JPH11166151A - 耐食性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents
耐食性に優れた表面処理鋼板Info
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- JPH11166151A JPH11166151A JP34586897A JP34586897A JPH11166151A JP H11166151 A JPH11166151 A JP H11166151A JP 34586897 A JP34586897 A JP 34586897A JP 34586897 A JP34586897 A JP 34586897A JP H11166151 A JPH11166151 A JP H11166151A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 皮膜中に6価クロムを含むことなく優れた耐
食性が得られる表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板等の表面に、特定のポ
リアミノ化合物を有機高分子樹脂マトリクスとし、この
ポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基とし
て、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、アル
キレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチオ
酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基のう
ちの1種以上を有する高分子キレート化剤を主成分とす
る高分子キレート化剤皮膜を有し、キレート形成基がめ
っき皮膜の表面に吸着もしくは反応することにより緻密
な保護皮膜層を形成すること、皮膜形成時にめっき皮膜
から溶出した金属イオンをキレート形成基が捕捉して錯
体構造を形成し、緻密なバリヤー層を形成すること等に
より優れた耐食性が得られる。
食性が得られる表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 亜鉛系めっき鋼板等の表面に、特定のポ
リアミノ化合物を有機高分子樹脂マトリクスとし、この
ポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基とし
て、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、アル
キレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチオ
酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基のう
ちの1種以上を有する高分子キレート化剤を主成分とす
る高分子キレート化剤皮膜を有し、キレート形成基がめ
っき皮膜の表面に吸着もしくは反応することにより緻密
な保護皮膜層を形成すること、皮膜形成時にめっき皮膜
から溶出した金属イオンをキレート形成基が捕捉して錯
体構造を形成し、緻密なバリヤー層を形成すること等に
より優れた耐食性が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材用途に最適な表面処理鋼板に関し、製品を取扱う作業
者やユーザーへの影響、製造時の排水処理対策、さらに
は使用環境下における製品からの有害物質の揮発・溶出
などの環境問題に適応するために、塗料組成物や皮膜中
に環境・人体に有害なクロム、鉛、カドミウム、水銀等
の重金属を全く含まない環境適応型表面処理鋼板に関す
るものである。
材用途に最適な表面処理鋼板に関し、製品を取扱う作業
者やユーザーへの影響、製造時の排水処理対策、さらに
は使用環境下における製品からの有害物質の揮発・溶出
などの環境問題に適応するために、塗料組成物や皮膜中
に環境・人体に有害なクロム、鉛、カドミウム、水銀等
の重金属を全く含まない環境適応型表面処理鋼板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】家電製品用鋼板、建材用鋼板、自動車用
鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウ
ム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆
性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸または
その塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理
が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメー
ト処理は耐食性に優れ、且つ比較的簡単に行うことがで
きる経済的な処理方法である。
鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウ
ム系めっき鋼板の表面に、耐食性(耐白錆性、耐赤錆
性)を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸または
その塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理
が施された鋼板が幅広く用いられている。このクロメー
ト処理は耐食性に優れ、且つ比較的簡単に行うことがで
きる経済的な処理方法である。
【0003】しかし、クロメート処理は公害規制物質で
ある6価クロムを使用するものであるため、処理工程に
おいてクロム酸塩が人体に悪影響を与えること、排水処
理後のクロムスラッジの廃棄処理が困難であること、ま
たクロメート処理後の製品から6価クロムが溶出するお
それがあること等、種々の問題を有している。このた
め、クロム酸類の使用管理基準が厳しくなるにしたが
い、クロメート処理工場の管理、排水処理、クロメート
処理物による二次汚染等が問題とされ、これに対応して
各工場では排水関係をクローズド化し、クロムイオンが
外部に排出されるのを極力防止する対策を講じている。
また、ユーザーにおいてクロメート処理鋼板に付着した
防錆油やプレス油を脱脂する工程で、アルカリ系の脱脂
液を用いる際には、脱脂液中へのクロムの溶出がかなり
多くなるため、脱脂液の脱クロム処理が必要となる。
ある6価クロムを使用するものであるため、処理工程に
おいてクロム酸塩が人体に悪影響を与えること、排水処
理後のクロムスラッジの廃棄処理が困難であること、ま
たクロメート処理後の製品から6価クロムが溶出するお
それがあること等、種々の問題を有している。このた
め、クロム酸類の使用管理基準が厳しくなるにしたが
い、クロメート処理工場の管理、排水処理、クロメート
処理物による二次汚染等が問題とされ、これに対応して
各工場では排水関係をクローズド化し、クロムイオンが
外部に排出されるのを極力防止する対策を講じている。
また、ユーザーにおいてクロメート処理鋼板に付着した
防錆油やプレス油を脱脂する工程で、アルカリ系の脱脂
液を用いる際には、脱脂液中へのクロムの溶出がかなり
多くなるため、脱脂液の脱クロム処理が必要となる。
【0004】このようなことから、亜鉛系めっき鋼板の
白錆の発生を防止するために、クロメート処理によらな
い無公害な処理技術が数多く提案されている。例えば、
無機化合物、有機化合物、有機高分子材料或いはこれら
を組み合わせた溶液を用い、浸漬、塗布、電解処理等の
方法により薄膜を生成させる方法がある。具体的には、
以下のような方法が知られている。 (1)モリブデン、タングステン等の金属の酸化物を用
いる方法(例えば、特開昭57−5875号公報) (2)タンニン酸を用いる方法(例えば、特開昭51−
71233号公報) (3)3価クロムのみで構成し、6価クロムを含まない
無公害のクロメート処理方法(例えば、特開昭61−5
87号公報)
白錆の発生を防止するために、クロメート処理によらな
い無公害な処理技術が数多く提案されている。例えば、
無機化合物、有機化合物、有機高分子材料或いはこれら
を組み合わせた溶液を用い、浸漬、塗布、電解処理等の
方法により薄膜を生成させる方法がある。具体的には、
以下のような方法が知られている。 (1)モリブデン、タングステン等の金属の酸化物を用
いる方法(例えば、特開昭57−5875号公報) (2)タンニン酸を用いる方法(例えば、特開昭51−
71233号公報) (3)3価クロムのみで構成し、6価クロムを含まない
無公害のクロメート処理方法(例えば、特開昭61−5
87号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記(1)の
方法では、モリブデン、タングステン等の金属酸化物の
腐食に対する安定領域はクロムのそれよりも狭いため、
クロメート処理と同程度の耐食性を得ることは不可能で
ある。また、上記(2)の方法では、耐食性が不十分
で、しかも外観に着色ムラのある皮膜しか得られない。
さらに、上記(3)の方法では、可溶性クロムを使用し
ていることからして、クロムフリーのニーズには根本的
には応えられない。したがって本発明の目的は、このよ
うな従来技術の課題を解決し、皮膜中に6価クロムを含
むことなく優れた耐食性が得られる表面処理鋼板を提供
することにある。
方法では、モリブデン、タングステン等の金属酸化物の
腐食に対する安定領域はクロムのそれよりも狭いため、
クロメート処理と同程度の耐食性を得ることは不可能で
ある。また、上記(2)の方法では、耐食性が不十分
で、しかも外観に着色ムラのある皮膜しか得られない。
さらに、上記(3)の方法では、可溶性クロムを使用し
ていることからして、クロムフリーのニーズには根本的
には応えられない。したがって本発明の目的は、このよ
うな従来技術の課題を解決し、皮膜中に6価クロムを含
むことなく優れた耐食性が得られる表面処理鋼板を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、亜鉛系めっき鋼
板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、有機高分
子マトリクスに特定のキレート形成基を付与した高分子
キレート化剤を主成分とする皮膜(高分子キレート化剤
皮膜)を形成することにより、環境や人体に悪影響を及
ぼすおそれのあるクロメート処理を行うことなく、無公
害で且つ耐食性に優れた表面処理鋼板が得られることを
見い出した。本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、亜鉛系めっき鋼
板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に、有機高分
子マトリクスに特定のキレート形成基を付与した高分子
キレート化剤を主成分とする皮膜(高分子キレート化剤
皮膜)を形成することにより、環境や人体に悪影響を及
ぼすおそれのあるクロメート処理を行うことなく、無公
害で且つ耐食性に優れた表面処理鋼板が得られることを
見い出した。本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。
【0007】(1) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とする高分
子キレート化剤皮膜を有することを特徴とする耐食性に
優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とする高分
子キレート化剤皮膜を有することを特徴とする耐食性に
優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
【化13】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化14】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化15】
【0008】(2) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(B)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を有
することを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(B)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を有
することを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
