JPH11161953A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
- Publication number
- JPH11161953A JPH11161953A JP32284297A JP32284297A JPH11161953A JP H11161953 A JPH11161953 A JP H11161953A JP 32284297 A JP32284297 A JP 32284297A JP 32284297 A JP32284297 A JP 32284297A JP H11161953 A JPH11161953 A JP H11161953A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- shielding plate
- recording medium
- cooling
- magnetic recording
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 磁性層の表面状態が良好で、周波数特性に優
れた金属薄膜型の磁気記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 電子ビームによりルツボ中の蒸着金属材
料を蒸発し、蒸発した蒸着金属材料を、最小入射角を規
制する第1の遮蔽板と最大入射角を規制する第2の遮蔽
板とからなる2つの可動遮蔽板により、最小入射角と最
大入射角とを規制し蒸着領域を限定しつつ、冷却キャン
ロールにより搬送する支持体上に蒸着し、1層以上の磁
性層を形成し、冷却キャンロールの中心から水平面に下
ろした垂線から蒸着領域方向に45度回転した直線の冷
却キャンロールへ向かう方向をa方向とし、第1の遮蔽
板と第2の遮蔽板とのなす角度の1/2の角度をなし、
冷却キャンロールへ向かう方向をb方向とし、a方向を
法線とする支持体表面の投影面の面積Aと、b方向を法
線とする支持体表面の投影面の面積Bとが、A/B<
5、を満足する蒸着を行う磁気記録媒体の製造方法。
れた金属薄膜型の磁気記録媒体の製造方法を提供する。 【解決手段】 電子ビームによりルツボ中の蒸着金属材
料を蒸発し、蒸発した蒸着金属材料を、最小入射角を規
制する第1の遮蔽板と最大入射角を規制する第2の遮蔽
板とからなる2つの可動遮蔽板により、最小入射角と最
大入射角とを規制し蒸着領域を限定しつつ、冷却キャン
ロールにより搬送する支持体上に蒸着し、1層以上の磁
性層を形成し、冷却キャンロールの中心から水平面に下
ろした垂線から蒸着領域方向に45度回転した直線の冷
却キャンロールへ向かう方向をa方向とし、第1の遮蔽
板と第2の遮蔽板とのなす角度の1/2の角度をなし、
冷却キャンロールへ向かう方向をb方向とし、a方向を
法線とする支持体表面の投影面の面積Aと、b方向を法
線とする支持体表面の投影面の面積Bとが、A/B<
5、を満足する蒸着を行う磁気記録媒体の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体の製造
方法に関し、詳しくは、磁性層の表面状態が良好で、周
波数特性に優れた金属薄膜型の磁気記録媒体の製造方法
に関する。
方法に関し、詳しくは、磁性層の表面状態が良好で、周
波数特性に優れた金属薄膜型の磁気記録媒体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子ビ
ーム加熱により金属薄膜を支持体上に成膜されてなる蒸
着型の磁気記録媒体は、磁性体充填率が高いため塗布型
の磁気記録媒体等と比べて薄膜で飽和磁化や保磁力が大
きく、高密度記録に適したものとして種々の応用分野で
利用されている。
ーム加熱により金属薄膜を支持体上に成膜されてなる蒸
着型の磁気記録媒体は、磁性体充填率が高いため塗布型
の磁気記録媒体等と比べて薄膜で飽和磁化や保磁力が大
きく、高密度記録に適したものとして種々の応用分野で
利用されている。
【0003】このような、磁気記録媒体においては、磁
性層の表面状態を良好にし、また周波数特性を向上させ
ることが必要である。
性層の表面状態を良好にし、また周波数特性を向上させ
ることが必要である。
【0004】ところで、この金属薄膜型の磁気記録媒体
においては、蒸着金属材料を支持体上に成膜して磁性層
を形成する際の支持体の受ける熱的ダメージが問題とな
る。この熱的ダメージはルツボの輝点以外に、チャンバ
壁面が反射してくる放射熱もある。このような熱的ダメ
ージを好適に抑制できれば、磁気記録媒体の特性、例え
ば磁性層の表面状態が良好となり、また周波数特性も改
善されることが予測される。
においては、蒸着金属材料を支持体上に成膜して磁性層
を形成する際の支持体の受ける熱的ダメージが問題とな
る。この熱的ダメージはルツボの輝点以外に、チャンバ
壁面が反射してくる放射熱もある。このような熱的ダメ
ージを好適に抑制できれば、磁気記録媒体の特性、例え
ば磁性層の表面状態が良好となり、また周波数特性も改
善されることが予測される。
【0005】従って、本発明の目的は、磁性層の表面状
態が良好で、周波数特性に優れた金属薄膜型の磁気記録
媒体の製造方法を提供することにある。
態が良好で、周波数特性に優れた金属薄膜型の磁気記録
媒体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、冷却キャンロールによって搬送される支持体の
一定方向から見た時の面積と他方向から見た時の面積と
の比が、特定値以下にある時に、上記目的が達成される
ことを知見した。
た結果、冷却キャンロールによって搬送される支持体の
一定方向から見た時の面積と他方向から見た時の面積と
の比が、特定値以下にある時に、上記目的が達成される
ことを知見した。
【0007】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、電子銃からの電子ビームによってルツボ中の蒸着金
属材料を蒸発させ、該蒸発させた蒸着金属材料を、最小
