JPH11160662A - 電気光学デバイスの作製方法 - Google Patents

電気光学デバイスの作製方法

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JPH11160662A
JPH11160662A JP32991297A JP32991297A JPH11160662A JP H11160662 A JPH11160662 A JP H11160662A JP 32991297 A JP32991297 A JP 32991297A JP 32991297 A JP32991297 A JP 32991297A JP H11160662 A JPH11160662 A JP H11160662A
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electro
aluminum nitride
sputtering
film
target
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Mitsuhiro Iwata
充浩 岩田
Ryoji Namikata
量二 南方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた電気光学特性と高い光透過率を有しか
つ駆動電圧が低くて大面積の電気光学デバイスの製造を
可能にして提供する。 【解決手段】 電気光学デバイスの作製方法は、透明基
板1上に第1透明導電膜2、窒化アルミニウム膜3、お
よび第2透明導電膜4を順次堆積する工程を含み、窒化
アルミニウム膜3の形成工程において、ターゲット電圧
とターゲット電流が互いに独立に制御され得るスパッタ
法を用い、ターゲットとしてアルミニウムを使用し、ス
パッタガスとしてアルゴンと窒素の混合ガスを用いるこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光スイッチン
グ、光画像処理、光コンピューティングなどに用いられ
得る電気光学デバイスの作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気光学デバイスの最大の特徴は、その
動作速度が速いことである。したがって、この効果を利
用して、高速で広帯域の光スイッチや光変調器などの開
発が進められている。このような電気光学デバイス用の
材料としては、電気光学効果の大きなLiNbO3 が、
従来から典型的に用いられている。
【0003】ところで、窒化アルミニウム膜は、圧電
性、絶縁性、熱伝導性などの特性に優れていることか
ら、絶縁層やSAW(表面弾性波)デバイスなどへの応
用が考えられている。
【0004】窒化アルミニウム膜の形成方法については
多くの報告があり、たとえばRF(高周波)スパッタ
(特開昭62−214167、またはJpn. J. Appl. Ph
ys., Vol.31, 1992, pp. 3446-3451参照)、DC(直
流)マグネトロン・スパッタ(J.Vac. Sci. Technol.,
A7 (3), 1989, pp. 2252-2255 参照)、イオンビー
ム・スパッタ(特開平4−198470参照)、デュア
ル・イオンビーム・スパッタ(J. Appl. Phys., 58
(1), 1985, pp. 550-563 参照)、プラズマCVD
(化学気相析出)(特開平3−47971参照)などが
報告されている。
【0005】ここで、種々のスパッタ方法の特性を比較
すれば、以下の(1)〜(4)のようにまとめることが
できる。
【0006】(1) 2極スパッタ(DCまたはRF) 2極スパッタでは放電インピーダンスが高いために高い
放電電圧が必要となり、DCを用いる場合には高ガス圧
が必要でしかもチャージアップの理由で絶縁物のスパッ
タには使用できないので、現在ではDC2極スパッタは
ほとんど用いられていない。一方、RFを用いる場合に
は、DCの場合に比べて低ガス圧でも放電が可能であ
り、またターゲットが絶縁物でも放電が可能なことか
ら、RF2極スパッタは広く使用されている。しかし、
2極スパッタではターゲットへの入力の制御がパワー制
御で行なわれるので、スパッタ粒子のエネルギを決定す
るターゲット電圧を自由に選択することができず、ま
た、一般に数kV程度の高いターゲット電圧を必要とす
る。
【0007】(2) 2極マグネトロン・スパッタ(D
CまたはRF) これは、上述の2極スパッタに磁場を付加することによ
って放電インピーダンスを低下させた方式であり、スパ
ッタ効率も改善されることから、DCとRFのいずれに
ついても広く使用されている。RF2極マグネトロン・
スパッタにおいては、ターゲットへの入力の制御はパワ
ー制御で行なわれるので、通常の2極スパッタの場合と
