JPH11158470A - 光散乱型液晶素子に用いる組成物およびそれを用いる液晶表示素子 - Google Patents

光散乱型液晶素子に用いる組成物およびそれを用いる液晶表示素子

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JPH11158470A
JPH11158470A JP32901897A JP32901897A JPH11158470A JP H11158470 A JPH11158470 A JP H11158470A JP 32901897 A JP32901897 A JP 32901897A JP 32901897 A JP32901897 A JP 32901897A JP H11158470 A JPH11158470 A JP H11158470A
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liquid crystal
voltage
light
scattering
composition
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JP32901897A
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English (en)
Inventor
Kyoko Yamamoto
恭子 山本
Koichi Fujisawa
幸一 藤沢
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光散乱型液晶表示用素子において、材質の限定
がなく、分散性が高く、電圧無印加時に強い散乱強度を
示す表示素子を提供すること、及び液晶/高分子複合膜
材質においても散乱特性の高い表示素子提供する。 【解決手段】(1)一種または二種以上の液晶化合物
と、最大粒径が0.1μm以下の一種または二種以上の
微粒子を含有することを特徴とする光散乱型液晶素子に
用いる組成物。 (2)一種または二種以上の液晶化合物と、最大粒径が
0.1μm以下の一種または二種以上の微粒子と、高分
子、または重合することにより高分子となりうる化合
物、を含有することを特徴とする光散乱型液晶素子に用
いる組成物。 (3)微粒子の粒径分布が0.01〜0.1μmの範囲
である上記(1)または(2)に記載の組成物。 (4)少なくとも一対の電極より構成される液晶表示素
子において、電極間に挟持する液晶として、上記(3)
に記載の組成物を用いるか、または、上記(3)に記載
の組成物を電極間に挟持したる後、光または熱により重
合することを特徴とする液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光散乱型液晶表示
用液晶材料、あるいは光散乱型液晶表示用素子に関す
る。更に詳しくは、電場を印加もしくは除去によって、
光散乱状態と透過状態を切り替えることが可能な光散乱
型液晶素子に用いる液晶材料、あるいは光散乱型液晶表
示用素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶は、液晶の持つ屈折率異方性によ
り、その配向のゆらぎによる光散乱を生じているため、
バルク状態では白濁して見える。ところがこの液晶を厚
さ50μm以下のガラス製等のセルに封入すると、ほと
んど透明で光散乱は非常に弱く、光散乱型表示素子とし
て用いることはできない。液晶/高分子複合膜による表
示素子は、光散乱型液晶表示素子の一つであり、電界、
磁場等の外場からの刺激により液晶分子の配列を変化さ
せて、光の透過、散乱を制御する液晶表示素子である。
光散乱型液晶表示素子には熱と電圧で液晶分子の配列を
変化させる熱書き込み方式液晶表示素子や、電圧で液晶
分子の配列を変化させる液晶/高分子複合膜による表示
素子がある。また、液晶/高分子複合膜による表示素子
は、高分子物質中に液晶分子を分散させた構造、あるい
は、液晶物質中に高分子物質を分散させた構造であり、
例えば、マイクロカプセル化したネマティック液晶を分
散させたNCAP(Nematic Curvilin
ear Aligned Phase)[SDI’’8
5 Digest第68頁(1985年)]や高分子マ
トリックス中に液晶滴を分散させたPolymer D
ispersed LCD[J.Appl.Phys.