【化16】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化17】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化18】 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤を1〜100重量部
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤を1〜100重量部
【0009】(3) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(C)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を形
成したことを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(C)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を形
成したことを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
【化19】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化20】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化21】 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
部
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
部
【0010】(4) 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(B)および(C)の成分を含む高分子キレート
化剤皮膜を形成したことを特徴とする耐食性に優れた表
面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
系めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さら
に下記(B)および(C)の成分を含む高分子キレート
化剤皮膜を形成したことを特徴とする耐食性に優れた表
面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤
【化22】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化23】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤
【化24】 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤1〜100重量部 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
部
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤1〜100重量部 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
部
【0011】(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの表面処理鋼
板において、高分子キレート化剤の有機高分子マトリッ
クスであるポリアミノ化合物の数平均分子量が300以
上であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼
板。 (6) 上記(1)〜(4)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤の有機高分子マトリックスであるポ
リアミノ化合物の数平均分子量が1000以上であるこ
とを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。 (7) 上記(1)〜(6)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤の有機高分子マトリックスであるポ
リアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基とし
て、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基の中か
ら選ばれる1種または2種以上を有することを特徴とす
る耐食性に優れた表面処理鋼板。
板において、高分子キレート化剤の有機高分子マトリッ
クスであるポリアミノ化合物の数平均分子量が300以
上であることを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼
板。 (6) 上記(1)〜(4)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤の有機高分子マトリックスであるポ
リアミノ化合物の数平均分子量が1000以上であるこ
とを特徴とする耐食性に優れた有機被覆鋼板。 (7) 上記(1)〜(6)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤の有機高分子マトリックスであるポ
リアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基とし
て、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基の中か
ら選ばれる1種または2種以上を有することを特徴とす
る耐食性に優れた表面処理鋼板。
【0012】(8) 上記(1)〜(6)のいずれかの表面処理鋼
板において、高分子キレート化剤の有機高分子マトリッ
クスであるポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−
置換基として、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基の中から選ば
れる1種または2種以上を有することを特徴とする耐食
性に優れた表面処理鋼板。 (9) 上記(1)〜(8)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤皮膜の膜厚が0.01〜5μmであ
ることを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。
板において、高分子キレート化剤の有機高分子マトリッ
クスであるポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−
置換基として、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基の中から選ば
れる1種または2種以上を有することを特徴とする耐食
性に優れた表面処理鋼板。 (9) 上記(1)〜(8)のいずれかの表面処理鋼板において、
高分子キレート化剤皮膜の膜厚が0.01〜5μmであ
ることを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。
【0013】このような本発明の表面処理鋼板におい
て、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に形成された、特定のキレート形成基を有する高
分子キレート化剤皮膜は、そのキレート形成基がめっき
皮膜の表面に吸着もしくは反応することにより緻密な保
護皮膜層を形成するとともに、皮膜形成時にめっき皮膜
から溶出した金属イオンをキレート形成基が捕捉して錯
体構造を形成し、緻密なバリヤー層を形成することによ
り防錆効果を発揮し、さらに腐食環境中においても、腐
食によってめっき皮膜から溶出した金属イオンを皮膜中
のフリーのキレート形成基が捕捉し、安定な金属錯体構
造を形成することによって腐食の促進を抑制する効果を
発揮し、これらの複合的な作用により優れた耐食性が得
られる。
て、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に形成された、特定のキレート形成基を有する高
分子キレート化剤皮膜は、そのキレート形成基がめっき
皮膜の表面に吸着もしくは反応することにより緻密な保
護皮膜層を形成するとともに、皮膜形成時にめっき皮膜
から溶出した金属イオンをキレート形成基が捕捉して錯
体構造を形成し、緻密なバリヤー層を形成することによ
り防錆効果を発揮し、さらに腐食環境中においても、腐
食によってめっき皮膜から溶出した金属イオンを皮膜中
のフリーのキレート形成基が捕捉し、安定な金属錯体構
造を形成することによって腐食の促進を抑制する効果を
発揮し、これらの複合的な作用により優れた耐食性が得
られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細とその限定理
由を説明する。本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜
鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni
合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっ
き鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr
合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−C
o合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、
Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合
金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Z
n−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金め
っき鋼板)、さらにはこれらのめっき鋼板のめっき皮膜
中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合め
っき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)等
を用いることができる。
由を説明する。本発明の表面処理鋼板のベースとなる亜
鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、Zn−Ni
合金めっき鋼板、Zn−Fe合金めっき鋼板(電気めっ
き鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板)、Zn−Cr
合金めっき鋼板、Zn−Mn合金めっき鋼板、Zn−C
o合金めっき鋼板、Zn−Co−Cr合金めっき鋼板、
Zn−Cr−Ni合金めっき鋼板、Zn−Cr−Fe合
金めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板(例えば、Z
n−5%Al合金めっき鋼板、Zn−55%Al合金め
っき鋼板)、さらにはこれらのめっき鋼板のめっき皮膜
中に金属酸化物、ポリマーなどを分散した亜鉛系複合め
っき鋼板(例えば、Zn−SiO2分散めっき鋼板)等
を用いることができる。
【0015】また、上記のようなめっきのうち、同種ま
たは異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を
用いることもできる。また、本発明の表面処理鋼板のベ
ースとなるアルミニウム系めっき鋼板としては、アルミ
ニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板等を用い
ることができる。また、鋼板面に予めNi等の薄目付め
っきを施し、その上に上記のような各種めっきを施して
もよい。めっき方法としては、電解法(水溶液中での電
解または非水溶媒中での電解)、溶融法および気相法の
うち、実施可能ないずれの方法を採用することもでき
る。
たは異種のものを2層以上めっきした複層めっき鋼板を
用いることもできる。また、本発明の表面処理鋼板のベ
ースとなるアルミニウム系めっき鋼板としては、アルミ
ニウムめっき鋼板、Al−Si合金めっき鋼板等を用い
ることができる。また、鋼板面に予めNi等の薄目付め
っきを施し、その上に上記のような各種めっきを施して
もよい。めっき方法としては、電解法(水溶液中での電
解または非水溶媒中での電解)、溶融法および気相法の
うち、実施可能ないずれの方法を採用することもでき
る。
【0016】次に、上記亜鉛系めっき鋼板またはアルミ
ニウム系めっき鋼板の表面に形成される高分子キレート
