JP2021191831A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Masashi Yokoki
真矢 山下
Shinya Yamashita
功 高橋
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Abstract

【課題】抗菌性や抗ウイルス性を有し、高硬度で熱安定性に優れ、外観にも優れたポリカーボネート樹脂組成物の提供。【解決手段】下記一般式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含み、末端水酸基量が150〜1500ppmのポリカーボネート樹脂(A)と、銀イオン、亜鉛イオン、及び銅イオンの1種以上を含有する無機系抗菌剤(B)とを含むポリカーボネート樹脂組成物。ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対する無機系抗菌剤(B)の含有量は0.05〜5.0質量部。(R1及びR2は、H、置換/無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換/無置換のアリール基。Xは、直接結合等。)【選択図】なし

Description

本発明はポリカーボネート樹脂組成物に関するものであり、詳しくは、抗菌性や抗ウイルス性を有し、表面硬度が高く、高い熱安定性により外観にも優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度、電気特性、透明性等に優れ、エンジニアリングプラスチックとして、電気・電子機器分野、自動車分野等様々な分野において幅広く利用されている。これらのうち、冷蔵庫、掃除機などの家電製品、吊り輪、医療用器具、自動車内装、ディスプレイなどの用途においては、衛生性、清潔性や安全性が求められるために、無機系の抗菌剤を配合したポリカーボネート樹脂組成物が知られている。
ポリカーボネート樹脂は、一般的に、表面硬度が低いために、傷つきやすいという欠点があり、用途が制限されている。これに対し、例えば、特許文献1〜3には、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン骨格を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が表面硬度に優れていることが開示されている。
一方、抗菌剤を配合することで、抗菌性を付与したポリカーボネート樹脂組成物が特許文献4に提案されているが、このポリカーボネート樹脂組成物は表面硬度が低い。特許文献5には、高い表面硬度及び抗菌性を得るために、ポリカーボネート樹脂と表面硬度向上剤及び抗菌剤を含むポリカーボネート樹脂組成物が提案されているが、このポリカーボネート樹脂組成物は熱安定性が悪いという問題があった。
特開2011−105931号公報 特開2011−105932号公報 特開2017−052867号公報 特開2019−299004号公報 特開2014−118414号公報
かかる状況下、本発明の目的は、抗菌性や抗ウイルス性を有し、かつ高硬度で熱安定性に優れ、熱安定性に優れることから外観にも優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の芳香族ジヒドロキシ化合物に由来するカーボネート構造単位を含むポリカーボネート樹脂の末端水酸基を特定の範囲に制御した上で、無機系抗菌剤と組み合わせることにより、上記目的に合致するポリカーボネート樹脂組成物となることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の趣旨は、以下の[1]〜[5]に存する。
[1] 下記一般式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含み、末端水酸基量が150〜1500ppmであるポリカーボネート樹脂(A)と、銀イオン、亜鉛イオン、及び銅イオンからなる群より選ばれる1種以上の金属イオンを含有する無機系抗菌剤(B)とを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、該ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対する該無機系抗菌剤(B)の含有量が、0.05〜5.0質量部であるポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 2021191831
(一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、直接結合、又は下記式(1A)若しくは(1B)で表される基を示す。)
Figure 2021191831
(式(1A)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。式(1B)中、Zは式(1B)中の炭素原子(C)と結合して置換基を有していてもよい炭素数6〜12の脂環式炭化水素基を形成する基を示す。)
[2] 前記ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が15000以上、30000以下である[1]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3] 前記ポリカーボネート樹脂(A)中の、全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対する、前記一般式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の割合が10モル%以上である[1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4] 前記無機系抗菌剤(B)が、ゼオライト系抗菌剤及び/又はガラス系抗菌剤である[1]〜[3]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる成形品。
本発明によれば、抗菌性や抗ウイルス性を有し、高硬度で熱安定性に優れ、外観も良好なポリカーボネート樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、このような優れた特性を有することから、ノートパソコン、携帯電話などのモバイル機器の筐体やディスプレイ、自動車内装材やディスプレイ、医療機器、飛沫防止用シートなどの用途として幅広く利用することができる。
実施例におけるポリカーボネート樹脂(A)の製造工程を示すフロー図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
尚、本明細書において、「〜」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
〔ポリカーボネート樹脂組成物〕