第60巻第2142頁(1986年)]が開示されてい
る。
【0003】これらの素子は、水滴状の液晶を高分子物
質中に分散させた構造であり、電圧を印加していない状
態では水滴状のカプセル内の液晶分子配列は、液晶分子
と高分子の相互作用により不規則な配列となる。この状
態では高分子の屈折率と液晶の屈折率に差が生じている
ので入射した光は散乱する。一方、電圧を印加すると、
液晶の分子配列は液晶分子の長軸が電界の方向に揃い、
このとき液晶の屈折率(常光の屈折率no)と高分子の
屈折率がほぼ一致していれば光は透過する。
【0004】また、液晶物質中に高分子を3次元状の網
目のように巡らせた構造の液晶表示素子[Polyme
r Network LCD 第15回液晶討論会2B
12,2B13(1989年)]がある。この動作原理
は前述のような高分子の屈折率と液晶の屈折率の差に基
づく散乱・透過のスイッチングとは異なるとされてい
る。すなわち、液晶の屈折率異方性Δn(異常光の屈折
率ne、常光の屈折率no)が大きいとき、光の散乱強度
は、電圧を印加しない場合、Δnのランダム度(秩序
度)が大きいときに高く、電圧を印加した場合には、Δ
nの秩序度を大きくしたときに透過率が高くなるとされ
ている。
【0005】しかしながら、従来のこれらの液晶表示素
子においては、その散乱特性は十分でなく、そのコント
ラスト比は実用的に問題があった。また、駆動電圧も高
く問題となっていた。
【0006】そのような問題を解決するために、種々の
試みがなされている。例えば、液晶に微粒子を添加する
方法であり、液晶中に透明固体の微粒子を分散させた液
晶材料を用いた液晶電気光学装置が特開昭54-218
59号公報に開示されている。この装置では、液晶の常
光または異常光に対する屈折率が透明固体の微粒子の屈
折率と適合しており、電圧の印加によって液晶と微粒子
の屈折率適合性を制御して光の散乱と透過の切り替えを
行う。
【0007】液晶に分散させる微粒子に関して、液晶の
常光または異常光に対する屈折率が微粒子の屈折率と適
合していなくてはならず、必然的に微粒子の屈折率は液
晶材料の屈折率に依存する。従って微粒子の材質が限ら
れる。分散する微粒子の粒径が大きいと、微粒子の沈降
が生じるため、分散安定性の観点から微粒子の比重が液
晶の比重とほぼ等しくなくてはならない。このように比
重の面でも微粒子の材質が限られる。また、微粒子の粒
径が1μm程度より大きくなると、微粒子の凝集速度が
1桁程度速くなり、分散状態の安定化が難しく[「微粒
子工学-分散の基礎と応用」日本粉体工業技術協会編集
第3頁(1994年)]、粒径が小さくなると、微粒
子と液晶の屈折率の差に基づく散乱において粒子径が
0.2μm未満では長波長側の可視光が散乱されず散乱
能が不十分となり(特開平4-52622号公報)、明
るい白色が得られないとの記述がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の液
晶に微粒子を分散した場合、微粒子の屈折率と液晶の屈
折率の差に基づく散乱・透過のスイッチングによる光散
乱表示素子では、その分散安定性に問題があった。ま
た、電圧印加時の透明性を得るために、液晶と微粒子の
屈折率をほぼ等しくする必要性があるため、その微粒子
の屈折率、すなわち、微粒子の材質に制限があった。さ
らに、分散安定性の点から比重も液晶とほぼ等しくなく
てはならず、材質に制限があった。また、従来の液晶/
高分子複合膜の光散乱表示素子は散乱特性が十分でな
く、その結果、実用的なコントラスト比を得ることが困
難であった。さらに、その電気光学応答において駆動電
圧が高かった。本発明の目的は、電場を印加もしくは除
去によって、光散乱状態と透過状態を切り替えることが
可能な光散乱型液晶素子に用いる液晶材料、あるいは光
散乱型液晶表示用素子において、分散させる微粒子の材
質の限定がなく、分散性が高く、電圧無印加時に強い散
乱強度を示す表示素子を提供すること、及び液晶/高分
子複合膜材質においても散乱特性の高い表示素子提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、微粒子の粒径
が可視光領域の波長に比べて十分小さい大きさの微粒子
[以下、超微粒子と記す。詳細には、粒径が0.1〜1
μm以下のものが一般的に超微粒子と呼ばれている
{「超微粒子 その化学と機能」加藤昭夫、荒井弘通著
第1頁(1993年)}。]を液晶に分散させること
により、超微粒子の屈折率、比重などについて材質の限
定がなくなり、より分散性が高く、電圧無印加時に強い
散乱強度を示すことを見出し、また、液晶/高分子複合
膜においても上記の超微粒子を分散させた液晶を用いる
ことにより、散乱特性の高い液晶/高分子複合膜による
表示素子を得られ、同時に電気光学応答において駆動電
圧の低下した液晶/高分子複合膜を得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、以下(1)〜(7)
