JP3848921B2 - 液晶表示デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、透過散乱型液晶光シャッターに工夫を加えた透過型液晶表示デバイス及びその製造方法に関するものである。
背景技術
従来、液晶表示デバイスとしてはネマチック液晶を使用したTN(Twisted Nematic)型やSTN(Super Twisted Nematic)型のものが用いられているが、これらの方式のものは偏光板の使用が必要であるため、表示が暗いという問題を有している。また、セル厚の高精度な制御が必要なため、大画面化が困難である、視野角が狭いなどの問題も有している。
近年、これらの問題を解決し、明るくコントラストの良好な大型の廉価な液晶表示デバイスを与えるものとして、高分子分散型や高分子−液晶複合系を液晶デバイスに応用する研究が行なわれるようになった。これまでに開発された高分子分散型や高分子−液晶複合系を用いた表示デバイスは、液晶成分としてネマチック液晶を用いたものがほとんどであり、それらの表示デバイスの応答速度はいずれも他の液晶表示デバイスと比較するとかなり遅く、また駆動に要する電圧も比較的高いものである。
これに対して、最近、液晶成分としてコレステリック液晶を用いる高分子−液晶複合系が研究され、なかでもPCW(Polymer Cell Wall)型液晶光シャッターは、コントラスト比、応答速度の点で従来のものよりかなりの改善がなされ、実用化となる域に達したものも発表されるに至っている(浅田忠裕、特許第3030973号)。
しかしながら、これら散乱型はカラー表示において減法混色を用いなければならず、積層セル構造等が要求される。また、表示は明るくなるが、製造に手間がかかるという問題が伴う。
本発明はこの点を改良したものであり、加法混色が利用でき、構造が複雑にならない低電圧駆動可能な高コントラスト、高速応答性を有する大面積化可能な透過型及び反射型カラー液晶表示デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
なお、現在、反射型と呼ばれているものは、一般に、背側に配置した反射板にて光を反射させ、その反射光をして三原色のカラー・フィルターを透過せしめ、三原色の混色によりカラー表示を行なっているので、カラー表示の原理は透過型と全く同じである。従って、両者は、光源光を直接用いるか、反射光を用いるかの違いがあるのみであるから、以後、本明細書においては「透過型」という表現で反射型のものも含めるものとする。
発明の開示
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明者は、カイラル・ドーパントを含有してなるカイラル・ネマチック液晶(或いは、本来的に、コレステリック液晶)中に二色性黒色色素を混入して、その液晶を透明高分子固体の薄膜で包んだ小包体の積み重なった構造体を調光層となす液晶光シャッターにおいて、液晶成分中の二色性黒色色素の濃度を特定の範囲にすることにより、低電圧駆動かつ高速応答が可能で、加法混色のカラー表示に用いることが可能になることを見出した。
すなわち、上記知見に基づく本願発明の第1の態様に係る液晶表示デバイスは、少なくとも一方が透明である2枚の導電性基板と、両基板間に介挿された調光層とを有する液晶表示デバイスであって、
a)該調光層が、透明高分子固体の薄膜により包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包の集合体から成り、
b)該カイラル・ネマチック液晶が、
b1)該液晶の0.05〜5重量%のカイラル・ドーパントと、
b2)該液晶の0.001〜20重量%の二色性黒色色素と、
を含有し、
c)該カイラル・ドーパントが、
c1)コレステリック液晶と、
c2)カイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶と、
の混合物である、
ことを特徴する。
また、本願発明の第1の態様に係る液晶表示デバイスの製造方法は、
a)コレステリック液晶と、カイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶とを混合することによりカイラル・ドーパントを作製し、
b)ネマチック液晶に、0.05〜5重量%の上記カイラル・ドーパント、及び0.001〜20重量%の二色性黒色色素を混入し、
c)少なくとも一方が透明である2枚の導電性基板の間に、1〜50重量%の重合後透明高分子固体を形成するプレポリマーと、上記カイラル・ネマチック液晶との混合物を介挿し、
d)該混合物に紫外光又はその近傍の短波長の光を照射することにより透明高分子固体の薄膜で包まれた小包状液晶の集合体を形成する、
ことを特徴する。
更に、上記知見に基づいて更に新たなデバイス構成を鋭意検討した結果、本発明者は、2枚の電極基板(導電性基板)の間に色素含有調光層と散乱調光層とを分離して設けることによっても高性能のデバイスが得られることを見出した。
すなわち、本願発明の第2の態様に係る液晶表示デバイスは、
a)少なくとも一方が透明である2枚の表面電極基板と、
b)両基板の間に介挿された色素含有調光層及び散乱調光層と、
を備え、
c)上記色素含有調光層は二色性黒色色素を混入したネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶又はコレステリック液晶から成り、