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、後掲の一般式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物(以下、「芳香族ジヒドロキシ化合物(1)」と称す場合がある。)に由来する構造単位(以下、「構造単位(1)」と称す場合がある。)を含み、末端水酸基量が150〜1500ppmであるポリカーボネート樹脂(A)と、銀イオン、亜鉛イオン、及び銅イオンからなる群より選ばれる1種以上の金属イオンを含有する無機系抗菌剤(B)とを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、該ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対する該無機系抗菌剤(B)の含有量が、0.05〜5.0質量部であることを特徴とする。
なお、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。また、無機系抗菌剤(B)についても1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
まず、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂(A)について説明する。
<ポリカーボネート樹脂(A)の構造単位>
ポリカーボネート樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位(1)を含む。
Figure 2021191831
(一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、直接結合、又は下記式(1A)若しくは(1B)で表される基を示す。)
Figure 2021191831
(式(1A)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。式(1B)中、Zは式(1B)中の炭素原子(C)と結合して置換基を有していてもよい炭素数6〜12の脂環式炭化水素基を形成する基を示す。)
一般式(1)において、R及びRの、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられ、置換若しくは無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
これらの中でも、R及びRは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、4−メチルフェニル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
また、一般式(1)におけるR、Rの結合位置は、好ましくはXに対して5位である。
一般式(1)において、式(1A)で表されるXのR及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示すが、特には水素原子が好ましい。
式(1B)におけるZは、一般式(1)において、2個のフェニル基と結合する炭素原子と結合して、置換若しくは無置換の二価の炭素数6〜12の脂環式炭化水素基を形成する。該二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シキロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基、シクロドデシリデン基又はアダマンチリデン基等の、好ましくは炭素数4〜12のシクロアルキリデン基が挙げられる。これらの脂環式炭化水素基が置換基を有する場合、該置換基としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。これらの中でも、Zはシクロヘキシリデン基、メチルシクロヘキシリデン基、シクロドデシリデン基が好ましい。
本発明に係る芳香族ジヒドロキシ化合物(1)の好適な具体例としては、下記式(1−1)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下、「BPC」と略記する場合がある。)、下記式(1−2)で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロドデカン、下記式(1−3)で表される4,4−エチリデンビス(2−メチルフェノール)、下記式(1−4)で表される4,4−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ビス(2−メチルフェノール)、下記式(1−5)で表される1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、下記式(1−6)で表される4,4−メチレンビス(2,6−ジメチルフェノール)(以下、「TmBPF」と略記する場合がある。)、下記式(1−7)で表される4,4−メチレンビス(2,5−ジメチルフェノール)(以下、「Bis25X−F」と略記する場合がある。)、下記式(1−8)で表される4,4−エチリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)(以下、「TmBPE」と略記する場合がある。)などが挙げられる。
Figure 2021191831
これらのうち、上記式(1−1)で表されるBPCが最も好ましい。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)は構造単位(1)の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。即ち、2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物(1)に由来する構造単位(1)を含んでいてもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)は、本発明の目的を損なわない範囲で、構造単位(1)以外の構造単位、即ち、芳香族ジヒドロキシ化合物(1)以外のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位(以下、「その他の構造単位」と称す。)を含むこともできる。例えば、下記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物(以下、「芳香族ジヒドロキシ化合物(2)」と称す場合がある。)に由来する構造単位(以下、「構造単位(2)」と称す場合がある。)あるいは後述するような他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を有していてもよい。
Figure 2021191831
(一般式(2)中、Xは一般式(1)におけるXと同義である。)
上記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物(2)に由来する構造単位(2)の好ましい具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即ち、ビスフェノール−A由来の構造単位が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)は、更に構造単位(2)以外のその他の構造単位を有していてもよい。
