JPH11162343A - 電子銃の製造方法 - Google Patents

電子銃の製造方法

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JPH11162343A
JPH11162343A JP32836997A JP32836997A JPH11162343A JP H11162343 A JPH11162343 A JP H11162343A JP 32836997 A JP32836997 A JP 32836997A JP 32836997 A JP32836997 A JP 32836997A JP H11162343 A JPH11162343 A JP H11162343A
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JP
Japan
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grid
electrode member
electron gun
electron beam
center
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JP32836997A
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English (en)
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Hidemi Miyamura
英美 宮村
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子銃を構成する第3グリッドのサブ組立に
おいて生じた第1電極部材と第2電極部材との中心のズ
レに基づく電子ビーム透過孔の孔ズレを最小に抑える。 【解決手段】 第1グリッド3乃至第5グリッド7を同
軸上に位置するように配置、調整して組み立てる電子銃
1の製造方法において、第1電極部材5aと第2電極部
材5bとがサブ組立されてなる第3グリッド5につい
て、独立で位置調整を行い、第1電極部材5aと第2電
極部材5bの中心のズレに起因する第3グリッドの電子
ビーム透過孔21と第2グリッドの電子ビーム透過孔1
1とのズレを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン受像
器やモニタ装置などに備えられるカラー陰極線管用の電
子銃の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー陰極線管を構成する電子銃には、
3電子銃と単電子銃とがある。このうち単電子銃は、赤
色、緑色、青色の3色に対応した電子ビームをそれぞれ
出射する3個のカソードと、これらカソードの電子ビー
ム出射面に対向して配設された複数の電極パーツとを備
えて構成されている。この複数の電極パーツは、互いに
略平行となされて配設される第1グリッド乃至第5グリ
ッドからなる。
【0003】第1グリッドは、カソードのビーム出射面
と近接対向して配設されている。第2グリッド乃至第5
グリッドは、第1グリッドに略平行となされて順次所定
の間隔を以って配設される。第1グリッド乃至第5グリ
ッドには、その中心軸に沿って、それぞれカソードのビ
ーム出射面に対向する面に各グリッドを貫通する電子ビ
ーム透過孔が形成されている。カソードから出射された
電子ビームは、各グリッドの電子ビーム透過孔内を順次
通過することによって加速、制御される。
【0004】この単電子銃の電子光学系は、傾斜されて
配設された赤色、緑色、青色の3色に対応した電子ビー
ムを出射する各カソード、第1グリット及び第2グリッ
ドから構成されるカソードレンズと、第2グリッド、G
Mグリッド及び第3グリッドから構成されるプリフォー
カスレンズと、第3グリッド、第4グリッド及び第5グ
リッドから構成される主集束レンズとにより構成され
る。
【0005】このように構成される電子銃においては、
まず、各カソードより電子ビームが出射されると、第1
グリッドにおいて、出射された電子ビームのビーム量が
制御される。この電子ビームは、第2グリッドにより所
定の電圧が印加されて加速される。このとき、電子ビー
ムは、第2グリッドの付近で交差され、そのビーム径が
最小となる。次に、電子ビームは、第2グリッドと集束
