JP2006244947A - プラズマディスプレイパネル部材の製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル部材の製造方法 Download PDF

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英明 増子
Kazuo Kudo
和生 工藤
Shiro Takahashi
至郎 高橋
Hidetoshi Miyamoto
秀俊 宮本
Takanori Yamashita
隆徳 山下
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
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Abstract

【課題】 パターン形状に優れたPDPの構成部材(たとえば、隔壁、電極、抵抗体、誘電体層、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)や、あるいは複雑な形状を有するPDPの構成部材を好適に形成することができるPDP部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に膜形成材料層Aを形成し、当該膜形成材料層Aを露光処理してパターンAの潜像を形成し、当該膜形成材料層A上に膜形成材料層Bを形成し、当該膜形成材料層Bを露光処理してパターンBの潜像を形成し、膜形成材料層Aおよび膜形成材料層Bを現像処理してパターンAおよびパターンBを顕在化させ、当該パターンAおよびパターンBを焼成処理する工程を含む方法により、無機焼結体を有するパネル材料を形成することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル部材の製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル部材の製造方法に関する。
近年、平板状の蛍光表示体としてプラズマディスプレイが注目されている。図1は交流型のプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」ともいう)の断面形状を示す模式図である。図1において、1および2は対向配置されたガラス基板、3は隔壁であり、ガラス基板1、ガラス基板2および隔壁3によりセルが区画形成されている。4はガラス基板1に固定された透明電極、5は透明電極4の抵抗を下げる目的で該透明電極4上に形成されたバス電極、6はガラス基板2に固定されたアドレス電極、7はセル内に保持された蛍光物質、8は透明電極4およびバス電極5を被覆するようにガラス基板1の表面に形成された誘電体層、9はアドレス電極6を被覆するようにガラス基板2の表面に形成された誘電体層、10は、たとえば酸化マグネシウムからなる保護膜である。
なお、カラーPDPにおいては、コントラストの高い画像を得るため、ガラス基板と誘電体層との間に、カラーフィルター(赤色・緑色・青色)やブラックマトリックスなどを設けることがある。
このようなPDPの誘電体層、隔壁、電極、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックストライプ(マトリクス)の製造方法としては、(1)非感放射線性の無機粒子含有ペーストを基板上にスクリーン印刷してパターンを形成し、これを焼成する、スクリーン印刷法、(2)感放射線性の無機粒子含有樹脂層を基板上に形成し、この膜にフォトマスクを介して紫外線を照射した後、現像することにより基板上にパターンを残存させ、これを焼成する、フォトリソグラフィー法などが知られている。
近年、PDPの各部材において様々な形状が検討されている。例えば隔壁においては、従来のストライプ形状と異なり、各セルを区切ることでプラズマ放電時の画素のコントラストを上げ、また画面サイズが大きくなっても放電ガスの給排気を容易に行うことを目的に、直交する壁の高さが異なる格子形状の隔壁などが検討されている。このような形状の部材は、従来のPDP部材の形成方法では形成が困難である。また、従来の形状においても、さらにパターン形状に優れた部材の製造方法が求められている。
特開平11−162339号公報 特開2001−84833号公報 特開2002−245932号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、パターン形状に優れ、複雑な形状のPDPの構成部材(たとえば、隔壁、電極、抵抗体、誘電体層、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明に係るPDP部材の製造方法は、基板上に膜形成材料層Aを形成し、当該膜形成材料層Aを露光処理してパターンAの潜像を形成し、当該膜形成材料層A上に膜形成材料層Bを形成し、当該膜形成材料層Bを露光処理してパターンBの潜像を形成し、膜形成材料層Aおよび膜形成材料層Bを現像処理してパターンAおよびパターンBを顕在化させ、当該パターンAおよびパターンBを焼成処理する工程を含む方法により、無機焼結体を有するパネル材料を形成することを特徴とする。
本発明によると、パターン形状に優れたPDPの構成部材(たとえば、隔壁、電極、抵抗体、誘電体層、蛍光体、カラーフィルター、ブラックマトリックス)や、あるいは複雑な形状を有するPDPの構成部材(たとえば、直交する壁の高さが異なる格子形状の隔壁)を好適に形成することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のPDP部材の製造方法は、下記の工程を有するものである。
1.基板上に膜形成材料層Aを形成する工程。
2.膜形成材料層Aを露光処理してパターンAの潜像を形成する工程。
3.膜形成材料層A上に膜形成材料層Bを形成する工程。
4.膜形成材料層Bを露光処理してパターンBの潜像を形成する工程。
5.膜形成材料層Aおよび膜形成材料層Bを現像処理してパターンAおよびパターンBを顕在化させる工程。
6.パターンAおよびパターンBを焼成処理する工程。
