JPH11163157A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

半導体装置とその製造方法

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JPH11163157A
JPH11163157A JP9342129A JP34212997A JPH11163157A JP H11163157 A JPH11163157 A JP H11163157A JP 9342129 A JP9342129 A JP 9342129A JP 34212997 A JP34212997 A JP 34212997A JP H11163157 A JPH11163157 A JP H11163157A
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JP
Japan
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region
concentration
gate electrode
low
conductivity type
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JP9342129A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Yamanaka
邦裕 山中
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低製造コスト、低消費電力、高速性を持ち合
わせた半導体装置及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 第1のトランジスタは、高濃度基板領域
15により高いしきい値電圧をもち、また、パンチスル
ーストッパー層9によりソース領域・ドレイン領域間の
パンチスルーを抑制することができるので、オフリーク
電流を低くでき、低消費電力に適しており、第2のトラ
ンジスタは、チャネル領域全域に低濃度チャネル領域1
3bを備えるので、低いしきい値電圧をもち、高い駆動
電流をもつ。ソース・ドレイン拡散層11は、その底部
に形成された低濃度基板領域7により接合容量を低減さ
れている。電源オン時には第2のトランジスタ、電源オ
フ時には第1のトランジスタを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低消費電力、高速
性を得るためにしきい値電圧が異なるトランジスタ領域
を2つ以上もつ半導体装置とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の微細化、集積化に伴
い、低消費電力化、高速化が必要とされている。これに
伴い、トランジスタのしきい値電圧は低く設定する必要
があるが、しきい値電圧を例えば0.3Vというように
低くした場合、スタンバイ電流に大きな影響を与えるオ
フリーク電流が大きくなってしまうという問題がある。
シリコン基板を用いた通常のトランジスタでは、ゲート
酸化膜の薄膜化などでサブスレッショルド特性の改善は
できるが、ゲート酸化膜の耐圧などに律速されたサブス
レッショルド特性に限界があり、このような低いしきい
値電圧の場合、低オフリーク電流のトランジスタを得る
ことができない。
【0003】そこで、第1導電型の半導体基板上にチャ
ネル領域をはさむように形成された第2導電型のソース
領域及びドレイン領域と、そのチャネル領域上に絶縁膜
を介して形成されたゲート電極を備えた半導体装置にお
いて、チャネル領域を第2導電型のカウンタードープ層
及びその下部のソース領域及びドレイン領域近傍にそれ
ぞれ設けられた第1導電型のパンチスルーストッパー領
域を備えた半導体装置が提案されている(特開平8−3
06915号(従来例1)参照)。従来例1では、ゲー
ト長が短いMOSFETにおいても、しきい値電圧を低
く抑え、かつパンチスルー耐性の劣化やショートチャネ
ル効果などを抑制できる。しかし、上記のような構造で
はソース領域及びドレイン領域の接合容量を低減するこ
とができず、高速化を実現できないという欠点がある。
【0004】また、ソース領域及びドレイン領域の周り
の半導体基板に、Pウェルに比べて不純物濃度が低いP
-領域を備える半導体装置が提案されている(特開平8
−250726号(従来例2)参照)。従来例2では、
ソース領域及びドレイン領域はP-領域でPウェルと接
するため、チャネル領域とドレイン領域の界面付近の電
界を緩和してホットキャリアの発生を抑えるとともに、
接合リーク電流及び接合容量を低減でき、高速化を実現
している。しかし、ソース領域及びドレイン領域の周り
全域が低濃度基板に覆われているのみで、パンチスルー
ストッパー領域がなく、パンチスルー耐性に対する問題
がある。
【0005】このような問題を解決するために、しきい
値電圧が異なるトランジスタを複数有する半導体装置が
提案されている。その例として、しきい値電圧が高く電
源がオフ時のリーク電流が小さい第1のトランジスタ
と、しきい値電圧が低く高駆動電流が得られる第2のト
ランジスタとを同一基板に有し、電源がオン時は第2の
トランジスタを用い、オフ時は第1のトランジスタを用
いることにより、低消費電力化、高速化を実現するとい
う提案がある。しきい値電圧が異なるトランジスタを複
数有する半導体装置を製造するための方法として、例え
ば、トランジスタのしきい値電圧をチャネル領域のイオ
ン注入量により制御するものが知られている(従来例
3)。この方法では、各トランジスタのしきい値電圧に
応じてフォトリソ工程とイオン注入を繰り返し行なうこ
とにより、しきい値電圧が異なるトランジスタを複数有
する半導体装置を得る。
【0006】また、別の方法としては、トランジスタご
とにゲート長を調整する方法が提案されている(特開平
5−210990号、特開平5−110420号参照、