同じ理由で、スパッタ粒子のエネルギを自由に制御する
ことができない。一方、DC2極マグネトロン・スパッ
タにおいては、その放電特性に基づいてターゲットへの
入力の制御は一般にパワー制御もしくは定電流制御で行
なわれるので、RFの場合と同様に、スパッタ粒子のエ
ネルギを自由に制御することができない。もし、スパッ
タ粒子のエネルギを制御するために無理に定電圧制御を
行なおうとすれば、ターゲットへの入力パワーの制御が
困難となり、成膜速度の不安定を生じたり、最悪の場合
にはターゲットの溶融を生じる。
【0008】(3) 3極スパッタもしくは4極スパッ
タ(DCまたはRF) 3極スパッタもしくは4極スパッタにおいては、ターゲ
ットとは別個の放電用の電極が設けられている。ターゲ
ット電流を決める放電密度はこの放電用電極で制御さ
れ、他方、ターゲットに入射するスパッタ粒子のエネル
ギはターゲットに印加される電圧で個別に制御される。
DCとRFのいずれを用いることも可能であるが、RF
を用いる場合にはターゲットへの入力の制御がパワー制
御で行なわれるので、この3極スパッタもしくは4極ス
パッタの特徴を発揮することができない。なお、3極ス
パッタよりも4極スパッタの方が低ガス圧まで放電が安
定であるが、逆に構造が複雑となる。また、ターゲット
電圧とターゲット電流を互いに独立に制御できる点にお
いては、3極スパッタも4極スパッタも同様である。
【0009】(4) イオンビーム・スパッタ イオンビーム・スパッタにおいては、ターゲットがセッ
トされている反応室とは別の真空室(イオンガン)で放
電によりイオンを形成する。そして、ターゲットのセッ
トされた反応室とイオンガンとの境界にあるメッシュ状
の引出電極によって電圧を印加してイオンを加速し、そ
の加速イオンをターゲットに衝突させる。したがって、
ターゲットに入射するスパッタ粒子のエネルギは、引出
電極に印加される電圧で制御することができる。ターゲ
ット電流は、引出電極の電圧を変えれば変化するが、イ
オンガン中の放電密度を制御することによって一定に保
つことができる。しかし、イオンビーム・スパッタ装置
は一般に構造が複雑で、高い放電密度を得ることが困難
である。
【0010】ところで、SAWデバイスを目的とした窒
化アルミニウム膜の形成方法においては、SAWデバイ
スに必要な圧電特性を有する窒化アルミニウム膜を得る
ために、その膜の成長のための基板としては単結晶Si
基板や単結晶サファイア基板が用いられることが多い。
また、光磁気ディスクではプラスチック基板上で窒化ア
ルミニウム膜が透明な絶縁層として使用されているが、
その膜厚は非常に薄くて、主として屈折率の制御を目的
として成膜されているものである。
【0011】他方、窒化アルミニウム膜を用いて2次高
調波を測定した例(SPIE, Vol. 2397, 1995, pp. 304-3
10参照)も報告されているが、窒化アルミニウム膜を用
いた電気光学デバイスについての報告例は見当たらな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図1は、電気光学デバ
イスの一例における積層構造を模式的な断面図で示して
いる。この電気光学デバイスにおいては、透明基板1上
に、第1の透明導電膜2、電気光学効果膜3、および第
2の透明導電膜4が順次積層されている。
【0013】図1に示されているような光透過型の電気
光学デバイスにおいては、光が基板1に対して垂直な方
向に透過し、信号電界も第1と第2の透明導電膜2と4
の間で基板1に対して垂直な方向に印加される。したが
って、光透過型の電気光学デバイスを作製する場合に
は、透明基板1上に形成された第1透明導電膜2上に、
優れた電気光学特性を有しかつ良好な光透過率を有する
電気光学効果膜3を形成する必要がある。
【0014】このような観点から、本発明は、透明導電
膜上に優れた電気光学特性と高い光透過率を有する電気
光学効果膜を作製する方法を提供することによって、優
れた電気光学特性と高い光透過率を有しかつ駆動電圧が
低い大面積の電気光学デバイスを提供することを目的と
している。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による電気光学デ
バイスの作製方法は、透明基板上に第1の透明導電膜を
形成する工程と、第1透明導電膜上に窒化アルミニウム
膜を形成する工程と、窒化アルミニウム膜上に第2の透
明導電膜を形成する工程を含み、窒化アルミニウム膜の
形成工程において、ターゲット電圧とターゲット電流が
互いに独立に制御され得るスパッタ法を用い、ターゲッ
トとしてアルミニウムを使用し、スパッタガスとしてア
ルゴンと窒素の混合ガスを使用することを主要な特徴と
している。
【0016】なお、ターゲット電圧は、−200Vから
