JPH11160859A - 平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物及びこれを用いた平板デイスプレイ用感光性エレメント - Google Patents

平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物及びこれを用いた平板デイスプレイ用感光性エレメント

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Publication number
JPH11160859A
JPH11160859A JP9321038A JP32103897A JPH11160859A JP H11160859 A JPH11160859 A JP H11160859A JP 9321038 A JP9321038 A JP 9321038A JP 32103897 A JP32103897 A JP 32103897A JP H11160859 A JPH11160859 A JP H11160859A
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JP
Japan
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acrylate
methacrylate
resin composition
photosensitive resin
phosphor
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Pending
Application number
JP9321038A
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English (en)
Inventor
Naoki Kimura
直紀 木村
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Kazuya Sato
和也 佐藤
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Seiji Tai
誠司 田井
Yoshiyuki Horibe
芳幸 堀部
Mariko Shimamura
真理子 島村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体の分散性、フイルム形成性等に優れ、
また平板ディスプレイ用感光性エレメントを歩留りよく
製造できる平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物及び蛍
光体の分散性、フイルム形成性等に優れ、かつ、作業性
等に優れた平板ディスプレイ用感光性エレメントを提供
する。 【解決手段】 (a)蛍光体、(b)下記一般式
(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜1
0のアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニ
ル基又はヒドロキシル基を示し、Rが複数個の場合それ
らは同一でも異なっていてもよく、pは0〜6の整数で
ある)で表される化合物、(c)アルコール、(d)フ
ィルム性付与ポリマ、(e)エチレン性不飽和化合物及
び(f)光重合開始剤を含んでなる平板デイスプレイ用
感光性樹脂組成物並びに支持体上に前記平板ディスプレ
イ用感光性樹脂組成物を塗布、乾燥してなる平板デイス
プレイ用感光性エレメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平板ディスプレイ
用感光性樹脂組成物及びこれを用いた平板デイスプレイ
用感光性エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平板デイスプレイの1つとし
て、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることに
よって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)が知られている。PDPは、ガ
ラスからなる平板状の前面板と背面板とが互いに平行に
かつ対向して配設され、両者はその間に設けられたバリ
アリプにより一定の間隔に保持されており、前面板、背
面板及びバリアリブに囲まれた空間で放電する構造にな
っている。このような空間には、表示のための蛍光体が
塗布され、放電によって封入ガスから発生する紫外線に
よって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認で
きるようになっている。
【0003】従来、この蛍光体を設ける方法としては、
各色蛍光体を分散させたスラリー液もしくは液状ぺース
トをスクリーン印刷等の印刷方法によって塗布する方法
が提案されており、特開平1−115027号公報、特
開平1−124929号公報、特開平1−124930
号公報、特開平2−155142号公報等に開示されて
いる。また、スラリー液に液状の感光性レジストを用い
る場合は、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物を構成す
る各成分を、溶解又は分散可能な溶剤に、溶解又は混合
させることにより、均一に分散した溶液として前記PD
P用基板に直接塗布し、乾燥し、光硬化し、焼成し、蛍
光体パターンを形成する。また、感光性エレメントを用
いる場合は(特開平6−267421号公報及び特開平
6−273925号公報)、蛍光体を含有する感光性樹
脂層と支持体フィルムよりなる感光性エレメントの蛍光
体を含有する感光性樹脂層を、加熱圧着(ラミネート)
により前記PDP用基板の空間に埋め込み、次に、ネガ
フィルム等を用いて、写真法により紫外線等の活性光で
像的に露光し、その後、アルカリ水溶液等の現像液で、
未露光部分を除去し、さらに、焼成により不必要な有機
成分を取り除いて、必要な部分のみに蛍光体パターンを
形成する。
【0004】上記の蛍光体を有する液状の感光性レジス
ト又は感光性エレメントに使用される蛍光体を分散させ
るための溶剤はエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、テレピネオール等の有機溶剤が用いられて
いた。しかし、これらの有機溶剤を用いて感光性エレメ
ントを形成すると蛍光体の分散性が悪く感光性エレメン
トに蛍光体のむらができる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、蛍光体の分散性、フイルム形成性等に優れ、また平
板ディスプレイ用感光性エレメントを歩留りよく製造で
きる平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物を提供するも
のである。請求項2記載の発明は、蛍光体の分散性、フ
イルム形成性等に優れ、かつ、作業性等に優れた平板デ
ィスプレイ用感光性エレメントを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)蛍光
