JPH1174506A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH1174506A
JPH1174506A JP2586098A JP2586098A JPH1174506A JP H1174506 A JPH1174506 A JP H1174506A JP 2586098 A JP2586098 A JP 2586098A JP 2586098 A JP2586098 A JP 2586098A JP H1174506 A JPH1174506 A JP H1174506A
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region
impurity
forming
gate electrode
semiconductor
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JP2586098A
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Yuji Abe
雄次 阿部
Satoshi Yamakawa
聡 山川
Akihiko Furukawa
彰彦 古川
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電界効果型トランジスタにおいて、パンチス
ルー耐性を備え、かつ、接合リーク電流や接合容量の増
大を防止することが可能な半導体装置およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 電界効果型トランジスタを備える半導体
装置において、n型のソース・ドレイン領域12a、1
2bのそれぞれとチャネル領域22との界面下方近傍の
領域にのみ、p型の不純物領域11a、11bが形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置およ
びその製造方法に関し、より特定的には、電界効果型ト
ランジスタを備える半導体装置およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の微細化、高集積化に
伴って、電界効果型トランジスタにおいては、パンチス
ルーと呼ばれる現象が問題となっている。ここでパンチ
スルー現象とは、電界効果型トランジスタのチャネル長
が短くなることにより、ドレイン空乏層とソース空乏層
とが接近し、ついにはチャネルが形成されていない状態
でもソース・ドレイン領域間に電流が流れる現象をい
う。このパンチスルー現象に関する対策として、従来、
提案されている電界効果型トランジスタの第1の例につ
いて図を用いて説明する。
【0003】図58を参照して、従来の提案された第1
の例の電界効果型トランジスタは、ゲート電極107
と、ゲート絶縁膜106と、ソース・ドレイン領域11
2a、112b、114a、114bと、チャネル領域
122と、不純物領域111a、111bとから構成さ
れている。
【0004】半導体基板101の主表面には、シリコン
酸化膜からなる素子分離領域102と、p型のウェル1
04とp型のチャネルカット層105とが形成されてい
る。また、半導体基板101の主表面には、チャネル領
域122を挟むように、所定の間隔を隔てて1対のn型
のソース・ドレイン領域112a、112b、114
a、114bが形成されている。このソース・ドレイン
領域112a、112b、114a、114bは、低濃
度の不純物を含む第1不純物拡散領域112a、112
bと、高濃度の不純物を含む第2不純物拡散領域114
a、114bとからなるLDD(Lightly Doped Drain
)構造を有している。
【0005】このソース・ドレイン領域112a、11
2b、114a、114bとチャネル領域112との境
界領域の下に位置する領域近傍から、ソース・ドレイン
領域112a、112b、114a、114bの下部に
まで延在するように、p型の不純物領域111a、11
1bが形成されている。チャネル領域122上には、ゲ
ート絶縁膜106が形成されている。ゲート絶縁膜10
6上には、ゲート電極107が形成されている。ゲート
電極107上には、シリコン酸化膜108が形成されて
いる。ゲート電極107とシリコン酸化膜108との側
面上には、サイドウォール酸化膜109が形成されてい
る。
【0006】従来の提案された第1の電界効果型トラン
ジスタでは、このように、ソース・ドレイン領域112
a、112b、114a、114bとチャネル領域12
2との界面下方近傍の領域に、p型の不純物領域111
a、111bを形成しているので、上記領域においてp
型の不純物の濃度を上げることができる。このため、n
型のソース・ドレイン領域112a、112b、114
a、114bとウェル4との界面からそれぞれ延びる空
乏層が到達する距離を、不純物領域111a、111b
が存在しない場合よりも、短縮することができる。それ
により、両空乏層が接近することを防止することがで
き、その結果、パンチスルー現象の発生を防止すること
ができる。
【0007】次に、図59〜63を参照して、以下に従
来の提案された第1の例の電界効果型トランジスタの製
造プロセスを説明する。
【0008】まず、図59を参照して、半導体基板10
1の主表面に、活性領域を囲むように素子分離領域10
2を形成する。その後、半導体基板101の主表面上に
パッド酸化膜103を形成する。そして、半導体基板1
01の主表面にボロンなどのp型不純物を注入すること
により、p型のウェル104とp型のチャネルカット層
105とを形成する。その後、パッド酸化膜103を除
去する。
【0009】次に、図60に示すように、半導体基板1
01の主表面上にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜
106を形成する。ゲート絶縁膜106上にn型のドー
プトポリシリコン膜(図示せず)を形成する。このドー
プトポリシリコン膜上にシリコン酸化膜(図示せず)を
形成する。このシリコン酸化膜上にレジストパターン
(図示せず)を形成する。そして、このレジストパター
ンをマスクとして用いて、上記シリコン酸化膜の一部を
エッチングにより除去することにより、シリコン酸化膜
からなるマスクパターン108を形成する。その後、レ
ジストパターンを除去する。このマスクパターン108
をマスクとして、上記ドープトポリシリコン膜の一部を
エッチングにより除去することにより、ゲート電極10
7を形成する。
【0010】次に、図61を参照して、ゲート電極10
7をマスクとして、半導体基板101の主表面に、ボロ
ンおよびフッ化ボロンなどのp型不純物を斜め回転イオ
ン注入法を用いて注入することにより、自己整合的に不
純物領域111a、111bを形成する。このとき、不
純物領域111a、111bが、ソース・ドレイン領域
112a、112b、114a、114b(図58参
照)とチャネル領域122との界面下方近傍の領域か
ら、ソース・ドレイン領域112a、112b、114
a、114bの下方近傍の領域にまで延在するように、
イオン注入の条件は調整される。同様に、ゲート電極1
07をマスクとして、ヒ素あるいはリンなどのn型不純
物を斜め回転イオン注入法を用いて注入することによ
り、ソース・ドレイン領域となる第1不純物拡散領域1
12a、112bを形成する。
【0011】次に、図62を参照して、ゲート電極10
7とシリコン酸化膜108との側面上にサイドウォール
酸化膜109を形成する。そして、ゲート電極107お
よびサイドウォール酸化膜109の下のシリコン酸化膜
106を残して、他のシリコン酸化膜を除去する。
【0012】次に図63を参照して、ヒ素などのn型不
純物を半導体基板101の主表面に注入することによ
り、ソース・ドレイン領域となる第2不純物拡散領域1
14a、114bを形成する。
【0013】その後、熱処理などを実施することによ
り、図58に示すような電界効果型トランジスタを含む
半導体装置が完成する。
【0014】次に、従来の電界効果型トランジスタの第
2の例について図を用いて説明する。図64を参照し
て、基本的な構造は図58に示す構造と同じであるが、
第1の例では不純物領域111a、111bが、1対の
ソース・ドレイン領域112a、112b、114a、
114bのそれぞれの下方近傍の領域に形成されている
のに対して、第2の例では、一方のソース・ドレイン領
域112a、114aの下方近傍の領域から他方のソー
ス・ドレイン領域112b、114bの下方近傍の領域
へ連なる不純物領域111が形成されている。つまり、
チャネル領域112の下方近傍の領域にも不純物領域1
11が形成されている。また、ゲート電極107の側面
に、サイドウォール酸化膜109aが形成されている。
これ以外の構成については、図58に示す第1の例に係
る電界効果型トランジスタと同様なので、同一部材には
同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】上述した第2の例の電界効果型トランジス
タでは、特にチャネル領域122の下方近傍の領域にも
不純物領域111が形成されている。これにより、ソー
ス・ドレイン領域112a、114aとウェル4の領域
との界面から、ソース・ドレイン領域112b、114
bへ向かって延びようとする空乏層と、反対にソース・
ドレイン領域112b、114bとウェル4の領域との
界面から、ソース・ドレイン領域112a、114aに
向かって延びようとする空乏層とにおいて、両空乏層が
延びようとする距離をさらに抑えることができる。その
結果、電界効果型トランジスタのパンチスルー現象をよ
り効果的に防止することができる。
【0016】次に、上述した電界効果型トランジスタを
含む半導体装置の製造方法の一例について図を用いて説
明する。図65を参照して、図59に示した工程の後、
イオン注入法により、半導体基板101にボロンまたは
フッ化ボロンなどのp型不純物を注入することにより、
不純物領域111を形成する。次に図66を参照して、
パッド酸化膜103を除去するとともに、半導体基板1
01上にゲート絶縁膜106を形成する。そのゲート絶
縁膜106上にポリシリコン膜(図示せず)を形成す
る。そのポリシリコン膜上にレジストパターン(図示せ
ず)を形成する。そのレジストパターンをマスクとし
て、ポリシリコン膜に異方性エッチングを施し、ゲート
電極107を形成する。
【0017】次に図67を参照して、ゲート電極107
をマスクとして、斜め回転イオン注入法により、ヒ素ま
たはリンを注入することにより、n型のソース・ドレイ
ン領域112a、112bを形成する。
【0018】次に図68を参照して、ゲート電極107
を覆うように、半導体基板101上にシリコン酸化膜
(図示せず)を形成する。そのシリコン酸化膜に異方性
エッチングを施し、ゲート電極107の両側面上にサイ
ドウォール酸化膜109aをそれぞれ形成する。次に図
69を参照して、ゲート電極107およびサイドウォー
ル酸化膜109aをマスクとして、イオン注入法によ
り、ヒ素またはリンを注入することにより、ソース・ド
レイン領域114a、114bを形成する。その後、熱
処理等を施すことにより、図64に示す電界効果型トラ
ンジスタを含む半導体装置が完成する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
第1の例および第2の例の電界効果型トランジスタで
は、不純物領域111a、111b、111を有してい
ることにより、パンチスルー現象の発生を防止すること
ができる。しかし、さらに微細化、高集積化する半導体
装置に対応するために、パンチスルー耐性を向上させよ
うとすると、p型の不純物領域111a、111b、1
11のp型の不純物の濃度を高くする必要がある。
【0020】この場合には、第1の例では、n型のソー
ス・ドレイン領域112a、112b、114a、11
4bとp型の不純物領域111a、111bとの界面領
域での電界が増大する。そのため、ソース・ドレイン領
域112a、112b、114a、114bと不純物領
域111a、111bとの間の接合リーク電流や接合容
量が増大する。また、第2の例では、n型のソース・ド
レイン領域112a、112b、114a、114bと
p型の不純物領域111との界面領域での電界が増大す
る。そのため、ソース・ドレイン領域112a、112
b、114a、114bと不純物領域111との間の接
合リーク電流や接合容量が増大する。その結果、電界効
果型トランジスタの素子特性が劣化するという問題が発
生した。
【0021】また、このような接合リーク電流や接合容
量の増大を抑制するために、ソース・ドレイン領域11
2a、112b、114a、114bを不純物領域11
1a、111b、111よりも深く形成しようとする
と、そのソース・ドレイン領域のより深い部分からそれ
ぞれ延びる空乏層が接近することによって、パンチスル
ー耐性が劣化するという問題があった。
【0022】また、パンチスルー耐性を向上するために
は、実質的にチャネル領域122下方の不純物領域の不
純物濃度をより高く設定することで達成できる。このた
め、第2の例の電界効果型トランジスタにおける不純物
領域111のように、どの不純物領域の部分もほぼ同じ
不純物濃度である必要はなく、チャネル領域122下方
の不純物領域111の不純物濃度を、ソース・ドレイン
領域112a、112b、114a、114bの下方の
不純物領域の不純物濃度よりも高くすればよい。これに
ついては、適当なパターニングが施された膜をマスクと
して、チャネル領域の下方にのみ不純物領域を形成する
方法が報告されている(田辺 他、信学技報 SDM9
4−59(1994))。
【0023】しかしながら、この場合には、マスクとし
てのそのパターンを形成する際の写真製版のアライメン
トのずれ、加工精度および工程数が増えるといった問題
があった。
【0024】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、1つの目的は、パンチスルー耐性を有
し、接合リーク電流や接合容量の増大を抑制でき、しか
も、比較的容易に製造することが可能な半導体装置を提
供することであり、他の目的は、その半導体装置の製造
方法を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの局面にお
ける半導体装置は、電界効果型トランジスタを含む半導
体装置であって、半導体基板と、第2導電型の1対のソ
ース・ドレイン領域と、ゲート電極部と、第1導電型の
1対の第1不純物領域とを備えている。半導体基板は、
主表面を有し第1導電型の不純物を含んでいる。第2導
電型の1対のソース・ドレイン領域は、半導体基板の主
表面に所定幅のチャネル領域を挟んで形成されている。
ゲート電極部は、チャネル領域上にゲート絶縁膜を介在
させて形成されている。第1導電型の1対の第1不純物
領域は、チャネル領域とソース・ドレイン領域のそれぞ
れとの界面の下方近傍の半導体基板の領域にのみ形成さ
れ、半導体基板よりも高い不純物濃度を有している。
【0026】この構成によれば、第1導電型の1対の不
純物領域が1対のソース・ドレイン領域のそれぞれとチ
ャネル領域との界面の下方近傍の半導体基板の領域にの
み形成されている。これにより、第1不純物領域の第1
導電型の不純物濃度を比較的高く設定することができ
る。このため、ソース領域と半導体基板の第1導電型領
域との界面から延びる空乏層(ソース空乏層)とドレイ
ン領域と半導体基板の第1導電型領域との界面から延び
る空乏層(ドレイン空乏層)とが到達する距離を短縮す
ることができ、それにより、ソース空乏層とドレイン空
乏層とが接近することを抑制することができる。その結
果、パンチスルー現象の発生を抑制することができる。
また、1対のソース・ドレイン領域の下方近傍の半導体
基板の領域には、第1不純物領域は形成されていない。
このため、第1不純物領域の不純物濃度を高く設定した
としても、ソース・ドレイン領域とチャネル領域との界
面下方近傍の半導体基板の領域以外の領域において、電
界が増大することを防止することができる。その結果、
ソース・ドレイン領域とそのソース・ドレイン領域下方
の半導体基板の領域との界面において、接合リーク電流
や接合容量が増大することを防止することができる。
【0027】好ましくは、ソース・ドレイン領域上に、
ゲート電極部と間隔を有して形成された、第2導電型の
1対の半導体層を含んでいる。