従来例4という)。これらの方法は、従来例3に比べ製
造コストを抑えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来例3のように、各
トランジスタのしきい値電圧に応じてフォトリソ工程と
イオン注入を繰り返し行なう方法では、マスクを用いる
フォトリソ工程の工数が多くなり、製造コストが高くな
るという問題がある。また、高速化と低電圧化が求めら
れている近年、特に携帯機器向けの製品では、例えば電
源電圧が0.9Vというように電池一本で動作するよう
な低電圧化が求められており、このような製品に対応し
つつ、かつ高速性のためにはトランジスタのしきい値電
圧は十分に低く、例えば0.3V以下であることが望ま
しい。低いしきい値電圧をもつトランジスタは、十分長
いゲート長をもたなければオフリーク十分に抑えること
ができない。その結果、従来例4のように、ゲート長を
調整することによりしきい値電圧のことなるトランジス
タを得る方法では、大きく集積度を低下させてしまう。
【0008】また、しきい値電圧が異なるトランジスタ
を複数有する半導体装置において、チャネル領域の不純
物濃度をしきい値電圧が高いトランジスタに合わせた場
合、しきい値電圧が低いトランジスタは、短チャネル効
果が非常に大きくなるような構造にしなくてはならな
い。この場合、短いゲート長をもつしきい値電圧が低い
トランジスタにおいて、ゲート長変動に伴うしきい値電
圧の変動が大きくなり、特性のばらつきが大きくなって
しまったり、ソースドレイン間のパンチスルーによる動
作不良が生じたり、DIBL(Drain Indued Barrier L
owering)効果が大きいために飽和ドレイン電流に比べ
てオン電流が小さくなってしまう。その結果、十分な高
速性を得ることができないなどの問題が生じる。
【0009】そこで、本発明は、ゲート長の異なるトラ
ンジスタからなる、しきい値電圧の異なるトランジスタ
領域を2つ以上有し、集積度の低下を最小限に抑えつ
つ、低製造コスト、低消費電力、高速性を持ち合わせた
半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体装置
は、第1のトランジスタ領域と第2のトランジスタ領域
を備える。第1のトランジスタ領域は、半導体基板上に
形成された第1導電型のウエルと、ウエルの第1のチャ
ネル領域上に形成された第1のゲート酸化膜と、第1の
ゲート酸化膜上に形成され、ウエルとは絶縁された第1
のゲート電極と、第1のチャネル領域の第1のゲート電
極端部直下近傍に形成され、不純物濃度がウエルより低
い第1導電型の第1の低濃度チャネル領域と、第1のチ
ャネル領域の第1のゲート電極中央部直下近傍に形成さ
れ、不純物濃度が第1の低濃度チャネル領域よりも高い
第1導電型の第1の高濃度チャネル領域と、ウエルに第
1のチャネル領域を挾んで互いに独立に設けられた第2
導電型の第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、
第1の低濃度チャネル領域下に第1のソース領域及び第
1のドレイン領域側部に隣接して形成され、不純物濃度
が第1の低濃度チャネル領域よりも高い第1導電型の第
1の高濃度基板領域と、第1のソース領域及び第1のド
レイン領域の底部に隣接して形成され、不純物濃度がウ
エルよりも低い第1導電型の第1の低濃度基板領域と、
をもつ第1のトランジスタを備える。第2のトランジス
タ領域は、ウエルと、ウエルの第1のチャネル領域より
も短いチャネル長をもつ第2のチャネル領域上に形成さ
れた第2のゲート酸化膜と、第2のゲート酸化膜上に形
成され、ウエルとは絶縁され、チャネル長方向への長さ
が第1のゲート電極よりも短い第2のゲート電極と、第
2のチャネル領域の第2のゲート電極直下近傍に形成さ
れ、不純物濃度がウエルより低い第1導電型の第2の低
濃度チャネル領域と、ウエルに第2のチャネル領域を挾
んで互いに独立に設けられた第2導電型の第2のソース
領域及び第2のドレイン領域と、第2の低濃度チャネル
領域下に第2のソース領域及び第2のドレイン領域側部
に隣接して形成され、不純物濃度が第2の低濃度チャネ
ル領域よりも高い第1導電型の第2の高濃度基板領域
と、第2のソース領域及び第2のドレイン領域の底部に
隣接して形成され、不純物濃度がウエルよりも低い第1
導電型の第2の低濃度基板領域と、をもち、第1のトラ
ンジスタとは、しきい値が異なる第2のトランジスタを
備える。
【0011】第1のトランジスタは、ゲート中央部直下
近傍に第1の高濃度チャネル領域を備えるので、高いし
きい値電圧をもつ。また、第1のソース領域及び第1の
ドレイン領域側部にそれぞれ第1の高濃度基板領域を備
えるので、第1のソース領域・第1のドレイン領域間の
パンチスルーを抑制することができる。その結果、オフ
リーク電流を低くでき、低消費電力に適する。第2のト
ランジスタは、チャネル領域全域に第2の低濃度チャネ
ル領域を備えるので、低いしきい値電圧をもつ。その結
果、高い駆動電流を得ることができ、高速性を得ること
ができる。
【0012】本発明による半導体装置の製造方法は、
(A)から(E)の工程を含むものである。 (A)半導体基板上の第1導電型のウエル上にゲート酸
化膜を成膜した後、ゲート電極となる導電膜を成膜し、
リソグラフィー技術とエッチング技術により、第1のト
ランジスタの第1のチャネル領域上及び前記第1のチャ
ネル長より短い長さをもつ第2トランジスタの第2のチ
ャネル領域上に、第1のゲート電極及び前記第1のゲー
ト電極のチャネル長方向の長さより短い長さをもつ第2
のゲート電極をそれぞれ形成する工程、(B)前記第1
のゲート電極及び前記第2のゲート電極をマスクとし
て、前記ウエルとは逆導電型である第2導電型の不純物
を前記半導体基板に回転斜め注入することにより、前記
第1のチャネル領域の前記第1のゲート電極端部直下近
傍に位置する第1導電型の第1の低濃度チャネル領域、