入射角を規制する第1の遮蔽板と最大入射角を規制する
第2の遮蔽板とからなる2つの可動する遮蔽板によっ
て、該最小入射角と該最大入射角とを規制して蒸着領域
を限定しつつ、冷却キャンロールにより搬送されている
支持体上に蒸着し、少なくとも1層以上の磁性層を形成
する金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法であって、上記
冷却キャンロールの中心から水平面に垂線を下ろし、該
垂線から上記蒸着領域方向に45度回転させた直線の該
冷却キャンロールへ向かう方向をa方向とし、上記第1
の遮蔽板と上記第2の遮蔽板とのなす角度の1/2の角
度をなし、該冷却キャンロールへ向かう方向をb方向と
したときに、上記a方向を法線とする上記支持体表面の
投影面の下記面積Aと、上記b方向を法線とする上記支
持体表面の投影面の下記面積Bとが、下記式[1]を満
足するように蒸着することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法を提供するものである。 A/B<5 [1] (但し、面積Aは、上記2つの遮蔽板それぞれの先端か
らa方向とそれぞれ平行な直線間の距離(l)と、上記
冷却キャンロール上に成膜される幅との積で表され、面
積Bは、上記ルツボ中心及び上記第1の遮蔽板先端を通
る直線と上記冷却キャンロールとの交点をb1 とし、該
交点b1 からb方向を示す直線に下ろした垂線と上記ル
ツボ中心及び上記第2の遮蔽板先端を通る直線との交点
をb2 としたときの該交点b1 、b2 間の距離(m)
と、上記冷却キャンロール上に成膜される幅との積で表
される)
で、電子銃からの電子ビームによってルツボ中の蒸着金
属材料を蒸発させ、該蒸発させた蒸着金属材料を、最小
入射角を規制する第1の遮蔽板と最大入射角を規制する
第2の遮蔽板とからなる2つの可動する遮蔽板によっ
て、該最小入射角と該最大入射角とを規制して蒸着領域
を限定しつつ、冷却キャンロールにより搬送されている
支持体上に蒸着し、少なくとも1層以上の磁性層を形成
する金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法であって、上記
冷却キャンロールの中心から水平面に垂線を下ろし、該
垂線から上記蒸着領域方向に45度回転させた直線の該
冷却キャンロールへ向かう方向をa方向とし、上記第1
の遮蔽板と上記第2の遮蔽板とのなす角度の1/2の角
度をなし、該冷却キャンロールへ向かう方向をb方向と
したときに、上記a方向を法線とする上記支持体表面の
投影面の下記面積Aと、上記b方向を法線とする上記支
持体表面の投影面の下記面積Bとが、下記式[1]を満
足するように蒸着することを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法を提供するものである。 A/B<5 [1] (但し、面積Aは、上記2つの遮蔽板それぞれの先端か
らa方向とそれぞれ平行な直線間の距離(l)と、上記
冷却キャンロール上に成膜される幅との積で表され、面
積Bは、上記ルツボ中心及び上記第1の遮蔽板先端を通
る直線と上記冷却キャンロールとの交点をb1 とし、該
交点b1 からb方向を示す直線に下ろした垂線と上記ル
ツボ中心及び上記第2の遮蔽板先端を通る直線との交点
をb2 としたときの該交点b1 、b2 間の距離(m)
と、上記冷却キャンロール上に成膜される幅との積で表
される)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体の製
造方法の好ましい実施形態を、図面を参照して説明す
る。本発明の磁気記録媒体の製造方法において、磁性層
は真空蒸着法によって形成される。ここで用いられる蒸
着装置は特に制限はなく、従来公知の装置を用いること
ができるが、好ましくは、図1に示すような、斜め蒸着
手段を有する連続真空蒸着装置によって製造される。
造方法の好ましい実施形態を、図面を参照して説明す
る。本発明の磁気記録媒体の製造方法において、磁性層
は真空蒸着法によって形成される。ここで用いられる蒸
着装置は特に制限はなく、従来公知の装置を用いること
ができるが、好ましくは、図1に示すような、斜め蒸着
手段を有する連続真空蒸着装置によって製造される。
【0009】図1に示す装置において、真空に引かれる
チャンバ1内で、巻き出しロール2から巻き取りロール
3へと支持体4が冷却キャンロール5を介して搬送され
る。冷却キャンロール5の下方にはルツボ6が配設さ
れ、内部に収容される蒸着金属材料に対して電子銃7か
ら電子ビームεが照射されて蒸着金属材料を蒸発させ、
冷却キャンロール15上で支持体4上に蒸着金属膜が堆
積されるようになっている。このようして支持体上に少
なくとも1層以上の磁性層が形成される。
チャンバ1内で、巻き出しロール2から巻き取りロール
3へと支持体4が冷却キャンロール5を介して搬送され
る。冷却キャンロール5の下方にはルツボ6が配設さ
れ、内部に収容される蒸着金属材料に対して電子銃7か
ら電子ビームεが照射されて蒸着金属材料を蒸発させ、
冷却キャンロール15上で支持体4上に蒸着金属膜が堆
積されるようになっている。このようして支持体上に少
なくとも1層以上の磁性層が形成される。
【0010】ここにおいて、蒸着金属材料の蒸気の被着
領域を限定するために、第1の遮蔽板8aと第2の遮蔽
板8bが設けられている。図2に示されるように、第2
の遮蔽板8bは被着領域の始まりにおける入射角(最大
入射角)を、第1の遮蔽板8aは被着領域の終わりにお
ける入射角度(最小入射角)をそれぞれ規定する。そし
て、遮蔽板8a,8bは、上下、左右に可動することに
よって被着領域を限定し、支持体4上への蒸着金属膜の
堆積位置を限定する。なお、9で示されるものは、蒸着
に際して酸化性ガスを供給するためのノズルであり、酸
素等の酸化性ガスを導入することによって、保磁力を上
げると共に、C/N特性を向上させる。また、ルツボ6
内の蒸着金属材料に対する電子銃7から電子ビームεの