【0028】この場合には、第1不純物領域を形成する
ためのマスクとして、この半導体層とゲート電極部とを
用いることができる。これにより、ゲート電極部と半導
体層との間の間隙を介して、ソース・ドレイン領域とチ
ャネル領域との界面下方近傍の半導体基板の領域にの
み、第1不純物領域を形成することができる。この結
果、特にレジストパターンなどの余分な工程を施すこと
なく、自己整合的に第1不純物領域を形成することがで
きる。
【0029】好ましくは、ゲート電極部のゲート長方向
に沿った半導体層の断面形状が、実質的に台形である。
【0030】この場合には、ゲート電極部の側面と半導
体層との間の間隙において、間隙の側部の平面積より上
部の平面積を大きくすることができる。これにより、第
1不純物領域を形成する際に、より確実に半導体基板の
領域へ第1導電型の不純物を導入することができる。そ
の結果、第1不純物領域において第1導電型の不純物の
濃度が十分に得られて、パンチスルー耐性が劣化するこ
とが抑制される。
【0031】好ましくは、ゲート電極部のゲート長方向
に沿った半導体層の断面形状が、実質的に矩形である。
【0032】この場合には、間隙が形成されている領域
以外は、半導体層の厚さはほぼ均一になる。これによ
り、半導体層の厚さが局所的に薄くなることに起因し
て、その半導体層の厚さが薄くなった領域下の半導体基
板の領域に、第1導電型の不純物が導入されることを防
止することができる。これにより、ソース・ドレイン領
域の下方近傍の半導体基板の領域において、第1導電型
の不純物濃度が高くなることを防止することができる。
その結果、ソース・ドレイン領域の下方近傍の半導体基
板の領域と、ソース・ドレイン領域との界面において、
電界が増大することを防止でき、接合リーク電流や接合
容量の増大を抑制することができる。
【0033】好ましくは、第1不純物領域のそれぞれ
は、ゲート電極部の中央下近傍の半導体基板の領域にま
で延在するように形成されている。
【0034】この場合には、ゲート電極部下に位置する
チャネル領域近傍の第1不純物領域の不純物濃度を高く
することができる。このため、接合リーク電流や接合容
量が増大することを防止することができるとともに、電
界効果型トランジスタのしきい値電圧を高く設定するこ
とが可能となる。
【0035】本発明の他の局面における半導体装置は、
電界効果型トランジスタを含む半導体装置であって、半
導体基板と、第2導電型の1対のソース・ドレイン領域
と、ゲート電極部と、第2導電型の1対の半導体層と、
第1導電型の第1不純物領域とを備えている。半導体基
板は、主表面を有し第1導電型の不純物を含んでいる。
第2導電型の1対のソース・ドレイン領域は、半導体基
板の主表面に、所定幅のチャネル領域を挟んで形成され
ている。ゲート電極部は、チャネル領域上にゲート絶縁
膜を介在させて形成されている。第2導電型の1対の半
導体層は、ゲート電極部と電気的に絶縁され、ソース・
ドレイン領域のそれぞれの上に形成されている。第1導
電型の第1不純物領域は、チャネル領域直下近傍の半導
体基板の領域に形成され、半導体基板よりも高い不純物
濃度を有している。
【0036】この構成によれば、第1不純物領域は、チ
ャネル領域直下近傍の半導体基板の領域に形成されてい
るので、第1導電型の不純物濃度を比較的高く設定する
ことができる。これにより、ソース空乏層とドレイン空
乏層とが到達する距離を縮めることができ、それによ
り、ソース空乏層とドレイン空乏層とが接近することを
抑制することができる。その結果、パンチスルー現象の
発生を抑えることができる。また、ソース・ドレイン領
域の下方近傍の半導体基板の領域には、第1不純物領域
は形成されていないので、第1不純物領域の不純物濃度
を高く設定したとしても、ソース・ドレイン領域と、ソ
ース・ドレイン領域の下方近傍の半導体基板の領域との
界面近傍において電界が増大することを防止できる。そ
の結果、接合リーク電流や接合容量が増大することを防
止することができる。
【0037】好ましくは、第1不純物領域下方の半導体
基板の領域に形成された第2導電型の第2不純物領域を
含んでいる。
【0038】この場合には、パンチスルー耐性を劣化さ
せることなく、1対のソース・ドレイン領域のそれぞれ
によって挟まれたチャネル領域を空乏化させることによ
って、チャネル領域とゲート電極部との間の容量を低減
させることができる。これにより、ゲート電極部に印加
するしきい値電圧の低電圧化や、電界効果型トランジス
タのスイッチング特性を向上させることができる。
【0039】好ましくは、半導体層の側面上に形成され
たサイドウォール絶縁膜を含んでいる。
【0040】この場合には、電界効果型トランジスタの
実効的なゲート長を短くすることができる。
【0041】好ましくは、ゲート電極部はゲート電極部
の上面が半導体層のそれぞれの上面とほぼ同一高さを有
するように、1対の半導体層によって挟まれた領域内を
埋込むように形成されている。
【0042】この場合には、ゲート電極部と半導体層の
それぞれとの接合容量の低減が図られる。これにより、
ゲート電極部と1対のソース・ドレイン領域のそれぞれ
との接合容量の低減が図られて、電界効果型トランジス
タの動作速度等を向上することができる。
【0043】好ましくは、半導体基板はシリコン単結晶
基板であり、半導体層は、エピタキシャル延長させたシ
リコンまたはシリコンゲルマニウム合金を含んでいる。
【0044】この場合には、半導体層をソース・ドレイ
ン領域上に自己整合的に容易に形成することができる。
【0045】本発明のさらに他の局面における半導体装
置の製造方法は、電界効果型トランジスタを含む半導体
装置の製造方法であって、以下の工程を備えている。マ
スク部材層形成工程として、第1導電型の半導体基板の
主表面で互いに間隔を有する1対の領域上にのみ、第1
のマスク部材層を形成する。少なくともその第1のマス
ク部材層をマスクとして、半導体基板に第1導電型の不
純物を導入することにより、1対の領域の間に挟まれた
領域直下近傍の半導体基板の領域に、半導体基板よりも
高い不純物濃度を有する第1導電型の第1不純物領域を
形成する。1対の領域の間に挟まれた領域上に、ゲート
絶縁膜を介在させてゲート電極部を形成する。1対の領
域に、第2導電型の1対のソース・ドレイン領域を形成
する。
【0046】この製造方法によれば、第1不純物領域
は、少なくとも第1のマスク部材層をマスクとして、半
導体基板に第1導電型の不純物を導入することによっ
て、1対の領域の間に挟まれた領域の直下近傍の半導体
基板の領域に自己整合的に形成される。このため、第1
導電型の不純物の濃度を比較的高く設定することができ
る。これにより、ソース空乏層とドレイン空乏層とが到
達する距離を短縮することができ、それにより、ソース
空乏層とドレイン空乏層とが接近するのを抑制すること
ができる。その結果、パンチスルー現象の発生を抑制す
ることができる。また、1対のソース・ドレイン領域下
方の半導体基板の領域には第1不純物領域は形成されな
いので、第1不純物領域の不純物濃度を比較的高く設定
したとしても、ソース・ドレイン領域とソース・ドレイ
ン領域の下方の半導体基板の領域との界面近傍において
電界が増大することを防止できる。その結果、パンチス
ルー耐性を有し、接合リーク電流や接合容量の低減が図
られた半導体装置を製造することができる。
【0047】好ましくは、半導体基板としてシリコン単
結晶基板を用い、マスク部材層形成工程は、1対の領域
の間に挟まれた領域上にのみ第2のマスク部材層を形成
するとともに、第1のマスク部材層として、シリコンエ
ピタキシャル成長により半導体層を形成する工程と、そ
の半導体層の表面に絶縁層を形成する工程とを含み、第
1不純物領域を形成する工程およびゲート電極部を形成
する工程は、第2のマスク部材層を除去してから行なわ
れる。
【0048】この場合には、第1のマスク部材層として
の半導体層を、エピタキシャル成長により1対の領域の
間に挟まれた半導体基板としてのシリコン単結晶基板の
領域上に自己整合的に容易に形成することができる。
【0049】好ましくは、第2のマスク部材層を除去し
た後、第1不純物領域を形成する工程の前に、半導体層
の側面上に、サイドウォール絶縁膜を形成する工程を含
んでいる。
【0050】この場合には、電界効果型トランジスタの
実効的なゲート長をより短く設定することができる。
【0051】好ましくは、第2のマスク部材層を除去し
た後、ゲート電極部を形成する工程の前に、少なくとも
1対の第1のマスク部材層をマスクとして、半導体基板
に第2導電型の不純物を導入することにより、第1不純
物領域よりも深い位置に、第2導電型の第2不純物領域
を形成する工程を含んでいる。
【0052】この場合には、第1不純物領域よりも深い
領域に第2不純物領域が自己整合的に形成される。これ
により、パンチスルー耐性を劣化させることなく、1対
のソース・ドレイン領域のそれぞれによって挟まれた半
導体基板の領域が空乏化されて、その1対のソース・ド
レイン領域のそれぞれによって挟まれた領域とゲート電
極部との間の容量を減少させることができる。その結
果、ゲート電極部に印加するしきい値電圧の低電圧化
や、スイッチング特性の向上が図られた電界効果型トラ
ンジスタを製造することができる。
【0053】好ましくは、ゲート電極部を形成する工程
は、ゲート電極部の上面が半導体層のそれぞれの上面と
ほぼ同一高さを有して、1対の半導体層によって挟まれ
た領域内を埋込むように形成する工程を含んでいる。
【0054】この場合には、ゲート電極部は、1対の半
導体層の側面にのみ絶縁層を介して接するように形成さ
れる。これにより、ゲート電極部と半導体層のそれぞれ
との接合容量が低減されて、ゲート電極部と1対のソー
ス・ドレイン領域のそれぞれとの接合容量の低減が図ら
れる。その結果、電界効果型トランジスタの動作速度等
の向上が図られた半導体装置を製造することができる。
【0055】また好ましくは、マスク部材層形成工程
は、第1のマスク部材層として、ゲート電極部との間に
間隔を有するように半導体層を形成する工程を含み、第
1不純物領域を形成する工程は、半導体層およびゲート
電極部をマスクとして、半導体基板に第1導電型の不純
物を導入することにより、1対の領域の間に挟まれた領
域と1対の領域のそれぞれとの界面下方近傍の半導体基
板の領域に、第1不純物領域を形成する工程を含んでい
る。
【0056】この場合には、第1不純物領域を形成する
ためのマスクとして、この半導体層とゲート電極部とを
用いることができる。これにより、ゲート電極部と半導
体層のそれぞれとの間の間隙を介して、第1導電型の不
純物を導入することにより、1対のソース・ドレイン領
域によって挟まれた領域とソース・ドレイン領域のそれ
ぞれとの界面下方近傍の半導体基板の領域に第1不純物
領域を形成することができる。その結果、付加的なレジ
ストパターンの形成などの工程を必要とせずに、自己整
合的に第1不純物領域を形成することができる。
【0057】また好ましくは、半導体基板としてシリコ
ン単結晶基板を用い、半導体層をエピタキシャル成長に
より形成する。
【0058】この場合、半導体層を、半導体基板上に自
己整合的に容易に形成することができる。
【0059】また好ましくは、ゲート電極部のゲート長
方向に沿った断面形状が実質的に台形になるように、半
導体層を形成する。
【0060】この場合には、ゲート電極部の側面と半導
体層との間の間隙を、間隙の側部の平面積より上部の平
面積が大きくなるように形成することができる。このた
め、第1不純物領域を形成する際に、より確実に半導体
基板へ第1導電型の不純物を導入することができる。そ
の結果、第1不純物領域において第1導電型の不純物濃
度が十分に得られて、パンチスルー耐性の劣化を防止す
ることができる。
【0061】また好ましくは、ゲート電極部のゲート長
方向に沿った断面形状が実質的に矩形になるように、半
導体層を形成する。
【0062】この場合には、間隙を形成する領域以外
は、半導体層の厚さがほぼ均一になる。このため、半導
体層の厚さが局所的に薄くなることに起因して、その半
導体層の厚さが薄くなった領域下に位置する半導体基板
の領域に第1導電型の不純物が導入されることを防止で
きる。これによって、ソース・ドレイン領域の下方近傍
の半導体基板の領域の第1導電型の不純物濃度が高くな
ることを防止できる。この結果、ソース・ドレイン領域
とそのソース・ドレイン領域下方の半導体基板の領域と
の界面近傍において、電界が増大することを防止するこ
とができる。その結果、接合リーク電流や接合容量の低
減が図られた半導体装置を得ることができる。
【0063】また好ましくは、ゲート電極部の側面上に
サイドウォール絶縁膜を形成する工程を含み、第1不純
物領域を形成する工程は、サイドウォール絶縁膜の少な
くとも一部を除去した状態で、半導体基板に第1導電型
の不純物を導入する工程を含んでいる。
【0064】この場合には、ゲート電極部の側面上から
サイドウォール絶縁膜の少なくとも一部を除去した状態
で、第1導電型の不純物を導入するので、この不純物を
導入する際に、間隙の上部および底部の平面積を大きく
することができる。これにより、半導体基板の領域に第
1導電型の不純物が十分に到達できなくなることを防止
することができる。その結果、第1不純物領域におい
て、第1導電型の不純物濃度が十分に得られて、パンチ
スルー耐性の劣化を有効に防止することができる。
【0065】また好ましくは、半導体層を形成する工程
は、第2導電型の不純物を含む半導体層を形成する工程
を含み、ソース・ドレイン領域を形成する工程は、半導
体層から半導体基板の主表面に第2導電型の不純物を拡
散させる工程を含んでいる。
【0066】この場合には、半導体層からの不純物の拡
散によって、半導体基板の主表面のごく浅い領域にソー
ス・ドレイン領域を形成することができる。その結果、
パンチスルー耐性を備え、かつ、接合リーク電流や接合
容量の増大を抑制しながら、微細な半導体装置を形成す
ることができる。
【0067】また好ましくは、半導体層を形成する工程
は、第2導電型の不純物を含まない半導体層を形成する
工程を含み、ソース・ドレイン領域を形成する工程は、
半導体基板の主表面と半導体層とに、第2導電型の不純
物を導入する工程を含んでいる。
【0068】この場合には、ソース・ドレイン領域と半
導体層の導電型をイオン注入する際の不純物の導電型に
よって設定することができる。このため、同一半導体基
板上に第1導電型と第2導電型の電界効果型トランジス
タを含む半導体装置を形成する際に、予め所定の導電型
の不純物を含む半導体層を形成するとともに、その半導
体層から不純物を拡散させることによってソース・ドレ
イン領域を形成する場合よりも、工程数を削減すること
ができる。
【0069】また好ましくは、ゲート電極部の側面上に
サイドウォール絶縁膜を形成する工程と、ゲート電極部
とサイドウォール絶縁膜とをマスクとして、半導体層に
第2導電型の不純物を導入する工程とを含んでいる。
【0070】この場合には、半導体層にも第2導電型の
不純物が注入されるので、半導体層の第2導電型の不純
物濃度をより高く設定することができる。そのため、半
導体層の抵抗が低減されて、半導体装置の動作速度等が
向上する。
【0071】また好ましくは、第1不純物領域を形成す
る工程は、半導体層とゲート電極部とをマスクとして、
1対のソース・ドレイン領域の間に挟まれた領域と1対
のソース・ドレイン領域のそれぞれとの界面直下近傍の
半導体基板の領域から、ゲート電極部中央の下近傍の領
域にまで延在するように、斜め回転イオン注入法を用い
て形成する工程を含んでいる。
【0072】この場合には、ゲート電極部中央下近傍の
半導体基板の領域の第1不純物領域の不純物濃度を高く
設定することができる。その結果、接合リーク電流や接
合容量が増大するのを防止し、電界効果型トランジスタ
のしきい値電圧を上昇させることができる。
【0073】また好ましくは、マスク部材層形成工程
は、1対の領域の間に挟まれた領域上に、第3のマスク
部材層を形成する工程と、第1のマスク部材層として、
第3のマスク部材層との間に間隔を有するように半導体
層を形成する工程とを含み、第1不純物領域を形成する
工程は、半導体層および第3のマスク部材層をマスクと
して、半導体基板に第1導電型の不純物を導入すること
により、1対の領域の間に挟まれた領域と1対の領域の
それぞれとの界面下方近傍の半導体基板の領域に第1不
純物領域を形成する工程を含み、ゲート電極部を形成す
る工程は、第3のマスク部材層を除去してから行なわれ