ならびに前記第2のチャネル領域全域に位置する第1導
電型の第2の低濃度チャネル領域となる、不純物濃度が
前記ウエルより低い第1導電型の低濃度基板領域を形成
する工程、(C)前記第1のゲート電極及び前記第2の
ゲート電極をマスクとして、第1導電型の不純物を前記
半導体基板に注入し、前記低濃度基板領域の底部より浅
い深さの位置に高濃度基板領域を形成する工程、(D)
前記半導体基板全面に絶縁膜を堆積し、エッチバックに
より前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極側
壁にサイドウオールを形成後、前記第1のゲート電極、
前記第2のゲート電極及び前記サイドウオールをマスク
として、第2導電型の第1の不純物を半導体基板に注入
し、その底部は前記低濃度基板領域と接合し、かつ前記
高濃度基板領域の一部がその側部に位置するように、ソ
ース領域及びドレイン領域を形成する工程、(E)配線
を形成する工程。
【0013】第1のゲート電極及び第2のゲート電極を
マスクとして、第1導電型の不純物を回転斜め注入する
ことにより、第1のトランジスタの高濃度チャネル及び
低濃度チャネル領域、ならびに第2のトランジスタの低
濃度チャネル領域を同時に形成するので、第1のトラン
ジスタの第1のチャネル領域と第2のトランジスタの第
2のチャネル領域を形成する際に、チャネル注入を打ち
分ける必要がなく、フォトリソ工程を増加させずに、第
1のトランジスタのチャネル領域と第2のトランジスタ
のチャネル領域の構造及びしきい値電圧を異ならせるこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による上記半導体装置は、
第1のソース領域側部の第1のチャネル領域近傍に形成
され、不純物濃度が第1のソース領域よりも低い第2導
電型の第1の低濃度ソース領域と、第1のドレイン領域
側部の第1のチャネル領域近傍に形成され、不純物濃度
が第1のドレイン領域よりも低い第2導電型の第1の低
濃度ドレイン領域と、第2のソース領域側部の第2のチ
ャネル領域近傍に形成され、不純物濃度が第2のソース
領域よりも低い第2導電型の第2の低濃度ソース領域
と、第2のドレイン領域側部の第2のチャネル領域近傍
に形成され、不純物濃度が第2のドレイン領域よりも低
い第2導電型の第2の低濃度ドレイン領域と、をさらに
備えると、サイドウオール幅のばらつきに起因する駆動
電流のばらつきを抑制でき、また、ホットキャリア劣化
に強い構造になる。
【0015】本発明による半導体装置の製造方法は、以
下の(A)から(F)の工程を含むことが好ましい。工
程(A)から(C)は上記半導体装置の製造方法と同様
である。 (D)前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極
をマスクとして、第2導電型の第1の不純物を前記半導
体基板に注入し、前記高濃度基板領域よりも浅い位置
に、不純物濃度が後記ソース領域及びドレイン領域より
も低い第2導電型の低濃度ソース領域及び低濃度ドレイ
ン領域を形成する工程、(E)前記半導体基板全面に絶
縁膜を堆積し、エッチバックにより前記第1のゲート電
極及び前記第2のゲート電極側壁にサイドウオールを形
成後、前記第1のゲート電極、前記第2のゲート電極及
び前記サイドウオールをマスクとして、第2導電型の第
2の不純物を半導体基板に注入し、ゲート電極近傍の前
記低濃度ソース領域及び低濃度ドレイン領域が残るよう
に、その底部は前記低濃度基板領域と接合し、かつ前記
高濃度基板領域の一部がその側部に位置するように、不
純物濃度が前記低濃度ソース領域及び前記低濃度ドレイ
ン領域よりも高いソース領域及びドレイン領域を形成す
る工程、(F)配線を形成する工程。その結果、形成さ
れる第1のトランジスタと第2のトランジスタをLDD
(Lightly Doped Drain)構造になる。
【0016】本発明による上記半導体装置の製造方法の
工程(B)において、第1のゲート電極及び第2のゲー
ト電極をマスクとして回転斜め注入する第2導電型の不
純物としてボロンを用い、注入角度が45°以上60°
以下、注入エネルギーが30keV以上60keV以下
の条件でボロンを注入すると、効果的に第1の高濃度チ
ャネル領域、第1の低濃度チャネル領域及び第2のチャ
ネル領域を形成することができる。
【0017】ウエルの不純物濃度プロファイルは比較的
平坦であり、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を
マスクとして行なう回転斜め注入は、ウエル不純物濃度
を打ち消すように働くカウンタードープである。リン
は、N型不純物としてよく使用されるヒ素などに比べ、
熱拡散が大きく不純物濃度プロファイルが緩やかである
ので、上記工程(B)において、第1のゲート電極及び
第2のゲート電極をマスクとして回転斜め注入する第2
導電型の不純物としてリンを用いると、所定の領域を比
較的均一に低濃度化でき、低濃度基板領域及び低濃度チ
ャネル領域を容易に形成することができる。
【0018】上記工程(B)において、第1のゲート電
極及び第2のゲート電極をマスクとして回転斜め注入す
る第2導電型の不純物としてリンを用い、注入角度が4
5°以上60°以下、注入エネルギーが50keV以上
120keV以下の条件でボロンを注入すると、効果的
に第1の高濃度チャネル領域、第1の低濃度チャネル領
域及び第2のチャネル領域を形成することができる。
【0019】第1導電型のウエルの不純物濃度が4×1
17(/cm3)以上であるものを用いると、空乏層の
延びを縮小でき、パンチスルーが起こりにくくすること
ができるので、デザインルールの縮小ができる。また、
フィールド酸化膜下に行なうフィールドドープ工程を削
除することができる。
【0020】
【実施例】図1(E)を用いて、本発明による半導体装
置の一実施例を説明する。P型半導体基板に、リン濃度
が例えば約5×1017(cm3)で深さが例えば約2.
