JPH11162332A - 電界放出型冷陰極の製造方法 - Google Patents
電界放出型冷陰極の製造方法Info
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- JPH11162332A JPH11162332A JP33024797A JP33024797A JPH11162332A JP H11162332 A JPH11162332 A JP H11162332A JP 33024797 A JP33024797 A JP 33024797A JP 33024797 A JP33024797 A JP 33024797A JP H11162332 A JPH11162332 A JP H11162332A
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- Japan
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- gate electrode
- emitter
- electrode layer
- opening
- conductive substrate
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/02—Manufacture of electrodes or electrode systems
- H01J9/022—Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
- H01J9/025—Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of field emission cathodes
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】低電圧で均一な電子放出を実現する電界放出型
冷陰極の製造方法を提供する。 【解決手段】導電性基板3上に絶縁層2およびゲート電
極層1をこの順で形成した後、絶縁層3およびゲート電
極層1をエッチングし、導電性基板3に達する開口部を
形成する。その後、導電性基板3に対して垂直方向か
ら、開口部の底面に露出した導電性基板3の表面および
ゲート電極層1の表面にエミッタ材料を堆積し、開口部
内に先鋭化されたエミッタチップ5を形成する。次いで
ゲート電極層1上部に堆積したエミッタ材料を除去し、
電界放出型冷陰極を完成する。
冷陰極の製造方法を提供する。 【解決手段】導電性基板3上に絶縁層2およびゲート電
極層1をこの順で形成した後、絶縁層3およびゲート電
極層1をエッチングし、導電性基板3に達する開口部を
形成する。その後、導電性基板3に対して垂直方向か
ら、開口部の底面に露出した導電性基板3の表面および
ゲート電極層1の表面にエミッタ材料を堆積し、開口部
内に先鋭化されたエミッタチップ5を形成する。次いで
ゲート電極層1上部に堆積したエミッタ材料を除去し、
電界放出型冷陰極を完成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、CRT、電子顕微鏡、電子ビーム露光装
置、および各種電子ビーム装置の電子ビーム源として利
用することが可能な電界放出型冷陰極に関する。
ィスプレイ、CRT、電子顕微鏡、電子ビーム露光装
置、および各種電子ビーム装置の電子ビーム源として利
用することが可能な電界放出型冷陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体微細加工技術を用いて、導
電性基板、絶縁層、ゲート電極層およびそれらの開口部
内に先鋭化された陰極エミッタを一体化して形成される
電界放出型冷陰極の研究開発が活発に行われ、高性能な
電子銃への応用が期待されている。
電性基板、絶縁層、ゲート電極層およびそれらの開口部
内に先鋭化された陰極エミッタを一体化して形成される
電界放出型冷陰極の研究開発が活発に行われ、高性能な
電子銃への応用が期待されている。
【0003】従来の電界放出型冷陰極の製造技術の一例
として、Journal of Applied Ph
ysics,Vol.47(1976)の5248ペー
ジに記載されているようにSpint等は高放射電流密
度の発生と制御性の面から高融点金属モリブデンを用い