る。
【0074】この場合には、第1不純物領域を形成する
ためのマスクとして、半導体層と第3のマスク部材層と
を用いることができる。これにより、第3のマスク部材
層と半導体層のそれぞれとの間の間隙を介して、第1導
電型の不純物を導入することにより、1対のソース・ド
レイン領域によって挟まれた領域とソース・ドレイン領
域のそれぞれとの界面下方近傍の半導体基板の領域に第
1不純物領域を形成することができる。その結果、付加
的なレジストパターンの形成などの工程を必要とせず
に、自己整合的に第1不純物領域を形成することができ
る。また、ゲート電極部をマスクとしていないので、注
入等に伴うゲート電極のダメージを抑制することができ
る。
【0075】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0076】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1による電界効果型トランジスタの断面構造図であ
る。図1を参照して、本発明の実施の形態1による電界
効果型トランジスタは、ゲート電極7と、ゲート絶縁膜
6と、ソース・ドレイン領域12a、12bと、チャネ
ル領域22と、n型のポリシリコンからなるエピタキシ
ャル膜10a、10bと、p型の不純物領域11a、1
1bとから構成されている。
【0077】p型の半導体基板1の主表面には、シリコ
ン酸化膜からなる素子分離領域2と、p型のウェル4お
よびp型のチャネルカット層5とが形成されている。ま
た、半導体基板1の主表面には、チャネル領域22を挟
むように、所定の間隔を隔てて1対のn型のソース・ド
レイン領域12a、12bが形成されている。このソー
ス・ドレイン領域12a、12bとチャネル領域22と
の境界領域の下に位置する領域近傍には、p型の不純物
領域11a、11bが形成されている。チャネル領域2
2上には、ゲート絶縁膜6が形成されている。ゲート絶
縁膜6上には、ゲート電極7が形成されている。ゲート
電極7上にはシリコン酸化膜8が形成されている。ゲー
ト電極7とシリコン酸化膜8との側面上には、サイドウ
ォール酸化膜9が形成されている。
【0078】このように、実施の形態1では、ソース・
ドレイン領域12a、12bのそれぞれとチャネル領域
22との界面下方近傍の領域に、p型の不純物領域11
a、11bが形成されているため、その不純物領域11
a、11bの不純物の濃度を高くすることができる。こ
のため、不純物領域11a、11bが存在しない場合よ
りも、n型のソース・ドレイン領域12a、12bとウ
ェル4との界面からそれぞれ延びる空乏層が到達する距
離を短縮することができる。それにより、両空乏層が接
近することを防止することができ、その結果、パンチス
ルー現象の発生を防止することができる。
【0079】また、上記界面下方近傍の領域以外では、
不純物領域11a、11bは形成されていないので、ソ
ース・ドレイン領域12a、12bとチャネル領域22
との境界領域の近傍以外の領域において電界が増大する
ことを防止できる。その結果、ソース・ドレイン領域1
2a、12bと半導体基板1との境界領域における接合
リーク電流や接合容量が増大することを防止することが
できる。
【0080】次に、図2〜6を参照して、以下に本発明
の実施の形態1による電界効果型トランジスタの製造プ
ロセスを説明する。
【0081】まず、図2を参照して、(100)面の半
導体基板1の主表面に、素子形成領域を囲むように素子
分離領域2を形成する。その後、半導体基板1の主表面
上にパッド酸化膜3を形成する。そして、半導体基板1
の主表面にボロンなどのp型不純物を注入することによ
りp型のウェル4とp型のチャネルカット層5を形成す
る。ここで、しきい値電圧を制御するため、チャネルカ
ット層5よりも浅い領域にp型の不純物を注入してもよ
い。その後、パッド酸化膜3を除去する。
【0082】次に、図3を参照して、半導体基板1の主
表面上にシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜6を形成
する。ゲート絶縁膜6上にn型のドープトポリシリコン
膜(図示せず)を形成する。このドープトポリシリコン
膜上にシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。このシ
リコン酸化膜上にレジストパターン(図示せず)を形成
する。そして、このレジストパターンをマスクとして用
いて、上記シリコン酸化膜の一部をエッチングにより除
去することにより、マスクパターン8を形成する。その
後、レジストパターンを除去する。そのマスクパターン
8をマスクとして、上記ドープトポリシリコン膜の一部
を除去することにより、ゲート電極7を形成する。
【0083】次に、図4を参照して、ゲート電極7とシ
リコン酸化膜8との側面上にサイドウォール酸化膜9を
形成する。そして、ゲート電極7およびサイドウォール
酸化膜9の下のゲート絶縁膜6を残して、他のシリコン
酸化膜を除去する。ここで、サイドウォール酸化膜はシ
リコン窒化膜により形成してもよい。
【0084】次に,図5を参照して、半導体基板1の主
表面が露出しているソース・ドレイン領域12a、12
b(図1参照)となる領域上に超高真空の化学気相成長
法(以下UHV−CVD法という)を用いて、選択的に
n型のポリシリコンからなるエピタキシャル膜10a、
10bを形成する。エピタキシャル膜10a、10b
は、成長条件を制御することで、(111)や(31
1)などのファセット面を出すことにより、その断面形
状が実質的に台形状になるように形成する。このような
エピタキシャル膜10a、10bの形成方法について
は、たとえばY. Nakahara et al., IEEE Symposium on
VLSI Technology Digest of Technical Papers, p.174
(1996)等に開示されている。そして、このエピタキシ
ャル膜10a、10bを形成することにより、エピタキ
シャル膜10a、10bとゲート電極7との間に間隙2
3a、23bを形成することができる。
【0085】ここで、エピタキシャル膜10a、10b
の膜厚について、ゲート長が0.25μm以下の微細な
電界効果型トランジスタを想定して検討する。ソース・
ドレイン領域12a、12bの接合深さが、約0.05
μmであると仮定すると、不純物領域11a、11bの
射影飛程度Rpも0.05μm程度に設定する。このと
き、エピタキシャル膜10a、10b下のソース・ドレ
イン領域12a、12b(図1参照)において、p型の
不純物が上記接合深さより深い領域に分布しないように
するためには、エピタキシャル膜10a、10bの膜厚
を0.05μm程度にすれば十分である。ただし、この
膜厚はあくまで目安であり、エピタキシャル膜10a、
10bの膜厚が0.05μmより厚い場合でも同様の効
果が得られる。また、この膜厚が0.05μmより薄い
場合でも、効果の程度は小さくなるが同様の効果が得ら
れる。
【0086】そして、図5に示した工程の後、図6を参
照して、ボロンやフッ化ボロンなどのp型の不純物を、
ゲート電極7とサイドウォール酸化膜9とエピタキシャ
ル膜10a、10bとをマスクとして用い、斜め回転イ
オン注入法により間隙23a、23bを介して半導体基
板1の主表面に注入する。ボロンの注入条件としては、
注入エネルギー15keV〜30keV、ドーズ量5E
12〜3E13cm-2、注入角度0〜20°が好まし
い。また、不純物としてフッ化ボロンを注入する場合の
条件としては、注入エネルギー45keV〜120ke
V、ドーズ量5E12〜3E13cm-2、注入角度0〜
20°が好ましい。こうして、p型の不純物領域11
a、11bを形成する。このように、エピタキシャル膜
10a、10bをマスクとして用いるので、特別なマス
クなどを必要とせずに、ソース・ドレイン領域12a、
12b(図1参照)とチャネル領域22(図1参照)と
の界面下方近傍の領域にのみ、自己整合的に不純物領域
11a、11bを形成することが可能となる。
【0087】その後、熱処理を行なうことにより、エピ
タキシャル膜10a、10bからn型の不純物を半導体
基板1の主表面へ拡散させることによって、ソース・ド
レイン領域12a、12bを形成する。このようにし
て、図1に示すような電界効果型トランジスタを製造す
る。
【0088】ここで、従来例のようにソース・ドレイン
領域へのイオン注入を行なわなくても、エピタキシャル
膜10a、10bのシート抵抗が小さければ、このエピ
タキシャル膜10a、10bをソース・ドレイン領域と
して使用できる。また、このソース・ドレイン領域12
a、12bは、n型のイオンを注入することにより形成
してもよい。
【0089】そして、実施の形態1ではn型ポリシリコ
ンをゲート電極7として用いるnMOS電界効果型トラ
ンジスタについて説明しているが、これはn型ポリシリ
コンをゲート電極7とした埋込チャネル型pMOS電界
効果型トランジスタおよびp型ポリシリコンをゲート電
極7とした表面チャネル型pMOS電界効果型トランジ
スタなどに適用しても、同様の効果が得られる。このp
MOS電界効果型トランジスタにおいては、不純物領域
11a、11bを形成するためにリンなどの不純物を斜
め回転イオン注入法を用いて注入する。このリンを注入
する際の条件としては、注入エネルギー40keV〜1
00keV、ドーズ量5E12〜3E13cm-2、注入
角度0〜30°が好ましい。
【0090】さらに、本発明の実施の形態1の第1の変
形例としては、図7に示すような電界効果型トランジス
タがある。
【0091】図7を参照して、本発明の実施の形態1の
第1の変形例による電界効果型トランジスタは、基本的
には図1に示した実施の形態1による電界効果型トラン
ジスタと同様の構造を備える。この実施の形態1の第1
の変形例による電界効果型トランジスタでは、ゲート電
極7が、ゲート絶縁膜6上に形成されたポリシリコン膜
17と、ポリシリコン膜17上に形成されたタングステ
ンシリサイド膜18とから形成されている。このように
ゲート電極7をポリサイド構造とすることで、ゲート電
極7の抵抗を減少させることができ、図1に示した実施
の形態1の効果に加えて、電界効果型トランジスタの特
性を改善することができる。ここで、タングステンシリ
サイド膜18に代えて、チタンシリサイド膜などの他の
金属シリサイド膜を用いてもよいし、タングステンなど
の金属を用いてポリメタル構造としてもよい。
【0092】また、本発明の実施の形態1の第2の変形
例としては、図8に示すような電界効果型トランジスタ
がある。
【0093】図8を参照して、本発明の実施の形態1の
第2の変形例による電界効果型トランジスタは、基本的
には図1に示した実施の形態1による電界効果型トラン
ジスタと同様の構造を備える。この実施の形態1の第2
の変形例による電界効果型トランジスタでは、ゲート電
極7が、ゲート絶縁膜6上に形成されたポリシリコン膜
17と、ポリシリコン膜17上に形成されたTiN膜1
9と、TiN膜19上に形成されたタングステンシリサ
イド膜18とから構成されている。ここで、TiN膜1
9に代えて、タングステンナイトライド(WN)膜を用
いてもよい。このように、ゲート電極7を多層構造とす
ることで、ゲート電極7の抵抗を減少させることがで
き、図1に示した実施の形態1の効果に加えて、電界効
果型トランジスタの特性を改善することができる。
【0094】(実施の形態2)図9は、本発明の実施の
形態2による電界効果型トランジスタの断面構造図であ
る。図9を参照して、本発明の実施の形態2による電界
効果型トランジスタは、ゲート電極7と、ゲート絶縁膜
6と、ソース・ドレイン領域12a、12b、14a、
14bと、チャネル領域22と、n型のポリシリコンか
らなるエピタキシャル膜10a、10bと、不純物領域
11a、11bとから構成されている。そして、この構
造は、基本的には図1に示した実施の形態1による電界
効果型トランジスタと同様である。
【0095】この実施の形態2による電界効果型トラン
ジスタでは、サイドウォール酸化膜9の側面に、第2の
サイドウォール酸化膜13a、13bが形成されてい
る。また、ソース・ドレイン領域12a、12b、14
a、14bは、低濃度の不純物を含む第1不純物拡散領
域12a、12bと、高濃度の不純物を含む第2不純物
拡散領域14a、14bとからなるLDD構造である。
このように、ソース・ドレイン領域12a、12b、1
4a、14bがLDD構造であるので、後述する製造工
程で示すように、この第2のサイドウォール酸化膜13
a、13bとサイドウォール酸化膜9とゲート電極7と
をマスクとして、n型の不純物イオンを注入することに
より、ソース・ドレイン領域となる第2不純物拡散領域
14a、14bを形成する際、エピタキシャル膜10
a、10bにもn型の不純物が注入される。このため、
エピタキシャル膜10a、10bのシート抵抗が小さく
なる。そのシート抵抗の小さいエピタキシャル膜10
a、10bがソース・ドレイン領域12a、12b、1
4a、14bに接触していることにより、ソース・ドレ
イン領域12a、12b、14a、14b全体の寄生抵
抗を小さくすることができる。その結果、実施の形態1
に示した効果に加えて、寄生抵抗の増大に起因する半導
体素子の特性の劣化を防止することが可能となる。
【0096】次に、図10および11を参照して、以下
に本発明の実施の形態2による電界効果型トランジスタ
の製造プロセスを説明する。
【0097】まず、図2〜6に示した実施の形態1によ
る製造プロセスにより、図1に示した構造を得る。そし
て、サイドウォール酸化膜9の側面上に第2のサイドウ
ォール酸化膜13a、13bを形成することにより、図
10に示したような構造を得る。
【0098】次に、図11を参照して、第2のサイドウ
ォール酸化膜13a、13bとサイドウォール酸化膜9
とゲート電極7とをマスクとして、n型の不純物イオン
を注入することにより、ソース・ドレイン領域となる第
2不純物拡散領域14a、14bを形成する。この際、
エピタキシャル膜10a、10bにもn型の不純物が注
入される。このため、エピタキシャル膜10a、10b
のシート抵抗を小さくすることができ、それにより、こ
のエピタキシャル膜10a、10bが接触しているソー
ス・ドレイン領域12a、12b、14a、14b全体
の寄生抵抗を小さくすることができる。このようにし
て、図9に示すような電界効果型トランジスタを製造す
る。
【0099】(実施の形態3)図12は、本発明の実施
の形態3による電界効果型トランジスタの断面構造図で
ある。図12を参照して、本発明の実施の形態3による
電界効果型トランジスタは、基本的には図1に示した実
施の形態1による電界効果型トランジスタと同様の構造
を備える。この実施の形態3による電界効果型トランジ
スタでは、不純物領域11a、11bが、ゲート電極7
のエッジ部直下の領域にまで延在するように形成されて
いる。このように、不純物領域11a、11bを形成す
ることで、接合リーク電流や接合容量が増大することを
防止しながら、実施の形態1に比べてより確実にパンチ
スルー現象を防止することができる。
【0100】次に、図13を参照して、以下に本発明の
実施の形態3による電界効果型トランジスタの製造プロ
セスを説明する。
【0101】まず、図2〜5に示した本発明の実施の形
態1の製造プロセスを実施した後、サイドウォール酸化
膜9(図5参照)を除去する。そして、図13を参照し
て、サイドウォール酸化膜がない状態で、ボロンやフッ
化ボロンなどのp型の不純物を、ゲート電極7とエピタ
キシャル膜10a、10bとをマスクとして用い、斜め
回転イオン注入法により間隙24a、24bを介して半
導体基板1の主表面に注入する。こうして、p型の不純
物領域11a、11bを形成する。このように、サイド
ウォール酸化膜9(図5参照)を除去するので、ゲート
電極7とエピタキシャル膜10a、10bとの間の間隙
24a、24bを実施の形態1と比べて大きくすること
ができる。このため、この状態でp型の不純物の注入を
行なうと、ゲート電極7のエッジ部までp型の不純物を
確実に注入することができる。それにより、p型の不純
物が十分注入されないことに起因するパンチスルー耐性
の劣化を防止することが可能となる。
【0102】そして、図13に示した工程の後、再度ゲ
ート電極7の側面にサイドウォール酸化膜26を形成す
る。このようにして、図12に示すような電界効果型ト
ランジスタを製造する。