化剤皮膜について説明する。キレート形成基は、めっき
皮膜表面に化学吸着または反応することにより緻密な保
護皮膜層を形成し、さらに皮膜形成時にめっき皮膜から
溶出した金属イオンと反応して、不溶性の緻密なキレー
ト錯体をめっき表面に形成する機能を有するものであ
る。
ニウム系めっき鋼板の表面に形成される高分子キレート
化剤皮膜について説明する。キレート形成基は、めっき
皮膜表面に化学吸着または反応することにより緻密な保
護皮膜層を形成し、さらに皮膜形成時にめっき皮膜から
溶出した金属イオンと反応して、不溶性の緻密なキレー
ト錯体をめっき表面に形成する機能を有するものであ
る。
【0017】金属表面をこのような腐食抑制剤(インヒ
ビター)を用いて化学吸着法により防食する手法は古く
から知られており、主に鉄の防食方法として、冷却水
系、ボイラー系、給水・給湯系等のような水と金属とが
常時接触する環境下で、水中にアミン系、リン酸系吸着
剤を添加する方法が実用化されている。
ビター)を用いて化学吸着法により防食する手法は古く
から知られており、主に鉄の防食方法として、冷却水
系、ボイラー系、給水・給湯系等のような水と金属とが
常時接触する環境下で、水中にアミン系、リン酸系吸着
剤を添加する方法が実用化されている。
【0018】本発明は、これら水回り配管系の防食とは
もちろん目的・用途が異なり、建材、家電、自動車等の
用途の鋼板の防錆を目的としている。ところが、従来で
はこのような防錆鋼板の表面処理皮膜として、キレート
形成基を有する化合物を主体とする皮膜が実用化された
例はほとんどない。これは、(1)金属の種類により吸
着能が異なり、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっ
き鋼板と安定で緻密な吸着皮膜を得ることが困難なこ
と、(2)上記キレート化剤は一般に低分子量(通常、
分子量300未満)であるため、塗料用高分子樹脂のよ
うな連続皮膜を形成することが困難であること、等の理
由により十分な防食機能が得られなかったためである。
もちろん目的・用途が異なり、建材、家電、自動車等の
用途の鋼板の防錆を目的としている。ところが、従来で
はこのような防錆鋼板の表面処理皮膜として、キレート
形成基を有する化合物を主体とする皮膜が実用化された
例はほとんどない。これは、(1)金属の種類により吸
着能が異なり、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっ
き鋼板と安定で緻密な吸着皮膜を得ることが困難なこ
と、(2)上記キレート化剤は一般に低分子量(通常、
分子量300未満)であるため、塗料用高分子樹脂のよ
うな連続皮膜を形成することが困難であること、等の理
由により十分な防食機能が得られなかったためである。
【0019】上記の課題を克服するために本発明者らが
鋭意研究を重ねた結果、有機高分子マトリクスに特定の
キレート形成基を付与した高分子キレート化剤を主成分
とする皮膜が、亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっ
き鋼板の表面処理皮膜として優れた防食機能を有するこ
とを見い出したものである。このような高分子キレート
化剤皮膜による防食機構は必ずしも明確でないが、
(1)特定のキレート形成基により亜鉛系めっき鋼板や
アルミニウム系めっき鋼板の表面に安定で強固な吸着・
反応皮膜(特定のキレート形成基がめっき皮膜の表面に
吸着若しくは反応することで形成される皮膜)を形成す
ること、(2)従来用いられていたような低分子量のキ
レート化剤ではなく、有機高分子を主体とする高分子キ
レート化剤とすることにより、塗料用樹脂のような有機
皮膜としての機能を付与したこと、(3)上記(1)お
よび(2)の作用に加えて、特定の種類のキレート形成
基を有する高分子キレート化剤が、皮膜形成時にめっき
皮膜から溶出した金属イオンを捕捉して三次元の高分子
錯体構造を有する皮膜を形成し、緻密で安定な三次元イ
オン架橋構造皮膜を形成できること、(4)さらに、形
成した皮膜を有する鋼板を腐食環境下に曝したときに、
アノード溶解によって溶出した金属イオンをキレート形
成基が捕捉し、安定化させることにより腐食の進行を抑
制すること、等により優れた防食効果が得られるものと
考えられる。
鋭意研究を重ねた結果、有機高分子マトリクスに特定の
キレート形成基を付与した高分子キレート化剤を主成分
とする皮膜が、亜鉛系めっき鋼板やアルミニウム系めっ
き鋼板の表面処理皮膜として優れた防食機能を有するこ
とを見い出したものである。このような高分子キレート
化剤皮膜による防食機構は必ずしも明確でないが、
(1)特定のキレート形成基により亜鉛系めっき鋼板や
アルミニウム系めっき鋼板の表面に安定で強固な吸着・
反応皮膜(特定のキレート形成基がめっき皮膜の表面に
吸着若しくは反応することで形成される皮膜)を形成す
ること、(2)従来用いられていたような低分子量のキ
レート化剤ではなく、有機高分子を主体とする高分子キ
レート化剤とすることにより、塗料用樹脂のような有機
皮膜としての機能を付与したこと、(3)上記(1)お
よび(2)の作用に加えて、特定の種類のキレート形成
基を有する高分子キレート化剤が、皮膜形成時にめっき
皮膜から溶出した金属イオンを捕捉して三次元の高分子
錯体構造を有する皮膜を形成し、緻密で安定な三次元イ
オン架橋構造皮膜を形成できること、(4)さらに、形
成した皮膜を有する鋼板を腐食環境下に曝したときに、
アノード溶解によって溶出した金属イオンをキレート形
成基が捕捉し、安定化させることにより腐食の進行を抑
制すること、等により優れた防食効果が得られるものと
考えられる。
【0020】本発明において高分子キレート化剤皮膜に
用いる高分子キレート化剤は、特に、以下に述べるよう
な有機高分子マトリクスに特定のキレート形成基を付与
した点に大きな特徴があり、このような高分子キレート
化剤を主成分とする皮膜を形成することにより優れた耐
食性が得られる。まず、本発明で用いる高分子キレート
化剤の第一の特徴は、特定の有機高分子マトリクスの窒
素原子に結合したキレート形成基(N−置換基)とし
て、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、アル
キレンカルボン酸基、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
中から選ばれる1種または2種以上を有する点にある。
用いる高分子キレート化剤は、特に、以下に述べるよう
な有機高分子マトリクスに特定のキレート形成基を付与
した点に大きな特徴があり、このような高分子キレート
化剤を主成分とする皮膜を形成することにより優れた耐
食性が得られる。まず、本発明で用いる高分子キレート
化剤の第一の特徴は、特定の有機高分子マトリクスの窒
素原子に結合したキレート形成基(N−置換基)とし
て、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、アル
キレンカルボン酸基、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
中から選ばれる1種または2種以上を有する点にある。
【0021】これらのキレート形成基は、一つのキレー
ト形成基の中に窒素原子及び酸素原子を有する二座配位
子であり、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼
板と強固で安定な吸着・反応層を形成する。特に、窒素
原子に結合したアルキレンリン酸基またはアルキレンリ
ン酸塩基が優れた防錆効果を発揮する。また、ジチオ酸
基、ジチオ酸塩基等の硫化物系キレート形成基も、めっ
き皮膜から溶出した金属イオンと反応して良好な防錆性
能を有する皮膜を形成する。
ト形成基の中に窒素原子及び酸素原子を有する二座配位
子であり、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼
板と強固で安定な吸着・反応層を形成する。特に、窒素
原子に結合したアルキレンリン酸基またはアルキレンリ
ン酸塩基が優れた防錆効果を発揮する。また、ジチオ酸
基、ジチオ酸塩基等の硫化物系キレート形成基も、めっ
き皮膜から溶出した金属イオンと反応して良好な防錆性
能を有する皮膜を形成する。
【0022】本発明で用いる高分子キレート化剤の第二
の特徴は、有機高分子マトリックスとして特定のポリア
ミノ化合物を用いる点にあり、これにより上記特定のキ
レート形成基を得ることができる。また、これらのポリ
マーの構成単位を規定することにより、ポリマー1分子
当りに極めて高い密度のキレート基を付与することがで
き、その結果として、緻密な防錆皮膜を形成できる。こ
の特定のポリアミノ化合物とは、ポリアミン類と下記一
般式(1)で示される化合物とが共重合した構造のポリア
ミノ化合物、若しくは下記式(2)または式(3)で示される
単位を1分子中に2以上有するポリアミノ化合物であ
り、このポリアミノ化合物の窒素原子のN−置換基とし
て上記キレート形成基を付与することができる。
の特徴は、有機高分子マトリックスとして特定のポリア
ミノ化合物を用いる点にあり、これにより上記特定のキ
レート形成基を得ることができる。また、これらのポリ
マーの構成単位を規定することにより、ポリマー1分子
当りに極めて高い密度のキレート基を付与することがで
き、その結果として、緻密な防錆皮膜を形成できる。こ
の特定のポリアミノ化合物とは、ポリアミン類と下記一
般式(1)で示される化合物とが共重合した構造のポリア
ミノ化合物、若しくは下記式(2)または式(3)で示される
単位を1分子中に2以上有するポリアミノ化合物であ
り、このポリアミノ化合物の窒素原子のN−置換基とし
て上記キレート形成基を付与することができる。
【0023】
【化25】
【0024】
【化26】
【0025】
【化27】
【0026】上記一般式(1)で示される化合物と共重合
されるポリアミン類としては、例えば、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレン
ジアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、トリプロピレンテトラミン、トリブチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペ
ンタミン、テトラブチレンペンタミン、ペンタエチレン
ヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、モノメチルア
ミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン
等の脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、o−,m
−,p−キシリレンジアミン、3,5−ジアミノクロロ
ベンゼン等の芳香族ポリアミン;1,3−ビス(アミノ
メチル)シクロヘキサン等のシクロアルカン系ポリアミ
ン;1−アミノエチルピペラジン、ピペラジン等のピペ
ラジン類;ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミ
ン、ポリ−3−メチルプロピルイミン、ポリ−2−エチ
ルプロピルイミン等の環状イミンの重合体;ポリビニル
アミン、ポリアリルアミン等の不飽和アミンの重合体;
ビニルアミン、アリルアミン等の不飽和アミンと、アク
リルアミド、ジメチルアクリルアミド、スチレン、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタ
クリル酸、スチレンスルホン酸、イタコン酸、マレイン
酸等及びその塩類等の、共重合可能な不飽和結合を有す
る他のモノマーとの共重合体が挙げられる。ポリアミン
類が環状イミンの重合体、不飽和アミンの重合体及びそ
の共重合体の場合には、数平均分子量が300〜200
万のものが好ましく、特に1000〜50万のものが好
ましい。
されるポリアミン類としては、例えば、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレン
ジアミン、ジブチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、トリプロピレンテトラミン、トリブチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペ
ンタミン、テトラブチレンペンタミン、ペンタエチレン
ヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、モノメチルア
ミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン
等の脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、o−,m