以下、上記各工程を、図2に示すような、直交する壁の高さが異なる格子形状の隔壁の形成方法を例に、より詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、電極、抵抗体、誘電体層、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックマトリックスなどのPDPを構成する部材も隔壁の場合と同様に形成することができる。また、膜形成材料層Aと膜形成材料層Bとが異なる種類の無機粒子を含有する場合にも、本発明の形成方法を用いることができる。なお、本発明において、「基板の表面」とは、「目的とする部材を形成する前の状態にある基材の表面」を包含するものであり、たとえば、PDPの隔壁を形成する場合には、ガラス基板の表面に形成された誘電体層の表面を意味する。
[1.膜形成材料層Aの形成工程]
膜形成材料層Aは、後述する無機粒子含有組成物を用いて形成される層である。膜形成材料層Aは、基板上に無機粒子含有組成物を塗布、乾燥させて形成することができるが、好ましくは、支持フィルム上に膜形成材料層Aを形成してなる転写フィルムを用い、基板上に当該膜形成材料層Aを転写する方法により形成することが好ましい。以下、転写による膜形成材料層Aの形成方法について詳述する。
転写フィルム(支持フィルム/膜形成材料層A/カバーフィルム)のカバーフィルムを剥離した後、誘電体層の表面に、膜形成材料層Aの表面が当接されるように転写フィルムを重ね合わせる。この転写フィルムを加熱ローラなどにより熱圧着し、これにより、膜形成材料層Aは誘電体層の表面に転写されて密着する。転写条件としては、たとえば、加熱ローラの表面温度は80〜140℃が好ましく、加熱ローラによるロール圧は1〜5kg/cm2が好ましく、加熱ローラの移動速度は0.1〜10.0m/分が好ましい。この転写工程は、ラミネータ装置により行うことができる。また、基板は、たとえば40〜100℃で予熱されていてもよい。
[2.膜形成材料層Aの露光工程]
膜形成材料層Aの表面に、格子形状の露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的に照射(露光)して、パターンAの潜像を形成する。放射線照射装置は特に限定されず、たとえば、フォトリソグラフィー法で使用される従来公知の紫外線照射装置、半導体装置や液晶表示装置を製造する際に使用される従来公知の露光装置などが挙げられる。当該露光処理の後、膜形成材料層A上に存在する支持フィルムを剥離除去する。支持フィルムは、露光前に剥離除去しても良いが、露光工程における酸素阻害防止等のため、露光後に剥離することが好ましい。
[3.膜形成材料層Bの形成工程]
膜形成材料層Bは、後述する無機粒子含有樹脂組成物B(以下、「組成物B」ともいう)を用いて形成される層である。膜形成材料層Bは、膜形成材料層A上に組成物Bを塗布、乾燥させて形成することができるが、好ましくは、支持フィルム上に膜形成材料層Bを形成してなる転写フィルムを用い、膜形成材料層A上に当該膜形成材料層Bを転写する方法により形成することが好ましい。膜形成材料層Bの転写方法は、膜形成材料層Aの転写方法と同様である。
[4.膜形成材料層Bの露光工程]
膜形成材料層Bの表面に、ストライプ形状の露光用マスクを介して、紫外線などの放射線を選択的に照射(露光)して、パターンBの潜像を形成する。当該露光条件は、膜形成材料層Aの露光条件と同様である。当該露光処理の後、膜形成材料層B上に存在する支持フィルムを剥離除去する。支持フィルムは、露光前に剥離除去しても良いが、露光工程における酸素阻害防止等のため、露光後に剥離することが好ましい。
[5.膜形成材料層Aおよび膜形成材料層Bの現像工程]
上記工程2および4で露光された膜形成材料層Aおよび膜形成材料層Bを現像処理することにより、パターンAおよびパターンBの潜像を顕在化させる。現像液や現像装置は従来公知のものを使用することができるが、後述する組成の膜形成材料層を用いる場合には、現像液はアルカリ現像液を用いることが好ましい。現像液の組成および濃度、現像時間、現像温度、現像方法(たとえば、浸漬法、揺動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置などの現像処理条件は、適宜選択することができる。
この現像工程により、膜形成材料層Aおよび膜形成材料層Bの未露光部分が現像液に溶解して選択的に除去される。まず、膜形成材料層Bの現像処理が進行してストライプ形状のパターンBが形成されることにより、膜形成材料層Aの一部が露出する。このとき、後述するように、膜形成材料層Bが、レジスト層B−1と非感放射線性層B−2との積層である場合には、まずレジスト層B−1の現像が進行してレジストパターンが形成され、当該レジストパターンのレジスト残留部がマスクの役割をして、非感放射線性層B−1の現像(エッチング)が進行する。なお、現像処理後にレジスト残留部の一部または全部が残留していても、当該レジスト残留部は、続く焼成工程で除去される。次に、膜形成材料層Aの現像処理が継続的に進行し、パターンAが形成される。このとき、後述するように、膜形成材料層Aが、感放射線性層A−1と非感放射線性層A−2との積層である場合には、まず感放射線性層A−1の現像が進行してパターンが形成され、当該パターンの感放射線性層A−1残留部がマスクの役割をして、非感放射線性層A−2の現像(エッチング)が進行する。この現像工程により、図2に示すような形状の隔壁パターンが形成される。
[6.パターンAおよびパターンBの焼成工程]
上記工程5で形成された隔壁パターン(パターンA+パターンB)を焼成処理して隔壁を形成する。これにより、材料層残留部中の無機粒子が溶融して焼結するとともに有機成分が分解除去されて隔壁が形成され、誘電体層の表面に隔壁が形成されたパネル材料を得ることができる。このパネル材料において、隔壁により区画される空間(材料層除去部に由来する空間)がプラズマ作用空間となる。
焼成温度は、無機粒子(ガラス)が焼結し、材料層残留部中の有機成分が分解除去される温度であれば特に制限されないが、通常、400〜700℃である。また、焼成時間は、通常10〜90分間である。