【0103】さらに、本発明の実施の形態3の変形例と
しては、図14に示すような電界効果型トランジスタが
ある。
【0104】図14を参照して、本発明の実施の形態3
の変形例による電界効果型トランジスタは、基本的には
図1に示した実施の形態1による電界効果型トランジス
タと同様の構造を備える。この実施の形態3の変形例に
よる電界効果型トランジスタは、ゲート電極7とエピタ
キシャル膜10a、10bとの間の間隙24a、24b
の上部および底部における平面積が、図1に示す実施の
形態1による電界効果型トランジスタの間隙23a、2
3bの上部および底部の平面積よりも大きくなるように
形成されている。このように、間隙24a、24bを形
成するので、後述する製造プロセスにおいて、この間隙
24a、24bを介してp型の不純物を半導体基板1の
主表面に注入する際、このp型の不純物を確実に注入す
ることができる。そのため、接合リーク電流や接合容量
が増大することを防止しながら、実施の形態1に比べて
より確実にパンチスルー現象を防止することができる。
また、後述する製造プロセスにおいて、不純物領域11
a、11bを形成するためのp型の不純物の注入の際、
ゲート電極7はサイドウォール酸化膜9とシリコン酸化
膜8とに覆われている状態なので、ゲート電極7が不純
物注入の際にダメージを受けることを防止することが可
能となる。
【0105】次に、図15〜17を参照して、以下に本
発明の実施の形態3の変形例による電界効果型トランジ
スタの製造プロセスを説明する。
【0106】まず、図2および3に示した本発明の実施
の形態1の製造プロセスを実施した後、図15を参照し
て、ゲート電極7とシリコン酸化膜8との側面上にサイ
ドウォール酸化膜9を形成するとともに、シリコン窒化
膜(図示せず)をサイドウォール酸化膜9とシリコン酸
化膜8とゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜6との上に
形成する。このシリコン窒化膜を異方性エッチングする
ことにより、サイドウォール窒化膜16a、16bを形
成する。その後、ゲート電極7とサイドウォール酸化膜
9とサイドウォール窒化膜16a、16bとの下に位置
するゲート絶縁膜6以外のシリコン酸化膜6を除去す
る。
【0107】次に、図16を参照して、半導体基板1の
主表面が露出しているソース・ドレイン領域12a、1
2b(図14参照)となる領域上にUHV−CVD法を
用いて、選択的にn型ポリシリコンのエピタキシャル膜
10a、10bを形成する。エピタキシャル膜10a、
10bは、成長条件を制御することで、(111)や
(311)などのファセット面を出すことにより、その
断面形状が実質的に台形状になるように形成する。
【0108】次に、サイドウォール窒化膜16a、16
bをエッチングにより除去することにより、図17に示
すように、ゲート電極7とエピタキシャル膜10a、1
0bとの間に、間隙24a、24bを形成する。その
後、ボロンやフッ化ボロンなどのp型の不純物を、ゲー
ト電極7とサイドウォール酸化膜9とエピタキシャル膜
10a、10bとをマスクとして用い、斜め回転イオン
注入法により間隙24a、24bを介して半導体基板1
の主表面に注入する。こうしてp型の不純物領域11
a、11bを形成する。このように、サイドウォール窒
化膜16a、16b(図16参照)を除去するので、ゲ
ート電極7とエピタキシャル膜10a、10bとの間の
間隙24a、24bを実施の形態1と比べて大きくする
ことができる。このため、この状態でp型の不純物の注
入を行なうと、p型の不純物を確実に注入することがで
きる。それにより、p型の不純物が十分注入されないこ
とに起因するパンチスルー耐性の劣化を防止することが
可能となる。また、上記p型の不純物の注入の際、ゲー
ト電極7はサイドウォール酸化膜9とシリコン酸化膜8
とに覆われている状態なので、ゲート電極7が不純物注
入の際にダメージを受けることを防止することが可能と
なる。
【0109】その後、熱処理を行なうことにより、エピ
タキシャル膜10a、10bからn型の不純物を半導体
基板1の主表面へ拡散させることによって、ソース・ド
レイン領域12a、12b(図14参照)を形成する。
このようにして、図14に示すような電界効果型トラン
ジスタを製造する。
【0110】(実施の形態4)図18は、本発明の実施
の形態4による電界効果型トランジスタの断面構造図で
ある。図18を参照して、本発明の実施の形態4による
電界効果型トランジスタは、基本的には図1に示した実
施の形態1による電界効果型トランジスタと同様の構造
を備えている。この実施の形態4による電界効果型トラ
ンジスタでは、エピタキシャル膜10a、10bの断面
形状が、実質的に矩形状になるように形成されている。
また、ゲート電極7の側面上にサイドウォール酸化膜は
形成されていない。このように、エピタキシャル膜10
a、10bの断面形状が実質的に矩形状であるので、後
述する製造プロセスにおいて、エピタキシャル膜10
a、10bの膜厚が局所的に薄くなることによりp型の
不純物領域11a、11bが形成されるべき領域以外の
領域に位置する半導体基板1の主表面に、p型の不純物
が注入されることを防止できる。そのため、ソース・ド
レイン領域12a、12bとチャネル領域22との界面
近傍の領域以外において、ソース・ドレイン領域12
a、12bと半導体基板1との界面近傍の電界の増大を
防止することができ、その結果、接合リーク電流や接合
容量が増大することをより確実に防止することが可能と
なる。
【0111】次に、図19および20を参照して、以下
に本発明の実施の形態4による電界効果型トランジスタ
の製造プロセスを説明する。
【0112】まず、図2〜4に示した本発明の実施の形
態1の製造プロセスを実施した後、図19を参照して、
半導体基板1の主表面が露出しているソース・ドレイン
領域12a、12b(図18参照)となる領域上にUH
V−CVD法を用いて、選択的にn型ポリシリコンのエ
ピタキシャル膜10a、10bを形成する。エピタキシ
ャル膜10a、10bは、成長条件を調整することで、
その断面形状が実質的に矩形状になるように形成する。
このようなエピタキシャル膜10a、10bの形成方法
については、H. Hada et al., IEDM Technical Digest,
p.665(1995)などに開示されている。
【0113】次に、サイドウォール酸化膜9とシリコン
酸化膜8とをエッチングにより除去することにより、図
20に示すように、間隙25a、25bを形成する。そ
して、ボロンやフッ化ボロンなどのp型の不純物をゲー
ト電極7とエピタキシャル膜10a、10bとをマスク
として用い、間隙25a、25bを介して半導体基板1
の主表面にイオン注入する。このように、エピタキシャ
ル膜10a、10bをマスクとして用いるので、特別な
マスクなどを必要とせずに、ソース・ドレイン領域12
a、12b(図18参照)とチャネル領域22(図18
参照)との境界領域の下に位置する領域近傍のみに、自
己整合的に不純物領域11a、11bを形成することが
可能となる。また、エピタキシャル膜10a、10bを
その断面形状が実質的に矩形状になるように形成するの
で、エピタキシャル膜10a、10bの膜厚が局所的に
薄くなることを防止できる。これにより、不純物領域1
1a、11bが形成されるべき領域以外の領域に位置す
る半導体基板1の主表面に、エピタキシャル膜10a、
10bの膜厚が局所的に薄くなっている部分からp型の
不純物が注入されることを防止できる。このため、ソー
ス・ドレイン領域12a、12bと半導体基板1との界
面近傍における電界の増大を防止することが可能とな
る。
【0114】その後、熱処理を行なうことにより、エピ
タキシャル膜10a、10bからn型の不純物を半導体
基板1の主表面へ拡散させることによって、ソース・ド
レイン領域12a、12b(図18参照)を形成する。
このようにして、図18に示すような電界効果型トラン
ジスタを製造する。
【0115】(実施の形態5)図21は、本発明の実施
の形態5による電界効果型トランジスタの断面構造図で
ある。図21を参照して、本発明の実施の形態5による
電界効果型トランジスタは、基本的には図9に示した実
施の形態2による電界効果型トランジスタと同様の構造
を備えている。
【0116】次に、図22〜26を参照して、以下に本
発明の実施の形態6による電界効果型トランジスタの製
造プロセスを説明する。
【0117】まず、図2および3に示した本発明の実施
の形態1の製造プロセスを実施した後、図22を参照し
て、ヒ素またはリンなどのn型の不純物を斜め回転イオ
ン注入法により半導体基板1の主表面に注入することに
より、ソース・ドレイン領域となる第1不純物拡散領域
12a、12bを形成する。
【0118】次に、図23を参照して、ゲート電極7と
シリコン酸化膜8との側面上にサイドウォール酸化膜9
を形成する。そして、ゲート電極7およびサイドウォー
ル酸化膜9の下のゲート絶縁膜6を残して、他のシリコ
ン酸化膜を除去する。ここで、サイドウォール酸化膜9
はシリコン窒化膜としてもよい。
【0119】次に、図24を参照して、第1不純物拡散
領域12a、12b上にUHV−CVD法を用いて、選
択的にノンドープトポリシリコンのエピタキシャル膜1
5a、15bを形成する。ここで、エピタキシャル膜1
5a、15bは、実施の形態1などと同様に、成長条件
を制御することにより、その断面形状が実質的に台形状
となるように形成する。
【0120】次に、図25を参照して、ボロンやフッ化
ボロンなどのp型の不純物を、ゲート電極7とサイドウ
ォール酸化膜9とエピタキシャル膜15a、15bとを
マスクとして用い、斜め回転イオン注入法により間隙2
3a、23bを介して半導体基板1の主表面に注入す
る。こうしてp型の不純物領域11a、11bを形成す
る。このように、エピタキシャル膜15a、15bをマ
スクとして用いるので、特別なマスクなどを必要とせず
にソース・ドレイン領域となる第1不純物拡散領域12
a、12bとチャネル領域22との界面下方近傍の領域
のみに、自己整合的に不純物領域11a、11bを形成
することが可能となる。
【0121】次に、図26を参照して、サイドウォール
酸化膜9の側面に第2のサイドウォール酸化膜13a、
13bを形成する。そして、ゲート電極7とサイドウォ
ール酸化膜9と第2のサイドウォール酸化膜13a、1
3bとをマスクとして、ヒ素あるいはリンなどのn型の
不純物をイオン注入することにより、ソース・ドレイン
領域の一部となる第2不純物拡散領域14a、14bを
形成する。このように、第2不純物拡散領域をイオン注
入により形成するので、注入するイオンの種類を変える
ことで第2不純物拡散領域14a、14bの導電型を変
更することができる。このため、同じ半導体基板上にn
型およびp型を含む相補型の電界効果型トランジスタを
形成する場合、不純物を予めドープされた半導体層を形
成し、この半導体層から不純物を半導体基板1の主表面
に拡散させることによってソース・ドレイン領域を形成
する方法より工程数を削減することができる。また、こ
のイオン注入の際、エピタキシャル膜15a、15bも
n型の不純物が注入されるので、このエピタキシャル膜
15a、15bの抵抗を低減することができる。その結
果、エピタキシャル膜15a、15bの抵抗が大きいこ
とに起因する半導体素子の特性の劣化を防止することが
できる。
【0122】その後、熱処理等を行ない図21に示すよ
うな電界効果型トランジスタを形成する。ここで、第1
不純物拡散領域12a、12bの形成をイオン注入で行
なっているが、n型の不純物が導入されたエピタキシャ
ル膜15a、15bからの不純物拡散によって第1不純
物拡散領域12b、12bを形成してもよい。
【0123】(実施の形態6)図27は、本発明の実施
の形態6による電界効果型トランジスタの断面構造図て
ある。図27を参照して、本発明の実施の形態6による
電界効果型トランジスタは、基本的には図21に示した
実施の形態5による電界効果型トランジスタと同様の構
造を備えている。この実施の形態6による電界効果型ト
ランジスタでは、ゲート電極7の側面上には、サイドウ
ォール酸化膜13a、13bのみが形成されている。こ
のため、後述する製造プロセスにおいて、不純物領域1
1a、11bを形成する際ゲート電極7とエピタキシャ
ル膜15a、15bとの間の間隙24a、24b(図2
8参照)の上部および底部の平面積を大きくすることが
できる。このため、半導体基板1の主表面に不純物領域
11a、11bを形成するための不純物が十分半導体基
板1の主表面まで到達できないという問題の発生を防止
することができる。
【0124】次に、図28および29を参照して、以下
に本発明の実施の形態6による電界効果型トランジスタ
の製造プロセスを説明する。
【0125】まず、図22〜24に示した本発明の実施
の形態5の製造プロセスを実施した後、図28を参照し
て、サイドウォール酸化膜9(図24参照)とシリコン
酸化膜8(図24参照)とを除去する。そして、ボロン
やフッ化ボロンなどのp型の不純物を、ゲート電極7と
エピタキシャル膜15a、15bとをマスクとして用
い、斜め回転イオン注入法により間隙24a、24bを
介して半導体基板1の主表面に注入する。こうしてp型
の不純物領域11a、11bを形成する。このように、
エピタキシャル膜15a、15bをマスクとして用いる
ので、特別なマスクなどを必要とせずに、ソース・ドレ
イン領域となる第1不純物拡散領域12a、12bとチ
ャネル領域22との界面下方近傍の領域のみに、自己整
合的に不純物領域11a、11bを形成することが可能
となる。また、p型不純物を注入する際、ゲート電極7
の側面からサイドウォール酸化膜9を除去しているの
で、間隙24a、24bの上部および底部の平面積を大
きくすることができる。このため、半導体基板1の主表
面にp型の不純物が十分到達できないことを防止するこ
とが可能となる。
【0126】図28に示した工程の後、図29を参照し
て、ゲート電極7の側面上にサイドウォール酸化膜13
a、13bを形成する。そして、ゲート電極7とサイド
ウォール酸化膜13a、13bとをマスクとして、ヒ素
あるいはリンなどのn型の不純物をイオン注入すること
により、ソース・ドレイン領域の一部となる第2不純物
拡散領域14a、14bを形成する。このように、ソー
ス・ドレイン領域の一部となる第2不純物拡散領域14
a、14bをイオン注入により形成するので、注入する
イオンの種類を変えることで第2不純物拡散領域14
a、14bの導電型を変更することができる。このた
め、同じ半導体基板上にn型およびp型を含む相補型の
電界効果型トランジスタを形成する場合、不純物を予め
ドープされた半導体層を形成し、この半導体層から不純
物を拡散させることによってソース・ドレイン領域を形
成する方法より工程数を削減することができる。また、
このイオン注入の際、エピタキシャル膜15a、15b
にもn型不純物が注入されるので、このエピタキシャル
膜15a、15bの抵抗を低減することができる。その
結果、エピタキシャル膜15a、15bの抵抗が大きい
ことに起因する半導体装置の素子特性の劣化を防止する
ことができる。
【0127】その後、熱処理などを行ない、図27に示
すような電界効果型トランジスタを製造する。
【0128】(実施の形態7)図30は、本発明の実施
の形態7による電界効果型トランジスタの断面構造図で
ある。図30を参照して、本発明の実施の形態7による
電界効果型トランジスタは、基本的には、図1に示した
実施の形態1による電界効果型トランジスタと同様の構
造を備える。この実施の形態7による電界効果型トラン
ジスタでは、ソース・ドレイン領域12a、12b上に
形成されたエピタキシャル膜を自己整合的に金属シリサ
イド膜20a、20bとしたサリサイド構造(Self Ali
gned Silicide )としている。ここで、金属シリサイド
はシリコンよりも不純物の射影飛程度Rpが小さいた
め、金属シリサイド膜20a、20bの膜厚は、シリコ
ンのエピタキシャル膜の膜厚よりも薄くすることができ
る。そのため、金属シリサイド膜20a、20bを形成
するために形成するシリコンのエピタキシャル膜の膜厚
も薄くすることができる。このエピタキシャル膜の形成
過程においては、そのエピタキシャル膜の膜厚を厚く形
成するほど、周辺の構造とエピタキシャル膜とが結合す
るといったような形成不良が起きやすい。そのため、エ
ピタキシャル膜の膜厚を薄くすることが可能になったこ
とにより、このような形成不良を防止することが可能と