3μmのN型のウェル1が形成されている。半導体基板
の第1のトランジスタ領域には、例えば厚さが7nmの
ゲート酸化膜3aが形成されており、そのゲート酸化膜
3aを介して、ゲート長が例えば0.8μmのゲート電
極5aが形成されてが形成されている。ゲート電極5a
の側壁にはサイドウオール6が形成されている。ゲート
電極5aの中央部直下の半導体基板には、ウェル1から
構成される高濃度チャネル領域15が形成されており、
ゲート電極5aの端部直下近傍の半導体基板には、不純
物濃度が例えば9×1016(/cm3)である低濃度チ
ャネル領域13aが形成されている。また、半導体基板
には、チャネル領域を挾んで互いに独立してソース・ド
レイン拡散層11が形成されている。低濃度チャネル領
域13aの下にソース・ドレイン拡散層11側部に隣接
して、不純物濃度が低濃度チャネル領域13aよりも高
い高濃度基板領域9が形成されている。ソース・ドレイ
ン領域11の底部に隣接して、不純物濃度がウェル1よ
りも低い低濃度基板領域7が形成されている。
【0021】第2のトランジスタ領域には、例えば厚さ
が7nmのゲート酸化膜3bが形成されており、そのゲ
ート酸化膜3bを介して、例えば0.3μmのゲート長
をもつゲート電極5bが形成されている。ゲート電極5
bの側壁にはサイドウオール6が形成されている。ゲー
ト電極5aの下の半導体基板には、不純物濃度が例えば
9×1016(/cm3)である低濃度チャネル領域13
bが形成されている。半導体基板には、第1のトランジ
スタ領域と同様に、ソース・ドレイン拡散層11、高濃
度基板領域9、及び低濃度基板領域7が形成されてい
る。
【0022】第1のトランジスタ領域及び第2のトラン
ジスタ領域を覆うように層間絶縁膜17が形成されてい
る。ソース・ドレイン拡散層11上にはコンタクト電極
19が形成されている。層間絶縁膜17上にはメタル配
線が形成されており、コンタクト電極19を介してソー
ス・ドレイン拡散層11に電気的に接続されている。
【0023】図1を用いて、PMOSトランジスタを備
えた本発明による半導体装置の製造方法の一実施例を説
明する。 (A)P型(100)シリコンからなる半導体基板上
に、N型不純物としてリンをエネルギー150keV,
ドーズ量5×1013(atm/cm2)の条件で注入す
る。その後、100度,60分の条件で熱処理を行なう
ことによってリンを拡散させて、基板表面のリン濃度が
例えば約5×1017(/cm3)で、その深さが例えば
約2.3μmのNウェル1を形成する。その後、所望の
位置に素子分離膜(図示略)を形成し、基板表面にゲー
ト酸化膜3を例えば7nmの厚さに形成する。ゲート電
極となるポリシリコンをゲート酸化膜3上に成膜し、フ
ォトリソグラフィーとドライエッチングにより、第1の
トランジスタの第1のゲート電極5aと第2のトランジ
スタの第2のゲート電極5bを形成する。ここでは、ゲ
ート長の長いゲート電極5aのゲート長は例えば0.8
μm、ゲート長の短いゲート電極5bのゲート長は例え
ば0.3μmである。
【0024】また、NMOSトランジスタ用のPウェル
を形成する場合は、ボロンをエネルギー15keV,ド
ーズ量5×1013(atm/cm2)の条件で注入す
る。
【0025】(B)ゲート電極5a,5bをマスクとし
てP型不純物であるボロンをエネルギー40keV,ド
ーズ量3×1013(atm/cm2),チルト角度
(θ)50°の条件で回転イオン注入法により注入す
る。ボロンのカウンタードープにより、基板のN型ウェ
ル1のイオン濃度が下げられ、低濃度基板領域7が形成
される。ここで、注入エネルギー,ドーズ量,チルト角
は、0.3μmのゲート長をもつゲート電極5b下の第
2のトランジスタのチャネル領域全域が低濃度基板領域
7になるように、また、0.8μmのゲート長をもつゲ
ート電極5a下の第1のトランジスタのチャネル領域の
中央部には、低濃度基板領域7を形成しないように注入
条件を設定しなくてはならない。ゲート電極5bのゲー
ト長が0.25μmから0.3μmの場合、PMOSト
ランジスタを形成する場合、ボロンの注入条件をエネル
ギー30〜50keV,チルト角度45〜60°とする
と、効果的にかつ容易に第1のトランジスタと第2のト
ランジスタのチャネル領域を形成することができる。な
お、チャネル領域の不純物濃度を目的の濃度にするため
に、ウェル1の不純物濃度によってドーズ量を設定して
やることは言うまでもない。また、低濃度基板領域7の
深さは、以下の工程で形成されるソース・ドレイン層よ
りも深く形成することが必要である。
【0026】また、NMOSトランジスタを形成する場
合は、低濃度基板領域の形成のために、N型不純物であ
るリンをエネルギー50〜120keV,チルト角度4
5から60°の条件で回転イオン注入法により注入す
る。ウェルの不純物濃度プロファイルは比較的平坦であ
り、ゲート電極5a,5bをマスクとして行なう回転斜
め注入は、ウェル不純物濃度を打ち消すように働くカウ
ンタードープである。リンは、N型不純物としてよく使
用されるヒ素などに比べ、熱拡散が大きく不純物濃度プ
ロファイルが緩やかであるので、ゲート電極5a,5b
をマスクとして回転斜め注入する不純物としてリンを用
いると、所定の領域を比較的均一に低濃度化でき、低濃
度基板領域及び低濃度チャネル領域を容易に形成するこ
とができる。
【0027】(C)ゲート電極5a,5bをマスクとし
てN型不純物であるリンをエネルギー40keV,ドー
ズ量1.5×1013(atm/cm2),チルト角度7
°の条件で回転イオン注入し、パンチスルーストッパー
層(高濃度基板領域)9を形成する。ここで、パンチス
ルーストッパー層9は、以下の工程で形成されるソース
・ドレイン拡散層の接合下の低濃度基板領域7の基板不
純物濃度を上げない深さに位置させることが重要であ
る。その結果、ソース・ドレイン間のパンチスルーを抑
制できる。
【0028】また、NMOSトランジスタを形成する場
合は、パンチスルーストッパー層形成のために、P型不
純物であるボロンをエネルギー20keV,ドーズ量
1.2×1013(atm/cm2),チルト角度7°の
条件で回転イオン注入する。
【0029】(D)基板全面に絶縁膜、例えば酸化膜を
150nm堆積後、異方性ドライエッチングによりエッ
チバックし、ゲート電極5a,5bの側壁にサイドウオ
ール9を形成する。ゲート電極5a,5b下のゲート酸
化膜3は、それぞれゲート酸化膜3a,3bとなる。次
に、ゲート電極5a,5b及びサイドウオール6をマス
クとしてソース・ドレイン拡散層形成用のP型不純物で
あるBF2+をエネルギー30keV,ドーズ量3×10
13(atm/cm2)の条件で注入する。