に関するものである。 (1)一種または二種以上の液晶化合物と、最大粒径が
0.1μm以下の一種または二種以上の微粒子を含有す
ることを特徴とする光散乱型液晶素子に用いる組成物。 (2)一種または二種以上の液晶化合物と、最大粒径が
0.1μm以下の一種または二種以上の微粒子と、高分
子を含有することを特徴とする光散乱型液晶素子に用い
る組成物。 (3)微粒子の粒径分布が0.01〜0.1μmの範囲
である上記(1)または(2)に記載の組成物。 (4)少なくとも一対の電極より構成される液晶表示素
子において、電極間に挟持する液晶として、上記(3)
に記載の組成物を用いることを特徴とする液晶表示素
子。 (5)一種または二種以上の液晶化合物と、最大粒径が
0.1μm以下の一種または二種以上の微粒子と、重合
することにより高分子となりうる化合物を含有すること
を特徴とする光散乱型液晶素子に用いる組成物。 (6)微粒子の粒径分布が0.01〜0.1μmの範囲
である上記(5)に記載の組成物。 (7)少なくとも一対の電極より構成される液晶表示素
子において、上記(6)に記載の組成物を電極間に挟持
したる後、光または熱により重合することを特徴とする
液晶表示素子。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について更に詳細
に説明する。本発明の特徴は、一対の電極間(厚さ50
μm以下)に挟まれた通常の液晶は、配列がランダムで
あっても、ほとんど光を散乱しないが、一対の電極間
に、超微粒子を分散させた液晶においては、散乱が生じ
ることを見出したことにあり、液晶に超微粒子を分散さ
せることで、電圧無印加時に散乱状態を、電圧印加時に
透過状態を実現できる。その際、微粒子の粒径が可視光
領域の波長に比べて十分小さい大きさの最大粒径が0.
1μm以下の超微粒子を用いることで、超微粒子の材質
は屈折率、比重などに制限されることなく、より分散性
が高く、電圧無印加時に強い散乱強度を示す表示素子を
提供することができることにあり、また、液晶/高分子
複合膜において、超微粒子を分散した液晶材料を用いる
ことにより、液晶材料自身の散乱効果と合わせて散乱効
率の高い液晶/高分子複合膜を提供することができるこ
とにある。液晶/高分子複合膜は、従来のものは、駆動
電圧が高い液晶/高分子複合膜であったが、本発明は、
超微粒子を分散させた液晶材料を用いることで、駆動電
圧が低下した液晶/高分子複合膜を提供できるという特
徴を有する。
【0012】本発明における超微粒子としては、ポリス
チレン、PMMA、ポリエチレン、ポリエチレンテレフ
タレートなどの有機物質やシリカや酸化チタン、チタン
酸バリウム、アルミナなどの無機物質など、可視光領域
の波長に対して吸収がなければ、その材質は特に限定さ
れない。超微粒子の状態としては、粉体、溶媒(水系ま
たは有機溶媒系)への分散状態のものでもよい。
【0013】該超微粒子の粒径は、電子顕微鏡や、BE
T法によって測定し、可視光領域の波長に比べて十分小
さい0.01〜0.1μmの範囲である。0.1μm以
上になると、超微粒子であっても、素子において透過状
態を得ようとした場合、超微粒子の屈折率などが問題と
なり、超微粒子の材質が制限させる。また、0.01μ
m以下では、十分液晶の配向を乱すことができす、十分
な散乱状態が得られない。
【0014】該超微粒子の添加濃度は、素子の光散乱性
を高める条件で制御する。液晶/高分子複合膜において
は該超微粒子は作製条件によっては液晶物質の他、高分
子樹脂中に存在してもよい。また、該超微粒子の形状
は、特に限定はなく、例えば、球状、楕円体状、塊状、
柱状、錐状、針状、またはこれらに突起を持ったもの、
穴のあいたものなどが挙げられる。
【0015】該超微粒子の表面は、特に限定はなく、平
滑、凹凸、孔や溝を有していてもよく、また、加熱処理
や表面を化学修飾、物理修飾したものでもよい。さら
に、その超微粒子の表面を、例えば、シランカップリン
グ剤などで処理したものを用いてもよい。
【0016】本発明において液晶物質としては、特に限
定はなく、通常、ネマチック液晶化合物を一種以上を含
有するネマチック液晶組成物が挙げられる。ネマチック
液晶化合物の例としては、4−アルキル−4’−シアノ
ビフェニル、4−アルキルオキシ−4’−シアノビフェ
ニル、4−アルキル−4’−シアノターフェニル、3−
フルオロ−シアノフェニル−4’−アルキルベンゾエー
ト、1−アルキル−4−(4’−トリフルオロメトキシ
フェニル)トランス−シクロヘキサン、1−アルキル−
4−(4’−シアノフェニル)トランス−シクロヘキサ
ン、3−フルオロ−4−シアノフェニル−4’−アルキ
ルベンゾエートなどが挙げられる。また、該ネマチック
液晶中には、ネマチック液晶としての機能を阻害しない
範囲で、少量の他の液晶化合物(スメクチック液晶化合
物、コレステリック液晶化合物、高分子液晶化合物な
ど)、二色性色素、安定化剤を一種以上含有してもよ
い。