電極である第3グリッドとにより構成されるプリフォー
カスレンズにより発散が抑えられて細いビーム径とな
る。このとき、第3グリッドと第5グリッドには、アノ
ードより同電位の高電圧が印加される。これにより、第
3グリッド、第4グリッド及び第5グリッドは、主集束
レンズを構成する。電子ビームは、主集束レンズの中心
に集光された後、プリズムで屈折され、蛍光面上に集束
されることとなる。このような電子ビームの集束方法
は、フォーカス電極の両隣の電極に印加される電圧が同
電位であるので、ユニポテンシャル型と称される。
【0006】ところで、第2グリッドと第3グリッドと
は、上述したように、電子ビームを主集束レンズの中心
に向けて集束させるために、それぞれの中心と、主集束
レンズの中心とが一致するように配置される。電子ビー
ムは、第2グリッドの中心と第3グリッドの中心とがず
れて配置されていると、主集束レンズの中心に入射され
ない。電子ビームは、主集束レンズの中心からずれて斜
めに入射されることにより、蛍光面上でスポット形状が
歪むことになる。すなわち、電子ビームは、主集束レン
ズの中心からずれて斜めに入射されると、コマ収差の影
響により、蛍光面上のスポットの周囲にハレーションが
発生し、コマ収差特有の尾を引いたような左右非対称の
形状が発生することになる。従って、カラー陰極線管用
の電子銃においては、このようなスポット形状の歪みを
防止するため、光学的な絞りの位置を決定している第2
グリッドの中心と、集束電極である第3グリッドの中心
とを一致させるとともに、両グリッド中心軸に沿って貫
通している電子ビーム透過孔も一致させる必要がある。
【0007】上述したような電子銃を製造するにあたっ
ては、各グリッドの位置決めをする組立装置(以下、マ
ガジンという。)を使用して組み立てられる。このマガ
ジンには、基準プレートと、この基準プレートに対して
上方部に所定の間隔を以て平行に対峙した状態で配置さ
れる上部プレートを備えて構成されるものがある。
【0008】上記基準プレートは、その上面が各グリッ
ドを配列して電子銃を組み立てる際の基準面として構成
されるとともに、マガジン内部に配列された各グリッド
を支持する基準ビローが所定の間隔を以って設けられて
いる。また、上部プレートは、一端部が支軸に回動自在
に支持され、この支軸を支点としてマガジンを開放する
とともに、上記基準ビローの対向面に上部押さえビロー
が設けられる。この上部押さえビローは、基準ビローに
対向位置されて基準ビローと対をなし、マガジに配列さ
れた各グリッドを挟持して固定する。
【0009】各グリッドは、上述したようなマガジンの
内部に所定の間隔を以って配列された基準ビロー及び上
部押さえビローによって固定、位置決めされる。しかる
後、各グリッドは、それそれの両側から溶融したビート
ガラスを押しつけることにより、すなわちビーディング
処理を行うことによって互いに一体的に連結されて電子
銃を構成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、第3グリッ
ドは、外径を異にする2個の部材からなる複合電極パー
ツとして構成されている。この第3グリッドは、第2グ
リッドと対向される大径の第1電極部材と、第4グリッ
ドと対向される小径で軸長が大きな第2電極部材からな
る。第3グリッドは、マガジン内に供給される以前に上
記第1電極部材と第2電極部材とがサブ組立されて、そ
の後マガジン内に供給、配置される。第3グリッドは、
軸長の大きな第2電極部材が上記マガジン内に設けられ
た基準ビロー及び上部押さえビローとにより挟持され、
固定される。このため、第3グリッドは、そのマガジン
内部における位置関係が第2電極部材の外形により決め
られる。
【0011】しかしながら、第3グリッドは、上述した
サブ組立の段階で第1電極部材の中心と第2電極部材の
中心とが一致しないで組み立てられる場合、いわゆる組
立ズレが生じている場合がある。第3グリッドは、上述
したようにその第2電極部材によりマガジン内での位置
関係が決められ、第2電極部材の中心と他の各グリッド
の中心とが一致するように配置される。このため、第3
グリッドは、第1電極部材と第2電極部材とが組立ズレ
を有する場合、第1電極部材が他の各グリッドと中心が
一致しない状態となる。第3グリッドは、カソードから
の電子ビームが通過する電子ビーム透過孔が、第1電極