以下に、前記の各工程に用いられる材料、各種条件などについて説明する。
<基板>
基板材料としては、例えばガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの絶縁性材料からなる板状部材である。この板状部材の表面に対しては、必要に応じて、シランカップリング剤などによる薬品処理;プラズマ処理;イオンプレーティング法、スパッタリング法、気相反応法、真空蒸着法などによる薄膜形成処理のような適宜の前処理を施されていてもよい。
<転写フィルム>
本発明の製造方法に用いる転写フィルムは、支持フィルムと、この支持フィルム上に形成された膜形成材料層(AまたはB)とを有してなり、当該膜形成材料層の表面に保護フィルム層が設けられていてもよい。
支持フィルム:
転写フィルムを構成する支持フィルムは、耐熱性および耐溶剤性を有すると共に可撓性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。支持フィルムが可撓性を有することにより、ロールコーターによってペースト状の無機粒子含有組成物を塗布することができ、膜形成材料層をロール状に巻回した状態で保存し、供給することができる。支持フィルムを形成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリフロロエチレンなどの含フッ素樹脂、ナイロン、セルロースなどを挙げることができる。支持フィルムの厚さとしては、例えば20〜100μmとされる。
なお、支持フィルムの表面には離型処理が施されていることが好ましい。これにより、転写工程において、支持フィルムの剥離操作を容易に行うことができる。
膜形成材料層A:
本発明の製造方法に用いられる膜形成材料層Aは、単層であっても二層以上の積層であってもよい。単層である場合には、無機粒子、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を必須成分として含有する感放射線性無機粒子含有樹脂層である。また、積層である場合には、基板上に形成した際、最上層が感放射線性無機粒子含有樹脂層である必要があり、
(1)無機粒子、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含有する感放射線性層A−1と、
(2)無機粒子およびアルカリ可溶性樹脂を含有する非感放射線性層A−2
とを有する積層であることが好ましい。
膜形成材料層Aは、ペースト上の無機粒子含有組成物を前記支持フィルム上に塗布し、塗膜を乾燥して溶剤の一部又は全部を除去することにより形成される。当該膜形成材料層Aの表面には保護フィルム層が設けられていてもよい。なお、膜形成材料層Aが上述したような積層である場合には、二種以上の組成物(例えば、非感放射線性組成物A−2と感放射線性組成物A−1)を用いて支持フィルム上に積層を形成する。
膜形成材料層B:
本発明の製造方法に用いられる膜形成材料層Bは、単層であっても二層以上の積層であってもよい。単層である場合には、無機粒子、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を必須成分として含有する感放射線性無機粒子含有樹脂層である。また、積層である場合には、基板上に形成した際、最上層が感放射線性を有する必要があり、
(1)アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含有するレジスト層B−1と、
(2)無機粒子およびアルカリ可溶性樹脂を含有する非感放射線性層B−2
とを有する積層であることが好ましい。
膜形成材料層Bの形成方法は、上記膜形成材料Aの形成方法に準ずる。なお、膜形成材料層Bが上述したような積層である場合には、二種以上の組成物(例えば、非感放射線性組成物B−2とレジスト組成物B−1)を用いて支持フィルム上に積層を形成する。
以下に、膜形成材料層Aおよび膜形成材料層B(以下、これらをまとめて「膜形成材料層」ともいう)の形成に用いられる組成物の各構成成分について詳述する。
無機粒子;
膜形成材料層を構成する無機粒子は、特に限定されず、得られる無機焼結体の用途、すなわち、PDPの構成部材の種類に応じて適宜選択することができる。
たとえば、誘電体層または隔壁を形成する場合の無機粒子としては、軟化点が400〜600℃の範囲内にあるガラス粉末を挙げることができる。ガラス粉末の軟化点が上記範囲にあると、得られる膜形成材料層の焼成工程において、アルカリ可溶性樹脂などの有機成分が完全に分解除去された後、ガラス粉末が溶融するため、形成される焼結体中に有機成分が残留せず、その結果、焼結体の着色や光透過率の低下が発生しない。さらに、600℃以下の温度で焼成できるため、ガラス基板に歪みなどが発生しない。
ガラス粉末の組成としては、鉛を含まない組成が好ましく、例えば、1.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素(ZnO−B2O3−SiO2系)の混合物、2.酸化ビスマス、酸化ホウ素、酸化ケイ素(Bi2O3-B2O3-SiO2系)の混合物、3.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素(ZnO−P2O5−SiO2系)の混合物、4.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化カリウム(ZnO−B2O3−K2O系)の混合物、5.酸化リン、酸化ホウ素、酸化アルミニウム(P2O5−B2O3−Al2O3系)の混合物、6.酸化亜鉛、酸化リン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(ZnO−P2O5−SiO2−Al2O3系)の混合物、7.酸化亜鉛、酸化リン、酸化チタン(ZnO−P2O5−TiO2系)の混合物、8.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム(ZnO−B2O3−SiO2系−K2O系)の混合物、9.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウム(ZnO−B2O3−SiO2−K2O−CaO系)の混合物、10.酸化亜鉛、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(ZnO−B2O3−SiO2−K2O−CaO−Al2O3系)の混合物などを挙げることができる。