なる。
【0129】(実施の形態8)図31は、本発明の実施
の形態8による電界効果型トランジスタの断面構造図で
ある。図31を参照して、本発明の実施の形態8による
電界効果型トランジスタは、基本的には図18に示した
実施の形態4による電界効果型トランジスタと同様の構
成を備える。ただし、この実施の形態8による電界効果
型トランジスタでは、ソース・ドレイン領域12a、1
2b、14a、14b上に金属層21a、21bが形成
されている。また、ソース・ドレイン領域12a、12
b、14a、14bは、第1不純物拡散領域12a、1
2bと第2不純物拡散領域14、14bとからなるLD
D構造を有している。実施の形態8に示した電界効果型
トランジスタでは、このように、シリコンに比べて抵抗
の小さい金属層21a、21bを、ソース・ドレイン領
域12a、12b、14a、14b上に形成するので、
ソース・ドレイン領域12a、12b、14a、14b
の抵抗の増大を防止することができる。その結果、ソー
ス・ドレイン領域12a、12b、14a、14bの抵
抗の増大に起因する増幅率やスイッチングスピードなど
といった素子特性の劣化を防止することができる。
【0130】次に、図32〜35を参照して、以下に本
発明の実施の形態8による電界効果型トランジスタの製
造プロセスを説明する。
【0131】まず、図2および3に示した本発明の実施
の形態1の製造プロセスを実施した後、図32を参照し
て、ゲート電極7をマスクとして、ヒ素またはリンなど
のn型の不純物をイオン注入する。これにより、第1不
純物拡散領域12a、12bを形成する。
【0132】次に、図33を参照して、ゲート電極7と
シリコン酸化膜8との側面上にサイドウォール酸化膜9
を形成する。そして、ゲート電極7およびサイドウォー
ル酸化膜9の下のゲート絶縁膜6を残して、他のシリコ
ン酸化膜を除去する。そして、ゲート電極7とサイドウ
ォール酸化膜9とをマスクとして、ヒ素またはリンなど
のn型の不純物をイオン注入することにより、第2不純
物拡散領域14a、14bを形成する。
【0133】次に、図34を参照して、半導体基板1の
主表面が露出しているソース・ドレイン領域12a、1
2b、14a、14b上にUHV−CVD法を用いて、
選択的に金属層21a、21bを形成する。このよう
に、ソース・ドレイン領域12a、12b、14a、1
4b上にシリコンに比べて抵抗の小さい金属層21a、
21bを形成するので、ソース・ドレイン領域12a、
12b、14a、14bの抵抗の増大を防止することが
できる。その結果、ソース・ドレイン領域12a、12
b、14a、14bの抵抗の増大に起因する増幅率やス
イッチングスピードなどの素子特性の劣化を防止するこ
とができる。
【0134】次に、図35を参照して、サイドウォール
酸化膜9とシリコン酸化膜8とをエッチングにより除去
することにより、間隙25a、25bを形成する。そし
て、ボロンやフッ化ボロンなどのp型の不純物を、ゲー
ト電極7と金属層21a、21bとをマスクとして用
い、間隙25a、25bを介して半導体基板1の主表面
にイオン注入する。このように、金属層21a、21b
をマスクとして用いるので、特別なマスクなどを必要と
せず、ソース・ドレイン領域12a、12b、14a、
14bとチャネル領域22との界面下方近傍の領域のみ
に、自己整合的に不純物領域11a、11bを形成する
ことが可能となる。その後、熱処理などを実施し、図3
1に示すような電界効果型トランジスタを形成する。ま
たここで、シリコン面が出ている領域に選択的に堆積さ
せることができる材料であれば、誘電体を用いてもよ
い。
【0135】(実施の形態9)図36は、本発明の実施
の形態9による電界効果型トランジスタの断面構造図で
ある。図36を参照して、本発明の実施の形態9による
電界効果型トランジスタは、基本的には図1に示した実
施の形態1による電界効果型トランジスタと同様の構造
を備えている。しかし、本発明の実施の形態9による電
界効果型トランジスタでは、p型の不純物領域11a、
11bがチャネル領域22とソース・ドレイン領域12
a、12bとの境界領域下に位置する領域近傍から、ゲ
ート電極7中央部下に位置する領域にまで延在するよう
に形成されている。このため、ゲート電極7中央部下に
位置する領域のp型の不純物の濃度を高くすることが可
能となる。その結果、ソース・ドレイン領域12a、1
2bとチャネル領域22との界面近傍以外の領域におけ
るリーク電流や接合容量の増大を防止しつつ、電界効果
型トランジスタのしきい値電圧を上昇させることができ
る。このように低接合リーク電流でかつ高いしきい値電
圧を有する電界効果型トランジスタはDRAM(Dynami
c Random Access Memory)のメモリセルに用いる電界効
果型トランジスタとして有用である。
【0136】次に、図37を参照して、以下に本発明の
実施の形態9の製造プロセスを説明する。
【0137】まず、図2〜5に示した実施の形態1の製
造プロセスを実施した後、サイドウォール酸化膜9とシ
リコン酸化膜8とをエッチングにより除去することによ
り、図37に示すような構造を得る。そして、ボロンや
フッ化ボロンなどのp型の不純物を、ゲート電極7とエ
ピタキシャル膜10a、10bとをマスクとして用い、
斜め回転イオン注入法により間隙24a、24bを介し
て半導体基板1の主表面に注入する。こうしてp型の不
純物領域11a、11bを形成する。
【0138】このp型の不純物の注入の際、イオンの注
入角度を大きく傾けることにより、チャネル領域22と
ソース・ドレイン領域12a、12bとの界面下方近傍
の領域から、ゲート電極7中央部下の領域にまで延在す
るように不純物領域11a、11bを形成する。このと
き、ボロンを注入する際の条件としては、注入エネルギ
ー15keV〜40keV、ドーズ量5E14〜3E1
3cm-2、注入角度15〜45°が好ましい。
【0139】このようにして、ゲート電極7中央部下の
領域近傍のp型の不純物の濃度を高くすることが可能と
なる。その結果、ソース・ドレイン領域12a、12b
とチャネル領域22との界面近傍の領域以外の領域にお
けるリーク電流や接合容量の増大を防止しつつ、電界効
果型トランジスタのしきい値電圧を上昇させることがで
きる。
【0140】その後、熱処理を行なうことにより、エピ
タキシャル膜10a、10bからn型の不純物を半導体
基板1の主表面へ拡散させることによって、ソース・ド
レイン領域12a、12bを形成する。このようにし
て、図36に示すような電界効果型トランジスタを形成
する。
【0141】(実施の形態10)本発明の実施の形態1
0に係る電界効果型トランジスタについて図を用いて説
明する。図38を参照して、実施の形態10に係る電界
効果型トランジスタは、基本的には、図1に示した実施
の形態1に係る電界効果型トランジスタと同様の構造を
備えている。特に、本実施の形態に係る電界効果型トラ
ンジスタでは、ゲート電極7は、エピタキシャル膜10
a、10bによって挟まれた領域上に熱酸化膜30を介
在させて形成されている。
【0142】上述した電界効果型トランジスタにおいて
も、実施の形態1において説明したように、不純物領域
11a、11bにより、パンチスルー現象の発生を抑制
することができるとともに、ソース・ドレイン領域12
a、12bとそのソース・ドレイン領域12a、12b
の下方の半導体基板1の領域との界面近傍における接合
リーク電流や接合容量の増大を抑制することができる。
【0143】次に、実施の形態10に係る電界効果型ト
ランジスタの製造方法の一例について図を用いて説明す
る。実施の形態1において説明した図2に示す工程の
後、図39を参照して、パッド酸化膜3上にシリコン窒
化膜(図示せず)を形成する。そのシリコン窒化膜上に
レジスト(図示せず)を形成する。そのレジストをマス
クとして、シリコン窒化膜およびパッド酸化膜に異方性
エッチングを施すことにより、シリコン窒化膜31およ
びパッド酸化膜3を形成する。
【0144】次に図40を参照して、実施の形態1にお
いて説明した図5に示す工程と同様に、露出している半
導体基板の表面上に、UHV−CVD法により、選択的
にエピタキシャル膜10a、10bを形成する。このと
き、n型のエピタキシャル膜10a、10bを、成長条
件を制御することにより、その断面形状が実質的に台形
になるように形成する。
【0145】次に図41を参照して、実施の形態1にお
いて説明した図6に示す工程と同様に、シリコン窒化膜
31とエピタキシャル膜10a、10bとをマスクとし
て、斜め回転イオン注入法により間隙26a、26bを
介してボロンやフッ化ボロンなどのp型の不純物を半導
体基板1に注入する。このとき、不純物としてボロンの
場合には、注入条件として、注入エネルギー20〜50
keV、ドーズ量5E12〜4E13cm-2、注入角度
0〜20°が好ましい。また、不純物としてフッ化ボロ
ンの場合には、注入条件としては、注入エネルギー40
〜150keV、ドーズ量5E12〜4E13cm-2
注入角度0〜20°が好ましい。これによりp型の不純
物領域11a、11bが形成される。
【0146】次に図42を参照して、図41に示すシリ
コン窒化膜31およびパッド酸化膜3を除去する。次に
図43を参照して、熱酸化法により、半導体基板1の表
面にゲート絶縁膜6を形成する。このとき、エピタキシ
ャル膜10a、10bの表面にも、同時に熱酸化膜30
が形成される。その熱酸化膜30およびゲート絶縁膜6
上に、n型のポリシリコン膜32を形成する。そのポリ
シリコン膜32上にレジスト(図示せず)を形成する。
そのレジストをマスクとして、ポリシリコン膜32に異
方性エッチングを施すことにより、図38に示すゲート
電極7を形成する。また、熱処理を施すことにより、n
型のエピタキシャル膜10a、10bからn型の不純物
を半導体基板1に拡散させ、1対のソース・ドレイン領
域12a、12bを形成する。以上の工程を経ることに
より、図38に示す電界効果型トランジスタが完成す
る。
【0147】この製造方法によれば、不純物領域11
a、11bのp型の不純物濃度を高くしても、ソース・
ドレイン領域12a、12b下の半導体基板の不純物濃
度を低く保つことができる。これにより、電界効果型ト
ランジスタの接合リーク電流や接合容量の増大を抑制す
ることができる。また、ゲート電極7直下の不純物領域
の濃度は比較的低く抑えることができるので、電界効果
型トランジスタのしきい値電圧の低電圧化が図られ、高
駆動能力が得られる。
【0148】なお、本実施の形態では、電界効果型トラ
ンジスタとしてnチャネル型のトランジスタを示した
が、pチャネル型のトランジスタでもよい。その場合、
不純物領域11a、11bに相当するn型の不純物領域
を作製するためのイオン注入の条件としては、次の条件
が望ましい。たとえば、不純物としてリンを注入する場
合には、注入条件として、注入エネルギー40〜150
keV、ドーズ量5E12〜4E13cm-2、注入角度
0〜20°が望ましい。また、不純物としてヒ素を注入
する場合、注入条件としては、注入エネルギー80〜2
00keV、ドーズ量5E12〜4E13cm-2、注入
角度0〜20°が望ましい。
【0149】(実施の形態11)本発明の実施の形態1
1に係る電界効果型トランジスタについて図を用いて説
明する。図44を参照して、実施の形態11に係る電界
効果型トランジスタは、ゲート電極7と、ゲート絶縁膜
6と、ソース・ドレイン領域12a、12bと、チャネ
ル領域22と、n型のポリシリコンからなるエピタキシ
ャル膜10a、10bと、不純物領域33とから構成さ
れている。特に、p型の不純物領域33は、チャネル領
域22の直下近傍の半導体基板1の領域にのみ形成され
ている。またゲート電極7は、ゲート絶縁膜6および熱
酸化膜70を介在させ、チャネル領域22およびエピタ
キシャル膜10a、10b上に形成されている。なお、
これ以外の構成については実施の形態1において説明し
た図1に示す電界効果型トランジスタと同様なので同一
部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0150】上述した電界効果型トランジスタでは、チ
ャネル領域22下方の半導体基板1の領域にのみp型の
不純物領域33が自己整合的に形成されている。このた
め、その不純物領域33の不純物濃度を高く設定するこ
とができる。これにより、ソース・ドレイン領域12
a、12bから延びる空乏層の到達する距離が短縮され
て、ソース・ドレイン領域12a、12bのそれぞれの
空乏層が接近することが防止される。その結果、パンチ
スルー現象の発生を抑制することができる。
【0151】また、ソース・ドレイン領域12a、12
bの下方の半導体基板1の領域には不純物領域は形成さ
れないので、ソース・ドレイン領域12a、12bとそ
のソース・ドレイン領域12a、12b下方の半導体基
板の領域との界面近傍における電界が増大することを防
止できる。その結果、電界効果型トランジスタの接合リ
ーク電流や接合容量の低減を図ることができる。
【0152】次に、実施の形態11に係る電界効果型ト
ランジスタの製造方法の一例について図を用いて説明す
る。図45から図47に示す工程までは、実施の形態1
0において説明した図39から図40に示す工程と同様
である。次に図48を参照して、熱酸化法等により、エ
ピタキシャル膜10a、10bの表面に熱酸化膜30を
形成する。
【0153】次に図49を参照して、図48に示すシリ
コン窒化膜31を除去する。その後、エピタキシャル膜
10a、10bをマスクとして、イオン注入法により、
ボロンを半導体基板1に注入することにより、不純物領
域33を自己整合的に形成する。このとき、注入の条件
としては、注入エネルギー20〜50keV、ドーズ量
5E12〜2E13cm-2が好ましい。この場合、エピ
タキシャル膜10a、10bの膜厚を0.1μm以上に
しておけば、エピタキシャル膜10a、10bの領域に
注入されたボロンは、ほとんどエピタキシャル膜10
a、10b中に存在する。また、エピタキシャル膜10
a、10bを突き抜けたボロンも、その後形成されるソ
ース・ドレイン領域12a、12b中に存在する。ま
た、不純物としてフッ化ボロンを注入する場合には、注
入条件としては、注入エネルギー40〜150keV、
ドーズ量5E12〜2E13cm-2が望ましい。
【0154】次に図50を参照して、図49に示すパッ
ド酸化膜3を除去するとともに、ゲート絶縁膜6を形成
する。熱酸化膜30およびゲート絶縁膜6を覆うよう
に、ポリシリコン膜32を形成する。そのポリシリコン
膜32上にレジスト(図示せず)を形成する。そのレジ
ストをマスクとして、ポリシリコン膜32に異方性エッ
チングを施すことにより、図44に示すゲート電極7を
形成する。
【0155】また熱処理を施すことにより、エピタキシ
ャル膜10a、10bのn型の不純物を半導体基板1へ
熱拡散させることにより、ソース・ドレイン領域12
a、12bを形成する。以上の工程を経ることにより、
図44に示す電界効果型トランジスタが完成する。
【0156】上述した製造方法では、p型の不純物領域
33の濃度が1×1018cm-3のオーダであるのに対し
て、エピタキシャル膜10a、10bのn型の不純物濃
度は1×1019cm-3以上のオーダであるので、自己整
合的にチャネル領域22下の半導体基板1の領域にのみ
不純物領域33を形成することができる。このため、不
純物領域33の不純物濃度を高くしても、ソース・ドレ
イン領域12a、12b下のp型の不純物濃度を低く保
つことができるため、パンチスルー耐性の向上に加え
て、電界効果型トランジスタの接合リーク電流や接合容
量の増大も抑制することができる。
【0157】なお、この実施の形態では電界効果型トラ
ンジスタとして、nチャネル型の電界効果型トランジス
タを説明したが、pチャネル型の電界効果型トランジス
タであってもよい。その場合には、不純物領域33に相
当する不純物領域を形成するための注入条件としては、
不純物がリンの場合、注入エネルギー40〜150ke
V、ドーズ量5E12〜2E13cm-2であることが望
ましい。また、不純物としてヒ素の場合には、注入エネ
ルギー80〜200keV、ドーズ量5E12〜2E1
3cm-2であることが望ましい。
【0158】また、ソース・ドレイン領域12a、12
bは、エピタキシャル膜10a、10b中のn型の不純
物を熱拡散させることにより形成したが、たとえば、図
46に示す工程において、シリコン窒化膜31をマスク