部材に設けられている。このため、上述した第1電極部
材と第2電極部材との組立ズレにより、第3グリッド
は、その電子ビーム透過孔のカソード側の開口部が相対
する第2グリッドの電子ビーム透過孔に対して、孔ズレ
が生じてしまう。このような孔ズレは、電子銃の性能を
劣化させるという問題を発生させる。
【0012】従来の電子銃の製造方法にあっては、上述
したような第2グリッドの電子ビーム透過孔と第3グリ
ッドの電子ビーム透過孔との孔ズレを防止すべく、第1
電極部材と第2電極部材とが組立ズレを起こしている第
3グリッドの選別を行っていた。しかしながら、この電
子銃の製造方法は、組立ズレを起こしている第3グリッ
ドが用いられないために歩溜りが悪くなり、電子銃の生
産性を低下させるとともに、組ズレが生じることを考慮
して第3グリッドをより多く製造する必要があるため製
造コストがアップしていた。
【0013】そこで本発明は、上述した事情から、第3
グリッドのサブ組立において組立ズレが生じた場合で
も、この第3グリッドを相対する第2グリッドとの電子
ビーム透過孔の孔ズレを最小に抑えて組み立てることに
より、高精度の電子銃を製造する方法を提供するもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明に係る電子銃の製造方法は、複数のグリッドを組
立装置内で位置決め支持手段によって互いに同軸上に位
置するように位置決めして組み立てる電子銃の製造方法
において、上記複数のグリッドのうち、外径を異にする
第1電極部材と第2電極部材とがサブ組立されてなり、
上記組立装置内の位置決め支持手段によって第2電極部
材が位置決めされる第3グリッドを対象として、この第
3グリッドを上記位置決め支持手段に対して独立に位置
調整を行うことにより、上記第1電極部材と第2電極部
材の中心の組立ズレによる上記第2グリッドの電子ビー
ム透過孔との孔ズレを補正して組み立てる。
【0015】本発明に係る電子銃の製造方法によれば、
第1電極部材と第2電極部材とのサブ組立において組立
ズレが生じた第3グリッドを用いることにより、第2グ
リッドの電子ビーム透過孔と第3グリッドの電子ビーム
透過孔との間に孔ズレが生じる場合であっても、組立装
置内において第3グリッドの位置を単独で調整すること
により、上記第2グリッドの電子ビーム透過孔と第3グ
リッドの電子ビーム透過孔との間の孔ズレが調整され、
水平方向のスポットサイズのバラツキ発生が制御され
る。
【0016】また、本発明に係る電子銃の製造方法によ
れば、所定の範囲で組ズレを起こしている第3グリッド
も使用が可能である、第3グリッドの選別工程を省略し
て、電子銃の生産性を向上させるとともに、製造コスト
を低減させる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る
電子銃の製造方法により製造される電子銃1は、カラー
陰極線管を構成するユニポテンシャル型と称される単電
子銃であり、図1に示すように、赤色、緑色、或いは青
色に対応した電子ビームを出射するカソード部2と、こ
のカソード部2の電子ビーム出射面に対向して配設され
た第1グリッド3乃至第5グリッド7を備えて構成され
ている。カソード部2は、図2に示すように、赤色用の
電子ビームを出射する赤色用カソード2a、緑色用の電
子ビームを出射する緑色用カソード2b、青色用の電子
ビームを出射する青色用カソード2cからなる。グリッ
ドは、図1に示すように、互いに略平行となされて配設
された第1グリッド3乃至第5グリッド7からなる。こ
のうち、第3グリッド5は、大径の第1電極部材5aと
小径で外形の大きい第2電極部材5bとが組み合わされ
て構成される複合電極パーツである。
【0018】第1グリッド3は、カソード部2の電子ビ
ーム出射面と近接対向して配設されている。第2グリッ
ド4乃至第5グリッド7は、第1グリッド3に対して略
平行となされて、順次対向して配設されている。そし
て、第1グリッド3乃至第5グリッド7には、それぞれ
カソード部2の電子ビーム出射面に対向する面に開口し
て第1グリッド3乃至第5グリッド7を貫通する電子ビ
ーム透過孔が形成されている。カソード部2から出射さ
れた電子ビームは、第1グリッド3乃至第5グリッド7
の電子ビーム透過孔内を順次通過することにより、加
速、制御されて図示しない第5グリッド7の電子ビーム