構造単位(2)以外のその他の構造単位としては、例えば、以下のような芳香族ジヒドロキシ化合物由来の構造単位を挙げることができる。
例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−(1−メチルエチル)フェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)フェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−6−メチル−3−tert−ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)は、構造単位(1)以外のその他の構造単位の1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)が、2種以上の構造単位を含む場合、2種以上の構造単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂であってもよいし、異なる構造単位を有するポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。例えば、ポリカーボネート樹脂(A)が、構造単位(1)以外の構造単位を含む場合、構造単位(1)とその他の構造単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂であってもよいし、構造単位(1)を有するポリカーボネート樹脂とその他の構造単位を有するポリカーボネート樹脂との混合物であってもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)中の構造単位(1)の含有割合はポリカーボネート樹脂(A)中の全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対して10モル%以上であることが好ましく、20モル%であることがより好ましく、30モル%であることかがさらに好ましく、40モル%であることが特に好ましく、とりわけ50モル%以上であることが好ましい。一方、構造単位(1)の含有割合は100モル%であってもよく、樹脂組成物に対する要求性能に応じて、他の構造単位を含むことで95モル%以下であってもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)中の構造単位(1)の含有割合が上記下限以上であれば高硬度なポリカーボネート樹脂組成物とすることができる。
従って、ポリカーボネート樹脂(A)中の構造単位(1)以外の他の構造単位の含有割合は、上記構造単位(1)の好適含有割合を満たす含有割合であることが好ましいが、他の構造単位のうち、構造単位(2)以外の構造単位の含有割合は通常50モル%未満であり、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下であり、中でも5モル%以下であることが最も好ましい。
本発明に係るポリカーボネート樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂(A)中の全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対して構造単位(1)を30〜100モル%、構造単位(2)を70〜0モル%含むことが好ましく、特に構造単位(1)を50〜100モル%、構造単位(2)を50〜0モル%含むことが、表面硬度や耐衝撃性の観点から好ましい。
<ポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基量>
ポリカーボネート樹脂(A)は、末端水酸基量が150〜1500ppmであることを特徴とする。末端水酸基量を、この範囲とすることで、無機系抗菌剤(B)を含む本発明のポリカーボネート樹脂組成物の成形性が優れたものとなる。
このような観点より、ポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基量は、好ましくは160ppm以上であり、より好ましくは180ppm以上であり、さらに好ましくは200ppm以上である。また、好ましくは1400ppm以下、より好ましくは1350ppm以下、さらに好ましくは1300ppm以下である。ポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基量が過度に小さいと、成形時の初期色相が悪化する傾向がある。末端水酸基量が過度に大きいと、滞留熱安定性や耐湿熱性が低下する傾向がある。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)は末端水酸基量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、末端水酸基量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を用いて混合し、上記範囲の末端水酸基量に制御してもよい。
ポリカーボネート樹脂(A)の末端水酸基量とは、下記式(3)で表される末端水酸基の総量Mを表し、末端水酸基量の単位は、ポリカーボネート樹脂の質量に対する、末端水酸基の質量をppmで表示したものである。またその測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)である。
Figure 2021191831
(式(3)中、Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、rは0〜2の整数を表す。)
<ポリカーボネート樹脂(A)の分子量>
ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、溶液粘度から換算した粘度平均分子量(Mv)で、好ましくは15000〜30000である。粘度平均分子量が上記下限値以上であれば、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械物性や耐アルカリ性、熱安定性が良好となる。また、粘度平均分子量が上記上限値以下であれば、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性が十分となり好ましい。このような観点より、ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、より好ましくは16500以上、さらに好ましくは18000以上である。また、より好ましくは29500以下、さらに好ましくは29000以下である。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)は、溶媒として塩化メチレンを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での固有粘度(極限粘度)[η](単位dL/g)を求め、Schnellの粘度式、即ち、η=1.23×10−4Mv0.83から算出される値を意味する。また固有粘度(極限粘度)[η]とは、各溶液濃度[C](g/dL)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2021191831