として、リンまたはヒ素等のn型の不純物をイオン注入
することにより形成してもよい。また、熱酸化膜30
は、ゲート電極7とソース・ドレイン領域12a、12
bとの絶縁性を保つために形成したが、ゲート絶縁膜6
を形成する際に、エピタキシャル膜10a、10bの表
面にも同時に酸化されるため、このとき形成される熱酸
化膜を代用させてもよい。
【0159】しかし、その場合には、ゲート電極7とソ
ース・ドレイン領域12a、12bとの間の容量が増え
て電界効果型トランジスタの特性が劣化するために、熱
酸化膜30を別途形成することがやはり望ましい。その
際には、熱酸化膜30をパッド酸化膜3の膜厚よりも厚
く形成しておき、パッド酸化膜3を除去する際に、熱酸
化膜30が除去されないようにしておく必要がある。
【0160】(実施の形態12)本発明の実施の形態1
2に係る電界効果型トランジスタについて図を用いて説
明する。図51を参照して、不純物領域33の下方の半
導体基板1の領域に、さらにn型の不純物領域34が自
己整合的に形成されている。これ以外の構成について
は、実施の形態11において説明した図44に示す構造
と同様なので、同一部材には同一符号を付し、その説明
を省略する。
【0161】この構造では、n型の不純物領域33によ
って、パンチスルー耐性を劣化させることなく、チャネ
ル領域22を空乏化させることができる。これにより、
ゲート電極7とチャネル領域22とのチャネル容量が減
少し、しきい値電圧の低電圧化を図ることができる。ま
た、電界効果型トランジスタのスイッチング特性を向上
させることができる。つまり、サブスレッショルド係数
を下げることが可能である。サブスレッショルド係数と
は、サブスレッショルド特性の良好さを示す定数であ
り、この値が小さい方が、電界効果型トランジスタの良
好なスイッチング特性が得られる。以上のことは、たと
えば、T.Mizuno,IEEE Trans.Electron Devices,vol40,
p.105(1993)等に示されている。
【0162】しかしながら、上記文献に開示されている
構造では、不純物領域33に相当する不純物領域がソー
ス・ドレイン領域の下方の領域にも形成されている。こ
のため、ソース・ドレイン領域とその不純物領域との間
でパンチスルー現象が発生しやすく、1対のソース・ド
レイン領域間の耐圧が劣化することがある。
【0163】一方、本電界効果型トランジスタの構造で
は、このn型の不純物領域34は、p型の不純物領域3
3の下方の領域にのみ自己整合的に形成されて、ソース
・ドレイン領域12a、12bの下方の領域には形成さ
れていない。このため、ソース・ドレイン領域12a、
12bと不純物領域34との間で発生するパンチスルー
現象を防止することができる。その結果、1対のソース
・ドレイン領域12a、12b間の耐圧の劣化を抑える
ことができる。
【0164】次に、実施の形態12に係る電界効果型ト
ランジスタの製造方法の一例について図を用いて説明す
る。製造方法としては、実施の形態11において説明し
た製造方法と同様であるが、不純物領域34を形成する
ための付加的な工程が必要になる。すなわち、図52を
参照して、エピタキシャル膜10a、10bをマスクと
して、イオン注入法により、リンまたはヒ素などのn型
の不純物を半導体基板1に注入することにより、p型の
不純物領域33の下方の領域にのみn型の不純物領域3
4を自己整合的に形成する。その後、実施の形態11に
おいて説明した製造方法と同様の工程を経ることによ
り、図51に示す電界効果型トランジスタが完成する。
【0165】上述した製造方法では、n型の不純物領域
34は、p型の不純物領域33の下方の領域に自己整合
的に容易に形成される。この不純物領域34によって、
上述した効果を得ることができる。
【0166】(実施の形態13)本発明の実施の形態1
3に係る電界効果型トランジスタについて図を用いて説
明する。図53を参照して、実施の形態13に係る電界
効果型トランジスタでは、熱酸化膜30が形成されたエ
ピタキシャル膜10a、10bの側面上に、サイドウォ
ール窒化膜35a、35bがそれぞれ形成されている。
なお、これ以外の構成については、実施の形態11にお
いて説明した図44に示す構成と同様なので同一部材に
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0167】この電界効果型トランジスタでは、実施の
形態11において説明した電界効果型トランジスタと比
べて、サイドウォール窒化膜35a、35bを有してい
ることにより、ゲート電極7のゲート長をより短く形成
することができる。これにより、ソース・ドレイン領域
12a、12bとゲート電極7とのオーバーラップ量
や、不純物領域33の水平方向の濃度プロファイルなど
をデバイスに対応して容易に変更することができる。な
お、p型の不純物領域33を備えていることにより、実
施の形態11において説明した効果を有していることは
言うまでもない。
【0168】次に、実施の形態13に係る電界効果型ト
ランジスタの製造方法の一例について図を用いて説明す
る。まず、実施の形態11において説明した図49に示
す工程の後、図54を参照して、熱酸化膜30上にシリ
コン窒化膜(図示せず)を形成する。そのシリコン窒化
膜に異方性エッチングを施すことにより、サイドウォー
ル窒化膜35a、35bを形成する。その後、エピタキ
シャル膜10a、10bおよびサイドウォール窒化膜3
5a、35bをマスクとして、ボロンまたはフッ化ボロ
ンなどのp型の不純物をイオン注入法により半導体基板
に注入することにより、不純物領域33を形成する。
【0169】次に図55を参照して、熱酸化膜30およ
びサイドウォール窒化膜35a、35bを覆うように、
n型のポリシリコン膜32を形成する。そのポリシリコ
ン膜32上にレジスト(図示せず)を形成する。そのレ
ジストをマスクとしてポリシリコン膜32に異方性エッ
チングを施すことにより、図53に示すゲート電極7を
形成する。また、熱処理を施すことにより、エピタキシ
ャル膜10a、10bのn型の不純物を半導体基板1へ
熱拡散させてソース・ドレイン領域12a、12bを形
成する。以上の工程を経ることにより、図53に示す電
界効果型トランジスタが完成する。
【0170】上述した製造方法では、サイドウォール窒
化膜35a、35bを形成した後に、イオン注入法によ
って不純物領域33を形成したが、サイドウォール窒化
膜35a、35bを形成する前にイオン注入を施しても
よい。以上説明したように、サイドウォール窒化膜35
a、35bを形成することにより、その後に形成される
ゲート電極のゲート長をより短くすることができる。こ
れにより、ソース・ドレイン領域12a、12bとゲー
ト電極7とのオーバーラップ量を容易に変えることがで
きる。また、p型の不純物領域33の水平方向の濃度プ
ロファイルも変えることができる。
【0171】(実施の形態14)本発明の実施の形態1
4に係る電界効果型トランジスタについて図を用いて説
明する。図56を参照して、ゲート電極7は、エピタキ
シャル膜10a、10bによって挟まれた領域内に熱酸
化膜30を介在させて形成され、エピタキシャル膜10
a、10bの高さとほぼ同じになるように形成されてい
る。なお、これ以外の構成については実施の形態11に
おいて説明した図44に示す電界効果型トランジスタと
同様なので、同一部材には同一符号を付し、その説明を
省略する。
【0172】上述した電界効果型トランジスタでは、ゲ
ート電極7は、エピタキシャル膜10a、10bの向か
い合う側面にのみ熱酸化膜30を介在させて接してい
る。これにより、ゲート電極7とエピタキシャル膜10
a、10bのそれぞれとの容量が低減され、結果とし
て、ゲート電極7とソース・ドレイン領域12a、12
bのそれぞれとの容量が低減する。これにより、動作速
度などの電界効果型トランジスタの特性を向上すること
ができる。また、エピタキシャル膜10a、10bにコ
ンタクト領域を設ける面積を確保することができる。
【0173】次に、実施の形態14に係る電界効果型ト
ランジスタの製造方法の一例について図を用いて説明す
る。実施の形態11において説明した図50に示す工程
の後、図57を参照して、ポリシリコン膜32にエッチ
バックまたは化学的機械研磨(CMP)等を施すことに
より、エピタキシャル膜10a、10bのそれぞれによ
って挟まれた領域に、ゲート電極7を自己整合的に形成
する。その後、ゲート電極7およびエピタキシャル膜1
0a、10bを覆うレジスト(図示せず)を形成する。
そのレジストをマスクとして、ポリシリコン膜32aに
エッチングを施すことにより、これを除去する。その
後、レジストを除去するとともに、所定の熱処理を施す
ことにより、ソース・ドレイン領域12a、12bを形
成する。以上により、図56に示す電界効果型トランジ
スタが完成する。
【0174】上述した製造方法では、図57に示す工程
において、ゲート電極7以外のポリシリコン膜32aを
除去する必要がある。しかし、その際に必要とするレジ
ストパターンには、高いアライメントの精度が要求され
ないので、実質的には工程数が増えることに伴うデメリ
ットは少ないと考えられる。
【0175】以上各実施の形態において説明した電界効
果型トランジスタでは、n型のポリシリコンをゲート電
極としたnチャネル型のトランジスタについて説明した
が、これらの構造を、n型のポリシリコンをゲート電極
としたp型の埋込チャネル型の電界効果型トランジスタ
やp型のポリシリコンをゲート電極としたp型の表面チ
ャネル型のトランジスタなどに適用しても同様の効果を
得ることができる。
【0176】また、ゲート電極としては、ポリシリコン
のみに限られず、たとえば、図7に示すような、ポリシ
リコンの上にタングステンシリサイド膜またはチタンシ
リサイド膜などの金属シリサイド膜を形成したポリサイ
ド構造を採用してもよい。また、タングステンなどの金
属とポリシリコン膜の2層構造からなるポリメタル構造
のゲート電極を適用しても同様の効果を得ることができ
る。
【0177】さらに、ソース・ドレイン領域の抵抗を下
げるために、ゲート電極7を形成した後に、エピタキシ
ャル膜10a、10b上に形成された熱酸化膜30を除
去するとともに、エピタキシャル膜10a、10bの表
面にタングステンやチタンなどの金属膜を形成して熱処
理を施すことによりサリサイド構造を形成してもよい。
【0178】なお、今回開示された実施の形態は全ての
点で例示であって、制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図
される。
【0179】
【発明の効果】本発明の1つの局面における半導体装置
によれば、第1導電型の1対の不純物領域が1対のソー
ス・ドレイン領域のそれぞれとチャネル領域との界面の
下方近傍の半導体基板の領域にのみ形成されている。こ
れにより、第1不純物領域の第1導電型の不純物濃度を
比較的高く設定することができる。このため、ソース領
域と半導体基板の第1導電型領域との界面から延びる空
乏層(ソース空乏層)とドレイン領域と半導体基板の第
1導電型領域との界面から延びる空乏層(ドレイン空乏
層)とが到達する距離を短縮することができ、それによ
り、ソース空乏層とドレイン空乏層とが接近することを
抑制することができる。その結果、パンチスルー現象の
発生を抑制することができる。また、1対のソース・ド
レイン領域の下方近傍の半導体基板の領域には、第1不
純物領域は形成されていない。このため、第1不純物領
域の不純物濃度を高く設定したとしても、ソース・ドレ
イン領域とチャネル領域との界面下方近傍の半導体基板
の領域以外の領域において、電界が増大することを防止
することができる。その結果、ソース・ドレイン領域と
そのソース・ドレイン領域下方の半導体基板の領域との
界面において、接合リーク電流や接合容量が増大するこ
とを防止することができる。
【0180】好ましくは、ソース・ドレイン領域上に、
ゲート電極部と間隔を有して形成された、第2導電型の
1対の半導体層を含んでいることにより、第1不純物領
域を形成するためのマスクとして、この半導体層とゲー
ト電極部とを用いることができる。これにより、ゲート
電極部と半導体層との間の間隙を介して、ソース・ドレ
イン領域とチャネル領域との界面下方近傍の半導体基板
の領域にのみ、第1不純物領域を形成することができ
る。この結果、特にレジストパターンなどの余分な工程
を施すことなく、自己整合的に第1不純物領域を形成す
ることができる。
【0181】好ましくは、ゲート電極部のゲート長方向
に沿った半導体層の断面形状が、実質的に台形であるこ
とにより、ゲート電極部の側面と半導体層との間の間隙
において、間隙の側部の平面積より上部の平面積を大き
くすることができる。これにより、第1不純物領域を形
成する際に、より確実に半導体基板の領域へ第1導電型
の不純物を導入することができる。その結果、第1不純
物領域において第1導電型の不純物の濃度が十分に得ら
れて、パンチスルー耐性が劣化することが抑制される。
【0182】好ましくは、ゲート電極部のゲート長方向
に沿った半導体層の断面形状が、実質的に矩形であるこ
とにより、間隙が形成されている領域以外は、半導体層
の厚さはほぼ均一になる。これにより、半導体層の厚さ
が局所的に薄くなることに起因して、その半導体層の厚
さが薄くなった領域下の半導体基板の領域に、第1導電
型の不純物が導入されることを防止することができる。
これにより、ソース・ドレイン領域の下方近傍の半導体
基板の領域において、第1導電型の不純物濃度が高くな
ることを防止することができる。その結果、ソース・ド
レイン領域の下方近傍の半導体基板の領域と、ソース・
ドレイン領域との界面において、電界が増大することを
防止でき、接合リーク電流や接合容量の増大を抑制する
ことができる。
【0183】好ましくは、第1不純物領域のそれぞれ
は、ゲート電極部の中央下近傍の半導体基板の領域にま
で延在するように形成されていることにより、ゲート電
極部下に位置するチャネル領域近傍の第1不純物領域の
不純物濃度を高くすることができる。このため、接合リ
ーク電流や接合容量が増大することを防止することがで
きるとともに、電界効果型トランジスタのしきい値電圧
を高く設定することが可能となる。
【0184】本発明の他の局面における半導体装置によ
れば、第1不純物領域は、チャネル領域直下近傍の半導
体基板の領域に形成されているので、第1導電型の不純
物濃度を比較的高く設定することができる。これによ
り、ソース空乏層とドレイン空乏層とが到達する距離を
縮めることができ、それにより、ソース空乏層とドレイ
ン空乏層とが接近することを抑制することができる。そ
の結果、パンチスルー現象の発生を抑えることができ
る。また、ソース・ドレイン領域の下方近傍の半導体基
板の領域には、第1不純物領域は形成されていないの
で、第1不純物領域の不純物濃度を高く設定したとして
も、ソース・ドレイン領域と、ソース・ドレイン領域の
下方近傍の半導体基板の領域との界面近傍において電界
が増大することを防止できる。その結果、接合リーク電
流や接合容量が増大することを防止することができる。
【0185】好ましくは、第1不純物領域下方の半導体
基板の領域に形成された第2導電型の第2不純物領域を
含んでいることにより、パンチスルー耐性を劣化させる
ことなく、1対のソース・ドレイン領域のそれぞれによ
って挟まれたチャネル領域を空乏化させることによっ
て、チャネル領域とゲート電極部との間の容量を低減さ
せることができる。これにより、ゲート電極部に印加す
るしきい値電圧の低電圧化や、電界効果型トランジスタ
のスイッチング特性を向上させることができる。
【0186】好ましくは、半導体層の側面上に形成され
たサイドウォール絶縁膜を含んでいることにより、電界
効果型トランジスタの実効的なゲート長を短くすること
ができる。
【0187】好ましくは、ゲート電極部はゲート電極部
の上面が半導体層のそれぞれの上面とほぼ同一高さを有
するように、1対の半導体層によって挟まれた領域内を
埋込むように形成されていることにより、ゲート電極部
と半導体層のそれぞれとの接合容量の低減が図られる。
これにより、ゲート電極部と1対のソース・ドレイン領
域のそれぞれとの接合容量の低減が図られて、電界効果
型トランジスタの動作速度等を向上することができる。
【0188】好ましくは、半導体基板はシリコン単結晶
基板であり、半導体層は、エピタキシャル延長させたシ
リコンまたはシリコンゲルマニウム合金を含んでいるこ
とにより、半導体層をソース・ドレイン領域上に自己整