透過孔を通過して蛍光面8に向けて出射される。
【0019】この単電子銃1の電子光学系は、図2に示
すように、それぞれ軸線に対して傾斜された各カソード
2a、2b、2cと、第1グリッド3及び第2グリッド
4より構成されるカソードレンズと、第2グリッド4及
び第3グリッド5より構成されるプリフォーカスレンズ
と、第3グリッド5、第4グリッド6及び第5グリッド
7よりなる主集束レンズ9とにより構成される。
【0020】そして、この電子銃1においては、まず、
各カソード2a、2b、2cよりそれぞれ電子ビームが
出射される。これら電子ビームは、第1グリッドの電子
ビーム透過孔10を通過することにより、ビーム量を制
限される。上記電子ビームは、第2グリッドの電子ビー
ム透過孔11内を通過するときに、所定の電圧を印加さ
れて加速される。このとき、第2グリッド4の付近で
は、各電子ビームは、交差、すなわち、クロスオーバー
されてそのビーム径が最小となされる。
【0021】次に、各電子ビームは、第2グリッド4と
集束電極である第3グリッド5とにより構成されるプリ
フォーカスレンズにより発散が抑えられ、細いビーム径
となる。このとき、第3グリッド5と第5グリッド7に
は、図示しないアノードより同電位の高電圧が印加され
る。すなわち、この電子銃1においては、フォーカス電
極となる第4グリッド6の両側に配置された第3グリッ
ド5及び第5グリッド7に印加される電圧が同電位とな
る。これにより第3グリッド5、第4グリッド6及び第
5グリッド7は、主集束レンズ9を構成する。各電子ビ
ームは、主集束レンズ9に入射して、その中心に集束さ
れた後、プリズム12で屈折され、上記蛍光面8上に集
束される。
【0022】上述した電子銃1は、図3に示すように、
第1グリッド3、第2グリッド4、第3グリッド5、第
4グリッド5及び第5グリッド6の各グリッドがこの順
でマガジン13内に配列されて組み立てられてなる。な
お、マガジン13は、縦型マガジンが使用される。
【0023】マガジン13は、図3に示すように、第1
グリッド3乃至第5グリッド7の位置決め支持手段であ
るビロー14a乃至16a、14b乃至16bと第1グ
リッド3乃至第5グリッド7相互のマガジン13内での
位置を測定するレーザ変位計17が備えられる。ビロー
14a乃至16a及び14b乃至16bは、マガジン内
部に左右一対として複数組配設される。ビロー14a、
14bは、互いに対向位置されて対をなす2組の支持手
段であり、その間に第3グリッド5の第2電極部材5b
が支持される。また、ビロー15a、15bは、互いに
対向位置されて対をなし、その間に第4グリッド6が支
持される。さらに、ビロー16a、16bは、互いに対
向位置されて対をなす2組の支持手段であり、その間に
第5グリッド7が支持される。レーザ変位計17は、図
4に示すように、マガジン13を挟んで対向位置するレ
ーザ出射部17aとレーザ受光部17bとを備えて配設
される。レーザ変位計17は、レーザ出射部17aから
レーザ光が出射される。このレーザ光は、その間に第1
グリッド3乃至第5グリッド7が存在するとその外形に
より遮光される。レーザ受光部17bは、この遮光の有
無を関知して、第1グリッド3乃至第5グリッド7のマ
ガジン13内での位置を測定する。また、レーザ変位計
は、図示しないエレベータ機構を介して高さ方向に昇降
自在な構造とされる。
【0024】電子銃1は、上記マガジン13に第1グリ
ッド3乃至第5グリッド7を配列して組み立てる前工程
として、上述したよう第1電極部材5aと第2電極部材
5bとで構成される第3グリッド5のサブ組立が行われ
る。第3グリッド5は、このサブ組立段階において、第
1電極部材5aの中心と第2電極部材5bの中心がずれ
て組み立てられる、いわゆる組立ズレが生じる場合があ
る。そこで、電子銃1の組立は、まず第1グリッド3乃
至第5グリッド7をマガジン13内に配列する前に、第
3グリッド5の第1電極部材5aと第2電極部材5bの
中心のズレ量の測定及び第3グリッド5のマガジン13
内での位置調整量の算出が行われる。その後、各グリッ
ドをマガジン13内に配列し、上述した第3グリッド5
の位置調整量の算出結果に基づいて、マガジン13内に
配置された第3グリッド5の位置調整を行う。
【0025】以下、上述した電子銃1の製造方法を図5
に示すフローチャートを参照しながら説明する。電子銃