また、誘電体層を形成する場合には、無機粒子として、上記ガラス粉末と、Ag、Au、Al、Ni、Ag-Pd合金、Cu、Cr、Coなどの金属粒子とを併用してもよい。この場合、金属粒子は、無機粒子全量に対して、通常10質量%以下、好ましくは0.1〜5質量%の範囲で使用することが望ましい。
電極を形成する場合の無機粒子としては、Ag、Au、Al、Ni、Ag-Pd合金、Cu、Cr、Coなどの金属粒子を挙げることができる。
抵抗体を形成する場合の無機粒子としては、RuO2などの粒子を挙げることができる。
蛍光体を形成する場合の無機粒子としては、Y2O3:Eu3+、Y2SiO5:Eu3+、Y3Al5O12:Eu3+、YVO4:Eu3+、(Y, Gd)BO3:Eu3+、Zn3(PO4)2:Mnなどの赤色用蛍光体;Zn2SiO4:Mn、BaAl12O19:Mn、BaMgAl14O23:Mn、LaPO4:(Ce, Tb)、Y3(Al, Ga)5O12:Tbなどの緑色用蛍光体;Y2SiO5:Ce、BaMgAl10O17:Eu2+、BaMgAl14O23:Eu2+、(Ca, Sr, Ba)10(PO4)6Cl2:Eu2+、(Zn, Cd)S:Agなどの青色用蛍光体を挙げることができる。
カラーフィルターを形成する場合の無機粒子としては、Fe2O3、Pb3O4、CdS、CdSe、PbCrO4、PbSO4、Fe(NO3)3などの赤色用顔料;Cr2O3、TiO2-CoO-NiO-ZnO、CoO-CrO-TiO2-Al2O3、Co3(PO4)2、CoO-ZnOなどの緑色用顔料;2(Al2Na2Si3O10)・Na2S4、CoO-Al2O3などの青色用顔料の他、色補正用の無機顔料として、PbCrO4-PbSO4、PbCrO4、PbCrO4-PbO、CdS、TiO2-NiO-Sb2O3などの黄色顔料;Pb(Cr-Mo-S)O4などの橙色顔料;Co3(PO4)2などの紫色顔料などの粒子を挙げることができる。
ブラックマトリックスを形成する場合の無機粒子としては、Mn、Fe、Cr、Ni、Coおよびこれらの酸化物および複合酸化物などの粒子を挙げることができる。
さらに、誘電体層および隔壁以外の構成部材(たとえば、電極・抵抗体・蛍光体・カラーフィルター・ブラックマトリックス)を形成する場合にも、必要に応じて上記ガラス粉末を併用することができる。この場合、ガラス粉末は、無機粒子全量に対して、通常90質量%以下、好ましくは50〜90質量%の範囲で使用することが望ましい。
アルカリ可溶性樹脂;
本発明に使用されるアルカリ可溶性樹脂における「アルカリ可溶性」とは、アルカリ性の現像液によって溶解し、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。
かかるアルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。これらのうち、(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましく用いられる。
上記(メタ)アクリル系樹脂としては、下記のアルカリ可溶性官能基を有するモノマーと他の共重合性モノマーとの共重合体を挙げることができる。
アルカリ可溶性官能基を有するモノマーとしては、例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどのカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどの水酸基含有モノマー類などが挙げられる。
他の共重合性モノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル系モノマー類;
ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物類;
ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に、(メタ)アクリロイル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマーなどのマクロモノマー類などが挙げられる。
これらは、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂において、上記アルカリ可溶性官能基を有するモノマーの共重合割合は、好ましくは1〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。膜形成材料層AおよびBがそれぞれ積層構造を有する場合には、感放射線性層よりも非感放射線性層の方が、アルカリ可溶性モノマーの共重合比が高いことが好ましい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂として特に好ましい組成としては、メタクリル酸/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸n−ブチル共重合体や、メタクリル酸/コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル/メタクリル酸n−ブチル共重合体が挙げられる。
膜形成材料層におけるアルカリ可溶性樹脂の含有割合としては、無機粒子100重量部に対して、通常、1〜200質量部とされ、好ましくは、5〜150質量部、特に好ましくは、10〜120質量部とされる。
感放射線性成分;
感放射線性を有する層に用いられる感放射線性成分としては、例えば、(イ)多官能性モノマーと放射線重合開始剤との組み合わせ、(ロ)メラミン樹脂と放射線照射により酸を形成する光酸発生剤との組み合わせなどを好ましいものとして例示することができ、上記(イ)の組み合わせが好ましく用いられる。