た電界放出型冷陰極の製造方法を示している。図2にそ
の製造方法を示す。N型に高ドープされたシリコン基板
(導電性基板3)上にSiO2からなる絶縁層2とモリ
ブデンからなるゲート電極層1を順次堆積し(図2
(a))、エッチング工程により円形の開口部を形成す
る(図2(b))。フッ酸によりゲート電極開口部下方
の絶縁層をエッチングし、図2(c)に示すように絶縁
層の開口径のみを広げる。その後、基板を回転させなが
ら、斜め入射でアルミニウム層を堆積させる(図2
(d))。以下、この層を犠牲層と呼ぶことにする。斜
め入射によって形成された犠牲層4はゲート電極の上部
とその側壁のみに堆積する。犠牲層4を形成した後、エ
ミッタ材料であるモリブデンを高真空中で蒸着等の手法
により、基板に対して垂直に堆積させる。モリブデンの
堆積が進行すると、犠牲層の開口部周辺にもモリブデン
が凝縮し、開口径が徐々に小さくなり、最終的には開口
部が閉ざされる。これと同時に導電性基板上にはコーン
形状のエミッタ5が形成される(図2(e))。犠牲層
4上に堆積したモリブデン6は犠牲層4をエッチングす
ることよって同時に除去され、最終的に導電性基板上に
形成された絶縁層およびゲート電極層の開□部内に先端
部が鋭利なコーン形状のエミッタが形成される(図2
(f))。このようなエミッタは複数個配列することも
可能であり、先端部にゲート電圧をエミッタ電位に対し
て100から300ボルト印加することにより、1チッ
プ当たり50から150マイクロアンペア程度の電子を
真空中に放出可能であることが記載されている。
として、Journal of Applied Ph
ysics,Vol.47(1976)の5248ペー
ジに記載されているようにSpint等は高放射電流密
度の発生と制御性の面から高融点金属モリブデンを用い
た電界放出型冷陰極の製造方法を示している。図2にそ
の製造方法を示す。N型に高ドープされたシリコン基板
(導電性基板3)上にSiO2からなる絶縁層2とモリ
ブデンからなるゲート電極層1を順次堆積し(図2
(a))、エッチング工程により円形の開口部を形成す
る(図2(b))。フッ酸によりゲート電極開口部下方
の絶縁層をエッチングし、図2(c)に示すように絶縁
層の開口径のみを広げる。その後、基板を回転させなが
ら、斜め入射でアルミニウム層を堆積させる(図2
(d))。以下、この層を犠牲層と呼ぶことにする。斜
め入射によって形成された犠牲層4はゲート電極の上部
とその側壁のみに堆積する。犠牲層4を形成した後、エ
ミッタ材料であるモリブデンを高真空中で蒸着等の手法
により、基板に対して垂直に堆積させる。モリブデンの
堆積が進行すると、犠牲層の開口部周辺にもモリブデン
が凝縮し、開口径が徐々に小さくなり、最終的には開口
部が閉ざされる。これと同時に導電性基板上にはコーン
形状のエミッタ5が形成される(図2(e))。犠牲層
4上に堆積したモリブデン6は犠牲層4をエッチングす
ることよって同時に除去され、最終的に導電性基板上に
形成された絶縁層およびゲート電極層の開□部内に先端
部が鋭利なコーン形状のエミッタが形成される(図2
(f))。このようなエミッタは複数個配列することも
可能であり、先端部にゲート電圧をエミッタ電位に対し
て100から300ボルト印加することにより、1チッ
プ当たり50から150マイクロアンペア程度の電子を
真空中に放出可能であることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記犠牲層を用いた電
界放出型冷陰極の製造法はエミッタ形成と最上層に堆積
した不用なエミッタ材料の除去を容易にしていた。しか
し、犠牲層を用いる手法では以下に述べる問題点があっ
た。
界放出型冷陰極の製造法はエミッタ形成と最上層に堆積
した不用なエミッタ材料の除去を容易にしていた。しか
し、犠牲層を用いる手法では以下に述べる問題点があっ
た。
【0005】第一に、犠牲層の膜質と制御性が悪いた
め、エミッタ形状のばらつき等による放出電流の不均一
性が生じていた。ゲート開口部内に形成されるエミッタ
形状は犠牲層堆積後の開口部の形状に大きく依存する。
したがって、犠牲層の開口部が円形ではなく湾曲してい
る場合には、形成されるエミッタ形状は犠牲層の形状を
反映し必然的に歪んだ形状になったり、エミッタ先端位
置が正常な位置からずれることになる。電界電子放出に
よる放出電流特性はエミッタの先端形状やゲート電極に
