JPH11160800A - プロジェクションテレビジョンのフレネルレンズ用基材 - Google Patents

プロジェクションテレビジョンのフレネルレンズ用基材

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JPH11160800A
JPH11160800A JP9326056A JP32605697A JPH11160800A JP H11160800 A JPH11160800 A JP H11160800A JP 9326056 A JP9326056 A JP 9326056A JP 32605697 A JP32605697 A JP 32605697A JP H11160800 A JPH11160800 A JP H11160800A
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JP
Japan
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weight
group
polycarbonate resin
parts
sulfonic acid
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JP9326056A
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Masanao Jinno
昌直 神野
Katsuaki Kawakami
勝昭 河上
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埃や塵埃が付着堆積し難く、光線透過率が低
下し難いポリカーボネート樹脂製のプロジェクションテ
レビジョンのフレネルレンズ用基材を提供する。 【解決手段】 帯電防止剤、燐系酸化防止剤及び光拡散
剤を含有する厚さ0.2〜2mmのポリカーボネート樹
脂シートよりなり、表面固有抵抗が1×1014Ω未満
で、全光線透過率が85%以上で且つヘイズが5〜30
%であるプロジェクションテレビジョンのフレネルレン
ズ用基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート樹
脂製のプロジェクションテレビジョンのフレネルレンズ
用基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクションテレビジョンのスクリ
ーン(前面板)は、ブラン管タイプのテレビジョンに較
べ輝度が比較的低く、その輝度を保つために、使用され
るフレネルレンズ用基材には光拡散性とともに優れた透
明性が要求されている。本願出願人はポリカーボネート
樹脂製の高透過性光拡散板を開発し、先に提案した(特
開平5−257002号公報)。しかしながら、かかる
ポリカーボネート樹脂からなる基材には、光拡散剤とし
て無機や有機の微粒子が添加されているため、その表面
は微細な凹凸を呈しており、経日とともに埃や塵埃が付
着堆積し、ついには光線透過率が低下してスクリーンの
映像が暗くなるという問題が発生することが判明した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、埃や
塵埃が付着堆積し難く、光線透過率が低下し難いポリカ
ーボネート樹脂製のプロジェクションテレビジョンのフ
レネルレンズ用基材を提供するにある。
【0004】本発明者は、上記課題を解決せんとして鋭
意検討を重ねた結果、光拡散剤を配合したポリカーボネ
ート樹脂製シートに帯電防止性を付与して、埃や塵埃の
付着を防止することを試みた。しかしながら、光拡散剤
を配合したポリカーボネート樹脂製シートに、埃や塵埃
の付着堆積を充分に防止し得る程度の帯電防止性を付与
する量の帯電防止剤を混合すると、光線透過率が低下
し、上記課題を解決し得なかった。例えばスルホン酸の
アルカリ金属塩を混合する方法、スルホン酸のホスホニ
ウム塩と亜リン酸エステルを混合する方法(特開昭64
−14267号公報)、スルホン酸のアミン塩とリン酸
エステルを混合する方法(特開平3−64368号公
報)では、得られる光拡散剤を配合したポリカーボネー
ト樹脂シートは透明性が悪化し、上記課題を解決し得な
かった。
【0005】本発明者は、更に鋭意検討を重ねた結果、
帯電防止剤として特定のスルホン酸のアミン塩とアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属塩を併用し、更にホスファ
イト系酸化防止剤を夫々特定量使用することによって、
光拡散剤を配合したポリカーボネート樹脂シートにその
透明性を殆ど損なうことなく、埃や塵埃の付着堆積を充
分に防止する程度の帯電防止性を付与し得ることを究明
し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、燐系酸化防止