なお、ポリカーボネート樹脂(A)は粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を用いて混合し、上記範囲の粘度平均分子量に制御してもよい。
<ポリカーボネート樹脂(A)の製造方法>
ポリカーボネート樹脂(A)は、従来から知られている重合法により製造することができ、その重合法は、特に限定されるものではない。重合法の例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等を挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
<界面重合法>
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、原料のジヒドロキシ化合物とカーボネート形成性化合物とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。尚、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させてもよく、原料ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させてもよい。
反応に不活性な有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素等;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;等が挙げられる。尚、有機溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液に含有されるアルカリ化合物としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が挙げられる。中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。尚、アルカリ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
アルカリ水溶液中のアルカリ化合物の濃度に制限は無いが、通常、アルカリ水溶液のpHを10〜12にコントロールするために、アルカリ化合物濃度は5〜10質量%で使用される。また、例えばホスゲンを吹き込むに際しては、水相のpHが10〜12、好ましくは10〜11になる様にコントロールするために、原料ジヒドロキシ化合物とアルカリ化合物とのモル比を、通常1:1.9以上、中でも1:2.0以上、また、通常1:3.2以下、中でも1:2.5以下とすることが好ましい。
原料ジヒドロキシ化合物として、芳香族ジヒドロキシ化合物(1)と必要に応じて芳香族ジヒドロキシ化合物(2)等の他のジヒドロキシ化合物を含むものを用いることにより、構造単位(1)を含むポリカーボネート樹脂(A)を製造することができる。芳香族ジヒドロキシ化合物(1)のみを用いることにより、構造単位(1)のみを含むポリカーボネート樹脂(A)を製造することができる。
カーボネート形成性化合物としては、カルボニルハライドが好適に用いられ、中でもホスゲンを用いることが好ましく、ホスゲンを用いた場合の方法は特にホスゲン法と呼ばれる。
重合触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン等の脂肪族三級アミン;N,N’−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N’−ジエチルシクロヘキシルアミン等の脂環式三級アミン;N,N’−ジメチルアニリン、N,N’−ジエチルアニリン等の芳香族三級アミン;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等;ピリジン;グアニン;グアニジンの塩;等が挙げられる。尚、重合触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤としては、特に限定されないが、例えば、一価のフェノール性水酸基を有する芳香族フェノール;メタノール、ブタノール等の脂肪族アルコール;メルカプタン;フタル酸イミド等が挙げられるが、中でも芳香族フェノールが好ましい。このような芳香族フェノールとしては、具体的には、フェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−オクチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−n−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノール、p−クレゾール、ブロモフェノール、トリブロモフェノール、平均炭素数12〜35の直鎖状または分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位またはパラ位に有するモノアルキルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4−(1−アダマンチル)フェノール等が挙げられる。これらの中では、p−t−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール及びp−クミルフェノールが好ましく用いられる。尚、分子量調整剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
分子量調整剤の使用量は、特に限定されないが、例えば、原料のジヒドロキシ化合物100モルに対して、通常0.5モル以上、好ましくは1モル以上であり、また、通常50モル以下、好ましくは30モル以下である。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
中でも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤の市販品としては、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
尚、酸化防止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
酸化防止剤の使用量は、特に限定されないが、例えば原料ジヒドロキシ化合物100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。酸化防止剤の使用量が前記範囲の下限値未満の場合は、酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、酸化防止剤の使用量が前記範囲の上限値を超える場合は、射出成形時にガスが出やすくなる可能性がある。
反応の際に、反応基質(反応原料)、反応溶媒(有機溶媒)、触媒、添加剤等を混合する順序は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順序を任意に設定すればよい。例えば、カーボネート形成性化合物としてホスゲンを用いた場合には、分子量調整剤は原料ジヒドロキシ化合物とホスゲンとの反応(ホスゲン化)の時から重合反応開始時までの間であれば任意の時期に混合できる。