−,p−キシリレンジアミン、3,5−ジアミノクロロ
ベンゼン等の芳香族ポリアミン;1,3−ビス(アミノ
メチル)シクロヘキサン等のシクロアルカン系ポリアミ
ン;1−アミノエチルピペラジン、ピペラジン等のピペ
ラジン類;ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミ
ン、ポリ−3−メチルプロピルイミン、ポリ−2−エチ
ルプロピルイミン等の環状イミンの重合体;ポリビニル
アミン、ポリアリルアミン等の不飽和アミンの重合体;
ビニルアミン、アリルアミン等の不飽和アミンと、アク
リルアミド、ジメチルアクリルアミド、スチレン、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタ
クリル酸、スチレンスルホン酸、イタコン酸、マレイン
酸等及びその塩類等の、共重合可能な不飽和結合を有す
る他のモノマーとの共重合体が挙げられる。ポリアミン
類が環状イミンの重合体、不飽和アミンの重合体及びそ
の共重合体の場合には、数平均分子量が300〜200
万のものが好ましく、特に1000〜50万のものが好
ましい。
【0027】また、上記ポリアミン類とエピハロヒドリ
ンとが重縮合した重縮合ポリアミン類も使用することが
できる。エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリ
ン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、ブロモ
メチルオキシラン、クロロメチルオキシラン、ヨードメ
チルオキシラン等が挙げられる。但し、重縮合ポリアミ
ンは、1分子中に1級アミノ基、2級アミノ基が2個以
上残存していることが必要である。
ンとが重縮合した重縮合ポリアミン類も使用することが
できる。エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリ
ン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、ブロモ
メチルオキシラン、クロロメチルオキシラン、ヨードメ
チルオキシラン等が挙げられる。但し、重縮合ポリアミ
ンは、1分子中に1級アミノ基、2級アミノ基が2個以
上残存していることが必要である。
【0028】一般式(1)で示される化合物としては、エ
ポキシ化合物、環状スルフィド化合物、環状エーテル
類、環状ホルマール類、N−置換アルキレンイミン類等
のような、酸素、硫黄、窒素を含有する環状化合物の単
独重合体または共重合体と、エピハロヒドリン、ホルム
アルデヒドとを反応させて得られ、一端にエポキシ基ま
たはアルデヒド基を有する化合物であるか、両末端にエ
ポキシ基及び/またはアルデヒド基を有する化合物であ
る。この化合物は数平均分子量が50万程度以下、特に
500〜20万のものが好ましい。なお、上記一般式
(1)中における“m”は、この化合物の分子量が上記の
範囲となる正の整数である。上記一般式(1)で示される
化合物を構成するエポキシ化合物は、下記一般式(4)で
示される化合物であり、例えば、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、1,2−エポキシアルカン等が例示
される。
ポキシ化合物、環状スルフィド化合物、環状エーテル
類、環状ホルマール類、N−置換アルキレンイミン類等
のような、酸素、硫黄、窒素を含有する環状化合物の単
独重合体または共重合体と、エピハロヒドリン、ホルム
アルデヒドとを反応させて得られ、一端にエポキシ基ま
たはアルデヒド基を有する化合物であるか、両末端にエ
ポキシ基及び/またはアルデヒド基を有する化合物であ
る。この化合物は数平均分子量が50万程度以下、特に
500〜20万のものが好ましい。なお、上記一般式
(1)中における“m”は、この化合物の分子量が上記の
範囲となる正の整数である。上記一般式(1)で示される
化合物を構成するエポキシ化合物は、下記一般式(4)で
示される化合物であり、例えば、エチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、1,2−エポキシアルカン等が例示
される。
【0029】
【化28】
【0030】また、上記一般式(1)で示される化合物を
構成する環状スルフィド化合物としては、上記エポキシ
化合物のエポキシ基の酸素と硫黄が置換した構造の下記
一般式(5)で示される化合物が挙げられ、例えば、エチ
レンスルフィド、プロピレンスルフィド等が例示され
る。また、同じく環状エーテル類としては、例えば、オ
キセタン、モノまたはビスアルキル(アルキル基の炭素
数1〜5)オキセタン、モノまたはビスクロロメチルオ
キセタン、テトラヒドロフラン、モノまたはビスアルキ
ル(アルキル基の炭素数1〜5)テトラヒドロフラン等
が例示される。
構成する環状スルフィド化合物としては、上記エポキシ
化合物のエポキシ基の酸素と硫黄が置換した構造の下記
一般式(5)で示される化合物が挙げられ、例えば、エチ
レンスルフィド、プロピレンスルフィド等が例示され
る。また、同じく環状エーテル類としては、例えば、オ
キセタン、モノまたはビスアルキル(アルキル基の炭素
数1〜5)オキセタン、モノまたはビスクロロメチルオ
キセタン、テトラヒドロフラン、モノまたはビスアルキ
ル(アルキル基の炭素数1〜5)テトラヒドロフラン等
が例示される。
【0031】
【化29】
【0032】さらに、上記一般式(1)で示される化合物
を構成する環状ホルマール類としては、下記式(6)で示
される1,3−ジオキソフラン等の化合物やトリオキサ
ン等が挙げられ、また、同じくN−置換アルキレンイミ
ン類としては、下記一般式(7)で示される化合物が挙げ
られる。
を構成する環状ホルマール類としては、下記式(6)で示
される1,3−ジオキソフラン等の化合物やトリオキサ
ン等が挙げられ、また、同じくN−置換アルキレンイミ
ン類としては、下記一般式(7)で示される化合物が挙げ
られる。
【0033】
【化30】
【0034】
【化31】
【0035】上記式(2)で示される単位を1分子中に2
以上有するポリアミノ化合物は、以下の方法で製造する
ことができる。まず第一の製造方法は、ポリアクリロニ
トリルまたはポリアクリルアミドを還元する方法であ
る。ポリアクリロニトリルは、水素添加触媒の存在下で
水素を添加する方法により還元することができ、具体的
にはポリアクリロニトリルをDMF、DMSO等の溶媒
に溶解し、ラネーニッケルを触媒として用い、高圧下
(3.5kg/cm2程度)で水素を添加する方法が挙
げられる。ポリアクリルアミドの還元には、ポリアクリ
ルアミドをTHF、DMF、DMSO等の溶媒に溶解
し、水素化アルミニウムリチウムやナトリウムメチラー
ト等の金属アルコラートを用いて還元する方法を採るこ
とができる。
以上有するポリアミノ化合物は、以下の方法で製造する
ことができる。まず第一の製造方法は、ポリアクリロニ
トリルまたはポリアクリルアミドを還元する方法であ
る。ポリアクリロニトリルは、水素添加触媒の存在下で
水素を添加する方法により還元することができ、具体的
にはポリアクリロニトリルをDMF、DMSO等の溶媒
に溶解し、ラネーニッケルを触媒として用い、高圧下
(3.5kg/cm2程度)で水素を添加する方法が挙
げられる。ポリアクリルアミドの還元には、ポリアクリ
ルアミドをTHF、DMF、DMSO等の溶媒に溶解
し、水素化アルミニウムリチウムやナトリウムメチラー
ト等の金属アルコラートを用いて還元する方法を採るこ
とができる。
【0036】また、第二の製造方法は、アリルアミンを
重合する方法である。アリルアミンを重合する方法とし
ては、例えば、アリルアミンを塩酸塩等にした後、レド
ックス系開始剤またはラジカル重合開始剤等を用いて重
合する。この際、アリルアミンを単独で重合しても、ま
た、ジメチルアクリルアミド、スチレン、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル
酸、スチレンスルホン酸等及びその塩類等のような、ア
リルアミンと共重合可能な不飽和結合を有する他のモノ
マーと共重合してもよい。なお、共重合する場合には、
アリルアミン成分が5モル%以上、望ましくは15モル
%以上含まれるようにすることが好ましい。
重合する方法である。アリルアミンを重合する方法とし
ては、例えば、アリルアミンを塩酸塩等にした後、レド
ックス系開始剤またはラジカル重合開始剤等を用いて重
合する。この際、アリルアミンを単独で重合しても、ま
た、ジメチルアクリルアミド、スチレン、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル
酸、スチレンスルホン酸等及びその塩類等のような、ア
リルアミンと共重合可能な不飽和結合を有する他のモノ
マーと共重合してもよい。なお、共重合する場合には、
アリルアミン成分が5モル%以上、望ましくは15モル
%以上含まれるようにすることが好ましい。
【0037】上記式(3)で示される単位を1分子中に2
以上含有するポリアミノ化合物は、ポリアクリルアミド
やアクリルアミドと、メタクリルアミド、アクリル酸の
低級アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸等の
α、β−不飽和化合物との共重合体を、ホフマン転位さ
せる方法や、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルアセトアミドを重合させた後、加
水分解する等の方法で得ることができる。
以上含有するポリアミノ化合物は、ポリアクリルアミド
やアクリルアミドと、メタクリルアミド、アクリル酸の
低級アルキルエステル、アクリル酸、メタクリル酸等の
α、β−不飽和化合物との共重合体を、ホフマン転位さ
せる方法や、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルアセトアミドを重合させた後、加
水分解する等の方法で得ることができる。
【0038】さらに、上記ポリアミノ化合物は、ヒドロ
キシアルキル基、アシル基、アルキル基等をN−置換基
として有するものでもよいが、1分子中に2個以上の置
換基を導入し得るように、N−置換基を導入した後にお
いて、1分子中に1級アミノ基、2級アミノ基が2個以
上残存している必要がある。N−ヒドロキシアルキル置
換基は、上記ポリアミン類とエポキシアルカンとを反応
させることにより導入することができ、N−アシル置換
基は、上記ポリアミン類と脂肪酸類を反応させることに
より導入され、またN−アルキル置換基は上記ポリアミ
ン類とハロゲン化アルキルを作用させることにより導入
される。N−ヒドロキシアルキル置換基は、アルキル基
の炭素数が2〜28であることが好ましく、N−アシル
置換基は炭素数が2〜24であることが好ましい。ま
た、N−アルキル置換基は炭素数が2〜18であること
が好ましい。本発明で用いる高分子キレート化剤におい
て、アルキレンカルボン酸基、アルキレンリン酸基の塩
としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩等が挙げられる。
キシアルキル基、アシル基、アルキル基等をN−置換基
として有するものでもよいが、1分子中に2個以上の置
換基を導入し得るように、N−置換基を導入した後にお
いて、1分子中に1級アミノ基、2級アミノ基が2個以
上残存している必要がある。N−ヒドロキシアルキル置
換基は、上記ポリアミン類とエポキシアルカンとを反応
させることにより導入することができ、N−アシル置換
基は、上記ポリアミン類と脂肪酸類を反応させることに
より導入され、またN−アルキル置換基は上記ポリアミ
ン類とハロゲン化アルキルを作用させることにより導入
される。N−ヒドロキシアルキル置換基は、アルキル基
の炭素数が2〜28であることが好ましく、N−アシル
置換基は炭素数が2〜24であることが好ましい。ま
た、N−アルキル置換基は炭素数が2〜18であること
が好ましい。本発明で用いる高分子キレート化剤におい
て、アルキレンカルボン酸基、アルキレンリン酸基の塩
としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩等が挙げられる。
【0039】本発明で用いる高分子キレート化剤におい
て、キレート形成基であるアルキレンカルボン酸基は、
例えば、上記ポリアミノ化合物を水、アルコール等の溶
媒に溶解させ、これにモノクロルカルボン酸やそのエス
テル、或いはアクリロニトリル、メタクリルニトリル等
を付加することにより導入され、またこの付加物を水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物や、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアル
カリ土類金属水酸化物、或いはアンモニア等のアルカリ
