JPH09125056A - 表面処理された蛍光体及びその製造法 - Google Patents

表面処理された蛍光体及びその製造法

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JPH09125056A
JPH09125056A JP7285792A JP28579295A JPH09125056A JP H09125056 A JPH09125056 A JP H09125056A JP 7285792 A JP7285792 A JP 7285792A JP 28579295 A JP28579295 A JP 28579295A JP H09125056 A JPH09125056 A JP H09125056A
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photosensitive resin
phosphor
methacrylate
resin composition
acrylate
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Application number
JP7285792A
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English (en)
Inventor
Koichi Uejima
浩一 上島
Hideyasu Tachiki
秀康 立木
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Seiji Tai
誠司 田井
Seikichi Tanno
清吉 丹野
Hajime Kakumaru
肇 角丸
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルボキシル基を含有する樹脂を用いて分散
した場合でも増粘を起こさない、貯蔵安定性に優れた表
面処理された蛍光体及びその製造法を提供する。 【解決手段】 樹脂により表面処理された蛍光体及び蛍
光体表面を、樹脂で表面処理することを特徴とする表面
処理された蛍光体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理された蛍
光体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平板ディスプレイの1つとし
て、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることに
よって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)が知られている。このようなP
DPは、ガラスからなる平板状の前面板と背面板とが、
互いに平行にかつ対向して配設され、両者はその間に設
けられたセル障壁により、一定の間隔に保持されてお
り、前面板、背面板及びセル障壁に囲まれた空間で放電
する構造になっている。このようなセル内には、表示の
ための蛍光体が塗布され、放電により、封入ガスから発
生する紫外線によって蛍光体が発光させられ、この光を
観察者が視認できるようになっている。
【0003】従来、この蛍光体の形成方法としては、各
色蛍光体を含有する感光性樹脂組成物を、スクリーン印
刷等の印刷方法によって塗布する方法が試みられてお
り、特開平1−115027号公報、特開平1−124
929号公報、特開平1−124930号公報、特開平
2−155142号公報等に開示されている。しかし、
スクリーン印刷等の印刷方法は、形成精度に劣るため、
将来的なPDPの大画面化への対応は困難である等の問
題がある。これらの問題点の解決には、蛍光体を含有さ
せた感光性フィルムを用いる方法が提案されている(特
開平6−273925号公報)。感光性フィルムを用い
る方法とは、蛍光体を含む感光性樹脂層と支持体フィル
ムよりなる感光性フィルムの蛍光体含有感光性樹脂層
を、加熱圧着(ラミネート)により、前記PDPセル内
に埋め込み、次いで、ネガフィルムを用いて写真法によ
って紫外線等の活性光で像的に露光し、その後、アルカ
リ水溶液等の現像液で未露光部分を除去して、さらに、
焼成により不必要な有機成分を取り除いて、必要な部分
のみに蛍光体を形成するものである。
【0004】しかし、上記した蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物及び感光性フイルムを用いる方法では、アル
カリ水溶液等の現像液で現像する必要性から、カルボキ
シル基等を有する不飽和単量体を共重合した重合体を、
分散用バインダ樹脂として使用しているが、カルボキシ
ル基を有する重合体と蛍光体とが容易に反応するため、
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物及び感光性フイルム
は、増粘やゲル化する等保存安定性が乏しくなる欠点を
有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、カルボキシル基を含有する樹脂を用いて分散した場
合でも増粘を起こさない、貯蔵安定性に優れた表面処理
された蛍光体を提供するものである。請求項2記載の発
明は、カルボキシル基を含有する樹脂を用いて分散した
場合でも増粘を起こさない、貯蔵安定性に優れた表面処
理された蛍光体の製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂により表
面処理された蛍光体に関する。また、本発明は、蛍光体
表面を、樹脂で表面処理することを特徴とする表面処理
された蛍光体の製造法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂により表面処理され
た蛍光体は、金属酸化物を主体とする蛍光体を、樹脂に
よって表面処理することで得られる。
【0008】金属酸化物を主体とする蛍光体として、赤
色発色の蛍光体としては、例えば、Y22S:Eu、Z
3(PO4)2:Mn、Y23:Eu、YVO4:Eu、
(Y,Gd)BO3:Eu等が挙げられる。青色発色の蛍
光体としては、例えば、ZnS:Ag、ZnS:Ag,
Al、ZnS:Ag,Ga,Al、ZnS:Ag,C
u,Ga,Cl、ZnS:Ag+In23、Ca25
9Cl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6
Cl2:Eu2+、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+、BaM
gAl1423:Eu2+、BaMgAl1626:Eu2+
が挙げられる。緑色発色の蛍光体としては、例えば、Z
nS:Cu、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Cu+Zn
2SiO4:Mn、Gd22S:Tb、Y3Al512:C
e、ZnS:Cu,Al、Y22S:Tb、ZnO:Z
n、ZnS:Cu,Al+In23、LaPO4:C
e,Tb、BaO・6Al23:Mn等が挙げられる。
なお、上記した蛍光体は、化成オプトニクス(株)や日亜
化学工業(株)等から購入することができる。
【0009】本発明における蛍光体の表面処理に用いる
樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重
合体、塩化ビニル−ビニルイソブチルエーテル共重合
体、スチレン−ブタジエン系共重合体、塩化ゴム系樹
脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、石油系樹脂、ポリア
クリル酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ
イミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリプ
ロピレン系樹脂、石油系樹脂、合成ゴム、アルキド樹
脂、フェノール系樹脂、シリコーンゴム、シリコーン系
樹脂、テフロン系樹脂、ロジン系樹脂等が挙げられ、そ
の中でもポリアクリル酸系樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂、ポリエーテル系樹脂等が好ましく、ポリアクリ
ル酸系樹脂は、400〜500℃で焼成した際に、残査
を残さない点でより好ましい。これらの樹脂は単独で又