多官能性モノマーとしては、多官能性(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。好ましい具体例としては、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの2官能以上の多官能アクリレート類、およびこれらのオリゴマー、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性が挙げられる。
これらの中で、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが、レジストパターンの強度が高く、パターン形成部以外での地汚れまたは膜残りが発生しにくい点で特に好ましい。
上記多官能性(メタ)アクリレートの分子量としては、100〜2,000であることが好ましい。
多官能性モノマーの使用割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜70重量部である。この割合が5重量部未満である場合には、パターン強度が不十分なものとなりやすい傾向がある。一方、この割合が100重量部を超える場合には、アルカリ解像性が低下したり、パターン形成部以外の地汚れ、膜残りなどが発生したりする傾向がある。
また、感放射線性成分を構成する放射線重合開始剤の具体例としては、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ビス(N、N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ビス(N、N-ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4’−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのカルボニル化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化合物;メルカプタンジスルフィド、メルカプトベンゾチアゾールなどの有機硫黄化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパーオキシドなどの有機パーオキシド;1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチレニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)4,5,4’,5’−テトラフェニル1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール二量体などを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶剤;
膜形成材料層を形成する無機粒子含有組成物は、通常、溶剤を含有する。ここで用いられる溶剤は、無機粒子との親和性およびアルカリ可溶性樹脂の溶解性が良好で、得られる組成物に適度な粘性を付与することができ、さらには乾燥によって容易に蒸発除去させる溶剤が好ましい。
このような溶剤として、具体的には、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコール類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、溶剤は、無機粒子含有組成物の粘度を好適な範囲に調整できるという観点から、無機粒子100重量部に対して、好ましく40重量部以下、さらに好ましくは5〜30重量部の範囲で含まれることが望ましい。
本発明に用いられる組成物には、さらに、必要に応じて、分散剤、可塑剤、シランカップリング剤、粘着性付与剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤を添加してもよい。
組成物の調製:
膜形成材料層を形成するための組成物は、上記各成分を混合することにより調製することができる。特に、無機粒子含有組成物は、上記各成分を、ロール混練機、ミキサー、ホモミキサーなどの混練機を用いて混練することにより調製することができる。
また、無機粒子含有組成物は、塗布や印刷に適した流動性を有するペースト状の組成物であり、その粘度は、通常1,000〜30,000cp、好ましくは3,000〜10,000cpである。
転写フィルムの製造方法:
本発明に用いられる転写フィルムは、たとえば、支持フィルム上に、上述した組成物を塗布し、塗膜を乾燥して膜形成材料層を形成した後、必要に応じて膜形成材料層上に保護フィルム層を貼付(圧着、特に熱圧着が好ましい。)することにより製造することができる。また、膜形成材料層が積層である場合には、例えば、支持フィルム上に第一層(例えば、感放射線性層A−1、レジスト層B−1)を形成し、この第一層上にさらに組成物を塗布して第二層(例えば、非感放射線性層A−2、非感放射線性層B−2)を形成することもできる。さらには、支持フィルム上に第一層を形成し、保護フィルム上に第二層を形成し、両者の第一層面および第二層面を圧着させて、積層構造としてもよい。
支持フィルム上、保護フィルム上または第一層上に組成物を塗布する好ましい方法としては、膜厚が大きく(たとえば上記範囲)、膜厚の均一性に優れた塗膜を効率よく形成することができる観点から、ロールコーター、ドクターブレードなどのブレードコーター、カーテンコーターまたはワイヤーコーターによる塗布方法などを挙げることができる。上記塗膜は、乾燥より溶剤の一部または全部が除去されて膜形成材料層を形成する。この乾燥条件は、たとえば40〜150℃で0.1〜30分間程度が好ましい。乾燥後における膜形成材料層中の溶剤残存率(膜形成材料層中の溶剤含有率)は、通常10重量%以下であり、基板に対する粘着性および適度な形状保持性を膜形成材料層に発現させるためには、1〜5重量%が好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