で処理するか、上記付加反応をこれらのアルカリの存在
下で行うことにより、アルキレンカルボン酸塩基を導入
することができる。アルキレンカルボン酸基、アルキレ
ンカルボン酸塩基におけるアルキレン基は、炭素数1〜
3が好ましい。
て、キレート形成基であるアルキレンカルボン酸基は、
例えば、上記ポリアミノ化合物を水、アルコール等の溶
媒に溶解させ、これにモノクロルカルボン酸やそのエス
テル、或いはアクリロニトリル、メタクリルニトリル等
を付加することにより導入され、またこの付加物を水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物や、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアル
カリ土類金属水酸化物、或いはアンモニア等のアルカリ
で処理するか、上記付加反応をこれらのアルカリの存在
下で行うことにより、アルキレンカルボン酸塩基を導入
することができる。アルキレンカルボン酸基、アルキレ
ンカルボン酸塩基におけるアルキレン基は、炭素数1〜
3が好ましい。
【0040】また、本発明で用いる高分子キレート化剤
において、キレート形成基であるアルキレンリン酸基の
導入方法はいずれの方法でも構わないが、例えば、ポリ
アミノ化合物に、酸性下においてアルデヒド類と亜リン
酸類とを反応させる方法で導入することができ、また、
アルカリ金属塩で処理することによりアルキレンリン酸
塩基とすることができる。アルキレンリン酸基、アルキ
レンリン酸塩基におけるアルキレン基は、炭素数1〜3
が好ましい。
において、キレート形成基であるアルキレンリン酸基の
導入方法はいずれの方法でも構わないが、例えば、ポリ
アミノ化合物に、酸性下においてアルデヒド類と亜リン
酸類とを反応させる方法で導入することができ、また、
アルカリ金属塩で処理することによりアルキレンリン酸
塩基とすることができる。アルキレンリン酸基、アルキ
レンリン酸塩基におけるアルキレン基は、炭素数1〜3
が好ましい。
【0041】また、同じくオキシム基はポリアミノ化合
物にカルボン酸エステル類を反応させた後、ヒドロキシ
ルアミンを反応させることにより導入することができ、
アミドキシム基はポリアミノ化合物にシアノ化合物を反
応させた後、ヒドロキシルアミンを反応させることによ
り導入することができる。オキシム基におけるアルキル
基は炭素数1〜3が好ましい。
物にカルボン酸エステル類を反応させた後、ヒドロキシ
ルアミンを反応させることにより導入することができ、
アミドキシム基はポリアミノ化合物にシアノ化合物を反
応させた後、ヒドロキシルアミンを反応させることによ
り導入することができる。オキシム基におけるアルキル
基は炭素数1〜3が好ましい。
【0042】ポリアミノ化合物は、上記アルキレンカル
ボン酸基、アルキレンカルボン酸塩基、アルキレンリン
酸基、アルキレンリン酸塩基、オキシム基、アミドキシ
ム基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基のうちの1種を有する
ものであっても、或いはこれらのうちの2種以上を有す
るものであってもよい。これらキレート形成基は、ポリ
アミノ化合物の窒素原子に結合した活性水素原子に対
し、合計で5〜100%、望ましくは20〜100%の
割合で置換して導入されることが好ましい。
ボン酸基、アルキレンカルボン酸塩基、アルキレンリン
酸基、アルキレンリン酸塩基、オキシム基、アミドキシ
ム基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基のうちの1種を有する
ものであっても、或いはこれらのうちの2種以上を有す
るものであってもよい。これらキレート形成基は、ポリ
アミノ化合物の窒素原子に結合した活性水素原子に対
し、合計で5〜100%、望ましくは20〜100%の
割合で置換して導入されることが好ましい。
【0043】高分子キレート化剤の有機高分子マトリッ
クスであるポリアミノ化合物の数平均分子量には特別な
制約はないが、好ましくは300以上、より好ましくは
1000以上、さらに好ましくは10000以上、特に
好ましくは50000以上1000000以下とする。
分子量が300未満では耐食性向上効果が小さく、一
方、1000000を超えるような分子量では塗料組成
物がゲル化する等の問題が生じるため好ましくない。
クスであるポリアミノ化合物の数平均分子量には特別な
制約はないが、好ましくは300以上、より好ましくは
1000以上、さらに好ましくは10000以上、特に
好ましくは50000以上1000000以下とする。
分子量が300未満では耐食性向上効果が小さく、一
方、1000000を超えるような分子量では塗料組成
物がゲル化する等の問題が生じるため好ましくない。
【0044】また、本発明の高分子キレート化剤皮膜に
は、上述したような、ポリアミン類と上記一般式(1)で
示される化合物とが共重合した構造のポリアミノ化合物
に上記特定のキレート形成基を付与した高分子キレート
化剤、上記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有
するポリアミノ化合物に上記特定のキレート形成基を付
与した高分子キレート化剤、上記式(3)で示される単位
を1分子中に2以上有するポリアミノ化合物に上記特定
のキレート形成基を付与した高分子キレート化剤のうち
の2種以上を混合して使用することができる。
は、上述したような、ポリアミン類と上記一般式(1)で
示される化合物とが共重合した構造のポリアミノ化合物
に上記特定のキレート形成基を付与した高分子キレート
化剤、上記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有
するポリアミノ化合物に上記特定のキレート形成基を付
与した高分子キレート化剤、上記式(3)で示される単位
を1分子中に2以上有するポリアミノ化合物に上記特定
のキレート形成基を付与した高分子キレート化剤のうち
の2種以上を混合して使用することができる。
【0045】高分子キレート化剤皮膜には、防食効果を
さらに高める目的で、必要に応じて、シリカ、ポリリン
酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リンモリブデン酸
塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン
酸塩等の中から選ばれる1種または2種以上の防錆添加
剤を配合することができる。
さらに高める目的で、必要に応じて、シリカ、ポリリン
酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リンモリブデン酸
塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン
酸塩等の中から選ばれる1種または2種以上の防錆添加
剤を配合することができる。
【0046】シリカとしては、コロイダルシリカ、ヒュ
ームドシリカのいずれを用いてもよい。コロイダルシリ
カとしては、例えば、スノーテックス O、スノーテッ
クスN、スノーテックス 20、スノーテックス 30、
スノーテックス 40、スノーテックス C、スノーテッ
クス S(以上、日産化学(株)製)等を用いることが
できる。また、ヒュームドリシカとしては、例えば、A
EROSIL R971、AEROSIL R812、A
EROSIL R811、AEROSIL R974、A
EROSIL R202、AEROSIL R805、A
EROSIL130、AEROSIL 200、AER
OSIL 300、AEROSIL 300CF(以上、
日本アエロジル(株)製)等を用いることができる。
ームドシリカのいずれを用いてもよい。コロイダルシリ
カとしては、例えば、スノーテックス O、スノーテッ
クスN、スノーテックス 20、スノーテックス 30、
スノーテックス 40、スノーテックス C、スノーテッ
クス S(以上、日産化学(株)製)等を用いることが
できる。また、ヒュームドリシカとしては、例えば、A
EROSIL R971、AEROSIL R812、A
EROSIL R811、AEROSIL R974、A
EROSIL R202、AEROSIL R805、A
EROSIL130、AEROSIL 200、AER
OSIL 300、AEROSIL 300CF(以上、
日本アエロジル(株)製)等を用いることができる。
【0047】皮膜中に添加されたシリカは、腐食環境下
で緻密で安定な金属の腐食生成物の生成に寄与し、この
腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによっ
て、腐食の促進を抑制するものと考えられる。また、シ
リカ以外の腐食抑制剤として、公知のポリリン酸塩(例
えば、ポリリン酸アルミ:テイカK−WHITE80、
テイカK−WHITE 84、テイカK−WHITE 1
05、テイカK−WHITE G105、テイカK−W
HITE 90(以上、テイカ(株)製))、リン酸塩
(例えば、リン酸亜鉛、リン酸二水素アルミニウム、亜
リン酸亜鉛等)、モリブテン酸塩、リンモリブデン酸塩
(例えば、リンモリブデン酸アルミニウム)、フィチン
酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩等を用い
ることもできる。
で緻密で安定な金属の腐食生成物の生成に寄与し、この
腐食生成物がめっき表面に緻密に形成されることによっ
て、腐食の促進を抑制するものと考えられる。また、シ
リカ以外の腐食抑制剤として、公知のポリリン酸塩(例
えば、ポリリン酸アルミ:テイカK−WHITE80、
テイカK−WHITE 84、テイカK−WHITE 1
05、テイカK−WHITE G105、テイカK−W
HITE 90(以上、テイカ(株)製))、リン酸塩
(例えば、リン酸亜鉛、リン酸二水素アルミニウム、亜
リン酸亜鉛等)、モリブテン酸塩、リンモリブデン酸塩
(例えば、リンモリブデン酸アルミニウム)、フィチン
酸、フィチン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩等を用い
ることもできる。
【0048】防錆添加剤の配合量は、固形分の割合で高
分子キレート化剤100重量部に対して1〜100重量
部とする。配合量が1重量部未満では、耐食性向上効果
が少ない。一方、配合量が100重量部を超えると、塗
装性や加工性が低下するので好ましくない。防錆添加剤
のより好ましい配合量は5〜80重量部である。
分子キレート化剤100重量部に対して1〜100重量
部とする。配合量が1重量部未満では、耐食性向上効果
が少ない。一方、配合量が100重量部を超えると、塗
装性や加工性が低下するので好ましくない。防錆添加剤
のより好ましい配合量は5〜80重量部である。
【0049】さらに、高分子キレート化剤皮膜には、皮
膜の加工性を向上させる目的で固形潤滑剤を配合するこ
とができる。この固形潤滑剤としては、以下のようなも
のが挙げられる。 (1)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物:
例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然
パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素等 (2)フッ素樹脂系化合物:例えば、ポリフルオロエチ
レン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂等)、ポリフッ化
ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等 (3)脂肪酸アミド系化合物:例えば、ステアリン酸ア
ミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、
エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等
膜の加工性を向上させる目的で固形潤滑剤を配合するこ
とができる。この固形潤滑剤としては、以下のようなも
のが挙げられる。 (1)ポリオレフィンワックス等の炭化水素系化合物:
例えば、ポリエチレンワックス、合成パラフィン、天然
パラフィン、マイクロワックス、塩素化炭化水素等 (2)フッ素樹脂系化合物:例えば、ポリフルオロエチ
レン樹脂(ポリ4フッ化エチレン樹脂等)、ポリフッ化
ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等 (3)脂肪酸アミド系化合物:例えば、ステアリン酸ア
ミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアロアミ
ド、エチレンビスステアロアミド、オレイン酸アミド、