は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0010】これらの樹脂は、市販のよく知られたもの
を使用してもよく、公知の方法で合成したものを使用し
てもよい。また、これらの樹脂の重量平均分子量は、
2,000〜500,000とすることが好ましく、
3,000〜300,000とすることがより好まし
い。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標
準ポリスチレン検量線を用いて換算した値である。
【0011】本発明における表面処理方法としては、例
えば、蛍光体をそのまま又は溶媒に分散させた状態とし
て、これに上記した樹脂の中から選択された1種類以上
の樹脂を、そのまま又は混合物を溶解させたワニスと混
合し、充分に攪拌した後、減圧下で溶媒を留去する方
法、蛍光体をそのまま又は溶媒に分散させた状態とし
て、これに上記した樹脂の中から選択された1種類以上
の樹脂を、そのまま又は溶媒に溶解して添加し、これを
充分に攪拌した後、溶媒を蒸発乾固させるか又はろ過、
乾燥させる方法、ハイブリダイゼーションシステム処理
方法(田中、菊地、小野、材料技術、Vol.8,No.8,1990,
274)等公知の表面処理方法などが挙げられる。蛍光体
を表面処理する樹脂の配合量は、蛍光体100重量部に
対して、0.01〜300重量部とすることが好まし
く、0.1〜200重量部とすることがより好ましく、
5〜200重量部とすることが特に好ましい。この配合
量が0.01重量部未満では、感光性組成物の増粘抑制
効果が不充分となる傾向があり、300重量部を超える
と、焼成時に残査が残り、蛍光体の発光効率が減少する
傾向がある。
【0012】表面処理に溶媒を用いる場合に、使用する
溶媒としては、使用する樹脂が均一に溶解し、かつ蛍光
体を溶解しないものであれば特に制限はなく、例えば、
アルコール系溶媒(エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール、イソブタノール、ベンジルア
ルコール等)、ポリアルキレングリコール系溶媒(メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート等)、芳香族炭化水
素系溶媒(トルエン、キシレン等)、エステル系溶媒
(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン系溶媒(アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトン等)、ハロゲン系溶媒(四塩化炭素、ト
リクロロエタン等)などが挙げられ、また、環境汚染の
問題がない水も溶媒として挙げられる。これらは単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0013】溶剤の使用量は、特に制限はなく、蛍光体
100重量部に対して、10〜10000重量部とする
ことが好ましい。また、樹脂を溶解させる目的で、加熱
しながら表面処理を行うこともできる。
【0014】このようにして得られた、本発明の樹脂に
より表面処理された蛍光体の粒径は、1〜1000μm
とすることが好ましく、1〜500μmとすることがよ
り好ましい。この粒径が1μm未満でも、1000μm
を超えても、蛍光体の発光効率が減少する傾向がある。
【0015】本発明の表面処理された蛍光体は、通常の
感光性樹脂組成物に添加することにより感光性樹脂組成
物とすることができる。以下、本発明の表面処理された
蛍光体を添加した感光性樹脂組成物について詳述する。
感光性樹脂組成物は、(A)本発明の表面処理された蛍
光体、(B)カルボキシル基を有する樹脂、(C)エチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物及び
(D)活性光の照射により遊離ラジカルを生成する光開
始剤を主成分とするものである。
【0016】(B)カルボキシル基を有する樹脂は、不
飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な1種以上の他の
不飽和単量体を共重合することにより得られる。不飽和
カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、これらの無水
物、これらのハーフエステル化物等が挙げられる。これ
らは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0017】不飽和カルボン酸と共重合可能な他の不飽
和単量体としては、特に制限はなく、例えば、アクリル
酸又はメタクリル酸のエステル系モノマ(アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル
酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸i
so−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec
−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert
−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチ
ル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アク
リル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル
酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メ
タクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸
ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テト
ラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキ
サデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オク
タデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコ
シル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、ア
クリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シク
ロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アク
リル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、
アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、
メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−
クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリ
ル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエ
チル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−
シアノエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコー
ル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アク
リル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸
メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシ
トリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエ
チレングリコール等)、スチレン系モノマ(スチレン、
α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ポ