−500Vの範囲内にあることが好ましい。
【0017】また、スパッタガス中の窒素ガス分率は、
5〜65%の範囲内にあることが好ましい。
【0018】さらに、第1透明導電膜は、錫がドープさ
れた酸化インジウム(ITO)としてスパッタ法で形成
されることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】図2は、本発明による電気光学デ
バイスの作製方法において窒化アルミニウム膜の堆積の
ために好ましく用いられ得る3極スパッタ装置を模式的
なブロック図で図解している。このような3極スパッタ
装置において、まず、アルゴンと窒素の混合ガスがスパ
ッタガスとしてガス導入口8を介してスパッタ反応室内
に導入される。そして、フィラメントモジュール12に
よってフィラメント7に電流が流され、そこから熱電子
が発生させられる。アノード5には点火モジュール11
によって高電圧が印加され、熱電子がアノード5側へ引
き寄せられる。このとき、熱電子がスパッタガスに衝突
してプラズマが発生する。このプラズマは、プラズマデ
ィスチャージモジュール10によって維持される。そし
て、ターゲットモジュール9によってアルミニウムのタ
ーゲット6に負電位が印加されれば、電離したガスイオ
ンがターゲット6に衝突し、そのターゲットのスパッタ
が行なわれる。
【0020】このように、ターゲット電圧はターゲット
モジュール9によって制御することができ、これとは別
に、ターゲット電流はプラズマ量、すなわちガス圧と熱
電子量(フィラメント電流量)によって制御することが
できる。したがって、プラズマを一定に保ったままで、
窒化アルミニウム膜堆積用の基板上に入射するスパッタ
粒子の運動エネルギを制御することができる。このスパ
ッタ粒子の運動エネルギの制御により、堆積される窒化
アルミニウム膜の結晶配向の制御が可能となる。
【0021】また、反応スパッタ時にスパッタガス中の
窒素含有率を制御することによって、良好な光透過率を
有する化学量論的組成またはその近傍の窒化アルミニウ
ム膜を得ることができる。
【0022】さらにまた、窒化アルミニウム膜の結晶の
配向率が下地となる第1透明導電膜の影響を受けること
から、最適な配向率を実現できるように第1透明導電膜
の成膜方法を選択することにより、優れた電気光学特性
を有する窒化アルミニウム膜を得ることができる。
【0023】以上のようにして第1透明導電膜上に窒化
アルミニウム膜を形成することによって、優れた電気光
学特性と高い光透過性を有しかつ駆動電圧が低くて大面
積の電気光学デバイスを提供することが可能になる。
【0024】
【実施例】以下において、本発明に従って図1に示され
ているような電気光学デバイスを作製した実施例を説明
する。
【0025】まず、コーニング社製♯0211のガラス
基板1上に、第1の透明導電膜2としてITO膜が2極
スパッタ法で形成された。このときのITO膜2の堆積
条件は次のようである。
【0026】膜堆積方法:RF2極スパッタ法 ターゲット:ITO(5wt%SnO2 ) スパッタガス:アルゴン スパッタガス圧:1.3Pa RFパワー:100W 堆積時間:30分(膜厚200nm) 以上のような堆積条件の下に形成されたITO膜2上
に、3極スパッタ法にて窒化アルミニウム膜3が形成さ
れた。窒化アルミニウム膜3の堆積条件は、次のようで
ある。
【0027】膜堆積方法:DC3極スパッタ法 ターゲット:アルミニウム スパッタガス:窒素ガスまたはアルゴンと窒素の混合ガ
ス(窒素:5〜100%) スパッタガス圧:0.6Pa ターゲット電圧:−200Vから−500Vの範囲内 ターゲット電流:1.0A 基板温度:200℃ 堆積時間:120分(膜厚1μm) 上記の条件で形成された窒化アルミニウム膜3上に、第
2の透明導電膜4として、ITO膜が第1導電膜2と同
じ条件の下に形成され、これによって図1に示されてい
るような電気光学デバイスを作製した。
【0028】図3は、このようにして得られた電気光学
デバイスにおける窒化アルミニウム膜3の結晶配向率と
電気光学特性との関係を示している。すなわち、図3の
グラフにおいて、横軸は窒化アルミニウム膜3の結晶の
配向率を表わし、縦軸は電気光学特性を表わしている。
ここで、結晶配向率は、窒化アルミニウムの結晶構造が
六方晶であることから、次の式で示されているようにc
軸の配向性の程度を表わす値Hとして表わされている。
【0029】H=I(002)/ΣI(hkl) ここで、I(002)は(002)結晶面からのX線回
折ピーク強度を表わし、ΣI(hkl)はすべての結晶
面からの回折ピーク強度の総計を表わしている。また、
電気光学特性は、得られた電気光学デバイスに電圧を印
加したときの窒化アルミニウム膜3における屈折率変化
を測定することによって求められた。ただし、結晶配向
