼板や合板に対する接着性にも優れているので、窯業系
材料同士ばかりでなく、窯業系材料と木材や金属などと
の接着にも使用できる。したがって、電機、機械、建築
等、幅広い分野で好適に利用が可能なものである。特
に、建築分野等のように木質系材料を初めとして金属、
合成樹脂、窯業系材料等の多種多様な材料を被着材とす
る接着用途に極めて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 11/06 C09J 11/06 133/06 133/06 (72)発明者 松田 ▲ひで▼明 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性(メタ)アクリル系モノマー、有機
    過酸化物、バナジウム化合物及びα−ヒドロキシカルボ
    ニル化合物を必須成分とする窯業系材料接着用の二液型
    アクリル系組成物。
  2. 【請求項2】α―ヒドロキシカルボニル化合物が、α−
    ヒドロキシカルボン酸及びα−ヒドロキシカルボン酸エ
    ステルからなる群から選ばれる1種以上である請求項1
    記載の二液型アクリル系組成物。
  3. 【請求項3】窯業系材料がセメント板、スレート板、コ
    ンクリート等のセメント利用材料である請求項1又は2
    記載の二液型アクリル系組成物。
  4. 【請求項4】重合性(メタ)アクリル系モノマーが分子
    中に(メタ)アクリル基を2個以上有し、かつ分子量が
    400〜4,000である多官能(メタ)アクリル系モ
    ノマーを10〜90wt%含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の二液型アクリル系
    組成物。
  5. 【請求項5】A剤が重合性(メタ)アクリル系モノマ
    ー、有機過酸化物、α−ヒドロキシカルボニル化合物か
    らなり、B剤が重合性(メタ)アクリル系モノマー、バ
    ナジウム化合物からなる窯業系材料接着用の二液型アク
    リル系組成物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の二液型
    アクリル系組成物を窯業系材料同士或いは窯業系材料と
    他の被着材の接着剤として使用する用途。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5のいずれかに記載の二液型
    アクリル系組成物を窯業系材料のコーティング、塗装、
    補修又は充填に使用する用途。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7019075B2 (en) * 2002-05-16 2006-03-28 Lord Corporation Acrylic structural adhesive having improved T-peel strength
JP2006193692A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 硬化性組成物
JP2008024819A (ja) * 2006-07-21 2008-02-07 Okura Ind Co Ltd 土木・建築用無機材料用の二液アクリル系接着剤
WO2023050111A1 (en) * 2021-09-29 2023-04-06 Henkel Ag & Co. Kgaa (meth) acrylate-based two-part adhesive composition

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