【0030】また、NMOSトランジスタを形成する場
合は、ソース・ドレイン拡散層にN型不純物であるヒ素
をエネルギー50keV,ドーズ量5×1015(atm
/cm2)の条件でイオン注入する。
【0031】その後、1000℃,10秒のRTA(Ra
pid Thermal Annealling)によって不純物の活性化を行
ない、ソース・ドレイン拡散層11を形成する。このと
き、ソース・ドレイン拡散層11のウェル1との接合位
置には低濃度基板領域7が存在するので、ソース・ドレ
イン拡散層11の底部の接合容量を小さくでき、より高
速性が向上する。また、ゲート電極5a下のソース・ド
レイン拡散層11側部に位置する低濃度基板領域7は、
不純物濃度が約9×1016(/cm3)である第1の低
濃度チャネル領域13aとなり、ゲート電極5b下のソ
ース・ドレイン拡散層11側部に位置する低濃度基板領
域7は、約9×1016(/cm3)である第2の低濃度
チャネル領域13bとなる。また、ゲート電極5a下の
ウェル1は、不純物濃度が約4×1017(/cm3)で
ある第1の高濃度チャネル領域15となる。
【0032】(E)素子部が形成された基板全面に層間
絶縁膜17を形成後、周知の方法によりコンタクト電極
19、配線メタル21を形成する。
【0033】このように、ゲート電極5a中央部直下近
傍に高濃度チャネル領域15を備えるので、高いしきい
値電圧をもち、ソース・ドレイン拡散層11側部にそれ
ぞれパンチスルーストッパー層9を備えるので、ソース
・ドレイン拡散層11間のパンチスルーを抑制すること
ができ、オフリーク電流が低く、低消費電力である第1
のトランジスタと、ゲート電極5b下のチャネル領域全
域に低濃度チャネル領域13bを備えるので、低いしき
い値電圧をもち、高い駆動電流をもつ第2のトランジス
タを備える半導体装置を形成することができる。また、
例えば4×1017(/cm3)以上というような高不純
物濃度をもつウェルを形成すると、デザインルールを縮
小することができる。また、フィールドドープ工程を省
略することができる。
【0034】次に、図2(D)を用いて、PMOSトラ
ンジスタを備えた本発明による半導体装置の他の実施例
を説明する。ウェル1、ゲート酸化膜3a,3b、ゲー
ト電極5a,5b、低濃度基板領域7、ソース・ドレイ
ン拡散層11、層間絶縁膜17、コンタクト電極19及
びメタル配線21は、図1(E)の実施例と同様であ
る。
【0035】ソース・ドレイン拡散層11側部と低濃度
チャネル領域27a,27bの間に、不純物濃度がソー
ス・ドレイン拡散層11よりも低い低濃度ソース・ドレ
イン拡散層25が形成されている。低濃度ソース・ドレ
イン拡散層25の下のソース・ドレイン拡散層11側部
に隣接して、パンチスルーストッパー層23が形成され
ている。パンチスルーストッパー層23は、図1(E)
のパンチスルーストッパー9よりもゲート電極5a,5
b側に形成されている。
【0036】図2を用いて、PMOSトランジスタを備
えた本発明による半導体装置の製造方法の他の実施例を
説明する。 (A)図1の工程(A)から(B)と同様にして、N型
ウェル1、ゲート酸化膜3、ゲート電極5a,5b、低
濃度基板領域7を形成後、ゲート電極5a,5bをマス
クとしてN型不純物であるリンをエネルギー40ke
V,ドーズ量1.5×1013(atm/cm2),チル
ト角度15°の条件で回転イオン注入し、パンチスルー
ストッパー層(高濃度基板領域)23を形成する。ここ
で、パンチスルーストッパー層23は、その後形成され
るソース・ドレイン拡散層の接合下の基板不純物濃度を
上げない深さに位置させることが重要である。ここで、
チルト角度を15°にした理由は、次の工程にて形成さ
れる低濃度拡散層領域よりもゲート電極5a又は5bの
中央側にパンチスルーストッパー層23を形成するため
である。
【0037】また、NMOSトランジスタを形成する場
合は、パンチスルーストッパー層形成のために、P型不
純物であるボロンをエネルギー20keV,ドーズ量
1.2×1013(atm/cm2),チルト角度15°
の条件で回転イオン注入する。
【0038】(B)ゲート電極5a,5bをマスクとし
てP型不純物であるボロンをエネルギー10keV,ド
ーズ量1.2×1013(atm/cm2),チルト角度
7°の条件で回転イオン注入し、低濃度ソース・ドレイ
ン拡散層領域25を形成する。このとき、ゲート電極5
a,5b下の低濃度基板領域7は、それぞれ低濃度チャ
ネル領域27a,27bとなる。
【0039】また、NMOSトランジスタを形成する場
合は、低濃度ソース・ドレイン拡散層領域の形成のため
に、N型不純物であるヒ素をエネルギー10keV,ド
ーズ量1.2×1013(atm/cm2),チルト角度
7°の条件で回転イオン注入する。
【0040】(C)図1の工程(D)と同様にして、ゲ
ート酸化膜3a,3b及びサイドウオール6を形成した
後、ソース・ドレイン拡散層11を形成する。このと
き、ソース・ドレイン拡散層11のウェル1との接合位
置には低濃度基板領域7が存在するので、ソース・ドレ
イン拡散層11の底部の接合容量を小さくでき、より高
速性が向上する。また、ゲート電極5a下のソース・ド
レイン拡散層11側部には、低濃度ソース・ドレイン拡
散層領域25が形成されているので、サイドウオール幅
のばらつきに起因する駆動電流のばらつきを抑制でき、
また、ホットキャリア劣化に強い構造となっている。ゲ
ート電極5a下の低濃度ソース・ドレイン拡散層領域2
5の側部に位置する低濃度基板領域7は、不純物濃度が
約9×1016(/cm3)である第1の低濃度チャネル
領域27aとなり、ゲート電極5b下の低濃度ソース・
ドレイン拡散層25側部に位置する低濃度基板領域7
は、約9×1016(/cm3)である第2の低濃度チャ
ネル領域27bとなる。また、ゲート電極5a下のウェ
ル1は、不純物濃度が約4×1017(/cm3)である
第1の高濃度チャネル領域15となる。
【0041】(D)素子部が形成された基板全面に層間
絶縁膜17を形成後、周知の方法によりコンタクト電極
19、配線メタル21を形成する。
【0042】このように、イオン注入条件を変更するこ
とにより、低濃度ソース・ドレイン拡散層領域25を形
成すると、図1の実施例の効果に加え、さらに、サイド
ウオール幅のばらつきに起因する駆動電流のばらつきを
抑制でき、ホットキャリア劣化に強い構造をもつトラン
ジスタを形成することができる。
【0043】図3は、一実施例のPMOSトランジスタ
からなる第1のトランジスタの不純物濃度分布を表す断
面図である。図4は、図3における線分A,B,C位置