1は、第1グリッド3乃至第5グリッド7の全体組立に
先行して第3グリッド5のサブ組立が行われる。第3グ
リッド5は、上述したように、第1電極部材5aと第2
電極部材5bとで構成される複合電極パーツからなる。
第3グリッド5は、図3に示すように、軸長の大きな第
2電極部材5bが、ビロー14a、14bに挟持されて
マガジン13内での位置が決められる。このため、電子
銃1は、このような組立ズレが生じた第3グリッド5が
配置されて組み立てられた場合、図6に示すように、第
3グリッド5と他のグリッドとの中心軸にズレが生じ性
能が劣化するという問題が生じる。そこで、組立ズレが
生じた第3グリッド5の第1電極部材5aと第2電極部
材5bの中心のズレ量を接触式三次元測定機で測定する
(ステップ1)。ズレ量の測定方法としては、図7に示
すように、第3グリッド5の第1電極部材5aに設けら
れた第3グリッドのインデックス孔18を基準として、
第2電極部材5bの外周上のポイントを多点で測定し、
第2電極部材5bの中心を求め、第1電極部材5aとの
ズレ量を求める。
【0026】次に、組立ズレが生じている第3グリッド
5をマガジン13内に配置した場合の位置調整量を算出
する(ステップ2)。組立ズレが生じている第3グリッ
ド5は、図3に示すように、マガジン13内に他のグリ
ッドとともに供給、配置される。第3グリッド5は、そ
の位置が第2グリッドにより決定される。すなわち、第
3グリッド5には、図3に示すように、第2グリッドの
インディックス孔19に挿通されているマガジン13の
インデックスピン20が第1電極部材5aに設けられた
第3グリッドのインディックス孔18に挿通される。こ
のため、第3グリッド5は、その第1電極部材5aの中
心が第2グリッド4の中心と揃うように位置決めされて
いる。また、第3グリッドの電子ビーム透過孔21は、
上述したように、そのカソード部2側の開口部が第1電
極部材5aの中心軸に沿って設けられているため、第2
グリッド4の電子ビーム透過孔11と揃っている。すな
わち、第3グリッドの電子ビーム透過孔21は、マガジ
ン13内に配置される時点では第2グリッドの電子ビー
ム透過孔11とずれていない。これに対し、第3グリッ
ド5の第2電極部材5bは、第1電極部材5bとその中
心がずれているため、第2グリッド4及び第3グリッド
5の第1電極部材5aの中心に対してズレている状態で
マガジン13内に供給された状態にある。
【0027】上述したような状態では、第2グリッドの
電子ビーム透過孔11と第3グリッドの電子ビーム透過
孔18の開口部は、図8に示すように、第3グリッド5
の第2電極部材5bの中心と第5グリッド7の中心を結
ぶ基準軸となる直線(以下、基準線22という。)に対
して、ズレが生じている。
【0028】この時、図9に示すように、第3グリッド
5を図中矢印方向(水平方向)に移動させて調整する
と、第2グリッドの電子ビーム透過孔11と基準線22
とのズレは小さくなるが、第2グリッドの電子ビーム透
過孔11と第3グリッドの電子ビーム透過孔21の相対
的な孔ズレが大きくなる。電子銃1は、各グリッドの中
心軸がずれて電子ビーム透過孔が一致しないと、電子ビ
ームの軌道に悪影響を与えるためその性能が劣化する。
このため、第2グリッドの電子ビーム透過孔11の基準
線22に対する孔ズレを小さくするとともに、第2グリ
ッドの電子ビーム透過孔11と第3グリッドの電子ビー
ム透過孔21の相対的な孔ズレを生じさせない調整組立
を行う必要がある。
【0029】そこで、以下のような方法で第3グリッド
5を調整して、第2グリッドの電子ビーム透過孔11の
基準線22に対する孔ズレを小さくするとともに、第2
グリッドの電子ビーム透過孔11と第3グリッドの電子
ビーム透過孔21の相対的な孔ズレが大きくなることを
防ぐ。
【0030】まず、電子銃1の基準線22と、第2グリ
ッド4と第3グリッド5の第1電極部材5aの中心を通
る直線との角度θは、図8に示すように、次のようにな
る。
【0031】tanθ=G3BS/(G3BC−G5C) θ=tan-1[G3BS/(G3BC−G5C)] G3BS:第3グリッド5の第1電極部材5aに対する
第2電極部材5bのズレ量 G3BC−G5C:第3グリッド5の第2電極部材5a
の中心と第5グリッド7の中心との距離 次に、上記式で求めた角度θを使って、第3グリッド5
の調整ポイントA、及びBにおける調整量XA及びXB
求める。