また、Mwは、東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名:HLC−8220GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。GPC測定条件は以下の通りである。
GPCカラム:(東ソー製 TSKguardcolumn SuperHZ−L)
溶媒:THF
測定温度:40℃
〔合成例1〕
プロピレングリコールモノメチルエーテル200部、ラウリルメタクリレート30部、メチルメタクリレート43部、メタクリル酸7部、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20部およびアゾビスイソブチロニトリル1部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。次いで、80℃で3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後室温まで冷却してポリマー溶液を得た。重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下、「ポリマー(1)」という)のMwは、40,000であった。
〔合成例2〕
プロピレングリコールモノメチルエーテル200部、ラウリルメタクリレート30部、メチルメタクリレート40部、メタクリル酸10部、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20部およびアゾビスイソブチロニトリル1部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。次いで、80℃で3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後室温まで冷却してポリマー溶液を得た。重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下、「ポリマー(2)」という)のMwは、38,000であった。
〔合成例3〕
プロピレングリコールモノメチルエーテル200部、ラウリルメタクリレート30部、メチルメタクリレート37部、メタクリル酸13部、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20部およびアゾビスイソブチロニトリル1部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。次いで、80℃で3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後室温まで冷却してポリマー溶液を得た。重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下、「ポリマー(3)」という)のMwは、34,000であった。
〔合成例4〕
プロピレングリコールモノメチルエーテル200部、ラウリルメタクリレート30部、メチルメタクリレート35部、メタクリル酸15部、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20部およびアゾビスイソブチロニトリル1部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。次いで、80℃で3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後室温まで冷却してポリマー溶液を得た。重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下、「ポリマー(4)」という)のMwは、32,000であった。
〔合成例5〕
3−エトキシプロピオン酸エチル200部、n−ブチルメタクリレート85部、メタクリル酸15部およびアゾビスイソブチロニトリル1部を、攪拌機付きオートクレーブに仕込み、窒素雰囲気下において、室温で均一になるまで攪拌した。次いで、80℃で3時間重合させ、さらに100℃で1時間重合反応を継続させた後室温まで冷却してポリマー溶液を得た。重合率は98%であり、このポリマー溶液から析出した共重合体(以下、「ポリマー(5)」という)のMwは、40,000であった。
〔調製例1〕
無機粒子としてガラスフリット(Bi23−B23−SiO2−Al23系)100部、アルカリ可溶性樹脂としてポリマー(1)15部、多官能性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート10部、放射線重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン1部および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド2部、密着剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、染料として1−フェニル−3−メチル−4−(4−メチルフェニルアゾ)−5−オキシピラゾール0.1部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル30部を混練りすることにより、組成物b1(以下、「感放射線性組成物(b−1)」という)を調製した。
〔調製例2〕
無機粒子としてガラスフリット(Bi23−B23−SiO2−Al23系)100部、アルカリ可溶性樹脂としてポリマー(2)15部、可塑剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート10部、密着剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル30部、を混練りすることにより、組成物b2(以下、「非感放射線性組成物(b−2)」という)を調製した。
〔調製例3〕