合的に容易に形成することができる。
【0189】本発明のさらに他の局面における半導体装
置の製造方法によれば、第1不純物領域は、少なくとも
第1のマスク部材層をマスクとして、半導体基板に第1
導電型の不純物を導入することによって、1対の領域の
間に挟まれた領域の直下近傍の半導体基板の領域に自己
整合的に形成される。このため、第1導電型の不純物の
濃度を比較的高く設定することができる。これにより、
ソース空乏層とドレイン空乏層とが到達する距離を短縮
することができ、それにより、ソース空乏層とドレイン
空乏層とが接近するのを抑制することができる。その結
果、パンチスルー現象の発生を抑制することができる。
また、1対のソース・ドレイン領域下方の半導体基板の
領域には第1不純物領域は形成されないので、第1不純
物領域の不純物濃度を比較的高く設定したとしても、ソ
ース・ドレイン領域とソース・ドレイン領域の下方の半
導体基板の領域との界面近傍において電界が増大するこ
とを防止できる。その結果、パンチスルー耐性を有し、
接合リーク電流や接合容量の低減が図られた半導体装置
を製造することができる。
【0190】好ましくは、半導体基板としてシリコン単
結晶基板を用い、マスク部材層形成工程は、1対の領域
の間に挟まれた領域上にのみ第2のマスク部材層を形成
するとともに、第1のマスク部材層として、シリコンエ
ピタキシャル成長により半導体層を形成する工程と、そ
の半導体層の表面に絶縁層を形成する工程とを含み、第
1不純物領域を形成する工程およびゲート電極部を形成
する工程は、第2のマスク部材層を除去してから行なわ
れることにより、第1のマスク部材層としての半導体層
を、エピタキシャル成長により1対の領域の間に挟まれ
た半導体基板としてのシリコン単結晶基板の領域上に自
己整合的に容易に形成することができる。
【0191】好ましくは、第2のマスク部材層を除去し
た後、第1不純物領域を形成する工程の前に、半導体層
の側面上に、サイドウォール絶縁膜を形成する工程を含
んでいることにより、電界効果型トランジスタの実効的
なゲート長をより短く設定することができる。
【0192】好ましくは、第2のマスク部材層を除去し
た後、ゲート電極部を形成する工程の前に、少なくとも
1対の第1のマスク部材層をマスクとして、半導体基板
に第2導電型の不純物を導入することにより、第1不純
物領域よりも深い位置に、第2導電型の第2不純物領域
を形成する工程を含んでいることにより、第1不純物領
域よりも深い領域に第2不純物領域が自己整合的に形成
される。これにより、パンチスルー耐性を劣化させるこ
となく、1対のソース・ドレイン領域のそれぞれによっ
て挟まれた半導体基板の領域が空乏化されて、その1対
のソース・ドレイン領域のそれぞれによって挟まれた領
域とゲート電極部との間の容量を減少させることができ
る。その結果、ゲート電極部に印加するしきい値電圧の
低電圧化や、スイッチング特性の向上が図られた電界効
果型トランジスタを製造することができる。
【0193】好ましくは、ゲート電極部を形成する工程
は、ゲート電極部の上面が半導体層のそれぞれの上面と
ほぼ同一高さを有して、1対の半導体層によって挟まれ
た領域内を埋込むように形成する工程を含んでいること
により、ゲート電極部は、1対の半導体層の側面にのみ
絶縁層を介して接するように形成される。これにより、
ゲート電極部と半導体層のそれぞれとの接合容量が低減
されて、ゲート電極部と1対のソース・ドレイン領域の
それぞれとの接合容量の低減が図られる。その結果、電
界効果型トランジスタの動作速度等の向上が図られた半
導体装置を製造することができる。
【0194】また好ましくは、マスク部材層形成工程
は、第1のマスク部材層として、ゲート電極部との間に
間隔を有するように半導体層を形成する工程を含み、第
1不純物領域を形成する工程は、半導体層およびゲート
電極部をマスクとして、半導体基板に第1導電型の不純
物を導入することにより、1対の領域の間に挟まれた領
域と1対の領域のそれぞれとの界面下方近傍の半導体基
板の領域に、第1不純物領域を形成する工程を含んでい
ることにより、第1不純物領域を形成するためのマスク
として、この半導体層とゲート電極部とを用いることが
できる。これにより、ゲート電極部と半導体層のそれぞ
れとの間の間隙を介して、第1導電型の不純物を導入す
ることにより、1対のソース・ドレイン領域によって挟
まれた領域とソース・ドレイン領域のそれぞれとの界面
下方近傍の半導体基板の領域に第1不純物領域を形成す
ることができる。その結果、付加的なレジストパターン
の形成などの工程を必要とせずに、自己整合的に第1不
純物領域を形成することができる。
【0195】また好ましくは、半導体基板としてシリコ
ン単結晶基板を用い、半導体層をエピタキシャル成長に
より形成することにより、半導体層を、半導体基板上に
自己整合的に容易に形成することができる。
【0196】また好ましくは、ゲート電極部のゲート長
方向に沿った断面形状が実質的に台形になるように、半
導体層を形成することにより、ゲート電極部の側面と半
導体層との間の間隙を、間隙の側部の平面積より上部の
平面積が大きくなるように形成することができる。この
ため、第1不純物領域を形成する際に、より確実に半導
体基板へ第1導電型の不純物を導入することができる。
その結果、第1不純物領域において第1導電型の不純物
濃度が十分に得られて、パンチスルー耐性の劣化を防止
することができる。
【0197】また好ましくは、ゲート電極部のゲート長
方向に沿った断面形状が実質的に矩形になるように、半
導体層を形成することにより、間隙を形成する領域以外
は、半導体層の厚さがほぼ均一になる。このため、半導
体層の厚さが局所的に薄くなることに起因して、その半
導体層の厚さが薄くなった領域下に位置する半導体基板
の領域に第1導電型の不純物が導入されることを防止で
きる。これによって、ソース・ドレイン領域の下方近傍
の半導体基板の領域の第1導電型の不純物濃度が高くな
ることを防止できる。この結果、ソース・ドレイン領域
とそのソース・ドレイン領域下方の半導体基板の領域と
の界面近傍において、電界が増大することを防止するこ
とができる。その結果、接合リーク電流や接合容量の低
減が図られた半導体装置を得ることができる。
【0198】また好ましくは、ゲート電極部の側面上に
サイドウォール絶縁膜を形成する工程を含み、第1不純
物領域を形成する工程は、サイドウォール絶縁膜の少な
くとも一部を除去した状態で、半導体基板に第1導電型
の不純物を導入する工程を含んでいることにより、ゲー
ト電極部の側面上からサイドウォール絶縁膜の少なくと
も一部を除去した状態で、第1導電型の不純物を導入す
るので、この不純物を導入する際に、間隙の上部および
底部の平面積を大きくすることができる。これにより、
半導体基板の領域に第1導電型の不純物が十分に到達で
きなくなることを防止することができる。その結果、第
1不純物領域において、第1導電型の不純物濃度が十分
に得られて、パンチスルー耐性の劣化を有効に防止する
ことができる。
【0199】また好ましくは、半導体層を形成する工程
は、第2導電型の不純物を含む半導体層を形成する工程
を含み、ソース・ドレイン領域を形成する工程は、半導
体層から半導体基板の主表面に第2導電型の不純物を拡
散させる工程を含んでいることにより、半導体層からの
不純物の拡散によって、半導体基板の主表面のごく浅い
領域にソース・ドレイン領域を形成することができる。
その結果、パンチスルー耐性を備え、かつ、接合リーク
電流や接合容量の増大を抑制しながら、微細な半導体装
置を形成することができる。
【0200】また好ましくは、半導体層を形成する工程
は、第2導電型の不純物を含まない半導体層を形成する
工程を含み、ソース・ドレイン領域を形成する工程は、
半導体基板の主表面と半導体層とに、第2導電型の不純
物を導入する工程を含んでいることにより、ソース・ド
レイン領域と半導体層の導電型をイオン注入する際の不
純物の導電型によって設定することができる。このた
め、同一半導体基板上に第1導電型と第2導電型の電界
効果型トランジスタを含む半導体装置を形成する際に、
予め所定の導電型の不純物を含む半導体層を形成すると
ともに、その半導体層から不純物を拡散させることによ
ってソース・ドレイン領域を形成する場合よりも、工程
数を削減することができる。
【0201】また好ましくは、ゲート電極部の側面上に
サイドウォール絶縁膜を形成する工程と、ゲート電極部
とサイドウォール絶縁膜とをマスクとして、半導体層に
第2導電型の不純物を導入する工程とを含んでいること
により、半導体層にも第2導電型の不純物が注入される
ので、半導体層の第2導電型の不純物濃度をより高く設
定することができる。そのため、半導体層の抵抗が低減
されて、半導体装置の動作速度等が向上する。
【0202】また好ましくは、第1不純物領域を形成す
る工程は、半導体層とゲート電極部とをマスクとして、
1対のソース・ドレイン領域の間に挟まれた領域と1対
のソース・ドレイン領域のそれぞれとの界面直下近傍の
半導体基板の領域から、ゲート電極部中央の下近傍の領
域にまで延在するように、斜め回転イオン注入法を用い
て形成する工程を含んでいることにより、ゲート電極部
中央下近傍の半導体基板の領域の第1不純物領域の不純
物濃度を高く設定することができる。その結果、接合リ
ーク電流や接合容量が増大するのを防止し、電界効果型
トランジスタのしきい値電圧を上昇させることができ
る。
【0203】また好ましくは、マスク部材層形成工程
は、1対の領域の間に挟まれた領域上に、第3のマスク
部材層を形成する工程と、第1のマスク部材層として、
第3のマスク部材層との間に間隔を有するように半導体
層を形成する工程とを含み、第1不純物領域を形成する
工程は、半導体層および第3のマスク部材層をマスクと
して、半導体基板に第1導電型の不純物を導入すること
により、1対の領域の間に挟まれた領域と1対の領域の
それぞれとの界面下方近傍の半導体基板の領域に第1不
純物領域を形成する工程を含み、ゲート電極部を形成す
る工程は、第3のマスク部材層を除去してから行なわれ
ることにより、第1不純物領域を形成するためのマスク
として、半導体層と第3のマスク部材層とを用いること
ができる。これにより、第3のマスク部材層と半導体層
のそれぞれとの間の間隙を介して、第1導電型の不純物
を導入することにより、1対のソース・ドレイン領域に
よって挟まれた領域とソース・ドレイン領域のそれぞれ
との界面下方近傍の半導体基板の領域に第1不純物領域
を形成することができる。その結果、付加的なレジスト
パターンの形成などの工程を必要とせずに、自己整合的
に第1不純物領域を形成することができる。また、ゲー
ト電極部をマスクとしていないので、注入等に伴うゲー
ト電極のダメージを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る電界効果型トラ
ンジスタの一断面図である。
【図2】 同実施の形態において、図1に示す電界効果
型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図であ
る。
【図3】 同実施の形態において、図2に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図4】 同実施の形態において、図3に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図5】 同実施の形態において、図4に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図6】 同実施の形態において、図5に示す工程の後
に行なわれる工程を示す断面図である。
【図7】 同実施の形態において、第1の変形例に係る
電界効果型トランジスタの一断面図である。
【図8】 同実施の形態において、第2の変形例に係る
電界効果型トランジスタの一断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態2に係る電界効果型トラ
ンジスタの一断面図である。
【図10】 同実施の形態において、図9に示す電界効
果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図であ
る。
【図11】 同実施の形態において、図10に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態3に係る電界効果型ト
ランジスタの一断面図である。
【図13】 同実施の形態において、図12に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図14】 同実施の形態において、第1の変形例に係
る電界効果型トランジスタの一断面図である。
【図15】 同実施の形態において、図14に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図16】 同実施の形態において、図15に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図17】 同実施の形態において、図16に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図18】 本発明の実施の形態4に係る電界効果型ト
ランジスタの一断面図である。
【図19】 同実施の形態において、図18に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図20】 同実施の形態において、図19に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図21】 本発明の実施の形態5に係る電界効果型ト
ランジスタの一断面図である。
【図22】 同実施の形態において、図21に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図23】 同実施の形態において、図22に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図24】 同実施の形態において、図23に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図25】 同実施の形態において、図24に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図26】 同実施の形態において、図25に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図27】 本発明の実施の形態6に係る電界効果型ト
ランジスタの一断面図である。
【図28】 同実施の形態において、図27に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図29】 同実施の形態において、図28に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図30】 本発明の実施の形態7に係る電界効果型ト
ランジスタの一断面図である。
【図31】 本発明の実施の形態8に係る電界効果型ト
ランジスタの一断面図である。
【図32】 同実施の形態において、図31に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図33】 同実施の形態において、図32に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図34】 同実施の形態において、図33に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図35】 同実施の形態において、図34に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図36】 本発明の実施の形態9に係る電界効果型ト
ランジスタの一断面図である。
【図37】 同実施の形態において、図36に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図38】 本発明の実施の形態10に係る電界効果型
トランジスタの一断面図である。
