JPH11166142A - 修正液 - Google Patents

修正液

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JPH11166142A
JPH11166142A JP33184197A JP33184197A JPH11166142A JP H11166142 A JPH11166142 A JP H11166142A JP 33184197 A JP33184197 A JP 33184197A JP 33184197 A JP33184197 A JP 33184197A JP H11166142 A JPH11166142 A JP H11166142A
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徹 細田
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明男 吉田
Masanari Okawa
真生 大川
Takao Mitome
隆男 見留
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1種類の修正液で修正が可能であり、又、修
正液の塗膜物性に優れ、更に長期の保存にも顔料の分散
安定性が良好な修正液を提供すること。 【解決手段】 白色顔料と、ナフテン系炭化水素溶剤を
含む有機溶剤と、アクリル樹脂とからなり、該アクリル
樹脂が、下記モノマー(I)及び(II)からなる共重合
体であり、該共重合体中のモノマー単位(I)が80〜
99.8重量%であり、モノマー単位(II)が0.2〜
20重量%であることを特徴とする修正液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、修正液に関し、更
に詳しくは水性のプラペン、フェルトペン、ボールペン
等の水性インキによる筆跡や、油性ボールペン、油性マ
ーキングペン等の油性インキによる筆跡、更にはPPC
複写機やCPC複写機による複写像を隠蔽及び修正する
ための修正液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より市販されている修正液は、誤字
や紙面の汚れ等を修正及び隠蔽するための白色顔料、白
色顔料のバインダーとしての樹脂類、その樹脂類を溶解
させる溶剤、及び白色顔料を良好に分散させるための分
散剤を主成分として構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】このような従来の
修正液としては、水性インキによる筆跡には油性の修正
液を、そして油性インキによる筆跡には水性の修正液を
選んで使用しなければならないという煩雑性があり、上
記の関係を誤ると筆跡を構成している染料や顔料が滲み
出し、十分な隠蔽や修正が困難である。このような問題
を解決する方法として、溶剤として水性インキによる筆
跡及び油性インキによる筆跡の両方に対して滲み等を起
こさないナフテン系炭化水素溶剤が使用されている。
【0004】上記ナフテン系炭化水素溶剤を修正液の溶
剤として使用することは、例えば、特開昭59−597
54号公報や特開平3−168252号公報等において
検討され、修正液に使用する白色顔料を分散させる樹脂
についても開示されているが、これらの樹脂を使用した
場合には白色顔料の分散安定性や修正液から形成される
塗膜物性を満足するものが未だに得られていない。
【0005】従って本発明の目的は、水性インキによる
筆跡も油性インキによる筆跡も、更には複写画像もイン
キの種類に関係なく、1種類の修正液で隠蔽や修正が可
能であり、又、修正液から形成される塗膜物性に優れ、
更に長期の保存にも白色顔料の分散安定性が良好な修正
液を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、白色顔料と、ナ
フテン系炭化水素溶剤を含む有機溶剤と、アクリル樹脂
とからなり、該アクリル樹脂が、下記モノマー(I)及
び(II)からなる共重合体であり、該共重合体中のモノ
マー単位(I)が80〜99.8重量%であり、モノマ
ー単位(II)が0.2〜20重量%であることを特徴
とする修正液である。
【0007】
【0008】上記式中のRは水素原子又はメチル基
を、Rは炭素数3〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアル
キル基又はナフテン環や芳香環を含む炭化水素基を、R
は−C−基、−CH=CH−基、−フェニレン
−基又は−シクロヘキシレン−基を表す。)
【0009】本発明によれば、本発明で使用する共重合
体は、修正液用のナフテン系炭化水素溶剤に十分な溶解
性を有し、且つ白色顔料の分散性に優れているので、水
性インキによる筆跡も油性インキによる筆跡も、更には
複写画像に対しても、これらの筆跡や画像を滲ますこと
なく、1種類の修正液で十分に隠蔽や修正が可能であ
り、又、修正液から形成される塗膜物性に優れ、更に長
期の保存にも白色顔料の分散安定性が良好な修正液を提
供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に具体的に説明する。本発明を主として特徴
づける前記共重合体を構成するモノマー(I)として
は、具体的には、例えば、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸アルキル(C=12、13)、メタクリル酸
ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸アルキル(C=12、13)、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
【0011】これらのモノマー(I)は単独でも混合物
でも使用でき、特に好ましいモノマーは前記一般式
(I)においてRがメチル基であるメタクリル酸エス
テルである。本発明において使用する共重合体中におけ
るこれらのモノマー単位(I)の含有量は、得られる共
重合体中で80〜99.8重量%を占める範囲である。
モノマー単位(I)の含有量が80重量%未満である
と、修正液を調製したときに修正液の粘度が高くなり実
用的ではなく、一方、99.8重量%を越える含有量で
あると、修正液を調製したときに白色顔料に対する共重
合体の吸着力が弱く、修正液中での白色顔料の沈降性が
大きくなる等の点で問題がある。特に好ましい範囲は約
90〜99.8重量%である。
【0012】前記共重合体を構成するモノマー(II)とし
ては、具体的には、コハク酸2−メタクリロイルオキシ
エチル、マレイン酸2−メタクリロイルオキシエチル、
フタル酸2−メタクリロイルオキシエチル、ヘキサヒド
ロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル等の酸含有
アクリル酸エステル、コハク酸2−アクリロイルオキシ
エチル、マレイン酸2−アクリロイルオキシエチル、フ
タル酸2−アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフ
タル酸2−アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル
基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。こ
れらのモノマーは単独でも混合物でも使用でき、特に好
ましいモノマー(II)は前記一般式(II)においてR
がメチル基であるメタクリル酸エステルである。本発明
において使用する共重合体中におけるこれらのモノマー
単位(II)の含有量は、得られる共重合体中で0.2〜
20重量%を占める範囲である。
【0013】上記モノマー単位(II)の含有量が0.2重
量%未満であると、白色顔料に対する共重合体の吸着性
が弱く、白色顔料の分散が不良となる等の点で問題があ
り、一方、20重量%を越える含有量であると、得られ
る修正液が増粘し、修正液の安定性が損われる等の点で
問題がある。特に好ましい範囲は約0.2〜10重量%
である。
【0014】上記モノマー(II)を使用することによっ
て、得られる共重合体中にはカルボキシル基が導入さ
れ、ナフテン系炭化水素溶剤中に良好な溶解状態を保つ
と同時に、修正液中の白色顔料を十分に吸着し、白色顔
料の分散安定性が良好になり、長期にわたって白色顔料
が修正液中で沈降することがなく、長期分散安定性に優
れた修正液が得られる。
【0015】本発明で使用する共重合体は、上記モノマ
ー(I)及び(II)を必須の成分として重合されるが、本
発明の目的の達成を妨げない範囲において、上記以外の
モノマーの少量を共重合させることができる。上記の共
重合体は、修正液の溶剤である後述のナフテン系炭化水