d)上記散乱調光層は透明高分子固体の薄膜により包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包の集合体から成り、該カイラル・ネマチック液晶は0.05〜5重量%のカイラル・ドーパントを含有し、該カイラル・ドーパントはコレステリック液晶とカイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶との混合物である、
ことを特徴するものである。
なお、上記第2の態様に係る液晶表示デバイスにおいては、両調光層の間に(すなわち、両表面電極基板の間に)中間電極基板を設けることができる。すなわち、この場合における液晶表示デバイスは、
a)少なくとも一方が透明である2枚の表面電極基板と、
b)両基板の間に、両基板との間にそれぞれ隙間を設けて介挿された中間電極基板と、
c)一方の表面電極基板と中間電極基板との間に介挿された色素含有調光層、及び他方の表面電極基板と中間電極基板との間に介挿された散乱調光層と、
を備え、
d)上記色素含有調光層は二色性黒色色素を混入したネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶又はコレステリック液晶から成り、
e)上記散乱調光層は透明高分子固体の薄膜により包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包の集合体から成り、該カイラル・ネマチック液晶は0.05〜5重量%のカイラル・ドーパントを含有し、該カイラル・ドーパントはコレステリック液晶とカイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶との混合物である、
ことを特徴する。
また、本願発明の第2の態様に係る液晶表示デバイスの製造方法は、
a)コレステリック液晶とカイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶とを混合することによりカイラル・ドーパントを作製し、
b)ネマチック液晶に0.05〜5重量%の上記カイラル・ドーパントを混入したカイラル・ネマチック液晶を作製し、
c)1枚の表面電極基板上に、1〜50重量%の重合後透明高分子固体を形成するプレポリマーと上記カイラル・ネマチック液晶との混合物を載置した後、該混合物に紫外光又はその近傍の短波長の光を照射することにより透明高分子固体の薄膜で包まれた小包状液晶の集合体から成る散乱調光層を形成し、
d)該散乱調光層の上に二色性黒色色素を混入したネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶又はコレステリック液晶から成る色素含有調光層を形成する、
工程を含むことを特徴する。
〔本願発明の第1の態様の実施形態〕
本願発明の第1の態様における調光層の基本的構造は特許第3030973号公報(特に[0009]〜[0021])に記載されている通りであり、透明高分子固体の薄膜で包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包が多数存在し、各小包内では液晶が多数のドメインと呼ばれる領域に分かれている(ポリドメイン構造)。カイラル・ネマチック液晶は、各液晶分子の配向方向がらせん状に回転しているものであり、第1図(a)、(b)に示すように、各ドメイン内ではそのらせん軸は同一の方向を向いている。本願発明の第1の態様では、その各小包内のカイラル・ネマチック液晶に0.001〜20重量%の二色性黒色色素を含有させたものである。
調光層の液晶内に分散している二色性黒色色素は、分子の形状が棒状で細長く、ネマチック液晶性分子に似た化学構造を有するため、液晶に混入した場合、液晶に倣った動作をする。従って、電圧非印加時には第1図(a)、(b)に示すように、各ドメイン毎にその長軸をランダムな方向に向けて空間に分布した状態になるので、光を吸収し、透過させない。一方、この調光層に電圧を印加すると、第2図(a)、(b)に示すように細長い液晶分子が基板に垂直に配向(ホメオトロピック配列)するので、色素分子も同様に配向し、色素分子の黒色は発現しない。これによって、偏光板不要で、透過型加法混色のカラー表示も可能となる。
液晶組成及びポリマー濃度は、例えば、特許第3030973号公報に示されているものも利用できる。PCW型液晶光シャッターとして良好な結果を与えたものを用いてもよい(例えば、T.Asada,Mol.Crys.Liq.Crys.,Vol.282(1996),pp.355−363)。少量の黒色色素の混入によって、それら組成の最適値はほとんど変化しないからである。
一方、色素濃度は光シャッター特性に大きく関係する。色素濃度が大きすぎると、応答速度を低下させ、また、駆動電圧を上昇させる。更に、コントラスト比を低下せしめる。逆に、色素濃度が小さすぎると、応答速度を速め、駆動電圧は小さくなるが、光遮蔽能力が低下し、コントラスト比を低下させる。従って、応答速度を低下させず、駆動電圧を上昇させず、コントラスト比が大きくなる最適の物質と最適な濃度を選択しなければならない。
以上の条件を満たすものとして、本発明者は調光層の液晶成分中の二色性黒色色素の濃度を0.001〜20重量%、更に好ましくは0.1〜15重量%とすることにより、3〜15Vという比較的低電圧において駆動し、立上り時間(τ)が2〜10ms、立下り時間(τ)が6〜15ms、最大コントラスト比(T100/T、ここに、T100:電圧印加時最大透過率(%)、T:最小透過率、即ち電圧非印加時の透過率(%)である。以下、同様。)約300:1以上という優れた性能を有する液晶光シャッターが得られることを見出した。
本願発明の第1の態様のデバイスにおいて使用する基板は導電層を有する透明なものであれば特に限定されるものではなく、ガラス板、透明な樹脂シート、フィルム等を用いることができる。