剤及び光拡散剤を含有し、且つポリカーボネート樹脂1
00重量部に対して、下記一般式[1]
【0007】
【化3】
【0008】[式中、R1は炭素数1〜40のアルキル
基、アルキルアリール基又はアルキルジフェニルエーテ
ル基であり、Aは炭素数1〜30の炭化水素基を有する
第三級アミンである。]で表されるスルホン酸の有機ア
ミン塩0.1〜5重量部及び、下記一般式[2]
【0009】
【化4】
【0010】[式中、R2は炭素数1〜40のアルキル
基、アルキルアリール基又はアルキルジフェニルエーテ
ル基であり、Bはアルカリ金属又はアルカリ土類金属で
あり、nはBがアルカリ金属の場合1、Bがアルカリ土
類金属の場合2である。]で表されるスルホン酸の金属
塩0.001〜0.3重量部の帯電防止剤を含有した厚
さ0.2〜2mmのポリカーボネート樹脂シートであっ
て、表面固有抵抗が1×1014Ω未満で、全光線透過率
が85%以上で且つヘイズが5〜30%であるプロジェ
クションテレビジョンのフレネルレンズ用基材に係るも
のである。
【0011】本発明が対象とするプロジェクションテレ
ビジョンは、本体内に投射型プロジェクター等の光学ユ
ニットがあり、この光学ユニットより出た光は鏡で反射
され、スクリーンの輝度斑を抑えるためのフレネルレン
ズ、光を整合させ輝度を向上させるためのレンチキュラ
ーレンズを通してスクリーン(前面板)に投影されるも
のである。かかるフレネルレンズは、表面がUV樹脂加
工されたフレネルレンズ部と高光線透過・拡散性基板か
らなり、鏡より反射された光を画面全体に均一拡散し、
スクリーン端部等で起こる輝度斑を抑えることが出来
る。このプロジェクションテレビジョンのスクリーン
(前面板)、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズの
概略構成を図1及び図2に示す。
【0012】本発明のポリカーボネート樹脂製のプロジ
ェクションテレビジョンのフレネルレンズ用基材は、そ
の厚さが0.2〜2mmにする必要がある。0.2mm
より薄いと基材としての強度が不十分になり、2mmよ
り厚いと強度は十分以上確保されるが、透視性能が悪化
するようになる。表面固有抵抗が1×1014Ωより大き
くなると、埃や塵埃の付着堆積を充分に防止し得なくな
る。全光線透過率が85%未満では透過光線が不足する
ためにスクリーンの輝度が不足する。またヘイズが5%
未満では光拡散性能が不十分になり、スクリーン端部等
輝度斑が発生する。ヘイズが30%より高くなると透過
光線が不足するようになり、スクリーンの輝度が低下
し、いずれもプロジェクションテレビジョンのフレネル
レンズ用基材として適さなくなる。
【0013】本発明で使用するポリカーボネート樹脂
は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させ
て得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であり、通常カ
ーボネート前駆体としてホスゲンを使用する溶液法、又
は炭酸ジエステルを使用するエステル交換法によって得
られる。ここで使用する二価フェノールの代表的な例と
しては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(通称ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン酸等があげられ
る。ポリカーボネートの分子量は、粘度平均分子量で表
して通常10,000〜100,000、好ましくは1
5,000〜35,000である。かかるポリカーボネ
ート樹脂を製造するに際し、適当な分子量調節剤、加工
性改善のための分岐剤、反応を促進するための触媒等を
必要に応じて使用することができる。
【0014】本発明では帯電防止剤として、スルホン酸
の有機アミン塩とスルホン酸のアルカリ金属塩とを併用
する。スルホン酸の有機アミン塩は下記一般式[1]
【0015】
【化5】
【0016】で表されるものであり、式中R1は炭素数
1〜40のアルキル基、アルキルアリール基又はアルキ
ルジフェニルエーテル基であり、例えばオクチル基、デ
シル基、ドデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、
2−エチルヘキシル基、ノニルフェニル基、ドデシルフ
ェニル基、ドデシルナフタレン基、ドデシルジフェニル
エーテル基、2−エチルヘキシルジフェニルエーテル基
等があげられる。R1の炭素数が40を越えると帯電防
止効果が劣るようになる。Aは炭素数1〜30の炭化水
素基を有する第三級アミンであり、下記一般式
【0017】
【化6】
【0018】で表されるものであって、式中R3、R4
びR5は夫々同一又は異なる炭素数1〜30の炭化水素
基であり、R3及びR4は相互に連絡して窒素原子と共に
複素環を形成していてもよい。R3、R4及びR5として