リオレフィン系モノマ(ブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレン等)、ビニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニ
ル等)、ニトリル系モノマ(アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等)などが挙げられる。これらは単独で又
は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0018】(B)カルボキシル基を有する樹脂中の不
飽和カルボン酸の共重合量は、全モノマに対して、1〜
95モル%とすることが好ましく、10〜70モル%と
することがより好ましい。不飽和カルボン酸の共重合量
が、1モル%未満では、充分な現像性を示す樹脂が得ら
れにくい傾向があり、95モル%を超えると、蛍光パタ
ーンの形成に悪影響をもたらす傾向がある。
【0019】不飽和カルボン酸とこれと共重合可能な1
種以上の他の不飽和単量体との共重合体の製造は、例え
ば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方
法で行うことができる。中でも、溶媒中に、不飽和カル
ボン酸、その他のモノマ及びラジカル重合触媒を含む溶
液を滴下しながら重合させる溶液重合法により製造する
ことが好ましい。この時の反応温度は、0〜180℃と
することが好ましく、40〜170℃とすることがより
好ましい。この時の滴下時間は、1〜10時間とするこ
とが好ましく、2〜6時間とすることがより好ましい。
【0020】重合に使用する有機溶媒としては、共重合
反応中に生成する共重合体を溶解するものであれば、特
に制限なく、例えば、アルコール系溶媒(エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブ
タノール、ベンジルアルコール等)、ポリアルキレング
リコール系溶媒(メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリ
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン
等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系
溶媒(四塩化炭素、トリクロロエタン等)などが挙げら
れる。また、環境汚染の問題がない水も溶媒の一つと考
えることができる。これらは単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。有機溶媒の使用量は、特に制限
はなく、通常、全不飽和単量体に対して、0.5〜4倍
(重量比)である。
【0021】共重合に使用するラジカル重合触媒として
は、通常のラジカル重合に使用できる、アゾ系化合物、
パーオキシド系化合物等の開始剤が挙げられる。具体的
には、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(シクロ
プロピルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベ
ンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシベ
ンゾエート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類
以上を組み合わせて使用される。使用するラジカル重合
触媒の量は、特に制限はなく、全モノマ量に対して、
0.1〜5重量%とすることが好ましく、0.2〜4重
量%とすることがより好ましい。
【0022】得られる共重合体の酸価は、5〜400と
することが好ましく、10〜300とすることがより好
ましく、15〜200とすることが特に好ましい。酸価
が、5未満では、現像性が低下する傾向があり、400
を超えると、蛍光パターンの形状に悪影響をもたらす傾
向がある。また、得られる共重合体の重量平均分子量
は、特に制限はなく、感光性樹脂としての諸特性の面か
ら、5,000〜300,000とすることが好まし
く、10,000〜150,000とすることがより好
ましい。
【0023】また、分子量を調節する目的で、共重合時
に適当な連鎖移動剤を配合することもできる。連鎖移動
剤としては、例えば、メタンチオール、エタンチオー
ル、n−プロパンチオール、iso−プロパンチオール、
n−ブタンチオール、2−メチルプロパンチオール、3
−メチルプロパンチオール、1,1−ジメチルエタンチ
オール、1−ヘキサンチオール、1−オクタンチオー
ル、1−デカンチオール、ベンゼンチオール、2−メチ
ルベンゼンチオール、3−メチルベンゼンチオール、4
−メチルベンゼンチオール、2−エチルベンゼンチオー
ル、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼン
チオール、ビス(4−ヒドロキシジメチルフェニル)ジ
スルフィド、ビス(2−クロロメチルフェニル)ジスル
フィド、ビス(2−ブロモメチルフェニル)ジスルフィ
ド、ジナフチルジスルフィド、ジ−2−ベンゾチアジス
ルフィド、α−メチルスチレンダイマー、四塩化炭素、
四臭化炭素、クロロホルム等が挙げられる。連鎖移動剤
の配合量は、目的とする共重合体の分子量により適宜選
択できる。また、(B)カルボキシル基を有する樹脂
は、市販のものを使用することもできる。
【0024】(C)エチレン性不飽和基を有する光重合
性不飽和化合物としては、従来、光重合性単官能単量体
や光重合性多官能単量体として知られているものを全て
用いることができる。例えば、下記一般式(I)
【化1】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、kは1〜1
0の整数を示し、Yは置換基を有していてもよい飽和又
は不飽和の炭化水素基又は複素環残基若しくはポリアル
キレングリコール残基、
【化2】 (式中、R1は水素原子、メチル基、エチル基、プロピ
ル基又はトリフルオロメチル基を示し、m及びnは各々
独立に1〜20の整数を示す)を示す)で表される化合
物等が挙げられる。
【0025】一般式(I)中、Yで示される置換基を有
していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複素
環残基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基等を有する置換基を有し
ていてもよい炭素数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環
状のアルカン残基(メタン残基、エタン残基、プロパン
残基、シクロプロパン残基、ブタン残基、イソブタン残
基、シクロブタン残基、ペンタン残基、イソペンタン残
基、ネオペンタン残基、シクロペンタン残基、ヘキサン
残基、シクロヘキサン残基、ヘプタン残基、シクロヘプ
タン残基、オクタン残基、ノナン残基、デカン残基
等)、芳香族環残基(ベンゼン残基、ナフタレン残基、
アントラセン残基、ビフェニル残基、ターフェニル残基
等)、複素環残基(フラン残基、チオフェン残基、ピロ
ール残基、オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダ
ゾール残基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン
残基、トリアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残
基等)などが挙げられる。
【0026】具体的には、一個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル系モノマ(アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリ
ル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル
酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸
sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸te
rt−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペ
ンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリ
ル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタ
クリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノ
ニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テト
ラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキ
サデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オク
タデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイ
コシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシ
ル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチ
ル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シク
ロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、ア
クリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタ
クリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエ
チル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2
−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アク
リル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メ
トキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプ
ロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレ
ングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコ
ール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール
等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モ
ノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビ
ニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル
系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等)、1−(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)
−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカ
ルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0027】二個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサ
プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタ
クリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチ
レングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリ
レート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、
2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタ
クリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン
2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン(一般式(I)の式中、Yが
【化3】 (m及びnは、各々独立に、1〜20の整数であ
る))、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアク
リレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメ
タクリレート、ウレタンジアクリレート化合物等が挙げ
られる。
【0028】三個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルトリメタクリレート等が挙げられる。四個の不飽和結
合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロール
プロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパ
ンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート等が挙げられる。
【0029】五個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が
挙げられる。六個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が
挙げられる。これらの不飽和結合を有する単量体は、い
ずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであ
ればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0030】(D)活性光の照射により遊離ラジカルを
生成する光開始剤としては、特に制限はなく、例えば、
芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチ
ル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケト
ン)、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチアミノベン
ゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−
(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−エチ
ルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾ
インエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベ
ンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、
ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2,
4,5−トリアリールイミダゾール二量体(2−(o−
クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−
メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フ
ルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量
体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)
−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ
(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール
二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導
体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’
−アクリジニル)ヘプタン等)などが挙げられる。これ