【0017】本発明における液晶/高分子複合膜に用い
る高分子としては、透明であれば特に限定はなく、熱可
塑性でも熱硬化性でも光硬化性のものでもよい。光硬化
性のものとしては、例えば、アクリルモノマーとして、
2−エチルへキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグルコールジアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールアクリレートなどが、アクリルオリゴマーと
しては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリウレタンアクリレートなどが挙げられる。
【0018】また、これらを用いて重合を速やかに行う
ために、重合開始剤を用いてもよく、光重合開始剤とし
ては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェ
ニルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア11
73」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン(チバ・ガイギー社製「イルガキュア184」)、1
−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア
1116」)、ベンジルメチルケタール(チバ・ガイギ
ー社製「イルガキュア651」)、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パノン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア90
7」)、アシルホスフィンオキシド(BASF社製LU
CIRINTPO)などが挙げられる。熱重合開始剤と
しては、例えば、BPO、t−ブチルパーオキサイドな
どの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)などのラジカ発生剤、エチルアミン、n−ブチルア
ミン、ベンジルアミン、ジエチレントリアミン、テトラ
メチレンペンタミン、メンセンジアミン、ジアミノジフ
ェニルメタンなどのアミン化合物などが挙げられる。
【0019】本発明において、超微粒子の液晶、あるい
は液晶を含む重合性組成物への分散方法は、特に限定は
なく、例えば、粉体の超微粒子を扱う場合、必要に応じ
て、機械的応力にかけて分散させることもある。この混
合分散に用いる装置の具体例としては、スターラー、ホ
モジナイザー、ロール回転ミル、ボールミル、乳鉢、超
音波分散機などが挙げられる。また、あらかじめ溶媒
(水系または有機溶媒系)に分散された超微粒子は、同
様に機械的応力にかけるなどした後、脱溶媒化して用い
てもよい。
【0020】次に、素子作製方法について説明する。該
超微粒子を該ネマチック液晶と混合する。超微粒子を分
散させる際の温度は、通常、室温(約20℃)〜該ネマ
チック液晶が等方性液体である温度の範囲である。ま
た、必要に応じて、高分子または重合することにより高
分子となりうる化合物を添加する。混合の順としては特
に限定されない。次いで、該超微粒子を分散したネマチ
ック液晶組成物、あるいは該超微粒子を分散したネマチ
ック液晶組成物にさらに高分子または重合することによ
り高分子となりうる化合物を含む組成物(以下、重合性
組成物と記す)を、ITO付き基板からなる注入孔を有
するセルに、該ネマチック液晶組成物が等方性液体であ
る温度で真空封入する。あるいはITO付き基板に、該
超微粒子を分散した該ネマチック液晶組成物、または該
重合性組成物を塗布し、ITO付き基板と貼り合わせ
る。
【0021】該重合組成物の塗布方法としては、例え
ば、電着法、スピンコート、ドクターブレード、バーコ
ート、ロールコート、スクリーン印刷などが挙げられ
る。液晶/高分子複合膜の厚みは5〜30μmに形成す
る。
【0022】重合性組成物を用いて作製したセルには、
加熱、あるいは光(紫外線)を照射することにより重合
性モノマーあるいは重合性オリゴマーを硬化し、光散乱
性素子を得る。光(紫外線)を照射する温度は、室温で
も該ネマチック液晶が液晶状態である温度でも、該ネマ
チック液晶が等方性液体である温度でもよい。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。本発明はこれ
に限定されるものではない。本発明に用いた物性評価
は、以下に示す方法によって測定した。透過率-印加電
圧曲線を求めるために、液晶表示素子にHe−Neレー
ザー光を入射し、その透過光を光パワーメーター(YO
KOGAWA 3292 OPTICAL POWER
SENSOR)により測定した。素子の電気光学応答
は、交流100Hzの矩形波を印加することにより測定
した。
【0024】評価特性で使用される記号の意味及び内容