【図39】 同実施の形態において、図38に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図40】 同実施の形態において、図39に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図41】 同実施の形態において、図40に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図42】 同実施の形態において、図41に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図43】 同実施の形態において、図42に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図44】 本発明の実施の形態11に係る電界効果型
トランジスタの一断面図である。
【図45】 同実施の形態において、図44に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図46】 同実施の形態において、図45に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図47】 同実施の形態において、図46に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図48】 同実施の形態において、図47に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図49】 同実施の形態において、図48に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図50】 同実施の形態において、図49に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図51】 本発明の実施の形態12に係る電界効果型
トランジスタの一断面図である。
【図52】 同実施の形態において、図51に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図53】 本発明の実施の形態13に係る電界効果型
トランジスタの一断面図である。
【図54】 同実施の形態において、図53に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図55】 同実施の形態において、図54に示す工程
の後に行なわれる工程を示す断面図である。
【図56】 本発明の実施の形態14に係る電界効果型
トランジスタの一断面図である。
【図57】 同実施の形態において、図56に示す電界
効果型トランジスタの製造方法の1工程を示す断面図で
ある。
【図58】 従来の第1の電界効果型トランジスタの一
断面図である。
【図59】 図58に示す電界効果型トランジスタの製
造方法の1工程を示す断面図である。
【図60】 図59に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【図61】 図60に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【図62】 図61に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【図63】 図62に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【図64】 従来の第2の電界効果型トランジスタの一
断面図である。
【図65】 図64に示す電界効果型トランジスタの製
造方法の1工程を示す断面図である。
【図66】 図65に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【図67】 図66に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【図68】 図67に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【図69】 図68に示す工程の後に行なわれる工程を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板、2 素子分離領域、3 パッド酸化
膜、4 ウェル、5 チャネルカット層、6 ゲート絶
縁膜、7 ゲート電極、8 シリコン酸化膜、9,13
a,13b サイドウォール酸化膜、10a,10b,
15a,15bエピタキシャル膜、11a,11b 不
純物領域、12a,12b,14a,14b 不純物拡
散領域、16a,16b サイドウォール窒化膜、17
ポリシリコン膜、18 タングステンシリサイド膜、
19 バリアメタル層、20a,20b 金属シリサイ
ド層、21a,21b 金属層、22 チャネル領域、
23a,23b,24a,24b,25a,25b,2
6a,26b 間隙、30熱酸化膜、31 シリコン窒
化膜、32,32a ポリシリコン膜、33 不純物領
域、34 不純物領域、35a,35b サイドウォー
ル窒化膜。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界効果型トランジスタを含む半導体装
    置であって、 主表面を有する第1導電型の不純物を含む半導体基板
    と、 前記半導体基板の主表面に、所定幅のチャネル領域を挟
    んで形成された第2導電型の1対のソース・ドレイン領
    域と、 前記チャネル領域上に、ゲート絶縁膜を介在させて形成
    されたゲート電極部と、 前記チャネル領域と前記ソース・ドレイン領域のそれぞ
    れとの界面の下方近傍の前記半導体基板の領域にのみ形
    成された、前記半導体基板よりも高い不純物濃度を有す
    る第1導電型の1対の第1不純物領域とを備えた、半導
    体装置。
  2. 【請求項2】 前記ソース・ドレイン領域上に、前記ゲ
    ート電極部と間隔を有して形成された、第2導電型の1
    対の半導体層を含む、請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記ゲート電極部のゲート長方向に沿っ
    た前記半導体層の断面形状が、実質的に台形である、請
    求項2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記ゲート電極部のゲート長方向に沿っ
    た前記半導体層の断面形状が、実質的に矩形である、請
    求項2記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記第1不純物領域のそれぞれは、前記
    ゲート電極部の中央下近傍の前記半導体基板の領域にま
    で延在するように形成されている、請求項1〜4のいず
    れかに記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 電界効果型トランジスタを含む半導体装
    置であって、 主表面を有する第1導電型の不純物を含む半導体基板
    と、 前記半導体基板の主表面に、所定幅のチャネル領域を挟
    んで形成された第2導電型の1対のソース・ドレイン領
    域と、 前記チャネル領域上に、ゲート絶縁膜を介在させて形成
    されたゲート電極部と、 前記ゲート電極部と電気的に絶縁され、前記ソース・ド
    レイン領域のそれぞれの上に形成された、第2導電型の
    1対の半導体層と、 前記チャネル領域直下近傍の前記半導体基板の領域に形
    成された、前記半導体基板よりも高い不純物濃度を有す
    る第1導電型の第1不純物領域とを備えた、半導体装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1不純物領域下方の前記半導体基
    板の領域に形成された、第2導電型の第2不純物領域を
    含む、請求項6記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記半導体層の側面上に形成されたサイ
    ドウォール絶縁膜を含む、請求項6または7に記載の半
    導体装置。
  9. 【請求項9】 前記ゲート電極部は、前記ゲート電極部
    の上面が前記半導体層のそれぞれの上面とほぼ同一高さ
    を有するように、1対の前記半導体層によって挟まれた
    領域内を埋込むように形成されている、請求項6〜8の
    いずれかに記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記半導体基板はシリコン単結晶基板
    であり、 前記半導体層は、エピタキシャル成長させたシリコンま
    たはシリコンゲルマニウム合金を含む、請求項2〜9の
    いずれかに記載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 電界効果型トランジスタを含む半導体
    装置の製造方法であって、 第1導電型の半導体基板の主表面で互いに間隔を有する
    1対の領域上にのみ、第1のマスク部材層を形成するマ
    スク部材層形成工程と、 少なくとも前記第1のマスク部材層をマスクとして、前
    記半導体基板に第1導電型の不純物を導入することによ
    り、前記1対の領域の間に挟まれた領域直下近傍の前記
    半導体基板の領域に、前記半導体基板よりも高い不純物
    濃度を有する第1導電型の第1不純物領域を形成する工
    程と、 前記1対の領域の間に挟まれた領域上に、ゲート絶縁膜
    を介在させてゲート電極部を形成する工程と、 前記1対の領域に、第2導電型の1対のソース・ドレイ
    ン領域を形成する工程とを備えた、半導体装置の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記半導体基板としてシリコン単結晶
    基板を用い、 前記マスク部材層形成工程は、前記1対の領域の間に挟
    まれた領域上にのみ第2のマスク部材層を形成するとと
    もに、前記第1のマスク部材層として、シリコンエピタ
    キシャル成長により半導体層を形成する工程と、前記半
    導体層の表面に絶縁層を形成する工程とを含み、 前記第1不純物領域を形成する工程および前記ゲート電
    極部を形成する工程は、前記第2のマスク部材層を除去
    してから行なわれる、請求項11記載の半導体装置の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2のマスク部材層を除去した
    後、前記第1不純物領域を形成する工程の前に、前記半
    導体層の側面上に、サイドウォール絶縁膜を形成する工
    程を含む、請求項12記載の半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第2のマスク部材層を除去した
    後、前記ゲート電極部を形成する工程の前に、少なくと
    も1対の前記第1のマスク部材層をマスクとして、前記
    半導体基板に第2導電型の不純物を導入することによ
    り、前記第1不純物領域よりも深い位置に、第2導電型
    の第2不純物領域を形成する工程を含む、請求項12ま
    たは13に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記ゲート電極部を形成する工程は、
    ゲート電極部の上面が前記半導体層のそれぞれの上面と
    ほぼ同一高さを有して、1対の前記半導体層によって挟
    まれた領域内を埋込むように形成する工程を含む、請求
    項12〜14のいずれかに記載の半導体装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記マスク部材層形成工程は、前記第
    1のマスク部材層として、前記ゲート電極部との間に間
    隔を有するように半導体層を形成する工程を含み、 前記第1不純物領域を形成する工程は、前記半導体層お
    よび前記ゲート電極部をマスクとして、前記半導体基板
    に第1導電型の不純物を導入することにより、前記1対
    の領域の間に挟まれた領域と前記1対の領域のそれぞれ
    との界面直下近傍の前記半導体基板の領域に前記第1不
    純物領域を形成する工程を含む、請求項11記載の半導
    体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記半導体基板として、シリコン単結
    晶基板を用い、 前記半導体層を、エピタキシャル成長により形成する、
    請求項16記載の半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記ゲート電極部のゲート長方向に沿
    った断面形状が実質的に台形になるように、前記半導体
    層を形成する、請求項17記載の半導体装置の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記ゲート電極部のゲート長方向に沿
    った断面形状が実質的に矩形になるように、前記半導体
    層を形成する、請求項17記載の半導体装置の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記ゲート電極部の側面上にサイドウ
    ォール絶縁膜を形成する工程を含み、 前記第1不純物領域を形成する工程は、前記サイドウォ
    ール絶縁膜の少なくとも一部を除去した状態で、前記半
    導体基板に第1導電型の不純物を導入する工程を含む、
    請求項16〜19のいずれかに記載の半導体装置の製造
    方法。
  21. 【請求項21】 前記半導体層を形成する工程は、第2
    導電型の不純物を含む半導体層を形成する工程を含み、 前記ソース・ドレイン領域を形成する工程は、前記半導
    体層から前記半導体基板の主表面に前記第2導電型の不
    純物を拡散させる工程を含む、請求項16〜20のいず
    れかに記載の半導体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記半導体層を形成する工程は、第2
    導電型の不純物を含まない半導体層を形成する工程を含
    み、 前記ソース・ドレイン領域を形成する工程は、前記半導
    体基板の主表面と前記半導体層とに、第2導電型の不純
    物を導入する工程を含む、請求項16〜20のいずれか
    に記載の半導体装置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記ゲート電極部の側面上にサイドウ
    ォール絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート電極部と前記サイドウォール絶縁膜とをマス
    クとして、前記半導体層に第2導電型の不純物を導入す
    る工程とを含む、請求項16〜20のいずれかに記載の
    半導体装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第1不純物領域を形成する工程
    は、 前記半導体層と前記ゲート電極部とをマスクとして、前
    記1対のソース・ドレイン領域の間に挟まれた領域と前
    記1対のソース・ドレイン領域のそれぞれとの界面直下
    近傍の前記半導体基板の領域から、前記ゲート電極部中
    央の下近傍の領域にまで延在するように、斜め回転イオ
    ン注入法を用いて形成する工程を含む、請求項16〜2
    3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記マスク部材層形成工程は、前記1
    対の領域の間に挟まれた領域上に、第3のマスク部材層
    を形成する工程と、前記第1のマスク部材層として、前
    記第3のマスク部材層との間に間隔を有するように半導
    体層を形成する工程とを含み、 前記第1不純物領域を形成する工程は、前記半導体層お
    よび前記第3のマスク部材層をマスクとして、前記半導
    体基板に第1導電型の不純物を導入することにより、前
    記1対の領域の間に挟まれた領域と前記1対の領域のそ
    れぞれとの界面下方近傍の前記半導体基板の領域に前記
    第1不純物領域を形成する工程を含み、 前記ゲート電極部を形成する工程は、前記第3のマスク
    部材層を除去してから行なわれる、請求項11記載の半
    導体装置の製造方法。
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