尚、反応温度は特に限定されないが、通常0〜40℃であり、反応時間は、特に限定されないが、通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
<溶融エステル交換法>
溶融エステル交換法では、例えば、カーボネートエステルと原料ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
原料ジヒドロキシ化合物は、界面重合法におけると同様である。
カーボネートエステルとしては、例えば、下記一般式(4)で表される化合物であればよく、アリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類やジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
Figure 2021191831
上記一般式(4)中、R31及びR32は、それぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基を示す。以下、R31及びR32が、アルキル基、アリールアルキル基のときジアルキルカーボネートと称し、アリール基のときジアリールカーボネートと称すことがある。中でもジヒドロキシ化合物との反応性の観点よりR31及びR32は、共にアリール基であることが好ましく、下記一般式(5)で表されるジアリールカーボネートであることがより好ましい。
Figure 2021191831
上記一般式(5)中、R33及びR34は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、p及びqはそれぞれ独立に0〜5の整数を表す。
このようなカーボネートエステルとしては、具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記する場合がある。)、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ビス(4−クロロフェニル)カーボネート、ビス(4−フルオロフェニル)カーボネート、ビス(2−クロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4−ジフルオロフェニル)カーボネート、ビス(4−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(メチルサリチルフェニル)カーボネート、ジトリルカーボネート等の(置換基を有していてもよい)ジアリールカーボネートが挙げられるが、中でもジフェニルカーボネートが好ましい。尚、これらのカーボネートエステルは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、前記のカーボネートエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸またはジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸またはジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
原料ジヒドロキシ化合物とカーボネートエステルとの比率は所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であるが、これらカーボネートエステルは、ジヒドロキシ化合物と重合させる際に、原料ジヒドロキシ化合物に対して過剰に用いることが好ましい。即ち、カーボネートエステルは、ジヒドロキシ化合物に対して、1.01〜1.30倍量(モル比)であることが好ましく、1.02〜1.20倍量(モル比)であることがより好ましい。このモル比が小さすぎると、得られるポリカーボネート樹脂の末端OH基が多くなり、樹脂の熱安定性が悪化する傾向となる。一方、このモル比が大きすぎると、エステル交換の反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂の生産が困難となる場合や、樹脂中のカーボネートエステルの残存量が多くなり、成形加工時や成形品としたときの臭気の原因となる場合がある。
溶融エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は、特に限定されず、従来から公知のものを使用できる。例えばアルカリ金属化合物及び/またはアルカリ土類金属化合物を用いることが好ましい。また、補助的に、例えば塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用してもよい。尚、エステル交換触媒は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
溶融エステル交換法において、反応温度は、特に限定されないが、通常100〜320℃である。また、反応時の圧力は、特に限定されないが、通常2mmHg以下の減圧条件である。具体的操作としては、前記の条件で、副生成物を除去しながら、溶融重縮合反応を行えばよい。
ここで、ポリカーボネート樹脂(A)は、アルカリ触媒存在下では、顕著に熱履歴や酸化の影響を受け、色相の悪化に繋がる。そのため、反応温度は320℃以下とし、また、過度の減圧により、機器からの酸素の漏れ込みを防ぐため、0.05mmHg程度までを下限とした減圧条件を選択することが好ましい。
反応形式は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応溶媒、触媒、添加剤等を混合する順序は、所望のポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順序を任意に設定すればよい。
溶融エステル交換法においては、必要に応じて、触媒失活剤を用いてもよい。触媒失活剤としてはエステル交換触媒を中和する化合物を任意に用いることができる。その例を挙げると、イオウ含有酸性化合物及びその誘導体、リン含有酸性化合物及びその誘導体等が挙げられる。尚、触媒失活剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
触媒失活剤の使用量は、特に限定されないが、前記のエステル交換触媒に対して、通常0.5当量以上、好ましくは1当量以上、より好ましくは3当量以上であり、また、通常50当量以下、好ましくは10当量以下、より好ましくは8当量以下である。また、触媒失活剤の使用量は、ポリカーボネート樹脂に対して、通常1ppm以上、100ppm以下で、好ましくは50ppm以下である。
[無機系抗菌剤(B)]
次に、本発明で用いる無機系抗菌剤(B)について説明する。
本発明で用いる無機系抗菌剤(B)は、銀イオン、亜鉛イオン及び銅イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含む無機化合物であり、例えば、これらの金属イオンを含むリン酸塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