調光層に用いる二色性黒色色素は、多量液晶成分であるネマチック液晶によく混合する二色性色素(アントラキノン系、アゾ系等)の混合物(シアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素3色の)より成り、混合分子種の種類が少なく、ネマチック液晶分子の配向動作に伴って同様に配向動作するものが適している。さらに、高い比抵抗値を示すものが望まれる。例えば、三菱化学株式会社製Black−1、Black−2、Black−3、Black−4、Black−5、Black−6等を利用することができ、就中、全波長域において吸光度の高いBlack−4及びBlack−5、Black−6が適している。
調光層に用いる液晶成分(ネマチック液晶性、コレステリック液晶性、カイラル・スメクチックC液晶性)の材料としては、常温で充分な電界応答性を有し、且つ、互いに良好な溶解性を有し、更に、二色性黒色色素と混合した場合にこれをよく溶解し、この色素含有液晶成分がプレポリマー成分(高分子成分)と良く混合し、プレポリマー成分を光重合して固化する場合に、固化と同時に色素含有液晶相がグレイン状に析出し、同時に形成された高分子固体の薄膜で包まれることが必要である。このような条件を満たすものであれば、一般的なネマチック液晶性、コレステリック液晶性、カイラル・スメクチックC液晶性物質を用いることができ、例えば、ビフェニル系、フェニールシクロヘキサン系、シクロヘキサン系、シアノヘキシルシクロヘキサン系のもの、或いは、これらの混合物を挙げることができる。これらの中でも特に好ましいものは電界応答性に優れたシアノビフェニル系、シアノフェニルシクロヘキサン系、シアノヘキシルシクロヘキサン系のものである。
液晶成分中のカイラル・ドーパントとして用いるコレステリック液晶及びカイラル・スメクチックC相を示す液晶の種類、成分濃度は特許第3030973号公報を参考に決定すればよい。
色素含有液晶成分と共存する高分子成分としては、壁面効果を充分に発現させるために、個々の色素含有液晶グレインを高分子固体の薄膜で覆い包む構造をとる必要があり、プレポリマー或いはモノマーの形で色素含有液晶成分と充分混合した後、光(紫外光或いはその近傍の短波長の光)照射等によって、常温で重合固化されるものが望ましい。このような処理によって、コレステリック液晶のフォーカルコニック・テキスチャーをグレイン中に保持したままでポリマー化されるので、ポリドメイン構造のグレインがポリマーの薄膜で包まれた形となる。このような光(紫外光或いはその近傍の短波長の光)硬化型のプレポリマーとしては、アクリル系、メタアクリル系等のものを用いることができる。
また、高分子成分の比率が高いと薄膜の厚みが厚くなり、重量あたりの壁面としての効果面積が少なくなり、調光能が低下するので、調光層に占める高分子成分の割合は、好ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは8〜20重量%である。
その他、任意成分としてはベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の重合開始剤、連鎖移動剤、他の染料などを、前記色素含有液晶成分や高分子成分の性質或いは目的とする表示デバイスの種類、用途等によって適且混合して用いることができる。
本願発明の第1の態様による液晶光シャッターは、例えば以下のようにして製作することができる。即ち、ネマチック液晶成分の等方相状態においてカイラル・ドーパントを添加してよく混合し、更に二色性黒色色素成分を添加して良く混合した後、プレポリマー成分及び任意成分を添加して、更に攪拌混合する。この混合物をスペーサーを用いて所定の間隔に設定した2枚の透明導電性基板間に挿入し、基板を通して紫外光等の光を照射すると、プレポリマーの高分子成分が液晶グレインを包んだ薄膜状に固化し、不透明な調光層が形成される。
本願発明の第1の態様においては調光層の厚みは特に限定されるものではないが、応答性の点から、好ましくは3〜80μmであり、直視型表示デバイスに用いるには3〜20μmが好ましい。
以上のような本願発明の第1の態様により、駆動電圧3〜15Vにおいて立上り時間(τ)が2〜10ms、立下り時間(τ)が6〜15ms、最大コントラスト比(T100/T)約300:1以上という優れた性能を有する透過型カラー表示可能な液晶光シャッターが得られる。従来の高分子−液晶複合型液晶光シャッターが数10Vの駆動電圧を必要としていたのと比較して、これは相当低いものである。しかも、低電圧駆動であっても応答速度は従来のものに勝るとも劣らない。このため、本願発明の第1の態様により、実用的で高性能な透過型カラー表示デバイスを提供することができる。
〔本願発明の第2の態様の実施形態〕
本願発明の第2の態様に係るデバイスにおいて、散乱調光層の基本的構造は上記第1の態様の調光層と同様であって、透明高分子固体の薄膜で包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包が多数存在し、各小包内では液晶がポリドメイン構造を呈している。カイラル・ネマチック液晶は、各液晶分子の配向方向がらせん状に回転しているものであり、各ドメイン内ではそのらせん軸は同一の方向を向いている。電圧非印加時には第3図(a)、(b)に示すように、そのらせん軸の方向はドメイン毎に異なり、ランダムな方向を向いているため、光を散乱し、透過させない。しかし、この散乱調光層に電圧を印加すると、第4図(a)、(b)に示すように各液晶分子が電界方向、すなわち基板に垂直な方向に配向(ホメオトロピック配列)するので光は散乱されず、透過する。