らは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0031】感光性樹脂組成物における(A)成分(本
発明の表面処理された蛍光体)の配合量は、(B)成
分、(C)成分及び(D)成分の総量100重量部に対
して、20〜300重量部とすることが好ましい。この
配合量が、20重量部未満では、均一な蛍光パターンが
形成しにくい傾向があり、300重量部を超えると、塗
布性等の作業性が低下する傾向がある。
【0032】感光性樹脂組成物における(B)成分の配
合量は、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量
が100重量部として、10〜90重量部とすることが
好ましい。この配合量が、10重量部未満では、光硬化
物が脆くなる傾向があり、90重量部を超えると、感度
が不充分となる傾向がある。
【0033】感光性樹脂組成物における(C)成分の配
合量は、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量
が100重量部として、10〜70重量部とすることが
好ましい。この配合量が、10重量部未満では、感度が
不充分となる傾向があり、70重量部を超えると、光硬
化物が脆くなる傾向がある。
【0034】感光性樹脂組成物における(D)成分の配
合量は、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総量
が100重量部として、0.01〜40重量部とするこ
とが好ましい。この配合量が、0.01重量部未満で
は、感度が不充分となる傾向があり、40重量部を超え
ると、露光の際に組成物の表面での吸収が増大して、内
部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0035】感光性樹脂組成物は、前記した各成分を、
溶解又は分散可能な溶媒に、溶解、混合させることによ
り、均一に分散した溶液とすることができる。溶媒とし
ては、例えば、アルコール系溶媒(エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノー
ル、ベンジルアルコール等)、ポリアルキレングリコー
ル系溶媒(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン
等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルイソブチルケトン等)、ハロゲン系
溶媒(四塩化炭素、トリクロロエタン等)などが挙げら
れ、また、環境汚染の問題がない水も溶媒として挙げら
れる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0036】溶媒の配合量は、(B)成分、(C)成分
及び(D)成分の総量100重量部に対して、50〜5
00重量部とすることが好ましい。この配合量が、50
重量部未満では、均一な感光性樹脂組成物の膜が形成し
にくい傾向があり、500重量部を超えると、感光性樹
脂組成物膜の膜厚が薄くなり過ぎる傾向がある。
【0037】感光性樹脂組成物には、蛍光体の分散を良
好とするために、市販又は合成された公知の分散剤を添
加することが好ましい。分散剤としては、無機分散剤
(シリカゲル系、ベントナイト系、カオリナイト系、タ
ルク系、ヘクトライト系、モンモリロナイト系、サポナ
イト系、バイデライト系等)、有機の分散剤(脂肪酸ア
マイド系、脂肪酸エステル系、酸化ポリエチレン系、硫
酸エステル系アニオン活性剤、ポリカルボン酸アミン塩
系、ポリカルボン酸系、ポリアマイド系、高分子ポリエ
ーテル系、アクリル共重合物系、特殊シリコン系等)な
どが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて使用される。分散剤の使用量は、特に制限はな
く、重合体の樹脂固形分に対して、0.01〜100重
量%とすることが好ましい。この使用量が、0.01重
量%未満では、添加効果が現われない傾向があり、10
0重量%を超えると、パターン形成精度が劣る傾向があ
る。
【0038】感光性樹脂組成物には、焼成後、基板から
蛍光体が剥離しないようにするために、市販の又は合成
された公知の結着剤を使用することが好ましい。結着剤
としては、例えば、低融点ガラス、金属アルコキサイ
ド、シランカップリング剤等が挙げられる。結着剤の使
用量は、特に制限はなく、表面処理された蛍光体の10
0重量部に対して、0.01〜100重量部とすること
が好ましく、0.1〜50重量部とすることがより好ま
しく、0.1〜30重量部とすることが特に好ましい。
この使用量が、0.01重量部未満では、添加効果が現
われない傾向があり、100重量部を超えると、発光効
率が劣る傾向がある。また、感光性樹脂組成物には、必
要に応じて、熱硬化剤、着色染料、発光染料、可塑剤、
酸化防止剤、重合禁止剤、表面改質剤、密着性付与剤、
安定剤、消泡剤、難燃剤等の添加剤を適宜添加すること
ができる。
【0039】また、本発明の表面処理された蛍光体を添
加した感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の層と、
この層を支持する支持体フィルムからなる感光性フィル
ムとすることができる。
【0040】以下、本発明の表面処理された蛍光体を添
加した感光性樹脂組成物からなる感光性フィルムについ
て詳述する。感光性フィルムに使用する感光性樹脂組成
物は、(B)カルボキシル基を有する樹脂の重量平均分
子量やガラス転移温度、(B)カルボキシル基を有する
樹脂と架橋剤との配合比等を調節して、120℃での粘
度を、1〜2000Pa・secとすることが好ましく、2〜
500Pa・secとすることがより好ましく、5〜200Pa
・secとすることが特に好ましく、10〜100Pa・secと
することが極めて好ましい。120℃での粘度が、1Pa
・sec未満では、室温での粘度が小さくなりすぎて、安定
性が低下する傾向があり、2000Pa・secを超えると、
追従性が劣る傾向がある。
【0041】支持体フィルムとしては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン
等の重合体フィルムが挙げられ、中でも、ポリエチレン
テレフタレートが好ましい。これらの重合体フィルム
は、後に感光性樹脂組成物層から除去可能でなくてはな
らないため、除去が不可能となるような表面処理が施さ
れたものであったり、材質であったりしてはならない。
これらの重合体フィルムの厚さは、通常、5〜100μ
mとすることが好ましく、10〜80μmとすることが
より好ましい。これらの重合体フィルムは、一つは感光
性樹脂組成物層の支持フィルムとして使用され、他の一
つを感光性樹脂組成物層の保護フィルムとして、感光性
樹脂組成物層の両面に積層してもよい。
【0042】感光性フィルムは、本発明の感光性樹脂組
成物を、支持体フィルム上にナイフコート法、ロールコ
ート法、スプレーコート法等で塗布し、乾燥した後、必
要に応じて、剥離可能な保護フィルムを積層することに
より得ることができる。このようにして得られた感光性
フィルムの感光性樹脂組成物層の厚さは、通常、10〜
100μmとすることが好ましい。感光性樹脂組成物層
の厚さが、10μm未満では、蛍光体層の厚さが薄くな
りすぎる傾向があり、100μmを超えると、感光性フ
ィルムを作製する時の乾燥に時間がかかり、製造コスト
が上昇する傾向がある。なお、100μm以上の感光性
樹脂組成物層は、感光性フィルムの積層を繰り返すこと
によって得ることができる。また、感光性樹脂組成物層
中の残存溶剤量は、特性保持のために、2重量%以下に
抑えることが好ましい。
【0043】また、本発明の表面処理された蛍光体を添
加した感光性樹脂組成物又は本発明の表面処理された蛍
光体を添加した感光性樹脂組成物からなる感光性フィル
ムを用いて、蛍光パターンを製造することができる。
【0044】以下、本発明の表面処理された蛍光体を添
加した感光性樹脂組成物を用いた蛍光パターンの製造法
について詳述する。この蛍光パターンは、本発明の表面
処理された蛍光体を添加した感光性樹脂組成物を、プラ
ズマディスプレイパネル用基板上に、塗布、乾燥し、パ
ターン状に露光し、現像した後、焼成することにより作
製することができる。
【0045】この蛍光パターンの製造法に使用する感光
性樹脂組成物は、(B)カルボキシル基を有する樹脂の