【0032】XA=α[tanθ/(G3BC−G3B
A)] XB=−α[tanθ/(G3BB−G3BC)] G3BC:第2電極部材5bの中心位置 G3BA:第2電極部材5bの第1電極部材5a側の調
整ポイント G3BB:第2電極部材5bの第1電極部材5aと反対
側の調整ポイント α:実験より求められた補正値 ここで、第3グリッド5の調整量を求めるときに、補正
係数αを掛けているのは、θだけ第3グリッド5を回転
させると、第2グリッド4及び第3グリッド5の傾きが
大きくなりすぎ、逆にビーム軌道に悪影響を与えるた
め、実験より求めた補正値を乗じる。
【0033】そして、第3グリッド5の位置調整量は、
上述した方法により求めた式に、ステップ1において測
定した第3グリッド5の第1電極部材5aと第2電極部
材5bとのズレ量を代入して算出する。
【0034】次に、各グリッドをマガジン13に供給、
配列して、第3グリッド5の位置調整を行う(ステップ
3)。各グリッドは、図3に示すように、マガジン13
内に順次所定の間隔を以て配列される。
【0035】第3グリッド5は、図3に示すように、そ
の第1電極部材5aに挿通されるインディックスピン2
0により位置決めされるため、第2電極部材5bだけが
各グリッドの中心軸からずれている状態でマガジン13
内に配列される。そこで、第3グリッド5は、調整点ポ
イントA、Bにおいてステップ2で算出した位置調整量
に基づいて、このマガジン13内での第2電極部材5b
のズレが補正される。この第3グリッド5の位置調整
は、図10に示すように、ポイントAを図中下方向に、
ポイントBを図中上方向にそれぞれ押圧して、第3グリ
ッド5を回転させるようにして行う。
【0036】この回転調整により、第2電極部材5bの
第1電極部材5a側が下方向に押圧されるため、第1電
極部材5aが下方に移動して基準線22に近づく。従っ
て、第3グリッドは、その電子ビーム透過孔21は、図
10に示すように、基準線22とのズレ量が小さくな
る。
【0037】また、第2グリッド4と第3グリッド5の
第1電極部材5aは、それぞれのインデックス孔19、
18に挿通されるインデックスピン20によって繋がれ
ているため、上述したように第3グリッド5を回転調整
して第1電極部材5aが下方向に移動されると、インデ
ックスピン17がたわみ、第2グリッド4も同方向に動
く。従って、第3グリッドの電子ビーム透過孔21は、
この回転調整により、第2グリッドの電子ビーム透過孔
11との相対的な孔ズレが大きくならない。
【0038】上述したような第3グリッド5の回転調整
後に、マガジンをロックしてビーディング処理、組立を
行う(ステップ4)。ビーディング処理は、マガジン1
3のそれぞれの両側から溶融したビートガラスを押しつ
けることにより行う。電子銃1は、このビーディング処
理により、互いに一体的に連結されて構成される。
【0039】
【発明の効果】上述したように、本発明の係る電子銃の
製造方法によれば、第3グリッドの電極部材のサブ組立
に組ズレがある場合でも、ビーディングマガジン内で第
3グリッドを単独で回転調整することにより、第3グリ
ッドの電子ビーム透過孔と基準線とのズレを小さくする
とともに、第2グリッドと第3グリッドのビーム透過孔
の孔ズレが大きくなることを防ぐため、製造された電子
銃における水平方向のスポットサイズのバラツキを抑え
ることができる。このため、本発明に係る電子銃の製造
方法で製造される電子銃は、各グリッドの孔ズレを抑え
てカラー陰極線管のフォーカス特性を安定化させる。
【0040】また、本発明の係る電子銃の製造方法によ
れば、組ズレが生じた第3グリッドをも用いるため、第
3グリッドの選別工程を省略して電子銃の生産性を向上
させることができるとともに、製造コスト低減させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子銃の構成図である。
【図2】電子銃の電子光学系を示す構成図である。
【図3】同マガジン内に各グリッドを配列した状態を説
明するための模式図である。
【図4】同マガジンの要部水平断面図である。
【図5】同製造方法の製造工程を説明するためのフロー
チャートである。
【図6】第2グリッドの中心と第3グリッドの第1電極
部材の中心を一致させてマガジン内に配列した状態を説
明するための模式図である。
【図7】同製造方法の第3グリッドのズレ量を接触式三