一方、色素含有調光層は、ネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶又はコレステリック液晶に二色性黒色色素を混入したものである。二色性黒色色素は、分子の形状が棒状で細長く、ネマチック液晶性分子に似た化学構造を有するため、液晶に混入した場合、液晶に倣った動作をする。従って、液晶層を挟む電極基板に電圧を印加しないときは、液晶分子及び色素分子がランダムに配向しているため、色素分子が光を吸収し、透過させない。一方、電極基板に電圧を印加すると、色素分子が液晶分子に倣って電界方向、すなわち電極基板に垂直な方向に配向するため、光が色素含有調光層を透過するようになる。
このように、本発明に係る液晶表示デバイスでは、色素含有調光層、散乱調光層共に電圧を印加することにより光を透過し、電圧を印加しないことにより光を散乱又は吸収して透過させない。これによって、偏光板不要の液晶表示デバイスが実現され、これにカラーフィルタを組み合わせることにより、透過型加法混色のカラー表示も可能となる。
散乱調光層の液晶組成及びポリマー濃度は、例えば、特許第3030973号公報に示されているものも利用できる。PCW型液晶光シャッターとして良好な結果を与えたものを用いてもよい(上記T.Asada(1996))。
散乱調光層に用いる液晶成分(ネマチック液晶性、コレステリック液晶性、カイラル・スメクチックC液晶性)の材料としては、常温で充分な電界応答性を有し、且つ、互いに良好な溶解性を有し、プレポリマー成分(高分子成分)と良く混合し、プレポリマー成分を光重合して固化する場合に、固化と同時に液晶相がグレイン(小包)状に析出し、同時に形成された高分子固体の薄膜で包まれることが必要である。このような条件を満たすものであれば、一般的なネマチック液晶性、コレステリック液晶性、カイラル・スメクチックC液晶性物質を用いることができ、例えば、ビフェニル系、フェニールシクロヘキサン系、シクロヘキサン系、シアノヘキシルシクロヘキサン系のもの、或いは、これらの混合物を挙げることができる。これらの中でも特に好ましいものは電界応答性に優れたシアノビフェニル系、シアノフェニルシクロヘキサン系、シアノヘキシルシクロヘキサン系のものである。
液晶成分中のカイラル・ドーパントとして用いるコレステリック液晶及びカイラル・スメクチックC相を示す液晶の種類、成分濃度は特許第3030973号公報を参考に決定すればよい。
液晶成分と共存する高分子成分としては、壁面効果を充分に発現させるために、個々の液晶グレインを高分子固体の薄膜で覆い包む構造をとる必要があり、プレポリマー或いはモノマーの形で液晶成分と充分混合した後、光(紫外光又はその近傍の短波長の光)照射等によって、常温で重合固化されるものが望ましい。このような処理によって、コレステリック液晶のフォーカルコニック・テキスチャーをグレイン中に保持したままでポリマー化されるので、ポリドメイン構造のグレインがポリマーの薄膜で包まれた形となる。このような光(紫外光或いはその近傍の波長の光)硬化型のプレポリマーとしては、アクリル系、メタアクリル系等のものを用いることができる。
また、高分子成分の比率が高いと薄膜の厚みが厚くなり、重量あたりの壁面としての効果面積が少なくなり、調光能が低下するので、散乱調光層に占める高分子成分の割合は、好ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは8〜20重量%である。
その他、任意成分としてはベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の重合開始剤、連鎖移動剤、他の染料などを、前記色素含有液晶成分や高分子成分の性質或いは目的とする表示デバイスの種類、用途等によって適且混合して用いることができる。
一方、色素含有調光層に含有させる二色性黒色色素としては、多量液晶成分であるネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶或いはコレステリック液晶によく混合する二色性色素(アントラキノン系、アゾ系等)の混合物(シアン色素、マゼンタ色素、イエロー色素3色の)より成り、混合分子種の種類が少なく、液晶分子の配向動作に伴って同様に配向動作するものが適している。さらに、高い比抵抗値を示すものが望まれる。例えば、三菱化学株式会社製Black−1、Black−2、Black−3、Black−4、Black−5、Black−6等を利用することができ、就中、全波長域において吸光度の高いBlack−4及びBlack−5、Black−6が適している。
本願発明の第2の態様のデバイスにおいても色素濃度が光シャッター特性に影響する。従って、色素については、応答速度を低下させず、駆動電圧を上昇させず、コントラスト比が大きくなる最適の物質と最適な濃度を選択しなければならない。
以上の条件をみたすものとして、本発明者は色素含有調光層の液晶成分中の二色性黒色色素の濃度を0.001〜20重量%とすることにより、更に好ましくは0.1〜15重量%とすることにより、セル・ギャップ5μmで0.5〜4Vという比較的低電圧において駆動し、立上り時間(τ)が1〜5ms、立下り時間(τ)が2〜8ms、最大コントラスト比(T100/T)300:1以上という優れた性能を有する液晶光シャッターが得られることを見出した。
本願発明の第2の態様のデバイスにおいて使用する基板は導電層を有する透明なものであれば特に限定されるものではなく、ガラス板、透明な樹脂シート、フィルム等を用いることができる。