照射は、蒸発される蒸着金属材料粒子のエネルギーのガ
ウス分布の中央領域付近が被着領域にあるように調節さ
れる。
領域を限定するために、第1の遮蔽板8aと第2の遮蔽
板8bが設けられている。図2に示されるように、第2
の遮蔽板8bは被着領域の始まりにおける入射角(最大
入射角)を、第1の遮蔽板8aは被着領域の終わりにお
ける入射角度(最小入射角)をそれぞれ規定する。そし
て、遮蔽板8a,8bは、上下、左右に可動することに
よって被着領域を限定し、支持体4上への蒸着金属膜の
堆積位置を限定する。なお、9で示されるものは、蒸着
に際して酸化性ガスを供給するためのノズルであり、酸
素等の酸化性ガスを導入することによって、保磁力を上
げると共に、C/N特性を向上させる。また、ルツボ6
内の蒸着金属材料に対する電子銃7から電子ビームεの
照射は、蒸発される蒸着金属材料粒子のエネルギーのガ
ウス分布の中央領域付近が被着領域にあるように調節さ
れる。
【0011】次に、本発明の製造方法を図3に基づいて
より詳細に説明する。図3は、図1の冷却キャンロール
及びルツボ部分の部分拡大説明図である。
より詳細に説明する。図3は、図1の冷却キャンロール
及びルツボ部分の部分拡大説明図である。
【0012】図3において、a方向とは、冷却キャンロ
ール5の中心から水平面に垂線を下ろし、該垂線から蒸
着領域方向に45度回転させた直線の冷却キャンロール
方向をいう。ここで水平面とは、ルツボの位置に水を入
れたビーカーを置いた時、その面に平行な面のことであ
る。また、b方向とは、上記第1の遮蔽板8aと上記第
2の遮蔽板8bとのなす角度(θ)の1/2の角度をな
し、冷却キャンロール5へ向かう方向をいう。
ール5の中心から水平面に垂線を下ろし、該垂線から蒸
着領域方向に45度回転させた直線の冷却キャンロール
方向をいう。ここで水平面とは、ルツボの位置に水を入
れたビーカーを置いた時、その面に平行な面のことであ
る。また、b方向とは、上記第1の遮蔽板8aと上記第
2の遮蔽板8bとのなす角度(θ)の1/2の角度をな
し、冷却キャンロール5へ向かう方向をいう。
【0013】本発明では、上記a方向を法線とする上記
支持体の投影面の面積Aと、b方向を法線とする上記支
持体の投影面の面積BとがA/B<5となるように、蒸
着金属材料を成膜することが必要である。
支持体の投影面の面積Aと、b方向を法線とする上記支
持体の投影面の面積BとがA/B<5となるように、蒸
着金属材料を成膜することが必要である。
【0014】ここで、上記a方向を法線とする上記支持
体の投影面の面積Aは、次のように定義される。即ち、
上記面積Aは、上記2つの遮蔽板それぞれの先端からa
方向とそれぞれ平行な直線間の距離(l:a1 〜a2 )
と、上記冷却キャンロール5上に成膜される幅との積で
ある。また、上記b方向を法線とする上記支持体の投影
面の面積Bは、次のように定義される。即ち、上記面積
Bは、上記ルツボ6中心及び上記第1の遮蔽板8a先端
を通る直線と上記冷却キャンロール5との交点をb1 と
し、該交点b1 からb方向を示す直線に下ろした垂線と
上記ルツボ6中心及び上記第2の遮蔽板8b先端を通る
直線との交点をb2 としたときの該交点b1 、b2 間の
距離(m)と、上記冷却キャンロール5上に成膜される
幅との積で表されるなお、ここでルツボ6中心とは、溶
融している面が円の場合はその中心、楕円であれば短軸
と長軸の交点、四角形であれば対角線の交点を意味す
る。
体の投影面の面積Aは、次のように定義される。即ち、
上記面積Aは、上記2つの遮蔽板それぞれの先端からa
方向とそれぞれ平行な直線間の距離(l:a1 〜a2 )
と、上記冷却キャンロール5上に成膜される幅との積で
ある。また、上記b方向を法線とする上記支持体の投影
面の面積Bは、次のように定義される。即ち、上記面積
Bは、上記ルツボ6中心及び上記第1の遮蔽板8a先端
を通る直線と上記冷却キャンロール5との交点をb1 と
し、該交点b1 からb方向を示す直線に下ろした垂線と
上記ルツボ6中心及び上記第2の遮蔽板8b先端を通る
直線との交点をb2 としたときの該交点b1 、b2 間の
距離(m)と、上記冷却キャンロール5上に成膜される
幅との積で表されるなお、ここでルツボ6中心とは、溶
融している面が円の場合はその中心、楕円であれば短軸
と長軸の交点、四角形であれば対角線の交点を意味す
る。
【0015】本発明では、上記のように、A/Bは5未
満であり、好ましくは0〜5未満であり、更に好ましく
は0〜3である。上記A/Bが5以上の場合には、表面
状態が良好な磁性層が得られず、また周波数特性にも劣
る。このように、A/Bを制御することによって、磁性
層の中心線平均表面粗さ(Ra)を2.5以下にコント
ロールでき、しかも周波数特性(λ〜5λ)を良好にす
ることが可能となる。
満であり、好ましくは0〜5未満であり、更に好ましく
は0〜3である。上記A/Bが5以上の場合には、表面
状態が良好な磁性層が得られず、また周波数特性にも劣
る。このように、A/Bを制御することによって、磁性
層の中心線平均表面粗さ(Ra)を2.5以下にコント
ロールでき、しかも周波数特性(λ〜5λ)を良好にす
ることが可能となる。
【0016】このA/Bの値は、上記遮蔽板8a,8b
を図3において上下及び/又は左右に移動させることに
よって制御が可能である。実際には、第1の遮蔽板8a
を最小入射角を変化させないで斜め上方に移動させ、第
2の遮蔽板8bを最大入射角を変化させないで斜め下方
に移動させることによって、A/Bを小さくすることが
できる。また、これと反対方向に上記遮蔽板8a,8b
を移動させることによって、A/Bを大きくすることが
できる。
を図3において上下及び/又は左右に移動させることに
よって制御が可能である。実際には、第1の遮蔽板8a
を最小入射角を変化させないで斜め上方に移動させ、第
2の遮蔽板8bを最大入射角を変化させないで斜め下方
に移動させることによって、A/Bを小さくすることが
できる。また、これと反対方向に上記遮蔽板8a,8b