無機粒子としてガラスフリット(Bi23−B23−SiO2−Al23系)100部、アルカリ可溶性樹脂としてポリマー(3)15部、多官能性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート10部、放射線重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン1部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド2部、密着剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、染料として1−フェニル−3−メチル−4−(4−メチルフェニルアゾ)−5−オキシピラゾール0.1部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル30部を混練りすることにより、組成物a1(以下、「感放射線性組成物(a−1)」という)を調製した。
〔調製例4〕
無機粒子としてガラスフリット(Bi23−B23−SiO2−Al23系)100部、アルカリ可溶性樹脂としてポリマー(4)15部、可塑剤としてトリメチロールプロパントリアクリレート10部、密着剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル30部、を混練りすることにより、組成物a2(以下、「非感放射線性組成物(a−2)」という)を調製した。
〔調製例5〕
アルカリ可溶性樹脂としてポリマー(5)100部、多官能性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート50部、放射線重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン15部および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150部を混練りすることにより、レジスト組成物b3(以下、「感放射線性組成物(b−3)」という)を調製した。
を調製した。
実施例1
(転写フィルムの作製)
得られた感放射線性組成物(a−1)を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上にロールコーターにより塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して、厚さ60μmの感放射線性層(a−1)を形成した。次に、非感放射線性組成物(a−2)を、感放射線性層(a−1)上にロールコーターにより塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して厚さ60μmの非感放射線性層(a−2)を形成した。これにより、厚さ120μmの、二層からなる隔壁形成材料層(膜形成材料層A)を有する転写フィルム(以下、「転写フィルム(1)」という)を作製した。
次いで、得られた感放射線性組成物(b−3)を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上にロールコーターにより塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して、厚さ10μmの感放射線性層(b−3)を形成した。次に、非感放射線性組成物(b−2)を、感放射線性層(b−3)上にロールコーターにより塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して厚さ30μmの非感放射線性層(b−2)を形成した。これにより、厚さ40μmの、二層からなる隔壁形成材料層(膜形成材料層B)を有する転写フィルム(以下、「転写フィルム(2)」という)を作製した。
(PDP用隔壁の製造)
〔膜形成材料層Aの転写工程〕
6インチパネル用の誘電体層付きガラス基板の表面に、非感放射線性層(a−2)の表面が当接されるように転写フィルム(1)を重ね合わせ、この転写フィルム(1)を加熱ローラにより熱圧着した。圧着条件は、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を4kg/cm 、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、誘電体層付きガラス基板の表面に膜形成材料層Aが転写されて密着した状態となった。この膜形成材料層A(非感放射線性層(a−2)+感放射線性層(a−1))の厚みを測定したところ、120μm±5μmの範囲にあった。
〔膜形成材料層Aの露光工程〕
感放射線性層(a−1)に対して、露光用マスク(縦600μm×横200μm、線幅70μmの格子状パターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射した。照射量は1000mJ/cm2とした。露光後、感放射線性層(a−1)より支持フィルムを剥離除去した。
〔膜形成材料層Bの転写工程〕
露光処理された感放射線性層(a−1)の表面に非感放射線性層(b−2)が当接されるように転写フィルム(2)を重ね合わせ、この転写フィルム(2)を加熱ローラにより熱圧着した。圧着条件は、加熱ローラの表面温度を90℃、ロール圧を4kg/cm 、加熱ローラの移動速度を0.5m/分とした。これにより、感放射線性層(a−1)の表面に膜形成材料層Bが転写されて密着した状態となった。この膜形成材料層AおよびB(非感放射線性層(a−2)+感放射線性層(a−1)+非感放射線性層(b−2)+感放射線性層(b−3))の厚みを測定したところ、160μm±5μmの範囲にあった。
〔膜形成材料層Bの露光工程〕
感放射線性層(b−3)に対して、露光用マスク(パターン間200μm、線幅70μmのストライプパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i線(波長365nmの紫外線)を照射した。照射量は200mJ/cm2とした。露光後、感放射線性層(b−3)より支持フィルムを剥離除去した。
〔現像工程〕