本願発明の第2の態様による液晶光シャッターは、例えば以下のようにして製造することができる。まず、3枚の透明導電性基板をスペーサーを用いて所定の間隔に設定する。このうち、上下の基板は表面電極基板であり、内側の面を導電面(電極)とする。中央の基板が中間電極基板であり、両面を導電面(電極)とする。次に、散乱調光層成分を調製する。すなわち、ネマチック液晶成分の等方相状態においてカイラル・ドーパントを添加してよく混合し、プレポリマー成分及び任意成分を添加して、更に攪拌混合する。この混合物を一方の表面電極基板と中間電極基板との間に挿入し、基板を通して紫外光又はその近傍の短波長の光を照射する。これにより、プレポリマーの高分子成分が液晶グレインを包んだ薄膜状に固化し、不透明な散乱調光層が形成される。次に、色素含有調光層成分を調製する。すなわち、ネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶或いはコレステリック液晶に二色性黒色色素を添加し、よく混合する。この色素含有調光層成分を、中間電極基板と他方の表面電極基板との間に挿入する。その後、各電極基板を所定の液晶駆動回路(ドライバー)に接続することにより、液晶光シャッターが完成する。
一方、中間電極基板を用いない光シャッターは次のように製造することができる。まず、1枚の透明導電性基板(表面電極基板)上に、上記散乱調光層成分をスピンコート等により載置する。これに紫外光等の光を照射することにより、高分子成分が液晶グレインを包んだ薄膜状に固化し、散乱調光層が形成される。その後、その上にスペーサー等を用いて他方の表面電極基板を設け、固化した散乱調光層と該他方の表面電極基板の間に上記色素含有調光層成分を挿入する。
本願発明の第2の態様においては、散乱調光層(その厚みI)及び色素含有調光層(その厚みI)の各調光層の厚みは特に限定されるものではないが、
L=I+I
は応答性の点から好ましくは3〜82μmであり、直視型表示デバイスに用いるには3〜30μmが好ましい。また、I及びIは、それぞれ2〜80μm及び1〜30μmが好ましい。
以上のような本願発明の第2の態様により、駆動電圧2〜15Vにおいて立上り時間(τ)が2〜10ms、立下り時間(τ)が3〜16ms、最大コントラスト比(T100/T)450:1以上という優れた性能を有する透過型カラー表示可能な液晶光シャッターが得られる。これは従来のいわゆる高分子分散型及び高分子−液晶複合型液晶光シャッターが数10Vの駆動電圧を必要としていたのに比較して相当低いものがあり、しかも、低電圧駆動であっても応答速度は従来のものに勝るとも劣らない実用的で高性能な透過型カラー表示デバイスを提供することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例において製造した各々のデバイスの電気光学特性の測定には、供給電源としてファンクション・ジェネレーター1920A(NF社製)を、また、光源には150W(100V)ハロゲンランプを用い、ハロゲンランプ用ランプハウス及び顕微鏡用白色光フィルター(更に、必要な場合はこれに赤、青、緑色光用カラーフィルターを加える)より10cmの距離に設置したサンプルに直径5mmの光束を入射し、試料を透過した後20cmの距離において直径5mmのスリットを通過した光量をフォトディテクターにより検出・評価した。最大コントラスト比(T100/T)は上述の条件において電圧印加時の最大透過率(T100)及び電圧非印加時の透過率(T)の比を求めることにより算出した。また、立上り時間(τ)及び立下り時間(τ)の測定にはデジタル・ストレージオシロスコープ(40MHz、岩崎通信機株式会社製)を用い、周波数120Hzの矩形波を加えた。
〔1〕本願発明の第1の態様の実施例
〔1−1〕 色素含有液晶成分としてはカイラル・ドーパントであるコレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)とカイラル・スメクチックC相を示す液晶CS−2003(チッソ株式会社製)の1:1(重量比)混合物を液晶全量の0.4%を含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン社製)86重量%と二色性黒色色素Black−4(三菱化学株式会社製)4.0重量%をよく混合し、更に高分子成分としてヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ポリエチレングライコールディアクリレート、ポリテトラメチレングライコール、カレンズM01−BMの10:10:40:20:20(重量比)混合物10重量%を加えよく混合し、ポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を10μmに設定した2枚の酸化インジウムをコートした透明導電ガラス基板間に挿入し、室温22℃にて100Wの高圧水銀灯による紫外光の平行光を出光側レンズから20cmの位置で3分間照射してプレポリマーを硬化させた。2枚の基板間に形成された調光層の大きさは1cm×1cmであり、この組織を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、液晶相はポリドメイン・フォーカル・コニック構造のグレイン(小包)を成し、グレインの大きさは数μm程度で、多少分布があった。室温20℃においてこのデバイスの電気光学特性を測定したところ、駆動電圧6Vにおいて、最大コントラスト比(T100/T)300:1以上、τ=5.2ms、τ=10.0msが得られた。