重量平均分子量やガラス転移温度、(B)カルボキシル
基を有する樹脂と架橋剤と溶剤との配合比等を調節し
て、常温での粘度を、1〜500Pa・secとすることが好
ましく、10〜200Pa・secとすることがより好まし
い。常温での粘度が、1Pa・sec未満では、所望の膜厚が
得られない傾向があり、500Pa・secを超えると、均一
に塗工しにくく、追従性が劣る傾向がある。
【0046】プラズマディスプレイパネル用基板として
は、例えば、透明な接着のための表面処理を施していて
もよい、ガラス板、合成樹脂板等の基板に、電極及びバ
リアリブが形成されたものなどが挙げられる。また、プ
ラズマディスプレイパネル用基板には、電極及びバリア
リブの他に、必要に応じて、誘電膜、絶縁膜、補助電
極、抵抗体等が形成されていてもよい。これらのもの
を、基板へ形成する方法としては、特に制限はなく、例
えば、基板に、蒸着、スパッタリング、メッキ、塗布、
印刷等の方法で電極が形成することができ、印刷法、サ
ンドブラスト法、埋め込み法等の方法でバリアリブが形
成することができる。
【0047】バリアリブは、通常、高さが20〜500
μm、幅が20〜200μmとされる。バリアリブで囲
まれた放電空間の形状には、特に制限はなく、格子状、
ストライプ状、ハニカム状、3角形状、楕円形状等が可
能であるが、通常、図1及び図2等に示すような、格子
状又はストライプ状の放電空間が形成される。図1及び
図2において、1は基板、2はバリアリブ、3は格子状
放電空間、4はストライプ状放電空間である。放電空間
の大きさは、PDPの大きさと解像度によって決めら
れ、通常、図1のような格子状放電空間であれば、縦及
び横の長さは、50μm〜1mmとなり、図2のようなス
トライプ状放電空間であれば、間隔は、30μm〜1mm
となる。
【0048】塗布方法としては、例えば、ドクターブレ
ードコーテイング法、ミヤアバーコーテイング法、ロー
ルコーテイング法、スクリーンコーテイング法、スピナ
ーコーテイング法、インクジェットコーテイング法、ス
プレーコーテイング法、ディップコーテイング法等を用
いることができる。乾燥方法としては、公知の乾燥方法
を用いて、乾燥することができ、乾燥温度は、40〜1
00℃とすることが好ましく、また、乾燥時間は、10
〜90分間とすることが好ましい。
【0049】以上のようにして、プラズマディスプレイ
パネル用基板上に、塗布した本発明の感光性樹脂組成物
層の乾燥後の膜厚は、10〜100μmとすることが好
ましい。感光性樹脂組成物層の厚さが、10μm未満で
は、蛍光体層の厚さが薄くなりすぎる傾向があり、10
0μmを超えると、作業性が劣る傾向がある。
【0050】パターン状に露光し、現像する方法として
は、例えば、パターンマスクを硬化樹脂層に接触又は非
接触で一定間隔を開けて活性光により露光した後、現像
液で現像し、未露光部を除去してパターンを形成する方
法等が挙げられる。また、露光後、必要に応じて加熱を
行って硬化することも可能である。活性光としては、公
知の活性光源、例えば、カーボンアーク、水銀蒸気アー
ク、キセノンアーク、その他から発生する光等が好まし
く使用される。感光性樹脂組成物層に含まれる光重合反
応開始剤の感受性は、通常、紫外線領域において最大で
あるので、その場合は、活性光源は、紫外線を有効に放
射するものにすべきである。もちろん、光重合反応開始
剤が可視光線に感受するもの、例えば、9、10−フェ
ナンスレンキノン等である場合には、活性光としては、
可視光が使用でき、その光源としては、前記のもの以外
に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等も使用できる。
【0051】現像方法としては、例えば、スプレー、揺
動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法が
使用できる。現像液としては、例えば、アルカリ水溶
液、水系現像液、場合によっては有機溶剤等の公知の現
像液を用いることができる。
【0052】アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化ア
ルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物
等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウ
ムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸
塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ
金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム等)水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエ
タノールアミンなどが挙げられ、中でも、炭酸ナトリウ
ム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の水溶液が好ま
しい。現像に用いるアルカリ水溶液のpHは、pH9〜11
とすることが好ましい。また、その温度は、感光層の現
像性に合わせて調整することができる。また、前記アル
カリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進さ
せるための少量の有機溶剤等を混入させることができ
る。
【0053】水系現像液としては、水又はアルカリ水溶
液と一種以上の有機溶剤とからなる。ここでアルカリ物
質としては、前記物質以外に、例えば、ホウ砂やメタケ
イ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エ
タノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、2ーアミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プ
ロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、
モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの
現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが
望ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜1
0とすることがより好ましい。
【0054】有機溶剤としては、例えば、三アセトンア
ルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアル
コキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。
【0055】有機溶剤の濃度は、通常、2〜90重量%
とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて
調整することができる。また、水系現像液中には、界面
活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。単独で
用いる有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1
−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソ
ブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。こ
れらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の
範囲で水を添加することが好ましい。また、必要に応じ
て2種以上の現像方法を併用してもよい。さらに、現像
後、パターン化された感光性樹脂組成物の密着性及び耐
薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプ等による
紫外線照射や加熱を行うこともできる。この時の紫外線
の照射量は、通常、0.2〜10J/cm2程度であり、照
射の際に、60〜180℃の加熱を行ってもよい。これ
ら紫外線の照射と加熱は、どちらの順番に行ってもよ
い。
【0056】焼成方法としては、特に制限はなく、公知
の焼成方法を使用し、蛍光体以外の不溶物を除去し、蛍