体、(b)下記一般式(I)
【化2】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜1
0のアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニ
ル基又はヒドロキシル基を示し、Rが複数個の場合それ
らは同一でも異なっていてもよく、pは0〜6の整数で
ある)で表される化合物、(c)アルコール、(d)フ
ィルム性付与ポリマ、(e)エチレン性不飽和化合物及
び(f)光重合開始剤を含んでなる平板デイスプレイ用
感光性樹脂組成物に関する。
【0007】また、本発明は、支持体上に前記の平板デ
ィスプレイ用感光性樹脂組成物を塗布、乾燥してなる平
板ディスプレイ用感光性エレメント関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の平板ディスプレイ用感光
性樹脂組成物は、(a)蛍光体、(b)上記一般式
(I)で表される化合物、(c)アルコール、(d)フ
ィルム性付与ポリマ、(e)エチレン性不飽和化合物及
び(f)光重合開始剤を必須成分として含有する。
【0009】上記(a)蛍光体としては、特に限定はな
く、通常の金属酸化物を主体とするものが使用できる。
赤色発色の蛍光体としては、例えば、Y22S:Eu、
Zn3(PO4)2:Mn、Y23:Eu、YVO4:Eu、
(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Zn3(PO4)2:Mn、
(ZnCd)S:Ag+In2O等が挙げられる。緑色発
色の蛍光体としては、例えば、ZnS:Cu、Zn2
iO4:Mn、ZnS:Cu+Zn2SiO4:Mn、G
22S:Tb、Y3Al512:Ce、ZnS:Cu,
Al、Y22S:Tb、ZnO:Zn、ZnS:Cu,
Al+In23、LaPO4:Ce,Tb、BaO・6
Al23:Mn等が挙げられる。青色発色の蛍光体とし
ては、例えば、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al、Z
nS:Ag,Ga,Al、ZnS:Ag,Cu,Ga,
Cl、ZnS:Ag+In23、Ca259Cl:E
2+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:E
2+、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+、BaMgAl10
17:Eu2+、BaMgAl1423:Eu2+、BaMg
Al1626:Eu2+等が挙げられる。
【0010】本発明の(a)蛍光体成分の配合量は、
(d)成分、(e)成分及び(f)成分の総量100重
量部に対して、10〜500重量部とすることが好まし
く、10〜400重量部とすることがより好ましく、1
0〜300重量部とすることが特に好ましく、50〜2
50重量部とすることが極めて好ましい。この配合量
が、10重量部未満では、PDPとして発光させた場
合、発光効率が低下する傾向があり、500重量部を越
えると、感光性エレメントとした場合に、フィルム形成
性が低下したり、可とう性が低下する傾向がある。
【0011】上記(b)一般式(I)において、炭素数
1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基等が挙
げられ、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基とし
ては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシ
カルボニル基等が挙げられる。(b)一般式(I)で表
される化合物としては、具体的には、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ブチルベンゼン、フェノール、フタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチルヘキシ
ル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル等が挙げられ
る。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。これらのうちで、溶解性及び取り扱いのしや
すさから、トルエンが好ましい。
【0012】上記(c)アルコールとしては、特に制限
はなく、公知のものを使用できる。例えば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノ−ル、2−ブタノール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1、4−ブタンジ
オール、2,3−ブタンジオール、1ーブタンチオー
ル、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t
ert−ブチルアルコール、n−ペンタノール、1−ペン
タノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1,
5−ペンタンジオール、3−エチル−3−ペンタノー
ル、n−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサ
ノール、1、6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサン
ジオール、n−ヘプタール、2−ヘプタール、4−ヘプ
タール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−ブ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレン
グリコール、ベンジルアルコール、シクロプロパノー
ル、シクロヘキサノール、シクロペンタノール等が挙げ
られる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせ
て使用される。
【0013】(b)成分及び(c)成分の合計の配合量
は、平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物の固形分が2
0〜70重量%となるような量が好ましく、30〜50
重量部となるような量がより好ましい。この配合量が、
少なすぎると平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物中の
(a)蛍光体の分散性が悪くなる傾向があり、多すぎる
とフィルム形成性が悪くなる傾向がある。なお、(b)
成分及び(c)成分の使用比率は、平板ディスプレイ用
感光性樹脂組成物中の(d)成分、(e)成分及び
(f)成分の溶解安定性、(a)成分の分散性、フィル
ム形成性等の点から、(b)成分100重量部に対し
て、(c)成分10〜1000重量部とすることが好ま
しい。
【0014】また、本発明の平板ディスプレイ用感光性
樹脂組成物には、(b)成分以外の有機溶剤や(c)成