を移動させることによって、A/Bを大きくすることが
できる。
【0017】上記支持体を構成する非磁性材料として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチ
レンビスフェノキシカルボキシレート等のポリエステル
類;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類;セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
テートプロピオネート等のセルロース誘導体;ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリア
ミド、ポリカーボネート等のプラスチック材料が挙げら
れる。これらの中でもポリエチレンテレフタレートが特
に好ましく用いられる。形態は、フィルム、テープ、シ
ート、ディスク、ドラム等の何れでもよい。これらの材
料から構成される上記支持体には、必要に応じて一軸ま
たは二軸の延伸処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、
易接着処理、熱処理、除塵処理及びボンバート処理等が
施されていてもよい。上記支持体の好ましい厚さは、1
〜300μmである。
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチ
レンビスフェノキシカルボキシレート等のポリエステル
類;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
類;セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
テートプロピオネート等のセルロース誘導体;ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリア
ミド、ポリカーボネート等のプラスチック材料が挙げら
れる。これらの中でもポリエチレンテレフタレートが特
に好ましく用いられる。形態は、フィルム、テープ、シ
ート、ディスク、ドラム等の何れでもよい。これらの材
料から構成される上記支持体には、必要に応じて一軸ま
たは二軸の延伸処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、
易接着処理、熱処理、除塵処理及びボンバート処理等が
施されていてもよい。上記支持体の好ましい厚さは、1
〜300μmである。
【0018】上記のようにして形成される磁性層は1層
以上からなるものであれば、層の数に特に制限はない。
上記磁性層を形成する蒸着金属膜の材料としては、例え
ばFe、Co、Ni等の金属の他に、Co−Ni合金、
Co−Pt合金、Co−Ni−Pt合金、Fe−Co合
金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−C
o−B合金、Co−Ni−Fe−B合金、Co−Cr合
金等が用いられる。また、Fe−N、Fe−N−O、F
e−C、Fe−C−O等も用いられる。なお、上記蒸着
金属膜の形成時に酸化性ガスを供して、上記蒸着金属膜
の表面に、酸化膜からなる保護層を形成することが好ま
しい。尚、酸化性ガスとしては例えば、酸素、空気等が
用いられるが、好ましくは酸素である。
以上からなるものであれば、層の数に特に制限はない。
上記磁性層を形成する蒸着金属膜の材料としては、例え
ばFe、Co、Ni等の金属の他に、Co−Ni合金、
Co−Pt合金、Co−Ni−Pt合金、Fe−Co合
金、Fe−Ni合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−C
o−B合金、Co−Ni−Fe−B合金、Co−Cr合
金等が用いられる。また、Fe−N、Fe−N−O、F
e−C、Fe−C−O等も用いられる。なお、上記蒸着
金属膜の形成時に酸化性ガスを供して、上記蒸着金属膜
の表面に、酸化膜からなる保護層を形成することが好ま
しい。尚、酸化性ガスとしては例えば、酸素、空気等が
用いられるが、好ましくは酸素である。
【0019】上記磁性層が複数層の場合、各蒸着金属膜
を構成する材料は、同一であってもよく又は異なってい
てもよい。好ましくは、上記各蒸着金属膜を形成する材
料は同一である。
を構成する材料は、同一であってもよく又は異なってい
てもよい。好ましくは、上記各蒸着金属膜を形成する材
料は同一である。
【0020】また、上記磁性層全体の厚さは、0.1〜
0.5μmであることが好ましく、0.12〜0.3μ
mであることが更に好ましい。該厚さが0.1μmに満
たないと磁性層の耐久性が十分でない場合があり、0.
5μmを越えると自己減磁が増加する場合があるので、
上記範囲内とすることが好ましい。
0.5μmであることが好ましく、0.12〜0.3μ
mであることが更に好ましい。該厚さが0.1μmに満
たないと磁性層の耐久性が十分でない場合があり、0.
5μmを越えると自己減磁が増加する場合があるので、
上記範囲内とすることが好ましい。
【0021】なお、上記磁性層の形成に先立ち、上記支
持体の表面に上記磁性層の密着性を向上させる為のアン
ダーコート層が設けてもよい。かかるアンダーコート層
は、例えばSiO2 等の粒子を含有させた厚さが0.0
5〜0.5μmの塗膜からなる。かかるアンダーコート
層を用いることにより、上記支持体表面を適度に粗し、
例えば斜め蒸着法により形成される磁性層の密着性を向
上させると共に、上記磁性層の表面粗さを適度なものと
して走行性を改善することができる。
持体の表面に上記磁性層の密着性を向上させる為のアン
ダーコート層が設けてもよい。かかるアンダーコート層
は、例えばSiO2 等の粒子を含有させた厚さが0.0
5〜0.5μmの塗膜からなる。かかるアンダーコート
層を用いることにより、上記支持体表面を適度に粗し、
例えば斜め蒸着法により形成される磁性層の密着性を向
上させると共に、上記磁性層の表面粗さを適度なものと