〔1−2〕 色素含有液晶成分としてはカイラル・ドーパントであるコレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)とカイラル・スメクチックC相を示す液晶CS−2003(チッソ株式会社製)の1:1(重量比)混合物を液晶全量の0.4重量%を含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン社製)80重量%と二色性黒色色素Black−1(三菱化学株式会社製)10重量%をよく混合し、更に、高分子成分としてヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ポリエチレングライコールディアクリレート、ポリテトラメチレングライコール、カレンズM01−BMの10:10:40:20:20(重量比)混合物10重量%を加えよく混合し、ポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を10μmに設定した2枚の酸化インジウムをコートした透明導電ガラス基板間に挿入し、室温22℃にて100Wの高圧水銀灯による紫外光の平行光を出光側レンズから20cmの位置で3分間照射してプレポリマーを硬化させた。2枚の基板間に形成された調光層部分の大きさは1cm×1cmであり、室温20℃においてこのデバイスの電気光学特性を測定したところ、駆動電圧20Vにおいて最大コントラスト比(T100/T)280:1、τ=12.5ms、τ=18msであった。
〔2〕本願発明の第2の態様の実施例
〔2−1〕 中間電極基板を用いたタイプの例である(第5図)。散乱調光層(A)の液晶成分としては、カイラル・ドーパントであるコレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)とカイラル・スメクチックC相を示す液晶CS−2003(チッソ株式会社製)の1:1(重量比)混合物を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)90重量%としたものを用いる。これに、高分子成分としてヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ポリエチレングライコールディアクリレート、ポリテトラメチレングライコール、カレンズM01−BM(昭和電工株式会社製)の10:10:40:10:30(重量比)混合物10重量%を加え、よく混合した。この混合物を、ポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を5μmに設定した表面電極基板31と中間電極基板33の間に挿入した。表面電極基板31と後述の表面電極基板32の内側表面、及び中間電極基板33の両表面には酸化インジウム透明導電層がコートされている。液晶・高分子混合物を挿入後、室温22℃にて100Wの高圧水銀灯による紫外光の平行光束を出光側レンズから20cmの位置で2分間照射してプレポリマー(高分子成分)を硬化させた。こうして散乱調光層(A)を作製した。
色素含有調光層(B)の材料としては、コレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)96重量%と二色性黒色色素Black4(三菱化学株式会社製)4.0重量%とを混合し、よく攪拌して作製した。この二色性黒色色素混入液晶をポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を5μmに設定した中間電極基板33と他方の表面電極基板32の間に挿入して、色素含有調光層(B)を作製した。
このようにして構成した両調光層(A)、(B)の大きさは1cm×1cmで、散乱調光層(A)と色素含有調光層(B)の開閉面が一致するようにした。
室温20℃においてこのデバイスの電気光学特性を測定したところ、駆動電圧2.5Vにおいて、最大コントラスト比(T100/T)450:1以上、τ=3.2ms、τ=5.1msが得られた。
〔2−2〕 同じく中間電極基板を用いたタイプの例である(第5図)。散乱調光層(A)の液晶成分としては、カイラル・ドーパントであるコレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)とカイラル・スメクチックC相を示す液晶CS−2003(チッソ株式会社製)の1:1(重量比)混合物を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)90重量%としたものを用いる。これに、高分子成分としてヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ポリエチレングライコールディアクリレート、ポリテトラメチレングライコール、カレンズM01(昭和電工株式会社製)の10:10:50:10:20(重量比)混合物10重量%を加え、よく混合した。この混合物を、ポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を5μmに設定した表面電極基板31と中間電極基板33の間に挿入し、室温22℃にて100Wの高圧水銀灯による紫外光の平行光束を出光側レンズから20cmの位置で2分間照射してプレポリマーを硬化させた。こうして散乱調光層(A)を作製した。
色素含有調光層(B)の材料としては、コレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)94重量%と二色性黒色色素Black4(三菱化学株式会社製)6.0重量%とを混合し、よく攪拌して作製した。この二色性黒色色素混入液晶をポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を5μmに設定した中間電極基板33と表面電極基板32の間に挿入して、色素含有調光層(B)を作製した。