分以外の有機溶剤を含ませることができ、そのような有
機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ヘキサ
ン酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢
酸プロピル、酢酸ヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸ペンチ
ル、酢酸オクチル、酢酸クレシル、ギ酸エチル、ギ酸ブ
チル、ギ酸メチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチル、メチ
ルエチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられる。
このような有機溶剤を使用する場合その配合量は、
(a)成分の分散性、フィルム形成性等の点から、
(b)成分及び(c)成分の総量100重量部に対し
て、10〜500重量部とすることが好ましい。
【0015】上記(d)フィルム性付与ポリマとして
は、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体の製造
に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロ
ピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチ
ル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチ
ル、メタクリル酸secブチル、アクリル酸tert−ブチ
ル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、
メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸
オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、ア
クリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシ
ル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシ
ル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシ
ル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシ
ル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メ
タクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタ
クリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチ
ル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレン
グリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコー
ル、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタ
クリル酸メトキシジブロピレングリコール、アクリル酸
メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキ
シトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノ
エチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプ
ロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリ
ル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチ
ル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−
フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタク
リル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビ
ニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは単
独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0016】また、(d)フィルム性付与ポリマとし
て、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エス
テル又はポリメタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ
酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共
重合体の加水分解物、エチレンとアクリル酸エステルと
の共重合体の加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの
共重合体の加水分解物、スチレンとアクリル酸エステル
又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、
ビニルトルエンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸
エステルとの共重合体の加水分解物等)、カルボキシア
ルキルセルロースの水溶性塩、ヒドロキシプロピルセル
ロース等の水溶性セルロース類、水溶性セルロースエー
テル類、カルボキシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビ
ニルピロリドン等を使用することもできる。
【0017】本発明における(d)フイルム性付与ポリ
マの重量平均分子量は、5,000〜300,000と
することが好ましく、20,000〜150,000と
することがより好ましい。この重量平均分子量が、5,
000未満では、感光性エレメントとした場合にフィル
ム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、300,
000を超えると、現像性(不要部が現像により、容易
に除去できる性質)が低下する傾向がある。なお、重量
平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイ
ー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換
算した値である。
【0018】また、平板ディスプレイ用感光性樹脂組成
物が、公知の各種現像液により現像可能となるように、
(d)フィルム性付与ポリマのカルボキシル基含有率
(酸価(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整すること