対するエミッタの先端位置により、電界の集中の度合い
が異なるため、犠牲層を介して形成されたエミッタから
の電子放出特性は不均一になり、歩留まりや信頼性が低
下する要因になる。さらに、犠牲層は基板を回転させな
がら、斜め入射によって堆積させるため、工程が複雑に
なることに加えて高価で制御性のよい装置が必要にな
る。したがって、従来の製造方法では高コスト化と低ス
ループットの要因になる。
め、エミッタ形状のばらつき等による放出電流の不均一
性が生じていた。ゲート開口部内に形成されるエミッタ
形状は犠牲層堆積後の開口部の形状に大きく依存する。
したがって、犠牲層の開口部が円形ではなく湾曲してい
る場合には、形成されるエミッタ形状は犠牲層の形状を
反映し必然的に歪んだ形状になったり、エミッタ先端位
置が正常な位置からずれることになる。電界電子放出に
よる放出電流特性はエミッタの先端形状やゲート電極に
対するエミッタの先端位置により、電界の集中の度合い
が異なるため、犠牲層を介して形成されたエミッタから
の電子放出特性は不均一になり、歩留まりや信頼性が低
下する要因になる。さらに、犠牲層は基板を回転させな
がら、斜め入射によって堆積させるため、工程が複雑に
なることに加えて高価で制御性のよい装置が必要にな
る。したがって、従来の製造方法では高コスト化と低ス
ループットの要因になる。
【0006】第二に、従来の製造方法によって形成され
るゲートとエミッタの距離は図4に示すように、エミッ
タの高さLとエミッタ先端角θが規定されると、実質的
なゲート開口径は開口部の犠牲層の膜厚(2t)だけ広
げられることになる。したがつて、ゲートとエミッタの
距離は犠牲層の膜厚により制約を受け小さくすることが
できず、その結果、電界放出開始電圧を低下させること
が困難であり、動作電圧が高いという問題を生じてい
た。
るゲートとエミッタの距離は図4に示すように、エミッ
タの高さLとエミッタ先端角θが規定されると、実質的
なゲート開口径は開口部の犠牲層の膜厚(2t)だけ広
げられることになる。したがつて、ゲートとエミッタの
距離は犠牲層の膜厚により制約を受け小さくすることが
できず、その結果、電界放出開始電圧を低下させること
が困難であり、動作電圧が高いという問題を生じてい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明によれば、導電性基板上に絶縁層およびゲート電極層
をこの順で形成する工程と、前記絶縁層および前記ゲー
ト電極層をエッチングし、前記導電性基板に達する開口
部を形成する工程と、前記導電性基板に対して垂直方向
から、前記開口部の底面に露出した導電性基板の表面お
よび前記ゲート電極層の表面にエミッタ材料を堆積し、
開口部内に先鋭化されたエミッタチップを形成する工程
と、前記ゲート電極層上部に堆積したエミッタ材料を除
去する工程とを有することを特徴とする電界放出型冷陰
極の製造方法が提供される。
明によれば、導電性基板上に絶縁層およびゲート電極層
をこの順で形成する工程と、前記絶縁層および前記ゲー
ト電極層をエッチングし、前記導電性基板に達する開口
部を形成する工程と、前記導電性基板に対して垂直方向
から、前記開口部の底面に露出した導電性基板の表面お
よび前記ゲート電極層の表面にエミッタ材料を堆積し、
開口部内に先鋭化されたエミッタチップを形成する工程
と、前記ゲート電極層上部に堆積したエミッタ材料を除
去する工程とを有することを特徴とする電界放出型冷陰
極の製造方法が提供される。
【0008】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法によ
れば、エミッタ形成時に犠牲層を用いることなくゲート
電極層を介して直接行うため、工程を簡略化できる。ま
た、エミッタ形状および先端位置の制御性が向上するこ
とによって、放出電流が均一化され、生産性と信頼性が
向上する。さらに、ゲートとエミッタの距離が小さくな
るため、低電圧で良好な電子放出特性を得ることができ
る。
れば、エミッタ形成時に犠牲層を用いることなくゲート
電極層を介して直接行うため、工程を簡略化できる。ま
た、エミッタ形状および先端位置の制御性が向上するこ
とによって、放出電流が均一化され、生産性と信頼性が
向上する。さらに、ゲートとエミッタの距離が小さくな
るため、低電圧で良好な電子放出特性を得ることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によって製造され