率H=1のときの電気光学特性値を1として規格化し
た。
【0030】図3のグラフから明らかなように、窒化ア
ルミニウム膜3の結晶配向率が高いほど良好な電気光学
特性が得られており、窒化アルミニウム膜3の電気光学
特性の良否はX線回折測定で求められる結晶配向率で判
断できることがわかる。
【0031】図4は、スパッタガス中の窒素分率を25
%に固定した状態でターゲット電圧を変化させて成膜し
た場合において、ターゲット電圧と窒化アルミニウム膜
の結晶配向率との関係を示している。すなわち、図4の
グラフにおいて、横軸はターゲット電圧(V)を表わ
し、縦軸は窒化アルミニウム膜3の結晶の配向率を表わ
している。
【0032】図4から明らかなように、ターゲット電圧
が−200Vから正電圧側に変化すれば窒化アルミニウ
ム膜3の結晶配向率が低下し、それに伴って光透過率も
著しく低下する。他方、ターゲット電圧が−500Vよ
りさらに負電圧側に変化すれば、窒化アルミニウム膜3
中の歪応力が著しく増大し、その膜厚が厚くなればクラ
ックが生じることもある。したがって、ターゲット電圧
の範囲としては−200Vから−500Vの範囲内が望
ましく、窒化アルミニウム膜3の結晶配向率の観点から
は−300Vから−500Vの範囲内がさらに好まし
い。
【0033】図5は、ターゲット電圧を−300Vに固
定した状態でスパッタガス中の窒素分率を変化させた場
合において、その窒素分率と窒化アルミニウム膜3の光
透過率との関係を表わしている。すなわち、図5のグラ
フにおいて、横軸はスパッタガス中の窒素分率(%)を
表わし、縦軸は窒化アルミニウム膜3の光透過率(%)
を表わしている。図5からわかるように、スパッタガス
中の窒素分率が5〜65%の範囲内にある場合に、50
%以上の好ましい光透過率を有する窒化アルミニウム膜
3が得られる。
【0034】さらに他の実施例として、コーニング社製
♯0211のガラス基板1上に第1透明導電膜2として
ITO膜がEB(電子ビーム)蒸着法で形成され、その
上に窒化アルミニウム膜3および第2透明導電膜4が上
述の実施例と同様の条件で形成された。この場合の第1
透明導電膜2の堆積条件は、次のようである。
【0035】膜堆積法:EB蒸着法 蒸着源:ITO(5wt%SnO2 ) 酸素分圧:0.04Pa 基板温度:200℃ 堆積時間:50分(膜厚200nm) なお、窒化アルミニウム膜3の形成時のターゲット電圧
は−300Vであり、スパッタガス中の窒素分率は25
%であった。この場合の窒化アルミニウム膜3の結晶配
向率は0.95であり、第1透明導電膜2をスパッタ法
で形成した場合の結晶配向率の1.0に比べて少し低下
していた。したがって、窒化アルミニウム膜3の結晶配
向率の観点からは、第1透明導電膜2としてはスパッタ
法で形成したITO膜を使用することが望ましい。
【0036】ところで、基板1の材料は上述の実施例に
限定されるものではなく、透明であれば他の基板をも用
いることができる。
【0037】第1透明導電膜2としてRFスパッタ法で
形成されるITO膜の堆積条件も上述の実施例に限定さ
れるものではない。すなわち、0.1〜3.0Paの範
囲内のスパッタガス圧の下でITO膜2を形成すること
ができる。RFパワーおよび堆積時間については、IT
O膜2の必要な厚さに応じて適宜定めることができる。
また、ITO中の錫のドープ量も上述の実施例に制限さ
れるものではなく、0〜20%の範囲内にあればよい。
【0038】窒化アルミニウム膜3をDC3極スパッタ
法で形成するときのターゲット電圧およびスパッタガス
中の窒素分率以外の条件も、上述の実施例に限定される
ものではない。すなわち、0.1〜2.0Paの範囲内
のスパッタガス圧の下で成膜を行なうことができる。基
板温度については一般に高い方が結晶配向率の向上の観
点から好ましいが、基板温度の上限は使用基板の種類や
その他の要因に左右されることが多い。ガラス基板を使
用する場合には、600℃程度が上限温度となる。一
方、基板温度の下限については膜の付着強度の理由で制
限されることが多く、十分な付着強度を得るためには1
00℃程度以上であることが望ましい。ターゲット電流
および堆積時間については必要な膜厚に応じて適宜定め
ることができる。
【0039】第2透明導電膜4は窒化アルミニウム膜3
の結晶配向率に影響を与えることはないので、ITO中
の錫のドープ量は上述の実施例に制限されるものではな
く、0〜20%の範囲内ならば十分である。また、第2
透明電極4は光透過性と導電性を備えていればよいの
で、酸化錫、酸化亜鉛等の他の透明導電膜を使用するこ
ともできる。さらに、第2透明導電膜4の形成方法につ
いても、上述の実施例のRFスパッタ法以外にEB蒸着
法、反応性スパッタ法等を使用することも可能である。
【0040】なお、図1の電気光学デバイスでは第1透