は、以下の通りである。 T(0):印加電圧0Vの時の光透過量(μW) T(50):印加電圧50Vの時の光透過量(μW) V20:T(0)を0%、T(50)を100%とした
時の光透過率が20%となる印加電圧(V) V80:T(0)を0%、T(50)を100%とした
時の光透過率が80%となる印加電圧(V) コントラスト比CR(Trans):T(50)/T
(0)を示す。
【0025】反射率-印加電圧曲線を求めるために、分
光測色計CM−2002(ミノルタ製JIS Z 87
22−1982の拡散照明/垂直受光方式)を用いて、
下にブラックマトリクスをおいて反射率を測定した。反
射率は、光トラップを用いて正反射成分を除き測定し
た。素子の電気光学応答は、交流100Hzの矩形波を
印加することにより測定した。
【0026】評価特性で使用される記号の意味及び内容
は、以下の通りである。 R550(0):印加電圧0Vの時の波長550nmに
おける反射率(%)、 R550(50):印加電圧50Vの時の波長550n
mにおける反射率(%) 反射率のコントラスト比CR(Ref)はR550
(0)/R550(50)を示す。
【0027】比較例1 液晶材料としてE7(メルク社製:シアノ系液晶組成
物)を60℃で厚さ10μmのセルに封入した。図1に
電圧無印加時(0Voff)と電圧印加時(50Vo
n)の反射スペクトルを示す(Non)。また、表1に
R550(0)、R550(50)、CR(Ref)を
示す(Non)。
【0028】実施例1 液晶材料としてE7(メルク社製:前記と同じ)に、液
晶に対して3重量%の超微粒子 TTO−55(S)
(粒径0.02〜0.05μm石原産業製:TiO2
93〜98%)を添加し、超音波分散して静置し、15
時間後その上澄み部分をとり、厚さ10μmのセルに封
入して反射率を測定した。図1に電圧無印加時(0Vo
ff)と電圧印加時(50Von)の反射スペクトルを
示す(TTO−55(S))。また、表1にR550
(0)、R550(50)、CR(Ref)を示す(T
TO−55(S))。
【0029】
【表1】
【0030】このように、超微粒子を分散させることで
比較例よりも電圧無印加時の反射率が向上しており、コ
ントラスト比が増加していることがわかる。
【0031】実施例2 液晶材料としてE7(メルク社製:前記と同じ)に、液
晶に対して3重量%の超微粒子TTO−51(C)(粒
径0.01〜0.03μm石原産業製:TiO 2 76
〜83%)を添加し、超音波分散して静置し、15時間後
その上澄み部分をとり、厚さ10μmのセルに封入して
反射率を測定した。図2に電圧無印加時(0Voff)
と電圧印加時(50Von)の反射スペクトルを示す
(TTO−51(C))。また表2にR550(0)、
R550(50)、CR(Ref)を示す(TTO−5
1(C))。
【0032】
【表2】
【0033】このように、超微粒子を分散させることで
比較例よりも電圧無印加時の反射率が向上しており、コ
ントラスト比が増加していることがわかる。
【0034】実施例3 液晶材料としてE7(メルク社製:前記と同じ)に、液
晶に対して3重量%の超微粒子 TTO−55(S)
(粒径0.03〜0.05μm石原産業製:前記と同
じ)を添加し、乳鉢で30分撹拌して静置し、15時間
後その上澄み部分をとり、厚さ10μmのセルに封入し
て反射率を測定した。図3に電圧無印加時(0Vof
f)と電圧印加時(50Von)の反射スペクトルを示
す(TTO−55(S))。また表3にR550
(0)、R550(50)、CR(Ref)を示す(T
TO−55(S))。
【0035】
【表3】
【0036】このように、超微粒子を分散させることで
比較例よりも電圧無印加時の反射率が向上しており、コ
ントラスト比が増加していることがわかる。
【0037】比較例2 液晶材料としてE7(メルク社製:前記と同じ)、モノ
マーKAYARADHX620(日本化薬製:カプロラ
クトン変性ヒドロキシビバリン酸エステルネオペンチル
グリコールジアクリレート)、光重合開始剤LUCIR
IN TPO(BASF社製:アシルフォスフィンオキ
シド)をそれぞれ80:19.6:0.4の重量%比で
60℃で撹拌した。組成物を60℃で厚さ10μmのセ
ルに真空封入し、60℃で水銀ランプを光源とする紫外
線照射器を用いて29mW/cm 2の紫外線を72.4
秒間照射して、反射率を測定した。図4に電圧無印加時
(0Voff)と電圧印加時(50Von)の反射スペ
クトルを示す(Non)。また表4にR550(0)、
R550(50)、CR(Ref)を示す(Non)。
また図5に印加電圧−反射特性を示す。
【0038】実施例4 液晶材料としてE7(メルク社製:前記と同じ)、モノ
マーKAYARADHX620(日本化薬製:前記と同
じ)、光重合開始剤LUCIRIN TPO(BASF
社製:前記と同じ)をそれぞれ80:19.6:0.4
の重量%比で60℃で撹拌した。前記組成物に対して
0.3重量%の超微粒子TTO−55(B)(粒径0.