無機系抗菌剤(B)としては、例えば無機銀化合物、多孔性構造を持った無機物に銀イオン、銅イオン及び亜鉛イオンを担持させたもの、多孔性構造を持った無機物に銀イオン、銅イオン及び亜鉛イオンをイオン交換させたもの等を挙げることができる。
無機系抗菌剤(B)の無機担体は、イオン交換反応により前記金属イオンを担持できるものであればよい。具体的には、ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸塩ガラス、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、粘土鉱物、セラミック(アルミナ、マグネシア等)が例示できる。粘土鉱物としてはカオリン、モンモリロナイト、タルクが例示できる。
無機系抗菌剤(B)としては、結晶性アルミノケイ酸銀、銀ゼオライト、銅ゼオライト、亜鉛ゼオライト、リン酸ジルコニウム・酸化銀、リン酸ジルコニウム・酸化銀・酸化亜鉛、リン酸チタン・酸化亜鉛及び酸化チタンのゲル混合物、リン酸チタン銀担持ゲルと酸化亜鉛の混合物、銀担持二酸化珪素、酸化銀、塩化銀、銀、酸化亜鉛、銅化合物、トリリン酸アンモニウム、銀リン酸ナトリウム、リン酸系・硝子、銀リン酸塩セラミックス、銀ハイドロキシアパタイト、亜鉛(2−ピリジンチオール−ジンク−1−オキシド)、ビス(1−ヒドロキシ−2(1)ピリジオチオネート(0、S)−T−4)亜鉛などが例示できる。
これらの無機系抗菌剤(B)は、市販品を用いることもできる。
ゼオライト系の銀系抗菌剤の例としては、シナネンゼオミック社製「ゼオミック」、鐘紡(株)製「バクテキラー」、SCIESSENT社製「AGION ANTIMICROBIAL」等が挙げられる。
ガラス系の銀系抗菌剤の例としては、石塚硝子(株)製「イオンピュア」、興亜硝子(株)製「バイオコンポジットガラスパウダー」等が挙げられる。
リン酸ジルコニウム・銀系抗菌剤の例としては、東亞合成社製「ノバロン(登録商標)」が挙げられる。
リン酸カルシウム・銀系抗菌剤の例としては、サンギ社製「アパサイダーA(登録商標)」が挙げられる。
リン酸カルシウム系・銀系抗菌剤の例としては、(株)サンギ製「アパサイダーA」、太平化学産業(株)製「シルバーエース」、ラサ工業(株)製「ラサップAN」等が挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の無機系抗菌剤(B)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して0.05質量部以上、好ましくは0.10質量部以上であり、より好ましくは0.15質量部以上、さらに好ましくは0.20質量部以上、特に好ましくは0.25質量部以上である。無機系抗菌剤(B)の含有量が0.05質量部未満の場合、抗菌性が十分に発揮されないため好ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の無機系抗菌剤(B)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して5.0質量部以下、好ましくは4.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下、特に好ましくは1.0質量部以下である。無機系抗菌剤(B)の含有量が5.0質量部より多い場合、ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が損なわれ、得られる成形品の外観不良が発生しやすくなるため好ましくない。
[抗菌性の評価]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の抗菌性を評価する手法としては、JIS Z2801:2012(抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果)が挙げられる。この方法で測定される抗菌活性値が2以上であれば、抗菌効果があると評価することができる。
[その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じてポリカーボネート樹脂(A)及び無機系抗菌剤(B)以外にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂(A)以外のポリカーボネート樹脂やポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤等が挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤(HALS)、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、無機系抗菌剤(B)以外の抗菌剤、染料、顔料等が挙げられる。尚、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
尚、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、ポリカーボネート樹脂(A)及び無機系抗菌剤(B)に、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
なお、各種の添加剤は、ポリカーボネート樹脂(A)を製造時に、重合終了後の溶融樹脂に直接添加して混練してもよい。このように添加する際には、重合終了後、溶融樹脂を押出機に直接導入し、添加剤を配合し、溶融混練しペレット化する方法が好ましい。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
[ポリカーボネート樹脂組成物の鉛筆硬度]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ISO 15184に準拠した方法で測定される鉛筆硬度が好ましくはH以上であるような高硬度特性を有するものであり、この鉛筆硬度はより好ましくは2H以上である。
なお、ポリカーボネート樹脂組成物の鉛筆硬度は、ポリカーボネート樹脂組成物よりなる成形品について後述の実施例の項に記載の方法で測定される。
[ポリカーボネート樹脂成形品]
本発明の成形品は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られるものである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物からポリカーボネート樹脂成形品を製造するには、通常の押出成形機又は射出成形機が使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形する際の成形温度は、200℃以上が好ましく、250℃以上がさらに好ましく、280℃以上が最も好ましい。また、350℃以下が好ましく、320℃以下が特に好ましい。成形温度が低すぎると、溶融粘度が高くなり、流動性が低下し、成形性が低下する可能性がある。成形温度が高すぎるとポリカーボネート樹脂組成物が着色してしまい、得られる成形品の色調も悪化する場合があり、好ましくない。
射出成形あるいは押出成形を行うにあたり、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に顔料、染料、離型剤、熱安定剤等を本発明の目的を損なわない範囲において適宜添加することができる。