して走行性を改善することができる。
【0022】上述の通り、本発明の製造方法によって得
られる磁気記録媒体は、上記支持体と、その上に設けら
れた1層以上の蒸着金属膜から成る磁性層とを有する。
即ち、本発明の磁気記録媒体は、上記支持体上に直接磁
性層が設けられていてもよく、或いは、上記支持体と上
記磁性層との間に任意の層(例えば、上述のアンダーコ
ート層)が介在していてもよい。更には、本発明の磁気
記録媒体においては、上記磁性層上に、該磁性層を保護
するための保護層を設けたり、該保護層上に耐久性を高
めるための潤滑剤層を設けてもよい。以下、かかる保護
層及び潤滑剤層について以下に説明する。
られる磁気記録媒体は、上記支持体と、その上に設けら
れた1層以上の蒸着金属膜から成る磁性層とを有する。
即ち、本発明の磁気記録媒体は、上記支持体上に直接磁
性層が設けられていてもよく、或いは、上記支持体と上
記磁性層との間に任意の層(例えば、上述のアンダーコ
ート層)が介在していてもよい。更には、本発明の磁気
記録媒体においては、上記磁性層上に、該磁性層を保護
するための保護層を設けたり、該保護層上に耐久性を高
めるための潤滑剤層を設けてもよい。以下、かかる保護
層及び潤滑剤層について以下に説明する。
【0023】上記保護層は上記磁性層上に、一般に真空
中で、炭素或いは炭化物、窒化物、特にダイヤモンドラ
イクカーボン、ダイヤモンド、炭化ホウ素、炭化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム等を成膜することにより形成される。上記保護層
の形成法としては、化学的気相成長法(CVD法)及び
PVD法の何れでもよい。CVD法では特にマイクロ波
を用いたECR(Electron Cyclotron Resonance) 法
や、高周波(RF)を用いた方法が有効である。CVD
法により上記保護層を形成する場合、原料はガス状、液
状及び固体状の何れのものを用いてもよい。
中で、炭素或いは炭化物、窒化物、特にダイヤモンドラ
イクカーボン、ダイヤモンド、炭化ホウ素、炭化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム等を成膜することにより形成される。上記保護層
の形成法としては、化学的気相成長法(CVD法)及び
PVD法の何れでもよい。CVD法では特にマイクロ波
を用いたECR(Electron Cyclotron Resonance) 法
や、高周波(RF)を用いた方法が有効である。CVD
法により上記保護層を形成する場合、原料はガス状、液
状及び固体状の何れのものを用いてもよい。
【0024】上記保護層は、ダイヤモンドライクカーボ
ンからなることが好ましい。この場合、ガス状の原料を
用いてダイヤモンドライクカーボンからなる保護層を形
成する場合は、上記ガス状の原料としてメタンとアルゴ
ンとの混合ガス、エタンと水素との混合ガス、又はメタ
ンと水素との混合ガスを用いることが好ましい。また、
液状の原料を用いてダイヤモンドライクカーボンからな
る保護層を形成する場合は、上記液状の原料としてアル
コールや不飽和炭化水素を用いることが好ましい。更に
固体状の原料を用いてダイヤモンドライクカーボンから
なる保護層を形成する場合は、上記固体状の原料として
ナフタリンや高級パラフィンを用いることが好ましい。
なお、この場合に、固体を加熱したり超音波をかけても
よい。
ンからなることが好ましい。この場合、ガス状の原料を
用いてダイヤモンドライクカーボンからなる保護層を形
成する場合は、上記ガス状の原料としてメタンとアルゴ
ンとの混合ガス、エタンと水素との混合ガス、又はメタ
ンと水素との混合ガスを用いることが好ましい。また、
液状の原料を用いてダイヤモンドライクカーボンからな
る保護層を形成する場合は、上記液状の原料としてアル
コールや不飽和炭化水素を用いることが好ましい。更に
固体状の原料を用いてダイヤモンドライクカーボンから
なる保護層を形成する場合は、上記固体状の原料として
ナフタリンや高級パラフィンを用いることが好ましい。
なお、この場合に、固体を加熱したり超音波をかけても
よい。
【0025】また、PVD法としては、熱蒸発法、スパ
ッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、何
れを用いることもできる。これらの方法のうち、特にス
パッタ法が有効である。スパッタ法によりダイヤモンド
ライクカーボンからなる保護層を形成する場合は、グラ
ファイトのターゲットを用いてメタンとアルゴンとの混
合ガス又はメタンと水素との混合ガス中でスパッタする
ことが好ましい。また、スパッタ法により窒化ケイ素か
らなる保護層を形成する場合は、ケイ素のターゲットを
用いてアルゴンと窒素との混合ガス、アルゴンとアンモ
ニアとの混合ガス、窒素ガス、アンモニアガス、又はア
ンモニアとモノシラン(SiH4 )との混合ガス中でス
パッタすることが好ましい。また、スパッタ法により酸
化アルミニウムからなる保護層を形成する場合は、アル
ミニウムのターゲットを用いてアルゴンと酸素との混合
ガス中でスパッタすることが好ましい。
ッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、何
れを用いることもできる。これらの方法のうち、特にス
パッタ法が有効である。スパッタ法によりダイヤモンド
ライクカーボンからなる保護層を形成する場合は、グラ
ファイトのターゲットを用いてメタンとアルゴンとの混
合ガス又はメタンと水素との混合ガス中でスパッタする
ことが好ましい。また、スパッタ法により窒化ケイ素か
らなる保護層を形成する場合は、ケイ素のターゲットを
用いてアルゴンと窒素との混合ガス、アルゴンとアンモ
ニアとの混合ガス、窒素ガス、アンモニアガス、又はア
ンモニアとモノシラン(SiH4 )との混合ガス中でス
パッタすることが好ましい。また、スパッタ法により酸
化アルミニウムからなる保護層を形成する場合は、アル
ミニウムのターゲットを用いてアルゴンと酸素との混合