ができる。例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等
のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を、
90〜260とすることが好ましい。この酸価が、90
未満では、現像が困難となる傾向があり、260を超え
ると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパター
ンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)が低
下する傾向がある。また、水又はアルカリ水溶液と1種
以上の有幾溶剤とからなる水系現像液を用いて現像する
場合には、酸価を、16〜260とすることが好まし
い。この酸価が、16未満では、現像が困難となる傾向
があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾向
がある。また、水と水に溶解しない1種以上の有機溶剤
とからなる現像液(エマルジョン現像液)を用いて現像
する場合には、カルボキシル基を含有しなくてもよい。
また、1,1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤現像
液を用いる場合にも、カルボキシル基を含有しなくても
よい。
【0019】(d)成分の配合量は、(d)成分及び
(e)成分の総量100重量部に対して、10〜90重
量部とすることが好ましく、20〜80重量部とするこ
とがより好ましい。この配合量が、10重量部未満で
は、感光性エレメントとしてロール状で供給した場合、
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物がロール端部からし
み出す(以下エッジフユージョンと記す)ことにより、
感光注エレメントのラミネート時にロールからの繰り出
しが困難となり、またしみ出した部分がPDP用基板の
空間に部分的に過剰に埋め込まれ、製造歩留りが著しく
低下する等の間題が生じたり、フイルム形成性が低下す
る傾向があり、90重量部を超えると、感度が不充分と
なる傾向がある。
【0020】上記(e)エチレン性不飽和化合物として
は、光重合性多官能モノマとして公知のものを全て用い
ることができる。例えば、下記一般式(II)
【化3】 (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、kは1〜
10の整数であり、Yは置換基を有していてもよい飽和
又は不飽和の炭化水素基又は複素環残基若しくはポリア
ルキレングリコール残基、
【化4】 (ただし、R2及びR3は各々独立に水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基又はトリフルオロメチル基を
示し、R4及びR5は各々独立に炭素数1〜6のアルキレ
ン基を示し、m及びnは各々独立に1〜20の整数を示
す)を示す)で表される末端にエチレン性不飽和基を有
する化合物等が挙げられる。
【0021】一般式(II)中、Yで示される置換基を有
していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複素
環残基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基等を有する置換基を有し
ていてもよい炭素数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環
状のアルカン残基(メタン残基、エタン残基、プロパン
残基、シクロプロパン残基、ブタン残基、イソブタン残
基、シクロブタン残基、ペンタン残基、イソペンタン残
基、ネオペンタン残基、シクロペンタン残基、ヘキサン
残基、シクロヘキサン残基、ヘブタン残基、シクロヘプ
タン残基、オクタン残基、ノナン残基、デカン残基
等)、芳香族環残基(ベンゼン残基、ナフタレン残基、
アントラセン残基、ビフェニル残基、ターフェニル残基
等)、複素環残基(フラン残基、チオフェン残基、ピロ
ール残基、オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダ
ゾール残基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン
残基、トリアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残
基等)などが挙げられる。
【0022】具体的には、1個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル系モノマ(アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリ
ル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル
酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸
sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸te
rt−ブチル、メタクリルtert−ブチル、アクリル酸ペン
チル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メ
タクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル
酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタク
リル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニ
ル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル
酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラ
デシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサ
デシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタ
デシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコ
シル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、
メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メ
タクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘ
プチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベン
ジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メ
タクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸
ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノ
プロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸
2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メ
タクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノ
エチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸メ
トキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジ
エチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレン
グリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコ
ール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メ
タクリル酸メトキシトリエチレングリコール等)、スチ
レン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレン、p−t
−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モノマ(ブタ
ジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビニル系モノ
マ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル系モノマ
(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、1−
(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)−2−
(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカルボニ
ル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0023】二個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサ
プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタ
クリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチ
レングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリ
レート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、
2,2′−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2′−ビス〔4−(メタクリロキ
シジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2′−ビス
〔4−(アクリロキシペンタエトキシ)フェニル〕プロ
パン、2,2′−ビス〔4−(メタクリロキシペンタエ
トキシ)フェニル〕プロパン、ビスフェノールAジグリ
シジルエーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテルジメタクリレート、ウレタンジアクリ
レート化合物等が挙げられる。
【0024】三個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルトリメタクリレート等が挙げられる。四個の不飽和結
合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロール
プロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパ
ンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート等が挙げられる。
【0025】五個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が
挙げられる。六個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が
挙げられる。これらの不飽和結合を有する単量体は、い
ずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであ
ればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、本発明における蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物は、蛍光体パターンの作製時に、焼成により不要分を
除去する必要があるため、前記した(b)エチレン性不
飽和基を有する光重合性不飽和化合物の中では、熱分解
性が良好な、ポリエチレングリコールジメタクリレート
がより好ましい。
【0026】(e)成分の配合量は、(d)成分及び
(e)成分の総量100重量部に対して、10〜90重
量部とすることが好ましく、20〜80重量部とするこ
とがより好ましい。この配合量が、10重量部未満で
は、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の感度が不充分
となる傾向があり、90重量部を超えると、光硬化物が
脆くなる傾向があり、また、感光性エレメントとした場
合に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物が流動によっ
て端部からしみ出したり、フイルム形成性が低下する傾
向がある。
【0027】上記(f)光重合開始剤としては、例え
ば、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、4,4′
−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケ
トン)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェ
ノン、4−メトキシ−4−ジメチルアミノベンゾフェノ
ン等)、チオキサントン(エチルチオキサントン、ジエ
チルチオキサントン等)、アントラキノン(2−エチル
アントラキノン、フェナントラキノン等)、ベンゾイン
エーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベンゾ
イン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベン
ジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、ジアルキ
ルアミノ安息香酸アルキルエステル(ジメチルアミノ安