素溶剤中で十分な溶解性を持ち、且つ白色顔料を良く吸
着し、その分散を良好なものにする。
【0016】前記モノマーの共重合方法は、従来公知の
何れの重合方法でもよいが、好ましい重合方法は適当な
有機溶剤中で共重合させる方法である。特に好ましい方
法は、後述する修正液の溶媒を構成するナフテン系炭化
水素溶剤中で重合させる方法である。この方法であれ
ば、重合液をそのまま修正液の樹脂溶液として使用する
ことができる。
【0017】上記共重合は、例えば、公知のラジカル重
合開始剤を適量用いて、例えば、約70〜90℃におい
て約7〜8時間重合させることによって行われ、所望の
重合溶液が得られる。得られる重合溶液の重合体の濃度
は、特に限定されず、希薄状態でも、濃厚状態でもよ
く、最終的に或いは修正液の状態で溶剤の除去や添加に
よって重合溶液の濃度及び粘度を調整すればよい。勿
論、重合溶剤は、ナフテン系炭化水素溶剤に限定され
ず、他の溶剤を用いて重合を行い、重合体を分離し、該
重合体を本発明の修正液に用いることができる。
【0018】本発明で使用する白色顔料としては、隠蔽
性が大きいものが要求されるため、各種の市販の酸化チ
タン顔料を90%以上含有することが好ましい。その
他、修正液から形成される塗膜面の光沢、平滑度、再筆
記性や沈降安定性等の諸物性を考慮して使用することが
望ましい。酸化チタンは、ルチル型、アナターゼ型の何
れも使用でき、市販品としてタイペークA−220、R
−550、R−690、R−780、R−820(以上
石原産業製)、クロノスKR−380、KR−480、
KA−20(以上チタン工業製)、タイピュアーR−9
00、R−921、R−931(以上デュポン社製)等
が挙げられる。
【0019】本発明で修正液の溶媒として使用するナフ
テン系炭化水素溶剤は、油性及び水性の筆跡或いはコピ
ー複写画像等を溶解しにくい有機溶媒であり、好ましい
ナフテン系炭化水素溶剤は、沸点が70〜130℃の範
囲にあり、具体的には溶剤臭が少ないシクロヘキサン、
メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン或いはこ
れらの混合物が好ましく使用される。これらのナフテン
系炭化水素溶剤には溶剤全量の内の50重量%以下の他
の有機溶剤を併用してもよい。
【0020】本発明の修正液は、以上の如き共重合体及
び白色顔料を前記ナフテン系炭化水素溶剤に溶解及び分
散させれて得られる。使用する分散機としては特に制限
はなく、ガラスやジルコン等を使用したメディア分散機
やボールミルを使用することができる。又、得られた分
散液に溶剤及び他の添加剤を添加したり、或いは溶剤を
蒸発させたりして適当な粘度に調整して最終的に本発明
の修正液とする。
【0021】最終的な本発明の修正液の組成としては、
修正液全体を100重量部としたときに、前記共重合体
が約5〜30重量部、白色顔料が約40〜65重量部、
そしてナフテン系炭化水素溶剤が約20〜50重量部と
なる範囲であり、又、最終的な修正液の粘度は約20〜
80cpsの範囲であることが好ましい。
【0022】本発明の修正液には、上述した成分の他に
修正液から形成される塗膜の物性を改良するために、石
油樹脂等の各種樹脂や、各種の界面活性剤、増粘剤等を
添加してもよく、又、紙等の筆記面と色調を合わせるた
めにカーボンブラック等の着色顔料を少量添加してもよ
い。特に石油樹脂を前記共重合体100重量部当たり0
〜40重量部、好ましくは1〜30重量部の範囲で併用
することによって、修正液の乾燥によって生じる塗膜の
タック性をなくすることができる。
【0023】
【実施例】次に参考例、実施例及び比較例を挙げて本発
明を更に具体的に説明する。尚、文中部又は%とあるの
は特に断りのない限り重量基準である。 参考例1〜7 下記表1に記載の処方の混合液を、撹拌機、窒素ガス導
入口、温度計及び還流コンデンサーを有する500ml
の反応容器中に仕込み、窒素ガス気流中で80℃にて8
時間撹拌しながら重合を行い、下記表1に記載の共重合
体溶液を得た。
【0024】表1 尚、表1中の各成分の数値は部数である。
【0025】実施例1〜4及び比較例1〜3 下記表2に記載の配合物をペイントシェーカーで30分
間分散処理して本発明及び比較例の修正液を得た。
【0026】表2
【0027】尚、表中の配合量は部数である。共重合体
溶液は固形分50%の溶液である。石油樹脂溶液は固形