03〜0.05μm石原産業製:TiO2 88〜94
%)添加し、60℃で超音波分散後60℃で厚さ10μ
mのセルに真空封入し、60℃で水銀ランプを光源とす
る紫外線照射器を用いて29mW/cm2の紫外線を7
2.4秒間照射して、反射率を測定した。図4に電圧無
印加時(0Voff)と電圧印加時(50Von)の反
射スペクトルを示す(TTO−55(B))。また表4
にR550(0)、R550(50)、CR(Ref)
を示す(TTO−55(B))。
【0039】
【表4】
【0040】このように、超微粒子を分散させることで
比較例よりも電圧無印加時の反射率が向上しており、コ
ントラスト比が増加していることがわかる。表5に印加
電圧-透過測定におけるT(0)、CR(Tran
s)、V20、V80を示す(TTO−55(B))。
【0041】
【表5】
【0042】このように、超微粒子を分散した方が比較
例よりも電圧無印加時の散乱強度が向上しており、コン
トラスト比が増加しており、駆動電圧も低下しているこ
とがわかる。
【0043】実施例5 液晶材料としてE7(メルク社製:前記と同じ)、モノ
マーKAYARADHX620(日本化薬製:前記と同
じ)、光重合開始剤LUCIRIN TPO(BASF
社製:前記と同じ)をそれぞれ80:19.6:0.4
の重量%比で60℃で撹拌した。前記組成物に対して
0.5重量%の超微粒子TTO−55(S)(粒径0.
03〜0.05μm石原産業製:前記と同じ)添加し、
60℃で超音波分散後60℃で厚さ10μmのセルに真
空封入し、60℃で水銀ランプを光源とする紫外線照射
器を用いて29mW/cm2の紫外線を72.4秒間照
射して、反射率を測定した。図5に電圧無印加時(0V
off)と電圧印加時(50Von)の反射スペクトル
を示す(TTO−55(S))。また表6にR550
(0)、R550(50)、CR(Ref)を示す(T
TO−55(S))。
【0044】
【表6】
【0045】このように、超微粒子を分散した方が比較
例よりも電圧無印加時の反射率が向上しており、コント
ラスト比が増加していることがわかる。また、図6に印
加電圧−反射特性を示す。図6より超微粒子を分散する
ことにより、駆動電圧が低下していることがわかる。表
7に印加電圧−透過測定におけるT(0)、CR(Tr
ans)、V20、V80を示す(TTO−55
(S))。
【0046】
【表7】
【0047】このように、超微粒子を分散した方が比較
例よりも電圧無印加時の散乱強度が向上しており、コン
トラスト比が増加しており、駆動電圧も低下しているこ
とがわかる。
【0048】実施例6 液晶材料としてE7(メルク社製:前記と同じ)、モノ
マーKAYARADHX620(日本化薬製:前記と同
じ)、光重合開始剤LUCIRIN TPO(BASF
社製:前記と同じ)をそれぞれ80:19.6:0.4
の重量%比で60℃で撹拌した。前記組成物に対して
0.5重量%の超微粒子TTO−51(C)(粒径0.