る電界放出型冷陰極の断面構造を示すものである。N型
に高ドープされたシリコン基板(導電性基板3)上に5
00nmのSiO2からなる絶縁層2と200nmのモ
リブデンからなるゲート電極層1を順次堆積し(図1
(a))、エッチング工程により複数の円形の開口部を
形成する。(図1(b))ゲート電極層は導電性を有す
る金属、合金、金属間化合物でもよい。開口径は、ここ
では700nmとした。次に、フッ酸によりゲート電極
開口部下方の絶縁層をエッチングし、図1(c)に示す
ように絶縁層の開口径のみを広げる。その後、エミッタ
材料であるモリブデンを高真空中で蒸着により、基板に
対して垂直に堆積させる。モリブデンの堆積が進行する
と、ゲート電極層の開口部周辺にもモリブデンが凝縮
し、膜厚が増加するとともに開口径が徐々に小さくな
り、最終的に開口部が閉ざされる。これと同時に導電性
基板上にはコーン形状のエミッタ5が形成される(図1
(d))。ゲート電極層1上に堆積したモリブデン6
は、その後Chemical Mechanical
Polishing(CMP)等の技術を用いて研削さ
れ、図2(e)に示すように導電性基板上に形成された
絶縁層およびゲート電極層の開口部内に先端部が鋭利な
コーン形状のエミッタ5が形成される。CMPによるエ
ミッタ材料の研削はあらかじめ堆積させたゲート電極層
の膜厚に至るまで行う。この際の研削は時間制御によっ
て行う。ただし、高精度で研削量を制御するには図1
(a)の工程でCMPによるエミッタ材料との選択比の
高い窒化膜等をゲート電極層の上にCVD等の手法を用
いてあらかじめ形成し、研削する際のストッパーにする
ことも可能である。
る電界放出型冷陰極の断面構造を示すものである。N型
に高ドープされたシリコン基板(導電性基板3)上に5
00nmのSiO2からなる絶縁層2と200nmのモ
リブデンからなるゲート電極層1を順次堆積し(図1
(a))、エッチング工程により複数の円形の開口部を
形成する。(図1(b))ゲート電極層は導電性を有す
る金属、合金、金属間化合物でもよい。開口径は、ここ
では700nmとした。次に、フッ酸によりゲート電極
開口部下方の絶縁層をエッチングし、図1(c)に示す
ように絶縁層の開口径のみを広げる。その後、エミッタ
材料であるモリブデンを高真空中で蒸着により、基板に
対して垂直に堆積させる。モリブデンの堆積が進行する
と、ゲート電極層の開口部周辺にもモリブデンが凝縮
し、膜厚が増加するとともに開口径が徐々に小さくな
り、最終的に開口部が閉ざされる。これと同時に導電性
基板上にはコーン形状のエミッタ5が形成される(図1
(d))。ゲート電極層1上に堆積したモリブデン6
は、その後Chemical Mechanical
Polishing(CMP)等の技術を用いて研削さ
れ、図2(e)に示すように導電性基板上に形成された
絶縁層およびゲート電極層の開口部内に先端部が鋭利な
コーン形状のエミッタ5が形成される。CMPによるエ
ミッタ材料の研削はあらかじめ堆積させたゲート電極層
の膜厚に至るまで行う。この際の研削は時間制御によっ
て行う。ただし、高精度で研削量を制御するには図1
(a)の工程でCMPによるエミッタ材料との選択比の
高い窒化膜等をゲート電極層の上にCVD等の手法を用
いてあらかじめ形成し、研削する際のストッパーにする
ことも可能である。
【0010】本発明では図2で示した従来技術と比較し
て、エミッタ形成時に犠牲層を用いないため、工程を短
縮することができる。さらに、本発明ではゲート開口部
を利用して直接エミッタ形成を行うため、従来の開口部
の制御性および形状が不安定な犠牲層を用いる工程に比
べて、均一な形状制御が可能である。
て、エミッタ形成時に犠牲層を用いないため、工程を短
縮することができる。さらに、本発明ではゲート開口部
を利用して直接エミッタ形成を行うため、従来の開口部
の制御性および形状が不安定な犠牲層を用いる工程に比
べて、均一な形状制御が可能である。
【0011】また、本発明では従来技術と比較して、エ
ミッタ形成時の犠牲層の層厚によるゲートとエミッタ間
の距離の増大を防止することができる。図3に示すよう
に、エミッタ形成では、基板に対して垂直および平行方
向のモリブデンの凝縮速度を反映してエミッタ先端角θ
はゲート開口径に依存せず一定の値を示す。したがっ
て、ゲート開口径dはエミッタの高さLに対してd=2