息香酸エチル、ジエチルアミノ安息香酸プロピル等)
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ
ール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ
(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−
(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、
2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイ
ミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニ
ル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体等)、モルフォリノ基含有化合物
(2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−
モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブ
タノン−1等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアク
リジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプ
タン等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類
以上を組み合わせて使用される。
【0028】(f)成分の配合量は、(d)成分及び
(e)成分の総量100重量部に対して、0.01〜3
0重量部とすることが好ましく、0.1〜20重量部と
することがより好ましい。この配合量が、0.01重量
部未満では、感度が不充分となる傾向があり、30重量
部を超えると、活性光の吸収が増大して、パターン内部
の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0029】本発明の平板デイスプレイ用感光性樹脂組
成物には、必要に応じて、ジエチレングリコール等の可
塑剤、ベンゾトリアゾール、テトラゾール等の密着性向
上剤、レベリング効果や消泡効果のあるシリコン系界面
活性剤、ロイコクリスタルバイオレット、トリブロモメ
チルフェニルスルフォン等の発色剤、マラカイトグリー
ン、フタロシアニングリーン等の染料又は顔料などを添
加することができる。
【0030】本発明の平板デイスプレイ用感光性樹脂組
成物を、スクリーン印刷法、グラビアコート法等により
平板デイスプレイ用基板上にパターン状に塗布し、必要
に応じ加熱して乾燥し、必要に応じ熱硬化又は光硬化
し、焼成して蛍光体パターンを形成できる。また、高精
細なパターン形状を得る点から、平板デイスプレイ用感
光性樹脂組成物を、スクリーン印刷法、ロールコート法
等により板デイスプレイ用基板上に全面塗布し、フォト
リソグラフ法を適用して蛍光体パターン前駆体を形成
し、これを焼成して蛍光体パターンを形成することがで
きる。また、より高精細なパターン形状、バリアリブ壁
面への蛍光体形成性、作業性の観点から、平板ディスプ
レイ用感光性樹脂組成物の層を有するドライフィルム
(平板ディスプレイ用感光性エレメント)を用いて、こ
れを平板ディスプレイパネル用基板上にラミネートする
ことにより平板ディスプレイパネル用基板上に平板ディ
スプレイ用感光性樹脂組成物の層を転写し、この平板デ
ィスプレイ用感光性樹脂組成物の層にフォトリソグラフ
法を適用してパターニングして蛍光体パターン前駆体を
形成し、これを焼成して、蛍光体パターンを形成するこ
とができる。
【0031】色の異なる平板デイスプレイ用感光性樹脂
組成物に対して、以上のいずれかの方法を繰り返し行う
ことにより平板デイスプレイ用基板上に多色の蛍光体パ
ターンを形成することができる。
【0032】本発明の平板ディスプレイ用感光性エレメ
ントは、前記平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物を、
支持体上に塗布、乾燥し、支持体上に平板ディスプレイ
用感光性樹脂組成物の層(感光層)を形成することによ
り製造できる。前記支持体としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等
からなる重合体フィルムが挙げられ、なかでも、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムが好ましい。これらの重
合体フィルムの厚さは、5〜100μmとすることが好
ましく、10〜30μmとすることがより好ましい。ま
た、これらの重合体フィルムは、一つは感光層の支持体
として、他の一つは感光層の保護フィルムとして感光層
の両面に積層することができる。
【0033】本発明の平板ディスプレイ用感光性エレメ
ントを用いて蛍光体パターンを製造する方法としては、
前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィ
ルムを除去後、必要に応じて感光層を加熱(90〜13
0℃)しながら平板ディスプレイパネル用基板(予熱さ
れていてもよい)上に圧着(1〜10kgf/cm2)させる
ことにより積層(ラミネート)する方法などが挙げられ
る。前記平板ディスプレイパネル用基板基板としては、
バリアリブが形成された凹凸を有するプラズマディスプ
レイパネル用基板(PDP用基板)等が挙げられる。こ
のPDP用基板としては、例えば、透明な接着のための
表面処理を施していてもよい、ガラス板、合成樹脂板等
の基板に、電極及びバリアリブが形成されたものなどが
挙げられる。バリアリブの形成には、特に制限なく、公
知の材料を使用できるが、例えば、シリカ、熱硬化性樹
脂、低融点ガラス(酸化鉛等)、溶剤などを含むリブ材
を用いることができる。また、PDP用基板には、電極
及びバリアリブの他に、必要に応じて、誘電膜、絶縁
膜、補助電極、抵抗体等が形成されていてもよい。
【0034】このようにして積層が完了した感光層
は、、感光層上に存在する支持体を剥離してネガフィル
ム又はポジフィルムを介して活性光に画像的に露光され
るか、あるいは、感光層上に存在する支持体を剥離せず
にネガフィルム又はポジフィルムを介して活性光に画像
的に露光される。活性光としては、公知の活性光源、例
えば、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、キセノンアー
ク等から発生する光が用いられる。
【0035】次いで、露光後、感光層上に支持体等が存
在している場合には、これを除去した後、アルカリ水溶
液等を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシ
ング、スクラッピング等の公知方法により未露光部を除
去し現像して蛍光体パターン前駆体を形成し、次いでこ
の蛍光体パターン前駆体を焼成(350〜800℃で
0.5〜5時間)し蛍光体パターンを製造できる。上記
現像時のアルカリ水溶液に用いられる塩基としては、水