明導電膜2および第2透明導電膜4のそれぞれが単一の
膜として示されているが、実際の使用においては、第1
透明導電膜2もしくは第2透明導電膜4またはそれらの
両方の透明導電膜が用途に応じた形状に加工して使用さ
れることも考えられる。
【0041】また、窒化アルミニウム膜3の絶縁性を改
善して電気光学デバイスの信頼性を高めるために、窒化
アルミニウム膜3と第2透明導電膜4との間に無機ある
いは有機の薄い絶縁層を挿入することも可能である。さ
らに、第2透明導電膜4上に透明の保護膜もしくは保護
板を設けることにより、さらに電気光学デバイスの信頼
性を高めることもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明においては、電気光学デバイスの
電気光学効果膜として窒化アルミニウム膜を形成し、そ
の窒化アルミニウム膜の形成工程において、ターゲット
電圧とターゲット電流が互いに独立に制御され得るスパ
ッタ法を用い、ターゲットとしてアルミニウムを使用
し、スパッタガスとしてアルゴンと窒素の混合ガスを使
用することを特徴としているので、優れた電気光学特性
と高い光透過率を有しかつ駆動電圧が低くて大面積の電
気光学デバイスを容易に提供することができる。
【0043】特に、窒化アルミニウム膜を形成するとき
に−200Vから−500Vの範囲内のターゲット電圧
を用い、より好ましくは−300Vから−500Vの範
囲内のターゲット電圧を用いることにより、良好なc軸
配向率を有する窒化アルミニウム膜を得ることができ、
電気光学デバイスの特性を向上させることができる。
【0044】また、窒化アルミニウム膜を形成するとき
にスパッタガス中の窒素ガス分率を5〜65%の範囲内
に設定することにより、光透過率の高い電気光学デバイ
スを得ることができる。
【0045】さらに、窒化アルミニウム膜を堆積すると
きの下地となる第1透明導電膜として錫をドープした酸
化インジウム膜をスパッタ法で形成することにより、窒
化アルミニウム膜のc軸配向率がさらに向上し、電気光
学デバイスの特性がさらに改善されたものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気光学デバイスの一例の積層構造を模式的に
示す断面図である。
【図2】3極スパッタ装置を説明するための模式的なブ
ロック図である。
【図3】窒化アルミニウム膜の結晶の配向率と電気光学
特性の関係を示すグラフである。
【図4】スパッタ法におけるターゲット電圧と得られた
窒化アルミニウム膜の結晶配向率との関係を示すグラフ
である。
【図5】スパッタガス中の窒素分率と得られた窒化アル
ミニウム膜の光透過率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 透明基板 2 第1の透明導電膜 3 電気光学効果膜 4 第2の透明導電膜 5 アノード 6 ターゲット 7 フィラメント 8 スパッタガス導入口 9 ターゲットモジュール 10 プラズマディスチャージモジュール 11 点火モジュール 12 フィラメントモジュール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に第1の透明導電膜を形成す
    る工程と、 前記第1透明導電膜上に窒化アルミニウム膜を形成する
    工程と、 前記窒化アルミニウム膜上に第2の透明導電膜を形成す
    る工程を含み、 前記窒化アルミニウム膜の形成工程において、ターゲッ
    ト電圧とターゲット電流が互いに独立に制御され得るス
    パッタ法を用い、ターゲットとしてアルミニウムを使用
    し、そしてスパッタガスとしてアルゴンと窒素の混合ガ
    スを使用することを特徴とする電気光学デバイスの作製
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ターゲット電圧が−200Vから−
    500Vの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記
    載の電気光学デバイスの作製方法。
  3. 【請求項3】 前記スパッタガス中の窒素ガス分率が5
    〜65%の範囲内にあることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の電気光学デバイスの作製方法。
  4. 【請求項4】 前記第1透明導電膜は錫がドープされた
    酸化インジウム膜としてスパッタ法で形成されることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載の電気
    光学デバイスの作製方法。
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