分40%のメチルシクロヘキサン溶液である。白色顔料
は石原産業製である、石油樹脂は東ソー社製である。以
上のようにして得られた本発明及び比較例の修正液のそ
れぞれを以下の方法で評価して表3に記載の結果を得
た。
【0028】評価方法 粘度・・・・EL型回転粘度計・25℃・5rpmの測
定値。 保存安定性・・・50ccガラス瓶に封入及び密栓し、
60℃で1ヶ月保存後のサンプルの粘度を測定し、増粘
しないものを○、増粘傾向のものを△、かなり増粘する
ものを×とした。 再分散性・・・60℃で1ヶ月保存後のサンプルを軽く
10回振とうし、元の状態にも戻るものを○、戻らない
ものを×とした。
【0029】分散性・・・60℃で1ヶ月保存後のサン
プル中の顔料の粒度分布を測定し、元の分散体殆ど変わ
らないものを○、凝集傾向のものを△、凝集しているも
のを×とした。 隠蔽性・・・普通紙(PPC用)に均一に印字したもの
にバーコーター#20で展色し、一般市販品と比較し、
同等のものを○とし、それ以上のものを◎、それ以下の
ものを×とした。 乾燥性・・・市販品と比較し、殆ど差がないものを○と
し、遅いものを×とした。 密着性・・・普通紙(PPC用)にバーコーター#20
で展色し、セロテープ剥離を行い、テープ側に塗膜が移
行しないものを○、やや移行するものを△、移行するも
のを×とした。
【0030】屈曲性・・・普通紙(PPC用)にバーコ
ーター#20で展色し、180゜折り曲げを行い、塗膜
に剥離やワレを生じないものを○、ワレを生じるものを
△、剥離を生じるものを×とした。 耐ブロッキング性・・・普通紙(PPC用)にバーコー
ター#20で展色したものを2枚張り合わせ圧着し、剥
したときに元の状態に剥れるものを○、若干移行するも
のを△、剥離するものを×とした。 再筆記性・・・普通紙(PPC用)にバーコーター#2
0で展色し、その上に水性ボールペン及び油性ボールペ
ンで筆記し、均一に筆記できるものを○、違和感のある
ものを×とした。
【0031】表3 以上の表3から明らかであるように、本発明の修正液
は、特に保存安定性、白色顔料の再分散性、分散性及び
隠蔽性等に優れている。
【0032】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、本発明で使
用する共重合体は、修正液用のナフテン系炭化水素溶剤
に十分な溶解性を有し、且つ白色顔料の分散性に優れて
いるので、水性インキによる筆跡も油性インキによる筆
跡も、更には複写画像に対しても、これらの筆跡や画像
を滲ますことなく、1種類の修正液で十分に隠蔽や修正
が可能であり、又、修正液から形成される塗膜物性に優
れ、更に長期の保存にも白色顔料の分散安定性が良好な
修正液を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 明男 東京都足立区堀ノ内1−9−4 大日精化 工業株式会社技術研究センター内 (72)発明者 大川 真生 福島県田村郡小野町大字塩庭字向永志田3 −23 福島東栄株式会社小野工場内 (72)発明者 見留 隆男 福島県田村郡小野町大字塩庭字向永志田3 −23 福島東栄株式会社小野工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色顔料と、ナフテン系炭化水素溶剤を
    含む有機溶剤と、アクリル樹脂とからなり、該アクリル
    樹脂が、下記モノマー(I)及び(II)からなる共重合体
    であり、該共重合体中のモノマー単位(I)が80〜9
    9.8重量%であり、モノマー単位(II)が0.2〜20
    重量%であることを特徴とする修正液。 (上記式中のRは水素原子又はメチル基を、Rは炭
    素数3〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又はナ
    フテン環や芳香環を含む炭化水素基を、Rは−C
    −基、−CH=CH−基、−フェニレン−基又は−シ
    クロヘキシレン−基を表す。)
  2. 【請求項2】 ナフテン系炭化水素溶剤が、シクロヘキ
    サン、メチルシクロヘキサン又はエチルシクロヘキサン
    である請求項1に記載の修正液。
  3. 【請求項3】 更に石油樹脂を含む請求項1に記載の修
    正液。
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