<射出成形品>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から射出成形品を製造するには、通常の射出成形機が使用される。
射出成形機等を使用する場合の金型温度は、150℃以下が好ましく、120℃以下がさらに好ましく、100℃以下が最も好ましい。また、30℃以上が好ましく、50℃以上が特に好ましい。金型温度が高すぎると、成形時の冷却時間を長くする必要があり、成形品の製造サイクルが長くなり、生産性が低下する場合がある。金型温度が低すぎると、ポリカーボネート樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎ、均一な成形品を得ることができない可能性があり、成形品表面にムラができるなどの問題が生じ、好ましくない。
<押出成形品>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物から押出成形品を製造するには、通常の押出成形機が使用される。該押出成形機には一般的には、Tダイや丸ダイ等が装着されており、種々形状の押出成形品を得ることができる。押出成形品としてはシート、フィルム、板、チューブ、パイプ等が挙げられる。これらのなかでも、シート又はフィルムが好ましい。また、多層構造のシート又はフィルムの片面の最外層に、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の層が形成されるように押出成形品を製造してもよい。
<用途>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の成形品は、建築物、車両、電気・電子機器、機械、その他の各種分野で使用できる。特に、その優れた抗菌性、表面硬度及び熱安定性から、ノートパソコン、携帯電話などのモバイル機器の筐体やディスプレイ、自動車内装材やディスプレイ、医療機器、飛沫防止用シートなどの用途として幅広く利用することができる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で得られたポリカーボネート樹脂の物性は、下記の方法により評価した。
(1)粘度平均分子量(Mv)
ポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解し(濃度6.0g/L)、ウベローデ粘度管(森友理化工業社製)を用いて、20℃における固有粘度(極限粘度)[η](単位dL/g)を求め、Schnellの粘度式(下記式)から粘度平均分子量(Mv)を算出した。
η=1.23×10−4Mv0.83
(2)末端水酸基量
ポリカーボネート樹脂の末端水酸基量は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)に準じて、比色定量を行うことにより測定した。
なお、複数のジヒドロキシ化合物からなる共重合ポリカーボネート樹脂においては、対応するジヒドロキシ化合物を共重合比率に応じて混合したサンプルを最低3水準の濃度で用意し、該3点以上のデータから検量線を引いた上でポリカーボネート樹脂の末端水酸基量を測定した。検出波長は546nmとした。
(3)鉛筆硬度
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを熱風乾燥機を用いて100℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所製のJ75EII型射出成形機を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度70℃、成形サイクル40秒の条件で射出成形し、厚み3mm、縦60mm、横60mmのポリカーボネート樹脂組成物のプレート状成形体を得、試験片とした。該試験片について、ISO 15184に準拠し、鉛筆硬度試験機(東洋精機株式会社製)を用いて、荷重750gで鉛筆硬度を測定した。
(4)滞留成形におけるシルバー発生枚数
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを熱風乾燥機を用いて100℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所製のJ75EII型射出成形機を用いて、シリンダー温度290℃、金型温度70℃、成形サイクル600秒の条件で射出成形し、厚み3mm、縦60mm、横60mmのポリカーボネート樹脂組成物のプレート状成形体を50枚得た。50枚のプレートを目視観察し、シルバーストリークと呼ばれるすじ状の外観不良が確認されたプレートの枚数を調べた。この枚数が少ないほど熱安定性に優れ、外観が良好であることを示す。
(5)抗菌活性値
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを熱風乾燥機を用いて100℃で5時間乾燥させた後、アズワン製の小型熱プレス機AH−2003を用いて、プレス温度200〜250℃にて、厚み1mmのプレスシートを得た。そのプレスシートを50mm角シートとなるようにはさみで裁断し、抗菌加工試験片とした。
別に、無機系抗菌剤(B)を添加していないポリカーボネート樹脂(A)のみのペレットを用いて、上記と同様に乾燥後、プレスシートとし、同様に50mm角シートとなるようにはさみで裁断して無加工試験片とした。
抗菌加工試験片とそれぞれの抗菌加工試験片のポリカーボネート樹脂(A)を用いた無加工試験片を用いて、JIS Z2801:2012(抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果)に準拠して、黄色ブドウ球菌(NBRC12732)及び大腸菌(NBRC3972)の抗菌活性値(R)を下記式より算出した。
R=U−A
U:24時間後の無加工試験片の生菌数の対数値
A:24時間後の抗菌加工試験片の生菌数の対数値
[芳香族ポリカーボネート樹脂の製造]
図1に示す工程を経てポリカーボネート樹脂(A)(芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)〜(A−5)、(a−1)〜(a−2))を製造した。
図1中、1はDPC(ジフェニルカーボネート)の貯槽、2は撹拌翼、3は芳香族ジヒドロキシ化合物ホッパー、4a,4bは原料混合槽、5はDPC流量制御弁、6は芳香族ジヒドロキシ化合物の流量制御弁、7はポンプ、8は触媒流量制御弁、10はポンプ、11は触媒貯槽、12は副生物排出菅、13a,13b,13cは竪型重合槽、14は撹拌翼、15は横型重合槽、16は撹拌翼である。
窒素ガス雰囲気下、140℃に調整されたDPC融液をDPC貯槽(1)から、また2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下、BPCという)及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、BPAという)を、芳香族ジヒドロキシ化合物ホッパー(3)から、後述の表1に記載のモル比割合(DPC/BPX(BPXはBPCとBPAの合計))で、窒素雰囲気下、140℃に調整された原料混合槽(4a)にそれぞれ連続的に供給し、続いて原料混合液を原料混合槽(4b)に、さらにポンプ(7)を介して、第1竪型重合槽(13a)に連続的に供給した。一方、上記混合物の供給開始と同時に、触媒として2質量%炭酸セシウム水溶液を、触媒導入菅を介して、BPX1molに対し、3.5μmolとなる量連続供給した。