光体をPDPセル内に固定することができる。焼成温度
は、350〜1000℃とすることが好ましく、400
〜650℃とすることがより好ましい。また、焼成時間
は、5〜120分とすることが好ましく、10〜90分
とすることがより好ましい。
【0057】フルカラーのPDPを形成するためには、
赤色、青色、緑色に発色するそれぞれの蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物を用いて、各色の感光性樹脂組成物
を塗布した後、現像から焼成までの操作を行うことで作
製することができる。
【0058】次いで、本発明の表面処理された蛍光体を
添加した感光性樹脂組成物からなる感光性フィルムを用
いた蛍光パターンの製造法について詳述する。この蛍光
パターンは、本発明の表面処理された蛍光体を添加した
感光性樹脂組成物からなる感光性フィルムを、プラズマ
ディスプレイパネル用基板上に、ラミネートし、プラズ
マディスプレイパネル用基板の表面上に、感光性フィル
ムの感光層を移行し、パターン状に露光し、現像した
後、焼成することにより作製できる。
【0059】ラミネート方法としては、感光性フィルム
に保護フィルムが存在している場合には、保護フィルム
を除去後、感光性組成物層を基板に、加熱圧着(ラミネ
ート)させることにより積層して、感光性組成物層を形
成する。ラミネート時の温度は、通常、80〜120℃
とされ、圧着圧力は、通常、1〜5×105Paで行われ
るが、これらの条件には特に制限はない。感光性樹脂組
成物層を前記のように加熱すれば、予め基板を予熱処理
することは必要ではないが、追従性をさらに向上させる
ために、基板の予熱処理を行うこともできる。
【0060】プラズマディスプレイパネル用基板の表面
上に、感光性フィルムの感光層を移行する方法として
は、例えば、加熱による移行、加圧(外気圧を上げる)
による移行、凹部に対応する凸部を有する押し型で押す
ことによる移行、ロール等を使用してこすることによる
移行などが挙げられ、中でも、加熱による移行が好まし
い。加熱による移行方法としては、例えば、感光性樹脂
組成物を、加熱して流動化させ、図3(b)〜(d)に
示すように、感光性樹脂組成物を、プラズマディスプレ
イパネル用基板の表面上(バリアリブ)に沿って、開口
部から内部に向かって移動させ、感光性樹脂組成物層を
形成する方法等が挙げられる。図3において、1は基
板、2はバリアリブ、5は感光性樹脂組成物、5′は感
光性樹脂組成物が薄くなった部分、6は支持体フィルム
である。
【0061】上記加熱温度は、80〜150℃とするこ
とが好ましく、100〜130℃とすることがより好ま
しい。この加熱温度が、80℃未満であると、感光性樹
脂組成物が、充分に流動化せず、追従性が低下する傾向
があり、150℃を超えると、感光性樹脂組成物が、変
性する傾向があり、感度や解像度等の感光特性が低下す
る傾向がある。また、この加熱時には、感光性フィルム
の支持体フィルムは、そのままでも、剥離してもよい
が、流動化をスムーズに行える点で、支持体フィルム
は、剥離した後に、加熱することが好ましい。なお、図
3に示す工程は、支持体フィルムを剥離した後に、加熱
したものである。
【0062】感光性樹脂組成物を、図3(a)の状態か
ら図3(d)の状態まで移動させるのに必要な時間は、
バリアリブの高さ、放電空間の形状と大きさ、加熱温
度、感光性樹脂組成物の厚さと粘度及び前記の積層条件
等に依存するので、感光性樹脂組成物を図3(a)の状
態から図3(d)の状態まで移動させるのに必要な時間
を、実測して加熱時間を設定する。この加熱時間は、通
常、1分〜10時間である。また、前記の積層工程を、
減圧下で行った場合には、感光性樹脂組成物を図3
(a)の状態から図3(d)の状態へ移動させるのに必
要な時間が、短縮される。
【0063】露光方法としては、前記露光方法と同様
に、フォトマスクを介して、活性光により露光される
が、この際、感光性樹脂組成物層上に、支持体フィルム
が存在する場合で、その支持体フィルムが透明の場合に
は、そのまま露光してもよく、また、不透明の場合に
は、当然除去する必要が有る。
【0064】現像方法としては、露光後、感光性樹脂組
成物層上に支持体フィルムが存在する場合には、これを
除去した後、前記現像方法と同様にして行われる。ま
た、焼成方法についても、前記焼成方法と同様にして行
われる。
【0065】フルカラーのPDPを形成するためには、
赤色、青色、緑色に発色するそれぞれの蛍光体を含有す
る感光性フイルムを用いて、上記のラミネートから焼成
までの一連の操作を繰り返し行うことで作製することが
できる。また、必要に応じて、赤色、青色、緑色に発色
するそれぞれの蛍光体を含有する感光性フイルムを用い
て、上記のラミネートから焼成前までの一連の操作を繰
り返し行った後で、前記焼成を行うことでフルカラーの
PDPを作製することもできる。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 (樹脂により表面処理された蛍光体(I)の作製)30
0ml二口フラスコに、ポリメチルメタクリレート(Aldr
ich製、重量平均分子量120,000)25gをキシレ
ン125gに溶解させた後、蛍光体(ZnO:Zn
(緑))100.0g及びガラスビーズ(直径2mm)を1
00g加え、5分間メカニカルスタラーでよく攪拌した
後、ガラスビーズをろ過して除いた。次に、回収した溶
液を、300mlナスフラスコに移し、減圧下で溶媒を留
去し、得られ紛体を減圧乾燥して樹脂により表面処理さ
れた蛍光体(I)を得た。
【0067】実施例2 (樹脂により表面処理された蛍光体(II)の作製)30
0ml二口フラスコに、ポリメチルメタクリレート(Aldr
ich製、重量平均分子量12,000)25gをキシレン
125gに溶解させた後、蛍光体(Zn2GeO2:Mn
(緑))100.0g及びガラスビーズ(直径2mm)を1
00g加え、5分間メカニカルスタラーでよく攪拌した
後、ガラスビーズをろ過して除いた。次に、回収した溶
液を、300mlナスフラスコに移し、減圧下で溶媒を留
去し、得られ紛体を減圧乾燥して樹脂により表面処理さ
れた蛍光体(II)を得た。
【0068】製造例1 (カルボキシル基を有する樹脂の作製)特開平6−27
3925号公報記載の方法に基づき、撹拌機、還流冷却
機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル100重量部
を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温
度を80℃±2℃に保ちながら、4時間かけて、均一
に、メタクリル酸22重量部、メタクリル酸メチル55
重量部、メタクリル酸n−ブチル8重量部、アクリル酸
2−エチルヘキシル15重量部、2,2′−アゾビス
(イソブチロニトリル)0.6重量部の混合物を滴下し
た。これらの滴下後、80℃±2℃で、6時間撹拌を続
け、重量平均分子量が80,000、酸価が143mgKO
H/g(固形分)の共重合体を得た。
【0069】応用例1〜2及び比較応用例1〜2 表1に示す材料を、ライカイ機を用いて5分間混合した
後、1分間放置する操作を、3回繰り返し行い、感光性
樹脂組成物溶液を調製した。
【0070】
【表1】
【0071】保存安定性試験 上記応用例3〜4及び比較応用例1〜2で調製した感光
性樹脂組成物の溶液の粘度を、25℃で測定し、その
後、サンプル瓶中で密栓して、40℃の恒温槽中で7日
間保存した。保存後、25℃で粘度を測定し、調製直後
の初期粘度と保存後の粘度との変化から、保存安定性を
試験した。その結果を表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】表2から、本発明の表面処理された蛍光体
を添加した感光性樹脂組成物(応用例3及び4)は、保
存安定性が良好であり、感光性樹脂組成物として好適で
あることがわかる。しかし、表面処理していない蛍光体
を用いた感光性樹脂組成物(比較応用例1及び2)は、
増粘し、感光性樹脂組成物として使用することは不適で
あることがわかる。
【0074】応用例3〜4 応用例1〜2で得られた、感光性樹脂組成物の溶液を、
縦200μm×横250μm×高さ150μmの格子状
の開口部をもつ、PDP用バリアリブを形成したガラス
基板に、スクリーン印刷機(ニューロング精密工業(株)
製、商品名LS−77A型)を用いて、乾燥膜厚が60
μmとなるように塗布した。バリアリブの開口面を上に