このようにして構成した液晶表示デバイスの大きさは1cm×1cmで、散乱調光層(A)と色素含有調光層(B)の開閉面が一致するようにした。
室温20℃においてこのデバイスの電気光学特性を測定したところ、駆動電圧3.0Vにおいて、最大コントラスト比(T100/T)400:1以上、τ=4.2ms、τ=6.4msが得られた。
〔2−3〕 中間電極基板を使用しないタイプの例である(第6図)。散乱調光層(A)の液晶成分として、カイラル・ドーパントであるコレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)とカイラル・スメクチックC相を示す液晶CS−2003(チッソ株式会社製)の1:1(重量比)混合物を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)90重量%を作製し、これに、高分子成分としてヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ポリエチレングライコールディアクリレート、ポリテトラメチレングライコール、カレンズM01−BM(昭和電工株式会社製)の10:10:40:10:30(重量比)混合物10重量%を加え、よく混合した。この混合物を酸化インジウムをコートした透明導電ガラス基板(表面電極基板)41の上面(導電コート面)にスピンコートし(厚み7μm)、直ちに、室温22℃にてNガス雰囲気中で100Wの高圧水銀灯による紫外光の平行光束を出光側レンズから10cmの位置で1分間照射してプレポリマーを硬化させ、散乱調光層(PCW−LC)(A)を形成せしめた(その厚さ7μm)。更に、ポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を10μmに設定し、もう一方の酸化インジウムをコートした透明導電ガラス基板(表面電極基板)42の導電面を内側(第6図では下側)にして固定し、3μmの間隔の空隙のあるセルを作製した。この空隙に二色性黒色色素含有液晶を注入して色素含有調光層(B)を作製した。これにより、直接接触した散乱調光層(A)と色素含有調光層(B)からなる2層構造の液晶表示デバイスを製造した。
なお、二色性黒色色素含有液晶は次のようにして作製した。コレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)96重量%と二色性黒色色素Black4(三菱化学株式会社製)4.0重量%とをよく攪拌混合し作製した。
このようにして構成した液晶表示デバイスの大きさは1cm×1cmで、散乱調光層(PCW−LC)(A)と色素含有調光層(B)の開閉面が一致するようにした。
室温20℃においてこのデバイスの電気光学特性を測定したところ、駆動電圧6Vにおいて、最大コントラスト比(T100/T)450:1以上、τ=5.2ms、τ=10.1msが得られた。
〔2−4〕 同じく中間電極基板を使用しないタイプの例である(第6図)。散乱調光層(A)の液晶成分としてカイラル・ドーパントであるコレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)とカイラル・スメクチックC相を示す液晶CS−2003(チッソ株式会社製)の1:1(重量比)混合物を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)90重量%を作製し、これに高分子成分としてヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ポリエチレングライコールディアクリレート、ポリテトラメチレングライコール、カレンズM01−BM(昭和電工株式会社製)の10:10:50:10:20(重量比)混合物10重量%を加えよく混合した。この混合物を、酸化インジウムをコートした透明導電ガラス基板である表面電極基板41の上面(導電コート面)にスピンコートし(厚み7μm)、直ちに、室温22℃にてNガス雰囲気中で100Wの高圧水銀灯による紫外光の平行光束を出光側レンズから10cmの位置で1分間照射してプレポリマーを硬化させて散乱調光層(PCW−LC)(A)を形成せしめた(その厚さ7μm)。更に、ポリイミドフィルムのスペーサーにより間隔を10μmに設定し、同じく酸化インジウムをコートした透明導電ガラス基板であるもう一方の表面電極基板42をその導電面を内側にして固定し、3μmの間隔の空隙のあるセルを作製した。この空隙に二色性黒色色素含有液晶を注入して色素含有調光層(B)を作製した。これにより、直接接触した散乱調光層(A)と色素含有調光層(B)からなる2層構造の液晶表示デバイスを製造した。
なお、二色性黒色色素含有液晶は次のようにして作製した。コレステリック液晶CM−33(チッソ株式会社製)を液晶全量の0.4%含有するネマチック液晶5CB(メルク・ジャパン株式会社製)92重量%と二色性黒色色素Black4(三菱化学株式会社製)8.0重量%とをよく攪拌混合し作製した。
このようにして構成した液晶表示デバイスの大きさは1cm×1cmで、散乱調光層(PCW−LC)(A)と色素含有調光層(B)の開閉面が一致するようにした。
室温20℃においてこのデバイスの電気光学特性を測定したところ、駆動電圧9Vにおいて、最大コントラスト比(T100/T)350:1以上、τ=10.2ms、τ=16.4msが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図 本願発明の第1の態様の一実施例である液晶デバイスの電圧非印加時の状態を示す説明図。
第2図 第1図の液晶デバイスの電圧印加時の状態を示す説明図。