は例えばメチル基、プロピル基、ヘキシル基、2−エチ
ルヘキシル基、ラウリル基、オレイル基、ステアリル基
等のアルキル基、フェニル基、ノニルフェニル基、ドデ
シルフェニル基等のアルキルフェニル基、ベンジル基等
のアラルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基等があげられる。また、これら炭化水素基には置換基
が導入されていてもよく、例えばヒドロキシアルキル
基、又はヒドロキシアルキル基にアルキレンオキサイド
が付加した基の末端をエーテルやエステルで封鎖した基
等があげられる。これらR3、R4及びR5の炭素数が3
0を越えると帯電防止効果が劣るようになる。かかるス
ルホン酸のアミン塩の具体例としてはプロピルスルホン
酸オクチルジメチルアミン、オクチルスルホン酸ヘキシ
ルジメチルアミン、ドデシルスルホン酸ドデシルジプロ
ピルアミン、オクタデシルスルホン酸オクチルジエチル
アミン、ノニルベンゼンスルホン酸ステアリルジ(メト
キシエチル)アミン、ドデシルベンゼンスルホン酸ジド
デシルメチルアミン、ドデシルナフタレンスルホン酸ベ
ヘニルジプロピルアミン、ドデシルジフェニルエーテル
スルホン酸ドデシルジプロピルアミン等があげられ、こ
れらは単独で使用しても又は二種以上併用してもよい。
【0019】上記スルホン酸の有機アミン塩と併用する
スルホン酸の金属塩は、前記一般式[2]
【0020】
【化7】
【0021】で表されるものであり、式中R2は炭素数
1〜40のアルキル基、アルキルアリール基又はアルキ
ルジフェニルエーテル基であり、前記一般式[1]のR
1の説明と同様のものがあげられる。BはLi、Na、
K、Mg、Ca、Ba等のアルカリ金属又はアルカリ土
類金属であり、特にNa、K、Caが好ましい。かかる
スルホン酸の金属塩の具体例としてはプロピルスルホン
酸ナトリウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシル
スルホン酸カリウム、オクタデシルスルホン酸カルシウ
ム、プロピルベンゼンスルホン酸リチウム、ノニルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン
酸カリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム
等があげられ、これらは単独で使用しても又は二種以上
併用してもよい。
【0022】スルホン酸の有機アミン塩の使用量は、ポ
リカーポネート樹脂100重量部に対し0.1〜5重量
部であり、0.5〜4.5重量部が好ましい。0.1重
量部未満ではスルホン酸の金属塩の所定量と併用しても
充分な帯電防止効果が得られ難く、5重量部を越えると
成形する際にドローダウンが発生したり、機械的物性が
低下するようになる。スルホン酸の金属塩の使用量は、
ポリカーボネート樹脂100重量部に対し0.001〜
0.3重量部であり、0.005〜0.2重量部が好ま
しい。0.001重量部未満ではスルホン酸の有機アミ
ン塩の所定量と併用しても充分な帯電防止効果が得られ
難く、0.3重量部を越えると得られるポリカーボネー
ト樹脂の透明性が低下するようになる。
【0023】上記スルホン酸の有機アミン塩はスルホン
酸を第三級アミンで常法により中和することにより得ら
れ、スルホン酸の金属塩はスルホン酸をアルカリ金属又
はアルカリ土類金属の化合物で常法により中和すること
により得られる。両者は別々に作成した後夫々の所定量
を任意の順序で又は予め混合してポリカーポネート樹脂
に配合することができる。また、スルホン酸を先ず所定
量の第三級アミンで常法により中和した後、続けて所定
量のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物で常法
により中和するか、又は第三級アミンとアルカリ金属又
はアルカリ土類金属の化合物を所定のモル比に混合した
後スルホン酸を中和して所定割合のスルホン酸の有機ア
ミン塩と金属塩の混合物を作成して使用することもでき
る。
【0024】本発明で使用する燐系酸化防止剤は例えば
トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホス
ファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオ
クチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、
ジデシル−モノフェニルホスファイト、ジオクチル−モ
ノフェニルホスファイト、ジイソプロピル−モノフェニ
ルホスファイト、モノブチル−ジフェニルホスファイ
ト、モノデシル−ジフェニルホスファイト、モノオクチ
ル−ジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,
6−ジ−tert−ブチルフェニルオクチルホスファイ