ガス中でスパッタすることが好ましい。
【0026】上記保護層形成の際の真空度は、CVD法
の場合、10-1〜10-5Torr程度であることが好ま
しく、PVD法の場合、10-4〜10-7Torr程度が
好ましい。また、上記保護層の厚さは特に限定しない
が、1〜30nmであることが好ましく、更に好ましく
は3〜15nmである。
の場合、10-1〜10-5Torr程度であることが好ま
しく、PVD法の場合、10-4〜10-7Torr程度が
好ましい。また、上記保護層の厚さは特に限定しない
が、1〜30nmであることが好ましく、更に好ましく
は3〜15nmである。
【0027】次に、上記潤滑剤層について説明する。上
記潤滑剤層は、超音波発振器を備えた噴霧器(以下、
「超音波噴霧器」という)を用い、潤滑剤を上記磁性層
上(上記磁性層上に上記保護層が形成されている場合に
は、上記保護層上)に噴霧して形成することが好まし
い。より詳細には、上記超音波噴霧器は、上記潤滑剤の
供給手段と、該供給手段から供給された上記潤滑剤に超
音波を印加して霧化する手段(超音波発振器)と、霧化
された上記潤滑剤を噴霧するノズルとからなる。また、
ノズルタイプの噴霧装置を用いてもよい。ノズルタイプ
の噴霧装置は、一般に一流体ノズルと呼ばれる装置が使
用できる。
記潤滑剤層は、超音波発振器を備えた噴霧器(以下、
「超音波噴霧器」という)を用い、潤滑剤を上記磁性層
上(上記磁性層上に上記保護層が形成されている場合に
は、上記保護層上)に噴霧して形成することが好まし
い。より詳細には、上記超音波噴霧器は、上記潤滑剤の
供給手段と、該供給手段から供給された上記潤滑剤に超
音波を印加して霧化する手段(超音波発振器)と、霧化
された上記潤滑剤を噴霧するノズルとからなる。また、
ノズルタイプの噴霧装置を用いてもよい。ノズルタイプ
の噴霧装置は、一般に一流体ノズルと呼ばれる装置が使
用できる。
【0028】超音波噴霧器を使用して潤滑剤を微細な粒
子として噴霧することができるので、高温(200℃以
上)に弱く蒸気圧が低いため、従来空気中での塗布によ
ってのみ潤滑剤層を形成することができたパーフルオロ
ポリエーテル等のフッ素系潤滑剤の真空中での噴霧が可
能となる。なお、従来方法のように、大気中において、
グラビア方式、リバース方式又はダイ塗工方式を用いて
上記潤滑剤を塗布しても良い。
子として噴霧することができるので、高温(200℃以
上)に弱く蒸気圧が低いため、従来空気中での塗布によ
ってのみ潤滑剤層を形成することができたパーフルオロ
ポリエーテル等のフッ素系潤滑剤の真空中での噴霧が可
能となる。なお、従来方法のように、大気中において、
グラビア方式、リバース方式又はダイ塗工方式を用いて
上記潤滑剤を塗布しても良い。
【0029】上記パーフルオロポリエーテルとしては、
分子量2000〜5000のものが好適であり、例えば
「FOMBLIN Z DIAC」〔カルボキシル基変性、アウジモン
ト(株)製〕、「FOMBLIN Z DOL 」〔アルコール変性、
アウジモント(株)製〕の商品名で市販されているもの
が使用できる。これらは末端に水酸基又はカルボキシル
基を有するため、潤滑剤と磁性層との結着を高め得るの
で、好適に用いられる。
分子量2000〜5000のものが好適であり、例えば
「FOMBLIN Z DIAC」〔カルボキシル基変性、アウジモン
ト(株)製〕、「FOMBLIN Z DOL 」〔アルコール変性、
アウジモント(株)製〕の商品名で市販されているもの
が使用できる。これらは末端に水酸基又はカルボキシル
基を有するため、潤滑剤と磁性層との結着を高め得るの
で、好適に用いられる。
【0030】なお、上記潤滑剤以外にも、ベンゼン環、
二重結合、分岐鎖等を含むフッ素系の潤滑剤、脂肪酸系
の潤滑剤、その他の潤滑剤を使用することもできる。こ
れらのうち、上記フッ素系潤滑剤は、脂肪酸系潤滑剤と
比べ耐久性だけでなく耐食性も向上させるため、好適に
用いられる。
二重結合、分岐鎖等を含むフッ素系の潤滑剤、脂肪酸系
の潤滑剤、その他の潤滑剤を使用することもできる。こ
れらのうち、上記フッ素系潤滑剤は、脂肪酸系潤滑剤と
比べ耐久性だけでなく耐食性も向上させるため、好適に
用いられる。
【0031】また、上記潤滑剤の噴霧にあたっては、上
記潤滑剤をフッ素系不活性溶媒(例えば住友スリーエム
(株)製「フロリナート」等のパーフルオロカーボン、
アウジモント(株)製「ガルデン」等のパーフルオロポ
リエーテル)、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ア
ルコール系溶媒、ケトン系溶媒等の適当な溶媒に溶解さ
せた0.001〜10重量%程度、特に0.02〜2.
0重量%の溶液として用いることが好ましい。上記潤滑
剤としてパーフルオロポリエーテルを用いる場合、溶媒
としてはパーフルオロカーボンが使用でき、その場合の
濃度は0.001〜1.0重量%程度、特に0.05〜
0.2重量%が好ましい。また、上記潤滑剤の噴霧量
は、磁気記録媒体の用途や潤滑剤の種類等を考慮して適
宜決定すればよいが、形成された潤滑剤層の厚さは0.
5〜20nm程度となるように調節するのが好ましい。
記潤滑剤をフッ素系不活性溶媒(例えば住友スリーエム
(株)製「フロリナート」等のパーフルオロカーボン、
アウジモント(株)製「ガルデン」等のパーフルオロポ
リエーテル)、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ア
ルコール系溶媒、ケトン系溶媒等の適当な溶媒に溶解さ
せた0.001〜10重量%程度、特に0.02〜2.
0重量%の溶液として用いることが好ましい。上記潤滑
剤としてパーフルオロポリエーテルを用いる場合、溶媒
としてはパーフルオロカーボンが使用でき、その場合の
濃度は0.001〜1.0重量%程度、特に0.05〜
0.2重量%が好ましい。また、上記潤滑剤の噴霧量
は、磁気記録媒体の用途や潤滑剤の種類等を考慮して適
宜決定すればよいが、形成された潤滑剤層の厚さは0.