エシル酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド等
【0050】(4)金属石けん類:例えば、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウ
ム、パルミチン酸カルシウム等 (5)金属硫化物:例えば、二硫化モリブデン、二硫化
タングステン (6)その他:例えば、グラファイト、フッ化黒鉛、窒
化ホウ素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫
酸塩等
酸カルシウム、ステアリン酸鉛、ラウリン酸カルシウ
ム、パルミチン酸カルシウム等 (5)金属硫化物:例えば、二硫化モリブデン、二硫化
タングステン (6)その他:例えば、グラファイト、フッ化黒鉛、窒
化ホウ素、ポリアルキレングリコール、アルカリ金属硫
酸塩等
【0051】以上の固形潤滑剤の中でも、特にポリエチ
レンワックス、フッ素樹脂系化合物(なかでも、ポリ4
フッ化エチレン樹脂微粒子)が好適である。ポリエチレ
ンワックスとしては、例えば、ヘキスト社製のセリダス
ト 9615A、セリダスト3715、セリダスト 36
20、セリダスト 3910、三洋化成(株)製のサン
ワックス 131−P、サンワックス 161−P、三井
石油化学(株)製のケミパール W−100、ケミパー
ル W−200、ケミパール W−500、ケミパール
W−800、ケミパール W−950等を用いることが
できる。
レンワックス、フッ素樹脂系化合物(なかでも、ポリ4
フッ化エチレン樹脂微粒子)が好適である。ポリエチレ
ンワックスとしては、例えば、ヘキスト社製のセリダス
ト 9615A、セリダスト3715、セリダスト 36
20、セリダスト 3910、三洋化成(株)製のサン
ワックス 131−P、サンワックス 161−P、三井
石油化学(株)製のケミパール W−100、ケミパー
ル W−200、ケミパール W−500、ケミパール
W−800、ケミパール W−950等を用いることが
できる。
【0052】フッ素樹脂系化合物としては、テトラフル
オロエチレン微粒子が好適であり、例えば、ダイキン工
業(株)製のルブロン L−2、ルブロン L−5、三井
・デュポン社製のMP1100、MP1200、旭アイ
シーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンディスパ
ージョン AD1、フルオンディスパージョン AD2、
フルオン L140J、フルオン L150J、フルオン
L155J等を用いることができる。
オロエチレン微粒子が好適であり、例えば、ダイキン工
業(株)製のルブロン L−2、ルブロン L−5、三井
・デュポン社製のMP1100、MP1200、旭アイ
シーアイフロロポリマーズ(株)製のフルオンディスパ
ージョン AD1、フルオンディスパージョン AD2、
フルオン L140J、フルオン L150J、フルオン
L155J等を用いることができる。
【0053】また、これらの固形潤滑剤なかで、ポリオ
レフィンワックスとテトラフルオロエチレンを併用して
添加することにより、特に優れた潤滑効果が期待でき
る。固形潤滑剤の配合量は、固形分の割合で高分子キレ
ート化剤100重量部に対して1〜80重量部とする。
固形潤滑剤の配合量が1重量部未満では潤滑効果が乏し
く、一方、80重量部を超えると塗装性が低下する。固
形潤滑剤の好ましい配合量は3〜40重量部である。
レフィンワックスとテトラフルオロエチレンを併用して
添加することにより、特に優れた潤滑効果が期待でき
る。固形潤滑剤の配合量は、固形分の割合で高分子キレ
ート化剤100重量部に対して1〜80重量部とする。
固形潤滑剤の配合量が1重量部未満では潤滑効果が乏し
く、一方、80重量部を超えると塗装性が低下する。固
形潤滑剤の好ましい配合量は3〜40重量部である。
【0054】さらに、高分子キレート化剤皮膜には他の
添加剤として、着色染料(例えば、有機溶剤可溶性アゾ
系金属錯塩染料、水溶性アゾ系金属錯塩染料等)、有機
着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニ
ン系有機顔料等)、無機顔料(例えば、酸化チタン
等)、キレート剤(例えば、チオール等)、導電性顔料
(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケル等の金属粉
末、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等)、カップ
リング剤(例えば、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤等)等を添加することができる。
添加剤として、着色染料(例えば、有機溶剤可溶性アゾ
系金属錯塩染料、水溶性アゾ系金属錯塩染料等)、有機
着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニ
ン系有機顔料等)、無機顔料(例えば、酸化チタン
等)、キレート剤(例えば、チオール等)、導電性顔料
(例えば、亜鉛、アルミニウム、ニッケル等の金属粉
末、リン化鉄、アンチモンドープ型酸化錫等)、カップ
リング剤(例えば、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤等)等を添加することができる。
【0055】以上述べたような高分子キレート化剤皮膜
は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に、クロメート処理皮膜を介することなく形成さ
れる。高分子キレート化剤皮膜の乾燥膜厚は任意である
が、好ましくは0.01〜5μmとする。膜厚が0.0
1μm未満では耐食性が不十分であり、一方、溶接性が
要求される用途では膜厚が5μmを超えると溶接性が低
下する。より好ましい膜厚は0.05〜3μm、さらに
好ましくは0.1〜2μmである。
は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板
の表面に、クロメート処理皮膜を介することなく形成さ
れる。高分子キレート化剤皮膜の乾燥膜厚は任意である
が、好ましくは0.01〜5μmとする。膜厚が0.0
1μm未満では耐食性が不十分であり、一方、溶接性が
要求される用途では膜厚が5μmを超えると溶接性が低
下する。より好ましい膜厚は0.05〜3μm、さらに
好ましくは0.1〜2μmである。
【0056】本発明の表面処理鋼板は、上述した高分子
キレート化剤を主成分とする塗料組成物を亜鉛系めっき
鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に塗布し、
乾燥させることにより製造される。めっき鋼板の表面
は、上記塗料組成物を塗布する前に必要に応じてアルカ
リ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるため
に表面調整処理等の前処理を施すことができる。
キレート化剤を主成分とする塗料組成物を亜鉛系めっき
鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に塗布し、
乾燥させることにより製造される。めっき鋼板の表面
は、上記塗料組成物を塗布する前に必要に応じてアルカ
リ脱脂処理し、さらに密着性、耐食性を向上させるため
に表面調整処理等の前処理を施すことができる。
【0057】高分子キレート化剤を主成分とする塗料組
成物を亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼
板の表面に塗布する方法としては、塗布法、浸漬法、ス
プレー法等の任意の方法を採用できる。塗布法として
は、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式
等)、スクイズコーター、ダイコーター等のいずれの方
法を用いてもよい。また、スクイズコーター等による塗
布処理、浸漬処理またはスプレー処理の後に、エアナイ
フ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一
化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
成物を亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼
板の表面に塗布する方法としては、塗布法、浸漬法、ス
プレー法等の任意の方法を採用できる。塗布法として
は、ロールコーター(3ロール方式、2ロール方式
等)、スクイズコーター、ダイコーター等のいずれの方
法を用いてもよい。また、スクイズコーター等による塗
布処理、浸漬処理またはスプレー処理の後に、エアナイ
フ法やロール絞り法により塗布量の調整、外観の均一
化、膜厚の均一化を行うことも可能である。
【0058】通常、塗料組成物の塗布後には、水洗する
ことなく加熱乾燥を行う。但し、塗料組成物の塗布後に
水洗工程を実施しても構わない。加熱乾燥処理には、ド
ライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用
いることができる。加熱処理は、到達板温で50〜30
0℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で行うことが
望ましい。加熱温度が50℃未満では皮膜中の水分が多
量に残り、耐食性が不十分となる。また、加熱温度が3
00℃を超えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に
欠陥が生じて耐食性が低下するおそれがある。
ことなく加熱乾燥を行う。但し、塗料組成物の塗布後に
水洗工程を実施しても構わない。加熱乾燥処理には、ド
ライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用
いることができる。加熱処理は、到達板温で50〜30
0℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で行うことが
望ましい。加熱温度が50℃未満では皮膜中の水分が多
量に残り、耐食性が不十分となる。また、加熱温度が3
00℃を超えると非経済的であるばかりでなく、皮膜に
欠陥が生じて耐食性が低下するおそれがある。
【0059】本発明は、以上述べたような高分子キレー
ト化剤皮膜を両面または片面に有する鋼板を含むもので
ある。したがって、本発明鋼板の形態としては、例え
ば、以下のようなものがある。 (1)片面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜、片
面:めっき皮膜 (2)片面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜、片
面:公知のりん酸塩処理皮膜等 (3)両面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜
ト化剤皮膜を両面または片面に有する鋼板を含むもので
ある。したがって、本発明鋼板の形態としては、例え
ば、以下のようなものがある。 (1)片面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜、片
面:めっき皮膜 (2)片面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜、片
面:公知のりん酸塩処理皮膜等 (3)両面:めっき皮膜−高分子キレート化剤皮膜
【0060】
【実施例】家電、建材、自動車部品用の表面処理鋼板と
して、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼
板の表面をアルカリ脱脂処理後、水洗乾燥し、次いで、
塗料組成物をロールコーターにより塗布し、加熱乾燥し
た。得られた表面処理鋼板について、皮膜外観の評価と
耐食性(耐白錆性)、塗料密着性および加工性の各評価
試験を行った。その結果を、使用しためっき鋼板の種
類、高分子キレート化剤皮膜の組成、膜厚、乾燥温度と
ともに表5〜表19に示す。
して、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼
板の表面をアルカリ脱脂処理後、水洗乾燥し、次いで、
塗料組成物をロールコーターにより塗布し、加熱乾燥し
た。得られた表面処理鋼板について、皮膜外観の評価と
耐食性(耐白錆性)、塗料密着性および加工性の各評価
試験を行った。その結果を、使用しためっき鋼板の種
類、高分子キレート化剤皮膜の組成、膜厚、乾燥温度と
ともに表5〜表19に示す。
【0061】本実施例における表面処理鋼板の製造条件
を以下に示す。 (1) めっき鋼板 板厚0.8mm、表面粗さ(Ra)1.0μmの冷延鋼
板に各種亜鉛系めっきまたはアルミニウム系めっきを施