ト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ
−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
−4,4−ジフェニレンホスホナイト等の亜リン酸のト
リエステル、又はエステル部をアルキル基、フェニル
基、アルキルアリール基等で置換したジエステル、モノ
エステルであり、これらは単独で使用しても又は二種以
上併用してもよい。なかでもトリスノニルフェニルホス
ファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトが好ま
しい。かかる燐系酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネ
ート樹脂100重量部に対して0.0001〜0.00
1重量部、より好ましくは0.0003〜0.0007
重量部である。0.0001重量部未満ではポリカーボ
ネート樹脂が着色するようになり、その透明性が低下す
るようになる。0.001重量部を越えると押出成形す
る際にシルバーが発生したり、発泡する恐れがある。
【0025】本発明で使用する光拡散剤は、一般にプラ
スチックの光拡散板に使用されている無機微粒子や有機
微粒子でよく、例えばカオリンに代表されるシリカアル
ミナ系粘土鉱物(含水珪酸アルミニウム類)、タルクに
代表されるシリカマグネシウム系粘土鉱物(含水珪酸マ
グネシウム類)、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、シリ
カアルミナ、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、有
機微粒子としては架橋構造を有する架橋ポリアクリレー
ト、架橋ポリスチレン等が挙げられる。特に炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、架橋ポリアクリレート及び架橋ポ
リスチレンがポリカーボネート樹脂への分散性が優れ好
ましいものである。使用量はポリカーボネート樹脂10
0重量部に対し0.01〜0.5重量部の範囲で、好ま
しくは0.05〜0.3重量部の範囲ある。0.01重
量部未満だとヘイズが5%以下になり、拡散性能が不十
分になる。また、0.5重量部を越えると全光線透過率
が85%以下に低下する一方、ヘイズが30%以上にな
り、プロジェクションテレビジョンのフレネルレンズ用
基材としては適当でない。また、光拡散剤の粒径は5〜
50μmの範囲が好ましい。拡散性能の面からは5〜5
0μmを外れても影響は小さいが、粒径が5μmより小
さいか又は50μmを越えると、ポリカーボネート樹脂
粉末に添加混合して溶融押出すときにスクリューの喰い
込みが不安定になる。
【0026】本発明のプロジェクションテレビジョンの
フレネルレンズ用基材を作成するには、格別の手段を採
用する必要はなく、通常のシートの製造法例えばTダイ
押出機による溶融押出法で製造される。具体的にはポリ
カーボネート樹脂に、所定量の上記帯電防止剤(スルホ
ン酸の有機アミン塩とスルホン酸の金属塩)、燐系酸化
防止剤及び光拡散剤を任意の順序で又は同時に添加混合
した後に押出機により所定の厚さのシートに成形すれば
よい。また、シートに成形するに際し、必要に応じて例
えば着色剤、離型剤、熱安定剤、凝集防止剤を配合して
もよく、上記添加剤の添加に際し、任意の方法が採用例
えばタンプラー、スーパーミキサー、ナウタミキサー等
を用いてドライブレンドすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に説明する。なお、実施例中の部は重量部であり、表面
固有抵抗、透明性(全光線透過率、ヘイズ)、色相(成
形時の耐熱性)、塵埃付着性は以下の方法で測定した。
【0028】(1)表面固有抵抗は押出成形機でシーテ
ィングされたシートを23℃×50%RHで24時間調
湿後、表面固有抵抗を東亜電波工業(株)製SM−82
10極超絶縁計により測定した。数値が小さいほど帯電
防止性能が優れていることを示す。
【0029】(2)透明性は厚さ1.3mm、幅60m
m、長さ80mmの成形板の全光線透過率、ヘイズを日
本電色(株)製NDH−Σ80により測定した。
【0030】(3)色相は上記成形板のb値を日本電色
(株)製色差計により測定した。b値が大きいほど耐熱
性が悪いことを示す。
【0031】(4)塵埃付着性は上記シーティングされ
た1.3mmシートを950×1300mmに裁断して
室内に1ヶ月間吊るし,塵埃の付着程度を目視で判断し
た。○は塵埃の付着が殆ど見られないことを表し、×は
シートに塵埃が付着してシートが曇って見えることを表
す。
【0032】[実施例1〜4及び比較例1〜5]ビスフ
ェノールAとホスゲンから常法によって製造された粘度
平均分子量24,500のポリカーボネート樹脂100