して、120℃で10分間、加熱乾燥した後、常温で1
時間放置した。次に、バリアリブの開口部の中心に合わ
せて、直径120μmの遮光部を持つ試験用マスクをバ
リアリブの開口面に密着させ、(株)オーク製作所製HM
W−590型平行光線露光機を使用して、0.5J/cm2
の紫外線照射を行った。常温で15分放置した後、1重
量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で70秒間
スプレー現像した。現像後、80℃で10分間乾燥し、
東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm
2の紫外線照射を行った。照射後、450℃で30分
間、加熱処理(焼成)を行い、不必要な樹脂成分を除去
して、PDPセル内に蛍光パターンを形成させた。得ら
れた蛍光パターンを、実体顕微鏡及び走査型電子顕微鏡
(SEM)により観察し、蛍光パターンの形成状況を評
価した。その結果を表3に示した。
【0075】比較応用例3〜4 比較応用例1〜2で得られた感光性樹脂組成物を、応用
例3〜4と同様の工程で、PDPセル内に蛍光パターン
を形成させた。得られた蛍光パターンを、実体顕微鏡及
びSEMにより観察し、蛍光パターンの形成状況を評価
した。その結果を表3に示した。
【0076】
【表3】
【0077】表3から、本発明の表面処理された蛍光体
を添加した感光性樹脂組成物(応用例5及び6)は、良
好な蛍光体層を形成した。一方、表面処理していない蛍
光体を用いた感光性樹脂組成物(比較応用例3及び4)
は、未露光部に現像残りが発生してしまい、完全な蛍光
パターンが得られなかった。
【0078】応用例5〜6 応用例1〜2で得られた感光性樹脂組成物を用いて、2
0μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流式乾燥機
で、10分間乾燥して溶剤を除去した。得られた感光性
樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、60μmであった。感
光性樹脂組成物層の上に、さらに、厚さ25μmのポリ
エチレンフィルムをカバーフィルムとして張り合わせ、
感光性フイルムを得た。
【0079】得られた感光性フイルムを、縦200μm
×横250μm×高さ150μmの格子状の開口部をも
つ、PDP用バリアリブを形成したガラス基板に、真空
ラミネータ(日立化成工業(株)製、商品名VLM−1
型)を用いて、ヒートシュー温度が120℃、ラミネー
ト速度が0.5m/s、気圧が4000Pa以下、圧着圧力
が3×105Paでポリエチレンフィルムを剥がしながら
積層した。次に、上面のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを剥がし、バリアリブの開口面を上にして、12
0℃で30分間加熱した後、常温で1時間放置した。次
に、バリアリブの開口部の中心に合わせて、直径120
μmの遮光部を持つ試験用マスクをバリアリブの開口面
に密着させ、(株)オーク製作所製HMW−590型平行
光線露光機を使用して、0.5J/cm2の紫外線照射を行
った。常温で15分放置した後、1重量%炭酸ナトリウ
ム水溶液を用いて、30℃で70秒間スプレー現像し
た。現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)製
東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射
を行った。照射後、450℃で30分間、加熱処理(焼
成)を行い、不必要な樹脂成分を除去して、PDPセル
内に蛍光パターンを形成させた。得られた蛍光パターン
を、実体顕微鏡及びSEMにより観察し、蛍光パターン
の形成状況を評価した。その結果を表4に示した。
【0080】比較応用例5〜6 比較応用例1〜2で得られた感光性樹脂組成物を用い、
応用例5〜6と同様の工程で、感光性フィルムを作成
し、PDPセル内に蛍光パターンを形成させた。得られ
た蛍光パターンを実体顕微鏡及びSEMにより観察し、
蛍光パターンの形成状況を評価した。その結果を表4に
示した。
【0081】
【表4】
【0082】表4から、本発明の表面処理された蛍光体
を添加した感光性樹脂組成物からなる感光性フィルムを
使用した場合(応用例5及び6)は、良好な蛍光体層を
形成した。一方、表面処理していない蛍光体を用いた感
光性樹脂組成物からなる感光性フィルムを使用した場合
(比較応用例5及び6)は、未露光部に現像残りが発生
してしまい、完全な蛍光パターンが得られなかった。
【0083】
【発明の効果】請求項1記載の表面処理された蛍光体
は、カルボキシル基を含有する樹脂を用いて分散した場
合でも増粘を起こさず、貯蔵安定性に優れたものであ
り、感光性樹脂組成物及び感光性フィルムに好適であ
り、これらを用いた蛍光パターンの製造にも好適であ
る。請求項2記載の表面処理された蛍光体の製造法は、
カルボキシル基を含有する樹脂を用いて分散した場合で
も増粘を起こさず、貯蔵安定性に優れた表面処理された
蛍光体が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バリアリブの一例を示した模式図
【図2】バリアリブの一例を示した模式図
【図3】感光性樹脂組成物層の移行工程を示した模式図
【符号の説明】
1…基板 2…バリアリブ 3…格子状放電空間 4…ストライプ状放電空間 5…感光性樹脂組成物 5′…感光性樹脂組成物が薄くなった部分 6…支持体フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田仲 裕之 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 丹野 清吉 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 角丸 肇 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂により表面処理された蛍光体。
  2. 【請求項2】 蛍光体表面を、樹脂で表面処理すること
    を特徴とする表面処理された蛍光体の製造法。
JP7285792A 1995-11-02 1995-11-02 表面処理された蛍光体及びその製造法 Pending JPH09125056A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249769A (ja) * 1996-09-20 2002-09-06 Siemens Ag 波長変換注型材料及びその製造方法並びに発光素子
JP2007326900A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Tokyo Univ Of Science アップコンバージョン材料表面のポリマー被覆膜形成方法及びポリマー被覆アップコンバージョン材料
US7504046B2 (en) 2006-03-24 2009-03-17 Dalian University Of Technology Polymer grafted alkaline earth aluminate phosphor through coordination bond
US9196800B2 (en) 1996-06-26 2015-11-24 Osram Gmbh Light-radiating semiconductor component with a luminescence conversion element

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JP2002249769A (ja) * 1996-09-20 2002-09-06 Siemens Ag 波長変換注型材料及びその製造方法並びに発光素子
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JP2007326900A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Tokyo Univ Of Science アップコンバージョン材料表面のポリマー被覆膜形成方法及びポリマー被覆アップコンバージョン材料

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