での、基板表面からの深さと不純物濃度の関係を表すグ
ラフであり、(A)は線分A位置、(B)は線分B位
置、(C)は線分C位置でのグラフである。横軸は基板
深さ(μm)、縦軸は不純物濃度(/cm3)を表す。
この第1のトランジスタでは、ゲート電極中央部下の高
濃度チャネル領域は、その幅が約0.4μmに形成され
ており、ゲート電極端側下の低濃度チャネル領域は、そ
の幅が約0.2μmに形成されている(図3)。
【0044】高濃度チャネル領域の深さ方向の不純物濃
度は、基板表面から4×1017(/cm3)程度で均一
となっている(図4(A))。低濃度チャネル領域の深
さ方向の不純物濃度は、基板表面から約0.12μmの
深さまではボロンにより低濃度化されているので、9×
1016(/cm3)程度になっている(図4(B))。
その結果、この第1のトランジスタのしきい値電圧は、
−0.55Vという高い値を得ることができた。また、
ゲート電極に0V、ドレイン拡散層に−1.5Vの電圧
を印加したときのIoff(オフリーク電流)は、0.1
pA(ゲート幅W=1μmとしたときの値)という低い
値を得ることができた。ソース・ドレイン拡散層の深さ
方向の不純物濃度は、基板表面から約0.13μmまで
は1×1020(/cm3)以上の高濃度に形成されてい
るが、それより深い位置では不純物濃度は急激に低くな
り、ソース・ドレイン拡散層と高濃度ウェルの接合位置
である約0.18μmの深さ位置では、1×1017(/
cm3)という低濃度なっている(図4(C))。その
結果、4×1017(/cm3)という高濃度ウェルを用
いているにもかかわらず、接合容量を小さく形成されて
いることがわかる。
【0045】図5は、一実施例のPMOSトランジスタ
からなる第2のトランジスタの不純物濃度分布を表す断
面図である。図6は、図5における線分A位置での基板
表面からの深さと不純物濃度の関係を表すグラフであ
る。横軸は基板深さ(μm)、縦横軸は不純物濃度(/
cm3)を表す。ゲート電極下に形成された低濃度チャ
ネル領域は、その幅が約0.1μmに形成されており、
実際にチャネルとして反転する基板表面から約0.08
μmまでの深さの不純物濃度は、9×1016(/c
3)程度の不純物濃度に形成されている。その結果、
この第2のトランジスタのしきい値電圧は−0.28V
という低い値を得ることができ、高速性を実現できる。
第1のトランジスタと第2のトランジスタを備えること
により、低消費電力と高速性を持ち合わせた半導体装置
を形成することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明による半導体装置は、ゲート酸化
膜端部近傍に不純物濃度が低い低濃度チャネル領域と、
ゲート酸化膜中央部直下近傍に不純物濃度が高い高濃度
チャネル領域と、低濃度チャネル領域下のソース領域及
びドレイン領域側部に隣接して不純物濃度が低濃度チャ
ネル領域よりも高い高濃度基板領域と、ソース領域及び
ドレイン領域の底部に隣接して形成され、不純物濃度が
ウェルよりも低い低濃度基板領域と、をもつ第1のトラ
ンジスタ、及び、ゲート酸化膜直下近傍に形成され、不
純物濃度がウェルより低い低濃度チャネル領域と、低濃
度チャネル領域下のソース領域及びドレイン領域側部に
隣接して不純物濃度が低濃度チャネル領域よりも高い高
濃度基板領域と、ソース領域及びドレイン領域の底部に
隣接して不純物濃度がウェルよりも低い低濃度基板領域
と、をもち、第1のトランジスタとは、しきい値電圧が
異なる第2のトランジスタを備える。第1のトランジス
タは、高いしきい値電圧をもち、また、ソース領域・ド
レイン領域間のパンチスルーを抑制することができるの
で、オフリーク電流を低くでき、低消費電力に適してお
り、第2のトランジスタは、チャネル領域全域に低濃度
チャネル領域を備えるので、低いしきい値電圧をもち、
高い駆動電流を得ることができ、高速性に優れている。
その結果、電源がオンのときは第1のトランジスタを用
い、電源がオフのときは第2のトランジスタを用いるこ
とにより、低消費電力と高速性を備えた半導体装置を構
成することができる。
【0047】上記半導体装置は、ソース領域側部のチャ
ネル近傍に形成され、不純物濃度がソース領域よりも低
い低濃度ソース領域と、ドレイン領域側部のチャネル近
傍に形成され、不純物濃度がドレイン領域よりも低い低
濃度ドレイン領域とを備えると、さらに、サイドウオー
ル幅のばらつきに起因する駆動電流のばらつきを抑制で
き、また、ホットキャリア劣化に強い構造になる。
【0048】本発明による半導体装置の製造方法は、第
1のトランジスタのゲート電極及び第2のトランジスタ
のゲート電極をマスクとして、不純物を回転斜め注入す
ることにより、第1のトランジスタには高濃度チャネル
及び低濃度チャネル領域、ならびに第2のトランジスタ
には低濃度チャネル領域を同時に形成するので、第1の
トランジスタのチャネル領域と第2のトランジスタのチ
ャネル領域を形成する際に、チャネル注入を打ち分ける
必要がない。その結果、フォトリソ工程を増加せずに、
第1のトランジスタのチャネル領域と第2のトランジス
タのチャネル領域の構造を異ならせることができる。
【0049】上記製造方法は、第1のトランジスタのゲ
ート電極及び第2のゲート電極をマスクとして、第1の
注入により不純物を半導体基板に回転斜め注入し、高濃
度基板領域よりも浅い位置に、不純物濃度がソース領域
及びドレイン領域よりも低いの低濃度ソース領域及び低
濃度ドレイン領域を形成する工程、半導体基板全面に絶
縁膜を堆積し、エッチバックによりゲート電極側壁にサ
イドウオールを形成後、ゲート電極及びサイドウオール
をマスクとして、第1の注入より注入角度が小さい第2
の注入により、不純物を半導体基板に注入し、ゲート電
極近傍の低濃度ソース領域及び低濃度ドレイン領域が残
るように、高濃度基板領域よりも浅い位置に、高濃度基
板領域がその側部に位置するように、不純物濃度が低濃
度ソース領域及び低濃度ドレイン領域よりも高いソース
領域及びドレイン領域を形成する工程を含むと、形成さ
れる第一のトランジスタと第2のトランジスタはLDD
構造になる。
【0050】上記製造方法において、ゲート電極及び第
2のゲート電極をマスクとして回転斜め注入するの不純
物としてボロンを用い、注入角度が45°以上60°以
下、注入エネルギーが30keV以上60keV以下の
条件でボロンを注入すると効果的に高濃度チャネル領
域、低濃度チャネル領域及び第2のチャネル領域を形成
することができる。
【0051】第1のトランジスタのゲート電極及び第2
のトランジスタのゲート電極をマスクとして回転斜め注
入するの不純物としてリンを用いると、所定の領域を均