し、下地めっき鋼板として用いた。使用しためっき鋼板
を表1に示す。 (2) 高分子キレート化剤を主成分とする塗料組成物 (2-1) 高分子キレート化剤等 下記する化合物a〜m(高分子キレート化剤等)の水溶
液を主体とし、必要に応じて、これに防錆添加剤、固形
潤滑剤を添加して、塗料用分散機(サンドグラインダ
ー)を用いて所要時間分散させ、塗料組成物を得た。
を以下に示す。 (1) めっき鋼板 板厚0.8mm、表面粗さ(Ra)1.0μmの冷延鋼
板に各種亜鉛系めっきまたはアルミニウム系めっきを施
し、下地めっき鋼板として用いた。使用しためっき鋼板
を表1に示す。 (2) 高分子キレート化剤を主成分とする塗料組成物 (2-1) 高分子キレート化剤等 下記する化合物a〜m(高分子キレート化剤等)の水溶
液を主体とし、必要に応じて、これに防錆添加剤、固形
潤滑剤を添加して、塗料用分散機(サンドグラインダ
ー)を用いて所要時間分散させ、塗料組成物を得た。
【0062】・化合物a(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) ビニルアミン62モル%とジメチリルアクリルアミド3
8モル%からなる共重合体(MW=13000)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してメチレンリン酸基を有する化合物(ポリアミノ化合
物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する
置換基の置換率100%) ・化合物b(本発明条件を満足する高分子キレート化
剤) ビニルアミン62モル%とジメチリルアクリルアミド3
8モル%からなる共重合体(MW=13000)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してエチレンリン酸基を有する化合物(ポリアミノ化合
物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する
置換基の置換率70%)
キレート化剤) ビニルアミン62モル%とジメチリルアクリルアミド3
8モル%からなる共重合体(MW=13000)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してメチレンリン酸基を有する化合物(ポリアミノ化合
物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する
置換基の置換率100%) ・化合物b(本発明条件を満足する高分子キレート化
剤) ビニルアミン62モル%とジメチリルアクリルアミド3
8モル%からなる共重合体(MW=13000)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してエチレンリン酸基を有する化合物(ポリアミノ化合
物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する
置換基の置換率70%)
【0063】・化合物c(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) ビニルアミン62モル%とジメチリルアクリルアミド3
8モル%からなる共重合体(MW=13000)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してメチレンリン酸ナトリウム塩基を有する化合物(ポ
リアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素
原子に対する置換基の置換率81%) ・化合物d(本発明条件を満足する高分子キレート化
剤) ポリエチレンイミン54モル%とポリエチレングリコー
ルジエポキシドとの共重合体(MW=2300)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してエチレンカルボン酸基を有する化合物(ポリアミノ
化合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対
する置換基の置換率76%)
キレート化剤) ビニルアミン62モル%とジメチリルアクリルアミド3
8モル%からなる共重合体(MW=13000)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してメチレンリン酸ナトリウム塩基を有する化合物(ポ
リアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素
原子に対する置換基の置換率81%) ・化合物d(本発明条件を満足する高分子キレート化
剤) ポリエチレンイミン54モル%とポリエチレングリコー
ルジエポキシドとの共重合体(MW=2300)の窒素
原子に結合した水素原子と置換して導入された置換基と
してエチレンカルボン酸基を有する化合物(ポリアミノ
化合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対
する置換基の置換率76%)
【0064】・化合物e(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) アクリルアミン35モル%とアクリル酸65モル%とか
らなる共重合体(MW=54000)の窒素原子に結合
した水素原子と置換して導入された置換基としてオキシ
ム基を有する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原子に
結合した置換可能な水素原子に対する置換基の置換率8
4%) ・化合物f(本発明条件を満足する高分子キレート化
剤) ポリプロピレンイミン74モル%とプロピレングリコー
ルジエポキシドとの共重合体(MW=110000)の
窒素原子に結合した水素原子と置換して導入された置換
基としてアミドキシム基を有する化合物(ポリアミノ化
合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対す
る置換基の置換率50%)
キレート化剤) アクリルアミン35モル%とアクリル酸65モル%とか
らなる共重合体(MW=54000)の窒素原子に結合
した水素原子と置換して導入された置換基としてオキシ
ム基を有する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原子に
結合した置換可能な水素原子に対する置換基の置換率8
4%) ・化合物f(本発明条件を満足する高分子キレート化
剤) ポリプロピレンイミン74モル%とプロピレングリコー
ルジエポキシドとの共重合体(MW=110000)の
窒素原子に結合した水素原子と置換して導入された置換
基としてアミドキシム基を有する化合物(ポリアミノ化
合物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対す
る置換基の置換率50%)
【0065】・化合物g(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) ビニルアミン95モル%とスチレン5モル%とからなる
共重合体(MW=450000)の窒素原子に結合した
水素原子と置換して導入された置換基として、エチレン
カルボン酸アンモニウム塩基とメチレンリン酸アンモニ
ウム塩基とを、それぞれ1:2の比率(官能基の数の
比、以下同様)で含有する化合物(ポリアミノ化合物中
の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する置換
基の置換率30%)
キレート化剤) ビニルアミン95モル%とスチレン5モル%とからなる
共重合体(MW=450000)の窒素原子に結合した
水素原子と置換して導入された置換基として、エチレン
カルボン酸アンモニウム塩基とメチレンリン酸アンモニ
ウム塩基とを、それぞれ1:2の比率(官能基の数の
比、以下同様)で含有する化合物(ポリアミノ化合物中
の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する置換
基の置換率30%)
【0066】・化合物h(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) キシレンジアミンとエピクロルヒドリンからなる重縮合
体(MW=1200)の窒素原子に結合した水素原子と
置換して導入された置換基として、メチレンカルボン酸
カリウム塩基とメチレンカルボン酸カリウム基とオキシ
ム基とを、それぞれ2:2:5の比率で含有する化合物
(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能な
水素原子に対する置換基の置換率100%)
キレート化剤) キシレンジアミンとエピクロルヒドリンからなる重縮合
体(MW=1200)の窒素原子に結合した水素原子と
置換して導入された置換基として、メチレンカルボン酸
カリウム塩基とメチレンカルボン酸カリウム基とオキシ
ム基とを、それぞれ2:2:5の比率で含有する化合物
(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合した置換可能な
水素原子に対する置換基の置換率100%)
【0067】・化合物i(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) アリルアミン15モル%とスチレンスルホン酸85モル
%とからなる共重合体(MW=18000)の窒素原子
に結合した水素原子と置換して導入された置換基とし
て、メチレンリン酸アンモニウム塩基とオキシム基とア
ミドキシム基とを、それぞれ6:11:3の比率で含有
する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合した
置換可能な水素原子に対する置換基の置換率100%)
キレート化剤) アリルアミン15モル%とスチレンスルホン酸85モル
%とからなる共重合体(MW=18000)の窒素原子
に結合した水素原子と置換して導入された置換基とし
て、メチレンリン酸アンモニウム塩基とオキシム基とア
ミドキシム基とを、それぞれ6:11:3の比率で含有
する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合した
置換可能な水素原子に対する置換基の置換率100%)
【0068】・化合物j(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) ポリエチレンイミン81モル%とポリプロピレングリコ
ールジエポキシド19モル%との共重合体(MW=18
0000)の窒素原子に結合した水素原子と置換して導
入された置換基として、メチレンカルボン酸アンモニウ
ム塩基とメチレンリン酸ナトリウム塩基とオキシム基と
アミドキシム基とを、それぞれ4:1:2:4の比率で
含有する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合
した置換可能な水素原子に対する置換基の置換率65
%)
キレート化剤) ポリエチレンイミン81モル%とポリプロピレングリコ
ールジエポキシド19モル%との共重合体(MW=18
0000)の窒素原子に結合した水素原子と置換して導
入された置換基として、メチレンカルボン酸アンモニウ
ム塩基とメチレンリン酸ナトリウム塩基とオキシム基と
アミドキシム基とを、それぞれ4:1:2:4の比率で
含有する化合物(ポリアミノ化合物中の窒素原子に結合
した置換可能な水素原子に対する置換基の置換率65
%)
【0069】・化合物k(本発明条件を満足する高分子
キレート化剤) ポリエチレンイミン(MW=1200)の窒素原子に結
合した水素原子と置換して導入された置換基としてジチ
オ酸アンモニウム塩基を有する化合物(ポリアミノ化合
物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する
置換基の30%) ・化合物l(比較例) 従来から防錆剤として知られているタンニン酸水溶液 ・化合物m(比較例) 低分子量のキレート化剤であるEDTA(エチレンジア
ミンテトラ酢酸)水溶液
キレート化剤) ポリエチレンイミン(MW=1200)の窒素原子に結
合した水素原子と置換して導入された置換基としてジチ
オ酸アンモニウム塩基を有する化合物(ポリアミノ化合
物中の窒素原子に結合した置換可能な水素原子に対する
置換基の30%) ・化合物l(比較例) 従来から防錆剤として知られているタンニン酸水溶液 ・化合物m(比較例) 低分子量のキレート化剤であるEDTA(エチレンジア
ミンテトラ酢酸)水溶液
【0070】(2-2) 防錆添加剤 必要に応じて、表2に示すシリカ、表3に示すポリリン
酸塩等の防錆添加剤を用いた。 (2-3) 固形潤滑剤 必要に応じて、表4に示す固形潤滑剤を用いた。