部に表1記載の帯電防止剤、酸化防止剤及び光拡散剤を
表1記載の量添加し、タンブラーにて混合した後、径1
20mmのTダイ押出機で厚み1.3mm、幅1000
mmのシートを280℃で成形した。得られた成形シー
トの特性値を表1に示した。なお、表1中の帯電防止
剤、酸化防止剤及び光拡散剤の種類を示す記号は下記の
通りである。 A−1:ドデシルベンゼンスルホン酸ジドデシルメチル
アミン A−2:ドデシルスルホン酸ドデシルプロピルアミン B−1:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム B−2:ドデシルスルホン酸カリウム C−1:テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)−4,4−ジフ ェニレンホスホネート D−1:炭酸カルシウム
【0033】
【表1】
【0034】また別途、実施例1〜4及び比較例1〜5
のシートからのリアプロジェクター用スクリーンを作成
した。これらのスクリーンを用いたプロジェクションテ
レビジョンの画面を比較したところ、実施例のシートを
用いたものではプロジェクションテレビジョンの画面が
明るく、解像度もよい鮮明な画像が得られ、長期間使用
してもその鮮明度はほとんどていかしなかった。一方、
比較例3、4のシートを用いたものではスクリーン自体
が光を隠蔽するため、最初からプロジェクションテレビ
ジョンの画面が暗くなり、解像度も低下し不鮮明な画像
になった。また、比較例1、2及び5のシートを用いた
ものでは長期間使用すると、塵埃が徐々に付着し、プロ
ジェクションテレビジョンの画面が暗くなり、解像度も
低下し不鮮明な画像になった。
【0035】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂製光拡散
板は表面固有抵抗が1×1014Ω以下で塵埃の付着が殆
ど見られず安価で優れたプロジェクションテレビジョン
のフレネルレンズ用基材として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロジェクションテレビジョンのスクリーン部
の概略斜視図。
【図2】プロジェクションテレビジョンのスクリーン部
の概略断面図。
【符号の説明】
1. プロジェクションテレビジョンのスクリーン
(前面板) 2. レンチキュラーレンズ 3. フレネルレンズ部 4. フレネルレンズ用基材(拡散シート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 69:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燐系酸化防止剤及び光拡散剤を含有し、
    且つポリカーボネート樹脂100重量部に対して、下記
    一般式[1] 【化1】 [式中、R1は炭素数1〜40のアルキル基、アルキル
    アリール基又はアルキルジフェニルエーテル基であり、
    Aは炭素数1〜30の炭化水素基を有する第三級アミン
    である。]で表されるスルホン酸の有機アミン塩0.1
    〜5重量部及び、下記一般式[2] 【化2】 [式中、R2は炭素数1〜40のアルキル基、アルキル
    アリール基又はアルキルジフェニルエーテル基であり、
    Bはアルカリ金属又はアルカリ土類金属であり、nはB
    がアルカリ金属の場合1、Bがアルカリ土類金属の場合
    2である。]で表されるスルホン酸の金属塩0.001
    〜0.3重量部の帯電防止剤を含有した厚さ0.2〜2
    mmのポリカーボネート樹脂シートであって、表面固有
    抵抗が1×1014Ω未満で、全光線透過率が85%以上
    で且つヘイズが5〜30%であるプロジェクションテレ
    ビジョンのフレネルレンズ用基材。
  2. 【請求項2】 燐系酸化防止剤が、トリスノニルフェニ
    ルホスファイト及びテトラキス(2,4−ジ−tert
    −ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイ
    トより選ばれた少くとも一種の燐化合物であってポリカ
    ーボネート樹脂100重量部に対して0.0001〜
    0.001重量部含有されてなる請求項1記載のプロジ
    ェクションテレビジョンのフレネルレンズ用基材。
  3. 【請求項3】 光拡散剤が炭酸カルシウム、硫酸バリウ
    ム、架橋ポリアクリレート及び架橋ポリスチレンより選
    ばれた少くとも一種の光拡散剤であってポリカーボネー
    ト樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部含
    有されてなる請求項1又は2記載のプロジェクションテ
    レビジョンのフレネルレンズ用基材。
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