露光処理された膜形成材料層に対して、0.2重量%の水酸化カリウム水溶液(30℃)を現像液とするシャワー法による現像処理を行った。これにより、紫外線が照射されていない未硬化の感放射線性層(b−3)の部分を除去し、さらにそれをパターンとして連続的に非感放射線性層(b−1)の現像を行った。さらに連続的に紫外線が照射されていない未硬化の感放射線性層(a−1)の部分を除去し、それをパターンとして連続的に非感放射線性層(a−2)の現像を行った。次いで超純水による水洗処理および乾燥処理を行った。これにより、隔壁パターン(パターンA+パターンB)を形成した。
〔焼成工程〕
隔壁パターンが形成されたガラス基板を、焼成炉内で600℃の温度雰囲気下で30分間にわたり焼成処理した。これにより、ガラス基板の表面に隔壁が形成されてなるパネル材料が得られた。
得られたパネル材料における隔壁の断面形状を走査型電子顕微鏡により観察し、当該断面形状の底面の幅および高さを測定した。その結果、底面の幅が80μm±3μm、高さが130μm±3μmであり、寸法精度がきわめて高いものであり、かつ隔壁のエッヂがシャープなパターンが形成できたことがわかった。また、残さやパターンの剥がれ、変形は観察されなかった。
実施例2
得られた感放射線性組成物(b−1)を、予め離型処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムよりなる支持フィルム(幅200mm、長さ30m、厚さ38μm)上にロールコータにより塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜を100℃で5分間乾燥することにより溶剤を除去して、厚さ30μmの隔壁形成材料層(膜形成材料層B)を有する転写フィルム(以下、「転写フィルム(3)」という)を作製した。
転写フィルム(2)のかわりに転写フィルム(3)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス基板の表面に隔壁が形成されてなるパネル材料を作製した。
得られたパネル材料における隔壁の断面形状を走査型電子顕微鏡により観察し、当該断面形状の底面の幅および高さを測定した。その結果、底面の幅が80μm±3μm、高さが130μm±3μmであり、寸法精度がきわめて高いものであり、かつ隔壁のエッヂがシャープなパターンが形成できたことがわかった。また、残さやパターンの剥がれ、変形は観察されなかった。
図1は、交流型のプラズマディスプレイパネルの断面形状の一例を示す模式図である。 図2は、本発明の製造方法により好適に得られる、直交する壁の高さが異なる格子形状の隔壁の形状を示す模式図である。
符号の説明
1 ガラス基板 2 ガラス基板
3 隔壁 4 透明電極
5 バス電極 6 アドレス電極
7 蛍光物質 8 誘電体層
9 誘電体層 10 保護層

Claims (9)

  1. 基板上に膜形成材料層Aを形成し、当該膜形成材料層Aを露光処理してパターンAの潜像を形成し、当該膜形成材料層A上に膜形成材料層Bを形成し、当該膜形成材料層Bを露光処理してパターンBの潜像を形成し、膜形成材料層Aおよび膜形成材料層Bを現像処理してパターンAおよびパターンBを顕在化させ、当該パターンAおよびパターンBを焼成処理する工程を含む方法により、無機焼結体を有するパネル材料を形成することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
  2. 膜形成材料層Aが、
    (1)無機粒子、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含有する感放射線性層A−1と、
    (2)無機粒子およびアルカリ可溶性樹脂を含有する非感放射線性層A−2
    とを有する積層である、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 膜形成材料層Bが、無機粒子、アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含有する感放射線性層である、請求項1および2に記載のプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
  4. 膜形成材料層Bが、
    (1)アルカリ可溶性樹脂および感放射線性成分を含有するレジスト層B−1と、
    (2)無機粒子およびアルカリ可溶性樹脂を含有する非感放射線性層B−2
    とを有する積層である、請求項1および2に記載のプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
  5. 無機粒子として、鉛を含まないガラス粉末を含有することを特徴とする、請求項2乃至4に記載のプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
  6. プラズマディスプレイパネル部材が、隔壁、電極、抵抗体、蛍光体、カラーフィルターおよびブラックマトリックスから選ばれる少なくとも一種の部材である、請求項1乃至4に記載のプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
  7. パターンBがパターンAとは異なる形状を有する、請求項1乃至6に記載のプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
  8. パターンAが格子形状のパターンであり、パターンBがストライプ形状のパターンである、請求項7に記載のプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。
  9. プラズマディスプレイパネル部材が隔壁である、請求項6乃至8に記載のプラズマディスプレイパネル部材の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013049757A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Fujifilm Corp 硬化性組成物およびこれを用いたled素子

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