次元測定機を用いて測定する工程において、第3グリッ
ドを測定する箇所を説明するための図である。
【図8】同マガジン内に配列された各グリッドに対して
第3グリッドの位置調整を説明するための模式図であ
る。
【図9】同マガジン内に配列された各グリッドに対して
第3グリッドを平行移動させる位置調整を説明するため
の模式図である。
【図10】同マガジン内に配列された各グリッドに対し
て第3グリッドを回転させる位置調整を説明するための
模式図である。
【符号の説明】
1,電子銃 2カソード部 3,第1グリッド 4,第
2グリッド 5,第3グリッド 5a,第1電極部材
5b,第2電極部材 6,第4グリッド 7,第5グリ
ッド 11,第2グリッドの電子ビーム透過孔 13,
マガジン 14乃至16,ビロー 17,レーザ変位計
18第3グリッドのインディックス孔19,第2グリ
ッドのインディックス孔 20,インディックスピン
21,第3グリッドの電子ビーム透過孔 22,基準線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のグリッドを組立装置内で位置決め
    支持手段によって互いに同軸上に位置するように位置決
    めして組み立てる電子銃の製造方法において、 上記複数のグリッドのうち、外径を異にする第1電極部
    材と第2電極部材とがサブ組立されてなり、上記組立装
    置内の位置決め支持手段によって第2電極部材が位置決
    めされる第3グリッドを対象として、 この第3グリッドを上記位置決め支持手段に対して独立
    に位置調整を行うことにより、上記第1電極部材と第2
    電極部材の中心の組立ズレによる上記第一電極部材と対
    向する第2グリッドの電子ビーム透過孔との孔ズレを補
    正して組み立てることを特徴とする電子銃の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第3グリッドの位置調整は、 上記第3グリッドを構成する第1電極部材と第2電極部
    材との組立ズレ量を測定し、 この測定結果に基づいて上記第3グリッドの位置調整に
    必要な調整量を計算し、 この調整量に基づいて上記第3グリッドを上記位置決め
    支持手段に対して独立に回転させて行うことを特徴とす
    る請求項1に記載の電子銃の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第3グリッドは、上記第1電極部材
    と第2電極部材との組立ズレ量が、接触式三次元測定機
    を使用して上記第2電極部材の外周上の多点箇所につい
    て測定されることを特徴とする請求項2に記載の電子銃
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第3グリッドは、 その位置調整量が、位置調整量を決定する XA=α[tanθ/(G3BC−G3BA)] XB=−α[tanθ/(G3BB−G3BC)] tanθ:第3グリッドの第1電極部材と第2電極部材と
    のズレ量を第3グリッド第2電極部材の中心と第5グリ
    ッドの中心との距離で除した数 G3BC:第2電極部材の中心位置 G3BA:第2電極部材の第1電極部材側の調整ポイン
    ト G3BB:第2電極部材の第1電極部材と反対側の調整
    ポイント α:実験より求めた補正値 式に上記第1電極部材と第2電極部材との組立ズレ量
    を、代入して算出することを特徴とする請求項2に記載
    の電子銃の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記組立装置は、 上記各グリッドに対して少なくとも一対が設けられ、各
    グリッドを挟持して同軸上に配列する調整可能な複数組
    のビローからなる位置決め支持手段によって構成され、 上記各グリッドの相互の位置を測定するレーザ変位計と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子銃の製
    造方法。
JP32836997A 1997-11-28 1997-11-28 電子銃の製造方法 Withdrawn JPH11162343A (ja)

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