第1竪型重合槽(13a)は、温度215℃、圧力11kPaになるように液面レベルを一定に保ち、想定より排出された重合液は、引き続き第2、第3の竪型重合槽(13b),(13c)及び第4の横型重合槽(15)に逐次連続供給された。なお、第2重合槽(13b)は温度250℃、圧力3kPa、第3重合槽(13c)は温度268℃、圧力100Pa、第4重合槽(15)は温度280℃、圧力50〜200Pa(目標分子量見合いで適宜制御)の反応条件で反応させた。反応中、副生したフェノールは、副生物排出菅(12)より除去した。
さらに、第4重合槽底部のポリマー排出口から抜き出された芳香族ポリカーボネート樹脂は、溶融状態のまま、3段ベント口を具備した二軸押出機に導入し、p−トルエンスルホンブチルを、触媒の理論中和量に対し、4倍モル量となるように添加し、脱揮した後、ペレット化した。
下記表1にDPC/BPXモル比と、得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(A1)〜(A5),(a−1)〜(a−2)の粘度平均分子量と末端水酸基量を示す。
Figure 2021191831
[無機系抗菌剤(B)]
無機系抗菌剤(B)としては、以下の無機抗菌剤(B−1)〜(B−3)を用いた。
無機抗菌剤(B−1):シナネンゼオミック社製 KM10D(ゼオライト系銀系抗菌剤)
無機抗菌剤(B−2):石塚硝子社製 イオンピュアIPI(ガラス系銀系抗菌剤)
無機抗菌剤(B−3):石塚硝子社製 イオンピュアWZ(ガラス系亜鉛系抗菌剤)
[実施例1〜12、比較例1〜8]
上述した各成分を、以下の表2,3に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、二軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30α」)を用いて、シリンダー温度280℃で溶融混練し、ストランドカットによりポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。これらのペレットを用いて各評価を行い、表2,3に示す結果を得た。
Figure 2021191831
Figure 2021191831
以上の結果から、次のことが分かる。
構造単位(1)を含んでいても、末端水酸基量が本発明の規定を満たさない芳香族ポリカーボネート樹脂(a−1),(a−2)を用いた比較例1〜7は、無機系抗菌剤(B)の量にほとんど依存せずに、シルバーストリークが大量に発生している。
これに対して、構造単位(1)を含み末端水酸基量が本発明の規定範囲である芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)〜(A−5)を用いた実施例1〜12は熱安定性に優れ、シルバーストリークの発生が抑えられており、シルバーストリークの抑制で外観にも優れる。
比較例8は、無機系抗菌剤(B)の配合量が多過ぎるために、シルバーストリークが大量に発生している。
以上より、本発明のポリカーボネート樹脂組成物である実施例1〜12のポリカーボネート樹脂組成物は、比較例1〜8のポリカーボネート樹脂組成物に比べて、外観不良が少なく、優れたものであることが分かる。
しかも、実施例1〜12のポリカーボネート樹脂組成物は、同一の無機系抗菌剤(B)を同量配合した比較例のポリカーボネート樹脂組成物と同等の抗菌活性値を示すことから、無機系抗菌剤(B)の抗菌活性を損なうことなく、無機系抗菌剤(B)本来の優れた抗菌性を示すものであることが分かる。
なお、実施例1,2と実施例3との対比から、熱安定性、外観の観点から、無機系抗菌剤(B)の配合量は、本発明の規定範囲内で少ない方が好ましいことが分かる。
また、粘度平均分子量が14300の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−5)を用いた実施例11,12と他の実施例との対比から、ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は15000以上であることが好ましいことが分かる。
1 DPC貯槽
2 撹拌翼
3 芳香族ポリカーボネート樹脂ホッパー
4a,4b 原料混合槽
5 DPC流量制御弁
6 芳香族ポリカーボネート樹脂流量制御弁
7 ポンプ
8 触媒流量制御弁
10 ポンプ
11 触媒貯槽
12 副生物排出菅
13a,13b,13c 竪型重合槽
14 撹拌翼
15 横型重合槽
16 撹拌翼

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含み、末端水酸基量が150〜1500ppmであるポリカーボネート樹脂(A)と、銀イオン、亜鉛イオン、及び銅イオンからなる群より選ばれる1種以上の金属イオンを含有する無機系抗菌剤(B)とを含むポリカーボネート樹脂組成物であって、該ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対する該無機系抗菌剤(B)の含有量が、0.05〜5.0質量部であるポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2021191831
    (一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、Xは、直接結合、又は下記式(1A)若しくは(1B)で表される基を示す。)
    Figure 2021191831
    (式(1A)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。式(1B)中、Zは式(1B)中の炭素原子(C)と結合して置換基を有していてもよい炭素数6〜12の脂環式炭化水素基を形成する基を示す。)
  2. 前記ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が15000以上、30000以下である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂(A)中の、全ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位に対する、前記一般式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の割合が10モル%以上である請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 前記無機系抗菌剤(B)が、ゼオライト系抗菌剤及び/又はガラス系抗菌剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる成形品。
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