01〜0.03μm石原産業製:前記と同じ)添加し、
60℃で超音波分散後60℃で厚さ10μmのセルに真
空封入し、60℃で水銀ランプを光源とする紫外線照射
器を用いて29mW/cm2の紫外線を72.4秒間照
射して、反射率を測定した。図7に電圧無印加時(0V
off)と電圧印加時(50Von)の反射スペクトル
を示す(TTO−51(C))。また表8にR550
(0)、R550(50)、CR(Ref)を示す(T
TO−51(C))。
【0049】
【表8】
【0050】このように、超微粒子を分散した方が比較
例よりも電圧無印加時の反射率が向上しており、コント
ラスト比が増加していることがわかる。また図8に印加
電圧-反射特性を示す。図8より超微粒子を分散するこ
とにより、駆動電圧が低下していることがわかる。表9
に印加電圧−透過測定におけるT(0)、CR(Tra
ns)、V20、V80を示す(TTO−51
(C))。
【0051】
【表9】
【0052】このように、超微粒子を分散した方が比較
例よりも電圧無印加時の散乱強度が向上しており、コン
トラスト比が増加しており、駆動電圧も低下しているこ
とがわかる。
【0053】
【発明の効果】本発明の液晶材料、それを用いた液晶表
示素子、それを用いた液晶/高分子複合膜による液晶表
示素子は、以下に示される効果を示す。 (1)本発明の液晶材料は、電圧印加時に高透過率を示
し、電圧無印加時の光散乱強度が強いため低透過率ある
いは高反射率を示すので、透過型、反射型において高コ
ントラスト比が得られる。 (2)液晶に添加する超微粒子の材質に屈折率、比重な
どの制限がないため、より液晶に対する分散性が良く、
より高散乱性に効果的な超微粒子を選択することができ
る。 (3)液晶/高分子複合膜において、電圧印加時に高透
過率を示し、電圧無印加時の光散乱強度が強いため低透
過率あるいは高反射率を示すので、透過型、反射型にお
いて高コントラスト比が得られる。 (4)液晶/高分子複合膜において、駆動電圧が低下し
た液晶表示素子を提供することができる。以上の効果を
示すことから、本発明の材料あるいは素子は、透過型、
または反射型の液晶表示装置、光変調器、光シャッタ
ー、調光シートなどに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧無印加時と印加時の反射スペクトル[超微
粒子TTO−55(S)添加及び無添加)+液晶(E
7)]/超音波分散後
【図2】電圧無印加時と印加時の反射スペクトル[超微
粒子TTO−51(C)添加及び無添加)]/超音波分
散後
【図3】電圧無印加時と印加時の反射スペクトル[超微
粒子TTO−55(S)添加及び無添加)+液晶(E
7)]/乳鉢攪拌後
【図4】電圧無印加時と印加時の反射スペクトル[超微
粒子TTO−55(B)添加及び無添加)+液晶/高分
子複合膜]/超音波分散後
【図5】電圧無印加時と印加時の反射スペクトル[超微
粒子TTO−55(S)添加及び無添加)+液晶/高分
子複合膜]/超音波分散後
【図6】印加電圧−反射特性[超微粒子TTO−55
(S)添加及び無添加)+液晶/高分子複合膜]
【図7】電圧無印加時と印加時の反射スペクトル[超微
粒子TTO−51(C)添加及び無添加)+液晶/高分
子複合膜]/超音波分散後
【図8】印加電圧−反射特性[超微粒子TTO−51
(C)添加及び無添加)+液晶/高分子複合膜]

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一種または二種以上の液晶化合物と、最大
    粒径が0.1μm以下の一種または二種以上の微粒子を
    含有することを特徴とする光散乱型液晶素子に用いる組
    成物。
  2. 【請求項2】一種または二種以上の液晶化合物と、最大
    粒径が0.1μm以下の一種または二種以上の微粒子
    と、高分子を含有することを特徴とする光散乱型液晶素
    子に用いる組成物。
  3. 【請求項3】微粒子の粒径分布が0.01〜0.1μm
    の範囲である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】少なくとも一対の電極より構成される液晶
    表示素子において、電極間に挟持する液晶として、請求
    項3に記載の組成物を用いることを特徴とする液晶表示
    素子。
  5. 【請求項5】一種または二種以上の液晶化合物と、最大
    粒径が0.1μm以下の一種または二種以上の微粒子
    と、重合することにより高分子となりうる化合物を含有
    することを特徴とする光散乱型液晶素子に用いる組成
    物。
  6. 【請求項6】微粒子の粒径分布が0.01〜0.1μm
    の範囲である請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】少なくとも一対の電極より構成される液晶
    表示素子において、請求項6に記載の組成物を電極間に
    挟持したる後、光または熱により重合することを特徴と
    する液晶表示素子。
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