酸塩等の防錆添加剤を用いた。 (2-3) 固形潤滑剤 必要に応じて、表4に示す固形潤滑剤を用いた。
【0071】表面処理鋼板の品質性能の評価は以下のよ
うにして行った。 (1) 皮膜外観 各サンプルについて、皮膜外観の均一性(ムラの有り無
し)を目視で評価した。評価基準は、以下の通りであ
る。 ○:ムラが全くない均一な外観 △:ムラが若干目立つ外観 ×:ムラが目立つ外観
うにして行った。 (1) 皮膜外観 各サンプルについて、皮膜外観の均一性(ムラの有り無
し)を目視で評価した。評価基準は、以下の通りであ
る。 ○:ムラが全くない均一な外観 △:ムラが若干目立つ外観 ×:ムラが目立つ外観
【0072】(2) 耐白錆性 各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−23
71)を実施し、所定時間後の白錆発生面積率で評価し
た。なお、防錆添加剤を含まない皮膜を形成したものに
ついては48時間後の耐白錆性で評価し、一方、防錆添
加剤(シリカまたはシリカ以外の防錆添加剤)を含む皮
膜を形成したものについては、48時間後の耐白錆性だ
けでは防錆添加剤無添加のものに対する優位差が現われ
ないため、より厳しい試験条件である72時間後の耐白
錆性でも評価した。評価基準は、以下の通りである。 ◎ :白錆発生なし ○+:白錆発生面積率5%未満 ○ :白錆発生面積率5%以上、10%未満 ○−:白錆発生面積率10%以上、25%未満 △ :白錆発生面積率25%以上、50%未満 × :白錆発生面積率50%以上
71)を実施し、所定時間後の白錆発生面積率で評価し
た。なお、防錆添加剤を含まない皮膜を形成したものに
ついては48時間後の耐白錆性で評価し、一方、防錆添
加剤(シリカまたはシリカ以外の防錆添加剤)を含む皮
膜を形成したものについては、48時間後の耐白錆性だ
けでは防錆添加剤無添加のものに対する優位差が現われ
ないため、より厳しい試験条件である72時間後の耐白
錆性でも評価した。評価基準は、以下の通りである。 ◎ :白錆発生なし ○+:白錆発生面積率5%未満 ○ :白錆発生面積率5%以上、10%未満 ○−:白錆発生面積率10%以上、25%未満 △ :白錆発生面積率25%以上、50%未満 × :白錆発生面積率50%以上
【0073】(3) 塗料密着性 各サンプルについて、メラミン系の焼付塗料(膜厚30
μm)を塗装した後、沸水中に2時間浸漬し、直ちに碁
盤目(1mm間隔で10×10の碁盤目)のカットを入
れて、貼着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離
面積率で評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:剥離なし ○:剥離面積率5%未満 △:剥離面積率5%以上、20%未満 ×:剥離面積率20%以上
μm)を塗装した後、沸水中に2時間浸漬し、直ちに碁
盤目(1mm間隔で10×10の碁盤目)のカットを入
れて、貼着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離
面積率で評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:剥離なし ○:剥離面積率5%未満 △:剥離面積率5%以上、20%未満 ×:剥離面積率20%以上
【0074】(4) 加工性 ブランク径φ120mm、ダイス径φ50mmで深絞り
成形(無塗油条件)を行い、割れが生ずるまでの成形高
さで評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:絞り抜け ○:成形高さ30mm以上 △:成形高さ20mm以上、30mm未満 ×:成形高さ20mm未満
成形(無塗油条件)を行い、割れが生ずるまでの成形高
さで評価した。評価基準は以下の通りである。 ◎:絞り抜け ○:成形高さ30mm以上 △:成形高さ20mm以上、30mm未満 ×:成形高さ20mm未満
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】
【表14】
【0089】
【表15】
【0090】
【表16】
【0091】
【表17】
【0092】
【表18】
【0093】
【表19】
【0094】
【発明の効果】以上述べたように本発明の表面処理鋼板
は、製造時の処理液や製品の皮膜成分中に6価クロムを
全く含まず、しかも建材、家電、自動車等の用途の表面
処理鋼板として高度の耐食性を有し、また、皮膜外観、
塗料密着性等にも優れている。
は、製造時の処理液や製品の皮膜成分中に6価クロムを
全く含まず、しかも建材、家電、自動車等の用途の表面
処理鋼板として高度の耐食性を有し、また、皮膜外観、
塗料密着性等にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 139/02 C09D 139/02 163/00 163/00 C23C 22/00 C23C 22/00 Z C23F 11/00 C23F 11/00 C (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とする高分子
キレート化剤皮膜を有することを特徴とする耐食性に優
れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤 【化1】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化2】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化3】 - 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さらに
下記(B)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を有す
ることを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤 【化4】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化5】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化6】 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤を1〜100重量部 - 【請求項3】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さらに
下記(C)の成分を含む高分子キレート化剤皮膜を形成
したことを特徴とする耐食性に優れた表面処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤 【化7】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化8】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化9】 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
部 - 【請求項4】 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系
めっき鋼板の表面に、下記(A)を主成分とし、さらに
下記(B)および(C)の成分を含む高分子キレート化
剤皮膜を形成したことを特徴とする耐食性に優れた表面
処理鋼板。 (A) 下記(a)、(b)、(c)の中から選ばれる1種または
2種以上からなる高分子キレート化剤 (a) ポリアミン類と下記一般式(1)で示される化合物と
が共重合した構造のポリアミノ化合物の窒素原子に結合
したN−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレ
ンリン酸塩基、アルキレンカルボン酸、アルキレンカル
ボン酸塩基、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、
アミドキシム基のうちの1種または2種以上を有する高
分子キレート化剤 【化10】 (b) 下記式(2)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化11】 (c) 下記式(3)で示される単位を1分子中に2以上有す
るポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN−置換基と
して、アルキレンリン酸基、アルキレンリン酸塩基、ア
ルキレンカルボン酸、アルキレンカルボン酸塩基、ジチ
オ酸基、ジチオ酸塩基、オキシム基、アミドキシム基の
うちの1種または2種以上を有する高分子キレート化剤 【化12】 (B) 高分子キレート化剤100重量部に対して、シ
リカ、ポリリン酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、リン
モリブデン酸塩、フィチン酸、フィチン酸塩、ホスホン
酸、ホスホン酸塩の中から選ばれる1種または2種以上
の防錆添加剤を1〜100重量部 (C) 高分子キレート化剤100重量部に対して、ポ
リオレフィンワックス等の炭化水素系化合物、フッ素樹
脂系化合物、脂肪酸アミド系化合物、金属硫化物、金属
石けん、グラファイト、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、ポリ
アルキレングリコール、アルカリ金属硫酸塩の中から選
ばれる1種または2種以上の固形潤滑剤を1〜80重量
部 - 【請求項5】 高分子キレート化剤の有機高分子マトリ
ックスであるポリアミノ化合物の数平均分子量が300
以上であることを特徴とする請求項1、2、3または4
に記載の耐食性に優れた表面処理鋼板。 - 【請求項6】 高分子キレート化剤の有機高分子マトリ
ックスであるポリアミノ化合物の数平均分子量が100
0以上であることを特徴とする請求項1、2、3または
4に記載の耐食性に優れた表面処理鋼板。 - 【請求項7】 高分子キレート化剤の有機高分子マトリ
ックスであるポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN
−置換基として、アルキレンリン酸基、アルキレンリン
酸塩基の中から選ばれる1種または2種以上を有するこ
とを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記
載の耐食性に優れた表面処理鋼板。 - 【請求項8】 高分子キレート化剤の有機高分子マトリ
ックスであるポリアミノ化合物の窒素原子に結合したN
−置換基として、ジチオ酸基、ジチオ酸塩基の中から選
ばれる1種または2種以上を有することを特徴とする請
求項1、2、3、4、5または6に記載の耐食性に優れ
た表面処理鋼板。 - 【請求項9】 高分子キレート化剤皮膜の膜厚が0.0
1〜5μmであることを特徴とする請求項1、2、3、
4、5、6、7または8に記載の耐食性に優れた表面処
理鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34586897A JPH11166151A (ja) | 1997-12-01 | 1997-12-01 | 耐食性に優れた表面処理鋼板 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34586897A JPH11166151A (ja) | 1997-12-01 | 1997-12-01 | 耐食性に優れた表面処理鋼板 |
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JPH11166151A true JPH11166151A (ja) | 1999-06-22 |
Family
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Family Applications (1)
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JP34586897A Withdrawn JPH11166151A (ja) | 1997-12-01 | 1997-12-01 | 耐食性に優れた表面処理鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11166151A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1997-12-01 JP JP34586897A patent/JPH11166151A/ja not_active Withdrawn
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