一に低濃度化でき、低濃度基板領域及び低濃度チャネル
領域を容易に形成することができる。
【0052】ゲート電極及び第2のゲート電極をマスク
として回転斜め注入するの不純物としてリンを用い、注
入角度が45°以上60°以下、注入エネルギーが50
keV以上120keV以下の条件でボロンを注入する
と、効果的に高濃度チャネル領域、低濃度チャネル領域
を形成することができる。
【0053】ウェルの不純物濃度が4×1017(/cm
3)以上であるものを用いると、空乏層の延びを縮小で
き、パンチスルーが起こりにくくすることができるの
で、デザインルールの縮小ができる。また、予め高濃度
不純物のウェルを用いることで、フィールド酸化膜下に
行なうフィールドドープ工程を削除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 半導体装置の製造方法の一実施例を表す工程
図である。
【図2】 半導体装置の製造方法の他の実施例を表す工
程図である。
【図3】 一実施例の第1のトランジスタの不純物濃度
分布を表す断面図である。
【図4】 図3における線分A,B,C位置での、基板
表面からの深さと不純物濃度の関係を表すグラフであ
り、(A)は線分A位置、(B)は線分B位置、(C)
は線分C位置でのグラフである。
【図5】 一実施例の第2のトランジスタの不純物濃度
分布を表す断面図である。
【図6】 図5における線分A位置での基板表面からの
深さと不純物濃度の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 ウェル 3a,3b ゲート酸化膜 5a,5b ゲート電極 7 低濃度基板領域 9 高濃度基板領域 11 ソース・ドレイン拡散層 13a,13b 低濃度チャネル領域 15 高濃度チャネル領域 17 層間絶縁膜 19 コンタクト電極 21 メタル配線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された第1導電型の
    ウエルと、 前記ウエルの第1のチャネル領域上に形成された第1の
    ゲート酸化膜と、 前記第1のゲート酸化膜上に形成され、前記ウエルとは
    絶縁された第1のゲート電極と、 前記第1のチャネル領域の前記第1のゲート電極端部直
    下近傍に形成され、不純物濃度が前記ウエルより低い第
    1導電型の第1の低濃度チャネル領域と、 前記第1のチャネル領域の前記第1のゲート電極中央部
    直下近傍に形成され、不純物濃度が前記第1の低濃度チ
    ャネル領域よりも高い第1導電型の第1の高濃度チャネ
    ル領域と、 前記ウエルに前記第1のチャネル領域を挾んで互いに独
    立に設けられた第2導電型の第1のソース領域及び第1
    のドレイン領域と、 前記第1の低濃度チャネル領域下に前記第1のソース領
    域及び前記第1のドレイン領域側部に隣接して形成さ
    れ、不純物濃度が前記第1の低濃度チャネル領域よりも
    高い第1導電型の第1の高濃度基板領域と、 前記第1のソース領域及び前記第1のドレイン領域の底
    部に隣接して形成され、不純物濃度が前記ウエルよりも
    低い第1導電型の第1の低濃度基板領域と、をもつ第1
    のトランジスタからなる第1のトランジスタ領域と、 前記ウエルと、 前記ウエルの前記第1のチャネル領域よりも短いチャネ
    ル長をもつ第2のチャネル領域上に形成された第2のゲ
    ート酸化膜と、 前記第2のゲート酸化膜上に形成され、前記ウエルとは
    絶縁され、チャネル長方向への長さが前記第1のゲート
    電極よりも短い第2のゲート電極と、 前記第2のチャネル領域の前記第2のゲート電極直下近
    傍に形成され、不純物濃度が前記ウエルより低い第1導
    電型の第2の低濃度チャネル領域と、 前記ウエルに前記第2のチャネル領域を挾んで互いに独
    立に設けられた第2導電型の第2のソース領域及び第2
    のドレイン領域と、 前記第2の低濃度チャネル領域下に前記第2のソース領
    域及び前記第2のドレイン領域側部に隣接して形成さ
    れ、不純物濃度が前記第2の低濃度チャネル領域よりも
    高い第1導電型の第2の高濃度基板領域と、 前記第2のソース領域及び前記第2のドレイン領域の底
    部に隣接して形成され、不純物濃度が前記ウエルよりも
    低い第1導電型の第2の低濃度基板領域と、をもち、前
    記第1のトランジスタとは、しきい値が異なる第2のト
    ランジスタからなる第2のトランジスタ領域と、を備え
    たことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のソース領域側部の第1のチャ
    ネル領域近傍に形成され、不純物濃度が前記第1のソー
    ス領域よりも低い第2導電型の第1の低濃度ソース領域
    と、 前記第1のドレイン領域側部の第1のチャネル領域近傍
    に形成され、不純物濃度が前記第1のドレイン領域より
    も低い第2導電型の第1の低濃度ドレイン領域と、 前記第2のソース領域側部の第2のチャネル領域近傍に
    形成され、不純物濃度が前記第2のソース領域よりも低
    い第2導電型の第2の低濃度ソース領域と、 前記第2のドレイン領域側部の第2のチャネル領域近傍
    に形成され、不純物濃度が前記第2のドレイン領域より
    も低い第2導電型の第2の低濃度ドレイン領域と、をさ
    らに備えた請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 しきい値が異なるトランジスタ領域を2
    つ以上もつ半導体装置の製造方法において、(A)から
    (E)の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。 (A)半導体基板上の第1導電型のウエル上にゲート酸
    化膜を成膜した後、ゲート電極となる導電膜を成膜し、
    リソグラフィー技術とエッチング技術により、第1のト
    ランジスタの第1のチャネル領域上及び前記第1のチャ
    ネル長より短い長さをもつ第2トランジスタの第2のチ
    ャネル領域上に、第1のゲート電極及び前記第1のゲー
    ト電極のチャネル長方向の長さより短い長さをもつ第2
    のゲート電極をそれぞれ形成する工程、(B)前記第1
    のゲート電極及び前記第2のゲート電極をマスクとし
    て、前記ウエルとは逆導電型である第2導電型の不純物
    を前記半導体基板に回転斜め注入することにより、前記
    第1のチャネル領域の前記第1のゲート電極端部直下近