5〜20nm程度となるように調節するのが好ましい。
【0032】更にまた、本発明の磁気記録媒体において
は、支持体の磁性層が形成される面とは反対の面にバッ
クコート層を形成してもよい。該バックコート層は、カ
ーボンブラック等を適当な溶剤に分散させた液を塗布し
て形成してもよいし、金属又は半金属を物理的蒸着法
(PVD)、特に熱蒸発法、スパッタリング法により蒸
着させて形成させてもよい。
は、支持体の磁性層が形成される面とは反対の面にバッ
クコート層を形成してもよい。該バックコート層は、カ
ーボンブラック等を適当な溶剤に分散させた液を塗布し
て形成してもよいし、金属又は半金属を物理的蒸着法
(PVD)、特に熱蒸発法、スパッタリング法により蒸
着させて形成させてもよい。
【0033】上記バックコート層を塗布により形成する
場合は、粒径10〜100nmのカーボンブラックを、
塩化ビニル系、ウレタン系又は硝化綿系等のバインダー
中に分散させ、グラビア方式、リバース方式又はダイ塗
工方式等で、乾燥後の厚さが好ましくは0.4〜1.0
μmになるように塗布する。
場合は、粒径10〜100nmのカーボンブラックを、
塩化ビニル系、ウレタン系又は硝化綿系等のバインダー
中に分散させ、グラビア方式、リバース方式又はダイ塗
工方式等で、乾燥後の厚さが好ましくは0.4〜1.0
μmになるように塗布する。
【0034】上記バックコート層を蒸着により形成する
場合は、上記金属又は半金属材料としてアルミニウムや
シリコンを用いることが好ましい。また、この場合の上
記バックコート層の厚さは好ましくは0.05〜1.0
μmである。
場合は、上記金属又は半金属材料としてアルミニウムや
シリコンを用いることが好ましい。また、この場合の上
記バックコート層の厚さは好ましくは0.05〜1.0
μmである。
【0035】なお、上記バックコート層の上には、走行
性や耐久性等を一層向上せしめることを目的として、ト
ップコート層を設けてもよい。
性や耐久性等を一層向上せしめることを目的として、ト
ップコート層を設けてもよい。
【0036】このような構成からなる本発明の製造方法
により得られる磁気記録媒体の構造を示す模式図を図4
に示す。図4に示す磁気記録媒体11は、非磁性支持体
12と、該支持体12の一面側に設けられた磁性層13
と、該支持体12の他面側に任意に設けられるバックコ
ート層16とを具備している。そして、上記磁性層13
上に保護層14及び潤滑剤層15が任意に設けられる。
この図4においては、磁性層13は1層構造となってい
るが、1層構造でも、2層構造以上でもよい。
により得られる磁気記録媒体の構造を示す模式図を図4
に示す。図4に示す磁気記録媒体11は、非磁性支持体
12と、該支持体12の一面側に設けられた磁性層13
と、該支持体12の他面側に任意に設けられるバックコ
ート層16とを具備している。そして、上記磁性層13
上に保護層14及び潤滑剤層15が任意に設けられる。
この図4においては、磁性層13は1層構造となってい
るが、1層構造でも、2層構造以上でもよい。
【0037】本発明により得られる磁気記録媒体は、テ
ープ、ディスク、ドラム、シート及びその他の形態で使
用されるが、特に磁気テープの形態で使用されることが
好ましく、就中、リングヘッドによる記録・再生に好適
に使用される。
ープ、ディスク、ドラム、シート及びその他の形態で使
用されるが、特に磁気テープの形態で使用されることが
好ましく、就中、リングヘッドによる記録・再生に好適
に使用される。
【0038】
【実施例】以下、本発明の磁気記録媒体を実施例によっ
て更に詳細に説明する。なお、かかる実施例は本発明の
範囲を何ら限定するものではない。
て更に詳細に説明する。なお、かかる実施例は本発明の
範囲を何ら限定するものではない。
【0039】〔実施例1〕図1〜3に示す真空蒸着装置
によって磁性層を形成した。即ち、真空チャンバ1を2
×10-5Torrまで排気し、Coを蒸着金属材料とし
てルツボ6の中に投入した。第1及び第2の遮蔽板8
a,8bをそれぞれ所定位置とした後、電子銃7から出
力80kWで電子ビームを照射して蒸着雰囲気とした。
厚さ6.3μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム4を巻き出しロール2から巻き取りロール
3へと40m/minで走行させた。また、それと同時
に酸素ノズル9から酸素ガスを270SCCM導入し
て、磁性層が170nmとなるように成膜した。この時
のA/Bは表1に示されるように0.5であった。ま
た、最小入射角度は60゜、最大入射角度は90゜であ
った。
によって磁性層を形成した。即ち、真空チャンバ1を2
×10-5Torrまで排気し、Coを蒸着金属材料とし
てルツボ6の中に投入した。第1及び第2の遮蔽板8
a,8bをそれぞれ所定位置とした後、電子銃7から出
力80kWで電子ビームを照射して蒸着雰囲気とした。
厚さ6.3μmのポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム4を巻き出しロール2から巻き取りロール
3へと40m/minで走行させた。また、それと同時
に酸素ノズル9から酸素ガスを270SCCM導入し
て、磁性層が170nmとなるように成膜した。この時
のA/Bは表1に示されるように0.5であった。ま
た、最小入射角度は60゜、最大入射角度は90゜であ
った。
【0040】その後、ECR−CVD装置を用いて原料
ガスにベンゼンを使用して磁性層上に、10nmの保護
層(DLC膜)を形成し、更にPETフィルムの裏面に
一般的な結合剤にカーボンブラックを混合させたバック
コート塗料を乾燥厚さが0.5μmになるように塗布
(グラビアコート)・乾燥してバックコート層を形成し
た。次いで、保護層(DLC膜)上に、フッ素系潤滑剤
を2nmの厚さに塗布し、潤滑剤層を形成した。
ガスにベンゼンを使用して磁性層上に、10nmの保護
層(DLC膜)を形成し、更にPETフィルムの裏面に
一般的な結合剤にカーボンブラックを混合させたバック
コート塗料を乾燥厚さが0.5μmになるように塗布
(グラビアコート)・乾燥してバックコート層を形成し
た。次いで、保護層(DLC膜)上に、フッ素系潤滑剤
を2nmの厚さに塗布し、潤滑剤層を形成した。
【0041】次に、PETフィルムをスリットして、磁
気テープを得、得られた磁気テープをDVCカセットケ
ースに装填してDVCカセットとした。
気テープを得、得られた磁気テープをDVCカセットケ
ースに装填してDVCカセットとした。
【0042】〔実施例2〜5及び比較例1〜3〕第1及
び第2の遮蔽板8a,8bの位置を上下に移動し、上記
したA/Bが、表1に示すように、1.5(実施例
2)、2.5(実施例3)、3.5(実施例4)、4.
5(実施例5)、5.5(比較例1)、7.0(比較例
2)、9.5(比較例3)となるようにした以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを得、さらにはDVCカ
セットとした。また、いずれも最小入射角度は60゜、
最大入射角度は90゜であった。
び第2の遮蔽板8a,8bの位置を上下に移動し、上記
したA/Bが、表1に示すように、1.5(実施例
2)、2.5(実施例3)、3.5(実施例4)、4.