酸化アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水
酸化物等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム若し
くはカリウムの炭酸塩又は重炭酸塩等)、アルカリ金属
リン酸塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、ア
ルカリ金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロ
リン酸カリウム等)などが挙げられ、炭酸ナトリウムが
好ましい。現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、9〜1
1の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光層の
現像性に合わせて調節される。また、アルカリ水溶液中
には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少
量の有機溶剤等を混入させることもできる。
【0036】本発明においては、平板ディスプレイ用感
光性樹脂組成物中に(b)成分及び(c)成分を含むた
め、蛍光体の分散性が優れ、感光性エレメントの感光性
樹脂組成物の層の均一性が良好で、感光性エレメント製
造の留まりを向上できる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 〔フィルム性付与ポリマの溶液(d−1)の作製〕撹拝
機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた
フラスコに、下記表1に示す材料を仕込み、窒素ガス
雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に
保ちながら、表1に示す材料を4時間かけて均一に滴
下した。滴下後、80℃±2℃で6時間攪拌を続け、重
量平均分子量が80,000、酸価が130mgKOH/gの
フイルム性付与ポリマの溶液(固形分45.5重量%)
(d−1)を得た。
【0038】
【表1】
【0039】〔蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層用
溶液(D−1)の作製〕下記の表2に示す材料を、ライ
カイ機を用いて15分間混合し、蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物用溶液(D−1)を作製した。
【0040】
【表2】
【0041】次いで、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物用溶液(D−1)を、20μmの厚さのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に均一に塗布し、110℃の
熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物の層(厚さ50μm)
を形成した。次いで、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物の層上に、さらに、25μmの厚さのポリエチレンフ
ィルムを、保護フィルムとして張り合わせて、感光性エ
レメント(i)を作製した。
【0042】得られた感光性エレメント(i)を下記の
方法で評価し、結果を表3に示した。 〔評価方法〕ロール状に巻き取られた長さ20m、幅
0.4mの感光性エレメント(i)の感光性樹脂組成物
の層の膜厚分布及びフィルム形成性を膜厚測定器及び目
視により評価した。なお、フィルム形成性評価基準は次
の通りである。 ○:フイルムの均一性が良好なもの(感光性エレメント
に蛍光体のむらがないもの) ×:フイルムの均一性が不良なもの(感光性エレメント
に蛍光体のむらが発生したもの)
【0043】比較例1 実施例1において、表1におけるn−ブタノール及び表
2におけるn−ブタノールを共にメチルエチルケトンに
代えた以外は、実施例1と同様にして感光性エレメント
(ii)を作製した。得られた感光性エレメント(ii)の
フィルムの均一性を、実施例1と同様にして評価し、結
果を表3に示した。
【0044】
【表3】
【0045】表3の結果から、実施例1では、蛍光体の
分散性が良好であり、膜厚分布が小さく、フィルム形成
性は良好であった。しかし、比較例1では、蛍光体の分
散性が劣り、膜厚分布が大きく、フィルム形成性が不良
となった。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の平板ディスプレイ用感光
性樹脂組成物は、蛍光体の分散性、フイルム形成性等に
優れ、また平板ディスプレイ用感光性エレメントを歩留
りよく製造できるものである。請求項2記載の平板ディ
スプレイ用感光性エレメントは、蛍光体の分散性、フイ
ルム形成性等に優れ、かつ、作業性等に優れたものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 9/227 H01J 9/227 E 17/49 17/49 Z (72)発明者 野尻 剛 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 堀部 芳幸 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 島村 真理子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)蛍光体、(b)下記一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜1
    0のアルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニ
    ル基又はヒドロキシル基を示し、Rが複数個の場合それ
    らは同一でも異なっていてもよく、pは0〜6の整数で
    ある)で表される化合物、(c)アルコール、(d)フ
    ィルム性付与ポリマ、(e)エチレン性不飽和化合物及
    び(f)光重合開始剤を含んでなる平板デイスプレイ用
    感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 支持体上に請求項1記載の平板ディスプ
    レイ用感光性樹脂組成物を塗布、乾燥してなる平板デイ
    スプレイ用感光性エレメント。
JP9321038A 1997-11-21 1997-11-21 平板ディスプレイ用感光性樹脂組成物及びこれを用いた平板デイスプレイ用感光性エレメント Pending JPH11160859A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014125589A1 (ja) * 2013-02-14 2014-08-21 千代田ケミカル株式会社 密着性向上剤

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