Ltanθの関係になるように設定される。エミッタ先
端角はモリブデンの蒸着条件によって依存するが、本実
験ではおよそ30度であった。そこで、例えば絶縁層5
00nm、膜厚200nmのゲート電極層の開口部内に
エミッタ先端がゲート電極層の膜厚に対して中心に位置
するような素子設計を行うと、上記の関係からゲート開
口径は700nmとなる。実施例で示した素子の寸法は
このような計算を元に設計されている。また、ゲートと
エミッタ間の距離はエミッタ高さLを短くすれば、必然
的に小さくなる。しかし、エミッタの高さを小さくする
ことはゲート電極と基板との絶縁を担う絶縁層2の膜厚
を減少させることになる。ここでは絶縁耐圧すなわち素
子破壊が生じない程度の絶縁層膜厚を考慮して、エミッ
タ高さLを決定している。
ミッタ形成時の犠牲層の層厚によるゲートとエミッタ間
の距離の増大を防止することができる。図3に示すよう
に、エミッタ形成では、基板に対して垂直および平行方
向のモリブデンの凝縮速度を反映してエミッタ先端角θ
はゲート開口径に依存せず一定の値を示す。したがっ
て、ゲート開口径dはエミッタの高さLに対してd=2
Ltanθの関係になるように設定される。エミッタ先
端角はモリブデンの蒸着条件によって依存するが、本実
験ではおよそ30度であった。そこで、例えば絶縁層5
00nm、膜厚200nmのゲート電極層の開口部内に
エミッタ先端がゲート電極層の膜厚に対して中心に位置
するような素子設計を行うと、上記の関係からゲート開
口径は700nmとなる。実施例で示した素子の寸法は
このような計算を元に設計されている。また、ゲートと
エミッタ間の距離はエミッタ高さLを短くすれば、必然
的に小さくなる。しかし、エミッタの高さを小さくする
ことはゲート電極と基板との絶縁を担う絶縁層2の膜厚
を減少させることになる。ここでは絶縁耐圧すなわち素
子破壊が生じない程度の絶縁層膜厚を考慮して、エミッ
タ高さLを決定している。
【0012】一方、従来の犠牲層を用いた手法では図4
に示すように、犠牲層の膜厚tだけゲート電極の開口部
を大きくしておく必要がある。すなわち、エミッタの高
さLが同じである場合、従来技術では2tに相当するゲ
ート開口径のマージンを必要とするため、実質的なゲー
ト開口径は本発明に比べ、2tだけ大きくなる。具体的
には、犠牲層の開口部での膜厚を150nmとすると、
本発明では従来技術と比較して300nmのゲート径縮
小を実現することができる。また従来ではゲート開口径
を2t以下に縮小することが不可能であったのに対し、
本発明ではさらに微細化したゲート開口を有するエミッ
タを形成することが可能である。したがって、犠牲層を
用いない本発明では工程が簡略化できると同時に、素子
設計が容易になり、ゲートとエミッタ間の距離を従来技
術よりも縮小することが可能となる。
に示すように、犠牲層の膜厚tだけゲート電極の開口部
を大きくしておく必要がある。すなわち、エミッタの高
さLが同じである場合、従来技術では2tに相当するゲ
ート開口径のマージンを必要とするため、実質的なゲー
ト開口径は本発明に比べ、2tだけ大きくなる。具体的
には、犠牲層の開口部での膜厚を150nmとすると、
本発明では従来技術と比較して300nmのゲート径縮
小を実現することができる。また従来ではゲート開口径
を2t以下に縮小することが不可能であったのに対し、
本発明ではさらに微細化したゲート開口を有するエミッ
タを形成することが可能である。したがって、犠牲層を
用いない本発明では工程が簡略化できると同時に、素子
設計が容易になり、ゲートとエミッタ間の距離を従来技
術よりも縮小することが可能となる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、エミッタ形成を行う際
に犠牲層を用いることなく、ゲート電極層を介して直接
行うため、工程が簡略化できる。また、エミッタ形状お
よび先端位置の制御性が向上することによって、放出電
流が均一化され、生産性と信頼性が向上する。さらに、
ゲートとエミッタの距離が小さくなり、微細エミッタの
作製が可能になるため、低電圧で良好な電子放出特性を
得ることができる。
に犠牲層を用いることなく、ゲート電極層を介して直接
行うため、工程が簡略化できる。また、エミッタ形状お
よび先端位置の制御性が向上することによって、放出電
流が均一化され、生産性と信頼性が向上する。さらに、