第3図 本願発明の第2の態様の散乱調光層の電圧非印加時の状態を示す説明図。
第4図 第3図の散乱調光層の電圧印加時の状態を示す説明図。
第5図 本願発明の第2の態様の第1の実施例である中間電極基板付2層型光シャッターの構成図。
第6図 本願発明の第2の態様の第2の実施例である中間電極基板不要型2層型光シャッターの構成図。

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が透明である2枚の導電性基板と、両基板間に介挿された調光層とを有する液晶表示デバイスであって、
    a)該調光層が、透明高分子固体の薄膜により包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包の集合体から成り、
    b)該カイラル・ネマチック液晶が、
    b1)該液晶の0.05〜5重量%のカイラル・ドーパントと、
    b2)該液晶の0.001〜20重量%の二色性黒色色素と、
    を含有し、
    c)該カイラル・ドーパントが、
    c1)コレステリック液晶と、
    c2)カイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶と、
    の混合物である、
    ことを特徴する液晶表示デバイス。
  2. 上記調光層における透明高分子固体の比率が1〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示デバイス。
  3. 上記調光層における透明高分子固体の比率が8〜20重量%であり、上記カイラル・ネマチック液晶中における二色性黒色色素の比率が0.1〜15重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示デバイス。
  4. a)コレステリック液晶と、カイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶とを混合することによりカイラル・ドーパントを作製し、
    b)ネマチック液晶に、0.05〜5重量%の上記カイラル・ドーパント、及び0.001〜20重量%の二色性黒色色素を混入し、
    c)少なくとも一方が透明である2枚の導電性基板の間に、1〜50重量%の重合後透明高分子固体を形成するプレポリマーと、上記カイラル・ネマチック液晶との混合物を介挿し、
    d)該混合物に紫外光又はその近傍の短波長の光を照射することにより透明高分子固体の薄膜で包まれた小包状液晶の集合体を形成する、
    ことを特徴する液晶表示デバイスの製造方法。
  5. a)少なくとも一方が透明である2枚の表面電極基板と、
    b)両基板の間に介挿された色素含有調光層及び散乱調光層と、
    を備え、
    c)上記色素含有調光層は二色性黒色色素を混入したネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶又はコレステリック液晶から成り、
    d)上記散乱調光層は透明高分子固体の薄膜により包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包の集合体から成り、該カイラル・ネマチック液晶は0.05〜5重量%のカイラル・ドーパントを含有し、該カイラル・ドーパントはコレステリック液晶とカイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶との混合物である、
    ことを特徴する液晶表示デバイス。
  6. a)少なくとも一方が透明である2枚の表面電極基板と、
    b)両基板の間に、両基板との間にそれぞれ隙間を設けて介挿された中間電極基板と、
    c)一方の表面電極基板と中間電極基板との間に介挿された色素含有調光層、及び他方の表面電極基板と中間電極基板との間に介挿された散乱調光層と、
    を備え、
    d)上記色素含有調光層は二色性黒色色素を混入したネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶又はコレステリック液晶から成り、
    e)上記散乱調光層は透明高分子固体の薄膜により包まれたカイラル・ネマチック液晶の小包の集合体から成り、該カイラル・ネマチック液晶は0.05〜5重量%のカイラル・ドーパントを含有し、該カイラル・ドーパントはコレステリック液晶とカイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶との混合物である、
    ことを特徴する液晶表示デバイス。
  7. a)コレステリック液晶とカイラル・スメクチックC相を示す強誘電性液晶とを混合することによりカイラル・ドーパントを作製し、
    b)ネマチック液晶に0.05〜5重量%の上記カイラル・ドーパントを混入したカイラル・ネマチック液晶を作製し、
    c)1枚の表面電極基板上に、1〜50重量%の重合後透明高分子固体を形成するプレポリマーと上記カイラル・ネマチック液晶との混合物を載置した後、該混合物に紫外光又はその近傍の短波長の光を照射することにより透明高分子固体の薄膜で包まれた小包状液晶の集合体から成る散乱調光層を形成し、
    d)該散乱調光層の上に二色性黒色色素を混入したネマチック液晶、カイラル・ネマチック液晶又はコレステリック液晶から成る色素含有調光層を形成する、
    工程を含むことを特徴する液晶表示デバイスの製造方法。
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