5(実施例5)、5.5(比較例1)、7.0(比較例
2)、9.5(比較例3)となるようにした以外は、実
施例1と同様にして磁気テープを得、さらにはDVCカ
セットとした。また、いずれも最小入射角度は60゜、
最大入射角度は90゜であった。
【0043】<特性評価>実施例1〜5及び比較例1〜
3によって得られた磁気テープについて、磁性層の中心
線平均表面粗さ(Ra)と周波数特性を下記の方法に準
拠して測定し、その結果を表1に示す。
3によって得られた磁気テープについて、磁性層の中心
線平均表面粗さ(Ra)と周波数特性を下記の方法に準
拠して測定し、その結果を表1に示す。
【0044】(中心線平均表面粗さ:Ra)ランクテー
ラーボブソン社製タリステップにより(1NのHCl液
でエッチングにより断差を作った)断差を3回平均にて
測定した。
ラーボブソン社製タリステップにより(1NのHCl液
でエッチングにより断差を作った)断差を3回平均にて
測定した。
【0045】(周波数特性)SONY製DVCカメラデ
ッキを改造して波長0.20μm、0.50μm、0.
75μm、1.0μmについて測定し、比較例1をそれ
ぞれ0dBとした相対値で示した。
ッキを改造して波長0.20μm、0.50μm、0.
75μm、1.0μmについて測定し、比較例1をそれ
ぞれ0dBとした相対値で示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果から明らかな通り、実施例1〜
5で得られた磁気テープは、比較例1〜3で得られた磁
気テープよりも、磁性層の表面性が良好で、しかも周波
数特性に優れていることが判る。
5で得られた磁気テープは、比較例1〜3で得られた磁
気テープよりも、磁性層の表面性が良好で、しかも周波
数特性に優れていることが判る。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の製造方法
によって、磁性層の表面状態が良好で、周波数特性に優
れた金属薄膜型の磁気記録媒体が得られる。
によって、磁性層の表面状態が良好で、周波数特性に優
れた金属薄膜型の磁気記録媒体が得られる。
【図1】本発明の製造方法に用いられる連続真空蒸着装
置を示す図である。
置を示す図である。
【図2】図1における蒸着装置の蒸着金属材料の最大入
射角と最小入射角を示す図。
射角と最小入射角を示す図。
【図3】図1の冷却キャンロール及びルツボ部分の拡大
説明図。
説明図。
【図4】本発明の製造方法により得られる磁気記録媒体
の構造の一例を示す模式図。
の構造の一例を示す模式図。
1 チャンバ 2 巻き出しロール 3 巻き取りロール 4 支持体 5 冷却キャンロール 6 ルツボ 7 電子銃 8a 第1の遮蔽板 8b 第2の遮蔽板
Claims (3)
- 【請求項1】 電子銃からの電子ビームによってルツボ
中の蒸着金属材料を蒸発させ、該蒸発させた蒸着金属材
料を、最小入射角を規制する第1の遮蔽板と最大入射角
を規制する第2の遮蔽板とからなる2つの可動する遮蔽
板によって、該最小入射角と該最大入射角とを規制して
蒸着領域を限定しつつ、冷却キャンロールにより搬送さ
れている支持体上に蒸着し、少なくとも1層以上の磁性
層を形成する金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法であっ
て、 上記冷却キャンロールの中心から水平面に垂線を下ろ
し、該垂線から上記蒸着領域方向に45度回転させた直
線の該冷却キャンロールへ向かう方向をa方向とし、上
記第1の遮蔽板と上記第2の遮蔽板とのなす角度の1/
2の角度をなし、該冷却キャンロールへ向かう方向をb
方向としたときに、上記a方向を法線とする上記支持体
表面の投影面の下記面積Aと、上記b方向を法線とする
上記支持体表面の投影面の下記面積Bとが、下記式
[1]を満足するように蒸着することを特徴とする磁気
記録媒体の製造方法。 A/B<5 [1] (但し、面積Aは、上記2つの遮蔽板それぞれの先端か
らa方向とそれぞれ平行な直線間の距離(l)と、上記
冷却キャンロール上に成膜される幅との積で表され、 面積Bは、上記ルツボ中心及び上記第1の遮蔽板先端を
通る直線と上記冷却キャンロールとの交点をb1 とし、
該交点b1 からb方向を示す直線に下ろした垂線と上記
ルツボ中心及び上記第2の遮蔽板先端を通る直線との交
点をb2 としたときの該交点b1 、b2 間の距離(m)
と、上記冷却キャンロール上に成膜される幅との積で表
される) - 【請求項2】 上記A/Bが0〜3である請求項1に記
載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項3】 上記2つの遮蔽板が上下及び/又は左右
に可動する請求項1又は2に記載の磁気記録媒体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32284297A JPH11161953A (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32284297A JPH11161953A (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11161953A true JPH11161953A (ja) | 1999-06-18 |
Family
ID=18148223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32284297A Pending JPH11161953A (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11161953A (ja) |
-
1997
- 1997-11-25 JP JP32284297A patent/JPH11161953A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0729134A1 (en) | Magnetic recording medium | |
JPH11161953A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH01264632A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法および製造装置 | |
JPH11185239A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2756241B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP3076543B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2843252B2 (ja) | 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 | |
JPH11161954A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH0676281A (ja) | 磁気記録媒体及びその製造方法、製造装置 | |
JPH053052B2 (ja) | ||
JP2951892B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH07192259A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH0817050A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH08102049A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0991659A (ja) | 磁気記録媒体及びその製造方法 | |
JPH1041177A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH10105964A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH0798831A (ja) | 磁気記録媒体、その製造方法及び製造装置 | |
JPH06176360A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH06103571A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH10105951A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH07114731A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
JPH0845052A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0798832A (ja) | 磁気記録媒体、その製造方法及び製造装置 | |
JPH1129853A (ja) | 磁気記録媒体の製造装置及び製造方法 |