ゲートとエミッタの距離が小さくなり、微細エミッタの
作製が可能になるため、低電圧で良好な電子放出特性を
得ることができる。
【図1】本発明における電界放出型冷陰極の製造工程を
説明する図である。
説明する図である。
【図2】従来技術における電界放出型冷陰極の製造工程
を説明する図である。
を説明する図である。
【図3】本発明における電界放出型冷陰極の断面構造を
説明する図である。
説明する図である。
【図4】従来技術における電界放出型冷陰極の断面構造
を説明する図である。
を説明する図である。
1 ゲート電極層 2 絶縁層 3 導電性基板 4 犠牲層 5 エミッタ 6 モリブデン
Claims (5)
- 【請求項1】 導電性基板上に絶縁層およびゲート電極
層をこの順で形成する工程と、前記絶縁層および前記ゲ
ート電極層をエッチングし、前記導電性基板に達する開
口部を形成する工程と、前記導電性基板に対して垂直方
向から、前記開口部の底面に露出した導電性基板の表面
および前記ゲート電極層の表面にエミッタ材料を堆積
し、開口部内に先鋭化されたエミッタチップを形成する
工程と、前記ゲート電極層上部に堆積したエミッタ材料
を除去する工程とを有することを特徴とする電界放出型
冷陰極の製造方法。 - 【請求項2】 ゲート電極層上部に堆積したエミッタ材
料を、Chemical Mechanical Pol
ishing(CMP)技術により除去することを特徴
とする請求項1記載の電界放出型冷陰極の製造方法。 - 【請求項3】 前記ゲート電極層を形成後、前記ゲート
電極層の上面にストッパー層を形成する請求項1または
2に記載の電界放出型冷陰極の製造方法。 - 【請求項4】 前記ストッパー層が窒化膜である請求項
3に記載の電界放出型冷陰極の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載の電界放
出型冷陰極の製造方法により製造された電界放出型冷陰
極。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33024797A JP3139541B2 (ja) | 1997-12-01 | 1997-12-01 | 電界放出型冷陰極の製造方法 |
US09/200,988 US20020009943A1 (en) | 1997-12-01 | 1998-11-30 | Process for manufacturing a field emission cathode |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33024797A JP3139541B2 (ja) | 1997-12-01 | 1997-12-01 | 電界放出型冷陰極の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11162332A true JPH11162332A (ja) | 1999-06-18 |
JP3139541B2 JP3139541B2 (ja) | 2001-03-05 |
Family
ID=18230510
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33024797A Expired - Fee Related JP3139541B2 (ja) | 1997-12-01 | 1997-12-01 | 電界放出型冷陰極の製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20020009943A1 (ja) |
JP (1) | JP3139541B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009505424A (ja) * | 2005-08-15 | 2009-02-05 | マイクロン テクノロジー, インク. | 再生可能可変抵抗絶縁メモリ装置およびその形成方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4830217B2 (ja) * | 2001-06-18 | 2011-12-07 | 日本電気株式会社 | 電界放出型冷陰極およびその製造方法 |
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