    傍に位置する第1導電型の第1の低濃度チャネル領域、
    ならびに前記第2のチャネル領域全域に位置する第1導
    電型の第2の低濃度チャネル領域となる、不純物濃度が
    前記ウエルより低い第1導電型の低濃度基板領域を形成
    する工程、(C)前記第1のゲート電極及び前記第2の
    ゲート電極をマスクとして、第1導電型の不純物を前記
    半導体基板に注入し、前記低濃度基板領域の底部より浅
    い深さの位置に高濃度基板領域を形成する工程、(D)
    前記半導体基板全面に絶縁膜を堆積し、エッチバックに
    より前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極側
    壁にサイドウオールを形成後、前記第1のゲート電極、
    前記第2のゲート電極及び前記サイドウオールをマスク
    として、第2導電型の第1の不純物を半導体基板に注入
    し、その底部は前記低濃度基板領域と接合し、かつ前記
    高濃度基板領域の一部がその側部に位置するように、ソ
    ース領域及びドレイン領域を形成する工程、(E)配線
    を形成する工程。
  4. 【請求項4】 しきい値が異なるトランジスタ領域を2
    つ以上もつ半導体装置の製造方法において、(A)から
    (F)の工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。 (A)半導体基板上の第1導電型のウエル上にゲート酸
    化膜を成膜した後、ゲート電極となる導電膜を成膜し、
    リソグラフィー技術とエッチング技術により、第1のト
    ランジスタの第1のチャネル領域上及び前記第1のチャ
    ネル長より短い長さをもつ第2トランジスタの第2のチ
    ャネル領域上に、第1のゲート電極及び前記第1のゲー
    ト電極のチャネル長方向の長さより短い長さをもつ第2
    のゲート電極をそれぞれ形成する工程、(B)前記第1
    のゲート電極及び前記第2のゲート電極をマスクとし
    て、前記ウエルとは逆導電型である第2導電型の不純物
    を前記半導体基板に回転斜め注入することにより、前記
    第1のチャネル領域の前記第1のゲート電極端部直下近
    傍に位置する第1導電型の第1の低濃度チャネル領域、
    ならびに前記第2のチャネル領域全域に位置する第1導
    電型の第2の低濃度チャネル領域となる、不純物濃度が
    前記ウエルより低い第1導電型の低濃度基板領域を形成
    する工程、(C)前記第1のゲート電極及び前記第2の
    ゲート電極をマスクとして、第1導電型の不純物を前記
    半導体基板に注入し、前記低濃度基板領域の底部より浅
    い深さの位置に高濃度基板領域を形成する工程、(D)
    前記第1のゲート電極及び前記第2のゲート電極をマス
    クとして、第2導電型の第1の不純物を前記半導体基板
    に注入し、前記高濃度基板領域よりも浅い位置に、不純
    物濃度が後記ソース領域及びドレイン領域よりも低い第
    2導電型の低濃度ソース領域及び低濃度ドレイン領域を
    形成する工程、(E)前記半導体基板全面に絶縁膜を堆
    積し、エッチバックにより前記第1のゲート電極及び前
    記第2のゲート電極側壁にサイドウオールを形成後、前
    記第1のゲート電極、前記第2のゲート電極及び前記サ
    イドウオールをマスクとして、第2導電型の第2の不純
    物を半導体基板に注入し、ゲート電極近傍の前記低濃度
    ソース領域及び低濃度ドレイン領域が残るように、その
    底部は前記低濃度基板領域と接合し、かつ前記高濃度基
    板領域の一部がその側部に位置するように、不純物濃度
    が前記低濃度ソース領域及び前記低濃度ドレイン領域よ
    りも高いソース領域及びドレイン領域を形成する工程、
    (F)配線を形成する工程。
  5. 【請求項5】 工程(B)において、前記第1のゲート
    電極及び前記第2のゲート電極をマスクとして回転斜め
    注入する前記第2導電型の不純物としてボロンを用い、
    注入角度が45°以上60°以下、注入エネルギーが3
    0keV以上60keV以下の条件で前記ボロンを注入
    する請求項3又は4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 工程(B)において、前記第1のゲート
    電極及び前記第2のゲート電極をマスクとして回転斜め
    注入する前記第2導電型の不純物としてリンを用いる請
    求項3又は4に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 工程(B)において、前記第1のゲート
    電極及び前記第2のゲート電極をマスクとして回転斜め
    注入する前記第2導電型の不純物としてリンを用い、注
    入角度が45°以上60°以下、注入エネルギーが50
    keV以上120keV以下の条件で前記ボロンを注入
    する請求項3又は4に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記第1導電型のウエルの不純物濃度が4
    ×1017(/cm3)以上である請求項3又は4に記載
    の半導体装置の製造方法。
JP9342129A 1997-11-26 1997-11-26 半導体装置とその製造方法 Pending JPH11163157A (ja)

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JP9342129A JPH11163157A (ja) 1997-11-26 1997-11-26 半導体装置とその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220075281A (ko) * 2012-03-21 2022-06-08 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치

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KR20220075281A (ko) * 2012-03-21 2022-06-08 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치

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